JPH0544757A - サスペンシヨン装置 - Google Patents

サスペンシヨン装置

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JPH0544757A
JPH0544757A JP3120091A JP3120091A JPH0544757A JP H0544757 A JPH0544757 A JP H0544757A JP 3120091 A JP3120091 A JP 3120091A JP 3120091 A JP3120091 A JP 3120091A JP H0544757 A JPH0544757 A JP H0544757A
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JP
Japan
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piston
cylinder tube
magnetic
coil
magnetic field
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Application number
JP3120091A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuo Sasaki
光雄 佐々木
Fumiyuki Yamaoka
史之 山岡
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Atsugi Unisia Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きな衝撃入力によるサスペンションユニッ
トの破損を防止し、電力消費量の低減と装置のコンパク
ト化を図り、アシストスプリングなしで高減衰力を発生
できるサスペンション装置の提供。 【構成】 サスペンションユニットSが、液圧緩衝器P
で構成され、ピストンロッド22側にはシリンダチュー
ブ11の外周側で相対移動可能なアウタチューブ23が
設けられ、前記ピストンとアウタチューブにはシリンダ
チューブを挟んで半径方向の磁界B1 ,B2 を形成する
磁路構成部材21,26及び磁石2a〜2dが設けら
れ、シリンダチューブには前記磁界及びピストンのスト
ローク方向と交差する方向に巻かれたコイル3が設けら
れ、減衰バルブ21c,21dが磁性体で形成されると
共に前記ピストン側の磁路構成部材に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁アクチュエータを
有したサスペンション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電磁アクチュエータを有したサス
ペンション装置としては、例えば、特開平2−3701
6号公報に記載されたものが知られている。
【0003】この従来装置は、車体と車輪との間に、シ
リンダ状に形成されて車体側に固定された外筒と、この
外筒内を摺動可能に設けられて車輪側に取り付けられた
ロッドとを有したサスペンションユニットが設けられ、
前記外筒内でロッドの外周には永久磁石が固定され、か
つ、該永久磁石と対向する外筒の内周側にコイルが固定
されると共に、永久磁石の外周と外筒の内周との間に形
成される環状隙間に強い磁界を形成するために、前記外
筒とロッドで磁路を構成させた構造となっていた。
【0004】そして、コイルへの通電の向き及び電流を
制御することで、サスペンションユニットのコイルの軸
方向制御力を発生させ、例えば、車高を一定に保つよう
な制御を行なう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のサスペンション装置は、上述のように、コイ
ルの軸方向制御力によりサスペンションの制御を行なう
ようにしていたため、コイルによる制御力だけでは衝撃
吸収能力に限界があり、このため、車両の走行条件によ
っては発生する大きな衝撃入力を吸収しきれずに、サス
ペンションユニット自体を破損させる恐れがあると共
に、必要な制御力を全て電力で発生させるようにしたも
のであるため、電力消費量が過大になって車両の燃費を
悪化させるという問題があった。
【0006】本発明は、上述の問題に着目して成された
もので、大きな衝撃入力によるサスペンションユニット
の破損を防止し、かつ、電力消費量の低減と装置のコン
パクト化を図り、加えて、アシストスプリングなしに高
減衰力を発生させることができるサスペンション装置を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記目的を
達成するために、車体と車輪との間に介在されたサスペ
ンションユニットが、シリンダチューブと該シリンダチ
ューブ内を2室に画成するピストンを有したピストンロ
ッドと前記ピストンのストロークに伴う2室間の流体の
流通量を制限することで減衰力を発生する減衰バルブと
を備えた液圧緩衝器で構成され、前記ピストンロッド側
にはシリンダチューブの外周側で相対移動可能なアウタ
チューブが設けられ、前記ピストンとアウタチューブに
はシリンダチューブを挟んで半径方向の磁界を形成する
磁路構成部材及び磁石が設けられ、前記シリンダチュー
ブには前記磁界及びピストンのストローク方向と交差す
る方向に巻かれたコイルが設けられ、前記減衰バルブが
磁性体で形成されると共に前記ピストン側の磁路構成部
材に設けられている手段とした。
【0008】
【作 用】本発明のサスペンション装置では、磁界内に
あるコイルに通電すると、サスペンションユニットのス
トローク方向に沿った駆動力(電磁力)が生じ、従っ
て、この駆動力により、サスペンションユニットは伸長
したり短縮したりする。
【0009】よって、前記駆動力をサスペンションユニ
ットに対する入力に抗するように作用させて、外部入力
によるサスペンションユニットのストロークを抑制さ
せ、これにより、車高を一定に保つような制御が行なわ
れる。
【0010】また、サスペンションユニットがストロー
クすると、液圧緩衝器の作動に伴って減衰力が発生す
る。従って、この減衰力により、大きな衝撃入力による
サスペンションユニットの破損が防止される。
【0011】さらに、ばね上−ばね下間相対速度の方向
が、前記駆動力の方向と一致する領域では、液圧緩衝器
で発生する減衰力が駆動力と同一方向に働くため、この
減衰力により前記駆動力が補強され、これにより、コイ
ルの電力消費量を節約することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により詳述す
る。
【0013】図1は、本発明実施例のサスペンション装
置の構成を示す全体図である。この図において、Sはサ
スペンションユニットを示している。このサスペンショ
ンユニットSは、車体側に連結される車体側部材1と、
車輪側に連結される車輪側部材2とを有している。
【0014】前記車体側部材1は、図示のようにシリン
ダチューブ11とリザーバチューブ12とで、内外二重
の円筒構造に形成されている。即ち、前記シリンダチュ
ーブ11は、その下端部にガイド部材13が設けられる
と共に、上端部にはベース14が設けられていて、内部
には油等の流体が充填されている。そして、このシリン
ダチューブ11内は、該シリンダチューブ11内に摺動
自在に設けられた車輪側部材2の一部を構成するピスト
ン21により上部室Aと下部室Eとに画成されている。
一方、前記リザーバチューブ12は、シリンダチューブ
11の外周に環状空間Dを形成すると共に、その下端部
が前記ガイド部材13の外周及び該ガイド部材13の下
部に設けられたパッキングランド15の外周に嵌合され
てその下端開口縁部がカシメられ、また、その上端部は
シリンダチューブ11の上端より上方まで延在されてい
て、その上端開口部がその内周に螺合された天蓋部材1
6により閉塞されることにより、ベース14の上部に封
入気体による圧力下に所望量の流体が充填されたリザー
バ室Cが形成されている。また、リザーバチューブ12
の中間部内周には環状スペーサ17が螺合され、この環
状スペーサ17の内周に前記ベース14の外周及びシリ
ンダチューブ11の上端外周が嵌入固定されている。
尚、前記パッキングランド15にはオイルシール15a
が設けられている。
【0015】また、前記天蓋部材16の上面中心部には
車体側への取付用スタッド18が突出形成されており、
この取付用スタッド18に対しナット4で締結されたア
ッパインシュレータ5を介して車体側部材1が車体側に
取付られるようになっている。即ち、前記アッパインシ
ュレータ5は、その外周側が車体側に固定される環状の
ブラケット5aと、該ブラケット5aの中心穴内周縁部
に装着されたラバーブッシュ5bとで構成され、このラ
バーブッシュ5bの中心穴に前記スタッド18を挿通し
た状態でナット4による締結が行なわれている。そし
て、前記ブラケット5aの外周部下面側に溶着したラバ
ーによりアッパスプリングシート5cが形成されてい
る。
【0016】前記ベース14には、リザーバ室Cと上部
室Aとを連通する圧側連通路14aと伸側連通路14b
とが穿設されていて、圧側連通路14aのリザーバ室C
側開口部には圧側減衰バルブ14cが設けられ、また、
伸側連通路14aの上部室A側開口部には伸側減衰バル
ブ14dが設けられている。
【0017】前記ピストン21は、ピストンロッド22
の先端に取り付けられている。即ち、ピストンロッド2
2の先端に対し、リテーナ27,伸側減衰バルブ21
d,ピストン21,圧側減衰バルブ21c,リテーナ2
8を順次装着し、最後にナット29で締結して取り付け
られている。
【0018】さらに詳述すると、前記ピストン21は、
強磁性体で形成され、かつ、軸方向に長く形成されると
共に、その中間部外周にシリンダチューブ11の内周面
に当接して液圧シールするピストンベアリング21eが
設けられている。また、ピストン21には、上部室Aと
下部室Eとを連通する圧側連通路21aと伸側連通路2
1bとが周方向交互に4つづつ穿設されていて、各圧側
連通路21aの下部室E側開口部には前記圧側減衰バル
ブ21cが当接する環状の圧側シート面21fが形成さ
れ、また、各伸側連通路21bの上部室A側開口部には
前記伸側減衰バルブ21dが当接する環状の伸側シート
面21gが形成されている(図2,図3参照)。そし
て、前記両減衰バルブ21c,21dは磁性体で形成さ
れている。ちなみに、サスペンションユニットSがスト
ロークすると、各室A,E,C間を流体が流通し、この
流通が各減衰バルブ14c,14d,21c,21dで
制限されることで減衰力が発生する。
【0019】このように、この実施例では、前記シリン
ダチューブ11とアウタチューブ12とベース14とピ
ストン21及びピストンロッド22等で、液圧緩衝器P
を形成している。
【0020】一方、前記車輪側部材2は、前記ピストン
21及びピストンロッド22と、前記リザーバチューブ
12の外周に微小な隙間を有して設けられたアウタチュ
ーブ23とを備えている。即ち、前記アウタチューブ2
3は下端部に底部を有した有底円筒状に形成され、該底
部に前記ピストンロッド22の下端が固定され、また、
ピストンロッド22の下端には車輪側への取付用アイ2
4が固定されている。また、前記強磁性体より成るピス
トン21(磁路構成部材)と半径方向に対向する位置の
アウタチューブ23の上端には、強磁性体より成る磁性
外筒部(磁路構成部材)26が装着されている。尚、前
記車輪側部材2を構成する部材の内で、前記ピストン2
1,両減衰バルブ21c,21d及び磁性外筒部26以
外の部材は非磁性体で形成されている。
【0021】また、前記ピストン21の外周面には、中
央部に前記ピストンベアリング21eの軸方向長さに相
当する間隔Hを保持して上部内側永久磁石2cと下部内
側永久磁石2dを設けると共に、前記磁性外筒部26の
内周面には、中央部に所定の間隔Hを保持して上部外側
永久磁石2aと下部外側永久磁石2bを設けることによ
って、上部外側永久磁石2aと上部内側永久磁石2c、
及び、下部外側永久磁石2bと下部内側永久磁石2dと
の間に上部磁界形成部2e及び下部磁界形成部2fが形
成されている。
【0022】前記各永久磁石2a,2b,2c,2d
は、それぞれ円周方向に4つに分割され、磁界方向が車
体側部材1を挟んで半径方向となるように、両永久磁石
2a,2b,2c,2dの極性方向が設定されている
(図2,図3参照)。そして、上部磁界形成部2eと下
部磁界形成部2fの磁界方向が互いに逆向きとなるよう
に、この実施例では、上部外側永久磁石2aと上部内側
永久磁石2cは内周側がそれぞれN極で、下部外側永久
磁石2bと下部内側永久磁石2dは内周側がそれぞれS
極になるように設定されている。即ち、前記磁性外筒部
26及びピストン21が強磁性体で形成されているた
め、前記各永久磁石2a,2b,2c,2dにより、図
中一点鎖線で示す磁路Aが形成され、この上下両磁界形
成部2e,2fにあっては、半径方向で、かつ、互いに
逆方向の磁界B1 ,B2 が形成されている。
【0023】前記磁性外筒部26の外周に形成されたね
じ部26aに対し、ロアスプリングシート31及び該ロ
アスプリングシート31を任意の位置で固定するロック
ナット32が螺合されている。そして、前記アッパスプ
リングシート5cとロアスプリングシート31との間に
サスペンションスプリング33が介装されている。
【0024】また、前記車体側部材1を構成するシリン
ダチューブ11とリザーバチューブ12との間に形成さ
れた環状空間D内にはコイル3が設けられている。この
コイル3は、車体側・車輪側両部材1,2の相対移動方
向に沿って複数に分割され、この分割された各コイル3
aは、単体の長さが、前記上部外側永久磁石2a(上部
内側永久磁石2c)と下部外側永久磁石2b(下部内側
永久磁石2d)との間に形成された間隔Hより短く形成
されている。
【0025】また、前記各コイル3a相互間位置には、
ストロークセンサ7としてのホール素子(図示せず)が
取り付けられている。このホール素子は、コイル3と共
に両磁界形成部2e,2f内を相対移動することによ
り、磁界B1,B2 の磁束に感応してその出力電圧を変
化させるもので、この出力電圧を検出することにより、
磁界形成部2e,2fに対する各コイル3aの位置、即
ちサスペンションユニットSのストローク位置を検出す
るようになっている。
【0026】前記コイル3は、制御回路6に接続されて
いる。この制御回路6は、各コイル3aの端子間に通電
したり、短絡させたりすることが可能に形成され、さら
に、この通電時及び短絡時に、これらコイル3aに対し
て可変抵抗を接続するように構成されている。
【0027】ちなみに、各コイル3aを短絡させた場合
には、サスペンションユニットSがストロークすると、
両磁界形成部2e,2fの磁界B1 ,B2 を横切る向き
にコイル3が移動することで、コイル3に相対速度に比
例した誘導電流が生じ、この誘導電流が可変抵抗により
電力消費することで、移動エネルギーが減少するもの
で、即ち、減衰力が得られる。
【0028】一方、コイル3を通電駆動させた場合、両
磁界形成部2e,2fの磁界B1 ,B2 を横切る向きに
通電が成されることで、通電の向き強さに応じて、サス
ペンションユニットSの伸方向に駆動力が作用したり圧
方向に駆動力が作用したりする。即ち、通電される電流
値に比例した制御力が得られる。
【0029】このように、この実施例では、前記コイル
3と各永久磁石2a,2b,2c,2d等で、電磁アク
チュエータTを形成している。
【0030】また、前記制御回路6には、前記各ストロ
ークセンサ7からの入力信号に基づき、サスペンション
ユニットSのストローク位置に応じて各コイル3aに対
する通電を個別的にON−OFFさせると共にその通電
方向を切換制御する通電切換手段6aを備えている。こ
の通電切換手段6aは、両磁界B1,B2 内にあるコイ
ルにだけ通電するような制御が行なわれると共に、両磁
界B1 ,B2 の方向が互いに逆方向になることから、両
磁界形成部2e,2fにおける駆動力の作用方向を一致
させるために、各コイル3aのうち、上部磁界形成部2
eの磁界B1 中にあるコイルと下部磁界形成部2fの磁
界B2 中にあるコイルとの通電方向が互いに逆方向にな
るように各コイル3aへの通電がなされると共に、サス
ペンションユニットSのストローク位置に応じて各コイ
ル3aへの通電方向の切り換え制御がなされるものであ
る。
【0031】また、前記制御回路6は、加速度センサ8
と、前記ストロークセンサ7及び荷重センサ9からの入
力に基づき制御を行うようになっている。前記加速度セ
ンサ8は、車体に取り付けられて車体の上下方向加速度
を検出するもので、上下方向の車体速度を求めるために
設けられている。前記荷重センサ9は、サスペンション
ユニットSからの入力荷重を検出するもので、車体側と
車輪側との相対速度を求めるために設けられている。そ
して、制御回路6の演算部では、ストロークセンサ7か
らの入力に基づき、車両姿勢を一定に保つ制御を行うと
共に、加速度センサ8及び荷重センサ9からの入力信号
に基づき減衰力制御を行う構成となっている。
【0032】尚、図において、34はリバウンドストッ
パ、35はリバウンドラバー、36はバンパラバーを示
す。
【0033】次に、実施例の作用について説明する。
【0034】上述した構成のサスペンション装置は、サ
スペンションユニットSを自動車の4輪のそれぞれと車
体との間に設け、また、制御回路6及び各センサ7,
8,9も、1つのサスペンションユニットS毎に設けて
使用するものである。
【0035】まず、液圧緩衝器Pの作用を説明する。
【0036】(イ)圧側行程時 サスペンションユニットSがストロークすると、圧側工
程時には、上部室Aが縮小し、下部室Eが拡大される。
従って、この場合、上部室Aの流体は、ピストン21の
圧側連通路21aを通り、圧側減衰バルブ21cを開弁
して下部室Eへ流入し、この両室A,E間の流体の流通
が圧側減衰バルブ21cで制限されることで減衰力が発
生する。そして、前記圧側減衰バルブ21cの開弁に際
しては、磁路を構成することで磁化されたピストン21
の吸引力が圧側減衰バルブ21cに対しその開弁を阻止
する力として作用するため、この吸引力がアシストスプ
リングの働きをして高い減衰力が発生する。
【0037】さらに、圧側行程時には、シリンダチュー
ブ11内に侵入するピストンロッド22の体積分の流体
が、上部室Aからベース14の圧側連通路14aを通
り、圧側減衰バルブ14cを開弁してリザーバ室Cへ流
入し、この両室A,C間の流体の流通が圧側減衰バルブ
14cで制限されることで減衰力が発生する。
【0038】(ロ)伸側行程時 サスペンションユニットSがストロークすると、伸側工
程時には、下部室Eが縮小し、上部室Aが拡大される。
従って、この場合、下部室Eの流体は、ピストン21の
伸側連通路21bを通り、伸側減衰バルブ21dを開弁
して上部室Aへ流入し、この両室E,A間の流体の流通
が伸側減衰バルブ21dで制限されることで減衰力が発
生する。そして、前記伸側減衰バルブ21dの開弁に際
しては、磁路を構成することで磁化されたピストン21
の吸引力が伸側減衰バルブ21dに対しその開弁を阻止
する力として作用するため、この吸引力がアシストスプ
リングの働きをして高い減衰力が発生する。
【0039】さらに、伸側行程時には、シリンダチュー
ブ11内から退出するピストンロッド22の体積分の流
体がリザーバ室Cからベース14の伸側連通路14bを
通り、伸側減衰バルブ14dを開弁してへ上部室Aへ流
入し、この両室C,A間の流体の流通が伸側減衰バルブ
14dで制限されることで減衰力が発生する。
【0040】次に、電磁アクチュエータTの作用を説明
する。
【0041】(イ)減衰力制御時 車両の走行状況に応じ、サスペンションユニットSにお
いて減衰力を発生させる場合には、各コイル3aを短絡
させる。そうすると、車体側部材1と車輪側部材2との
相対速度に応じて、即ち、上下両磁界形成部2e,2f
を通過するコイル3の速度に正比例して、減衰力が生じ
る。
【0042】このように、減衰力制御を行う場合には、
コイル3に通電することはなく、即ち、全く電力消費す
ることなく減衰力を得ることができる。
【0043】(ロ)姿勢制御時 姿勢制御を行う際には、各センサ7〜9からの入力に基
づいて得られる車両状況に応じてコイル3に通電し、サ
スペンションユニットSの軸方向上向きや下向きに駆動
力を発生させて、姿勢制御を行う。この場合、通電の向
き及び電力により、駆動力の向き及び強さが変化する。
【0044】このような、駆動力を、例えば、車高変化
を打ち消す向きに発生させることで、車高を一定させる
ことができる。また、駆動力を、サスペンションユニッ
トSを介して車体へ伝達される路面入力を打ち消す向き
に発生させることで、車体への路面入力をキャンセルし
て一定した車体姿勢が得られる。
【0045】以上説明したように、本発明実施例装置で
は、液圧緩衝器Pに電磁アクチュエータTを並列に組み
込んだ構成としたことで、大きな衝撃入力によるサスペ
ンションユニットの破損を防止することができると共
に、電磁アクチュエータのみを備えたものに比べ、電力
消費量を低減できるという特徴を有している。
【0046】また、本発明実施例装置では、シリンダチ
ューブ11とピストン21及びピストンロッド22等で
構成される液圧緩衝器Pを基本構成とし、電磁アクチュ
エータTを構成するコイル3をシリンダチューブ11側
に設け、かつ、半径方向の磁界B1 ,B2 を形成する両
内側永久磁石2c,2d及び内側の磁路構成部材をシリ
ンダチューブ11内に設けられるピストン21で構成さ
せたことで、シリンダチューブ11として十分な直径を
確保しつつ電磁アクチュエータTをコンパクトに組み込
むことができ、これにより、装置のコンパクト化が可能
で車載する上でスペースの自由度が高くなるという特徴
を有している。
【0047】また、上述のように、両減衰バルブ21
c,21dが当接する両シート面21f,21gが形成
されるピストン21で磁路構成部材を構成させたこと
で、磁化による吸引力で両減衰バルブ21c,21dの
開弁を阻止するアシスト力を発生させることができるの
で、アシストスプリングなしに高減衰力を発生させるこ
とができると共に、吸引力の作用で両シート面21f,
21gのシール性が向上するため、減衰力の安定化が図
れるようになるという特徴を有している。
【0048】また、減衰力制御や姿勢制御を行うにあた
り、本発明実施例装置では、コイル3を挟んで対向する
ピストン21及び磁性外筒部26と、該両者の両対向面
に相対移動方向に分離されると共にコイル3を挟んで互
いに逆方向の磁界B1 ,B2を形成すべく互いに対向す
る2組の磁石(上部外側永久磁石2a,下部外側永久磁
石2b,上部内側永久磁石2c,下部内側永久磁石2
d)とで、2つの磁界B1 ,B2 を巡る磁路Aを形成
し、かつ、複数に分割された各コイル3aへの通電方向
を、一方の磁界B1 と交差するコイルと他方の磁界B2
と交差するコイルとで互いに逆方向になるように切り換
える通電切換手段6aを備えた構成としたため、サスペ
ンションユニットSのストロークを大きくする場合でも
磁路Aを長くする必要性がなく、従って、ストロークの
大小に拘らず一定の十分な制御力を得ることができると
いう特徴を有している。
【0049】また、実施例では、複数に分割された各コ
イル3aの内、制御力(駆動力)を発生するために必要
なコイル部分だけに通電するように制御することで、消
費電力を節約することができるという特徴を有してい
る。
【0050】また、本発明実施例装置では、サスペンシ
ョンユニットSのストローク位置を検出するためのスト
ロークセンサ7として、ホール素子等の磁束センサを用
いることで、サスペンションの基本長を長くすることな
しにサスペンションユニットSのストローク位置を検出
することができ、これにより、車載する上でスペースの
自由度が高くなるという特徴を有している。
【0051】以上、本発明の実施例を図面により詳述し
てきたが、本発明の具体的な構成はこれらの実施例に限
られるものではなく、例えば、実施例では、上下2組の
磁界形成部間で磁路を形成するようにする場合を示した
が、1組の磁界形成部と磁性部材とで磁路を形成するよ
うにすることもできる。尚、この場合はピストンロッド
とアウタチューブも磁路の一部として利用することにな
る。
【0052】また、実施例では、永久磁石のみで磁界を
形成するようにしたが、電磁石により磁力を補強するこ
ともできる。
【0053】また、ストローク位置によって各コイルの
巻き数を相違させることにより、ストローク位置によっ
てその制御力を任意に変化させることができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のサス
ペンション装置では、液圧緩衝器に磁石とコイルで構成
される電磁アクチュエータを並列に組み込んだ構成とし
たことで、電磁アクチュエータの駆動力(電磁力)が液
圧緩衝器による減衰力で補強されるため、大きな衝撃入
力によるサスペンションユニット自体の破損を防止でき
ると共に、ばね上−ばね下間相対速度の方向が電磁アク
チュエータの駆動力の方向と一致する領域では、液圧緩
衝器で発生する減衰力が駆動力と同一方向に働くため、
この減衰力で駆動力を補強することができ、これによ
り、コイルの電力消費量を節約することができるという
効果が得られる。
【0055】また、上述のように、液圧緩衝器を基本構
成とし、磁界を形成する一方の磁石及び磁路構成部材を
シリンダチューブ内であるピストン側に設けた構成とし
たため、シリンダチューブとして十分な直径を確保しつ
つ電磁アクチュエータをコンパクトに組み込むことがで
き、これにより、装置のコンパクト化が可能で車載する
上でスペースの自由度が高くなるという効果が得られ
る。
【0056】さらに、減衰バルブを磁性体で形成すると
共に、該減衰バルブを磁路構成部材であるピストンに設
けた構成としたため、磁化による吸引力で減衰バルブの
開弁を阻止するアシスト力を発生させることができる、
これにより、アシストスプリングなしに高減衰力を発生
させることができると共に、吸引力の作用で両シート面
のシール性が向上するため、減衰力の安定化が図れるよ
うになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のサスペンション装置を示す全体
図である。
【図2】本発明実施例装置のピストン上面図である。
【図3】本発明実施例装置のピストン下面図である。
【符号の説明】
A 上部室 E 下部室 B1 磁界 B2 磁界 S サスペンションユニット P 液圧緩衝器 2a 上部外側永久磁石 2b 下部外側永久磁石 2c 上部内側永久磁石 2d 下部内側永久磁石 3 コイル 11 シリンダチューブ 21 ピストン(磁路構成部材) 21c 圧側減衰バルブ 21d 伸側減衰バルブ 22 ピストンロッド 23 アウタチューブ 26 磁性外筒部(磁路構成部材)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と車輪との間に介在されたサスペン
    ションユニットが、シリンダチューブと該シリンダチュ
    ーブ内を2室に画成するピストンを有したピストンロッ
    ドと前記ピストンのストロークに伴う2室間の流体の流
    通量を制限することで減衰力を発生する減衰バルブとを
    備えた液圧緩衝器で構成され、 前記ピストンロッド側にはシリンダチューブの外周側で
    相対移動可能なアウタチューブが設けられ、 前記ピストンとアウタチューブにはシリンダチューブを
    挟んで半径方向の磁界を形成する磁路構成部材及び磁石
    が設けられ、 前記シリンダチューブには前記磁界及びピストンのスト
    ローク方向と交差する方向に巻かれたコイルが設けら
    れ、 前記減衰バルブが磁性体で形成されると共に前記ピスト
    ン側の磁路構成部材に設けられていることを特徴とする
    サスペンション装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100471762B1 (ko) * 2002-09-27 2005-03-08 현대모비스 주식회사 자동차용 현가장치 및 현가장치용 자기 충전식 액티브쇽업소버
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