JP2016002860A - 車両用サスペンションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ空気圧が低下した車輪に掛かる負担の軽減効果を向上させた車両用サスペンションシステムを提供する。
【解決手段】4つの車輪のいずれかのタイヤ空気圧が低下している状態において、そのタイヤ空気圧が低下している空気圧低下輪14aと、その空気圧低下輪14aの対角位置に位置する対角輪14bとに対応するショックアブソーバの各々が発生させる減衰力を、それらの各々に対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合に通常より小さくなるように制御し、離間動作している場合に通常より大きくなるように制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ばね上部とばね下部との相対動作に対する減衰力の大きさを変更可能に発生させるショックアブソーバを各車輪に対応して設けた車両用サスペンションシステムに関する。
下記特許文献には、パンク等によって車輪のタイヤ空気圧が低下した場合に、ばね上部とばね下部との間に作用させる力を制御して、そのタイヤ空気圧が低下した車輪への負担を軽減する車両用サスペンションシステムが記載されている。下記特許文献1に記載の車両用サスペンションシステムは、ばね上部とばね下部との相対動作に対する減衰力の大きさを変更する減衰力変更機構を有して、ばね上部とばね下部との相対動作に対する減衰力を変更可能に発生させるショックアブソーバを含んで構成される。そして、タイヤ空気圧が低下した車輪に対応するショックアブソーバの減衰力特性をソフト特性側に固定し、それ以外の車輪に対応するショックアブソーバの減衰力特性をハード特性側に固定するようになっている。
特開平9−99723号公報 特開2004−114876号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の車両用サスペンションシステムでは、タイヤ空気圧が低下した車輪への負担を十分に軽減しているとは言い難い。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、タイヤ空気圧が低下した車輪に掛かる負担の軽減効果を向上させた車両用サスペンションシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用サスペンションシステムは、4つの車輪のいずれかのタイヤ空気圧が低下している状態において、そのタイヤ空気圧が低下している空気圧低下輪と、その空気圧低下輪の対角位置に位置する対角輪とに対応するショックアブソーバの各々が発生させる減衰力を、それらの各々に対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合に通常より小さくなるように制御し、離間動作している場合に通常より大きくなるように制御することを特徴とする。
本発明の車両用サスペンションシステムによれば、空気圧低下輪に対応するショックアブソーバが発生させる減衰力の制御により、その空気圧低下輪に加わる荷重を抑えるとともに、対角輪に対応するショックアブソーバが発生させる減衰力の制御により、空気圧低下輪および対角輪以外の2つの車輪を結ぶ軸線回りの力を車体に作用させることで、空気圧低下輪に加わる荷重を、さらに抑えることが可能である。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項ないし(7)項の各々が、請求項1ないし請求項7の各々に相当する。
(1)(a)前後左右の4つの車輪に対応して設けられ、それぞれが、減衰力の大きさを変更する減衰力変更機構を有してばね上部とばね下部との相対動作に対する減衰力を変更可能に発生させる4つのショックアブソーバと、(b)それら4つのショックアブソーバの各々が有する前記減衰力変更機構を制御することで前記4つのショックアブソーバの各々が発生させる減衰力を制御する制御装置とを備えた車両用サスペンションシステムであって、
前記制御装置が、
前記4つの車輪のいずれかのタイヤ空気圧が低下している状態であるタイヤ空気圧低下状態において、そのタイヤ空気圧が低下している車輪を空気圧低下輪と定義し、その空気圧低下輪の対角位置に位置する車輪を対角輪と定義した場合に、前記4つのショックアブソーバのうちの前記空気圧低下輪および前記対角輪に対応するものが発生させる減衰力を、それらショックアブソーバの各々に対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合に通常より小さくなるように制御し、離間動作している場合に通常より大きくなるように制御する車両用サスペンションシステム。
例えば、パンク等によって車輪のいずれかのタイヤ空気圧が低下した場合であっても、停車させるまでは、車両を走行させなければならない。そのタイヤ空気圧が急激に低下するような場合、その車輪は、ばね上荷重を支えることができず、タイヤの破裂やホイールの損傷など、種々の不具合が生じる虞がある。
本項に記載の車両用サスペンションシステムでは、まず、タイヤ空気圧が低下している車輪に対応するショックアブソーバが発生させる減衰力が制御される。具体的には、空気圧低下輪に対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合には、図1(a)に示すように、ショックアブソーバが発生させる減衰力が、ばね下部に対して下向きの力を作用させるため、減衰力の大きさを小さくして、空気圧低下輪に加わる荷重の増大が抑えられる。一方、ばね上部とばね下部とが離間動作している場合には、図1(b)に示すように、ショックアブソーバが発生させる減衰力が、ばね下部に対して上向きの力を作用させるため、減衰力の大きさを大きくして、空気圧低下輪に加わる荷重が小さくされる。
また、本項に記載の車両用サスペンションシステムでは、空気圧低下輪の対角位置に位置する車輪に対応するショックアブソーバが発生させる減衰力も制御される。具体的には、対角輪に対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合、図1(c)に示すように、空気圧低下輪および対角輪を除く残り2つの車輪(以下、単に「他の2つの車輪」という場合がある。)を支点として、空気圧低下輪に対応するばね上部に、上向きの力が作用する、つまり、空気圧低下輪に加わる荷重が小さくなる。そこで、本項のサスペンションシステムは、対角輪に対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合、その対角輪に対応するショックアブソーバが発生させる減衰力の大きさを小さくして、その対角輪に対応するばね上部とばね下部との接近動作を許容し、空気圧低下輪に加わる荷重を小さくすることができるのである。一方、対角輪に対応するばね上部とばね下部とが離間動作している場合、図1(d)に示すように、他の2つの車輪を支点として、空気圧低下輪に対応するばね上部に、下向きの力が作用する、つまり、空気圧低下輪に加わる荷重が大きくなる。本項のサスペンションシステムは、対角輪に対応するばね上部とばね下部とが離間動作している場合、その対角輪に対応するショックアブソーバが発生させる減衰力の大きさを大きくして、その対角輪に対応するばね上部とばね下部との離間動作を制限し、空気圧低下輪に加わる荷重の増大を抑えることができるのである。
したがって、本項の車両用サスペンションシステムによれば、空気圧低下輪に加わる荷重を抑えることで、上述したような空気圧低下輪に生じる不具合の発生を防止することが可能である。なお、本項に記載の態様においては、空気圧低下輪に加わる荷重を抑えるという観点からすれば、接近動作している場合の減衰力を、制御可能な範囲でできる限り小さくし、離間動作している場合の減衰力を、制御可能な範囲でできる限り大きくすることが望ましい。また、接近動作している場合には、制御可能な範囲でできる限り小さくすること、つまり、減衰力を発生させないことが望ましく、本項の態様における「減衰力を小さくする」とは、減衰力の大きさを0とすることも含む文言である。
また、本項に記載の態様は、タイヤ空気圧を直接的に検出するセンサの検出値に基づいて上記「タイヤ空気圧低下状態」にあるか否かが判断される構成であってもよく、タイヤ空気圧とは異なる他のパラメータに基づいて、タイヤ空気圧が低下していることを推定するような構成であってもよい。
ちなみに、上記ショックアブソーバが発生させる減衰力Fは、ばね上部とばね下部との相対速度(以下、「ばね上ばね下相対速度」という場合がある)vS/USに依存しており、簡単には、
F=ζ・vS/US ζ:減衰係数
と、表すことができる。したがって、ショックアブソーバが発生させる減衰力を比較する場合等においては、同じばね上ばね下相対速度vS/USであることが前提となる。そのことに鑑みて、本明細書における減衰力の大小は、減衰力発生特性の相違、具体的には、減衰係数の大小を意味することがあることとし、また、上記「減衰力変更機構」による減衰力の変更は、減衰力発生特性の変更、具体的には、減衰係数の変更を意味することがあることとする。
(2)前記制御装置が、
前記4つのショックアブソーバの各々が発生させる減衰力の大きさを、下限値と上限値との間で変更するように制御するものとされ、
前記タイヤ空気圧低下状態において、前記4つのショックアブソーバのうちの前記空気圧低下輪および前記対角輪に対応するものが発生させる減衰力を、それらショックアブソーバの各々に対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合に前記下限値となるように制御し、離間動作している場合に前記上限値となるように制御する(1)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、タイヤ空気圧低下状態において、空気圧低下輪および対角輪に対応するショックアブソーバに発生させる減衰力の大きさを限定した態様である。本項に記載の車両用サスペンションシステムが、例えば、ばね上部とばね下部とが接近動作している場合の減衰力と、離間動作している場合の減衰力との各々において、上限値と下限値とが設定されているような構成である場合には、接近動作している場合には、減衰力をその接近動作に対する減衰力の下限値となるように制御し、離間動作している場合には、減衰力をその離間動作に対する減衰力の上限値となるように制御するものとなる。本項に記載の態様によれば、空気圧低下輪に加わる荷重を効果的に抑えることが可能である。
(3)前記制御装置が、
前記タイヤ空気圧低下状態において、前記4つのショックアブソーバのうちの前記空気圧低下輪および前記対角輪以外の車輪に対応するものが発生させる減衰力を、それらショックアブソーバの各々に対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合に通常より大きくなるように制御し、離間動作している場合に通常より小さくなるように制御する(1)項または(2)項に記載の車両用サスペンションシステム。
(4)前記制御装置が、
前記4つのショックアブソーバの各々が発生させる減衰力を、下限値と上限値との間で変更するように制御し、
前記タイヤ空気圧低下状態において、前記4つのショックアブソーバのうちの前記空気圧低下輪および前記対角輪以外の車輪に対応するものが発生させる減衰力を、それらショックアブソーバの各々に対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合に前記上限値となるように制御し、離間動作している場合に前記下限値となるように制御する(3)項に記載の車両用サスペンションシステム。
上記2つの項に記載の態様は、空気圧低下輪および対角輪を除いた残り2つの車輪に対応するショックアブソーバをも、タイヤ空気圧の低下に対処するために用いる態様である。それら他の2つの車輪は、空気圧低下輪に対して前後あるいは左右に並ぶ位置に位置する車輪である。つまり、それら他の車輪に対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合、図1(e)に示すように、空気圧低下輪に対応するばね上部に、下向きの力が作用し、空気圧低下輪に加わる荷重が大きくなる。そこで、上記2つの項に記載の車両用サスペンションシステムは、それら他の車輪に対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合、その他の車輪に対応するショックアブソーバが発生させる減衰力の大きさを大きくして、その対角輪に対応するばね上部とばね下部との接近動作を制限し、空気圧低下輪に加わる荷重の増大を抑えることができるのである。
一方、それら他の車輪に対応するばね上部とばね下部とが離間動作している場合、図1(f)に示すように、空気圧低下輪に対応するばね上部に、上向きの力が作用し、空気圧低下輪に加わる荷重が小さくなる。上記2つの項に記載の車両用サスペンションシステムは、それら他の車輪に対応するばね上部とばね下部とが離間動作している場合、その他の車輪に対応するショックアブソーバが発生させる減衰力の大きさを小さくして、その対角輪に対応するばね上部とばね下部との離間動作を許容し、空気圧低下輪に加わる荷重を小さくすることができるのである。
(5)前記複数のショックアブソーバの各々が、
作動液を収容するハウジングと、そのハウジング内に摺動可能に配設されたピストンと、一端部がピストンに連結されるとともに他端部がハウジングから延び出すロッドとを有し、車両のばね上部とばね下部と繋ぐようにして配設されてそれらばね上部とばね下部との相対移動によって伸張・収縮するシリンダと、
そのシリンダの伸縮に伴う作動液の流れに対して抵抗を与えることで、シリンダの伸縮に対する減衰力を発生させるものであって、ソレノイドを有してそのソレノイドに供給される電流に応じて発生させる減衰力の大きさを変更可能な前記減衰力変更機構としての機能を有する減衰力発生器と
を備えた(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載に態様は、ショックアブソーバの構成を具体化した態様であり、ソレノイドバルブを用いたショックアブソーバを採用した態様である。本項に記載の態様は、ソレノイドへの供給電流をリニアに制御することにより、細かな減衰力制御が可能であり、車両の操安性や乗り心地を高めることができる。
(6)前記減衰力発生器が、
前記シリンダの伸縮に伴って流れる作動液を通過させることでその作動液の流れに抵抗を与える弁機構を有し、前記ソレノイドが発生させる電磁力に依拠した力を前記弁機構に作用させることにより前記弁機構の開弁圧が変更されるように構成されることで、前記ソレノイドに供給される電流に応じて減衰力を変更するように構成された(5)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、減衰力発生器を具体化した態様である。本項に記載の「減衰力発生器」は、弁体の開弁圧を変更するために、ソレノイドが直接的に弁体に力を作用させるような構造のものであってもよく、弁体の前方側と後方側との差圧を調整するような構造のものであってもよい。
(7)前記減衰力発生器が、
(a)前記シリンダの伸縮時に作動液が流れる主流路と、(b)その主流路に設けられた前記弁機構としてのメインバルブと、(c)そのメインバルブをバイパスするように設けられたバイパス路と、(d)そのバイパス路に設けられ、前記メインバルブに対してそれを閉弁させる方向の内圧を作用させるパイロット室と、(e)前記ソレノイドを含んで構成されてそのソレノイドに供給される電流に応じて前記パイロット室の内圧を変更するパイロットバルブとを有し、
前記パイロットバルブによって前記パイロット室の内圧を変更することで前記メインバルブの開弁圧を変更するように構成された(6)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、減衰力発生器をさらに具体化した態様であり、減衰力発生器が、いわゆるパイロット式の電磁弁を主体として構成されている。本項に記載の減衰力発生器は、弁体の前方側と後方側との差圧を調整するような構造のものであるため、本項に記載の車両用サスペンションシステムによれば、応答性の高い減衰力制御が可能となる。
タイヤ空気圧低下状態におけるショックアブソーバの減衰力制御を示す概略図である。 請求可能発明の実施例である車両用サスペンションシステムを示す概略図である。 本実施例の車両用サスペンションシステムの構成要素であるショックアブソーバの概略断面図である。 図3に示す減衰力発生器の断面図である。 図4に示す減衰力発生器の減衰特性を示すグラフである。 基準供給電流と車速との関係を示すグラフである。 図1に示す制御装置よって実行される減衰力制御プログラムを示すフローチャートである。
以下、請求可能発明を実施するための形態として、請求可能発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。また、〔発明の態様〕の各項の説明に記載されている技術的事項を利用して、下記の実施例の変形例を構成することも可能である。
[A]車両用サスペンションシステムの構成
図2に、請求可能発明の実施例である車両用サスペンションシステム10を模式的に示す。本サスペンションシステム10は、独立懸架式の4つのサスペンション装置12を、前後左右の車輪14の各々に対応して備えており、それらサスペンション装置12の各々は、車輪14を保持してばね下部の一部分を構成するサスペンションロアアームと、車体に設けられてばね上部の一部分を構成するマウント部との間に、それらを連結するようにして配設されている。それらサスペンション装置12の各々は、サスペンションスプリングとしてのコイルスプリング16と、液圧式ショックアブソーバ20とを有しており、それらが互いに並列的に、ロアアームとマウント部との間に配設されている。車輪14,サスペンション装置12は総称であり、4つの車輪14のいずれに対応するものであるかを明確にする必要のある場合には、図に示すように、車輪位置を示す添え字として、左前輪,右前輪,左後輪,右後輪の各々に対応するものにFL,FR,RL,RRを付す場合がある。
上記の液圧式ショックアブソーバ20は、図3に示すように、シリンダ22と、減衰力発生器24とを主要構成要素として構成されている。シリンダ22は、ハウジング30と、ハウジング30の内部において上下方向に移動可能に配設されたピストン32と、一端部(下端部)がピストン32に連結されて他端部(上端部)がハウジング30から上方に延び出すロッド34とを含んで構成されている。ハウジング30は、ロアアームに、ロッド34の上端部は、マウント部に、それぞれ連結される。つまり、ばね上部とばね下部とが離間する方向に相対移動する場合(以下、「リバウンド動作時」若しくは「リバウンド時」と言う場合がある)に伸長し、接近する方向に相対移動する場合(以下、「バウンド動作時」若しくは「バウンド時」と言う場合がある)に収縮する。
ハウジング30は、有底のメインチューブ40と、それの外周側に付設されたアウターチューブ42と、それらメインチューブ40とアウターチューブ42との間に設けられたインターチューブ44とを有しており、概して三重管構造をなしている。ピストン32は、メインチューブ40の内側に摺動可能に配設されている。そして、メインチューブ40の内部は、ピストン32によって、2つの液室であるロッド側室50および反ロッド側室52が区画形成されている。また、メインチューブ40とアウターチューブ42との間には、作動液を収容するバッファ室(「リザーバ」と呼ぶこともできる)54が区画形成されている。また、インターチューブ44の内周面とメインチューブ40の外周面との間には、環状の液通路56が区画形成されている。また、メインチューブ40の内底部には、反ロッド側室52の底を区画する仕切部材58が設けられており、仕切部材58とメインチューブ40の底壁との間には、底部液通路60が形成されている。
メインチューブ40の上部には、液通路56とロッド側室50との間の作動液の流通のために、流通穴70が設けられている。また、メインチューブ40の下端に近い部分には、バッファ室54と底部液通路60との間の作動液の流通のために、底部流通穴72が設けられている。インターチューブ44の下部には、液通路56から減衰力発生器24への作動液の流出を許容する流出口74が設けられている。そして、アウターチューブ42には、減衰力発生器24からのバッファ室54への作動液の流入を許容する流入口76が設けられている。
後に詳しく説明するが、減衰力発生器24は、上記の流出口74および流入口76を覆うようにして配設されており、ロッド側室52から流出して、液通路56を介してバッファ室54に流入する作動液の通過を許容するとともに、その作動液の流れに対して抵抗を与える機能を有している。
シリンダ22において、バウンド動作時には、図3に実線の矢印で示すように、まず、ロッド側室50に、反ロッド側室52から、ピストン32に設けられたチェック弁80を介して、作動液が流入する。そして、そのロッド側室50に流入する作動液の量は、ロッド側室50のピストン32の動作に伴って増加する容積よりも多いため、そのロッド側室50から、流通穴70,液通路56を介しかつ減衰力発生器24を通過して、バッファ室54に作動液が流出する。その際、減衰力発生器24によって作動液の流れに対して与えられる抵抗により、シリンダ22の収縮に対する減衰力、つまり、バウンド動作に対する減衰力が発生させられることになる。
一方、リバウンド動作時には、バウンド動作時と同様に、ロッド側室50から、流通穴70,液通路56,減衰力発生器24を介して、バッファ室54に作動液が流出する。その際、減衰力発生器24によって作動液の流れに対して与えられる抵抗により、シリンダ22の伸長に対する減衰力、つまり、リバウンド動作に対する減衰力が発生させられることになる。なお、シリンダ22の反ロッド側室52には、図3に破線の矢印で示すように、バッファ室54から、底部流通穴60,底部液通路60,仕切部材58に設けられたチェック弁82を介して、作動液が流入するようになっている。
以下に、減衰力発生器24の構成および作用について、図4を参照しつつ説明する。なお、減衰力発生器24は、既知のもの(例えば、特開2011−132995号公報等に記載されたもの)であるため、それの説明は簡略に行うものとする。その減衰力発生器24は、自身を通過する作動液に抵抗を与えるためのメインバルブ90と、そのメインバルブ90の開弁圧を調整するためのパイロットバルブ92とを、主要構成要素とするものであり、いわゆるパイロット式の電磁弁を主体として構成されたものである。
上記のメインバルブ90およびパイロットバルブ92は、概して有蓋円筒形状のハウジング100内に設けられている。そのハウジング100内には、図4に破線の矢印で示すような、シリンダ22の伸縮時に作動液が流れる流路の主体となる主流路102が設けられている。その主流路102には、メインバルブ90が設けられており、そのメインバルブ90を構成する弁体104が圧縮コイルスプリング106によって着座する方向に付勢されている。そして、メインバルブ90は、開弁した場合に、主流路102の作動液の流れを許容するとともに、その作動液の流れに対して抵抗を与えるようになっている。
また、ハウジング100内には、図4に実線の矢印で示すような、メインバルブ90を迂回するバイパス路110が設けられている。そのバイパス路110には、上流側から順に、固定オリフィス112,パイロット室114,パイロットバルブ92が設けられている。パイロット室114は、メインバルブ90に対してそれを閉弁させる方向の内圧をさせるものである。つまり、上記のメインバルブ90は、自身の前方側(図4におけるメインバルブ90の左側)の液室である前方室116の液圧とパイロット室114の液圧との差圧によって作用する力が、スプリング106の付勢力を超えた場合に開弁するようになっているのである。固定オリフィス112は、メインバルブ90の弁体104を貫通するように設けられたものであり、前方室116からパイロット室114への作動液の流れに抵抗を与えるようになっている。
パイロットバルブ92は、弁可動体120と、励磁されることで弁可動体120を作動させるための電磁力を発生させるソレノイド122とを含んで構成され、バイパス路110におけるパイロット室114の下流側に設けられている。弁可動体120は、ポペット型の弁頭124を備えており、その弁頭124が弁座126に離着座することでパイロット室114を開閉することができるようになっている。その弁可動体120は、圧縮コイルスプリング128によって、弁頭124が離座する方向に付勢されている。一方、ソレノイド122が励磁されることで、弁可動体120には、弁頭124が着座する方向の付勢力が作用するようになっている。
パイロットバルブ92は、上記のような構成から、パイロット室114の開度、換言すれば、パイロット室114から下流側への流出量を調整することできる。つまり、パイロットバルブ92は、パイロット室114の液圧を調整して、メインバルブ90の開弁圧を調整することができるようになっているのである。なお、メインバルブ90の開弁圧は、パイロットバルブ92のソレノイド122に供給される電流の大きさに依存している。その電流が大きいほど、パイロットバルブ92の開度は小さく、パイロット室114の液圧が高くなり、メインバルブ90の開弁圧も高くなる。
以上のように構成された減衰力発生器24は、図5に示すような減衰特性(リバウンド動作時)を有するものとなっている。ばね上部とばね下部との相対動作の速度vst(以下、ストローク速度という場合がある。)が低い場合には、メインバルブ90は開弁しておらず、減衰力Fは、メインバルブ90に設けられた固定オリフィス112を通過する作動液の流れに対する抵抗に依存したものとなる。そして、前方室116とパイロット室114との差圧が大きくなり、メインバルブ90が開弁すると、減衰力Fは、そのメインバルブ90を通過する作動液の流れに対する抵抗に依存したものとなるのである。そして、上述したように、ソレノイド122に供給される電流が大きくなるほど、メインバルブ90の開弁圧は高くなる、つまり、減衰力は大きくなるのである。なお、ソレノイド122への供給電流Iは、下限値IMINと上限値IMAXとの間で変更されるようになっている。
本サスペンションシステム10は、制御装置としてのサスペンション電子制御ユニット200(以下、「サスペンションECU200」という場合がある)によって、ショックアブソーバ20の制御が行われる。ECU200は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体として構成されたものである。そのECU200には、各ショックアブソーバ20が有する減衰力発生器24に対応して設けられて、それぞれが、対応する減衰力発生器24への電流を調整可能な駆動回路202が接続されている。それら駆動回路202は、バッテリ[BAT]204に接続されており、各ショックアブソーバ20の減衰力発生器24には、そのバッテリ204から電流が供給される。
車両には、車両走行速度(以下、「車速」と略す場合がある)を検出するための車速センサ[V]210,各車輪14に対応する車体の各ばね上部の上下加速度を検出する4つのばね上加速度センサ[Gz]212,各車輪に対応してタイヤの空気圧を検出する4つのタイヤ空気圧センサ[P]214等が設けられており、それらはECU200のコンピュータに接続されている。サスペンションECU200は、それらのセンサからの信号に基づいて、ショックアブソーバの制御を行うものとされている。ちなみに、[ ]の文字は、上記センサ等を図面において表わす場合に用いる符号である。また、サスペンションECU200のコンピュータが備えるROMには、ショックアブソーバ20の制御に関するプログラム,各種のデータ等が記憶されている。
[B]減衰力の制御
a)通常時の減衰力制御
サスペンションECU200は、制御指標値としてソレノイド122への供給電流を用い、そのソレノイド122への供給電流Iを制御することで、減衰力発生器24が発生させる減衰力を制御する。本サスペンションシステム10における制御は、基本的には、車速Vに応じた減衰力を発生させることで、車両に生じる振動を抑制するものである。詳しくは、車速Vが高くなるほど、減衰力Fが大きくなるように、つまり、メインバルブ90の開弁圧が高くなるように、供給電流Iが制御される。具体的には、ECU200のRAMには、図6に示したマップデータが格納されており、そのマップデータを参照して、車速センサ210により検出された車速Vに対して、ソレノイド122への供給電流の基準となる基準供給電流IBASEが決定される。
そして、本サスペンションシステム10においては、ばね上部の動作を抑えるべく、ばね上速度vに応じた成分を、上記の基準供給電流IBASEに加えて、ソレノイド122への供給電流の目標となる目標供給電流Iが決定されるようになっている。詳しくは、ばね上部の動作がシリンダ22のストロークの方向と一致する場合には、ショックアブソーバ20の減衰力がばね上部の動作を抑制するものとなるため、ショックアブソーバ20が発生させる減衰力が大きくなるように、基準供給電流IBASEにばね上速度vSに応じた大きさの成分を足し合わせるようになっている。一方、ばね上部の動作がシリンダ22のストロークの方向と逆向きである場合には、ショックアブソーバ20の減衰力がばね上部の動作を助長するものとなるため、ショックアブソーバ20が発生させる減衰力が小さくなるように、基準供給電流IBASEからばね上速度vSに応じた大きさの成分を引くようになっている。
具体的には、まず、ばね上加速度センサ212の検出値に基づいて、ばね上部の上下方向の速度であるばね上速度vS、および、シリンダ22のストローク速度vstが推定される。そして、次式に従って、目標供給電流Iが決定されるのである。ちなみに、ばね上速度vSは、上向きが正,下向きが負とされ、ストローク速度vstは、リバウンド方向が正,バウンド方向が負とされている。
=IBASE+sgn(vS・vst)・G・|vS| (G:ゲイン)
ここで、sgn(x)は、符号関数であり、xの符号に応じて1,0,−1のいずれかを返す関数である。
b)タイヤ空気圧低下状態における減衰力制御
本車両用サスペンションシステム10が搭載された車両では、4つのタイヤ空気圧センサ214によって検出された4つの車輪14の各々のタイヤ空気圧Pが監視されており、タイヤ内の温度等に応じた設定値を下回った場合に、警告が出されるようになっている。そして、車両用サスペンションシステム10では、4つの車輪14のいずれかにおいてタイヤ空気圧Pが設定値より低下した場合に、上述した通常時の制御から、タイヤ空気圧が低下した車輪14(以下、空気圧低下輪14aと呼ぶ場合がある。)の保護を目的とした減衰力制御に切り換えられるようになっている。
(i)空気圧低下輪に対応するショックアブソーバの制御
まず、空気圧低下輪14aに対応するショックアブソーバ20が発生させる減衰力の制御について説明する。空気圧低下輪14aに対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合、つまり、ショックアブソーバ20が収縮している場合には、図1(a)に示すように、空気圧低下輪14aに加わる荷重が小さくなる。本サスペンションシステム10は、ショックアブソーバ20が伸張している場合、減衰力を通常より小さくし、空気圧低下輪14aに加わる荷重が小さくされるようになっている。具体的には、ショックアブソーバ20が伸張している場合、ソレノイド122への供給電流が、下限値IMINとされるのである。
一方、空気圧低下輪14aに対応するばね上部とばね下部とが離間動作している場合、つまり、ショックアブソーバ20が伸張している場合には、図1(b)に示すように、空気圧低下輪14aに荷重が加わることになる。本サスペンションシステム10は、ショックアブソーバ20が伸張している場合、減衰力を通常より大きくし、空気圧低下輪14aに加わる荷重の増大を抑えるようになっている。具体的には、ショックアブソーバ20が伸張している場合、ソレノイド122への供給電流が、上限値IMAXとされるのである。
(ii)対角輪に対応するショックアブソーバの制御
次に、空気圧低下輪14aの対角位置に位置する車輪14(以下、対角輪14bと呼ぶ場合がある。)に対応するショックアブソーバ20が発生させる減衰力の制御について説明する。対角輪14bに対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合、つまり、ショックアブソーバ20が収縮している場合には、図1(c)に示すように、2つの車輪14c,14dを支点として傾倒するようにして、空気圧低下輪14aに対応するばね上部が上向きに動作し、空気圧低下輪14aに加わる荷重が小さくなる。本サスペンションシステム10は、対角輪14bに対応するショックアブソーバ20が収縮している場合、減衰力を通常より小さくして、空気圧低下輪14aに対応するばね上部の上向きの動作を制限しないようにすることで、空気圧低下輪14aに加わる荷重を小さくするようになっている。具体的には、対角輪14bに対応するショックアブソーバ20が収縮している場合、ソレノイド122への供給電流が、下限値IMINとされるのである。
一方、対角輪14bに対応するばね上部とばね下部とが離間動作している場合、つまり、ショックアブソーバ20が伸張している場合には、図1(d)に示すように、空気圧低下輪14aおよび対角輪14bを除く2つの車輪14c,14dを支点として傾倒するようにして、空気圧低下輪14aに対応するばね上部が下向きに動作し、空気圧低下輪14aに荷重が加わることになる。本サスペンションシステム10は、対角輪14bに対応するショックアブソーバ20が伸張している場合、減衰力を通常より大きくして、空気圧低下輪14aに対応するばね上部の下向きの動作を抑制することで、空気圧低下輪14aに加わる荷重の増大を抑えるようになっている。具体的には、対角輪14bに対応するショックアブソーバ20が伸張している場合、ソレノイド122への供給電流が、上限値IMAXとされるのである。
(iii)その他の車輪に対応するショックアブソーバの制御
続いて、その他2つの車輪14c,14dに対応するショックアブソーバが発生させる減衰力の制御について説明する。それら2つの車輪14c,14dに対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合、つまり、ショックアブソーバ20が収縮している場合には、図1(e)に示すように、空気圧低下輪14aに対応するばね上部に下向きの力が作用し、空気圧低下輪14aに荷重が加わることになる。本サスペンションシステム10は、2つの車輪14c,14dの各々に対応するショックアブソーバ20が収縮している場合、減衰力を通常より大きくして、空気圧低下輪14aに対応するばね上部に作用する下向きの力を抑えることで、空気圧低下輪14aに加わる荷重の増大を抑えるようになっている。具体的には、2つの車輪14c,14dに対応するショックアブソーバ20が収縮している場合、ソレノイド122への供給電流が、下限値IMAXとされるのである。
一方、2つの車輪14c,14dの各々に対応するばね上部とばね下部とが離間動作している場合、つまり、ショックアブソーバ20が伸張している場合には、図1(f)に示すように、空気圧低下輪14aに対応するばね上部に上向きの力が作用し、空気圧低下輪14aに加わる荷重が小さくなる。本サスペンションシステム10は、2つの車輪14c,14dの各々に対応するショックアブソーバ20が伸張している場合、減衰力を通常より小さくして、空気圧低下輪14aに対応するばね上部に作用する上向きの力を抑えないようにすることで、空気圧低下輪14aに加わる荷重を小さくするようになっている。具体的には、2つの車輪14c,14dに対応するショックアブソーバ20が伸張している場合、ソレノイド122への供給電流が、下限値IMINとされるのである。
[C]制御プログラム
本実施例の車両用サスペンションシステム10の制御は、ECU200が、図7にフローチャートを示す減衰力制御プログラムを、ショックアブソーバ20ごとに実行することによって行われる。なお、これらのプログラムは、短い時間ピッチ(例えば、数μsec〜数十μsec)で繰り返し実行される。
この減衰力制御プログラムにおいては、4つの車輪14のいずれかにおいてタイヤ空気圧が低下している状態であるタイヤ空気圧低下状態にあるか否かを示すフラグである空気圧低下フラグFLが用いられ、4つのショックアブソーバ20の各々のプログラムに共通のフラグ値が用いられる。その空気圧低下フラグFLは、タイヤ空気圧低下状態にない場合に、フラグ値が0とされ、タイヤ空気圧低下状態にある場合に、フラグ値が1とされるものである。
減衰力制御プログラムでは、まず、ステップ1(以下、「ステップ」を「S」と省略する)において、ばね上加速度センサ212の検出値が取得され、ストローク速度vstが推定される。次いで、S2において、自身に対応する車輪14のタイヤ空気圧が低下している状態にあるか否かが取得される。自身のタイヤ空気圧が低下していない場合には、S2において、空気圧低下フラグFLのフラグ値が確認される。S3において、空気圧低下フラグFLのフラグ値が0である場合には、正常であるため、S4において、通常時の減衰力制御が実行されるのであり、先に述べた手法によって、目標供給電流Iが決定される。
また、S2において、自身に対応する車輪14のタイヤ空気圧が低下していると判断された場合には、S5において、空気圧低下フラグFLのフラグ値が1とされる。次いで、S6において、ストローク速度vstの正負によって、ショックアブソーバ20が伸張しているか収縮しているかが判断される。ストローク速度vstが正でショックアブソーバ20が伸張している場合には、S7において、目標供給電流Iが上限値IMAXとされ、ストローク速度vstが負でショックアブソーバ20が収縮している場合には、S8において、目標供給電流Iが下限値IMINとされる。
S3において、空気圧低下フラグFLのフラグ値が1である場合、つまり、自身が対応する車輪14以外のものにおいてタイヤ空気圧の低下が生じている場合には、S9において、空気圧低下輪14aに対してどの位置の車輪なのかが確認される。空気圧低下輪14aの対角位置に位置する対角輪14bである場合には、空気圧低下輪14bに対応するショックアブソーバ20と同様に、S6以下の処理が実行される。
一方、S9において、対角輪14b以外の車輪14c,14dである場合には、S10において、ストローク速度vstの正負によって、ショックアブソーバ20が伸張しているか収縮しているかが判断される。ストローク速度vstが正でショックアブソーバ20が伸張している場合には、S8において、目標供給電流Iが下限値IMINとされ、ストローク速度vstが負でショックアブソーバ20が収縮している場合には、S7において、目標供給電流Iが上限値IMAXとされる。
ソレノイド122への目標供給電流Iが決定されれば、S11において、その決定された大きさの電流をソレノイド122に供給すべく、駆動回路202への指令が出力される。以上で、減衰力制御プログラムの1回の実行が終了する。
[D]本車両用サスペンションシステムの効果
以上のように構成された本実施例の車両用サスペンションシステムは、4つの車輪14のいずれかのタイヤ空気圧が低下した場合に、4つのショックアブソーバ20が発生させる減衰力を利用して、そのタイヤ空気圧が低下した車輪14aに加わる荷重を効果的に抑えることができ、その車輪に不具合が生じないようにすることが可能である。
10:車両用サスペンションシステム 12:サスペンション装置 14:車輪 16:サスペンションスプリング 20:液圧式ショックアブソーバ 22:シリンダ 24:減衰力発生器 30:ハウジング 32:ピストン 34:ロッド 4 90:メインバルブ 92:パイロットバルブ 100:ハウジング 102:主流路 104:弁体 106:圧縮コイルスプリング 110:バイパス路 112:固定オリフィス 114:パイロット室 116:前方室 120:弁可動体 122:ソレノイド 200:サスペンション電子制御ユニット[サスペンションECU]〔制御装置〕 210:車速センサ[V] 212:ばね上加速度センサ[Gz] 214:タイヤ空気圧センサ[P]

Claims (7)

  1. (a)前後左右の4つの車輪に対応して設けられ、それぞれが、減衰力の大きさを変更する減衰力変更機構を有してばね上部とばね下部との相対動作に対する減衰力を変更可能に発生させる4つのショックアブソーバと、(b)それら4つのショックアブソーバの各々が有する前記減衰力変更機構を制御することで前記4つのショックアブソーバの各々が発生させる減衰力を制御する制御装置とを備えた車両用サスペンションシステムであって、
    前記制御装置が、
    前記4つの車輪のいずれかのタイヤ空気圧が低下している状態であるタイヤ空気圧低下状態において、そのタイヤ空気圧が低下している車輪を空気圧低下輪と定義し、その空気圧低下輪の対角位置に位置する車輪を対角輪と定義した場合に、前記4つのショックアブソーバのうちの前記空気圧低下輪および前記対角輪に対応するものが発生させる減衰力を、それらショックアブソーバの各々に対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合に通常より小さくなるように制御し、離間動作している場合に通常より大きくなるように制御する車両用サスペンションシステム。
  2. 前記制御装置が、
    前記4つのショックアブソーバの各々が発生させる減衰力の大きさを、下限値と上限値との間で変更するように制御するものとされ、
    前記タイヤ空気圧低下状態において、前記4つのショックアブソーバのうちの前記空気圧低下輪および前記対角輪に対応するものが発生させる減衰力を、それらショックアブソーバの各々に対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合に前記下限値となるように制御し、離間動作している場合に前記上限値となるように制御する請求項1に記載の車両用サスペンションシステム。
  3. 前記制御装置が、
    前記タイヤ空気圧低下状態において、前記4つのショックアブソーバのうちの前記空気圧低下輪および前記対角輪以外の車輪に対応するものが発生させる減衰力を、それらショックアブソーバの各々に対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合に通常より大きくなるように制御し、離間動作している場合に通常より小さくなるように制御する請求項1または請求項2に記載の車両用サスペンションシステム。
  4. 前記制御装置が、
    前記4つのショックアブソーバの各々が発生させる減衰力を、下限値と上限値との間で変更するように制御し、
    前記タイヤ空気圧低下状態において、前記4つのショックアブソーバのうちの前記空気圧低下輪および前記対角輪以外の車輪に対応するものが発生させる減衰力を、それらショックアブソーバの各々に対応するばね上部とばね下部とが接近動作している場合に前記上限値となるように制御し、離間動作している場合に前記下限値となるように制御する請求項3に記載の車両用サスペンションシステム。
  5. 前記複数のショックアブソーバの各々が、
    作動液を収容するハウジングと、そのハウジング内に摺動可能に配設されたピストンと、一端部がピストンに連結されるとともに他端部がハウジングから延び出すロッドとを有し、車両のばね上部とばね下部と繋ぐようにして配設されてそれらばね上部とばね下部との相対移動によって伸張・収縮するシリンダと、
    そのシリンダの伸縮に伴う作動液の流れに対して抵抗を与えることで、シリンダの伸縮に対する減衰力を発生させるものであって、ソレノイドを有してそのソレノイドに供給される電流に応じて発生させる減衰力の大きさを変更可能な前記減衰力変更機構としての機能を有する減衰力発生器と
    を備えた請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
  6. 前記減衰力発生器が、
    前記シリンダの伸縮に伴って流れる作動液を通過させることでその作動液の流れに抵抗を与える弁機構を有し、前記ソレノイドが発生させる電磁力に依拠した力を前記弁機構に作用させることにより前記弁機構の開弁圧が変更されるように構成されることで、前記ソレノイドに供給される電流に応じて減衰力を変更するように構成された請求項5に記載の車両用サスペンションシステム。
  7. 前記減衰力発生器が、
    (a)前記シリンダの伸縮時に作動液が流れる主流路と、(b)その主流路に設けられた前記弁機構としてのメインバルブと、(c)そのメインバルブをバイパスするように設けられたバイパス路と、(d)そのバイパス路に設けられ、前記メインバルブに対してそれを閉弁させる方向の内圧を作用させるパイロット室と、(e)前記ソレノイドを含んで構成されてそのソレノイドに供給される電流に応じて前記パイロット室の内圧を変更するパイロットバルブとを有し、
    前記パイロットバルブによって前記パイロット室の内圧を変更することで前記メインバルブの開弁圧を変更するように構成された請求項6に記載の車両用サスペンションシステム。
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