JP7099366B2 - 車両用サスペンション装置 - Google Patents
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Description
ばね上部とばね下部との間に配置され、それらばね上部とばね下部との相対動作の速度に応じたその相対動作に対する抵抗力であるダンパ力を発生させる液圧式ダンパと、
前記ばね上部と前記ばね下部との間に配置され、それらばね上部とばね下部とを相対動作させる力であるアクチュエータ力を発生させる電磁式アクチュエータと、
前記アクチュエータ力を制御するコントローラと
を備えた車両用サスペンション装置であって、
前記コントローラが、
前記液圧式ダンパの内部の液圧を前記相対動作の速度に基づいて推定し、その推定した液圧が設定圧以上となる場合に、その設定圧未満である場合に比較して、その相対動作の速度がより低くなるように前記アクチュエータ力を制御するように構成される。
実施例の車両用サスペンション装置(以下、単に「サスペンション装置」という場合がある)は、図1に模式的に示すように、マウント部10(車体のタイヤハウジング上方に位置する部分)とロアアーム12との間に配置されたサスペンションスプリング14およびダンパ/アクチュエータユニット16(以下、「D/Aユニット16」と言う場合がある)を含んで構成されている。当該サスペンション装置との関連で言えば、マウント部10が、ばね上部として機能し、車輪およびその車輪を回転可能に保持するとともにロアアーム12の先端部に支持されたキャリア(図示を省略)が、ばね下部として機能する。ちなみに、ロアアーム12自体をばね下部と解釈することもできる。
i)基本的な制御
D/Aユニット16の基本的な制御は、ばね上部の振動を抑制することを目的としたばね上制振制御である。簡単に言えば、スカイフックダンパ理論に基づく制御であり、次式(1)に従い、ダンパ力FDとアクチュエータ力FAとの合計が、ばね上部の上下方向の速度であるばね上速度vU(ばね下部との相対速度ではなく絶対速度である)に比例した大きさの抵抗力となるように、アクチュエータ力FAが制御される。
FD+FA=CU・vU ・・・(1) CU:スカイフック減衰係数
ばね上速度vUは、ばね上加速度センサ82によって検出されたばね上加速度Gに基づいて決定される。
FD=CD・vS ・・・(2) CD:液圧式ダンパの減衰係数
なお、液圧式ダンパ16Dの減衰係数CDは、上述の第1状態では、上述の弁板52,弁板54のばね定数に依存した固有値CDSであり、ストローク速度vSは、相対位置センサ84によって取得された上記相対位置Sの変化に基づいて求めることが可能である。
FA=CU・vU-FD=CU・vU-CD・vS ・・・(3)
上記式に基づいて決定されたアクチュエータ力FAに基づいて、リニアモータ72に供給すべき電流Iが決定され、その電流Iが、インバータによって、検出された相対位置Sに基づく通電相の切換えが行われつつ供給される。
液圧式ダンパ16Dは、ハウジング18の内部に作動液が充満させられており、発生させるダンパ力FDに応じて、その作動液の液圧が上昇する。過剰な液圧の上昇は、シール36,38,40等への負担となり、ハウジング18からの作動液の漏れを発生させる可能性がある。先に説明した式から解るように、ダンパ力FDは、ストローク速度vSに依存するため、ストローク速度vSが高い程大きくなり、作動液の液圧は高くなる。下液室28の作動液の液圧と上液室30の作動液の液圧とを比較すれば、ピストン20の受圧面積の差の存在から、上液室30の作動液の液圧の方が高くなる。また、シール36,38,40のそれぞれの負担について考えれば、大気圧である外部と上液室30との間に配置されたシール36の負担がもっと大きくなる。したがって、作動液の漏れを未然に防止するには、上液室30の作動液の液圧を管理することが望ましい。
FA=α・vS ・・・(4) α:ゲイン
本サスペンション装置では、基本的な制御として、先に説明したように、ばね上制振制御を行うべく、アクチュエータ力FAが制御される。ダンパ力FDは、ストローク動作の抵抗となる力として発生させられるため、ストローク動作の向きとばね上部の動作の向きとが異なる場合、すなわち、ストローク速度vSの符号とばね上速度vUの符号とが一致しない場合には、ダンパ力FDの方向とアクチュエータ力FAの方向とが互いに反対の方向となる。その場合には、上記式(3)から解るように、ダンパ力FDはアクチュエータ力FAの抵抗となり、決定されるアクチュエータ力FAは、ダンパ力FDにも打ち勝つ程に相当大きなものとなってしまう。
以上説明した基本的な制御,作動液の漏れ防止,ダンパ力発生状態の切換えを含むD/Aユニット16の制御は、図3にフローチャートを示すダンパ/アクチュエータユニット制御プログラムが、ECU80のコンピュータによって、短い時間ピッチ(例えば、数msec)で繰り返し実行されることで、行われる。以下に、そのプログラムに従う処理について、そのフローチャートを参照しつつ、簡単に説明する。
上記ダンパ/アクチュエータユニット制御プログラムに従う処理をコンピュータにおいて実行するECU80は、図4に示すような機能ブロックを有していると考えることができる。具体的には、ECU80は、S1、および、S2若しくはS3の処理を実行する機能部として、(A)ばね上加速度センサ82の検出によるばね上加速度Gを取得し、その取得したばね上加速度Gに基づいてばね上速度vUを推定するばね上速度推定部100と、(B)相対位置センサ84の検出に基づいて相対位置Sを取得し、その取得した相対位置Sに基づいてストローク速度vSを推定するストローク速度推定部102と、(C)温度センサ86の検出に基づいて作動液温Tを取得し、その取得した作動液温Tと推定されたストローク速度vSとに基づいて作動液圧Pを推定する作動液圧推定部104とを有している。
Claims (1)
- ばね上部とばね下部との間に配置され、それらばね上部とばね下部との相対動作の速度に応じたその相対動作に対する抵抗力であるダンパ力を発生させる液圧式ダンパと、
前記ばね上部と前記ばね下部との間に配置され、それらばね上部とばね下部とを相対動作させる力であるアクチュエータ力を発生させる電磁式アクチュエータと、
前記アクチュエータ力を制御するコントローラと
を備えた車両用サスペンション装置であって、
前記コントローラが、
前記液圧式ダンパの内部の液圧を前記相対動作の速度に基づいて推定し、その推定した液圧が設定圧以上となる場合に、その設定圧未満である場合に比較して、その相対動作の速度がより低くなるように前記アクチュエータ力を制御するように構成された車両用サスペンション装置。
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JP2019038484A JP7099366B2 (ja) | 2019-03-04 | 2019-03-04 | 車両用サスペンション装置 |
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JP2019038484A JP7099366B2 (ja) | 2019-03-04 | 2019-03-04 | 車両用サスペンション装置 |
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