JP3066766B2 - 電磁サスペンション装置 - Google Patents

電磁サスペンション装置

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JP3066766B2
JP3066766B2 JP2333705A JP33370590A JP3066766B2 JP 3066766 B2 JP3066766 B2 JP 3066766B2 JP 2333705 A JP2333705 A JP 2333705A JP 33370590 A JP33370590 A JP 33370590A JP 3066766 B2 JP3066766 B2 JP 3066766B2
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史之 山岡
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電磁サスペンション装置に関する。
(従来の技術) 従来、電磁サスペンション装置としては、例えば、実
開平1−116710号公報に記載されたものが知られてい
る。
この従来装置は、車体と車輪との間に、シリンダ状に
形成されて車体に固定されたカバーと、このカバー内を
摺動可能に設けられて車輪側に取り付けられたピストン
とを有したサスペンションユニットが設けられ、前記カ
バー内に固定コイル及び制御コイルが設けられ、前記ピ
ストンに固定コイルが設けられ、前記カバーの外面に
は、ピストン側の固定コイルとの相対位置を検出する位
置センサが設けられた構造となっている。
そして、前記位置センサからの検出信号に基づき、各
コイルへの通電の向き及び電流を制御することで、コイ
ルの軸方向に制御力(吸引・反発力)を発生させ、例え
ば、車高を一定に保つような制御を行う。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の電磁サスペンション
装置は、上述のように、電磁コイルの軸方向に生じる制
御力によりサスペンションの制御を行うようにしていた
ため、サスペンションユニットがストロークして電磁コ
イル間の距離が変化すると、それに応じてコイル間の吸
引・反発力が変化してしまい、正確な制御が難かしいと
いう問題がある。
また、サスペンションユニットがストロークすると、
ピストン側コイルと位置センサとの間の距離が変化する
ため、コイルの変位に対する位置センサの出力特性が非
線形特性となり、このため、精度のよい相対速度値が得
られないし、ストロークが大きくなると、出力ゲインが
低下し、相対速度の検出が難しくなるという問題があ
る。
また、制御力を発生する間は、常に、電磁コイルに通
電を必要とし、非常に大きな消費電力となるという問題
がある。
本発明は、上述の問題に着目して成されたもので、サ
スペンションユニットがストロークしても一定の強い制
御力を得ることができて、制御性に優れ、かつ、消費電
力を少なくすることができ、さらに、ストロークが大き
くても相対速度の検出が可能であり、しかも、この場合
に線形の出力特性が得られる電磁サスペンション装置を
提供することを目的としている。
(課題を解決するための手段) 本発明では、上述の目的を達成するために、車輪側部
材と車輪側部材の一方に半径方向に磁界を形成する磁界
形成部を形成し、この磁界形成部内に他方の部材を配置
すると共に、こと部分に駆動コイルを巻き付け、さら
に、この駆動コイルの中間部に速度検出用コイルを設け
た。
即ち、本発明の電磁サスペンション装置では、車体と
車輪との間に介在されたサスペンションユニットが、軸
方向に相対移動可能に形成された車体側部材と車輪側部
材とで形成され、前記車体側部材と車輪側部材との一方
が、周状の間隙部を挟んで半径方向の磁界を形成する内
側永久磁石及び外側永久磁石が設けられた二重構造に形
成され、前記車体側部材と車輪側部材との他方の部材
が、相対移動可能に間隙部内に挿入され、この間隙部に
挿入される部位に、複数の駆動コイルが前記相対変位方
向に並んで設けられているとともに、それぞれ前記相対
変位方向及び磁界方向と交差する向きに巻かれ、前記駆
動コイルの間に配置されて、前記相対変位方向及び磁界
方向と交差する向きに速度検出用コイルが巻かれ、前記
複数の駆動コイルを直列接続状態と並列接続状態とに切
換可能であるとともに、前記複数の駆動コイルに対して
通電する状態と抵抗を介して短絡させた状態とに切換可
能に構成され、かつ、前記速度検出用コイルに発生する
誘導電流に基づいて相対速度を検出するよう構成された
制御回路が設けられている手段とした。
(作 用) 本発明の電磁サスペンション装置では、駆動コイルに
通電した時には、サスペンションユニットのストローク
方向及び磁界方向と交差する向きに通電が成されるか
ら、前記磁界の向きと通電方向との両方に交差する方
向、即ち、サスペンションユニットのストローク方向に
駆動力が生じる。
従って、この駆動力により、サスペンションユニット
は伸長したり短縮したりする。
よって、この駆動力をサスペンションユニットに対す
る入力に抗するように作用させて、外部入力によるサス
ペンションユニットのストロークを抑制させることがで
きる。
また、サスペンションユニットがストロークすると、
速度検出用コイルが磁界形成部内で磁界を横切る向きに
相対移動し、これにより、速度検出用コイルに相対速度
に1次比例の誘導起電力が発生する。
従って、この誘導起電力を測定することで相対速度を
検出し、この検出値に基づいてサスペンションユニット
を制御することができる。
一方、駆動コイルへ通電しない時には、サスペンショ
ンユニットが外部からの入力によりストロークすると、
磁界内を駆動コイルが相対移動し、駆動コイルにあって
は、相対速度に比例して誘導電流が発生する。
従って、この誘導電流がコイル抵抗や外部抵抗により
消費されると、これにより、サスペンションユニットへ
の入力エネルギーが消費されて、減衰が成される。
また、上述のようにコイルに通電してく動力を発生す
る場合、ならびに、コイルを抵抗を介して短絡させて誘
導電流を発生させて減衰を行う場合において、各コイル
の接続を直列接続状態にした場合と、並列接続状態にし
た場合とでは、後者の並列接続の場合の方が発生力が大
きくなるもので、コイルの数および巻数が同一でも、制
御回路によりコイルの接続状態を切り換えるだけで、特
性を変えることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。
第1図は、本発明第1実施例の電磁サスペンション装
置の構成を示す全体図である。
この図において、Sはサスペンションユニットを示し
ている。このサスペンションユニットSは、車体側に連
結される車体側部材1と、車輪側に連結される車輪側部
材2とを有している。
前記車体側部材1は、磁性体で形成されて、図示のよ
うに軸心部に設けられた円柱状の内柱1aと有底円筒状の
外筒1bとで、両者間に間隙部1cを有した二重構造に形成
されている。前記内柱1aは、上部に形成されたロッド部
1dを外筒1bの底部に貫通させた状態で、ロッド部1dの先
端をボルト部1eに締結して外筒1bと一体に形成されてい
る。
また、車体側部材1には、外筒1bの下側略半分を内側
に膨出させ、該膨出部の内周面に沿って外側永久磁石1j
を設けると共に、内柱1aの下側略半分を外側に膨出さ
せ、該膨出部の外周面に沿って内側永久磁石1kを設ける
ことによって、前記間隙部1cの間隔を狭めた磁界形成部
1gが形成されている。
また、前記両永久磁石1j,1kは、第3図に示すよう
に、それぞれ円周方向に4つに分割され、その磁界方向
が前記周状の間隙部1cを挟んだ半径方向となるように、
両永久磁石1j,1kの極性方向が設定されている。尚、こ
の実施例では、内周側がそれぞれS極となるように設定
されている。
そして、前記ロッド部1dの外周には円筒形状の補強用
永久磁石1fが設けられ、前記ロッド部1dとボルト部材1e
との締結力により固定されている。尚、前記ボルト部材
1eは、車体取付用のものである。
即ち、この車体側部材1は、磁性体で形成されている
ために、前記両永久磁石1j,1k及び補強用永久磁石1fに
より、図中一点鎖線で示す磁路Aが形成され、この磁界
形成部1gにあっては、第2図に示すように、半径方向に
磁界Bが形成されている。尚、磁路Aの向きは、各永久
磁石1j,1k,1fの極性の向きにより異なる。
また、磁界形成部1gと補強用永久磁石1fとの間の位置
の内柱1aの外周には、補強用駆動コイル1hが巻き付けら
れている。
一方、前記車輪側部材2は、下端部に底部を有した有
底円筒状に形成され、下端には、車輪側への取付用のボ
ルト2aが立設されている。そして、この車輪側部材2
は、開口端部から間隙部1c内に挿入され、その外周には
車体側部材1に対して微少な隙間を有して駆動コイル3
が巻き付けられている。この駆動コイル3は、それぞれ
独立した第1〜第8駆動コイル3a〜3hで形成されてい
る。
そして、前記第4駆動コイル3aと第5駆動コイル3eと
の間には、速度検出用コイル7cが巻き付けられている。
尚、各駆動コイル3a〜3h及び5は、1つのボビン3kに巻
き付けられている。
また、サスペンションユニットSにおける圧側のスト
ローク範囲をS1、伸側のストローク範囲をS2、速度検出
用コイル7cが圧側に移動可能な範囲をD1、速度検出用コ
イル7cが伸側に移動可能な範囲をD2とすると、各長さの
関係が、 S1<D1 S2<D2 となるように磁界形成部1gの長さが設定されている。即
ち、サスペンションユニットSのストローク範囲では、
速度検出駆動コイル7cが常に磁界Bの中に置かれた状態
となる。
また、前記車輪側部材2と、内柱1a及び外筒1bとの間
にはベアリング4a,4b,4cが設けられている。
前記駆動コイル3、速度検出用コイル7c及び補強用駆
動コイル1hは、制御回路6に接続されている。即ち、制
御回路6は、補強用駆動コイル1hに対し、前記車体側部
材1に形成される磁界と同じ向きに磁界が生じるように
通電する。
また、この制御回路6は、駆動コイル3に対しては、
各駆動コイル3a〜3hの接続状態を第4図に示すように直
列接続としたり、第5図に示すように並列接続としたり
切り換え可能に形成され、かつ、各駆動コイル3a〜3hの
端子間に通電したり、短絡させたりすることが可能に形
成され、さらに、この通電時及び短絡時に、これら駆動
コイル3に対して可変抵抗を接続するよう構成されてい
る。
第6図は、前記制御回路6の構成を示す回路図であっ
て、この場合、第1駆動コイル3aと第2駆動コイル3bと
を制御する部分だけを示している。
この制御回路6は、可変抵抗6aを備え、図表1に示す
ような組み合わせで、端子,,,のそれぞれ
に、0,1の信号を与えることにより、第1駆動コイル3a
と第2駆動コイル3bとを並列接続・直列接続に切り換え
ると共に、両駆動コイル3a,3bを短絡させたり、両駆動
コイル3a,3bに通電駆動させたりする構成となってい
る。
ちなみに、駆動コイル3を短絡させた場合には、サス
ペンションユニットSがストロークすると、磁界形成部
1gの磁界Bを横切る向きに駆動コイル3が移動すること
で、駆動コイル3に相対速度に比例した誘導電流が生
じ、この誘導電流が可変抵抗6aにより電力消費すること
で、移動エネルギーが減少するもので、即ち、減衰力が
得られる。
一方、駆動コイル3を通電駆動させた場合、磁界形成
部1gの磁界Bを横切る向きに通電が成されることで、通
電の向き強さに応じて、サスペンションユニットSの伸
方向に駆動力が作用したり圧方向に駆動力が作用したり
する。
ところで、上述のようにして生じる減衰力や駆動力
(以後、これらを制御力という)は、駆動コイル3を直
列接続した場合よりも並列接続した場合の方が大きくな
る。
即ち、磁界形成部1gを横切る駆動コイル3a〜3hの数を
5とし、また、全ての駆動コイル3a〜3hの長さをlCとし
た場合、直列接続の場合の発生力FSは下記の式で表さ
れ、一方並列接続の場合の発生力FPは式で表される。
即ち、 但し、B:磁界形成部における磁束密度 :駆動コイルと磁界の相対速度 L:駆動コイル1つ当りの巻線長さ R:駆動コイル1つ当りの抵抗値である。
従って、 FP/FS=40/(25/8)≒13 となり、並列接続では、直列接続の13倍の制御力が得ら
れる。
尚、制御回路6は、車高センサ7a,加速度センサ7b及
び前記速度検出駆動コイル7cからの入力に基づき制御を
行うようになっている。
前記車高センサ7aは、サスペンションユニットSの車
体側部材1と車輪側部材2との間に設けられていて、両
者のストローク量により車高を検出可能に構成されてい
る。
前記加速度センサ7bは、車体に取り付けられて車体の
上下方向加速度を検出するもので、上下方向の車体速度
を求めるために設けられている。
前記速度検出駆動コイル7cは、車体側と車輪側との相
対速度を求めるために設けられている。
そして、制御回路6の演算部では、車高センサ7aから
の入力に基づき、車両姿勢を一定に保つ制御を行うと共
に、加速度センサ7b及び速度検出駆動コイル7cからの入
力信号に基づき減衰力制御を行う構成となっている。
尚、この減衰力制御は、例えば、本願出願人による特
願平1−177792号のような制御を行う。
次に、実施例の作用について説明する。
上述した構成の電磁サスペンション装置は、サスペン
ションユニットSを自動車の4輪のそれぞれと車体との
間に設け、また、制御回路6と、両センサ7a,7b及び速
度検出駆動コイル7cも、1つのサスペンションユニット
S毎に設けて使用するものである。
(イ)減衰力制御時 車両の走行状況に応じ、サスペンションユニットSに
おいて減衰力を発生させる場合には、各駆動コイル3a〜
3hを短絡させる。
そうすると、車体側部材1と車輪側部材2との相対速
度に応じて、即ち、磁界形成部1gを通過する駆動コイル
3の速度に正比例して、減衰力(制御力)が生じる。
この時の減衰力特性を示す図が第7図であって、駆動
コイル3の接続を第5図に示すような並列接続とした場
合には制御力が大きくなるため高減衰力特性となり、可
変抵抗6aの抵抗値を任意に選択することで、第7図のHi
の範囲で減衰力特性を選択することができる。
一方、第4図に示すような直列接続の場合には、制御
力が小さくなり、この場合も可変抵抗6aの抵抗値を任意
に選択することで、第7図のLoの範囲で減衰力特性を選
択することができる。
このように、減衰力制御を行う場合には、駆動コイル
3に通電することはなく、即ち、全く電力消費すること
なく減衰力(制御力)を得ることができる。
尚、補強用駆動コイル1hに通電すると、この部位にお
ける磁束密度の低下が防止され、その結果、磁界形成部
1gの磁界Bが増大し、これにより、大きな減衰力(制御
力)を得ることができるし、大きな減衰力(制御力)を
必要としないときは通電を解除することで、消費電力を
節約することができる。
(ロ)姿勢制御時 姿勢制御を行う際には、各センサ7a〜7cからの入力に
基づいて得られる車両状況に応じて駆動コイル3に通電
し、サスペンションユニットSの軸方向上向きや下向き
に駆動力(制御力)を発生させて、姿勢制御を行う。
この場合、通電の向き及び電力により、駆動力(制御
力)の向き及び強さが変化するもので、この時の駆動力
(制御力)特性を示すのが第8図である。
この時も、各駆動コイル3a〜3hを並列接続するか直列
接続するかで制御力の大きさが異なっており、Hi1,Hi2
は並列接続の場合を示していて、可変抵抗6aの抵抗値を
任意に変化させることにより、Hi1,Hi2の範囲で駆動力
(制御力)が変化する。尚、Hi1とHi2とでは、通電方向
が逆になっている。
一方、直列接続の場合には、Lo1,Lo2の範囲で駆動力
(制御力)が変化する。
このような、駆動力(制御力)を、例えば、車高変化
を打ち消す向きに発生させることで、車高を一定させる
ことができる。また、駆動力(制御力)を、サスペンシ
ョンユニットSに介して車体へ伝達される路面入力を打
ち消す向きに発生させることで、車体への路面入力をキ
ャンセルして一定した車体姿勢が得られる。
(ハ)相対速度検出時 サスペンションユニットSがストロークすると、磁界
形成部1gの磁界Bを横切る向きに速度検出用コイル7cが
移動することで、速度検出用コイル7cに相対速度に比例
した誘導起電力が発生する。この時の出力特性を示すの
が第9図であって、サスペンションユニットSの相対速
度に1次比例の線形特性となる。
尚、速度検出用コイル7cが、磁界形成部1gの磁界Bの
範囲内で移動することで、全ストロークに亘って相対速
度を検出することができる。
以上説明したような減衰力制御や姿勢制御を行うにあ
たり、本発明実施例装置では、磁界形成部1gにおいて、
半径方向に磁界Bを形成し、この磁界B内を駆動コイル
3が移動するように構成したため、サスペンションユニ
ットSがストロークしても磁界Bと駆動コイル3の距離
が常に一定に保たれ、これにより、発生制御力を一定に
保つことができ、ストローク量により制御力が変化する
という不具合が生じることなく、制御性に優れていると
いう特徴を有している。
また、内側永久磁石1kと外側永久磁石1jとを磁界形成
部1gに配置したことで、該磁界形成部1gの磁界が強くな
り、これにより、大きな制御力が得られるという特徴を
有している。
また、駆動コイル3の中間部分に速度検出用コイル7c
を配設し、磁界形成部1gの磁界Bの範囲内で速度検出用
コイル7cを移動させるようにしたことで、全ストローク
域において相対速度の検出が可能であると共に、速度検
出用コイル7cが同じ強さの磁界B内を移動することで、
相対速度に比例した線形の出力特性が得られ、これによ
り、制御性の向上が図れるという特徴を有している。
また、本実施例では、内柱1aに補強用永久磁石1fを設
け、これにより内柱1aに形成される磁路Aの強さを強化
している構成としたため、内外永久磁石1j,1kを大きく
することなく、つまり、サスペンションユニットSの外
径を拡大することなく、磁界の強さを補強できるという
特徴を有している。
また、永久磁石1j,1k及び補強用永久磁石1fにより形
成される磁界の途中において、軸方向に磁界が形成され
る部分に補強用駆動コイル1hを設けて各永久磁石1j,1k,
1fによる磁界と同一方向に磁界が生じるように通電して
いるため、この部分で、磁束密度の低下が防止され、こ
れにより、強い制御力げ得られるし、大きな制御力を必
要としないときは、通電を解除することで、消費電力を
節約することができるという特徴を有している。
さらに、駆動コイル3を並列に接続可能とすること
で、駆動コイル3の長さに比べて大きな制御力を得るこ
とができて高い効率が得られると共に、駆動コイル3の
全長が同じ直列の場合とし比較してインダクタンスが低
下して応答性が向上するという特徴を有している。
しかも、サスペンションユニットSに減衰力を生じさ
せる場合には、駆動コイル3に対して駆動電流を与える
必要がないもので、電力を消費することなく制御力(減
衰力)を得ることができるという特徴を有している。
次に、第10図に示す本考案第2実施例について説明す
る。
この実施例は、第1実施例が、複数のボビンのそれぞ
れに第1〜第8駆動コイル3a〜3hをそれぞれ巻いてい
た、即ち、1つのボビンに1つの駆動コイルを巻いてい
たのに対して、1つのボビン200に複数の駆動コイル20
1,201,203を巻き付けるようにした例である。
この第2実施例では、駆動コイル201〜203のトータル
の巻き数を変えることなく、大電流が流せるため、大出
力が発生できる。
さらに、このように大出力が得られるから小径の駆動
コイルを用いることを可能とし、このため、外形寸法を
小さくして、装置のコンパクト化を図ることができる。
しかも、各駆動コイル201〜203の駆動コイル長さが短
くなるため、インダクタンスが低下して、応答性を向上
させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、
本発明の具体的な構成はこれらの実施例に限られるもの
ではない。
例えば、実施例では、車体側部材の二重構造に形成し
た例を示したが、実施例装置の車輪側と車体側とを逆に
して、車輪側部材を二重構造に形成してもよい。
また、実施例では、車体側部材において、主に永久磁
石により磁界を形成するようにしたが、電磁石により磁
界を形成するようにしてもよい。この場合、電磁石は、
実施例の磁路Aを形成するように設けるとよい。
また、実施例では、第1〜第8駆動コイルの各巻き数
を同一(抵抗値同一)としたが、ストローク位置によっ
て各駆動コイルの巻き数を相違させることにより、スト
ローク位置によってその制御力を任意に変化させること
ができる。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明の電磁サスペンショ
ン装置では、車体側部材と車輪側部材の一方に磁界形成
部を形成し、両部材の他方の磁界形成部の位置に駆動コ
イルを配設した手段としたため、サスペンションユニッ
トがストロークして車体側部材と車輪側部材とが相対移
動しても、磁界形成部と駆動コイルとの距離を一定に保
つことができ、これにより、ストローク量に影響される
ことなく一定の駆動力・減衰力を得ることができ、制御
性に優れているという効果が得られる。
また、駆動コイルへの非通電時には、駆動コイルに発
生する誘導電流を消費するようにして減衰力を発生させ
ることができるもので、消費電力が全く不要でありなが
ら減衰力を得ることができるという効果が得られる。
また、本発明では、複数のコイルの接続を直列と並列
に切り換える制御回路を設けているため、この接続の切
り換えによりコイルにおける発生力を切り換えて作動特
性を変更することができ、制御自由度の向上を図ること
ができるという効果が得られる。
さらに、本発明では、駆動コイルの中間部分に速度検
出用コイルを配設した手段としたため、サスペンション
ユニットのストローク時には、この速度検出用コイルに
おいて相対速度に1次比例の誘導電流を発生させて、ス
トローク量を検出することができるもの、検出精度の向
上が図れるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明第1実施例の電磁サスペンション装置を
示す全体図、第2図は第1実施例装置の要部を示す拡大
断面図、第3図は第1図のIII−III線断面図、第4図及
び第5図は駆動コイルの接続を示す回路図、第6図は第
1実施例装置の制御回路の要部を示す回路図、第7図は
第1実施例装置の減衰力特性図、第8図は第1実施例装
置の駆動力特性図、第9図は第1実施例装置における速
度検出用コイルの出力特性図、第10図は本発明第2実施
例装置の要部を示す側面図である。 S……サスペンションユニット 1……車体側部材 1g……磁界形成部 2……車輪側部材 3……駆動コイル 6……制御回路 7c……速度検出用コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/015

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体と車輪との間に介在されたサスペンシ
    ョンユニットが、軸方向に相対移動可能に形成された車
    体側部材と車輪側部材とで形成され、 前記車体側部材と車輪側部材との一方が、周状の間隙部
    を挟んで半径方向の磁界を形成する内側永久磁石及び外
    側永久磁石が設けられた二重構造に形成され、 前記車体側部材と車輪側部材との他方の部材が、相対移
    動可能に間隙部内に挿入され、この間隙部に挿入される
    部位に、複数の駆動コイルが前記相対変位方向に並んで
    設けられているとともに、それぞれ前記相対変位方向及
    び磁界方向と交差する向きに巻かれ、 前記駆動コイルの間に配置されて、前記相対変位方向及
    び磁界方向と交差する向きに速度検出用コイルが巻か
    れ、 前記複数の駆動コイルを直列接続状態と並列接続状態と
    に切換可能であるとともに、前記複数の駆動コイルに対
    して通電する状態と抵抗を介して短絡させた状態とに切
    換可能に構成され、かつ、前記速度検出用コイルに発生
    する誘導電流に基づいて相対速度を検出するよう構成さ
    れた制御回路が設けられていることを特徴とする電磁サ
    スペンション装置。
JP2333705A 1990-11-29 1990-11-29 電磁サスペンション装置 Expired - Fee Related JP3066766B2 (ja)

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