JP6004831B2 - トレーサビリティ管理システム及び方法 - Google Patents
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Description
上記トレーサビリティ管理システムでは、複数の作業工程と各作業工程で使用される資材とが関連付けられてデータベースに記憶されているので、各資材が関与している作業工程ごとの着手信号及び完了信号を取得することによって、複数の作業工程について進捗状況に関するデータを資材ごとに収集することが可能となる。
また、作業者端末から取得した作業対象資材の資材識別情報に基づいて、作業対象資材が関与する作業対象工程をデータベースから読み込んで作業者端末へ送るようにしている。そのため、作業者が作業対象資材の資材識別情報を作業者端末に入力するのみで、データベースに蓄積された複数の作業工程の中から着手信号及び完了信号の入力が求められる作業対象工程が特定され、作業者端末側においても作業対象工程が何であるのか把握できた状態になっている。
さらに、作業対象工程に関わる作業者の作業者端末からその工程の着手信号及び完了信号を取得し、蓄積することによって進捗情報を収集するようにしている。この進捗情報の収集に際して作業者端末側の操作は、既に作業対象工程が何であるのか作業者端末側で把握できた状態になっているから、資材識別情報の入力により取得した作業対象工程に対して着手信号及び完了信号をシステム側に送信するのみで、複数の作業工程について進捗状況に関するデータを資材ごとに収集することが可能となる。したがって、履歴情報の収集に際して、作業者への負担を大幅に軽減することが可能となる。
位置情報取得部は、マップ表示部によって、予め登録された作業対象資材の位置を含む領域をマップとして表示させる。ここで、予め登録された作業対象資材の位置と、実際の作業対象資材の位置とはずれが生じている場合がある。そこで、位置情報修正部によって、マップ内における作業対象資材の位置を作業者端末からの修正情報に基づいて修正するようにしている。
このように、マップ表示部により予め登録された資材の位置を含む領域を作業者端末に表示させることによって、資材のおおよその位置を視覚的に容易に把握することが可能となる。よって、作業対象資材の位置情報を取得するに際して、作業者への負担を大幅に軽減することが可能となる。
データベースには、過去の作業工程と、該作業工程において取得された着手信号及び完了信号とが記憶されている。着手信号を取得した着手時刻と完了信号を取得した完了時刻とから過去の作業工程の所要時間を算出し、過去の作業工程とその所要時間との相関関係をデータベースに蓄積しておく。この相関関係を用いることによって、未着手の作業工程に必要とされる所要時間を見積もり、製品の納期を推定する。このように、過去の作業対象工程の着手信号及び完了信号をデータベースに蓄積しておくことにより、製品の納期を精度よく推定することが可能となる。
通常、作業工程に投入される作業員や設備などのリソースは限られており、複数種の製品の作業を同時期に行う場合、対象製品へのリソースの配分によって作業工程に要する所要時間が異なる場合がある。つまり、対象製品と少なくとも一つの作業工程を共有する他の種類の製品の存在は、対象製品の作業工程の所要時間に影響を与えることとなる。したがって、製品の納期を推定する際に、少なくとも一つの作業工程を共有する対象製品および他の種類の製品の組み合わせと、前記他の種類の製品との間で対象製品が共有する作業工程の所要時間との関係を用いることによって、より一層推定精度を高めることが可能となる。
例えば、同一の作業工程を行う場合であってもリソースを多く投入できれば所要時間は短く済み、リソースが少なければ所要時間は長くなる。そのため、製品の納期を推定する際に、作業工程に要する所要時間とリソースとの関係を用いることによって、より一層推定精度を高めることが可能となる。
なお、付加価値作業工程とは、資材の形状又は性質を変化させて該資材の付加価値を向上させる作業工程であり、例えば加工作業や組立作業等の工程である。また無付加価値作業工程とは、付加価値を伴わない作業工程であり、例えば資材の運搬や待機、設備準備等の工程である。
このように、データベースに記憶されるプロセスは、付加価値作業工程及び無付加価値作業工程の単位で複数の作業工程に分割されているので、各作業工程の着手信号及び完了信号を取得することによって、付加価値作業と無付価値作業とに区分けした多数の作業工程について進捗状況に関するデータを収集することが可能となる。すなわち、リードタイムの短縮のために適した作業単位で分類した細やかな作業工程の進捗状況を資材ごとに把握できる。
このように、ロット単位で履歴情報を出力することによって、情報量を少なくすることができ、簡素化された履歴情報を提供できる。例えば、客先(製品の納品先)においては、一つ一つの資材の履歴情報を入手しても、情報過多となるだけで、却って不便に感じる場合がある。そのような場合には、ロット単位で履歴情報を出力することによって、履歴情報が簡素化されて必要な情報のみを客先に提供することが可能となる。
さらに、作業者端末側の操作は、資材識別情報の入力により取得した作業対象工程に対して着手信号及び完了信号をシステム側に送信するのみで、複数の作業工程について進捗状況に関するデータを資材ごとに収集することが可能となる。したがって、履歴情報の収集に際して、作業者への負担を大幅に軽減することが可能となる。
なお、本実施形態に係るトレーサビリティ管理システム1は、製品の製造又は保守を行うプロセスにおいて、製品を構成する資材に関する履歴情報を管理するものであり、特に、各資材の作業進捗状況及び位置情報の把握を目的として、作業者端末4から取得した情報に基づいて各作業工程の着手、完了情報及び資材の位置情報を含む履歴情報を収集し、提供する。ここで、製造又は保守のプロセスは、複数の作業工程から構成されるものである。また、「資材」は、製品を構成する材料、部品及び複数の部品から形成される中間製品を含む。「製品」は、中間製品及び最終製品を含む。
管理者端末5は、製造ライン又は修理ラインの管理者が携帯する。幾つかの実施形態では、管理者端末5は、トレーサビリティ管理システム1との通信を行う通信部51と、各種データを表示する表示部52と、各種データを入力する入力部53とを有する。
客先端末6は、製造又は保守が終了した製品の納品先(客先)に設置される。幾つかの実施形態では、客先端末6は、トレーサビリティ管理システム1との通信を行う通信部61と、各種データを表示する表示部62と、各種データを入力する入力部63とを有する。
作業者端末4、管理者端末5としては、例えばタブレット型端末、スマートフォン、携帯電話、ラップトップパソコンなどの携帯端末を用いることができる。また、客先端末6は、例えばタブレット型端末、スマートフォン、携帯電話、などの携帯端末であってもよいし、デスクトップパソコンを含む任意の固定端末であってもよい。
図1に示すように、トレーサビリティ管理システム1のデータベース2は、主に、作業者マスタ21と、資材マスタ22と、作業工程マスタ23と、場所マスタ24と、トレーサビリティファイル26とを有する。また、データベース2は、コストマスタ25を有してもよい。なお、データベース2には、上記マスタファイルの他に、別の基礎的データを格納したマスタファイル、あるいはトレーサビリティファイル26の他に、書き換え可能なトランザクションファイルを有してもよい。
このように、データベースに記憶されるプロセスが、付加価値作業工程及び無付加価値作業工程の単位で複数の作業工程に分割されていれば、各作業工程の着手信号及び完了信号を取得することによって、付加価値作業と無付価値作業とに区分けした多数の作業工程について進捗状況に関するデータを収集することが可能となる。すなわち、リードタイムの短縮のために適した作業単位で分類した細やかな作業工程の進捗状況を資材ごとに把握できる。
図2に示すように、処理部32は、主に、作業者識別情報取得部301と、仕掛作業工程表示部302と、資材識別情報取得部303と、作業工程情報送信部304と、位置情報取得部305と、着手信号取得部308と、完了信号取得部309と、履歴情報出力部310とを有する。
そして、作業者端末4の通信部41から管理サーバ3に作業者IDを送信する。管理サーバ3では、ネットワーク10を介して作業者端末4から作業者IDを取得する。さらに、作業者マスタ21から該作業者IDに紐付けられた作業者情報(例えば作業者の氏名や所属等)を読み出して、作業者端末4に送信し、これを表示させてもよい。
そして、作業者端末4の通信部41から管理サーバ3に資材S/Nを送信する。管理サーバ3では、ネットワーク10を介して作業者端末4から資材S/Nを取得する。
具体的には、図13に示すようにマップ表示部306は、資材識別情報取得部303で取得した資材S/Nに基づいて作業対象資材の位置432に関する位置情報を場所マスタ24から読み出して、位置432を含む領域を作業者端末4の表示部42にマップ431として表示させる。
また、完了信号取得部309は、作業者端末4からの完了信号を、資材S/Nが再度認識された時にのみ受け付けるようにしてもよい。この場合、作業者は、着手時と同様に、作業者端末4で資材S/Nのバーコードを読み取った後、完了ボタン414を押す。これにより、不正な完了信号の送信等を防ぐことができ、正確な情報を取得できる。
なお、着手時刻又は完了時刻は、作業者端末4で着手ボタン413又は完了ボタン414を押した時刻を作業者端末4側の時計によって取得して管理サーバ4に送信してもよいが、作業者端末4の時計がずれている可能性も考えられることから、管理サーバ4が着手信号又は完了信号を作業者端末4から取得した時刻を管理サーバ4側の時計を用いて取得し、記憶することが好ましい。
また、外部端末へ提供する履歴情報の簡素化を目的として、データベース2の資材マスタ22に、資材のロットに関する識別情報(例えばオーダー)を格納しておき、履歴情報出力部310では、ロットの単位で情報を出力するようにしてもよい。
作業に取り掛かる際に、作業者は、作業者端末4のカメラ45で自分の作業者IDを示すバーコードを撮影し、作業者IDを認識して管理サーバ3に送信する。管理サーバ3は、作業者識別情報取得部301によりネットワーク10を介して作業者端末4から作業者IDを取得する(S1)。管理サーバ3は、作業者IDを取得したら作業者端末4に対してログイン状態となったことを通知する(S2)。同時に、取得した作業者IDに対応する作業者情報を作業者マスタ21から読み出し、作業者端末4に送信する(S3)。このとき、仕掛作業工程表示部302によって、作業者IDに対応した仕掛作業工程をデータベース2から読み出して、作業者情報とともに仕掛作業工程を作業者端末4に送信してもよい(S4)。作業者端末4の表示部42には、作業者IDや氏名等の作業者情報と、必要に応じて作業者自身の仕掛作業工程が表示される。
作業者は、作業者端末4の表示部42に表示される作業対象工程の着手ボタン413を押すことによって着手信号を管理サーバ3に送信する。管理サーバ3の着手信号取得部308は、作業対象工程と着手信号を取得し、取得した時刻と関連づけてデータベース2に記憶する(S7)。
作業対象工程の作業が完了したら、作業者は、作業者端末4のカメラ45で再び資材S/Nのバーコードを撮影して資材S/Nを認識した後、表示部42に表示される完了ボタン414を押す。管理サーバ3の完了信号取得部309は、作業対象工程と完了信号を取得した時刻とを関連づけてデータベース2のトレーサビリティファイル26に記憶する(S8)。
なお、作業工程の着手信号及び完了信号の取得と位置情報の取得はどちらを先に行ってもよく、処理の順番は限定されるものではない。
こうして客先端末6に出力された資材の履歴情報から、製品のトレーサビリティを把握することができる。
図15に示すように、客先端末6の表示部62には、トレーサビリティファイル26に記憶された資材の位置情報に基づいて資材の移動経路を地図上に表示させてもよい。ここで、トレーサビリティファイル26には、資材の位置情報と、該資材が用いられる作業工程の着手時刻及び完了時刻とが記憶されているので、資材が地図上でどのように移動したかを表示させることができる。このとき、製品を構成する複数の資材(例えば資材Aと資材B)の移動経路を地図上に同時に表示させてもよい。
また、図16に示すように、資材のトレーサビリティに関する詳細情報を表示させてもよい。例えば、資材Aの詳細情報として、日付、作業工程、着手時刻、完了時刻、位置情報等を表示する。
なお、ここでは客先端末6から履歴情報要求を行う場合について説明したが、履歴情報要求は、作業者端末4や管理者端末5等の他の外部端末から行うこともできる。
また、作業者端末4から取得した資材S/Nに基づいてデータベース2から作業対象工程を読み込んで作業者端末4へ送るようにしているので、データベース2に蓄積された多数の作業工程の中から着手信号及び完了信号の入力が求められる作業対象工程が特定され、作業者端末4側においても作業対象工程が何であるのか把握できる。
さらに、作業者端末4側の操作は、資材S/Nの入力により取得した作業対象工程に対して着手信号及び完了信号をシステム側に送信するのみで、多数の作業工程について進捗状況に関するデータを資材ごとに収集することが可能となる。したがって、作業者への負担を大幅に軽減することが可能となる。
さらにまた、着手信号及び完了信号と位置情報とに基づいて履歴情報を外部端末に出力するようにしているので、資材の移動経路を含む履歴情報を、外部端末の要求に応じてリアルタイムで提供できる。
同図に示すように、トレーサビリティ管理システム1は、納期推定部311をさらに備えてもよい。
納期推定部311は、管理者端末5又は客先端末6等の外部端末からの納期要求に応じて、データベース2のトレーサビリティファイル26に記憶された過去の作業工程と、該作業工程について取得した着手信号及び完了信号から算出される作業工程の所要時間との相関関係に基づいて、製品の納期を推定する。このとき、過去の作業工程とその所要時間とに基づいて作業工程毎に平均所要時間を算出し、作業工程と平均所要時間との相関関係が設定された関係ファイル27を用いて未着手の作業工程に必要とされる所要時間を見積もり、製品の納期を推定してもよい。
このように、過去の作業対象工程の着手信号及び完了信号をデータベース2に蓄積しておくことにより、製品の納期を精度よく推定することが可能となる。
このように、製品の納期を推定する際に、少なくとも一つの作業工程を共有する対象製品および他の種類の製品の組み合わせと、前記他の種類の製品との間で対象製品が共有する作業工程の所要時間との関係を用いることによって、より一層推定精度を高めることが可能となる。
このように、製品の納期を推定する際に、作業工程に要する所要時間とリソースとの関係を用いることによって、より一層推定精度を高めることが可能となる。
図18は、トレーサビリティ管理システムの経過時間表示処理に関連した構成を説明する図である。なお、経過時間表示処理は、着手信号及び完了信号を取得した後に行われるものである。
同図に示すように、トレーサビリティ管理システム1は、作業時間表示部312をさらに備えてもよい。
作業時間表示部312は、作業者端末4から作業対象工程の開始時刻を取得し、開始時刻からの経過時間をタイマ等によって計測する。作業工程マスタ23には、予め作業対象工程の標準時間が登録されている。この標準時間は、過去の実績値から統計的に求めてもよいし、各種計算によって推定してもよい。作業時間表示部312では、図19に示すように、作業対象工程の経過時間を、作業工程マスタ23から読み出した標準時間と対比させて作業者端末4の表示部42に表示させる。経過時間は、時間の経過に伴って伸びるゲージ421によって表示してもよい。また、ゲージに加えて経過時間を数値で表示してもよい。なお、表示部42には、現在着手中の作業工程の作業内容420も表示してもよい。
このように、作業時間表示部312によって、開始時刻からの経過時間を標準時間と対比させて作業者端末4の表示部42に表示させることにより、作業者は自分の作業効率を客観的に判断することができる。
このように、作業時間表示部312によって、各作業者ごとの実施作業対象工程422と、標準時間に対比させた経過時間424とを表示させることによって、作業者から離れた場所であっても作業管理者が作業者の作業効率を客観的に把握することが可能となる。
図21はトレーサビリティ管理システムのコスト管理に関連した構成を説明する図である。
同図に示すように、トレーサビリティ管理システム1は、コスト算出部320と、コスト表示部321と、実績積算価値算出部322と、目標積算価値算出部323と、対比表示部324とをさらに備えてもよい。なお、ここでは作業工程は、付加価値作業工程と、無付加価値作業工程とを含むものとする。
コスト表示部321は、コスト算出部320で算出されたコストを外部端末に表示させる。外部端末は、作業者端末4、管理者端末5又は客先端末6であってもよいし、ネットワーク10に接続可能で且つ管理サーバ3へのアクセス許可を有する他の端末であってもよい。
このとき、図23に示す作業割付表を用いて目標積算価値を算出してもよい。作業割付表とは、各作業工程毎に、資材1個を処理する標準時間から一日に処理可能な資材数を求めてこれを作業日程に当てはめた作業計画である。例えば図23では、1ロット15個の資材が存在すると仮定して、作業工程Aでは一日に処理可能な資材数が5個である場合、1ロット15個の資材全てを処理するのには3日間かかる。作業工程Aを完了した資材から作業工程Bを行うものとし、作業工程Bは一日に処理可能な資材数が3個である場合、作業工程Aの開始日から一日遅れて作業工程Bを開始すると、作業工程Bでは全ての資材を処理するのには5日間かかる。さらに、作業工程Cで一日に処理可能な資材数が10個である場合、例えば作業工程Cを2日間連続で行えるように、作業工程Bの終了日から作業工程Cを開始する。なお、作業割付表には作業工程毎に場所が紐付けられ、同時並行で実施可能か否か等の制約条件を満たすように作業工程の日程が組まれる。このように、作業工程に与えられる制約条件を満たすように、標準時間を用いて作業日程を組むことによって、作業割付表が作成できる。そして、目標積算価値算出部323は、作業割付表に沿って作業が進むものとの仮定の下、作業割付表で定められた作業スケジュールと、データベース2のコストマスタ25に格納された設備レートとを用いて目標積算価値を算出する。
客先端末6からコスト表示要求を受け取った場合、管理サーバ3のコスト算出部320では、着手信号及び完了信号の両方を受信した各作業工程について、トレーサビリティファイル26から作業工程に対応する着手時刻及び完了時刻を抽出し、これらの着手時刻及び完了時刻から各作業工程の実作業時間を算出する。このとき、既にトレーサビリティファイル26に実作業時間が格納されている場合にはこれを用いてもよい。また、コストマスタ25から各作業工程に対応する設備レートを抽出する。例えば、着手信号及び完了信号を取得した作業工程を作業工程マスタ23から選択し、使用設備をキーとしてコストマスタ25から当該作業工程に対応した設備レートを抽出する。そして、実作業時間と設備レートとから各作業工程における加工原価を算出し、これらの加工原価の総和と資材の原価とから現時点までに消費されたコストを算出する。なお、資材の原価は、資材用のコストマスタ(不図示)に予め格納されていてもよいし、管理者端末5の入力手段53等から入力してもよい。そして、コスト表示部321によって、コスト算出部320で算出されたコストを管理者端末5の表示部52に表示させる。
さらに、目標積算価値算出部323では、作業工程マスタ23から抽出された標準時間と設備レートとに基づいて加工原価を算出し、この加工原価と資材の原価との和の時間積分値からなる目標積算価値を算出する。この際、各作業工程の標準時間から得られる生産割付表を用いて、目標積算価値を算出してもよい。そして、対比表示部324によって、実績積算価値算出部322で算出された実績積算価値と、目標積算価値算出部323で算出された目標積算価値とを管理者端末5の表示部52に表示させる。このようにして表示させた積算価値を用いて、製造プロセスの収益性を評価することができる。具体的には、実績積算価値が目標積算価値よりも大きければ、その製造ラインの収益性は低く、小さければ収益性は高いと評価することができる。さらに、実績積算価値及び目標積算価値は、時間とコストの両方の概念を含む収益性の評価指標であるから、これらを比較することによって、時間とコストの両方の観点から収益性を評価することができる。すなわち、図24に示すように実績積算価値及び目標積算価値をグラフで表示させた場合、どの作業工程で時間のロスがあるか、あるいはどの作業工程で加工原価が多く消費されているかなどを容易に判断することが可能である。
画像情報取得部322は、作業者端末4で撮影された作業対象資材の画像情報を取得する。撮影された作業対象資材の画像情報は、これに対応する作業対象資材の位置情報又は修正位置情報とともにデータベース2に記憶される。
このように、作業対象資材の位置情報又は修正位置情報とともに、実際に撮影された作業対象資材の画像情報を場所マスタ24に記憶させることによって、作業者が実際に製造現場で作業対象資材を取り扱ったか否かを遠隔にいる管理者や客先が確認することができる。また、作業者の登録ミス等により誤った位置情報が記憶された場合においても画像情報を確認することによって簡単に誤りを発見でき、また画像情報から正確な位置を把握することも可能となる。
さらに、作業対象資材が不良である場合などにも、作業対象資材を撮影した画像情報を資材IDと関連づけてデータベース2に記憶させてもよい。これにより、作業対象資材から離れた位置にいる作業管理者等の他の作業者も資材の状態を把握できるようになる。
このように、予め設定された禁止項目に該当する場合に警告を発することによって、作業効率、最終製品の品質、又は安全性等の観点から好ましくない状態で作業が行われることを抑止することができる。
上記したように、本実施形態に係るトレーサビリティ管理システム1によれば、作業者、資材、作業工程の内容、資材又は作業工程の場所、作業時間を簡単に記録することも可能であるので、製造又は保守のプロセスの進捗状況等を容易に把握可能であるとともにプロセスの改善を図ることも可能となる。
2 データベース
3 管理サーバ
4 作業者端末
5 管理者端末
6 客先端末
21 作業者マスタ
22 資材マスタ
23 作業工程マスタ
24 場所マスタ
25 コストマスタ
26 トレーサビリティファイル
31,41,51,61 通信部
32 処理部
33 記憶部
34,42,52,62 表示部
35,43,53,63 入力部
45 カメラ
301 作業者識別情報取得部
302 仕掛作業工程表示部
303 資材識別情報取得部
304 作業工程情報送信部
305 位置情報取得部
306 マップ表示部
307 位置情報修正部
308 着手信号取得部
309 完了信号取得部
310 履歴情報出力部
311 納期推定部
312 作業時間表示部
320 コスト算出部
321 コスト表示部
322 実績積算価値算出部
323 目標積算価値算出部
324 対比表示部
413 着手ボタン
414 完了ボタン
415 運搬ボタン
431 マップ
432 資材位置
433 撮影ボタン
435 カメラ撮影領域
Claims (7)
- 複数の資材から構成される製品の製造又は保守を行うプロセスにて前記資材の履歴情報を管理するトレーサビリティ管理システムであって、
前記プロセスを構成する複数の作業工程と、各作業工程で使用される資材とが関連付けられて格納されたデータベースと、
各資材固有の資材識別情報が入力可能な作業者端末から、前記複数の資材のうち作業対象資材の資材識別情報を取得する資材識別情報取得部と、
前記資材識別情報取得部で取得した前記資材識別情報に基づいて、前記複数の作業工程のうち前記作業対象資材が関与する作業対象工程を示す情報を前記データベースから読み出して前記作業者端末に送る作業工程情報送信部と、
前記作業対象工程の着手を知らせる着手信号を前記作業者端末から取得する着手信号取得部と、
前記作業対象工程の完了を知らせる完了信号を前記作業者端末から取得する完了信号取得部と、
前記作業対象資材の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記着手信号及び前記完了信号と前記位置情報とに基づいて前記作業対象資材の履歴情報を外部端末からの要求に応じて出力する履歴情報出力部とを備え、
前記データベースには、各作業工程中における各資材の予め定められた位置情報が記憶されており、
前記位置情報取得部は、前記資材識別情報取得部で取得した前記資材識別情報に基づいて、前記作業対象工程に対応する前記作業対象資材の前記位置情報を前記データベースから読み出して、該位置情報に対応する位置を含む領域を前記作業者端末にマップとして表示させるマップ表示部と、前記マップ内における前記作業対象資材の位置に関する修正情報を前記作業者端末から取得し、該修正情報に基づいて前記位置情報を修正する位置情報修正部とを有することを特徴とするトレーサビリティ管理システム。 - 前記データベースには、前記作業工程と該作業工程の前記着手信号及び前記完了信号とが記憶されており、
前記データベースに記憶された過去の作業工程と、前記着手信号及び前記完了信号から算出される前記作業工程の所要時間との相関関係に基づいて、製品の納期を推定する納期推定部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のトレーサビリティ管理システム。 - 前記製品は、前記製造又は前記保守を行う予定のある他の種類の製品と少なくとも一つの作業工程を共有しており、
前記データベースには、前記製品および前記他の種類の製品の組み合わせと、前記製品が前記他の種類の製品と共有する前記少なくとも一つの作業工程の前記製品に関する所要時間との関係が記憶されており、
前記納期推定部では、前記関係を用いて前記納期を推定することを特徴とする請求項2に記載のトレーサビリティ管理システム。 - 前記データベースには、前記作業工程に要した所要時間と、前記作業工程に投入される作業員及び設備の少なくとも一方を含むリソースとの関係が記憶されており、
前記納期推定部では、前記関係を用いて前記納期を推定することを特徴とする請求項2に記載のトレーサビリティ管理システム。 - 前記データベースに記憶される前記複数の作業工程は、資材の形状又は性質を変化させて該資材の付加価値を向上させる少なくとも一つの付加価値作業工程及び資材の付加価値向上を伴わない少なくとも一つの無付加価値作業工程の単位で前記プロセスを分割してなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトレーサビリティ管理システム。
- 前記データベースに記憶される前記資材識別情報には、前記資材のロットに関する識別情報が含まれており、
前記履歴情報出力部では、前記ロットの単位で情報を出力することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトレーサビリティ管理システム。 - 複数の資材から構成される製品の製造又は保守を行うプロセスにて前記資材の履歴情報を管理するトレーサビリティ管理方法であって、
前記プロセスを構成する複数の作業工程と、各作業工程に使用される資材とを関連付けてデータベースに予め記憶するステップと、
各資材固有の資材識別情報が入力可能な作業者端末から、前記複数の資材のうち作業対象資材の資材識別情報を取得するステップと、
前記資材識別情報に基づいて、前記複数の作業工程のうち前記作業対象資材が関与する作業対象工程を示す情報を前記データベースから読み出して前記作業者端末に送るステップと、
前記作業対象工程の着手を知らせる着手信号を前記作業者端末から取得するステップと、
前記作業対象工程の完了を知らせる完了信号を前記作業者端末から取得するステップと、
前記作業対象資材の位置情報を取得するステップと、
前記着手信号及び前記完了信号と前記位置情報とに基づいて前記資材の履歴情報を外部端末からの要求に応じて出力するステップとを備え、
前記データベースには、各作業工程中における各資材の予め定められた位置情報が記憶されており、
前記位置情報を取得するステップでは、
前記資材識別情報に基づいて、前記作業対象工程に対応する前記作業対象資材の前記位置情報を前記データベースから読み出して、該位置情報に対応する位置を含む領域を前記作業者端末にマップとして表示させ、
前記マップ内における前記作業対象資材の位置に関する修正情報を前記作業者端末から取得し、該修正情報に基づいて前記位置情報を修正する
ことを特徴とするトレーサビリティ管理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012181465A JP6004831B2 (ja) | 2012-05-23 | 2012-08-20 | トレーサビリティ管理システム及び方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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