WO2023058266A1

WO2023058266A1 - トレーサビリティ管理システム、トレーサビリティ管理方法及びプログラム

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Publication number: WO2023058266A1
Application number: PCT/JP2022/021300
Authority: WO
Inventors: 真之介相川
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2021-10-05
Filing date: 2022-05-24
Publication date: 2023-04-13
Also published as: JP7475555B2; JPWO2023058266A1

Abstract

トレーサビリティ管理システム（１）は、制御部（２０１）を備える。制御部（２０１）は、製品の製造を指示する情報である製造オーダーと、製品の機種名と、を取得し、機種名に基づいて、製品の製造に用いられる部品形名を取得し、部品に記載されたラベル部品形名と、部品に記載された部品製造ロット番号と、を取得し、部品形名とラベル部品形名とを比較し、部品形名とラベル部品形名とが合致していた場合に、製造オーダーと部品製造ロット番号とを紐付けてトレーサビリティデータを生成する。

Description

トレーサビリティ管理システム、トレーサビリティ管理方法及びプログラム

　本開示は、トレーサビリティ管理システム、トレーサビリティ管理方法及びプログラムに関する。

　特許文献１には、複数の生産工程において基板に部品を実装し、基板がそれぞれの通過時刻を時刻テーブルに記録し、複数の生産工程において基板に実装する部品の投入時間を投入時間テーブルに記録し、基板に実装した部品のロットを確認する際に、時刻テーブルより、各生産工程の通過時刻を検索し、投入時間テーブルから通過時刻を照合するロットトレーサビリティーシステムが記載されている。

特開２００４－１３４５０９号公報

　特許文献１に記載のトレーサビリティーシステムでは、基板に識別表示を印字している。しかし、トレーサビリティーシステムを適用するためには基板に印字スペースが設計されている必要があり、印字のためのコスト及び工数が増加してしまうという課題があった。

　本開示はかかる課題に鑑みてなされたものであって、部品からデータを取得することで、基板の印字スペースを必要とすることなくトレーサビリティデータを生成し、生産を管理することが可能なトレーサビリティ管理システム、トレーサビリティ管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。

　上記目的を達成するため、本開示に係るトレーサビリティ管理システムは、制御部を備える。制御部は、製品の製造を指示する情報である製造オーダーと、製品の機種名と、を取得し、機種名に基づいて、製品の製造に用いられる部品形名を取得し、部品に記載されたラベル部品形名と、部品に記載された部品製造ロット番号と、を取得し、部品形名とラベル部品形名とを比較し、部品形名とラベル部品形名とが合致していた場合に、製造オーダーと部品製造ロット番号とを紐付けてトレーサビリティデータを生成する。

　本開示によれば、部品からデータを取得することで、基板の印字スペースを必要とすることなくトレーサビリティデータを生成し、生産を管理することが可能なトレーサビリティ管理システム、トレーサビリティ管理方法及びプログラムを提供できる。

実施の形態１に係るトレーサビリティ管理システムの構成を示す概略図実施の形態１に係るトレーサビリティ管理システムの構成を示すブロック図実施の形態１の情報処理装置の制御部が実行するトレーサビリティデータ生成処理を示すフローチャート実施の形態１に係るトレーサビリティ管理システムが生成するトレーサビリティデータの構成を示す図実施の形態２の情報処理装置の制御部が架替において実行するトレーサビリティデータ生成処理を示すフローチャート実施の形態２の情報処理装置の制御部がスプライシングにおいて実行するトレーサビリティデータ生成処理を示すフローチャート実施の形態３に係るトレーサビリティ管理システムが生成するトレーサビリティデータの構成を示す図変形例に係るトレーサビリティ管理システムが生成するトレーサビリティデータの構成を示す図変形例に係るトレーサビリティ管理システムが生成するトレーサビリティデータの構成の別の例を示す図変形例に係るトレーサビリティ管理システムが生成するトレーサビリティデータの構成のさらに別の例を示す図

（実施の形態１）
　本開示の実施の形態１に係るトレーサビリティ管理システム１について、図１－図４を参照して説明する。図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。実施の形態１に係るトレーサビリティ管理システム１は、製品の製造に用いられるリール部品のラベルを読み取ってトレーサビリティデータ２を生成する。

　図１は、実施の形態１に係るトレーサビリティ管理システム１の構成を示す概略図である。図１に示すように、トレーサビリティ管理システム１は、データの受け付け及びラベルの読み取りを行う携帯端末１００と、トレーサビリティデータ２を生成して記憶する情報処理装置２００と、を備える。

　図２は、実施の形態１に係るトレーサビリティ管理システム１の構成を示すブロック図である。図２に示すように、携帯端末１００は、ユーザによる入力を受け付ける入力部１０１と、部品に記載されたラベルを読み取る読取部１０２と、視覚情報を表示する表示部１０３と、携帯端末１００の全体を制御する端末制御部１０４と、情報を送受信する端末通信部１０５と、を備える。携帯端末１００はハンディターミナルを含み得るが、これに限られるものではない。

　入力部１０１は、ユーザによる入力を受け付けるインタフェース装置である。入力部１０１は、ユーザによって操作されることで基板製造オーダー情報及び製品の機種名を受け付ける。基板製造オーダー情報は、基板を製造する際に必要となるオーダーを含む情報である。入力部１０１は、例えばボタン、タッチパッド、タッチパネルを含み得るが、これに限られるものではない。

　読取部１０２は、リール部品に記載されたラベルを読み取り、読み取ったラベルに含まれる部品製造ロットを示すデータと部品形名を示すデータとを端末制御部１０４に伝達する読取装置である。読取部１０２が読み取る部品製造ロットは、リール部品が製造された際に製造者によって付与される製品を識別する情報である。読取部１０２は、光照射装置と反射光検出装置とを有するバーコードリーダを含み得るが、これに限られるものではない。読取部１０２が読み取るラベルは、電子情報技術産業協会（ＪＥＩＴＡ）によって規定されたＣ３ラベルを含み得るが、これに限られるものではない。ラベルから読み取られた部品形名をラベル部品形名とも言う。

　表示部１０３は、ユーザに対し視覚情報を表示する表示装置である。表示部１０３は液晶パネルを含み得るが、これに限られるものではない。

　端末制御部１０４は、携帯端末１００の全体を制御すると共に、入力部１０１を介して入力されたデータ及び読取部１０２が読み取ったデータを取得し、端末通信部１０５を介して情報処理装置２００に送信する。端末制御部１０４はプロセッサを含み得るが、これに限られるものではない。

　端末通信部１０５は、携帯端末１００から情報処理装置２００に情報を送信し、また情報処理装置２００から送信された情報を受信する。端末通信部１０５は、有線通信インタフェース又は無線通信インタフェースを含み得るが、これに限られるものではない。

　情報処理装置２００は、トレーサビリティデータ２を生成する制御部２０１と、部品形名と機種名とを紐付けて記憶する記憶部２０２と、情報を送受信する通信部２０３と、を備える。情報処理装置２００はパーソナルコンピュータ、サーバを含み得るが、これに限られるものではない。

　制御部２０１は、情報処理装置２００の全体を制御すると共に、携帯端末１００から取得したデータに基づいてトレーサビリティデータ２を生成する。制御部２０１はプロセッサを含み得るが、これに限られるものではない。

　記憶部２０２は、制御部２０１が実行するプログラム及び制御部２０１が利用するデータを記憶する記憶媒体である。記憶部２０２は、製品の製造に必要な部品形名を含む情報と製品の機種名とを紐付けたマスタデータを記憶する。記憶部２０２は、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＲＡＭ（Random Access Memory）を含み得るが、これに限られるものではない。

　制御部２０１がトレーサビリティ情報を生成する方法について説明する。制御部２０１は、通信部２０３を介して携帯端末１００から基板製造オーダーと機種名とを取得すると、記憶部２０２に記憶されたマスタデータを参照し、取得した機種名に対応する複数の部品形名を取得する。

　制御部２０１は、複数の部品形名を記憶部２０２から取得すると、部品形名のうちの一つについて、部品のラベル読み取りをユーザに行わせる表示を表示部１０３に表示させる指示を、通信部２０３を介して携帯端末１００に送信する。

　携帯端末１００の端末制御部１０４は、部品のラベル読み取りをユーザに行わせる表示を表示部１０３に表示させる指示を、端末通信部１０５を介して受信すると、部品のラベル読み取りをユーザに行わせる表示を表示部１０３を制御して表示させる。

　部品のラベル読み取りをユーザに行わせる表示を受けて、ユーザが読取部１０２で部品に記載されたラベルを読み取ると、端末制御部１０４は、読取部１０２が読み取った部品製造ロットを示すデータと部品形名を示すデータとを、端末通信部１０５を介して情報処理装置２００に送信する。

　制御部２０１は、通信部２０３を介して携帯端末１００から部品製造ロットを示すデータと部品形名を示すデータとを取得すると、携帯端末１００から取得した部品形名と記憶部２０２から取得した部品形名とを照合する。二つの部品形名が合致した場合、携帯端末１００から取得した基板製造オーダーと部品製造ロットとを紐付け、トレーサビリティデータ２として記憶部２０２に記録させる。合致しなかった場合、部品のラベル読み取りをユーザに再度行わせる表示を表示部１０３に表示させる指示を、通信部２０３を介して携帯端末１００に送信する。

　制御部２０１は、マスタデータから取得した複数の部品形名の全てに対し基板製造オーダーと部品製造ロットとを紐付け、トレーサビリティデータ２として記憶部２０２に記録させるまで、ラベル読み取りの指示と部品形名の照合とを繰り返す。

　図３は、情報処理装置２００の制御部２０１が実行するトレーサビリティデータ生成処理を示すフローチャートである。トレーサビリティデータ生成処理について、図３のフローチャートを参照して説明する。

　トレーサビリティデータ生成処理が開始されると、情報処理装置２００の制御部２０１は、通信部２０３を介して携帯端末１００から基板製造オーダーと機種名とを取得する（ステップＳ１０１）。

　基板製造オーダーと機種名とを取得すると、制御部２０１は、取得した機種名に対応するｐ種類の部品形名を記憶部２０２のマスタデータから取得する（ステップＳ１０２）。

　ｐ種類の部品形名を記憶部２０２から取得すると、制御部２０１は、ｎ番目（ｎの初期値は１）の部品形名について、部品のラベル読み取りをユーザに行わせる表示を表示部１０３に表示させる表示指示を、通信部２０３を介して携帯端末１００に送信する（ステップＳ１０３）。

　表示指示を送信すると、制御部２０１は、通信部２０３を介して携帯端末１００から部品製造ロットを示すデータとラベル部品形名を示すデータとを取得する（ステップＳ１０４）。

　部品製造ロットを示すデータとラベル部品形名を示すデータとを取得すると、制御部２０１は、携帯端末１００から取得したラベル部品形名と記憶部２０２から取得した部品形名とを照合し、合致するかどうか判断する（ステップＳ１０５）。合致しないと判断した場合（ステップＳ１０５：ＮＯ）、ステップＳ１０３に戻る。

　合致すると判断した場合（ステップＳ１０５：ＹＥＳ）、制御部２０１は、携帯端末１００から取得した基板製造オーダーと部品製造ロットとを紐付け（ステップＳ１０６）、トレーサビリティデータ２として記憶部２０２に記録させる。

　トレーサビリティデータ２を記憶部２０２に記録させると、制御部２０１は、全ての部品形名について携帯端末１００から取得した基板製造オーダーと部品製造ロットとを紐付けたかどうか、即ちｎ＝ｐかどうか判断する（ステップＳ１０７）。全ての部品形名について紐付けたと判断した場合（ステップＳ１０７：ＹＥＳ）、トレーサビリティデータ生成処理を終了する。

　全ての部品形名について紐付けていないと判断した場合（ステップＳ１０７：ＮＯ）、ｎをインクリメントし（ステップＳ１０８）、ステップＳ１０３に戻る。

　トレーサビリティ管理システム１が生成するトレーサビリティデータ２について説明する。図４は、トレーサビリティ管理システム１が生成するトレーサビリティデータ２の構成を示す図である。図４に示すように、トレーサビリティ管理システム１が生成するトレーサビリティデータ２は、基板製造オーダー情報と、マスタデータから取得したｐ種類の部品形名にそれぞれ対応するｐ個の部品製造ロットと、を含む。

　以上の構成を備え、トレーサビリティデータ生成処理を実行することで、実施の形態１に係るトレーサビリティ管理システム１は、部品からデータを取得することで、基板の印字スペースを必要とすることなくトレーサビリティデータを生成し、生産を管理することが可能となる。

　基板に印字スペースを設ける場合、基板の設計を変更するコストが必要となってしまう。また、基盤に印字するための捺印器の導入コスト、ラインレイアウト変更コスト及び作業工数が必要となってしまう。実施の形態１に係るトレーサビリティ管理システム１は、基板に印字を行うことなくリール部品からデータを取得することで、設備に係るコストを削減することができる。

　リール部品に記載されるラベルは、Ｃ３ラベルを含む既に流通しているラベルを利用することができる。実施の形態１に係るトレーサビリティ管理システムは、既知のラベルを利用することで、特別に製造された部品を必要とせずにトレーサビリティデータを生成し、生産を管理することができる。

（実施の形態２）
　本開示の実施の形態２に係るトレーサビリティ管理システム１について、図５、図６を参照して説明する。実施の形態２に係るトレーサビリティ管理システム１は、ユーザがリール部品を補充する際に、トレーサビリティデータ２を生成して記憶する。

　携帯端末１００の入力部１０１は、ユーザがリール部品を「架替」と「スプライシング」とのどちらの方法によって補充するかを選択する入力を受け付ける。架替は、実装機にセットされているリール部品が部品切れしてから新しいリール部品に交換することで部品を補充する方法である。スプライシングは、実装機にセットされているリールが部品切れになる前に新しいリール部品のテープに接続することで部品を補充する方法である。

　端末制御部１０４は、入力部１０１が受け付けた架替又はスプライシングを示す入力に応じ架替又はスプライシングを示すデータを、補充情報として端末通信部１０５を介して情報処理装置２００に送信する。

　ユーザがリール部品を架替で補充する場合について説明する。制御部２０１は、架替を示すデータを含む補充情報を取得すると、通信部２０３を介して携帯端末１００から基板製造オーダーと機種名を取得する。

　制御部２０１は、通信部２０３を介して携帯端末１００から基板製造オーダーと機種名とを取得すると、記憶部２０２に記憶されたマスタデータを参照し、取得した機種名に対応する複数の部品形名を取得する。

　制御部２０１は、複数の部品形名を記憶部２０２から取得すると、補充する部品のラベル読み取りをユーザに行わせる表示を表示部１０３に表示させる指示を、通信部２０３を介して携帯端末１００に送信する。

　携帯端末１００の端末制御部１０４は、補充する部品のラベル読み取りをユーザに行わせる表示を表示部１０３に表示させる指示を、端末通信部１０５を介して受信すると、補充する部品のラベル読み取りをユーザに行わせる表示を表示部１０３を制御して表示させる。

　補充する部品のラベル読み取りをユーザに行わせる表示を受けて、ユーザが読取部１０２で補充する部品に記載されたラベルを読み取ると、端末制御部１０４は、読取部１０２が読み取った部品製造ロットを示すデータと部品形名を示すデータとを、端末通信部１０５を介して情報処理装置２００に送信する。補充する部品のラベルから読み取られた部品製造ロット及び部品形名を、それぞれ補充部品製造ロット番号及び補充ラベル部品形名とも言う。

　制御部２０１は、通信部２０３を介して携帯端末１００から部品製造ロットを示すデータと部品形名を示すデータとを取得すると、携帯端末１００から取得した部品形名と記憶部２０２から取得した部品形名とを照合する。二つの部品形名が合致した場合、携帯端末１００から取得した基板製造オーダーと部品製造ロットとを紐付け、トレーサビリティデータ２として記憶部２０２に記録させる。合致しなかった場合、補充する部品のラベル読み取りをユーザに再度行わせる表示を表示部１０３に表示させる指示を、通信部２０３を介して携帯端末１００に送信する。

　ユーザがリール部品をスプライシングで補充する場合について説明する。制御部２０１は、スプライシングを示すデータを含む補充情報を取得すると、通信部２０３を介して携帯端末１００から基板製造オーダーと機種名とを取得する。

　制御部２０１は、複数の部品形名を記憶部２０２から取得すると、実装機に投入されている部品のラベルと補充する部品のラベルとの読み取りをユーザに行わせる表示を表示部１０３に表示させる指示を、通信部２０３を介して携帯端末１００に送信する。

　携帯端末１００の端末制御部１０４は、実装機に投入されている部品と補充する部品とのラベル読み取りをユーザに行わせる表示を表示部１０３に表示させる指示を、端末通信部１０５を介して受信すると、部品のラベル読み取りをユーザに行わせる表示を表示部１０３を制御して表示させる。

　部品のラベル読み取りをユーザに行わせる表示を受けて、ユーザが読取部１０２で実装機に投入されている部品のラベルと補充する部品のラベルとを読み取ると、端末制御部１０４は、読取部１０２が読み取った実装機に投入されている部品と補充する部品とのそれぞれの部品製造ロットを示すデータと部品形名を示すデータとを、端末通信部１０５を介して情報処理装置２００に送信する。

　制御部２０１は、通信部２０３を介して携帯端末１００から部品製造ロットを示すデータと部品形名を示すデータとを取得すると、携帯端末１００から取得した実装機に投入されている部品の部品形名と補充する部品の部品形名と記憶部２０２から取得した部品形名とを照合する。三つの部品形名が合致した場合、携帯端末１００から取得した基板製造オーダーと実装機に投入されている部品の部品製造ロットと補充する部品の部品製造ロットとを紐付け、トレーサビリティデータ２として記憶部２０２に記録させる。合致しなかった場合、部品のラベル読み取りをユーザに再度行わせる表示を表示部１０３に表示させる指示を、通信部２０３を介して携帯端末１００に送信する。

　スプライシングの場合、一つの部品形名について二つの部品製造ロットが存在することから、実装機に投入されている部品及び補充する部品の部品製造ロットがトレーサビリティデータ２に含まれる。

　図５は、架替において情報処理装置２００の制御部２０１が実行するトレーサビリティデータ生成処理を示すフローチャートである。トレーサビリティデータ生成処理について、図５のフローチャートを参照して説明する。

　トレーサビリティデータ生成処理が開始されると、情報処理装置２００の制御部２０１は、通信部２０３を介して携帯端末１００から基板製造オーダーと機種名とを取得する（ステップＳ２０１）。

　基板製造オーダーと機種名とを取得すると、制御部２０１は、取得した機種名に対応する複数の部品形名を記憶部２０２のマスタデータから取得する（ステップＳ２０２）。

　基板製造オーダーに含まれる複数の部品形名を記憶部２０２から取得すると、制御部２０１は、補充する部品の部品形名についてラベル読み取りをユーザに行わせる表示を表示部１０３に表示させる表示指示を、通信部２０３を介して携帯端末１００に送信する（ステップＳ２０３）。

　表示指示を送信すると、制御部２０１は、通信部２０３を介して携帯端末１００から補充部品製造ロットを示すデータと補充ラベル部品形名を示すデータとを取得する（ステップＳ２０４）。

　補充部品製造ロットを示すデータと補充ラベル部品形名を示すデータとを取得すると、制御部２０１は、携帯端末１００から取得した補充ラベル部品形名と記憶部２０２から取得した部品形名とを照合し、合致するかどうか判断する（ステップＳ２０５）。合致しないと判断した場合（ステップＳ２０５：ＮＯ）、ステップＳ２０３に戻る。

　合致すると判断した場合（ステップＳ２０５：ＹＥＳ）、制御部２０１は、携帯端末１００から取得した基板製造オーダーと補充部品製造ロットとを紐付け（ステップＳ２０６）、トレーサビリティデータ２として記憶部２０２に記録させてトレーサビリティデータ生成処理を終了する。

　図６は、スプライシングにおいて情報処理装置２００の制御部２０１が実行するトレーサビリティデータ生成処理を示すフローチャートである。トレーサビリティデータ生成処理について、図６のフローチャートを参照して説明する。

　トレーサビリティデータ生成処理が開始されると、情報処理装置２００の制御部２０１は、通信部２０３を介して携帯端末１００から基板製造オーダーと機種名とを取得する（ステップＳ２５１）。

　基板製造オーダーと機種名とを取得すると、制御部２０１は、取得した機種名に対応する複数の部品形名を記憶部２０２のマスタデータから取得する（ステップＳ２５２）。

　基板製造オーダーに含まれる複数の部品形名を記憶部２０２から取得すると、制御部２０１は、実装機に投入されている部品の部品形名と補充する部品の部品形名とについてラベルの読み取りをユーザに行わせる表示を表示部１０３に表示させる表示指示を、通信部２０３を介して携帯端末１００に送信する（ステップＳ２５３）。

　表示指示を送信すると、制御部２０１は、通信部２０３を介して携帯端末１００から実装機に投入されている部品と補充する部品とのそれぞれの部品製造ロットを示すデータとラベル部品形名を示すデータとを取得する（ステップＳ２５４）。

　部品製造ロットを示すデータと部品形名を示すデータとを取得すると、制御部２０１は、携帯端末１００から取得した実装機に投入されている部品のラベル部品形名と補充する部品のラベル部品形名と記憶部２０２から取得した部品形名とを照合し、合致するかどうか判断する（ステップＳ２５５）。合致しないと判断した場合（ステップＳ２５５：ＮＯ）、ステップＳ２５３に戻る。

　合致すると判断した場合（ステップＳ２５５：ＹＥＳ）、制御部２０１は、携帯端末１００から取得した基板製造オーダーと実装機に投入されている部品の部品製造ロットと補充する部品の部品製造ロットとを紐付け（ステップＳ２５６）、トレーサビリティデータ２として記憶部２０２に記録させてトレーサビリティデータ生成処理を終了する。

　以上の構成を備え、トレーサビリティデータ生成処理を実行することで、実施の形態２に係るトレーサビリティ管理システム１は、実施の形態１に係るトレーサビリティ管理システム１と同様の効果を奏する。

　実施の形態２に係るトレーサビリティ管理システム１は、部品の補充時に架替とスプライシングとを選択可能とし、選択した補充方法に応じたトレーサビリティデータを生成することで、ユーザがどちらの補充方法を選択しても、部品の製造ロット番号を追跡することを可能とする。

（実施の形態３）
　本開示の実施の形態３に係るトレーサビリティ管理システム１について、図７を参照して説明する。実施の形態３に係るトレーサビリティ管理システム１は、実施の形態１又は２と同様にトレーサビリティデータ２を生成した後、製品のシリアル番号をトレーサビリティデータ２に付与して記憶する。

　携帯端末１００の入力部１０１は、ユーザによって操作されることで製品のシリアル番号を示す入力を受け付ける。製品のシリアル番号はｓ個である。

　端末制御部１０４は、入力部１０１が受け付けたシリアル番号を示すデータを、シリアル番号情報として端末通信部１０５を介して情報処理装置２００に送信する。

　制御部２０１は、シリアル番号情報を取得すると、シリアル番号情報に含まれるシリアル番号と基板製造オーダーとを紐付け、トレーサビリティデータ２として記憶部２０２に記録させる。

　トレーサビリティ管理システム１が生成するトレーサビリティデータ２について説明する。図７は、トレーサビリティ管理システム１が生成するトレーサビリティデータ２の構成を示す図である。図７に示すように、トレーサビリティ管理システム１が生成するトレーサビリティデータ２は、ｓ個の製品のシリアル番号と、基板製造オーダー情報と、基板製造オーダー情報に含まれるｐ種類の部品形名にそれぞれ対応するｐ個の部品製造ロットと、を含む。

　以上の構成を備えることで、実施の形態３に係るトレーサビリティ管理システム１は、実施の形態１に係るトレーサビリティ管理システム１と同様の効果を奏する。

　完成した製品についてシリアル番号を含んだトレーサビリティデータを生成することで、実施の形態３に係るトレーサビリティ管理システムは、製品のシリアル番号から部品の製造ロットを調査すること、及び部品の製造ロット番号から部品が使われた製品を調査することを可能とする。

　（変形例）
　実施の形態１及び２において、トレーサビリティ管理システム１は、リール部品のラベルを読み取ってトレーサビリティデータ２を生成するものとして説明したが、これに限られるものではない。リール部品に変えてトレイ部品を対象とするものであっても良い。

　リール部品に変えてトレイ部品を対象とする場合は、複数の部品製造ロットを取得するため、携帯端末１００によるラベルの読み取りを複数回行う。携帯端末１００によるラベルの読み取りのキャンセルが入力部１０１を介して指示された場合は、全ての部品形名についてトレーサビリティデータ２を生成したかどうかの判断、即ち実施の形態１又は２におけるフローチャートのステップＳ１０７、ステップＳ２０７又はステップＳ２５７に移行する。

　トレイ部品を対象とした場合において、トレーサビリティ管理システム１が生成するトレーサビリティデータ２について説明する。図８は、トレーサビリティ管理システム１が生成するトレーサビリティデータ２の構成を示す図である。図８に示すように、トレーサビリティ管理システム１が生成するトレーサビリティデータ２は、基板製造オーダー情報と、マスタデータから取得したｑ種類の部品形名にそれぞれ対応するｑ個のトレイ部品製造ロットと、を含む。

　トレーサビリティ管理システム１は、リール部品又はトレイ部品に変えて、電子部品が実装されていない基板、即ち生基板を対象としても良い。

　基板を対象とした場合において、トレーサビリティ管理システム１が生成するトレーサビリティデータ２について説明する。図９は、トレーサビリティ管理システム１が生成するトレーサビリティデータ２の構成の別の例を示す図である。図９に示すように、トレーサビリティ管理システム１が生成するトレーサビリティデータ２は、基板製造オーダー情報と、マスタデータから取得したｒ種類の部品形名にそれぞれ対応するｒ個の基板部品製造ロットと、を含む。

　トレーサビリティ管理システム１は、リール部品、トレイ部品、基板及び製品のうち複数を対象としても良い。リール部品、トレイ部品及び基板を対象とした場合において、トレーサビリティ管理システム１が生成するトレーサビリティデータ２について説明する。図１０は、トレーサビリティ管理システム１が生成するトレーサビリティデータ２の構成のさらに別の例を示す図である。図１０に示すように、トレーサビリティ管理システム１が生成するトレーサビリティデータ２は、基板製造オーダー情報と、マスタデータから取得したｐ種類のリール部品の部品形名にそれぞれ対応するｐ個のリール部品製造ロットと、ｑ種類のトレイ部品の部品形名にそれぞれ対応するｑ個のトレイ部品製造ロットと、マスタデータから取得したｒ種類の基板の部品形名にそれぞれ対応するｒ個の基板部品製造ロットと、を含む。

　端末制御部１０４は、部品のラベル読み取りをユーザに行わせる表示を表示部１０３を制御して表示させるとしたが、これに限られるものではない。携帯端末１００が、ユーザに対し音声情報を発するスピーカを備え、端末制御部１０４は、部品のラベル読み取りをユーザに行わせる音声をスピーカを制御して発音させても良い。

　入力部１０１は、ユーザによって操作されることで基板製造オーダー情報及び製品の機種名を受け付けるとしたが、これに限られるものではない。基板製造オーダー情報及び製品の機種名が読取部１０２によって読み取り可能な形式のラベルで記載され、読取部１０２がラベルを読み取ることで基板製造オーダー情報及び製品の機種名を取得しても良い。

　トレーサビリティデータ２は、製品シリアルと、製造オーダーと、部品製造ロットと、を含むものとして説明したが、これに限られるものではない。トレーサビリティデータ２を生成した日時即ち生成日時、部品形名を含む情報をさらに含んでも良い。

　記憶部２０２は、製品の製造に必要な部品形名を含む情報と製品の機種名とを紐付けたマスタデータを記憶するとしたが、これに限られるものではない。製品の製造に必要な部品に代わる代替部品と製品の機種名とを紐付けた代替部品マスタデータを記憶しても良い。この場合、トレーサビリティデータ２は部品が正規部品か代替部品かを示す情報をさらに含んでも良い。代替部品マスタデータを用いることで、代替部品が使われたかどうかの照合にトレーサビリティデータ２を用いることができる。

　情報処理装置２００の記憶部２０２がマスタデータを記憶し、制御部２０１がトレーサビリティデータ生成処理を実行するものとして説明したが、これに限られるものではない。携帯端末１００が備える端末記憶部がマスタデータを記憶し、端末制御部１０４がトレーサビリティデータ生成処理を実行しても良い。この場合、端末通信部１０５はデータを情報処理装置２００に送信する必要はなく、全ての処理を携帯端末１００で行うことができる。

　実施の形態に係るトレーサビリティ管理システムにおける各種処理を行う手段及び方法は、専用のハードウェア回路、又はプログラムされたコンピュータのいずれかによっても実現することが可能である。上記プログラムは、フレキシブルディスク又はＣＤ－ＲＯＭを含むコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されても良いし、インターネットを含むネットワークを介してオンラインで提供されても良い。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスクを含む記憶部２０２に伝送されて記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されても良いし、装置の一機能としてその装置のソフトウェアに組み込まれても良い。

　本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。

　本出願は、２０２１年１０月５日に出願された日本国特許出願２０２１－１６３９３７号に基づく。本明細書中に日本国特許出願２０２１－１６３９３７号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。

　本発明は、トレーサビリティ管理システム、トレーサビリティ管理方法及びプログラムとして好適に利用することができる。

　１　トレーサビリティ管理システム、２　トレーサビリティデータ、１００　携帯端末、１０１　入力部、１０２　読取部、１０３　表示部、１０４　端末制御部、１０５　端末通信部、２００　情報処理装置、２０１　制御部、２０２　記憶部、２０３　通信部

Claims

　製品の製造を指示する情報である製造オーダーと、前記製品の機種名と、を取得し、
　前記機種名に基づいて、前記製品の製造に用いられる部品形名を取得し、
　部品に記載されたラベル部品形名と、前記部品に記載された部品製造ロット番号と、を取得し、
　前記部品形名と前記ラベル部品形名とを比較し、前記部品形名と前記ラベル部品形名とが合致していた場合に、前記製造オーダーと前記部品製造ロット番号とを紐付ける制御部を備える、
　トレーサビリティ管理システム。
　前記制御部は、
　補充する部品に記載された補充ラベル部品形名と、前記補充する部品に記載された補充部品製造ロット番号と、を取得し、
　前記部品形名と前記ラベル部品形名と前記補充ラベル部品形名とを比較し、前記部品形名と前記ラベル部品形名と前記補充ラベル部品形名とが合致していた場合に、前記製造オーダーと前記部品製造ロット番号と前記補充部品製造ロット番号とを紐付けてトレーサビリティデータを生成する、
　請求項１に記載のトレーサビリティ管理システム。
　前記部品に記載された前記部品製造ロット番号と、前記部品に記載された前記ラベル部品形名と、を読み取る読取部を備え、
　前記制御部は、前記読取部から前記部品製造ロット番号と前記ラベル部品形名とを取得する、
　請求項２に記載のトレーサビリティ管理システム。
　前記読取部は、前記部品にバーコードとして記載された前記部品製造ロット番号と前記ラベル部品形名とを読み取る、
　請求項３に記載のトレーサビリティ管理システム。
　前記製品の製造に用いられる前記部品形名と前記製品の前記機種名とを紐付けたマスタデータを記憶する記憶部を備え、
　前記制御部は、前記マスタデータに含まれる前記機種名に紐付けられた前記部品形名を取得する、
　請求項１から４のいずれか１項に記載のトレーサビリティ管理システム。
　前記制御部は、前記製品に付与されるシリアル番号を取得し、前記製造オーダーと前記シリアル番号とを紐付ける、
　請求項１から５のいずれか１項に記載のトレーサビリティ管理システム。
　部品に記載されたラベル部品形名と前記部品に記載された部品製造ロット番号とを読み取る読取部と、前記ラベル部品形名と前記部品製造ロット番号とを送信する端末通信部と、を含む携帯端末と、
　前記ラベル部品形名と前記部品製造ロット番号とを受信する通信部と、製品の製造を指示する情報である製造オーダーと前記製品の機種名とを取得し、前記機種名に基づいて前記製品の製造に用いられる部品形名を取得し、前記通信部から前記ラベル部品形名と前記部品製造ロット番号とを取得し、前記部品形名と前記ラベル部品形名とを比較し、前記部品形名と前記ラベル部品形名とが合致していた場合に、前記製造オーダーと前記部品製造ロット番号とを紐付けてトレーサビリティデータを生成する制御部と、を含む情報処理装置と、を備える、
　トレーサビリティ管理システム。
　製品の製造を指示する情報である製造オーダーと、前記製品の機種名と、を取得し、
　前記機種名に基づいて、前記製品の製造に用いられる部品形名を取得し、
　部品に記載されたラベル部品形名と、前記部品に記載された部品製造ロット番号と、を取得し、
　前記部品形名と前記ラベル部品形名とを比較し、前記部品形名と前記ラベル部品形名とが合致していた場合に、前記製造オーダーと前記部品製造ロット番号とを紐付けてトレーサビリティデータを生成する、
　トレーサビリティ管理方法。
　コンピュータに、
　製品の製造を指示する情報である製造オーダーと、前記製品の機種名と、を取得させ、
　前記機種名に基づいて、前記製品の製造に用いられる部品形名を取得させ、
　部品に記載されたラベル部品形名と、前記部品に記載された部品製造ロット番号と、を取得させ、
　前記部品形名と前記ラベル部品形名とを比較し、前記部品形名と前記ラベル部品形名とが合致していた場合に、前記製造オーダーと前記部品製造ロット番号とを紐付けてトレーサビリティデータを生成させる、
　プログラム。