JP5970948B2 - 生産管理システム及び生産管理方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されている技術では、以前の処理工程で製造された製造物を構成する部材、及び部材同士の関係を示す製造物構成情報と、部材に取り付けられたタグナンバー及び品番と、部材の製造番号と、を対応付けた工程間連携情報を生成する。そして、予め記憶した前工程の工程間連携情報に基づき、製造物構成情報が含むタグナンバーを、部材の品番と製造番号に置き換えて製造物構成情報を生成し、この生成した製造物構成情報を、製品別構成部材製造情報としてデータベースに保存する。これにより、特許文献1に記載されている技術では、製造時において、品番や製造番号(ロット番号)を示すバーコード等を部材に貼付ける必要が無くなる。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載されている技術では、個別識別IDを管理するために、一つの処理工程において同一のロット番号を有するグループ(同一ロットグループ)の処理が終了してから、次工程の運転を開始する必要があり、作業効率及び製造効率が低下するという問題が発生するおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、作業効率及び製造効率の低下を抑制することが可能な、生産管理システム及び生産管理方法を提供することを目的とする。
前記第一部材は、当該第一部材に固有の識別情報である個別識別IDを記憶した個別識別ID記憶部を有し、
前記複数の処理工程において、前記第一部材から前記個別識別IDを読み取る個別識別ID読取部と、
前記複数の処理工程のうち最初の処理工程と最終の処理工程とを除く予め設定した処理工程において、前記第一部材に対する前記付加部材の組み合わせ状態を第一部材に対して個別に検出する部材状態検出部と、
前記同一ロットグループに所属する全ての前記第一部材に対し、前記個別識別IDと前記予め設定した処理工程における前記組み合わせ状態とを関連付けたデータテーブルを生成する選別用データテーブル生成部と、
前記選別用データテーブル生成部が生成したデータテーブルと前記個別識別ID読取部が前記最終の処理工程で読み取った前記個別識別IDとに基づき、前記同一ロットグループに所属する全ての前記第一部材から、前記組み合わせ状態が不良であると関連付けた前記個別識別IDを記憶した個別識別ID記憶部を有する第一部材を選別対象の第一部材として抽出する選別対象抽出部と、を備えることを特徴とする。
このため、同一ロットグループに所属する全ての第一部材に対し、上流側処理工程における組み合わせ状態を、個別識別IDを用いて管理することが可能となる。また、組み合わせ状態に不良が発生した第一部材を、最終の処理工程まで移行させた状態で、選別対象の第一部材として抽出することが可能となる。
前記第一部材は、当該第一部材に固有の識別情報である個別識別IDを記憶した個別識別ID記憶部を有し、
前記複数の処理工程において、前記第一部材から前記個別識別IDを読み取り、
前記複数の処理工程のうち最初の処理工程と最終の処理工程とを除く予め設定した処理工程において、前記第一部材に対する前記付加部材の組み合わせ状態を第一部材に対して個別に検出し、
前記同一ロットグループに所属する全ての前記第一部材に対し、前記個別識別IDと前記予め設定した処理工程における前記組み合わせ状態とを関連付けたデータテーブルを生成し、
前記生成したデータテーブルと前記最終の処理工程で読み取った前記個別識別IDとに基づき、前記同一ロットグループに所属する全ての前記第一部材から、前記組み合わせ状態が不良であると関連付けた前記個別識別IDを記憶した個別識別ID記憶部を有する第一部材を選別対象の第一部材として抽出することを特徴とする。
このため、同一ロットグループに所属する全ての第一部材に対し、上流側処理工程における組み合わせ状態を、個別識別IDを用いて管理することが可能となる。また、組み合わせ状態に不良が発生した第一部材を、最終の処理工程まで移行させた状態で、選別対象の第一部材として抽出することが可能となる。
これにより、複数の同一ロットグループを連続して処理することが可能となるとともに、組み合わせ状態に不良が発生した第一部材を最終の処理工程で抽出して除去することが可能となり、作業効率及び製造効率の低下を抑制することが可能となる。
さらに、本発明によれば、連続生産型設備の構築が可能となることで、設備の小型化や人員の削減も可能となる。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態(以下、本実施形態と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1は、本実施形態の生産管理システム1の概略構成を示す図である。
図1中に示すように、本実施形態の生産管理システム1は、予め設定した同一ロットグループに所属する複数の第一部材に対し、複数の処理工程で付加部材を組み合わせて、製造する製品の品質を管理するシステムである。ここで、同一ロットグループとは、同一のロット番号(後述)を付与したグループである。
本実施形態では、一例として、第一部材を、IC(Integrated Circuit)チップとした場合について説明する。
ICチップ(第一部材)は、第一部材に固有の識別情報である個別識別IDを記憶した個別識別ID記憶部を有している。
情報系システム2は、管理サーバ6と、データベースサーバ8と、トレーサビリティーデータベース10と、クライアントコンピュータ12を備える。
管理サーバ6は、情報系システム2全体を統括するサーバであり、情報ネットワークを介して、データベースサーバ8、クライアントコンピュータ12、製造系システム4と接続している。
データベースサーバ8は、部材のトレーサビリティデータを管理するサーバであり、情報ネットワークを介して、管理サーバ6、クライアントコンピュータ12、製造系システム4と接続している。
トレーサビリティーデータベース10は、データベースサーバ8に接続されており、要求に応じて、個別識別IDデータと、各種生産管理データの蓄積を行なう。
クライアントコンピュータ12は、データベースサーバ8の管理及びメンテナンスを行なうコンピュータであり、情報ネットワークを介して、管理サーバ6、データベースサーバ8、製造系システム4と接続している。
製造系システム4は、生産設備制御コンピュータ14と、製造設備16を備える。
生産設備制御コンピュータ14は、製造設備16に付属している制御コンピュータであり、情報ネットワークを介して、情報系システム2(管理サーバ6、データベースサーバ8、クライアントコンピュータ12)と接続している。
製造設備16は、ICチップを備えて構成される製品を製造する設備であり、生産設備制御コンピュータ14により、例えば、製品の製造期間及び製造数(個数)の要求に応じて、運転(操業)状態を制御されている。
IC付冊子は、第一部材であるICチップに、複数の付加部材を組み合わせて形成されている。具体的には、第一部材に固有の識別情報である個別識別IDを記憶したICチップを有するアンテナ(RFIDアンテナ)に対し、複数の処理工程で付加部材を組み合わせて製造する。
ここで、六工程の処理工程は、以下に示す工程A〜Fであり、工程A、工程B、工程C、工程D、工程E、工程Fの順番で行う。
・工程A
工程Aでは、アンテナ素子にICチップを取り付けて、RFID(Radio Frequency IDentification)アンテナを形成する。
・工程B
工程Bでは、工程Aで形成したRFIDアンテナを、冊子のうち、予め設定した部分に取り付ける。ここで、冊子には、予め規定したバーコードを付与している。なお、冊子には、バーコード以外に、例えば、QR(Quick Response)コード等の二次元コードを付与してもよい。これは、工程Cから工程Eについても同様である。
工程Cでは、工程Bで冊子に取り付けたRFIDアンテナ及びその周辺の領域に、シート等の薄膜状部材を取り付けて、RFIDアンテナを薄膜状部材により覆う。ここで、薄膜状部材には、予め規定したバーコードを付与している。
・工程D
工程Dでは、工程CでRFIDアンテナを薄膜状部材により覆った冊子に、外装材を貼り付ける。ここで、外装材には、予め規定したバーコードを付与している。
工程Eでは、工程Dで外装材を貼り付けた冊子に、カバー部材を取り付ける。ここで、カバー部材には、予め規定したバーコードを付与している。
・工程F
工程Fでは、工程Eでカバーを取り付けた冊子のうち、不具合が発生していると判定された冊子を取り除き、残った冊子を梱包する。
また、上述したように、本実施形態では、六工程の処理工程を、加工・組立・検査を行う工程である工程Aから工程Eと、梱包を行う工程である工程Fに二分した場合について説明する。すなわち、本実施形態では、六工程の処理工程を、各処理工程のうち最終の処理工程である工程Fと、最終の処理工程よりも上流側の工程であり、且つ予め設定した上流側処理工程である工程Aから工程Eに二分する。
以下、図1を参照しつつ、図2を用いて、本実施形態の生産管理システム1のうち、製造系システム4に配置されている構成を説明する。
図2は、本実施形態の生産管理システム1のうち、製造系システム4に配置されている構成と、情報系システム2との関連を示すブロック図である。
図2中に示すように、生産管理システム1のうち、製造系システム4に配置されている構成は、事前ID検出部18と、参照用ID抽出部20と、処理工程監視部22と、選別用データテーブル生成部24と、処理状態判定部26を備える。
事前ID検出部18は、例えば、ICチップが有する個別識別ID記憶部に記憶されている個別識別IDを検出可能なセンサにより形成する。
ここで、事前ID検出部18が検出する個別識別IDは、製造計画等に基づいて設定したロット(例えば、1ロット=10個のICチップ)単位で検出し、トレーサビリティーデータベース10へ登録する。なお、同一のロットに属するICチップには、予め、同一のロット番号を、個別識別IDに紐付けて付与する。
参照用ID抽出部20は、トレーサビリティーデータベース10へ登録されている個別識別IDから、同一のロット番号を有する複数の個別識別IDを、同一ロットグループの個別識別IDとして抽出する。そして、抽出した同一ロットグループの個別識別IDを、各処理工程で参照する参照用IDとして生成する。
処理工程監視部22は、上流側処理工程、すなわち、工程A〜工程Eに、それぞれ配置されている。なお、以降の説明では、工程Aに配置されている処理工程監視部22を、「処理工程監視部22A」と記載する。また、図2中では、工程Aに配置されている処理工程監視部22を、符号「22A」を付して示す。これは、工程B〜Eに配置されている処理工程監視部22に関しても、同様とする。
すなわち、個別識別ID読取部28は、各処理工程において、ICチップ(第一部材)から、個別識別IDを読み取る。
個別識別ID読取部28Bは、工程Bにおける処理を終了し、部材状態検出部30Bが読み取ったバーコードが付与されている冊子に対して、個別識別ID記憶部に記憶されている個別識別IDとロット番号を読み取る処理を行う。そして、読み取った個別識別ID及びロット番号を組み合わせた情報に、部材状態検出部30Bが読み取ったバーコードを示す情報を紐付けて、工程Bにおける処理結果を示す情報信号(以降の説明では、「工程B処理結果信号」と記載する場合がある)を生成する。さらに、生成した工程B処理結果信号を、管理サーバ6へ出力する。
処理工程監視部22Cは、個別識別ID読取部28Cと、部材状態検出部30Cを備える。
部材状態検出部30Cは、工程Cにおける処理を終了した冊子に対し、薄膜状部材に付与したバーコードを読み取る処理を行う。
処理工程監視部22Dは、個別識別ID読取部28Dと、部材状態検出部30Dを備える。
部材状態検出部30Dは、工程Dにおける処理を終了した冊子に対し、外装材に付与したバーコードを読み取る処理を行う。
処理工程監視部22Eは、個別識別ID読取部28Eと、部材状態検出部30Eを備える。
部材状態検出部30Eは、工程Eにおける処理を終了した冊子に対し、カバー部材に付与したバーコードを読み取る処理を行う。
選別用データテーブル生成部24は、一つの個別識別IDに対応する、上流側処理工程(工程A〜工程E)における処理結果を示す情報を、トレーサビリティーデータベース10から抽出する。この処理は、同一ロットグループに所属する全ての第一部材に対して行なう。そして、例えば、以下に表1として示すように、同一ロットグループ内の個別識別ID毎に、工程Aから工程Eにおける処理結果を対応させたデータテーブルを生成する。
以上により、選別用データテーブル生成部24は、同一ロットグループに所属する全ての第一部材に対し、個別識別IDと上流側処理工程における組み合わせ状態とを関連付けたデータテーブルを生成する。
個別識別ID読取部28Fは、工程Fにおける梱包作業を実施する前の冊子、すなわち、工程Eでカバー部材を取り付けた冊子に対して、個別識別ID記憶部に記憶されている個別識別IDとロット番号を読み取る処理を行う。そして、読み取った個別識別IDとロット番号を含む情報信号を含む情報信号(以降の説明では、「最終ID信号」と記載する場合がある)を生成し、この生成した最終ID信号を、選別対象抽出部32へ出力する。
選別対象ID信号の入力を受けた管理サーバ6は、選別対象の冊子が備えるICチップの個別識別IDを、データベースサーバ8を介して、トレーサビリティーデータベース10へ蓄積する。
以下、図1及び図2を参照して、情報系システム2による、工程A〜Eの処理結果に基づいて行なう処理について説明する。
・工程Aにおける処理
管理サーバ6は、個別識別ID読取部28Aから工程A処理結果信号の入力を受けると、工程Aにおける処理結果を示す情報を、データベースサーバ8を介して、トレーサビリティーデータベース10へ蓄積する。
したがって、処理工程監視部22Aは、工程Aにおいて、アンテナ素子にICチップが取り付けられて、RFIDアンテナが形成されているか否かを判定するための情報を、情報系システム2へ出力することとなる。
工程A不良IDの検出は、例えば、事前ID検出部18が検出した同一ロットグループの個別識別IDのうち、工程A処理結果信号が含む個別識別IDに存在していない個別識別IDを、工程A不良IDとして特定することにより行う。そして、管理サーバ6は、工程A不良IDを、データベースサーバ8を介して、トレーサビリティーデータベース10へ蓄積する。
管理サーバ6は、個別識別ID読取部28Bから工程B処理結果信号の入力を受けると、工程Bにおける処理結果を示す情報を、データベースサーバ8を介して、トレーサビリティーデータベース10へ蓄積する。
ここで、個別識別ID読取部28Bが工程B処理結果信号を生成するためには、工程Aで形成したRFIDアンテナが、冊子へ正常に取り付けられている条件が必須である。すなわち、個別識別ID読取部28Bが読み取った個別識別IDとロット番号に、部材状態検出部30Bが読み取ったバーコードが紐付けられていれば、個別識別ID読取部28Bが個別識別IDとロット番号を読み取ったICチップを備えるRFIDアンテナは、冊子へ正常に取り付けられていることとなる。
したがって、処理工程監視部22Bは、工程Aで形成したRFIDアンテナが、工程Bにおいて冊子に取り付けられているか否かを判定するための情報を、情報系システム2へ出力することとなる。
そして、工程B処理結果信号が含む個別識別IDと工程A処理結果信号が含む個別識別IDが一致している場合、工程Aで形成したRFIDアンテナを工程Bへ移行させた際に、同一ロットグループのRFIDアンテナが正常に移行したと判定する。
具体的には、工程B処理結果信号が含む個別識別IDの数が、工程A処理結果信号が含む個別識別IDの数よりも多い場合、異なるロット番号のRFIDアンテナが工程Bに混在していると判定する。また、工程B処理結果信号が含む個別識別IDの数が、工程A処理結果信号が含む個別識別IDの数よりも少ない場合、少なくとも一つのRFIDアンテナが、工程Aから工程Bへ移行されていないと判定する。
工程B不良IDの検出は、工程A不良IDの検出と同様、例えば、事前ID検出部18が検出した同一ロットグループの個別識別IDのうち、工程B処理結果信号が含む個別識別IDに存在していない個別識別IDを、工程B不良IDとして特定することにより行う。そして、管理サーバ6は、工程B不良IDを、データベースサーバ8を介して、トレーサビリティーデータベース10へ蓄積する。
管理サーバ6は、個別識別ID読取部28Cから工程C処理結果信号の入力を受けると、工程Cにおける処理結果を示す情報を、データベースサーバ8を介して、トレーサビリティーデータベース10へ蓄積する。
ここで、個別識別ID読取部28Cが工程C処理結果信号を生成するためには、工程Bで冊子に取り付けたRFIDアンテナ及びその周辺の領域に、薄膜状部材が正常に取り付けられている条件が必須である。すなわち、個別識別ID読取部28Cが読み取った個別識別IDとロット番号に、部材状態検出部30Cが読み取ったバーコードが紐付けられていれば、個別識別ID読取部28Cが個別識別IDとロット番号を読み取ったICチップを備えるRFIDアンテナは、薄膜状部材により正常に覆われていることとなる。
したがって、処理工程監視部22Cは、工程Bで冊子に取り付けたRFIDアンテナが、工程Cにおいて薄膜状部材により覆われているか否かを判定するための情報を、情報系システム2へ出力することとなる。
そして、工程Bと同様の処理を行い、工程Bで形成した冊子を工程Cへ移行させた際に、同一ロットグループの冊子が正常に移行したか否かを判定する。
工程C不良IDの検出は、工程A不良IDの検出と同様、例えば、事前ID検出部18が検出した同一ロットグループの個別識別IDのうち、工程C処理結果信号が含む個別識別IDに存在していない個別識別IDを、工程C不良IDとして特定することにより行う。そして、管理サーバ6は、工程C不良IDを、データベースサーバ8を介して、トレーサビリティーデータベース10へ蓄積する。
管理サーバ6は、個別識別ID読取部28Dから工程D処理結果信号の入力を受けると、工程Dにおける処理結果を示す情報を、データベースサーバ8を介して、トレーサビリティーデータベース10へ蓄積する。
ここで、個別識別ID読取部28Dが工程D処理結果信号を生成するためには、工程Cで薄膜状部材を取り付けた冊子へ、外装材が正常に貼り付けられている条件が必須である。すなわち、個別識別ID読取部28Dが読み取った個別識別IDとロット番号に、部材状態検出部30Dが読み取ったバーコードが紐付けられていれば、個別識別ID読取部28Dが個別識別IDとロット番号を読み取ったICチップを備えるRFIDアンテナが取り付けられている冊子には、外装材が正常に貼り付けられていることとなる。
したがって、処理工程監視部22Dは、工程CでRFIDアンテナを薄膜状部材により覆った冊子に、工程Dにおいて外装材が貼り付けられているか否かを判定するための情報を、情報系システム2へ出力することとなる。
そして、工程Bと同様の処理を行い、工程Cで処理した冊子を工程Dへ移行させた際に、同一ロットグループの冊子が正常に移行したか否かを判定する。
工程D不良IDの検出は、工程A不良IDの検出と同様、例えば、事前ID検出部18が検出した同一ロットグループの個別識別IDのうち、工程D処理結果信号が含む個別識別IDに存在していない個別識別IDを、工程D不良IDとして特定することにより行う。そして、管理サーバ6は、工程D不良IDを、データベースサーバ8を介して、トレーサビリティーデータベース10へ蓄積する。
管理サーバ6は、個別識別ID読取部28Eから工程E処理結果信号の入力を受けると、工程Eにおける処理結果を示す情報を、データベースサーバ8を介して、トレーサビリティーデータベース10へ蓄積する。
ここで、個別識別ID読取部28Eが、工程E処理結果信号を生成するためには、工程Dで外装材を貼り付けた冊子へ、カバー部材が正常に貼り付けられている条件が必須である。すなわち、個別識別ID読取部28Eが読み取った個別識別IDとロット番号に、部材状態検出部30Eが読み取ったバーコードが紐付けられていれば、個別識別ID読取部28Eが個別識別IDとロット番号を読み取ったICチップを備えるRFIDアンテナが取り付けられている冊子には、カバー部材が正常に貼り付けられていることとなる。
したがって、処理工程監視部22Eは、工程Dで外装材を貼り付けた冊子に、工程Eにおいてカバー部材を取り付けられているか否かを判定するための情報を、情報系システム2へ出力することとなる。
そして、工程Bと同様の処理を行い、工程Dで処理した冊子を工程Eへ移行させた際に、同一ロットグループの冊子が正常に移行したか否かを判定する。
工程E不良IDの検出は、工程A不良IDの検出と同様、例えば、事前ID検出部18が検出した同一ロットグループの個別識別IDのうち、工程E処理結果信号が含む個別識別IDに存在していない個別識別IDを、工程E不良IDとして特定することにより行う。そして、管理サーバ6は、工程E不良IDを、データベースサーバ8を介して、トレーサビリティーデータベース10へ蓄積する。
・工程Aから工程Eを通じて行う処理
以上説明したように、本実施形態では、工程Aから工程Eにおいて、個別識別IDの数が常に同一である状態を前提として処理を行なう。
次に、図1及び図2を参照して、本実施形態の生産管理システム1で行なう動作の一例を説明する。
IC付冊子を製造する際には、まず、工程Aを開始する前に、トレーサビリティーデータベース10へ、個別識別IDデータと各種生産管理データを蓄積する。
次に、事前ID検出部18により、ICチップが有する個別識別ID記憶部に記憶されている個別識別IDを検出し、この検出した個別識別IDを含む情報信号を、情報系システム2へ出力し、トレーサビリティーデータベース10へ登録する。
工程Aでは、同一ロットグループの個別識別IDを有するICチップをアンテナ素子に取り付けて、RFIDアンテナを形成する。このとき、個別識別ID読取部28Aにより生成した工程A処理結果信号を、管理サーバ6へ出力する。
工程A処理結果信号の入力を受けた管理サーバ6は、工程Aにおける処理結果を示す情報をトレーサビリティーデータベース10へ蓄積する。これに加え、工程Aにおける同一ロットの処理が終了したか否かを判定する。
工程Bでは、バーコードを付与した冊子に、工程Aで形成したRFIDアンテナを取り付ける。このとき、個別識別ID読取部28Bにより生成した工程B処理結果信号を、管理サーバ6へ出力する。
工程B処理結果信号の入力を受けた管理サーバ6は、工程Bにおける処理結果を示す情報をトレーサビリティーデータベース10へ蓄積する。これに加え、工程Bにおける同一ロットの処理が終了したか否かを判定する。さらに、工程B処理結果信号が含む個別識別IDと工程A処理結果信号が含む個別識別IDとを照合して、同一ロットグループのRFIDアンテナが、工程Aから工程Bへ正常に移行したか否かを判定する。
なお、本実施形態では、一例として、工程A不良IDを検出した個別識別に対しても、工程B不良IDを検出する処理を行う場合を説明する。この処理は、工程C以降においても同様に行う。
工程C処理結果信号の入力を受けた管理サーバ6は、工程Cにおける処理結果を示す情報をトレーサビリティーデータベース10へ蓄積する。これに加え、工程Cにおける同一ロットの処理が終了したか否かを判定する。さらに、工程C処理結果信号が含む個別識別IDと工程B処理結果信号が含む個別識別IDとを照合して、同一ロットグループのRFIDアンテナを取り付けた冊子が、工程Bから工程Cへ正常に移行したか否かを判定する。
工程Dでは、工程CでRFIDアンテナを薄膜状部材により覆った冊子に、バーコードを付与した外装材を貼り付ける。このとき、個別識別ID読取部28Dにより生成した工程D処理結果信号を、管理サーバ6へ出力する。
工程Eでは、工程Dで外装材を貼り付けた冊子に、バーコードを付与したカバー部材を取り付ける。このとき、個別識別ID読取部28Eにより生成した工程E処理結果信号を、管理サーバ6へ出力する。
工程Aから工程Eまでの処理を終了した後、工程Eで処理した部材(冊子、カバー部材)を工程Fへ移行する。そして、工程Fにおける処理(不具合が発生している冊子の除去、不具合が発生していない冊子の梱包)を開始する前に、選別用データテーブル生成部24が上述したデータテーブルを作成し、データテーブル信号を、処理状態判定部26へ出力する。
これに加え、工程Fにおける処理を開始する前には、選別対象抽出部32が、同一ロットグループの冊子から選別対象の冊子を抽出し、選別対象ID信号を管理サーバ6へ出力する。選別対象ID信号の入力を受けた管理サーバ6は、選別対象の冊子が備えるICチップの個別識別IDを、データベースサーバ8を介して、トレーサビリティーデータベース10へ蓄積する。
ここで、工程Fで作業を行なうオペレーターは、工程Fにおける処理を開始する前に、表示部に表示された、選別対象の冊子を示す情報を視認する。そして、視認した情報に基づき、工程Eから工程Fへ移行した同一ロットグループの冊子から選別対象の冊子を除去し、残りの冊子を梱包する。これにより、製造設備16におけるIC付冊子の製造を終了する。
このため、上流側処理工程において、処理不良が発生している部材を除去する構成(機構、設備)を設置する必要、または、オペレーターによる除去作業を行なう必要が無く、装置構成及び製造方法を簡略化することが可能となる。
このため、ICチップへのデータ書き込み等を必要とせずに、全工程において、個別識別IDのトラッキング(追跡)情報を取得することが可能となる。
なお、上述したように、本実施形態の生産管理システム1の動作で実施する生産管理方法は、予め設定した同一ロットグループに所属する複数のICチップ(第一部材)に対し、複数の処理工程で付加部材を組み合わせて、複数個の製品を製造する生産管理方法である。
本実施形態では、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)選別用データテーブル生成部24が、同一ロットグループに所属する全てのICチップに対してデータテーブルを生成し、選別対象抽出部32が、同一ロットグループに所属する全てのICチップから、選別対象のICチップを抽出する。
このため、同一ロットグループに所属する全てのICチップに対し、上流側処理工程における組み合わせ状態を、個別識別IDを用いて管理することが可能となる。また、組み合わせ状態に不良が発生したICチップを、工程Fまで移行させた状態で、選別対象のICチップとして抽出することが可能となる。
これにより、複数の同一ロットグループを連続して処理することが可能となるとともに、組み合わせ状態に不良が発生したICチップを最終の処理工程で抽出して除去することが可能となり、IC付冊子の製造に関し、作業効率及び製造効率の低下を抑制することが可能となる。
また、最終の処理工程よりも前の工程において、不良品(組み付け状態に不良が発生している部材)の排出機構の設置や、オペレーターによる排出作業を行なう必要が無いため、設備コスト・製造コストの増加を抑制することが可能となる。
このため、ICチップへのデータ書き込み等を必要とせずに、全ての処理工程において、個別識別IDのトラッキング(追跡)情報を取得することが可能となる。
その結果、ICチップへのデータ書き込み等を必要とせずに、連続する処理工程間でICチップが正常に移行したか否かを判定することが可能となる。
また、上流側処理工程に対し、組み合わせ状態が不良となる確率が高い工程を特定することが可能となり、製品の品質低下を抑制することが可能となる。
このため、上流側処理工程において、前の処理工程から同一ロットグループのICチップ及び付加部材が正常に移行したか否かを、常時監視することが可能となる。
その結果、組み付け不良等が発生している製品の流出(出荷)を抑制することが可能となる。
また、同一ロットグループのICチップに、他のロット番号を付与したグループのICチップが混入されることを抑制することが可能となる。
このため、同一ロットグループに所属する全てのICチップに対し、上流側処理工程における組み合わせ状態を、個別識別IDを用いて管理することが可能となる。また、組み合わせ状態に不良が発生したICチップを、工程Fまで移行させた状態で、選別対象のICチップとして抽出することが可能となる。
これにより、上述した効果(1)と同様、IC付冊子の製造に関し、作業効率及び製造効率の低下を抑制することが可能となる。これに加え、上述した効果(1)と同様、設備コスト・製造コストの増加を抑制することが可能となる。
(1)本実施形態では、参照用ID抽出部20が、トレーサビリティーデータベース10へ登録されている個別識別IDから参照用IDを生成し、この生成した参照用IDを含む情報信号を、個別識別ID読取部28へ出力したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、一つのロット毎に、各工程で行なう処理に応じて、その都度、参照用IDを含む情報信号を、個別識別ID読取部28へ出力する構成としてもよい。
(2)本実施形態では、生産管理システム1の構成を、事前ID検出部18を備える構成としたが、これに限定するものではなく、生産管理システム1の構成を、事前ID検出部18を備えていない構成としてもよい。この場合、例えば、製造計画等に基づき、個別識別IDが明確である場合等には、人力によるPC(Personal Computer)等を用いた入力操作(手入力)等により、個別識別IDを含む情報信号を情報系システム2へ出力可能な構成としてもよい。
しかしながら、データテーブルを生成する処理は、上記の処理に限定するものではなく、例えば、工程Bから工程Eにおいて、処理結果をICチップへ工程毎に記憶して蓄積し、この蓄積した処理結果を示す情報に基づいて、データテーブルを生成してもよい。
2 情報系システム
4 製造系システム
6 管理サーバ
8 データベースサーバ
10 トレーサビリティーデータベース
12 クライアントコンピュータ
14 生産設備制御コンピュータ
16 製造設備
18 事前ID検出部
20 参照用ID抽出部
22 処理工程監視部
24 選別用データテーブル生成部
26 処理状態判定部
28 個別識別ID読取部
30 部材状態検出部
32 選別対象抽出部
Claims (2)
- 予め設定した同一ロットグループに所属する複数の第一部材に対し、複数の処理工程で付加部材を組み合わせて、複数個の製品を製造する生産管理システムであって、
前記第一部材は、当該第一部材に固有の識別情報である個別識別IDを記憶した個別識別ID記憶部を有し、
前記複数の処理工程において、前記第一部材から前記個別識別IDを読み取る個別識別ID読取部と、
前記複数の処理工程のうち最初の処理工程と最終の処理工程とを除く予め設定した処理工程において、前記第一部材に対する前記付加部材の組み合わせ状態を第一部材に対して個別に検出する部材状態検出部と、
前記同一ロットグループに所属する全ての前記第一部材に対し、前記個別識別IDと前記予め設定した処理工程における前記組み合わせ状態とを関連付けたデータテーブルを生成する選別用データテーブル生成部と、
前記選別用データテーブル生成部が生成したデータテーブルと前記個別識別ID読取部が前記最終の処理工程で読み取った前記個別識別IDとに基づき、前記同一ロットグループに所属する全ての前記第一部材から、前記組み合わせ状態が不良であると関連付けた前記個別識別IDを記憶した個別識別ID記憶部を有する第一部材を選別対象の第一部材として抽出する選別対象抽出部と、を備えることを特徴とする生産管理システム。 - 予め設定した同一ロットグループに所属する複数の第一部材に対し、複数の処理工程で付加部材を組み合わせて、複数個の製品を製造する生産管理方法であって、
前記第一部材は、当該第一部材に固有の識別情報である個別識別IDを記憶した個別識別ID記憶部を有し、
前記複数の処理工程において、前記第一部材から前記個別識別IDを読み取り、
前記複数の処理工程のうち最初の処理工程と最終の処理工程とを除く予め設定した処理工程において、前記第一部材に対する前記付加部材の組み合わせ状態を第一部材に対して個別に検出し、
前記同一ロットグループに所属する全ての前記第一部材に対し、前記個別識別IDと前記予め設定した処理工程における前記組み合わせ状態とを関連付けたデータテーブルを生成し、
前記生成したデータテーブルと前記最終の処理工程で読み取った前記個別識別IDとに基づき、前記同一ロットグループに所属する全ての前記第一部材から、前記組み合わせ状態が不良であると関連付けた前記個別識別IDを記憶した個別識別ID記憶部を有する第一部材を選別対象の第一部材として抽出することを特徴とする生産管理方法。
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