JP6357388B2 - リードタイム基準製造間接費配賦システム及びプログラム - Google Patents

リードタイム基準製造間接費配賦システム及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、リードタイム基準製造間接費配賦システム及びプログラムに関する。詳しくは、工程における経過時間に基づいて予定製造間接費を配賦し、且つ直接時間基準による原価計算方式と連携可能なリードタイム基準製造間接費配賦システム及びプログラムに関する。
かつて、原価計算基準(1962年大蔵省企業会計審議会)によって提示された原価計算手続は、企業の経営指針として大きな役割を果たした。その中で、予定製造間接費の配賦について、「個別原価計算における間接費は、原則として部門間接費として各指図書に配賦する。」、「予定配賦率の計算の基礎となる予定操業度は原則として1年または一会計期間において予期される操業度であり、…操業度は原則として、直接作業時間、機械運転時間、生産数量等間接費の発生と関連ある適当な物量基準によってこれを表示する。」等とされている。ここで、「予定操業度」は人又は機械の稼働時間の期間総量として定義され、予定製造間接費を予定操業度で除したものが、原価計算基準のいう「直接作業時間基準予定配賦率」である。ただし、「間接費の発生と関連ある適当な物量基準」は、間接費の配賦基準を画一的に限定するものではない。
また、上記基準では、加工費の配賦について、「予定加工費配賦率の計算は、予定製造間接費配賦率の計算による。」と記述されている。そして、直接作業時間を基準として予定製造間接費配賦率を定め、指図書に配賦する加工費としての固定費(間接労務費、減価償却費、旅費交通費、交際費、通信費、地代家賃等)を直接作業時間に基づいて配賦する規範が現在の慣行となっている。
一方、実際のものづくりの流れからみると、図15に表されるように、その製造開始から出荷までには、製造の各工程における直接作業時間(段取及び正味加工時間)以外に、滞留時間(加工待ち、運搬待ち、運搬時間、倉庫滞留時間等)が生じる。例えば、図中のオーダーaでは、製造の開始から出荷がされるまでの計630分のうち、直接作業時間は150分である。一方、オーダーbの直接作業時間は190分である。従来の加工費算定においては、この直接作業時間のみが原価に算入され、滞留時間は原価には不算入とされている。
このため、予定製造間接費を指図書に配賦する予定製造間接費配賦率は、予定総製造間接費を予定操業度で除して求められる。つまり、予定製造間接費配賦率は、経営資源(人や機械)が操業した時間、すなわち操業度を基準に設定される。そして、直接作業時間に基づいて加工費(製造間接費配賦額)を算定する仕組みが形成された。従来の原価管理システムでは、この直接作業時間に基づく製造原価の算出が前提とされている(例えば、特許文献1、2参照)。
上記のような操業度を基にした製造間接費配賦基準は、かつての「人、機械のフル稼働」を命題とする生産システムとは矛盾なく整合していた。しかし、近年では、必要なものだけを「よどみなく流す」という流れ重視の生産が必要とされている。そのため、よどみをすべて無駄と捉えて、操業時間(直接作業時間)と滞留時間を共に重視する生産システムが構築されるようになってきた。
工程における滞留時間にも等しく製造間接費を配賦するという構想は、過去に提案されている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、多くの企業においては、依然として財務会計として定着した直接作業時間に基づく会計手法が採用されている。このため、工程におけるモノの停滞時間が原価に算入されない旧来の会計手法と、流れ重視の生産システムとのミスマッチが発生している。例えば、図15においては、直接作業時間の短いオーダーaの方がbよりも加工費が安いが、流れの観点からは、オーダーaには300分もの倉庫滞留時間があって明らかにキャッシュ損が大きいため、オーダーbの方が得であると把握される。
特開2011−198152号 特開2008−257643号
河田 信「プロダクト管理会計−生産システムと会計の新しい枠組み」中央経済社、1996年
前記のとおり、必要なものだけをよどみなく流すという「流れ創り」の生産方式が重視されるに伴い、生産システム上では停滞時間が直接作業時間と同等に扱われるようになってきた。しかし、原価管理においては、慣行化した直接作業時間基準(以下、「直接時間基準」又は「DTB」と記す。直接作業時間には機械稼働時間が含まれる。)による製造間接費配賦法が採用されている。
「流れ創り」は、小ロット化によるリードタイム短縮を命題としている。しかし、実際にリードタイム短縮を軌道に乗せるには困難な問題が存在する。リードタイム短縮を進めると、人、機械、スペース等の経営資源の余剰(ヒマ)が顕在化する。これは流れ創りの観点からは好ましい結果である場合にも、従来の原価計算のままでは会計上の損得が不明となる可能性がある。
その第1の要因として、加工費(予定製造間接費配賦額)が直接時間基準で計算されるため、停滞時間の長短が原価に反映されないことが挙げられる。小ロット化によって段取時間の個当り負担が増えた場合等には、製品原価がアップし、期間利益が減少することも珍しくない。
また第2の要因として、予定売上が達成された一方で期首予定の操業度が未達となるという現象が生じることが挙げられる。これも流れ創りの観点からは好ましい結果であるが、会計上は、原価差額(製造間接費配賦不足額)が「操業度損失」として表示されることになる。これは、予定ほど人や機械が稼働しなかった場合は損、という資源稼働中心の生産パラダイムが原価計算にも反映しているためといえる。
上記第1の要因を解決するためには、モノの流れがよどむ停滞時間も含む経過時間全体に予定製造間接費をチャージする配賦基準(以下、「リ−ドタイム基準」又は「LTB」と記す。)が求められる。そもそも、固定費(間接労務費、減価償却費、旅費交通費、交際費、通信費、地代家賃等)は、経過時間に均等にチャージする方が合理的であるとも考えられる。しかし、従来、直接作業時間の測定技術はあるが、リードタイムの測定技術は存在しなかった。
また、現行の企業会計実務においては、従来の方法に加えて新しい配賦基準を採用して併行実施する余裕はない、という実情がある。この実情に対応するには、現行方法を活用し、それを補完するように新しい配賦の枠組みを構築することが好ましい。
上記第2の要因を解決するためには、流れ創りの進化に伴う改善効果を算定することが必要である。リードタイムが短縮されることによって、人、機械、スペース等には余剰が生じる。その余剰量の測定は、潜在的な余剰を活用して受注増や内製化等を図ることにより収益を生む機会を与えることになる。流れ創りの会計的効果には、このような受注競争力の向上、ひいては売上高の増加、在庫低減を通じてのキャッシュフローの増加、結果としての中長期的利益の増加等がある。
以上のように、リ−ドタイム基準の原価計算を実施するためには、リードタイムの測定及びリードタイム基準で製造間接費の配賦を行う情報処理システムの構築が必要である。また、そのリードタイム基準の製造間接費配賦システムは、従来の原価計算を補完するように、現行システムと連携させて使用可能とすることが必要である。更に、流れ創りによる改善効果を測定可能であることが必要である。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、工程における経過時間に基づいて予定製造間接費を配賦し、且つ直接時間基準による原価計算方式と連携可能なリードタイム基準製造間接費配賦システム及びプログラムを提供することを目的とする。
1.1個又は2個以上をロットサイズとするロット毎に1又は2以上の工程により製造される1又は2以上の品目の製品について、各前記製品の製造が開始されてから終了するまでのリードタイムに基づいて製造間接費を配賦するためのリードタイム基準製造間接費配賦システムであって、別途設けられているマスタデータベースから原価情報、工程情報及び生産情報を取得するデータベースアクセス手段と、前記品目毎及び前記ロット毎に、前記製品1個当りについての平均リードタイムである個当り平均実際リードタイムを含むリードタイム基準情報を蓄積して記憶するリードタイム基準情報記憶手段と、前記データベースアクセス手段及び前記リードタイム基準情報記憶手段を用いて、リードタイムに基づいて製造間接費を配賦するための演算処理を行い、その算出値を前記リードタイム基準情報として記憶させるリードタイム基準情報処理部と、を備え、前記原価情報は、期中の予定総製造間接費と、前記予定総製造間接費及び期中の予定総正味加工時間に基づいて設定された単位時間当り製造間接費である直接時間基準予定製造間接費配賦率とを含み、前記工程情報は、前記品目毎に設定されたロットサイズである標準ロットサイズと、前記製品1個当りについて設定された正味の加工時間である個当り標準正味加工時間とを含み、前記生産情報は、設定された期中の予定総リードタイムと、前記品目毎に設定された個当り標準リードタイムと、前記品目毎及び前記ロット毎の生産の予定日時及びその実際日時とを含み、前記リードタイム基準情報処理部は、前記生産情報から前記ロットの部材が最初の前記工程に投入された実際日時を製造開始日時として取得し且つ最後の前記工程が終了した実際日時を製造終了日時として取得し、前記製造開始日時から前記製造終了日時までの時間と前記ロットサイズとに基づいて前記個当り平均実際リードタイムを算出する実際リードタイム測定手段と、前記原価情報として取得された前記予定総製造間接費を、前記生産情報として取得された前記予定総リードタイムで除した値を、リードタイム基準予定製造間接費配賦率として算出する予定製造間接費配賦率算出手段と、前記生産情報として取得された前記個当り標準リードタイムに対する、前記工程情報として取得された前記個当り標準正味加工時間の比を、個当り平均正味加工時間比率として算出する正味加工時間比率算出手段と、を備えることを特徴とするリードタイム基準製造間接費配賦システム。
2.前記リードタイム基準情報処理部は、前記原価情報として取得された前記直接時間基準予定製造間接費配賦率に、前記正味加工時間比率算出手段により算出された前記個当り平均正味加工時間比率を乗じることにより、リードタイム基準実際製造間接費配賦率を算出する実際製造間接費配賦率算出手段を備える前記1.記載のリードタイム基準製造間接費配賦システム。
3.前記リードタイム基準情報処理部は、前記実際製造間接費配賦率算出手段により算出された前記リードタイム基準実際製造間接費配賦率と、前記予定製造間接費配賦率算出手段により算出された前記リードタイム基準予定製造間接費配賦率との差に、前記生産情報として取得された前記予定総リードタイムを乗じた額を、リードタイム基準製造間接費配賦差額として算出する製造間接費配賦差額算出手段を備える前記2.記載のリードタイム基準製造間接費配賦システム。
4.1個又は2個以上をロットサイズとするロット毎に1又は2以上の工程により製造される1又は2以上の品目の製品について、各前記製品の製造が開始されてから終了するまでのリードタイムに基づいて製造間接費を配賦するためのリードタイム基準製造間接費配賦プログラムであって、別途設けられているマスタデータベースから原価情報、工程情報及び生産情報を取得するデータベースアクセス機能と、前記品目毎及び前記ロット毎に、前記製品1個当りについての平均リードタイムである個当り平均実際リードタイムを含むリードタイム基準情報を蓄積して記憶するリードタイム基準情報記憶機能と、前記データベースアクセス機能及び前記リードタイム基準情報記憶機能を用いて、リードタイムに基づいて製造間接費を配賦するための演算処理を行い、その算出値を前記リードタイム基準情報として記憶させるリードタイム基準情報処理機能と、をコンピュータに実現させ、前記原価情報は、期中の予定総製造間接費と、前記予定総製造間接費及び期中の予定総正味加工時間に基づいて設定された単位時間当り製造間接費である直接時間基準予定製造間接費配賦率とを含み、前記工程情報は、前記品目毎に設定されたロットサイズである標準ロットサイズと、前記製品1個当りについて設定された正味の加工時間である個当り標準正味加工時間とを含み、前記生産情報は、設定された期中の予定総リードタイムと、前記品目毎に設定された個当り標準リードタイムと、前記品目毎及び前記ロット毎の生産の予定日時及びその実際日時とを含み、前記リードタイム基準情報処理機能は、前記生産情報から前記ロットの部材が最初の前記工程に投入された実際日時を製造開始日時として取得し且つ最後の前記工程が終了した実際日時を製造終了日時として取得し、前記製造開始日時から前記製造終了日時までの時間と前記ロットサイズとに基づいて前記個当り平均実際リードタイムを算出する実際リードタイム測定機能と、前記原価情報として取得された前記予定総製造間接費を、前記生産情報として取得された前記予定総リードタイムで除した値を、リードタイム基準予定製造間接費配賦率として算出する予定製造間接費配賦率算出機能と、前記生産情報として取得された前記個当り標準リードタイムに対する、前記工程情報として取得された前記個当り標準正味加工時間の比を、個当り平均正味加工時間比率として算出する正味加工時間比率算出機能と、を備えることを特徴とするリードタイム基準製造間接費配賦プログラム。
5.前記リードタイム基準情報処理機能は、前記原価情報として取得された前記直接時間基準予定製造間接費配賦率に、前記正味加工時間比率算出機能により算出された前記個当り平均正味加工時間比率を乗じることにより、リードタイム基準実際製造間接費配賦率を算出する実際製造間接費配賦率算出機能を備える前記4.記載のリードタイム基準製造間接費配賦プログラム。
6.前記リードタイム基準情報処理機能は、前記実際製造間接費配賦率算出機能により算出された前記リードタイム基準実際製造間接費配賦率と、前記予定製造間接費配賦率算出機能により算出された前記リードタイム基準予定製造間接費配賦率との差に、前記生産情報として取得された前記予定総リードタイムを乗じた額を、リードタイム基準製造間接費配賦差額として算出する製造間接費配賦差額算出機能を備える前記5.記載のリードタイム基準製造間接費配賦プログラム。
本リードタイム基準製造間接費配賦システムによれば、マスタデータベースから原価情報、工程情報及び生産情報を取得するデータベースアクセス手段と、個当り平均実際リードタイムを含むリードタイム基準情報を蓄積して記憶するリードタイム基準情報記憶手段と、リードタイムに基づいて製造間接費を配賦するための演算処理を行い、その算出値を前記リードタイム基準情報として記憶させるリードタイム基準情報処理部と、を備え、前記リードタイム基準情報処理部は、前記生産情報から製造開始日時及び製造終了日時を取得して、前記個当り平均実際リードタイムを算出する実際リードタイム測定手段と、前記原価情報として取得された予定総製造間接費を前記生産情報として取得された予定総リードタイムで除した値をリードタイム基準予定製造間接費配賦率として算出する予定製造間接費配賦率算出手段と、前記生産情報として取得された個当り標準リードタイムに対する、前記工程情報として取得された前記個当り標準正味加工時間の比を、個当り平均正味加工時間比率として算出する正味加工時間比率算出手段と、を備えるため、ロット毎の実際の工程の経過時間に基づいて、個当り平均実際リードタイムを測定することができる。また、リードタイムに基づいて算定される個当り平均正味加工時間比率は、工程における物の停留時間を含むリードタイムに対する正味加工時間の比であるから、「流れ創り」における「よどみ」の程度を示す指標となる。そして、この個当り平均リードタイムと個当り平均正味加工時間比率の測定によって、リードタイム基準による製造間接費の配賦が可能になる。また、これらの指標は「個当り平均」として算出されるので、「流れ創り」の命題である小ロット化によるリードタイム短縮を評価するための最適な指標とすることができる。
前記リードタイム基準情報処理部は、前記原価情報として取得された前記直接時間基準予定製造間接費配賦率に、前記正味加工時間比率算出手段により算出された前記個当り平均正味加工時間比率を乗じることにより、リードタイム基準実際製造間接費配賦率を算出する実際製造間接費配賦率算出手段を備える場合には、従来の直接時間基準による予定製造間接費配賦率に個当り平均正味加工時間比率を乗じるのみで、リードタイム基準の実際製造間接費配賦率を生成することができる。これによって、個当り平均正味加工時間比率を媒介として、直接時間基準の配賦率をリードタイム基準に自動的に変換することができ、現行の原価算定方式と連携させて使用することが可能となる。
また、前記リードタイム基準情報処理部は、前記リードタイム基準実際製造間接費配賦率と、前記リードタイム基準予定製造間接費配賦率との差に、前記生産情報として取得された前記予定総リードタイムを乗じた額を、リードタイム基準製造間接費配賦差額として算出する製造間接費配賦差額算出手段を備える場合には、リードタイム短縮によって生じた人、機械、スペース等の余剰の程度を、リードタイム基準製造間接費配賦差額によって知ることができる。システム使用者は、リードタイム基準製造間接費配賦差額の発生を、受注増や内製化により収益につなげる機会とすることが可能になる。これによって、本リードタイム基準製造間接費配賦システムは、リードタイム短縮効果を可視化し、「流れ創り」の改善をサポートすることができる。
本発明のリードタイム基準製造間接費配賦プログラムによれば、前記リードタイム基準製造間接費配賦システムに好適な機能をコンピュータ上に実現することができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の構成部分を示す。
製造の工程を構成する要素とリードタイムを説明するための図である。 直接時間基準とリードタイム基準による製造間接費の予定配賦率の算出方法を示す図である。 リードタイム基準製造間接費配賦システムの構成を表すブロック図である。 個当り平均実際リードタイムの測定を説明するための図である。 リードタイム基準予定製造間接費配賦率及び配賦額の算出方法を示す図である。 個当り平均正味加工時間比率の算出方法を示す図である。 リードタイム基準実際製造間接費配賦率の算出方法を示す図である。 リードタイム基準製造間接費配賦差額の算出方法を示す図である。 リードタイム基準製造間接費配賦差額の個別算出方法を示す図である。 期中におけるリードタイム短縮による各指標の変化を説明するための表である。 小ロット化による個当り平均正味加工時間比率の改善を説明するための表である。 期中における小ロット化による各指標の変化を説明するための表である。 個当り標準リードタイム及び個当り標準正味加工時間比率の算出方法を示す図である。 リードタイム基準製造間接費配賦システムにより、日々の実績及びトレンド情報として提示される基本データの例を表した表である。 製造の工程と従来の原価算定方法を要素別に分解して説明するための表である。
以下、図を参照しながら、本発明を詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本発明のリードタイム基準製造間接費配賦システムは、ロット毎に1又は2以上の工程により製造される製品について、測定されたリードタイムに基づいて製造間接費を配賦するためのシステムである。
前記「製品」は最終製品に限らず、中間製品や部品であってもよい。
図1は、製品(品目番号:yy)をロット単位(ロット番号:zz、ロットサイズ:n個)で製造する場合の流れを模式的に表した図である。まず、部材在庫に置かれていた部品及び原材料(部材)が、ロット番号の表示された収容箱に入れられて最初の工程91に投入される。そして、対象物は複数の工程を経て、最後の工程9xを終了した完成品(製品)が製品倉庫に出庫される。対象物はロット番号が付された収容箱と共に工程間を移動するので、ロット番号の読取装置により各工程の通過時点をリアルタイムに把握することができる。
上記工程の内容は問わず、例えば、切削工程、溶接工程、熱処理工程、組立工程等が挙げられる。実際の工程においては、同時に複数の品目の製品が混在して流れ得る。また、各工程には外注品や部品等が供給される場合もある。本発明においては、図示されているように、1つのロットの部材が最初の工程に投入されてから最後の工程が終了する(完成品が出庫される)までの時間を、「リードタイム」と呼んでいる。リードタイムは、個別工程毎に設定・測定することもできる。
各工程においては、正味の加工時間(段取及び加工に要する時間)以外に、加工待ち(仕掛待ち及びロット待ち)、運搬待ち、運搬等の滞留時間が生じる。
「仕掛待ち」は、異品目、異ロットの原材料を一括して工場に投入する場合や、複数ロットをまとめて熱処理炉に入れる場合のように、別ロットの加工が済むまで又は別ロットが到来するまで、当該ロットの全数が待たされる工程間停滞時間である。このような場合には複数ロット間で待ち時間が異なるので、複数ロットの計測値を平均することによって、1個当りの平均仕掛待ち時間を算定することができる。
「ロット待ち」は、1つのロット内の順序によって異なる加工待ち時間である。1つのロットの1個目は加工待ち時間が最長となり、最終個目は加工待ち時間が最短となる。一方、加工完了後の「運搬待ち」時間は、ロットの1個目が最長で、最終個目が最短となる。ロット待ち及び運搬待ちは、いずれも{1個当りの待ち時間=(1個目の待ち時間+最終個目の待ち時間)/2}となり、ロット待ちと運搬待ちとは順序が逆転して1個当りの時間の差は相殺される。よって、ロット待ちと運搬待ちとを合わせて、個単位の平均待ち時間を算定することができる。
1つの工程から次の工程への距離が長い場合には「運搬」時間を要する。この運搬時間は、1回でまとめて運べば全数同じとなり、数回に分けての運搬であれば、その単位毎に運搬時間を設定・測定することができる。いずれの運搬方法によるかは標準設定時に生産技術者が指定することができるので、運搬時間についても1個当りの平均時間を算定可能である。
以上のように、仕掛待ち、ロット待ち、運搬待ち、運搬の各時間及びそれらの合計時間は、製品1個毎の平均時間として設定及び算定可能である。これらの待ち時間と正味加工時間(段取を含む。以下同様。)との合計を、製品1個当りについて平均した値を「個当り平均リードタイム」と呼ぶ。実際の個当り平均リードタイム(個当り平均実際リードタイム)の測定方法は、1個当りのリードタイムの平均値を求めることができる限り、特に限定されない。例えば、個当り平均実際リードタイムは、1つのロットについて、最初の工程に部材が投入された日時から、最後の工程を終了して完成品が出庫される日時までの時間として求めることができる。また、製品やその流れ方によっては、1個毎のリードタイムを測定して平均値を求める等してもよい。
なお、実際にロットの一部が、工程途中で不良・手直しその他の理由で分離される場合には、親子関係がわかる品番を付し、親品番のロット全数が完了した時点をもって当該ロットの完了日時とすることができる。このようにすれば、途中の工程でロットサイズが変更されても、ロット毎の個当り平均実際リードタイムを算出することが可能である。
図1に示した工程の構成要素のうち、従来は、段取と正味作業からなる「正味加工時間」(直接作業時間)のみが、加工費又は組立費として製造原価に算入されている。このため、製造間接費は、経営資源(人や機械)が操業した時間である正味加工時間(操業度)に基づいて配賦されることになる。したがって、従来、物の流れからみた停滞時間(仕掛待ち、ロット待ち、運搬待ち、運搬、倉庫での滞留時間等)は、製造原価に算入されてこなかった。
図2は、従来と本発明における製造間接費の予定配賦率の設定方法を示している。「予定総製造間接費」は当期において予定される製造間接費の総量であり、「予定総正味加工時間」(予定操業度)は当期において予定される正味加工時間の総量である。そこで、従来の会計においては、同図(a)に示すように、予定総製造間接費の指図書への配賦は、予定総正味加工時間を基準として計算される「直接時間基準予定製造間接費配賦率」により設定されている(例えば、予定総製造間接費が10億円、予定総正味加工時間が10万時間の場合、予定製造間接費配賦率は10,000円となる。)。
同図(b)は、本発明におけるリードタイムを基準として予定総製造間接費を指図書へ配賦するための「リードタイム基準予定製造間接費配賦率」を示している。「予定総リードタイム」は、当期において予定されるリードタイムの総量である。例えば、予定総製造間接費が10億円、予定総リードタイムが1,000万時間の場合、リードタイム基準予定製造間接費配賦率は100円となる。予定総リードタイムは、当期において予定される生産品目別のリードタイムの総計である。
1.リードタイム基準製造間接費配賦システムの構成及び機能
本リードタイム基準製造間接費配賦システムは、1個又は2個以上をロットサイズとするロット毎に1又は2以上の工程により製造される1又は2以上の品目の製品について、各製品の製造が開始されてから終了するまでのリードタイムに基づいて製造間接費を配賦するためのリードタイム基準製造間接費配賦システムである。
本発明は、個別の管理会計システム又はプログラムとして構成することができるが、一般的な生産管理システム(MRP、Materials Requirements Planning)や、調達、製造、在庫管理、販売、会計等、企業業務を統一的に管理するERP(Enterprise Resource Planning)等において、リードタイム基準の情報を付加するものとして適用することができる。すなわち、本リードタイム基準製造間接費配賦システム又はプログラムの全部又は一部は、MRPやERPの一部として構成することができる。
図3は、本実施形態に係るリードタイム基準製造間接費配賦システムの構成を表している。本実施形態においては、リードタイム基準製造間接費配賦システム(1)は、別途に又は統合して設けられているマスタデータベース(7)と接続されている。マスタデータベース7の区分や構成は特に限定されず、例えば、原価マスタ(71)、工程マスタ(73)及び生産マスタ(75)等から構成されている。また、それらとリードタイム基準製造間接費配賦システム1との具体的な接続方法や相互間のデータ連係方法も特に限定されない。
マスタデータベース7は、一般に原価管理に必要な基本データを収めた原価マスタ71を含む。原価マスタ71の内容や形式、データ構造等は問わない。リードタイム基準製造間接費配賦システム1は、原価マスタ71に格納されている予定総製造間接費、予定総正味加工時間、予定製造間接費配賦率(DTB)等の情報を原価情報として取得可能に構成されている。この他、原価マスタ71に、期中に生じた実際総製造間接費、実際総正味加工時間等のデータが蓄積される場合には、リードタイム基準製造間接費配賦システム1は、これらのデータを原価情報として取得可能に構成することができる。
予定総製造間接費、予定総正味加工時間等は、会計上は所定期間(期)毎に予め設定されるが、生産マスタ75と本リードタイム基準製造間接費配賦システム1との連携により、予定値及び実際値の期中における更新が可能となる。
また、マスタデータベース7は、一般に品目毎の製造工程に関する基本(標準)データを収めた工程マスタ73を含む。工程マスタ73の内容や形式、データ構造等は問わない。リードタイム基準製造間接費配賦システム1は、工程マスタ73に格納されている品目毎に設定されたロットサイズである標準ロットサイズ、製品1個当りについて設定された正味の加工時間である個当り標準正味加工時間、工程毎の標準段取時間等を含む情報を、工程情報として取得可能に構成されている。これらの情報は、一般に製品の設計や生産技術等に基づいて予め設定される。また、本リードタイム基準製造間接費配賦システム1により生成されたリードタイム基準情報により、期中における更新が可能となる。
更に、マスタデータベース7は、一般に生産管理に関する基本データを収めた生産マスタ75を含む。生産マスタ75の内容や形式、構造等は問わない。リードタイム基準製造間接費配賦システム1は、生産マスタ75に格納されている品目毎、工程毎の生産計画や生産実績に関するデータを、生産情報(生産計画情報)として取得可能に構成されている。生産情報として、例えば、品目別及び工程別に計画された生産の予定(予定日時等)や、生産の実績(実際日時等)のデータが挙げられる。また、生産情報には、前記品目毎に設定されたリードタイムである個当り標準リードタイムを含む。更に、生産情報には、当期の生産計画から設定される生産能力として、予定総リードタイムを含むことができる。
リードタイム基準製造間接費配賦システム1は、前記マスタデータベース7に対してアクセスするデータベースアクセス手段(5)を備え、マスタデータベース7に対してデータの読出し及び書き込み可能に構成することができる。データベースアクセス手段5は、例えば、前記原価情報を取得する原価マスタアクセス手段(51)、前記工程情報を取得する工程マスタアクセス手段(53)、前記生産情報を取得する生産マスタアクセス手段(55)等から構成することができる。
また、リードタイム基準製造間接費配賦システム1は、自己で行う処理のために、また自己が算出したリードタイム基準情報を蓄積して記憶するために、リードタイム基準情報記憶手段(4)を備える。リードタイム基準情報としては、例えば、品目毎に、製品1個当りについて設定されたリードタイムである個当り(平均)標準リードタイム、製品1個当りについて実際に測定されたリードタイムの平均値である個当り平均実際リードタイム、個当り平均(標準又は実際)リードタイムに対する前記個当り標準正味加工時間の比である個当り平均(標準又は実際)正味加工時間比率等が挙げられる。この他、リードタイム基準情報として、リードタイムに基づく諸情報(予定製造間接費配賦率、予定製造間接費配賦額、実際製造間接費配賦率、実際製造間接費配賦額等)を含むことができる。更に、リードタイム基準情報記憶手段4には、任意の情報を格納するようにすることができる。リードタイム基準情報記憶手段4におけるデータ構造等は特に限定されない。なお、個当り標準リードタイム、個当り標準正味加工時間比率等は、工程情報及び生産情報から生成可能であるため、工程マスタ73や生産マスタ75に格納されてもよい。その他、リードタイム基準情報は、前記マスタデータベース7に格納されるように構成されてもよい。
更に、リードタイム基準製造間接費配賦システム1は、前記データベースアクセス手段5(原価マスタアクセス手段51、工程マスタアクセス手段53、生産マスタアクセス手段55)及び前記リードタイム基準情報記憶手段4を用いて、製品のリードタイムに基づいて製造間接費を配賦するための演算処理を行い、その算出値を前記リードタイム基準情報として記憶させるリードタイム基準情報処理部(2)を備える。
リードタイム基準製造間接費配賦システム1は、その種類や規模を問わず一般的なコンピュータを用いて構成することができる。また、前記のとおり、リードタイム基準製造間接費配賦システム1、原価マスタ71、工程マスタ73、生産マスタ75等の各相互関係は特に限定されない。それらは各個別のコンピュータシステムとして構成されてもよいし、統合的な1又は2以上のコンピュータシステムとして構築されてもよい。
前記リードタイム基準情報処理部2は、実際リードタイム測定手段(21)と、予定製造間接費配賦率算出手段(22)と、正味加工時間比率算出手段(23)と、を備えて構成されている。また、リードタイム基準情報処理部2には、実際製造間接費配賦率算出手段(25)、製造間接費配賦差額算出手段(26)を備えることができる。
これらの手段はロット毎の測定を基本として、リードタイム基準情報(個当り平均実際リードタイム、予定製造間接費配賦率、個当り平均正味加工時間比率、製造間接費配賦差額等)を生成し、生成されたデータは品目及び工程と関連付けてリードタイム基準情報記憶手段4に蓄積して記憶される。リードタイム基準情報は、後述するように「流れ創り」の改善の程度を評価するための指標となる。
以下、上記各手段について具体的に説明する。
(実際リードタイム測定手段)
実際リードタイム測定手段21は、前記生産情報からロットの部材が最初の工程に投入された実際日時を製造開始日時として取得し且つ最後の工程が終了した実際日時を製造終了日時として取得し、その製造開始日時から製造終了日時までの時間を個当り平均実際リードタイムとして算出するように構成されている。算出した前記個当り平均実際リードタイムは、製品の品目と関連付けて前記リードタイム基準情報としてリードタイム基準情報記憶手段4に記憶させるように構成されている。
個当り平均実際リードタイムは、リードタイム基準情報記憶手段4に蓄積される標準正味加工時間比率の精度検証や、生産マスタ75による標準値の検証・更新のために必要とされる。
図3に表されているように、対象物は部材の段階から製品の段階までロット番号の付された収容箱に収められて工程9間を移動する。各工程の通過時刻を含む情報は読取装置85(例えば、認識機能を有する二次元コード読取装置、RFID読取装置等)によって取得され、一般には生産管理システムに送られて記憶される。実際リードタイム測定手段21が実際日時を取得する方法は問わず、例えば、生産管理システム(生産マスタ75)から製造開始日時及び製造終了日時を取得するように構成することができる。
図4は、標準ロットサイズ等が定められた品番yy、ロット番号zzの製品の製造工程における経過時間を示した表である。同図(b)のように当該ロットの製造開始日時から製造終了日時までの時間を実測することによって、(c)に示す個当り平均実際リードタイム(1,672分)を算定している。実際リードタイムの測定は、生産開始前に設定された標準リードタイムの精度を検証するために、標準リードタイムの設定方法と同じ要領で行うようにすることができる。
本例においては、標準段取時間(30分)を標準ロットサイズ(20個)で除することによって個当り段取時間(1.5分)とし、正味加工時間として個当り標準正味加工時間(10分)を採用している。個当り平均実際リードタイム及び個当り正味加工時間の算定方法については、以下の例においても同様とする。
(予定製造間接費配賦率算出手段)
予定製造間接費配賦率算出手段22は、前記原価情報として取得された前記予定総製造間接費を、前記生産情報として取得された前記予定総リードタイムで除した値を、リードタイム基準予定製造間接費配賦率として算出するように構成されている。
なお、リードタイム基準予定製造間接費配賦率は、マスタデータベース7内のデータから算出可能であるが、原価情報として取得される直接時間基準予定製造間接費配賦率に、期中において算出された(リードタイム基準情報記憶手段4に記憶されている)個当り平均正味加工時間比率を乗じることによって、期中においても(例えば、毎月)リードタイム基準予定製造間接費配賦率の更新が可能である。
また、期中において算出された(リードタイム基準情報記憶手段4に記憶されている)個当り平均実際リードタイムに、上記リードタイム基準予定製造間接費配賦率を乗ずることにより、製品1個当りのリードタイム基準製造間接費配賦額を算出することができる。
図5に、予定製造間接費配賦率算出手段22の処理を例示する。同図(a)に示すように、予定総製造間接費が10億円、予定総リードタイムが1,000万時間である場合には、リードタイム基準予定製造間接費配賦率は100円/時間(1.67円/分)となる。また、同図(b)に示すように、個当り平均実際リードタイムが1,672分であれば、当該ロットの製品のリードタイム基準予定製造間接費配賦額は、1,672分×1.67円=2,792円と算出される。前記のとおりリードタイム基準予定製造間接費配賦率は期中において更新可能であるので、期中におけるリードタイム基準予定製造間接費配賦額の変化もまた知ることができる。
(正味加工時間比率算出手段)
正味加工時間比率算出手段23は、前記生産情報として取得された個当り標準リードタイムに対する、前記工程情報として取得された個当り標準正味加工時間の比を、個当り平均正味加工時間比率(NCTR、Net Conversion Time Rate)として算出するように構成されている。
図6に、正味加工時間比率算出手段23の処理を示す。同図(a)のとおり、個当り平均正味加工時間比率(予定NCTR)は、個当り標準正味加工時間を個当り標準リードタイムで除することによって求められる。
また、期中においてリードタイムが短縮された場合、同図(b)のように、個当り標準正味加工時間を個当り平均実際リードタイムで除することによって、改善された個当り平均正味加工時間比率(実際NCTR)を求めることができる。リードタイム短縮によって実際NCTRの値は予定NCTRより大きくなる。実際NCTRは、日々算定することが可能である。図4に示した例では、個当り平均実際リードタイムは1,672分であり、個当り標準正味加工時間{(標準段取時間/ロットサイズ)+標準正味加工時間}は11.5分であるので、実際NCTR=0.0069となる。本リードタイム基準製造間接費配賦システムの運用においては、実測された個当り平均実際リードタイムに基づいて、個当り標準リードタイムを適宜更新するようにすることができる。それによって、予定NCTRは更新されることになる。
前記実際リードタイム測定手段21によって、個当り平均実際リードタイムの測定が可能になる。そして、正味加工時間比率算出手段23によって、個当り平均正味加工時間比率の測定が可能になる。この個当り平均正味加工時間比率は流れ創りの鍵となる指標であり(後述)、ロット毎の測定値を基にして、品目別、工程別に把握可能にされる。工程別個当り平均正味加工時間比率は、工程情報として工程マスタ73に格納するように構成することができる。
(実際製造間接費配賦率算出手段)
実際製造間接費配賦率算出手段25は、前記原価情報として取得された予定総製造間接費と予定総正味加工時間とに基づいて求められる直接時間基準の単位時間当り製造間接費である直接時間基準予定製造間接費配賦率に、正味加工時間比率算出手段23により算出された個当り平均正味加工時間比率(NCTR)を乗じることにより、リードタイム基準実際製造間接費配賦率を算出するように構成されている。
図7に、実際製造間接費配賦率算出手段25の処理を示す。図2により説明したように、従来会計において、予定総製造間接費は、予定総正味加工時間に基づいて算定される直接時間基準予定製造間接費配賦率により配賦される(図7(a))。例えば、予定総製造間接費が10億円、予定総正味加工時間が10万時間の場合、直接時間基準予定製造間接費配賦率は10,000円となる。
図7(b)の演算は、その直接時間基準予定製造間接費配賦率に前記個当り平均正味加工時間比率(NCTR)を乗じることによって、リードタイム基準実際製造間接費配賦率とすることを示している。例えば、NCTRが0.0069である場合(図6参照)、リードタイム基準実際製造間接費配賦率は69円(/時間)となる。
上記の個当り標準正味加工時間は、従来の直接時間基準配賦で用いられている正味加工時間(直接作業時間)そのものであり、且つ直接時間基準予定製造間接費配賦率は現在実務で浸透している配賦基準の根拠となる。そして、個当り平均正味加工時間比率によって、製造間接費配賦率は従来の直接時間基準からリードタイム基準に変換される。すなわち、個当り平均正味加工時間比率を媒介として、直接時間基準の予定製造間接費配賦率をリードタイム基準の製造間接費配賦率に自動的に変換することが可能になる。
(製造間接費配賦差額算出手段)
製造間接費配賦差額算出手段26は、実際製造間接費配賦率算出手段25により算出されたリードタイム基準実際製造間接費配賦率と、予定製造間接費配賦率算出手段22により算出されたリードタイム基準予定製造間接費配賦率との差に、前記生産情報として取得された前記予定総リードタイムを乗じた額を、リードタイム基準製造間接費配賦差額として算出するように構成されている。
図8に、製造間接費配賦差額算出手段26の処理を示す。本例では、先に求められたリードタイム基準予定製造間接費配賦率は100円であり(図5(a)参照)、リードタイム基準実際製造間接費配賦率は69円であるので(図7(b))、当期の予定総リードタイムが10万時間である場合、リードタイム基準製造間接費配賦差額は−310万円となる。この値がマイナスとなっているのは配賦不足額を表すためである。
上記リードタイム基準製造間接費配賦差額は、売上を一定とする条件の下で、工程の流れ改善により作り出された資源余剰によって、付加価値を増す機会が発生したもの(機会収益)と考えることができる(詳しくは後述)。
上記配賦差額は、個当り加工費(個別製造間接費配賦額)に基づいて算定されてもよい。例えば、所定期間当初(期首)の個当り平均実際リードタイムに基づいて算出されたリードタイム基準予定製造間接費配賦額と、当該期中における改善後の個当り平均実際リードタイムに基づいて算出されたリードタイム基準製造間接費配賦額との差を、リードタイム基準個別製造間接費配賦差額として算出する個別製造間接費配賦差額算出手段(261)を備えることができる。
例えば、図12に示すように、リードタイム基準により、期首に予定製造間接費配賦率iが2.29円と設定され、個当り平均実際リードタイムjが1,672分であった場合、期首における個別予定製造間接費配賦額nは約3,833円(n=i×j)と算定される。当期の期中(1)において標準ロットサイズd及び標準段取時間eが更新され、個当り平均実際リードタイムjが837分に改善された場合、改善後の個別製造間接費配賦額pは1,920円(p=i×j)となる。
図9は、上記の場合について、個当り加工費(個別製造間接費配賦額)の差額を求める例を示している。同図(a)に示す計算により、期首における個別製造間接費配賦額A(=期首の個当り平均実際リードタイム×LTB予定製造間接費配賦率)が求められる。同図(b)に示す計算により、期中(1)において改善された個別製造間接費配賦額B(=期中の個当り平均実際リードタイム×LTB予定製造間接費配賦率)が求められる。そして、同図(c)に示す計算により、期中(1)と期首との個別製造間接費配賦額の差(B−A)を、LTB個別製造間接費配賦差額(配賦不足額)として求めている。これによって、品目別の流れ改善の効果を定量化することが可能になる。
リードタイム基準情報処理部2は、ロット毎及び個当りのデータ処理を基本としている。それを基にして、リードタイム基準情報処理部2は、品目毎、工程毎、製造部門毎、期間毎等のリードタイム基準情報を生成するように構成することができる。また、リードタイムに基づく各データやその変化を示す情報を、日、週、月、期等、任意の期間について生成するように構成することができる。そのために、リードタイム基準情報処理部2は、各手段により生成されたデータやリードタイム基準情報記憶手段4に蓄積されたデータを、適宜加工することが可能であるように構成される。
(リードタイム基準情報出力手段)
更に、リードタイム基準情報処理部2には、リードタイム基準情報出力手段(29)を備えることができる。リードタイム基準情報出力手段29は、各上記手段により算出され、リードタイム基準情報記憶手段4に記憶されているデータやその値の推移等の情報を、システム使用者に提示(図14参照)したり別のシステムに出力したりするための手段である。具体的な項目や出力方法等は問わない。
以上に説明したリードタイム基準製造間接費配賦システム1に好適な機能をコンピュータ上に実現するプログラムとして、リードタイム基準製造間接費配賦プログラムを構成することができる。すなわち、1個又は2個以上をロットサイズとするロット毎に1又は2以上の工程により製造される1又は2以上の品目の製品について、各製品の製造が開始されてから終了するまでのリードタイムに基づいて製造間接費を配賦するためのリードタイム基準製造間接費配賦プログラムであって、別途設けられているマスタデータベースから原価情報、工程情報及び生産情報を取得するデータベースアクセス機能と、前記品目毎及び前記ロット毎に、前記製品1個当りについての平均リードタイムである個当り平均実際リードタイムを含むリードタイム基準情報を蓄積して記憶するリードタイム基準情報記憶機能と、前記データベースアクセス機能及び前記リードタイム基準情報記憶機能を用いて、リードタイムに基づいて製造間接費を配賦するための演算処理を行い、その算出値を前記リードタイム基準情報として記憶させるリードタイム基準情報処理機能と、をコンピュータに実現させる。
そして、前記リードタイム基準情報処理機能は、前記実際リードタイム測定手段21による機能を実現させる実際リードタイム測定機能と、前記予定製造間接費配賦率算出手段22による機能を実現させる予定製造間接費配賦率算出機能と、前記正味加工時間比率算出手段23による機能を実現させる正味加工時間比率算出機能と、を備える。
また、前記リードタイム基準情報処理機能は、前記実際製造間接費配賦率算出手段25による機能を実現させる実際製造間接費配賦率算出機能、前記製造間接費配賦差額算出手段26による機能を実現させる製造間接費配賦差額算出機能、を備えることができる。また、前記個別製造間接費配賦差額算出手段261による機能を実現させる個別製造間接費配賦差額算出機能を備えることができる。
2.リードタイム基準製造間接費配賦システムの効果
(1)実際リードタイムの測定と可視化
リードタイム基準製造間接費配賦システム1は、前記のとおり「個当り平均実際リードタイム」を測定する。これによって、リードタイム基準製造間接費配賦システム1はリードタイムを可視化させることが可能になる。
(2)現行原価計算基準上で「よどみのない流れ創り」を可視化
図10は、期中において小ロット化を図った場合の、リードタイムに基づく各指標の変化をシミュレーションした表である。従来の直接時間基準(DTB)により、当期の予定総製造間接費a、予定総正味加工時間b等は期首において予定され、DTB予定製造間接費配賦率eは10,000円と設定されている。一方、リードタイム基準(LTB)により、予定総リードタイムhに基づいて当期のLTB予定製造間接費配賦率iは25円と設定されている。また、個当り標準正味加工時間d(ここでは個当り標準段取時間を含む。)は、1時間とされている。
期首において測定された個当り平均実際リードタイムjは400時間であった。そうすると、期首の段階で、LTB個当り予定製造間接費配賦額(n=j×i)は10,000円、個当り平均実際正味加工時間比率(k=d/j)は、0.0025と算定される。よって、単位リードタイム当りのLTB実際製造間接費配賦率(m=e×k)は25円となる。
次に、期中の段階(期中(1))において測定された個当り平均実際リードタイムjは200時間に短縮された。そうすると、この段階で、LTB個当り予定製造間接費配賦額(n=j×i)は5,000円、個当り平均実際正味加工時間比率(k=d/j)は0.005となる。よって、LTB実際製造間接費配賦率(m=e×k)は50円、単位時間当りの製造間接費配賦差額(q=m−i)は25円と算出される。
更に次の段階(期中(2))において測定された個当り平均実際リードタイムjは100時間に短縮された。そうすると、この段階で、LTB個当り予定製造間接費配賦額(n=j×i)は2,500円、個当り平均実際正味加工時間比率(k=d/j)は0.010となる。よって、LTB実際製造間接費配賦率(m=e×k)は100円、単位時間当りの製造間接費配賦差額(q=m−i)は75円と算出される。
以上の結果は、リードタイムを短縮する効果を示している。従来の直接作業時間基準による製造間接費の予定配賦額eは、正味加工時間dが不変(1時間)であるため、終始10,000円で変わらない。つまり、従来基準ではリードタイム短縮効果を評価することはできない。
しかし、実際リードタイムjは、期首の400時間から期中(2)の100時間まで、1/4に短縮されている。リードタイムの短縮は「よどみのない流れ創り」につながるので、これを会計的に可視化することには、ものづくり側からの強いニーズがある。
リードタイムの短縮効果を含む生産性を端的に表す指標は、個当り平均正味加工時間比率(NCTR)である。本例において、個当り平均実際リードタイムjに対する個当り正味加工時間dの比である個当り平均実際正味加工時間比率kは、期首の0.0025から期中(2)の0.010まで、4倍に上昇している。そして、期中(2)において、個当り平均正味加工時間比率kを用いて算出されるLTB実際製造間接費配賦率mは期首の4倍(400%)に上昇し、単位時間当り75円の製造間接費配賦差額qを生み出すこととなる。
このように、実際正味加工時間比率は、「よどみのない流れ創り」における生産性(すなわち「よどみの程度」)の尺度とすることができる。
本例においては、期中の2度のリードタイム短縮で、リードタイムに基づく予定製造間接費配賦額nは、10,000円から2,500円にまで下降している。この差額の7,500円は、現場の流れ創りの改善の会計効果を表す。より正確には、期中(2)におけるLTB実際製造間接費配賦率(m)100円とLTB予定製造間接費配賦率(i)25円との差額である製造間接費配賦差額(q)75円が、リードタイム短縮による会計効果であるということができる。なお、ここでいう製造間接費配賦差額は、予定総リードタイムを乗じていない。
本例を極限にまで進めて、「よどみ」がゼロとなる状態(すなわち個当り平均実際リードタイムjが1時間となる)とすれば、個当り平均実際正味加工時間比率kは1となる。このとき、LTB予定製造間接費配賦額nは25円、LTB実際製造間接費配賦率mは10,000円となるので、LTB実際製造間接費配賦率mは直接作業時間基準の配賦率cと一致する。
このように、「流れ創り」の効果を表すリードタイム基準の製造間接費配賦法は、従来の直接作業時間基準の配賦率の算定を前提として成立する。すなわち、リードタイム基準製造間接費配賦法は、従来の全部原価計算法を否定するものではなく、その枠組みの内で構築される点に特徴がある。個当り平均正味加工時間比率は、従来の直接作業時間基準配賦率をリードタイム基準に変換するパラメータである。これによって、現行原価計算基準に従いながら、従来の直接作業時間基準とリードタイム基準の両者を有機的に使いこなすことが可能になる。
なお、個当り平均実際リードタイムjとLTB実際製造間接費配賦率mを乗じて算出される個当りLTB実際製造間接費配賦額pは、期中(2)においても期首と同じ10,000円となる。これは、従来基準によって算出される製造間接費の予定配賦額eと一致し、会計の従来基準(DTB)とリードタイム基準(LTB)とは整合性を有する。
(3)小ロット化による流れ改善の可視化
所謂「ジャストインタイム生産」における流れ創りは、ロットサイズを小さくするほど「よどみの程度」は小さく、物流の速度は早くなり、究極的にロットサイズ1個のときが「よどみの程度」は最少、物流は最速となることを前提としている。このため、生産プロセスの不断の小ロット化を促すことが必要となる。
図11は、製造の小ロット化を図るモデルをシミュレーションした表である。前記のとおり、個当り平均正味加工時間比率は「よどみのない流れ創り」を評価する指標となる。
同図(a)は、初期に製品のロットサイズが20個であるときの工程の経過時間を表している。本例において、製品の部材投入から完成品の運搬終了までに要した時間から、個当り実際リードタイムは1,672分となる。そのうち正味加工時間は11.5分{=(標準段取時間30分/標準ロットサイズ20個)+標準作業時間10分}である。したがって、個当り平均実際正味加工時間比率は0.007と算出される。
同図(b)は、流れの改善によって、製品のロットサイズを1/4の5個に減らすことができたときのリードタイムの変化を表している。ロットサイズを小さくすることにより、仕掛待ち、ロット待ち、運搬待ち等の停滞時間は大幅に短縮され、個当り実際リードタイムを422分にまで減らすことができる。そのうち正味加工時間は12分{=(標準段取時間10分/5個)+標準作業時間10分}であるから、個当り平均実際正味加工時間比率は4倍の0.028に上昇する。これは、流れ改善により小ロット化を図ったときの生産性が400%向上したことを示す。
なお、上記(b)の条件において、更に「仕掛待ち」だけを減らすことによって、個当り実際リードタイムは大幅に減らすことができる。例えば、「仕掛待ち」を360分から180分に半減させれば、個当り実際リードタイムは242分、個当り平均実際正味加工時間比率は0.050に上昇する。「仕掛待ち」を減らすことは、MRPシステムのタイムバケットの圧縮(週毎から日毎へ)や、生産計画の設定条件(パラメータ)の変更(材料投入時点、工程間停滞時間)等の非製造部門の工夫によっても実現し得る。
同図(c)は、更なる流れの改善によって、製品のロットサイズを1個にまで減らすことができたときのリードタイムを表している。このような所謂「1個流し」とすることができれば、工程における停滞時間をほぼゼロとすることができるので、個当り実際リードタイムを15分にまで短縮することができる。正味加工時間は15分(=標準段取時間5分+標準作業時間10分)であるから、個当り平均実際正味加工時間比率は1.000となる。これは、流れ改善により「1個流し」としたときの究極的な生産性を示す数値である。
一方、従来の直接時間基準に従うと、個当り正味加工時間は上記(a)では11.5分、(b)では12分、(c)では15分であるから、この間で加工費(=正味加工時間×DTB予定製造間接費配賦率)は全く下がらないこととなる。むしろ、「1個流し」としたときには加工費が最も高くなる。したがって、上記(a)から(c)まで、小ロット化によって物流速度が111倍(個当り実際リードタイムが1672分/15分)となるような流れ改善の効果があっても、従来基準の加工費にはなんら反映されない。
売れるものに限定し、速いペースでよどみなく流すことを命題とする「限量生産」においては、リードタイム基準の製造間接費配賦によれば小ロット化するほど原価が低くなる。リードタイム基準の製造間接費配賦法によって、上記のような流れ改善効果を可視化し、会計的に評価可能にすることができる。
図12は、期首(前図(a)と同じ状態)、期中(1)、及び期中(2)(前図(b)と同じ状態)における各指標の変化を説明するための表である。説明のため、期首における直接時間基準配賦による加工費(DTB予定製造間接費配賦額g)とリードタイム基準配賦による加工費(LTB予定製造間接費配賦額n)とを同額(3,833円)としている。よって、期中に個当り平均実際正味加工時間比率kが改善されなければ、両者とも同じ原価計算結果で終る。
しかし、期首に対して期中(2)では、標準ロットサイズdと標準段取時間eが改善されることによって、個当り実際リードタイムjが1,672分から422分に短縮されている。その結果、改善後の個当りLTB製造間接費配賦額p(p=i×j)は、3,833円から968円に低減される。これは、期首におけるLTB予定製造間接費配賦率iが2.29円であるのに対して、期中(2)におけるLTB製造間接費配賦率mが9.48円と増加しているにもかかわらず、期首のLTB予定製造間接費配賦率iにより配賦したため、配賦不足額が発生していることを意味する。一方、DTB予定製造間接費配賦額gは、個当り正味加工時間(f+e/d)が微増したため4,000円に上昇している。この期中(2)におけるDTB予定製造間接費配賦額gと改善後のLTB製造間接費配賦額pの差額である個当りLTB製造間接費配賦差額q(968円−4,000円=−3032円)は、流れ創りによる創出余剰であり、これを「機会収益」と定義する(LTB製造間接費配賦差額qの数値がマイナスとなるのは、上記配賦不足額を表すからである)。
リードタイム基準配賦は、個当り平均正味加工時間比率の増大を加工費の減少と認識することで、流れ創りの改善を支援することができる。最終的に停滞時間がゼロとなり、正味加工時間とリードタイムとの一致が実現すると、リードタイム基準と直接時間基準とで配賦率も加工費額も同一となる。リードタイム基準配賦は、このように流れ改善による配賦差額を可視化し、流れ創りを命題とするものづくりを支援することができる「流れ志向原価計算」(Flow Oriented Costing)である。
(4)リードタイム基準製造間接費配賦システムの運用による改善機会
以上のように、リードタイム基準製造間接費配賦システムは、個当り平均実際リードタイムの測定を根拠として、ものづくりの流れの中核指標である個当り平均正味加工時間比率を導き出す。そして、その個当り平均正味加工時間比率をパラメータとして、製造間接費配賦率の従来会計基準からの自動的な変換が可能となる。これによって、本システムの使用者は、従来の原価計算基準に従いながら、直接作業時間基準とリードタイム基準の両者を有機的に連携させて運用することが可能になる。
リードタイム基準製造間接費配賦システムの適用分野は特に限定されないが、個当り平均正味加工時間比率が低い製品(例えば、自動車、工作機械、建設等)と製造工程(例えば、部品加工等)において、より効果を発揮することができる。
個当り平均正味加工時間比率は、標準値又は実測された個当り平均リードタイムと、個当り標準正味加工時間とに基づいて算出される。この個当り平均正味加工時間比率は、「よどみなくモノが流れる」というときの「よどみの程度」を表す。そして、流れが改善されてよどみが減れば、個当り平均正味加工時間比率の値は上昇し、リードタイム基準製造間接費配賦率は高くなる。
図13に示すように、従来の生産管理システムのデータベース(工程マスタ)を用いれば、品目別や工程別に、計画上の個当り標準リードタイムと個当り標準正味加工時間比率を得ることができる。工程マスタにおける各項目の時間は、通常は設計ないし生産技術部門の作業手順設定者によって設定される。流れ志向のものづくりにおいては、標準正味加工時間比率の設定は、原価企画ないし作業手順編成に当っての中核業務と位置づけられる。
直近の生産の実力を評価するために、過去の一定期間(月、四半期、年度等)の個当り標準正味加工時間比率を算定することができる。この個当り標準正味加工時間比率は、直接時間基準製造間接費配賦率のリードタイム基準への変換に使用することができる。
生産管理システムの工程マスタに記憶されている一定期間の完了実績から、当該期間の個当り標準正味加工時間の総和と個当り標準リードタイムの総和を求め、個当り標準正味加工時間比率(=個当り標準正味加工時間の総和/個当り標準リードタイムの総和)を算出することができる。算出された個当り標準正味加工時間比率は、その生産現場の直近の実力を示すものといえる。
例えば、一定期間の初期に、個当り平均正味加工時間比率は0.002であり、従来のDTB予定製造間接費配賦率は20000円であったとする。この段階で、LTB製造間接費配賦率は40円(=20000円×0.002)となる。直接時間基準で配賦率20000円としても、リードタイム基準で配賦率40円としても、それにより予定総製造間接費を配賦することに変わりはない。
次に、上記一定期間の期中に、流れ改善で個当り平均正味加工時間比率が0.003に増大したとする。そうすると、実際のLTB製造間接費配賦率は60円(=20000円×0.003)と算定されるので、初期の40円に対して単位時間当り配賦差額20円が発生する。この配賦差額は、売上を一定とする条件の下で、作り出された資源余剰(ヒマ)の活用による将来の付加価値増機会の発生(機会収益)を意味する。
上記正味加工時間比率は、生産管理システム(MRP、ERP等)の一環として、工程マスタにおける標準値の登録を更新することにより管理することができる。原価企画に当る設計ないし生産技術部門は、標準値の初期設定、改善による標準値の更新、実績値による修正等、工程マスタ上で設定値を登録及び更新することができる。すなわち、本リードタイム基準製造間接費配賦システムが実現されることによって、流れ創りの進化のプロセスとして工程マスタを更新する仕組みを設けることが可能になる。
(5)予定と実際との製造間接費配賦額の差の測定、及び改善機会の可視化
リードタイム基準の製造間接費配賦額の予定と実際の差額(図8又は図9参照)は、会計的には操業度差額の一種であるが、製造現場がより短いリードタイムで予定売上を達成したことによって生じた成果であるといえる。そこで、上記配賦額の差異を、売上高不足による操業度損失と峻別して「機会収益」(Opportunity Revenue)と定義する。機会収益は流れ創りにより生み出された「人、機械、スペース等の余剰」であり、これを活用することによって、受注増や内製化を通じて「実現収益」に転化する可能性を秘める。したがって、機会収益は競争力・成長力の源泉となる。
生産部門における製造間接費配賦基準は、停滞時間の変化に対する感度の高いリードタイム基準配賦(LTB)によって機会収益の創造を促す。また、停滞時間に対して感度の低い直接時間基準配賦にも、必要に応じて読み替えを行うことが可能である。例えば、同じ流れ創りでも、ボトルネック工程に限っていえば正味加工時間の短縮も効果的であり、その場合の原価低減効果は、リードタイム基準配賦よりも従来の直接時間基準配賦の方が鮮明に現れる。リードタイム基準配賦を可視化し、直接時間基準配賦と併用することによって、流れ創りの進化のプロセスが生産と会計の両面から見えてくることとなる。
リードタイム基準配賦による「流れ志向原価計算」(FOC)は、製造業の生産、技術、原価企画等の各部門が流れ創り志向を共有して、連携して運用されることが好ましい。また、直接時間基準の併用と自動変換を通じて、本社の財務会計とも連携して実施することができる。
例えば、本リードタイム基準製造間接費配賦システムは、生産管理システムの工程マスタ等に蓄積された情報と合わせて、製造部門に対して、図14に示すような日々の実績データをトレンド情報としてグラフ化して提示することができる。システム使用者は、これらの情報から種々の解釈や検討が可能になる。例えば、「ある工程について、個当り実際リードタイムb及び個当り正味加工時間比率cが改善していれば、累積正味加工時間aが低下していても得である」、「DTB製造間接費配賦額fがアップしていてもLTB製造間接費配賦額gが低減していれば得である」、「LTB製造間接費配賦額gの期首との差額はリードタイム短縮による機会収益(余力創出)であって操業度損失ではない」等の、流れ創りと整合する会計解釈を浸透させることができる。
以上のとおり、本リードタイム基準製造間接費配賦システム及びプログラムは、従来技術の問題点を解決する。すなわち、売上計画が達成されて人・機械・スペースの余剰が発生したときの損得は、従来の直接時間基準の製造間接費配賦(DTB)においては評価し難いが、リードタイム基準製造間接費配賦(LTB)によれば、リードタイム短縮による効果が定量化・可視化されて鮮明になる。「早めにつくればリスクが小さい」、「まとめてつくれば加工費が安い」等という従来常識は、リードタイム基準で測定すればいずれも加工費の上昇となることから、解消させることが可能になる。そして、リードタイム短縮によって生じる機会収益は、受注競争力の強化につながる。また、機会収益額が定量化されることによって、ジャストインタイムを目指した投資の費用対効果も合理的な検討が可能になる。
なお、本発明においては、以上に示した実施形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した態様とすることができる。
1;リードタイム基準製造間接費配賦システム、2;リードタイム基準情報処理部、21;実際リードタイム測定手段、22;予定製造間接費配賦率算出手段、23:正味加工時間比率算出手段、25;実際製造間接費配賦率算出手段、26;製造間接費配賦差額算出手段、29;リードタイム基準情報出力手段、4;リードタイム基準情報記憶手段、5;データベースアクセス手段、51;原価マスタアクセス手段、53;工程マスタアクセス手段、55;生産マスタアクセス手段、7;マスタデータベース、71;原価マスタ、73;工程マスタ、75;生産マスタ。

Claims (6)

  1. 1個又は2個以上をロットサイズとするロット毎に1又は2以上の工程により製造される1又は2以上の品目の製品について、各前記製品の製造が開始されてから終了するまでのリードタイムに基づいて製造間接費を配賦するためのリードタイム基準製造間接費配賦システムであって、
    別途設けられているマスタデータベースから原価情報、工程情報及び生産情報を取得するデータベースアクセス手段と、
    前記品目毎及び前記ロット毎に、前記製品1個当りについての平均リードタイムである個当り平均実際リードタイムを含むリードタイム基準情報を蓄積して記憶するリードタイム基準情報記憶手段と、
    前記データベースアクセス手段及び前記リードタイム基準情報記憶手段を用いて、リードタイムに基づいて製造間接費を配賦するための演算処理を行い、その算出値を前記リードタイム基準情報として記憶させるリードタイム基準情報処理部と、
    を備え、
    前記原価情報は、期中の予定総製造間接費と、前記予定総製造間接費及び期中の予定総正味加工時間に基づいて設定された単位時間当り製造間接費である直接時間基準予定製造間接費配賦率とを含み、
    前記工程情報は、前記品目毎に設定されたロットサイズである標準ロットサイズと、前記製品1個当りについて設定された正味の加工時間である個当り標準正味加工時間とを含み、
    前記生産情報は、設定された期中の予定総リードタイムと、前記品目毎に設定された個当り標準リードタイムと、前記品目毎及び前記ロット毎の生産の予定日時及びその実際日時とを含み、
    前記リードタイム基準情報処理部は、
    前記生産情報から前記ロットの部材が最初の前記工程に投入された実際日時を製造開始日時として取得し且つ最後の前記工程が終了した実際日時を製造終了日時として取得し、前記製造開始日時から前記製造終了日時までの時間と前記ロットサイズとに基づいて前記個当り平均実際リードタイムを算出する実際リードタイム測定手段と、
    前記原価情報として取得された前記予定総製造間接費を、前記生産情報として取得された前記予定総リードタイムで除した値を、リードタイム基準予定製造間接費配賦率として算出する予定製造間接費配賦率算出手段と、
    前記生産情報として取得された前記個当り標準リードタイムに対する、前記工程情報として取得された前記個当り標準正味加工時間の比を、個当り平均正味加工時間比率として算出する正味加工時間比率算出手段と、
    を備えることを特徴とするリードタイム基準製造間接費配賦システム。
  2. 前記リードタイム基準情報処理部は、
    前記原価情報として取得された前記直接時間基準予定製造間接費配賦率に、前記正味加工時間比率算出手段により算出された前記個当り平均正味加工時間比率を乗じることにより、リードタイム基準実際製造間接費配賦率を算出する実際製造間接費配賦率算出手段を備える請求項1記載のリードタイム基準製造間接費配賦システム。
  3. 前記リードタイム基準情報処理部は、
    前記実際製造間接費配賦率算出手段により算出された前記リードタイム基準実際製造間接費配賦率と、前記予定製造間接費配賦率算出手段により算出された前記リードタイム基準予定製造間接費配賦率との差に、前記生産情報として取得された前記予定総リードタイムを乗じた額を、リードタイム基準製造間接費配賦差額として算出する製造間接費配賦差額算出手段を備える請求項2記載のリードタイム基準製造間接費配賦システム。
  4. 1個又は2個以上をロットサイズとするロット毎に1又は2以上の工程により製造される1又は2以上の品目の製品について、各前記製品の製造が開始されてから終了するまでのリードタイムに基づいて製造間接費を配賦するためのリードタイム基準製造間接費配賦プログラムであって、
    別途設けられているマスタデータベースから原価情報、工程情報及び生産情報を取得するデータベースアクセス機能と、
    前記品目毎及び前記ロット毎に、前記製品1個当りについての平均リードタイムである個当り平均実際リードタイムを含むリードタイム基準情報を蓄積して記憶するリードタイム基準情報記憶機能と、
    前記データベースアクセス機能及び前記リードタイム基準情報記憶機能を用いて、リードタイムに基づいて製造間接費を配賦するための演算処理を行い、その算出値を前記リードタイム基準情報として記憶させるリードタイム基準情報処理機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記原価情報は、期中の予定総製造間接費と、前記予定総製造間接費及び期中の予定総正味加工時間に基づいて設定された単位時間当り製造間接費である直接時間基準予定製造間接費配賦率とを含み、
    前記工程情報は、前記品目毎に設定されたロットサイズである標準ロットサイズと、前記製品1個当りについて設定された正味の加工時間である個当り標準正味加工時間とを含み、
    前記生産情報は、設定された期中の予定総リードタイムと、前記品目毎に設定された個当り標準リードタイムと、前記品目毎及び前記ロット毎の生産の予定日時及びその実際日時とを含み、
    前記リードタイム基準情報処理機能は、
    前記生産情報から前記ロットの部材が最初の前記工程に投入された実際日時を製造開始日時として取得し且つ最後の前記工程が終了した実際日時を製造終了日時として取得し、前記製造開始日時から前記製造終了日時までの時間と前記ロットサイズとに基づいて前記個当り平均実際リードタイムを算出する実際リードタイム測定機能と、
    前記原価情報として取得された前記予定総製造間接費を、前記生産情報として取得された前記予定総リードタイムで除した値を、リードタイム基準予定製造間接費配賦率として算出する予定製造間接費配賦率算出機能と、
    前記生産情報として取得された前記個当り標準リードタイムに対する、前記工程情報として取得された前記個当り標準正味加工時間の比を、個当り平均正味加工時間比率として算出する正味加工時間比率算出機能と、
    を備えることを特徴とするリードタイム基準製造間接費配賦プログラム。
  5. 前記リードタイム基準情報処理機能は、
    前記原価情報として取得された前記直接時間基準予定製造間接費配賦率に、前記正味加工時間比率算出機能により算出された前記個当り平均正味加工時間比率を乗じることにより、リードタイム基準実際製造間接費配賦率を算出する実際製造間接費配賦率算出機能を備える請求項4記載のリードタイム基準製造間接費配賦プログラム。
  6. 前記リードタイム基準情報処理機能は、
    前記実際製造間接費配賦率算出機能により算出された前記リードタイム基準実際製造間接費配賦率と、前記予定製造間接費配賦率算出機能により算出された前記リードタイム基準予定製造間接費配賦率との差に、前記生産情報として取得された前記予定総リードタイムを乗じた額を、リードタイム基準製造間接費配賦差額として算出する製造間接費配賦差額算出機能を備える請求項5記載のリードタイム基準製造間接費配賦プログラム。
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