JP4536548B2 - X線検査装置および蓄積情報抽出システム - Google Patents

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Description

本発明は、搬送中の被検査物に向けてX線を照射し、その被検査物のX線透過量に基づいて被検査物の状態、例えば被検査物中の異物若しくは欠品検査対象である特定構成要素の有無又は被検査物の異常(例えば割れ、部分欠落、変形、変質等)の有無といった状態の検査を実行するX線検査装置およびその蓄積情報抽出システム、特に、検査済み製品の検査データを、蓄積し抽出できるようにしたX線検査装置および蓄積情報抽出システムに関する。
この種のX線検査装置においては、被検査物を搬送しながら被検査物の全体にX線を透過させることで、被検査物の各部のX線吸収量の相違を把握して被検査物の状態検査を実行するものが知られており、被検査物の相対位置毎のX線透過量に対応する濃度のX線画像を表示するものが多い。
また、近時、消費者保護のため流通商品の品質向上がより一層希求されており、例えばHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point;危害分析重要管理点)に適合した食品衛生管理体制の強化が高度に要求されるとともに、各製品についてのトレーサビリティの確保が要求されている。
このような要求に対し、従来のX線検査装置および蓄積情報抽出システムでは、例えば、X線画像をX線検査装置外の蓄積メモリに蓄積できるようにし、後日の問合せに際し、被検査物製品のバーコード情報を基にその製品のX線画像を抽出して、製品検査時の検査データとするようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この場合、検査対象の製品の包装材にバーコードを予め付加し、X線異物検査の際にそのバーコードを読み取って識別情報とし、X線画像の検査データを蓄積していた。
特開2002−28821号公報
しかしながら、上記従来のX線検査装置にあっては、X線検査装置の外部に設置した読取装置を使用して、被検査物の固有識別情報であるバーコードを読み取り、その読み取り情報を基に検査データの管理を行なっていたため、バーコードの誤読や読み取り不能状態が発生した際に、X線検査情報と被検査物の情報に不一致が生じたり個体識別ができない検査情報が生じたりしてしまうという問題があった。
本発明は、このような従来のX線検査装置の問題点に鑑みてなされたものであり、高負荷の検査を行なう場合でも個々の被検査物の検査データを確実に識別可能に記憶保存し、確実に抽出することができるX線検査装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的達成のため、(1)被検査物を搬送手段により搬送しながら被検査物の各部X線透過量に基づいて該被検査物の状態を検査するとともに、前記X線透過量に対応する濃度のX線画像を作成するX線検査装置であって、前記搬送手段が、前記被検査物の搬送方向に所定間隔に配された複数の搬送領域に、それぞれ、視覚により識別可能でかつ他の搬送領域とでは表示内容が異なる搬送位置識別表示部を含む一方、前記被検査物の検査毎に、各被検査物の目視可能な固有識別情報および該被検査物の近傍に位置する前記搬送位置識別表示部を含む被検査物毎の外観可視画像を撮像する撮像手段と、前記被検査物の検査毎に、前記X線画像を前記搬送位置識別表示部の表示内容を含む画像として作成するX線画像作成手段と、前記撮像手段で撮像された外観可視画像をそれぞれ時間と共に変化する検査時刻情報に対応するファイル名を有する画像ファイルとして出力する第1の画像出力手段と、前記X線画像作成手段で作成されたX線画像をそれぞれ時間と共に変化する検査時刻情報に対応するファイル名を有する画像ファイルとして出力する第2の画像出力手段と、を備えたことを特徴とするものである。
このX線検査装置では、外観可視画像とX線画像とにそれぞれ搬送位置の識別情報が含まれることから、その搬送位置識別表示との組み合わせで、検査時刻の情報(例えば秒単位)より細かい単位で検査画像データを取り扱うことが可能となる。したがって、高速搬送される被検査物や搬送ピッチの小さい多量の被検査物を検査する場合であっても、個々の被検査物の検査データをその被検査物の外観情報との確実な関連付けの下に記録保存することが可能となる。また、本装置から出力される画像ファイルは、識別および読出し可能に蓄積保存可能であり、被検査物の固有識別情報と検査時刻情報との関係を把握しておくだけで、固有識別情報および搬送位置識別表示を含む外観可視画像を基に、被検査物の検査データを蓄積情報から確実に特定・抽出して遡及照合することが可能となる。
なお、前記搬送位置識別表示部は、視覚により識別可能な識別表示要素を各搬送領域内に少なくとも1つ含んだものであって、搬送領域の配設間隔より狭い間隔で各搬送領域内に複数の識別表示要素が設けられてもよい。また、被検査物が複数の搬送領域に跨る状態で搬送されるように狭い間隔で多数の搬送領域を設けてもよい。すなわち、1つの被検査物に対し、搬送位置識別表示部が複数存在するようにしてもよい。また、前記搬送領域は、撮像手段の撮像範囲より狭い小領域となるよう設定される。
本発明のX線検査装置においては、()前記搬送手段が、前記被検査物の搬送方向に所定間隔に配された複数の搬送領域を無端に連設した無端搬送手段であり、前記搬送位置識別表示部が、該搬送手段の所定の搬送領域を基準として、前記搬送方向に一定周期で変化する識別符号を表示するものであるのが好ましい。この構成により、搬送位置の把握が容易で、被検査物と搬送位置との明確な対応付けが可能となる。
また、()前記搬送位置識別表示部が、X線透過率が前記搬送領域内の他の部分とは異なるものであるのがよい。この構成により、搬送位置識別表示部の表示内容がX線画像にも直接撮像されることから、被検査物と搬送位置との正確な対応付けが可能となる。
さらに、()前記搬送位置識別表示部が、前記搬送領域内の他の部分とはX線透過率が異なる材料で形成されるか又はX線透過率が異なる構造に形成されてもよい。その場合、金属系の塗料等で搬送位置識別表示部を容易に形成することが可能となる。
あるいは、()前記搬送位置識別表示部が、磁気的読取が可能な材料で形成されたものであってもよい。この場合、搬送位置識別表示部の表示内容が公知の磁気式の読み取りが可能となるから、被検査物と搬送位置との正確な対応付けが可能で、かつ、その搬送位置識別表示部は容易に形成することができる。
さらに、()前記識別符号は、所定の搬送領域を基準として、該基準となる搬送領域から離れるほど値が増加又は減少する数値であるのが好ましい。この構成により、搬送位置が視覚的にも直接に把握できるとともに、検索時の条件付けも容易である。
本発明は、また、()上記いずれかの構成を有するX線検査装置による検査結果の蓄積情報から画像情報を抽出する蓄積情報抽出システムであって、前記X線検査装置から前記外観可視画像および前記X線画像を入力し蓄積する画像入力蓄積手段と、前記被検査物の固有識別情報と前記検査時刻情報との関係情報を保持し、前記被検査物の固有識別情報に基づいて、前記検査時刻情報を特定する検査時刻情報特定手段と、該検査時刻情報に基づいて前記蓄積された外観可視画像のうち前記特定された検査時刻情報に対応する外観可視画像を抽出する第1の画像抽出手段と、該検査時刻情報に基づいて前記蓄積されたX線画像のうち前記特定された検査時刻情報に対応するX線画像を抽出する第2の画像抽出手段と、前記第1の画像抽出手段により抽出された外観可視画像および前記第2の画像抽出手段により抽出されたX線画像を対比表示する表示手段と、を備えたことを特徴とするものである。
この蓄積情報抽出システムでは、被検査物の固有識別情報に基づいて検査時刻情報が特定されるとともに、特定された検査時刻情報に基づいて、蓄積情報から対応する外観可視画像とX線画像が抽出されて、これらが表示手段によって対比表示される。したがって、外観可視画像とX線画像とにそれぞれ搬送位置の識別情報が含まれ、その搬送位置識別表示との組み合わせで、過去の検査結果の蓄積情報から検査時刻情報の単位より細かい単位で検査画像データを取り扱うことが可能となる。したがって、高速搬送される被検査物や搬送ピッチの小さい多量の被検査物を検査する場合であっても、個々の被検査物の検査データをその被検査物の外観情報との確実な関連付けの下に記録保存することが可能となる。
本発明の蓄積情報抽出システムでは、また、()前記第1の画像抽出手段および前記第2の画像抽出手段が、前記検査時刻情報特定手段で特定された検査時刻情報に対応するそれぞれ複数の前記外観可視画像および前記X線画像を抽出し、該抽出されたそれぞれ複数の画像を前記表示手段により対比表示するのがよい。
この構成により、被検査物の目視可能な固有識別情報から検査時刻情報が特定されると、これに対応する複数の外観可視画像およびX線画像が抽出されて対比表示されるから、固有識別情報が判読し難いような場合でも、それを基に蓋然性の高いグループを特定し、更に外観可視画像中の固有識別情報や搬送位置識別表示情報内容等を総合して、特定の固有識別情報を持つ被検査物を容易かつ確実に特定することができることになる。
本発明によれば、外観可視画像とX線画像とにそれぞれ搬送位置の識別情報を含めることで、その搬送位置識別表示との組み合わせで、過去の検査結果の蓄積情報から検査時刻の情報より細かい単位で検査画像データを遡及照合することができ、その結果、高速搬送される被検査物や搬送ピッチの小さい多量の被検査物を検査する場合であっても、個々の被検査物の検査データをその被検査物の外観情報との確実な関連付けの下に記録保存することができ、さらに、被検査物の固有識別情報と検査時刻情報との関係を把握しておくだけで、固有識別情報および搬送位置識別表示を含む外観可視画像を基に、被検査物の検査データを蓄積情報から確実に特定・抽出して遡及照合することができるX線検査装置および蓄積情報検査システムを提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を用いながら説明する。
[第1の実施の形態]
図1〜図4は、本発明のX線検査装置およびこれと協働する蓄積情報抽出システムに係る第1の実施の形態を示す図である。
まず、その構成について説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態のX線検査装置10は、被検査物Wを搬送する無端の可撓性の搬送ベルト11と、被検査物Wが検査領域内に進入したときその被検査物Wを検知する進入検知センサ13(図2参照)と、被検査物Wに向けてX線を照射するX線源14と、搬送ベルト11の上走面部より下方側に配置されて被検査物Wの各部X線透過量を測定するX線ラインセンサ15と、被検査物Wの外観可視画像を撮像するカメラやイメージセンサ等の撮像手段、例えばCCDカメラ16とを備えている。さらに、検査領域より下流側には、搬送ベルト11上の被検査物Wを選択的に搬送路外に排出することが可能な選別機17が設置されている。
各被検査物Wは、目視可能な固有識別情報を有しており、その固有識別情報は、例えばシリアル番号(製造番号)であるが、賞味期限、製造日、ロット、品種等を特定する他の文字や記号等と共に全体として固有識別情報となるものでもよい。
搬送ベルト11は、図示しない搬送駆動モータにより所定速度で駆動され、被検査物Wを装置内である所定の検査領域を通して上流側から下流側へと搬送するようになっている。
この搬送ベルト11は、図1に示すように、被検査物Wの搬送方向に所定間隔に配された複数の搬送領域111〜130を有している。これらの搬送領域111〜130は、それぞれ、例えば被検査物Wが載置される載置部11aと、視覚により識別可能で各領域内の他の部分とはX線透過率が異なり、かつ、他の搬送領域とではその表示内容が異なる複数の搬送位置識別表示部11bとを含んでいる。また、搬送領域111〜130は、それぞれ後述する撮像手段としてのCCDカメラ16の撮像範囲(搬送ベルト11の上面中の範囲)より狭い小領域であればよく、同一形状(同一面積)でなくともよいし、必ずしも等間隔に配置される必要はない。
また、搬送ベルト11の搬送位置識別表示部11bは、搬送ベルト11の所定の搬送領域、例えば搬送領域111を基準として、搬送方向に一定周期で変化する識別符号(文字、図形、記号又はこれらの組み合わせのいずれでもよく、凹凸があってもよい)を表示するようになっている。その識別符号は、本実施形態においては、所定の搬送領域111を基準として、そこから離れるほど値が増加又は減少する数値、例えば、図1に示すような001から020までの識別番号となっている。
このような搬送ベルト11の各搬送領域111〜130の搬送位置識別表示部11bは、その搬送位置識別用の識別符号部分が、例えば各領域内の他の部分よりもX線透過率の小さい材料(X線透過率の異なる材料)で形成されており、具体的には、例えば金属系の塗料(金属を含む塗料)によりその文字等が形成されている。なお、搬送位置識別表示部11bは、搬送ベルト11の部分的な切抜きなどによって構造的にX線透過率を異ならせたようなものであってもよい。
進入検知センサ13は、例えば検査領域の入口に位置する投受光器を有する公知の光学式のものであり、被検査物Wが投受光器間を遮光する時間中とそれ以外の時間とで出力信号が変化(反転)するようになっている。
また、X線源14は、搬送ベルト11上の被検査物Wが検査領域を通過するとき、搬送ベルト11の幅(幅員)方向全体に及ぶ範囲でX線を照射することができる。このX線源14は、例えば陰極フィラメントからの熱電子をその陰極と陽極の間の高電圧により陽極ターゲットに衝突させてX線を発生させるX線管であり、X線を下方のX線ラインセンサ15に向けて不図示のスリットにより略三角形のスクリーン状にして照射するようになっている。
X線ラインセンサ15は、搬送ベルト11上の被検査物Wが検査領域に達するとき、被検査物のX線透過量を検出するようになっており、具体的には、例えば複数のX線検出素子を搬送ベルト11の幅方向に並設し所定解像度でのX線検出を行なうように構成されている。また、X線ラインセンサ15の素子列ライン上でのX線量のサンプリングピッチと搬送によるサンプリングピッチはほぼ等しく設定されており、X線ラインセンサ15の複数の検出素子からのX線透過量検出信号を被検査物の搬送方向全域について濃度データとして蓄積記憶することで、X線画像の元データが取得できるようになっている。
CCDカメラ16は、被検査物Wの検査毎に、各被検査物Wの目視可能な固有識別情報であるシリアル番号とその被検査物Wの近傍に位置する搬送ベルト11の搬送位置識別表示部11bとを視認できる所定方向から、これら固有識別情報および搬送位置識別表示部11bの外観を含む被検査物毎の外観可視画像Paを撮像するようになっている。このCCDカメラ16は、撮像した画像データを所定の画像ファイル形式(例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式の静止画)で生成し、時間と共に変化する撮像番号を付けた画像ファイル名でその画像データを出力することができる。
本実施形態においては、CCDカメラ16は、X線照射の指向する方向(反射方向を含む)から外れた位置に設置されており、かつ、X線源14からのX線が被検査物Wの固有識別情報部分に照射される時点又はその直前若しくは直後に、被検査物Wの全体像と搬送位置識別表示部11bの外観を前記所定方向から撮像する。また、このCCDカメラ16の設置姿勢は、例えば図1に模式的に示すようにその撮像視線方向が搬送ベルト11の上走面に直交するものでもよいし、図2に示すように光軸(視線軸)方向が搬送方向に傾斜していてもよい。あるいは、固有識別情報の印刷位置と被検査物Wの搬送姿勢に応じ、例えば鏡を併用したりしてCCDカメラ16又はそれに代わるイメージセンサを水平方向に設置することもできる。勿論、撮像用の光透過経路を確保するために、搬送ベルト11を搬送方向又は前後方向で隣り合う複数の搬送ベルトとしたり、搬送ベルト11に光透過部分(例えば可撓性の透明窓部)を設けたりすることもできる。
なお、外観可視画像は、目視可能な固有識別情報の視認方向からの撮影画像と、その所定の撮影方向とは異なる他方向からの撮影画像とを含む複数の画像であってもよく、その場合、例えば、固有識別情報が被検査物Wの包装材上に分散配置された複数の識別子等から構成されていてもよい。
前記搬送ベルト11、進入検知センサ13、X線源14、X線ラインセンサ15、CCDカメラ16および選別機17は、制御ユニット20によってそれぞれの動作を制御されるようになっており、制御ユニット20は、X線ラインセンサ15の測定情報に基づいて被検査物Wの状態の検査、例えば被検査物W中における異物(例えば、被検査物中の他の部分とはX線吸収率が異なる金属等)の混入の有無を判定する検査を実行するとともに、その検査結果に応じて異物有りと判定した被検査物Wの排出動作を選別機17に実行させるようになっている。なお、異物混入の検出でなく欠品検出の場合は、異物でなく被検査物中の他の部分とはX線吸収率が異なる特定の構成要素の有無を検出することになり、被検査物の割れや部分欠落、変形、変質等の異常を検知する場合は被検査物中の他の部分とはX線吸収率が異なるその割れや部分欠落等を検出することになる。
制御ユニット20は、例えばCPU、ROM、RAMおよびI/Oインターフェースを有するマイクロコンピュータ構成と、画像処理プロセッサ、タイマー、ビデオメモリ、搬送系および検出系の駆動回路等を含んで構成されており、ROMに格納された制御プログラムに従って、各種センサ情報に基づき、CPUがRAMとの間でデータを授受しながら所定の演算処理を実行することで、所要の制御機能を実現できるようになっている。
この制御ユニット20は、具体的には、図3に示すように、進入検知センサ13により被検査物Wが検知される度にこれをトリガーとして異物判定や画像処理等を実行させる搬送・検出制御回路21と、X線ラインセンサ15からのX線透過量のライン検出信号を順次蓄積して被検査物W全体についてのX線透過量データを記憶保持することができる透過量データメモリ22と、透過量データメモリ22の記憶データを基に被検査物W中における異物の有無を判定する異物判定部23と、透過量データメモリ22の記憶データを基にX線透過量に対応する濃度分布を有するX線画像Pxを作成するX線画像生成部24と、X線画像生成部24で作成されたX線画像および異物判定部23での判定結果を表示出力することができる表示部25とを含んで構成されている。
異物判定部23は、例えば対数変換や微分処理を行なって物質によるX線吸収量の急峻な変化を抽出し、異物を判定するようになっている。また、X線画像生成部24は、例えば画像処理プロセッサを有している。
制御ユニット20には、更に、進入検知センサ13の進入検知情報を基に、所定のタイミングでCCDカメラ16からの外観可視画像Paと、X線画像生成部24からのX線画像Pxとを入力し、それぞれの画像ファイルに検査時刻情報に1:1又は1:複数で対応する画像ファイル名を付けて蓄積画像ファイルを作成し出力する蓄積画像ファイル作成部26と、蓄積画像ファイル作成部26からの外観可視画像Paの画像ファイルを一時的にメモリ又はハードディスク等の記憶デバイスに記憶し所定形式のデータ通信ポート(図示していない)から外部のデータ蓄積記録装置50に出力する外観画像出力部31と、蓄積画像ファイル作成部26からのX線画像Pxの画像ファイルを一時的メモリ又はハードディスク等の記憶デバイスに記憶し所定形式のデータ通信ポート(図示していない)からデータ蓄積記録装置50に出力するX線画像出力部32とが設けられている。
X線画像生成部24と蓄積画像ファイル作成部26は、全体として、被検査物Wの検査毎に、X線画像Pxを搬送位置識別表示部11bの表示内容を含む画像として作成するX線画像作成手段を構成している。
ここで、外観画像出力部31は、撮像手段としてのCCDカメラ16で順次撮像される外観可視画像Paをそれぞれ時間と共に変化する検査時刻情報に対応するファイル名を有する画像ファイルとして出力する第1の画像出力手段となっており、X線画像出力部32は、X線画像生成部24で順次作成されるX線画像Pxをそれぞれ時間と共に変化する検査時刻情報に対応するファイル名を有する画像ファイルとして出力する第2の画像出力手段となっている。
前記検査時刻情報は、時間と共に変化する情報で、具体的には、概ねの時間(時刻)を特定する情報、例えば2005年12月13日14時15分のような分単位(秒単位でも、時間単位でもよい)での情報であり、上述した搬送位置識別表示部11bの識別符号(例えば識別番号)による搬送位置識別情報との組み合わせにより、検査時刻情報で特定される単位時間内における各被検査物の検査順序や検査位置を特定できるようになっている。したがって、搬送ベルト11の搬送領域111〜130がすべて一度検査領域を通過するのに要する時間(検査領域に順次搬送されてくる搬送位置識別表示部11bの識別番号が最小値から最大値まで変化する周期で、検査領域内の任意の1つの搬送領域が一周して検査領域に戻るまでの時間に相当する;以下、識別符号周期という)は、少なくとも前記第1の時間情報により特定される単位時間よりも長くする必要があり、搬送ベルト11の搬送領域の数は、ベルト搬送速度とそのような識別符号周期と前記単位時間を考慮して決定される。
一方、外観画像出力部31およびX線画像出力部32から画像ファイルを入力するデータ蓄積記録装置50は、例えば大容量のハードディスク等の補助記憶装置を備えたコンピュータ(PC)、あるいは更にディスクアレイ装置等を付設したコンピュータ若しくは外部のストレージシステムにデータ通信可能に接続されたコンピュータ等で構成されており、X線検査装置10による検査結果の蓄積情報から画像情報を抽出する蓄積情報抽出システムとなっている。
このデータ蓄積記録装置50は、外観画像出力部31からの前記外観可視画像およびX線画像出力部32からの前記X線画像をそれぞれ入力する画像入力蓄積部51(画像入力蓄積手段)と、被検査物Wの固有識別情報と前記検査時刻情報との対応関係を表わす情報を予めの設定入力により記憶保持し、被検査物Wの固有識別情報に基づいて、前記検査時刻情報を特定する検査時特定部52(検査時刻情報特定手段)と、その検査時刻情報に基づいて取り込み済みの複数の外観可視画像Paのうち特定された検査時刻情報に対応する外観可視画像Paを抽出する外観画像抽出部56(第1の画像抽出手段)と、取り込み済みの複数のX線画像Pxのうち前記特定された検査時刻情報に対応するX線画像を抽出するX線画像抽出部57(第2の画像抽出手段)と、外観画像抽出部56により抽出された外観可視画像およびX線画像抽出部57により抽出されたX線画像を対比表示することができる表示ユニット59(表示手段)とを具備している。
ここで、画像入力蓄積部51は、大容量ハードディスク又は/及びディスクアレイ装置等の公知のストレージデバイスを有しており、そこに入力画像データを記憶保存し、蓄積することができる。また、画像入力蓄積部51は、DVD等のリムーバブルなディスク状記録媒体あるいは他の記憶媒体に蓄積情報を書き込んで蓄積記録することができるようになっている。
また、検査時特定部52は、被検査物Wの固有識別情報に基づいてその検査時刻情報を特定するためのデータルックアップテーブル(以下、時刻情報テーブルという)を有している。
外観画像抽出部56およびX線画像抽出部57は、検査時特定部52で特定された検査時刻情報に対応するそれぞれ複数の外観可視画像PaおよびX線画像Pxを抽出する。そして、抽出されたそれぞれ複数の画像Pa、Pxは、それぞれ検査順に、表示ユニット59により例えば左右に対比した形で、個別スクロール可能に対比表示される。
また、データ蓄積記録装置50は、検査時刻情報に基づいて、複数の被検査物Wについての検査画像を一定時間毎の検査データ群としてグループ化し、そのグループ化した複数の被検査物Wの検査画像を、シリアル番号に対応する検査時刻情報に基づいてグループ間で識別し、対応するグループの複数の外観可視画像PaおよびX線画像Pxを参照しながら特定のシリアル番等の固有識別情報を持つ被検査物Wの画像Pa、Pxを目視選別して抽出することができるようになっている。
なお、X線画像Pxの画像ファイルは、検査中に表示出力される各被検査物Wの検査条件又は検査結果に関連する情報、例えば画素数(又は画素ピッチ)、異物判定に用いた閾値、異物有無の判定結果を表わす判定値(OK/NG)、検査時にX検査画像と共に画面表示された測定値等のすべて又はいずれかを付加したものでもよい。
次に、動作について説明する。
図4は、本実施形態における検査画像の作成・出力および検索の手順を示すフローチャートであり、同図(a)は検査結果の蓄積記録のための画像作成・出力処理手順を、同図(b)は入力・蓄積された情報から特定の固有識別情報を持つ検査データを抽出する際の手順を、それぞれ示している。
図4(a)においては、まず、被検査物Wが検査領域に搬送され(ステップS11)、進入検知センサ13により被検査物Wの検査領域への進入が確認されると(ステップS12)、CCDカメラ16によって被検査物Wの固有識別情報および搬送位置識別表示部11bを含む外観可視画像Paが撮像され、これとほぼ同時に、X線ラインセンサ15によるX線透過量の検知が開始され、X線ラインセンサ15によるそのX線透過量の検知情報に基づいて、異物判定部23での異物混入判定が実行されるとともに、X線画像生成部24において、X線画像Pxの作成が実行される(ステップS14)。そして、外観可視画像PaおよびX線画像Pxがそれぞれ時刻情報に対応するファイル名の画像ファイルに調製される(ステップS15)。
また、被検査物Wが検査領域に達するたびに上述した一連の処理が順次並行して実行され、被検査物W毎の検査画像が、一時的にではあるが、外観画像出力部31およびX線画像出力部32に順次記憶されることになる(ステップS11〜S15)。
次いで、例えばデータ蓄積記録装置50側からの出力指令を受けると、あるいは所定時間毎に、外観画像出力部31からは外観可視画像Paの画像データが、X線画像出力部32からはX線画像Pxの画像データが、それぞれ出力される(ステップS16)。このとき、出力された両画像Pa、Pxの画像データはそれぞれ画像入力蓄積部51に入力され、検査対象の被検査物Wの固有識別情報とその検査時刻との対応関係を表わす時刻情報テーブルと共に順次蓄積記録されていくことになる。
一方、製品の検査時の状態について後日問合せがあったような場合には、データ蓄積記録装置50において、図4(b)に概略手順を示すように、問合せのあった製品のシリアル番号を入力すると(ステップS21)、検査時特定部52で被検査物Wの固有識別情報に基づいて前記検査時刻情報テーブルを参照することで検査時刻情報が特定され、その検査時刻情報に基づいて取り込み済みの複数の外観可視画像Paのうち特定された検査時刻情報に対応する外観可視画像Paが外観画像抽出部56で抽出され、併せて、取り込み済みの複数のX線画像Pxのうち前記特定された検査時刻情報に対応するX線画像がX線画像抽出部57により抽出される。
そして、外観画像抽出部56により抽出された外観可視画像PaおよびX線画像抽出部57により抽出されたX線画像Pxが、表示ユニット59によって対比表示される。
次いで、表示された検査画像群を参照し、特定のシリアル番号や固有識別情報を持つ製品を表示画像群の中から目視で選択する(ステップS24)。したがって、その検査時の外観可視画像Pa、X線画像Px、更には検査値情報Pm(図1参照)をそれぞれ参照することで、検査時の被検査物Wの状態を客観的に評価可能となる。
このように、本実施形態のX線検査装置では、外観可視画像PaとX線画像Pxとにそれぞれ搬送位置識別表示部11bの識別表示内容が含まれることから、その搬送位置識別表示との組み合わせで、検査時刻情報より更に細かい単位で検査画像データを取り扱うことが可能になる。したがって、例えば、高速搬送される被検査物Wや搬送ピッチの小さい多量の被検査物Wを検査するような場合であっても、個々の被検査物Wの検査画像Pxをその被検査物Wの外観可視画像Paとの確実な関連付けの下に記録保存可能が画像出力を行なうことができる。また、その出力された画像ファイルは、識別および読出し可能に蓄積保存可能であり、被検査物の固有識別情報と検査時刻情報との関係を把握しておくだけで、固有識別情報および搬送位置識別表示を含む外観可視画像Paを基に、被検査物の検査データを蓄積情報から確実に特定・抽出して遡及照合することが可能となる。
また、本実施形態においては、搬送手段が複数の搬送領域111〜130を無端に連設した手段で、搬送位置識別表示部11bが、所定の搬送領域111を基準として、搬送方向に一定周期で変化する識別符号を表示するので、搬送位置の把握が容易で、被検査物Wと搬送位置との明確な対応付けが可能となる。
また、搬送位置識別表示部11bの数字等の識別符号は、X線透過率が各搬送領域内の他の部分とは異なる材料、例えば金属系の塗料で形成できるから、搬送位置識別表示部11bの表示内容がX線画像にも直接撮像されることになり、被検査物Wと搬送位置とが正確に対応付けされるばかりでなく、外観可視画像PaとX線画像Pxの関連付けの信頼度が極めて高いし、その搬送位置識別表示部は容易に形成できる。
さらに、搬送位置識別表示部11bの識別符号は、所定の搬送領域111を基準として、その基準搬送領域から離れるほど値が搬送方向上流側では増加し同下流側では減少する数値となっているので、搬送位置が視覚的にも直接に把握できるとともに、検索時の条件付けも容易となる。
本実施形態の蓄積情報抽出システムでは、また、被検査物Wの固有識別情報に基づいて検査時刻情報が特定されるとともに、特定された検査時刻情報に基づいて、蓄積情報から対応する外観可視画像PaとX線画像Pxが抽出されて、これらが表示部25で対比表示される。したがって、外観可視画像PaとX線画像Pxとにそれぞれ搬送位置の識別情報が含まれ、その搬送位置識別表示との組み合わせで、過去の検査結果の蓄積情報から検査時刻情報の単位より細かい単位で検査画像データを遡及照合することが可能となる。
また、被検査物Wの目視可能な固有識別情報から検査時刻情報が特定されると、これに対応する複数の外観可視画像PaおよびX線画像Pxが抽出されて対比表示されるから、固有識別情報が判読し難いような場合でも、それを基に蓋然性の高い蓄積画像のグループを特定し、更に外観可視画像Pa中の固有識別情報や搬送位置識別表示の内容等を総合して、特定の固有識別情報を持つ被検査物を容易に特定することができることになる。
付言すれば、被検査物Wが製品として最終消費者やエンドユーザまで渡る間に、その製品が輸送その他の取り扱い中に傷付く等してしまい、被検査物Wの目視可能な固有識別情報が多少読み取り難くなる場合が生じ得る。
本実施形態においては、このような場合でも、判読可能な固有識別情報を基に、判読不能な部分は例えばワイルドカードにして検索入力を行ない(図4(b)のステップS21)、被検査物Wの検査データを含む蓋然性荷の高い時間帯の合成検査画像群の蓄積情報を読み出し(ステップS22)、表示部25に検査画像群を対比表示させて(ステップS23)、外観可視画像Paを基に被検査物Wを特定することで(ステップS24)、その検査データを確実に抽出することができることとなる。
また、各被検査物Wの判定閾値やX線画像の画素数、判定結果(OK/NG)等の検査値情報Pmが、X線画像Pxと共に表示されるようにすれば、より詳細な検査データが抽出できる。
[第2の実施の形態]
図5は、本発明のX線検査装置に係る第2の実施の形態を示す図である。
なお、本実施形態のX線検査装置は、上述の実施形態のX線検査装置における第1、第2の画像出力部に代えて、第1、第2の画像蓄積部を装置内に設けたものであり、その他の主要な構成および動作は上述の実施形態と同様であるから、相違点についてのみ詳述する。
図5に示すように、本実施形態では、制御ユニット20に、進入検知センサ13の進入検知情報を基に、所定のタイミングでCCDカメラ16からの外観可視画像Paと、X線画像生成部24からのX線画像Pxとを所定のタイミングで入力し、それぞれの画像ファイルに検査時刻情報に1:1又は1:複数で対応する画像ファイル名を付けて蓄積画像ファイルを作成し出力する蓄積画像ファイル作成部26と、蓄積画像ファイル作成部26からの外観可視画像Paの画像ファイルを記憶保存する外観画像蓄積部41と、蓄積画像ファイル作成部26からのX線画像Pxの画像ファイルを記憶保存するX線画像蓄積部42とが設けられている。すなわち、上述の第1の実施の形態における第1、第2の画像出力部31、32に代えて、外観画像蓄積部41およびX線画像蓄積部42をX線検査装置10内に設けている。
ここで、外観画像蓄積部41は、撮像手段としてのCCDカメラ16で順次撮像される外観可視画像Paをそれぞれ時間と共に変化する検査時刻情報に対応するファイル名で識別および読出し可能に記憶保存する第1の蓄積手段(第1の画像出力手段)となっており、X線画像蓄積部42は、X線画像生成部24で順次作成されるX線画像Pxをそれぞれ時間と共に変化する検査時刻情報に対応するファイル名で識別および読出し可能に記憶保存する第2の蓄積手段(第2の画像出力手段)となっている。
これら外観画像蓄積部41およびX線画像蓄積部42は、それぞれ、例えば大容量の内蔵のハードディスクドライブ又はディスクアレイ装置等で構成することができ、更に、リムーバブルな記録媒体、例えばDVD(Digital Versatile Disk)や半導体メモリカード等に書込みおよび読出しが可能なディスクドライブやリーダライタを装備することで、蓄積データの更なる蓄積記録が可能である。
外観画像蓄積部41およびX線画像蓄積部42は、また、複数の被検査物Wの外観可視画像PaおよびX線画像Pxを、その検査時刻に被検査物Wのシリアル番号を関連付けた時刻情報テーブルと共に記録保存するようになっており、蓄積情報を検査時刻順に読み出したり検査時刻を指定して特定の画像群を読み出したりすることができ、あるいは更に、シリアル番号により特定される所定の検査時刻やロット単位でグループ化をなす所定の手順情報に従って蓄積情報を読み出すことができる。
ここでの記録情報の検索用のコードは、製造時間とシリアル番号を組み合わせて作成され、例えば2005年12月1日8時の製造時間で製造された1234番目の被検査物Wの合成検査画像であれば、051201081234といった形で特定される。
蓄積情報を検索する場合には、制御ユニット20に付設されたキーボード等を操作してシリアル番号および品種等を入力して検査時刻情報を特定し、外観画像蓄積部41およびX線画像蓄積部42から蓄積画像ファイル作成部26に再度必要な蓄積情報を読み出し、指定した被検査物Wの外観可視画像PaおよびX線画像Pxを通常の画像表示と同様に表示部25で対比表示することになる。
本実施形態においても、外観可視画像PaとX線画像Pxとにそれぞれ搬送位置の識別情報が含まれることから、その搬送位置識別表示との組み合わせで、過去の検査結果の蓄積情報から検査時刻の情報(例えば秒単位)より細かい単位で検査画像データを遡及照合することができ、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
しかも、本実施形態においては、外観画像蓄積部41およびX線画像蓄積部42を装置内に内蔵しているので、外部にデータ蓄積のための設備がない場合でも問題なく最初から検査データを確実に蓄積することができ、必要時に確実なデータ抽出ができるという利点がある。
[第3の実施の形態]
図6は、本発明のX線検査装置およびこれと協働する蓄積情報抽出システムに係る第3の実施の形態を示す図である。
なお、本実施形態のX線検査装置は、第1の実施の形態のX線検査装置に対し搬送位置識別表示部の態様が異なるものであり、その他の主要な構成および動作は第1実施形態と同様であるから、同一若しくは類似の構成要素については上述と同様の符号を用いて説明し、上述の実施形態との相違点についてのみ詳述する。
図6に示すように、本実施形態のX線検査装置10では、被検査物Wを搬送する無端の可撓性の搬送ベルト11が被検査物Wの搬送方向に所定間隔に配された複数の搬送領域111〜130を有している。
これらの搬送領域111〜130は、それぞれ、例えば被検査物Wが載置される載置部11aと、視覚により識別可能で他の搬送領域とではその表示内容が異なる複数の搬送位置識別表示部11bを含んでいる。なお、搬送ベルト11の搬送位置識別表示部11bは、搬送位置識別用の識別符号として、例えば上述と同様な識別番号を表示している。
そして、搬送ベルト11の各搬送領域111〜130の搬送位置識別表示部11bは、その搬送位置識別用の識別符号部分が、磁性成分を含み、乾燥被膜状態での磁気的読取を可能にする磁性インクによって形成されている。
また、X線検査装置10には、各搬送領域111〜130の搬送位置識別表示部11bの識別番号であるインデックス(識別符号)を読み取る少なくとも1つ、例えば一対のインデックスリーダ18、19(図6中では単にリーダと記している)が設けられている。インデックスリーダ18は、CCDカメラ16による外観可視画像Paの撮像に先立って又はそれと同時に、撮像対象となる今回の搬送領域(今回の検査対象の被検査物Wを搬送する領域)の搬送位置識別表示部11bのインデックスを磁気的に読み取る公知の磁気読取手段である。
インデックスリーダ19は、進入検知センサ13の検知信号をトリガーとしてX線検査される今回の被検査物Wについて、その搬送領域の搬送位置識別表示部11bのインデックスを磁気的に読み取る公知の磁気読取手段である。
これらインデックスリーダ18、19の読み取り情報は制御ユニット20に取り込まれ、この制御ユニット20の蓄積画像ファイル作成部26で検査時刻情報に1:1又は1:複数で対応する画像ファイル名を付けて蓄積画像ファイルを作成し出力する際に、インデックスリーダ18、19で読み取ったインデックス情報を対応する外観可視画像PaおよびX線画像Pxの中に、画像中の可視情報として埋め込む処理を実行するようにしている(図6参照)。
本実施形態においても、複数の被検査物Wの外観可視画像PaおよびX線画像Pxが、その検査時刻に被検査物Wのシリアル番号を関連付けた時刻情報テーブルと共に記録保存され、蓄積情報を検査時刻順に読み出したり検査時刻を指定して特定の画像群を読み出したりすることができるようになっており、その記録情報の検索用のコードは、上述の第2の実施の形態の場合と同様である。
蓄積情報を検索する場合には、制御ユニット20に付設されたキーボード等を操作してシリアル番号および品種等を入力し、検査時刻情報を特定して再度必要な蓄積情報を読み出し、指定した被検査物Wの外観可視画像PaおよびX線画像Pxをデータ蓄積記録装置50の表示ユニット59(表示手段)によって対比表示させることになる。
本実施形態においても、外観可視画像PaとX線画像Pxとにそれぞれ搬送位置を識別するインデックス情報が含まれることから、その搬送位置識別表示との組み合わせで、過去の検査結果の蓄積情報から検査時刻の情報(例えば秒単位)より細かい単位で検査画像データを遡及照合することができ、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
以上説明したように、本発明は、外観可視画像とX線画像とにそれぞれ搬送位置識別情報を含めることにより、その搬送位置識別表示との組み合わせで過去の検査結果の蓄積情報から検査時刻の情報より細かい単位で検査画像データを遡及照合することができる結果、高速搬送される被検査物や搬送ピッチの小さい多量の被検査物を検査する場合であっても、個々の被検査物の検査データをその被検査物の外観情報との確実な関連付けの下に記録保存することができ、さらに、被検査物の固有識別情報と検査時刻情報との関係を把握しておくだけで、固有識別情報および搬送位置識別表示を含む外観可視画像を基に、被検査物の検査データを蓄積情報から確実に特定・抽出して遡及照合することができるX線検査装置および蓄積情報検査システムを提供することができるという効果を奏するものであり、搬送中の被検査物に向けてX線を照射し、その被検査物のX線透過量に基づいて被検査物の状態を検査するX線検査装置および蓄積情報抽出システム、特に、検査済み製品の検査データを、後日、蓄積情報から特定し抽出できるようにしたX線検査装置および蓄積情報抽出システム全般に有用である。
本発明の第1の実施の形態に係るX線検査装置および蓄積情報抽出システムを示すその模式的なシステム構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係るX線検査装置の概略構成を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるその制御系の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における検査画像の蓄積記録および検索読出し処理手順を示すフローチャートで、(a)はその検査画像の蓄積記録の処理手順を、(b)はその蓄積情報からの検索読出しの処理手順を、それぞれ示している。 本発明の第2の実施の形態に係るX線検査装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係るX線検査装置および蓄積情報抽出システムを示すその模式的なシステム構成図である。
符号の説明
10 X線検査装置
11 搬送ベルト(搬送手段)
11a 載置部
11b 搬送位置識別表示部
13 進入検知センサ
14 X線源
15 X線ラインセンサ
16 CCDカメラ(撮像手段)
17 選別機
20 制御ユニット
23 異物判定部
24 X線画像生成部(X線画像作成手段)
25 表示部
26 蓄積画像ファイル作成部(X線画像作成手段)
31 外観画像出力部(第1の画像出力手段)
32 X線画像出力部(第2の画像出力手段)
41 外観画像蓄積部(第1の画像出力手段)
42 X線画像蓄積部(第2の画像出力手段)
50 データ蓄積記録装置(蓄積情報抽出システム)
51 画像入力蓄積部(画像入力蓄積手段)
52 検査時特定部(検査時刻情報特定手段)
56 外観画像抽出部(第1の画像抽出手段)
57 X線画像抽出部(第2の画像抽出手段)
59 表示ユニット(表示手段)
111〜130 搬送領域
Pa 外観可視画像
Pm 検査値情報
Px X線画像
W 被検査物

Claims (8)

  1. 被検査物(W)を搬送手段(11)により搬送しながら被検査物の各部X線透過量に基づいて該被検査物の状態を検査するとともに、前記X線透過量に対応する濃度のX線画像(Px)を作成するX線検査装置であって、
    前記搬送手段が、前記被検査物の搬送方向に所定間隔に配された複数の搬送領域にそれぞれ、視覚により識別可能でかつ他の搬送領域とでは表示内容が異なる搬送位置識別表示部(11b)を含む一方、
    前記被検査物の検査毎に、各被検査物の目視可能な固有識別情報および該被検査物の近傍に位置する前記搬送位置識別表示部を含む被検査物毎の外観可視画像(Pa)を撮像する撮像手段(16)と、
    前記被検査物の検査毎に、前記X線画像を前記搬送位置識別表示部の表示内容を含む画像として作成するX線画像作成手段(24、26)と、
    前記撮像手段で撮像された外観可視画像をそれぞれ時間と共に変化する検査時刻情報に対応するファイル名を有する画像ファイルとして出力する第1の画像出力手段(31)と、
    前記X線画像作成手段で作成されたX線画像をそれぞれ時間と共に変化する検査時刻情報に対応するファイル名を有する画像ファイルとして出力する第2の画像出力手段(32)と、を備えたことを特徴とするX線検査装置。
  2. 前記搬送手段が、前記被検査物の搬送方向に所定間隔に配された複数の搬送領域を無端に連設した無端搬送手段であり、
    前記搬送位置識別表示部が、該搬送手段の所定の搬送領域を基準として、前記搬送方向に一定周期で変化する識別符号を表示することを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
  3. 前記搬送位置識別表示部が、X線透過率が前記搬送領域内の他の部分とは異なることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線検査装置。
  4. 前記搬送位置識別表示部が、前記搬送領域内の他の部分とはX線透過率が異なる材料で形成されるか又はX線透過率が異なる構造に形成されたことを特徴とする請求項3に記載のX線検査装置。
  5. 前記搬送位置識別表示部が、磁気的読取が可能な材料で形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のX線検査装置。
  6. 前記識別符号は、所定の搬送領域を基準として、該基準となる搬送領域から離れるほど値が増加又は減少する数値であることを特徴とする請求項2に記載のX線検査装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つに記載のX線検査装置による検査結果の蓄積情報から画像情報を抽出する蓄積情報抽出システムであって、
    前記X線検査装置から前記外観可視画像および前記X線画像を入力し蓄積する画像入力蓄積手段(51)と、
    前記被検査物の固有識別情報と前記検査時刻情報との関係情報を保持し、前記被検査物の固有識別情報に基づいて前記検査時刻情報を特定する検査時刻情報特定手段(52)と、
    該検査時刻情報に基づいて前記蓄積された外観可視画像のうち前記特定された検査時刻情報に対応する外観可視画像を抽出する第1の画像抽出手段(56)と、
    該検査時刻情報に基づいて前記蓄積されたX線画像のうち前記特定された検査時刻情報に対応するX線画像を抽出する第2の画像抽出手段(57)と、
    前記第1の画像抽出手段により抽出された外観可視画像および前記第2の画像抽出手段により抽出されたX線画像を対比表示する表示手段(59)と、を備えたことを特徴とする蓄積情報抽出システム。
  8. 前記第1の画像抽出手段および前記第2の画像抽出手段が、前記検査時刻情報特定手段で特定された検査時刻情報に対応するそれぞれ複数の前記外観可視画像および前記X線画像を抽出し、
    該抽出されたそれぞれ複数の画像を前記表示手段により対比表示することを特徴とする請求項7に記載の蓄積情報抽出システム。
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