JP4020396B2 - 製品を追跡するための装置及び方法 - Google Patents
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Description
現状、そのようなリコール対象製品の特定は、製品シリアル番号や部品シリアル番号や作業記録等を辿ることにより、手作業で行われている。
第1の問題点は、例えば、同月生産品、同ロットを使った可能性のある製品群等、「疑いがある」製品は全てリコールの対象とせざるを得ないため、実際には不良でない製品もリコールしてしまっているという問題である。製造記録等に基づく手作業では、100%のトラッキングは不可能だからである。
第2の問題点は、当然ながら、手作業ゆえ記録を辿る方法も人それぞれで、トラッキングに莫大な人手と時間と費用とがかかってしまうという問題である。
尚、同様の問題は、自動車等の機械製品に限られず、複数の構成要素からなる様々な製品について起こり得ると考えられる。
また他の目的は、そのようなトラッキングの成功率の向上を、製品の全ての構成要素に関する情報採取等の手間をかけることなく効率的に実現できるようにすることにある。
本実施の形態では、自動車等の製品が、例えば、図1のような工程(製造工程)を経て製造されることを前提とする。図1に示すように、製造の工程は、一般に、直線的であるとは限らない。即ち、車体に対する溶接、塗装の工程と並行に、部品の組立てが行われ、これが車体組立ての工程で車体に組み付けられている。その後、最終工程で、完成車の検査が行われている。
図2は、ABTの一例を示した図である。この例は、完成品をルート(根)とし、各部品をリーフ(葉)とする二進木(二分木ともいう)を用いて、全ての部品を組み付けながら製品が完成するまでの過程を表したものである。実際には、1つの基盤部品に同時に3つの部品が組み付けられるような場合もあるが、それらも微視的又は便宜的に後先の順序を付けて二進木で表すことにする。
また、二進木の各交点は、2つの部品が合体されることを意味し、「Junction」と呼ぶことにする。また、製造の工程は、図2において楕円で示しており、これを「Process」と呼ぶ。1つのJunctionが1つのProcessを構成することもあるし、複数のJunctionが1つのProcessを構成することもある。図2では、1つのProcessは、必ず一連のJunctionの集合で表されることになる。尚、Junctionは、リーフを除くノード(節)に対応する概念である。
第一に、BOMは、部品の主従関係を記述するものであるのに対し、ABTは、部品の組立ての順序関係を記述するものである。
第二に、BOMでは、1つの主部品に対して複数の従部品がある場合に、その複数の従部品の組立て順序は表されないが、ABTでは、全ての部品について組立て順序が表される。
第三に、BOMでは、別の主部品に帰属する従部品は、互いに離れた位置に配置される。これに対し、ABTでは、かかる場合でも、特定の工程で先に組み立てられるのであれば、組立て順序に従いその工程内に記述される。
即ち、ABTは、アセンブリ工程の設定と部品構成の情報とに基づき、実際の組立て順序を反映されて記述されるものである。
従って、一般的には、4つの個体のある工程での順序は、その部品の最初の工程への投入順序や、製品の完成の順序とは全く無関係であると考えなければならない。それゆえ、製品のある個体に不良が発生してその製品シリアル番号と不良を起こした部品が判明したとしても、その部品と同じロットの部品を使用した他の個体の特定は困難だったのである。また、製品シリアル番号と不良を起こした工程が判明したとしても、不良が発生していた時間にその工程を通過した他の個体の特定は困難だったのである。
TPは、図4に白抜きの矢印で示すように、ABTの全ての工程が、少なくとも1つのTPによって通過されるように決める。或いは、それよりも多くのTPを決めてもよい。また、TPは、バーコードやRFID(Radio Frequency IDentification)を貼り付け易く、また、検出し易い等の条件も勘案して選択する。更に、本来的に重要部品であり、シリアルナンバーで管理されるようなものを優先的にTPとしてもよい。例えば、自動車のエンジンのメインフレームのような部品である。
TPとして定義された部品には、TPの各個体を識別するシリアル番号(以下、「TP−ID」という)が振られ、組立ての最初の工程から、部品に貼り付けられたバーコードやRFIDを読み取ることによりトレースされる。尚、部品への貼り付けが難しければ、部品ごとの付票として管理してもよい。
組立て工程が進むに従って、ある工程で2つのTPが1つの半完成品に組み込まれるケースが出て来る。この場合には、あらかじめ決められたマスターTPにスレーブTPが吸収される。そこで、マスターTPのTP−IDとスレーブTPのTP−IDとのリンクを記録し、その後の(下流の)組立て工程では、マスターTPのみがトレースされるようにする。一旦、半完成品に組み込まれ、各TPの関係が記録されれば、その後は1つのTPを代表にしてトレースすれば十分だからである。これをTPのマージ(Merger)と呼ぶことにする。尚、図4では、マージを、文字「M」を「○」で囲んだ記号により表している。
また、TPについては、各個体がどのロットに属していたかの情報も、所定の記憶装置に記憶するものとする。即ち、TP−IDとロット番号との対応が記憶される。
この履歴情報は、以下のような手順で作成される。
1)TP「TP111」が組み付けられた時点で、そのTPのTP−ID「TP111−IDxx」のレコードが記録される。
2)TP「TP111」が組み付けられた工程「PR111−1」について、工程ID「PR111−1−IDxx」とその工程を通過した時刻「TIMExx」とが、TP−ID「TP111−IDxx」のレコードに記録される。尚、工程IDとは、1つの工程の中に複数の製造ライン等がある場合に、その中の実際に通過した製造ライン等を識別するための情報である。また、時刻をあらわす「TIMExx」は、特定の時刻データを含んでもよいし、特定の時間帯を示す識別記号を含んでもよい。
3)工程「PR111−1」で製造された半完成品に対し、工程「PR111−2」で組み付けが行われる時、工程ID「PR111−2−IDxx」とその工程を通過した時刻「TIMExx」とが、TP−ID「TP111−IDxx」のレコードに追記される。
4)一方、TP「TP110」が上記1)、2)、3)とは独立に組み付けを開始した時、TP−ID「TP110−IDxx」のレコードが生成される。
5)その後、工程「PR110−1」について、工程ID「PR110−1−IDxx」とその工程を通過した時刻「TIMExx」とが、TP−ID「TP110−IDxx」のレコードに記録される。
7)この工程で、「TP111−IDxx」のレコードと「TP110−IDxx」のレコードとの間にリンクが張られることになる。リンクの記述は、後で上下双方向からトレースが容易になるような方法で行う。即ち、「TP111−IDxx」のレコードにおいては、"Merged to"の後に、マスターとなる「TP110−IDxx」を記述する。また、同時に、「TP110−IDxx」のレコードにおいては、"Link from"の後に、スレーブとなる「TP111−IDxx」を記述する。
8)更に、TP−ID「TP110−IDxx」のTPは、TP−ID「TP100−IDxx」のTPにマージされ、その際に、2つのレコードはリンクされる。
9)最終的に、「TP100−IDxx」のレコードは、製品シリアル番号「FGA−IDxx」にリンクされる。これにより、製品シリアル番号「FGA−IDxx」の個体に対するTP履歴情報が完成する。
尚、TPにRFID等を貼り付け、RFIDから情報を読み取る検出ゲートを各工程に設けることにより、TP履歴情報の元となるTP−ID等を収集することもできる。RFIDタグが取り付けられた部品や、RFIDタグからTP−IDを読み取る検出ゲートのイメージは、図1にも示した。
また、各工程に設定された検出ゲートとTP履歴情報を管理する装置とを有線又は無線回線により接続した構成としてもよい。このような構成において、検出ゲートに、TP−IDと工程IDと通過時刻とを送出する機能を設ければ、TPの通過の検出からTP履歴情報の記録までを自動化することができる。
例えば、図6は、工程「PR111−2」の工程ID「PR111−2−IDxx」に対する工程管理情報を示す。この例では、作業者のシフト、使用ツール(工具等)のID、この工程で組み付けられる非TPの部品のロット番号が記録されている。或いは、図6には示していないが、温度、湿度等の作業条件を記録するようにしてもよい。
そして、この工程管理情報には、あるマスターTPがどの時刻にこの工程を通過したかが、そのTPのTP−IDと共に記録される。尚、この通過の記録は、その工程でTP−IDが読み取られ、図5のTP履歴情報に書き込まれる時にこの工程管理情報にも記録されるようにすればよい。RFID等を利用すれば、この記録は自動的に無人で行うことも可能である。
図7に示すように、製品追跡装置は、トレースエンジン10と、工程定義データベース(以下、「DB」という)20と、TPロット対応DB30と、TP履歴DB40と、工程管理DB50とから構成される。
トレースエンジン10は、製品追跡装置の中核となるエンジン部分であり、各DBを参照しながら製品を追跡する処理を行う。
工程定義DB20は、図4に示したような二進木において、各部品がどのリーフに対応するか、各工程がどのノード群に対応するかといった工程定義を記憶するDBである。
TPロット対応DB30は、TP−IDとロット番号の対応を記憶するDBである。
TP履歴DB40は、図5に示したようなTP履歴情報を、製品の全個体について記憶するDBである。
工程管理DB50は、図6に示したような工程管理情報を記憶するDBである。尚、図7では、工程管理DB50が工程IDごとに作成されることを想定し、複数の工程管理DB50が図示されているが、これらは、1つのDBに集約しても構わない。
トレースエンジン10は、工程定義DB20に対しては、第一に、部品情報を受け渡すことにより、工程情報を受け取る。第二に、TPについての部品情報を受け渡すことにより、工程情報を受け取る。第三に、部品情報を受け渡すことにより、TPについての部品情報を受け取る。
トレースエンジン10は、TPロット対応DB30に対しては、TP−IDを受け渡すことにより、ロット番号及びそのロットの中に含まれるTPのTP−IDリストを受け取る。
トレースエンジン10は、工程管理DB50に対しては、第一に、工程IDと部品情報と時刻とを受け渡すことにより、ロット番号及び同じロットの使用時に通過したTPのTP−IDリストを受け取る。第二に、工程IDと時刻とを受け渡すことにより、その時刻の近くに起こった全ての出来事の情報を受け取る。第三に、工程IDと時間帯とを受け渡すことにより、その時間帯における全てのTPのTP−IDリストを受け取る。
図8に示すように、トレースエンジン10は、情報受付部11と、工程特定部12と、時間帯特定部13と、TP特定部14と、製品特定部15とから構成される。
情報受付部11は、製品シリアル番号及び不良部品の部品情報や、製品シリアル番号及び不良工程の工程情報を受け付ける部分である。
工程特定部12は、情報受付部11が製品シリアル番号及び不良部品の部品情報を受け付けた場合に、工程定義DB20を参照してその不良部品を使用した工程を特定する部分である。
時間帯特定部13は、その製品シリアル番号の製品が工程を通過した時刻における問題が発生している時間帯を特定する部分である。
TP特定部14は、工程管理DB50を参照してその工程をその時間帯に通過したTPのTP−IDを特定する部分である。
製品特定部15は、そのTP−IDのTPを使用して製造された製品の製品シリアル番号を特定する部分である。
ケース1として、不良が発生した製品の製品シリアル番号と、不良を起こした部品(TPではない)が判明している場合の例を説明する。例えば、図9において「×」を付した部品Qに不良が見つかったとする。この場合、トレースエンジン10は、図10に示すような動作を行う。
まず、情報受付部11が、不良を発生した製品の製品シリアル番号と不良を起こした部品を特定する部品情報を受け付ける(ステップ101)。図9の例の場合、部品Qを特定する部品情報を受け付ける。
次に、工程特定部12は、工程定義DB20を参照し、部品情報により特定される部品を組み付ける工程を特定する(ステップ102)。図9の例の場合、部品Qを組み付ける工程「PR111−2」を特定する。
また、その工程IDに対する工程管理DB50を参照し、ステップ103で求めた時刻において、不良を発生した部品について使用されていたロットを特定する(ステップ104)。図9の例の場合、工程ID「PR111−2−IDxx」に対する工程管理情報において、部品Qについて使用されていたロットのロット番号を得る。
そして、得られたロット番号を工程管理DB50の同工程の記録を参照することにより、そのロットが使用されていた時間帯を問題が発生した時間帯として特定する(ステップ105)。
そして、製品特定部15は、リストされたTP−IDから1つのTP−IDを選択し(ステップ107)、選択されたTP−IDをキーとして、TP履歴DB40のその工程の部分をサーチする(ステップ108)。TP−IDが見つかると、そのTP履歴情報を逆に辿り、そのTPが組み込まれた製品の製品シリアル番号を求め、例えば、不良製品シリアル番号リストに書き出す(ステップ109)。
最後に、リストされたTP−IDが他にあるかどうかが判定される(ステップ110)。その結果、TP−IDがあれば、ステップ107〜109の処理を繰り返し、TP−IDがなければ、処理を終了する。
以上の処理により、問題の部品と同一ロットの部品を使用した製品の製品シリアル番号を全てリストすることができる。
まず、情報受付部11が、不良を発生した製品の製品シリアル番号と不良を起こした工程を特定する工程情報を受け付ける(ステップ201)。図11の例の場合、工程「PR110−2」を特定する工程情報を受け付ける。
また、その工程IDに対する工程管理DB50を参照し、ステップ202で求めた時刻において、工程の異常がどのような原因でいつからいつまで続いたかを、解析等により特定する(ステップ203)。図11の例の場合、工程ID「PR110−2−IDxx」に対する工程管理情報における異常の時間帯を特定する。
尚、ステップ203における解析等には、工程管理DB50に残っているデータを用いた解析以外の調査、推定等も含むものとする。例えば、ある部分の塗装不良があり、その原因が空調の故障による湿度の変化にあったような場合、その空調の故障がどの時間範囲に及んだか等は、必ずしも工程管理DB50に残っているとは限らないからである。
そして、製品特定部15は、リストされたTP−IDから1つのTP−IDを選択し(ステップ205)、選択されたTP−IDをキーとして、TP履歴DB40のその工程の部分をサーチする(ステップ206)。TP−IDが見つかると、そのTP履歴情報を逆に辿り、そのTPが組み込まれた製品の製品シリアル番号を求め、例えば、不良製品シリアル番号リストに書き出す(ステップ207)。
最後に、リストされたTP−IDが他にあるかどうかが判定される(ステップ208)。その結果、TP−IDがあれば、ステップ205〜207の処理を繰り返し、TP−IDがなければ、処理を終了する。
以上の処理により、問題の工程を異常が発生していた時間帯に通過した製品の製品シリアル番号を全てリストすることができる。
まず、情報受付部11が、不良を発生した製品の製品シリアル番号と不良を起こしたTPを特定する部品情報を受け付ける(ステップ301)。図13の例の場合、TP「TP111」を特定する部品情報を受け付ける。
また、TPロット対応DB30を参照し、そのTP−IDのTPが含まれていたロットを特定する(ステップ303)。
そして、製品特定部15は、リストされたTP−IDから1つのTP−IDを選択し(ステップ305)、選択されたTP−IDをキーとして、TP履歴DB40のそのTPの部分をサーチする(ステップ306)。TP−IDが見つかると、そのTP履歴情報を逆に辿り、そのTPが組み込まれた製品の製品シリアル番号を求め、例えば、不良製品シリアル番号リストに書き出す(ステップ307)。
最後に、リストされたTP−IDが他にあるかどうかが判定される(ステップ308)。その結果、TP−IDがあれば、ステップ305〜307の処理を繰り返し、TP−IDがなければ、処理を終了する。
以上の処理により、問題のTPと同一ロットのTPを使用した製品の製品シリアル番号を全てリストすることができる。
尚、本実施の形態では、図6の工程管理DB50に非TP部品のロットのみを記録し、TPについては、TP−IDとロットとの関係を記録したTPロット対応DB30を設けた。これは、TPについては前もってTP−IDを貼る又は関連付ける作業があるはずで、その際にTP−IDとロットとの関連付けも容易にできると考えたからである。また、工程管理DB50に記録しないことにより、TPについてはロットごとに使い切るとの制約もなくなる。しかしながら、勿論、TPも他の部品と同様にロットごとに使い切るとの制約を設け、工程管理DB50にロットを記録するように構成することも可能である。
ここで再度、図15に示すような二進木について考える。かかる二進木において、全ての部品は、リーフに対応付けられており、「0」と「1」とを組み合わせた文字列で表すことができる。
即ち、完成品をルートとし、図15における上方向への枝分かれを「0」、下方向への枝分かれを「1」とすると、部品Aは「E000」と表すことができ、部品Bは「E1001」と表すことができる。尚、ここでは、後述の工程と区別するため、文字列の先頭にEdgeであることを示す「E」を付けている。
同様に、各ジャンクションも「0」と「1」とを組み合わせた文字列で表すことができるので、全ての工程は、各工程における最も下流のジャンクションを表す文字列で表すことができる。例えば、工程Cは「J1」と表すことができ、工程Dは「J1000」と表すことができる。尚、上述の部品と区別するため、文字列の先頭にJunctionをあらわす「J」を付けている。
図16に示すように、TP決定装置60は、情報取得部61と、二進木情報記憶部62と、ノード群選択部63と、リーフ選択部64と、ノード群削除部65とから構成される。
情報取得部61は、工程定義DB20から、部品のバイナリ記述のリストと工程のバイナリ記述のリストとを取得又は作成する部分である。
二進木情報記憶部62は、情報取得部61が取得又は作成したこれらのリストを記憶する部分である。
ノード群選択部63は、二進木情報記憶部62に記憶された工程のバイナリ記述のリストから、段数が最大の工程のバイナリ記述を選択する部分である。
リーフ選択部64は、二進木情報記憶部62に記憶された部品のバイナリ記述のリストから、選択されたバイナリ記述の工程で使用される任意の1つの部品のバイナリ記述を選択する部分である。
ノード群削除部65は、二進木情報記憶部62に記憶された工程のバイナリ記述から、ノード群選択部63が選択したバイナリ記述、及び、そのバイナリ記述の工程から最終工程までの工程のバイナリ記述を削除する部分である。
まず、情報取得部61が、工程定義DB20に記憶された情報のうち、各部品に対応するリーフを特定する情報を取得し、部品のバイナリ記述リストとして二進木情報記憶部62に記憶する(ステップ401)。本明細書で例示している二進木の場合は、以下のようなリストとなる。
「E000」、「E001」、「E01」、「E10000」、「E100010」、「E1000110」、「E1000111」、「E1001」、「E101」、「E110」、「E1110」、「E1111」。
また、工程定義DB20に記憶された情報のうち、各工程に対応するノード群を特定する情報を取得し、工程のバイナリ記述リストとして二進木情報記憶部62に記憶する(ステップ402)。本明細書で例示している二進木の場合は、以下のようなリストとなる。
「J(最終工程)」、「J1」、「J10」、「J1000」、「J111」。
例えば、工程「J1000」は、工程「J10」、工程「J1」、工程「J」と先頭部分が一致するので、4段目であることが分かる。また、工程「J111」は、工程「J1」、工程「J」と先頭部分が一致するので、3段目であることが分かる。
以上により、工程「J(最終工程)」は1段目、工程「J1」は2段目、工程「J10」は3段目、工程「J1000」は4段目、工程「J111」は3段目となる。
また、ノード群選択部63は、全ての工程の中から、段数が最も大きいものを選択する(ステップ404)。そうすると、その工程は、全ての工程の末端に位置し、その前工程は無いはずである。
上記の例では、工程「J1000」が選択され、その工程で組み付けられる部品「E10000」、「E100010」、「E1000110」、「E1000111」の中から「E100010」をTPに決定することにする。
その後、工程リストにバイナリ記述が残っているかどうかが判定される(ステップ407)。その結果、バイナリ記述が残っていれば、ステップ403〜406の処理を繰り返す。
尚、この例では、部品数も工程数も少ないので、この段階で残された工程が1つだけになった。しかしながら、一般的には、決定したTPが通過する工程だけを削除するわけであるから、この段階では消去される工程は全体のごく一部にすぎない。
尚、上記の処理中で工程の段数が同じものが複数存在する場合にどれを選択するかという問題が残るが、これは任意でよいとする。
また、TPのマージにおいては、後に決定されたTPは、先に決定されたTPにマージされるという基本ルールとする。なるべく少数のTPが多くの段数をカバーするほうが、RFIDタグ等の実装を考える場合に有効であるからである。勿論、例外も可能で、現場の実態でどちらがどちらをマージするかを任意に選択して決めることも可能である。
図18は、これらの装置として用いるのに好適なコンピュータのハードウェア構成の例を模式的に示した図である。
図18に示すコンピュータは、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)701と、M/B(マザーボード)チップセット702およびCPUバスを介してCPU701に接続されたメインメモリ703と、同じくM/Bチップセット702およびAGP(Accelerated Graphics Port)を介してCPU701に接続されたビデオカード704及びディスプレイ710と、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスを介してM/Bチップセット702に接続された磁気ディスク装置(HDD)705、ネットワークインターフェイス706と、さらにこのPCIバスからブリッジ回路707およびISA(Industry Standard Architecture)バスなどの低速なバスを介してM/Bチップセット702に接続されたフレキシブルディスクドライブ708およびキーボード/マウス709とを備える。
Claims (12)
- 複数の部品からなる製品を追跡するための装置であって、
個々の前記製品ごとに、前記複数の部品のうち特定の製品を後に追跡するための要素としてあらかじめ定められた部品(追跡要素)を特定するための第1の情報を記憶する第1のデータベースと、
前記製品の製造工程ごとに、当該製造工程を通過した個々の前記追跡要素とその通過時刻とを特定するための第2の情報を記憶する第2のデータベースと、
前記製品の製造工程と当該製造工程で使用される当該製品の部品との対応を定義した第3の情報を記憶する第3のデータベースと、
前記第3のデータベースに記憶された第3の情報を参照することにより、特定の部品が使用された製造工程を特定する製造工程特定手段と、
前記第2のデータベースに記憶された第2の情報を参照することにより、前記製造工程特定手段により特定された製造工程を特定の時間帯に通過した前記追跡要素を特定する追跡要素特定手段と、
前記第1のデータベースに記憶された第1の情報を参照することにより、前記追跡要素特定手段により特定された前記追跡要素を使用して製造された前記特定の製品を特定する製品特定手段と
を備えた装置。 - 前記第1のデータベースは、個々の前記製品ごとに、各製造工程の通過時刻を特定する情報を更に記憶し、
前記特定の製品の識別情報を含む入力情報に基づいて前記第1のデータベースを検索することにより、前記製造工程特定手段により特定された製造工程を当該特定の製品が通過した時刻を求め、当該時刻におけるロットの使用状況に基づき、前記特定の時間帯を決定する時間帯特定手段と
を更に備えた請求項1記載の装置。 - 前記第1のデータベースは、個々の前記製品ごとに、各製造工程の通過時刻を特定する情報を更に記憶し、
前記特定の製品の識別情報を含む入力情報に基づいて前記第1のデータベースを検索することにより、前記製造工程特定手段により特定された製造工程を当該特定の製品が通過した時刻を求め、当該時刻における作業環境の継続状況に基づき、前記特定の時間帯を決定する時間帯特定手段と
を更に備えた請求項1記載の装置。 - 個々の前記追跡要素ごとに、当該追跡要素が属していたロットを特定するロット情報を記憶する第4のデータベースを更に備え、
前記追跡要素特定手段は、前記特定の部品が前記追跡要素である場合に、前記第4のデータベースに記憶されたロット情報を参照することにより、当該追跡要素が属していたロットに属する他の追跡要素を特定することを特徴とする請求項1記載の装置。 - 前記追跡要素は、前記製品の各々の製造工程が、少なくとも1つの追跡要素によって通過されるように定められている、請求項1記載の装置。
- 前記追跡要素は、前記製品の完成品をルートとし各々の前記部品をリーフとする二進木を用いて定められる請求項5記載の装置。
- 複数の部品からなる製品を追跡するための方法であって、
個々の前記製品ごとに、前記複数の部品のうち特定の製品を後に追跡するための要素としてあらかじめ定められた部品(追跡要素)を特定するための第1の情報を第1のデータベースに記憶するステップと、
前記製品の製造工程ごとに、当該製造工程を通過した個々の前記追跡要素とその通過時刻とを特定するための第2の情報を第2のデータベースに記憶するステップと、
前記製品の製造工程と当該製造工程で使用される当該製品の部品との対応を定義した第3の情報を第3のデータベースに記憶するステップと、
前記第3のデータベースに記憶された第3の情報を参照することにより、特定の部品が使用された製造工程を特定するステップと、
前記第2のデータベースに記憶された第2の情報を参照することにより、特定された製造工程を特定の時間帯に通過した前記追跡要素を特定するステップと、
前記第1のデータベースに記憶された第1の情報を参照することにより、特定された前記追跡要素を使用して製造された前記特定の製品を特定するステップと
を含む方法。 - 前記第1のデータベースに記憶するステップでは、個々の前記製品ごとに、各製造工程の通過時刻を特定する情報を更に記憶し、
前記追跡要素を特定するステップは、
前記特定の製品の識別情報を受け付けるステップと、
前記第1のデータベースを検索することにより、特定された製造工程を前記特定の製品が通過した時刻を求め、当該時刻におけるロットの使用状況に基づき、前記特定の時間帯を決定するステップと
を更に含む請求項7記載の方法。 - 前記第1のデータベースに記憶するステップでは、個々の前記製品ごとに、各製造工程の通過時刻を特定する情報を更に記憶し、
前記追跡要素を特定するステップは、
前記特定の製品の識別情報を受け付けるステップと、
前記第1のデータベースを検索することにより、特定された製造工程を前記特定の製品が通過した時刻を求め、当該時刻における作業環境の継続状況に基づき、前記特定の時間帯を決定するステップと
を更に含む請求項7記載の方法。 - 個々の前記追跡要素ごとに、当該追跡要素が属していたロットを特定するロット情報を第4のデータベースに記憶するステップを更に含み、
前記追跡要素特定ステップは、前記特定の部品が前記追跡要素である場合に、前記第4のデータベースに記憶されたロット情報を参照することにより、当該追跡要素が属していたロットに属する他の追跡要素を特定する、請求項7記載の方法。 - 前記追跡要素は、前記製品の各々の製造工程が、少なくとも1つの追跡要素によって通過されるように定められている、請求項7記載の方法。
- 前記追跡要素は、前記製品の完成品をルートとし各々の前記部品をリーフとする二進木を用いて定められる請求項11記載の方法。
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