JP6370757B2 - 損益予測装置及び損益予測プログラム - Google Patents
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Description
しかし、ERPで月中に提供される損益は、過去の実績における損益であり、月末時点での損益は月末にならなければわからない。また、ERPで月中に提供される損益には原価差異分の誤差が含まれているため、ERPで月中に提供される損益から月末の損益を単純に予測しても相応の誤差が含まれることになる。
しかし、未来の損益がどのように変化するかをシミュレーションするためには、販売計画情報の変更に合わせて、作業予定情報や発注情報等を作成し直さなければならない。作業予定情報や発注情報等を作成し直すには、MRPによる処理を実行する必要があり、長い時間がかかってしまう。そのため、素早く対策を検討したい局面においては、シミュレーションを行うことができない。
過去の開始時点から未来の終了時点までの対象期間の損益予測を行う損益予測装置であり、
前記対象期間に取引があった複数の品目の各品目を対象品目として、前記対象期間における前記対象品目の売上と原価と原価差異との少なくともいずれかの対象項目の計算値が、前記開始時点より前の前期間における前記対象品目の前記対象項目の実績値により定められる基準範囲に入るように補正する補正値を計算する補正値計算部と、
前記補正値計算部によって計算された補正値に基づき、前記対象期間における損益予測値を計算する損益計算部と
を備える。
前記前期間における単位期間当たりの前記対象品目の売上の実績値の平均値を基準として、売上の実績値の標準偏差を用いて売上についての前記基準範囲である売上範囲を決定する売上範囲決定部と、
前記対象品目の売上の計算値が、前記売上範囲決定部によって決定された前記売上範囲に入るように補正する売上補正値を計算する売上補正値計算部と
を備え、
前記損益計算部は、前記売上補正値計算部によって計算された売上補正値を前記補正値として、前記損益予測値を計算する。
前記対象品目の売上の計算値が前記売上範囲の上限値よりも大きい場合には、前記対象品目の売上の計算値が前記売上範囲の上限値になるように補正する値を前記売上補正値として計算し、
前記対象品目の売上の計算値が前記売上範囲の下限値よりも小さい場合には、前記対象品目の売上の計算値が前記売上範囲の下限値になるように補正する値を前記売上補正値として計算する。
前記売上予測値は、既に受注しているが納品していない受注残金額と、受注していないが販売する計画になっている販売予定金額とが含まれており、
前記売上補正値計算部は、前記対象品目の売上の計算値が前記売上範囲の上限値よりも大きい場合には、前記対象品目の前記販売予定金額以下の金額を前記売上補正値として計算する。
前記前期間における単位期間当たりの前記対象品目を製造する部門の加工費の実績値の平均値を基準として、加工費の実績値の標準偏差を用いて加工費についての前記基準範囲である加工費範囲を決定する加工費範囲決定部と、
前記部門の加工費の計算値が、前記加工費範囲決定部によって決定された前記加工費範囲に入るように補正する加工費補正値を計算する加工費補正値計算部と
を備え、
前記損益計算部は、前記加工費補正値計算部によって計算された加工費補正値を前記補正値として、前記損益予測値を計算する。
前記部門の加工費の計算値が前記加工費範囲の上限値よりも大きい場合には、前記部門の加工費の計算値が前記加工費範囲の上限値になるように補正する値を前記加工費補正値として計算し、
前記部門の加工費の計算値が前記加工費範囲の下限値よりも小さい場合には、前記部門の加工費の計算値が前記加工費範囲の下限値になるように補正する値を前記加工費補正値として計算する。
前記製造予測値は、既に製造中の仕掛金額と、製造していないが製造する計画になっている製造予定金額とが含まれており、
前記加工費補正値計算部は、前記部門の加工費の計算値が前記加工費範囲の上限値よりも大きい場合には、前記部門の前記製造予定金額以下の金額を前記加工費補正値として計算する。
前記対象期間における原価を計算する原価計算部と、
前記対象期間における原価差異を計算する原価差異計算部と、
前記損益計算部は、前記売上計算部によって計算された売上から、前記原価計算部によって計算された原価と、前記原価差異計算部によって計算された原価差異とを減じて、前記補正値計算部によって計算された補正値で補正して、前記損益予測値を計算する。
過去の開始時点から未来の終了時点までの対象期間の損益予測を行う損益予測プログラムであり、
前記対象期間に取引があった複数の品目の各品目を対象品目として、前記対象期間における前記対象品目の売上と原価と原価差異との少なくともいずれかの対象項目の計算値が、前記開始時点より前の前期間における前記対象品目の前記対象項目の実績値により定められる基準範囲に入るように補正する補正値を計算する補正値計算処理と、
前記補正値計算処理によって計算された補正値を用いて、前記対象期間における損益予測値を計算する損益計算処理と
をコンピュータに実行させる。
***構成の説明***
図1は、実施の形態1に係る損益予測システム10の概要説明図である。
損益予測システム10は、過去の開始時点から未来の終了時点までの対象期間の損益を予測する。ここでは、処理日が7月8日であり、対象期間を7月(開始時点7月1日から終了時点7月31日まで)として、7月分の損益を予測する場合を例として説明する。
ERP100は、業務の実績情報及び計画情報を有する。実績情報は、会計データのことであり、実績情報には、販売実績情報、仕入実績情報、作業実績情報、生産実績情報、経費実績情報等の実際に行われた業務の実績情報が含まれている。また、計画情報には、販売計画情報(フォーキャスト)、受注残情報、調達計画情報、作業予定情報、発注情報、製造仕掛情報、在庫情報、経費予算情報等が含まれている。
損益予測装置200は、ERP100から実績情報及び計画情報を取得して、処理日において対象期間の損益を予測する。つまり、ここでは、損益予測装置200は、7月8日時点において7月分の損益を予測する。
損益予測装置200は、情報取得部210と、売上計算部220と、原価計算部230と、原価差異計算部240と、損益計算部250と、出力部260と、標準原価記憶部270とを備える。
売上計算部220は、売上実績値と売上予測値とを加算して、対象期間の売上を計算する。
原価計算部230は、原価実績値と原価予測値とを加算して、対象期間の原価を計算する。
原価差異計算部240は、各原価項目について、実際原価から標準原価を減算して、対象期間のその原価項目についての原価差異を計算する。
図4は、実施の形態1に係る売上計算部220の処理の説明図である。
売上計算部220は、実績情報として、過去期間に納品した製品の販売実績情報を用いる。販売実績情報は、販売製品の識別情報と、売値と、販売数量と、その他の属性情報(販売した事業部、販売先等)とを有する。また、売上計算部220は、計画情報として、未来期間に納期が含まれる販売予定情報を用いる。販売予定情報は、販売製品の識別情報と、売値と、販売数量と、その他の属性情報とを有する。ここで、販売予定情報には、既に受注しているが納品していない受注残情報と、受注していないが販売する計画になっている販売計画情報とが含まれる。
売上計算部220は、売上実績値と売上予測値とを加算して、対象期間の売上を計算する。
原価計算部230は、売上計算部220と同様に、実績情報として、過去期間に納品した販売実績情報を用い、計画情報として、未来期間に納期が含まれる販売予定情報を用いる。
原価計算部230は、原価実績値と原価予測値とを加算して、対象期間の原価を計算する。
原価差異には多数の種類が存在する。ここでは、一般的に、総合原価計算の場合(受注生産ではなく、生産計画に従い量産する場合)に、原価に大きな影響を与える、購入価格差異、回収差異、製造原価差異について説明する。
原価差異計算部240は、購入価格差異処理部241と、回収差異処理部242と、製造原価差異処理部243とを備える。
購入価格差異処理部241は、購入価格差異を計算する。購入価格差異とは、材料や部品等を外部から購入する場合における、標準原価として定めた価格と、実際に購入した価格との差異である。購入価格差異処理部241は、購入標準原価計算部2411と、購入実際原価計算部2412と、購入価格差異計算部2413とを備える。
回収差異処理部242は、回収差異を計算する。回収差異とは、直接部門の費用(経費)の回収に関する予定と実績との差異である。回収差異処理部242は、回収標準原価計算部2421と、回収実際原価計算部2422と、回収差異計算部2423とを備える。
製造原価差異処理部243は、製造原価差異を計算する。製造原価差異とは、標準原価として定めた製造費用と、実際にかかった製造費用との差異である。製造原価差異処理部243は、製造標準原価計算部2431と、製造実際原価計算部2432と、製造原価差異計算部2433と、基準値記憶部2434とを備える。
図7(a)は、月次処理における購入価格差異の計算の説明図であり、図7(b)は、購入価格差異処理部241による月中における購入価格差異の計算の説明図である。
そのため、図7(a)に示すように、月次処理では、対象期間に納品日が含まれる仕入実績情報を用いて、仕入実績情報毎に、購入した材料や部品の標準原価に仕入数量を乗じた購入標準原価(図7の(1))が計算されるとともに、仕入実績情報毎に、実際に購入した仕入買値に仕入数量を乗じた購入実際原価(図7の(2))とが計算される。そして、購入実際原価(図7の(2))から購入標準原価(図7の(1))を減算すると購入価格差異(図7の(3))となる。
具体的には、購入価格差異処理部241は、実績情報として、過去期間に納品日が含まれる仕入実績情報を用いる。仕入実績情報は、購入した材料や部品を示す仕入品目と、購入した価格である仕入買値と、購入した数量である仕入数量とを有する。また、購入価格差異処理部241は、計画情報として、未来期間に納期が含まれる発注情報を用いる。発注情報は、購入する材料や部品を示す発注品目と、購入する予定の価格である発注買値と、購入する予定の数量である発注数量とを有する。ここで、発注情報には、既に発注しているが納品されていない発注済情報と、発注していないが発注する計画になっている発注予定情報とが含まれる。
そして、購入価格差異処理部241は、図7(b)に示すように、購入価格差異を計算する。
購入標準原価計算部2411は、購入標準原価実績値(図7の(4))と購入標準原価予測値(図7の(5))とを加算して購入標準原価(図7の(6))を計算する。
購入実際原価計算部2412は、購入実際原価実績値(図7の(7))と購入実際原価予測値(図7の(8))とを加算して購入実際原価(図7の(9))を計算する。
図8(a)は、月次処理における回収差異の計算の説明図であり、図8(b)は、回収差異処理部242による月中における回収差異の計算の説明図である。
そのため、図8(a)に示すように、月次処理では、対象期間に作業が行われた作業済情報を用いて、作業済情報毎に、作業品目に対する予定チャージに実作業時間を乗じた回収標準原価(図8の(1))が計算される。そして、直接部門の費用(図8の(2))から回収標準原価(図8の(1))を減算すると回収差異(図8の(3))となる。
具体的には、回収差異処理部242は、実績情報として、過去期間に作業日が含まれる作業済情報を用いる。作業済情報は、作業が行われた作業品目と、作業が行われた実作業時間とを有する。また、回収差異処理部242は、計画情報として、未来期間に作業が実施される予定の作業予定情報を用いる。作業予定情報は、作業する予定の作業品目と、作業する予定の作業予定時間とを有する。ここで、作業予定情報には、既に作業を指示してある作業指図情報と、指示はしていないが作業する予定になっている計画手配情報とが含まれる。また、回収差異処理部242は、年度予算計画として、対象期間における製造経費予算を示す経費予算情報を用いる。
そして、回収差異処理部242は、図8(b)に示すように、回収差異を計算する。
回収実際原価計算部2422は、回収標準原価実績値(図8の(4))と回収標準原価予測値(図8の(5))とを加算して回収標準原価(図8の(6))を計算する。
ここで、経費予算情報には、人権費や減価償却費やその他の費用にあてるための製造経費予算が記憶されている。実際の人件費は該当月の給料日に集中して発生し、原価償却費やその他の費用は該当月の月末に集中して発生する傾向がある。そこで、あえて月中の予測時点で発生済の費用については考慮せず、経費予算情報をそのまま回収実際原価とする。
なお、回収実際原価計算部2422は、処理日までに計上された対象月の直接部門の費用が、経費予算情報を上回った場合には、処理日までに計上された対象月の直接部門の費用を回収実際原価としても用いてもよい。
図9(a)は、月次処理における製造原価差異の計算の説明図であり、図9(b)は、製造原価差異処理部243による月中における製造原価差異の計算の説明図である。
そのため、図9(a)に示すように、月次処理では、対象期間に作業が行われた作業済情報を用いて、作業済情報毎に、製造品目の標準原価に製造数量を乗じて製造標準原価(図9の(1))が計算されるとともに、作業済情報毎の製造費を加算して製造実際原価(図9の(2))が計算される。そして、製造標準原価(図9の(1))から製造実際原価(図9の(2))を減算すると製造原価差異(図9の(3))となる。
具体的には、製造原価差異処理部243は、実績情報として、過去期間に作業日が含まれる作業済情報を用いる。作業済情報は、製造された製造品目と、製造された製造数量と、製造にかかった製造費とを有する。また、製造原価差異処理部243は、計画情報として、未来期間に作業が実施される予定の作業予定情報を用いる。作業予定情報は、製造する予定の製造品目と、製造する予定の製造予定数量とを有する。
基準値は、例えば、過去数か月における実績から、製造品目毎に計算され、基準値記憶部2434に記憶される。
製造標準原価計算部2431は、製造標準原価実績値(図9の(4))と前記製造標準原価予測値(図9の(5))とを加算して製造標準原価(図9の(6))を計算する。
製造実際原価計算部2432は、製造実際原価実績値(図9の(7))と製造実際原価予測値(図9の(8))とを加算して製造実際原価(図9の(9))を計算する。
以上のように、実施の形態1に係る損益予測装置200は、実績情報及び計画情報を用いて、原価項目毎に原価差異を計算する。そして、損益予測装置200は、計算した原価差異を用いて、対象期間の損益を計算する。これにより、対象期間の損益を精度よく予測できる。その結果、適切な経営判断を早期に行うことが可能となる。
損益予測装置200では、販売計画情報は、売上や原価を予測するために用いられ、原価差異を予測する際に使用する作業予定情報等を作成するためにも用いられる。そのため、販売計画情報は、損益予測装置200による損益予測の精度に与える影響が大きい。損益予測装置200による損益予測は、経営者等の企業の上層部が見る情報である。損益予測の精度が低ければ、その原因も追究される場合がある。そのため、損益予測装置200を導入することにより、担当者が販売計画情報を正確に入力しようと努力するようになるという効果もある。そして、その結果、損益予測の精度が高くなり、業務も効率的に行うことができるようになる。
実施の形態1では、過去の開始時点から未来の終了時点までの対象期間の損益を予測することについて説明した。実施の形態2では、計画情報を変更することにより、対象期間の損益の変化をシミュレーションすることについて説明する。
実施の形態2では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図10は、実施の形態2に係る損益予測装置200の構成図である。
図10に示す損益予測装置200は、図2に示す損益予測装置200が備える構成に加え、修正情報入力部280と、影響品目特定部290と、売上変動額計算部291と、原価変動額計算部292と、原価差異変動額計算部293とを備える。
図12は、実施の形態2に係る損益予測装置200の動作の概要説明図である。
販売計画情報が修正されると、売上及び原価が変わる。
また、販売計画情報が修正されると、作業予定情報等の他の計画情報も変わるため、原価差異も変わる。つまり、販売計画情報が修正されると、計画が変更された製品の売上及び原価が単純に変わるだけでなく、その製品の製造工程及び上流工程で用いられる半製品及び原材料に関する購入価格差異及び製造原価差異及び回収差異等が変わる。
そこで、損益予測装置200は、販売計画情報が修正されると、修正により売上と原価と各種原価差異とのいずれかが変動する品目を特定する。そして、損益予測装置200は、売上が変動することが特定された品目については、売上の変動額を計算し、原価が変動することが特定された品目については、原価の変動額を計算し、原価差異が変動することが特定された品目については、原価差異の変動額を計算する。そして、損益予測装置200は、各変動額に基づき売上及び原価及び原価差異を再計算して、販売計画情報が修正された場合における損益予測値を計算する。
図13では、製品Xの販売数量を増やした場合について示している。
なお、図13において、入仮は入庫請求仮勘定のことであり、他勘定は他勘定振替のことである。また、図13では、変動する項目の背景に斜線を示している。
販売会社は、工場Bから製品Xを購入して、製品Xを得意先に販売する。製品Xを購入して販売するため、販売会社の売上及び原価が増える。また、工場Bから製品Xを購入するため、販売会社の購入価格差異が変動する。
(S1:修正情報入力処理)
修正情報入力部280は、販売計画情報を修正する修正情報の入力を受け付ける。
影響品目特定部290は、修正情報入力処理で受け付けた修正情報によって販売計画情報が修正された場合に、対象期間における売上と原価と原価差異との少なくともいずれかが変動する品目を特定する。
影響品目特定部290は、ERP100が連結標準原価を計算する際に集計される明細に基づき、売上と原価と原価差異との少なくともいずれかが変動する品目を特定する。そこで、まずERP100が連結標準原価を計算する際に集計される明細について説明した上で、影響品目特定部290が、売上と原価と原価差異との少なくともいずれかが変動する品目を特定する方法について説明する。
原価の明細に付された項目は、親品目と、親プラントと、明細番号と、親品目タイプと、利益センタと、多段階BOMと、子品目と、子プラントと、明細カテゴリと、原価要素と、子利益センタと、子調達タイプと、BOM親品目と、子品目タイプと、数量と、数量単位とがある。
また、子品目がブランクである場合、子品目がないということを意味する。子調達タイプと子品目タイプとについても同様である。
影響品目特定部290は、修正情報によって修正された品目を親品目とする明細を抽出する。修正された品目が複数ある場合には、品目毎に、その品目を親品目とする明細を全て抽出する。そして、影響品目特定部290は、品目毎に、抽出された各明細について、図20に示す(1)から(8)のいずれかの条件に該当するか否かを判定する。影響品目特定部290は、(1)から(8)のいずれかの条件に該当する場合に、その条件に対応する項目が変動すると特定する。
条件(1)を満たした場合、その明細は、売上及び原価を変動させる明細であると特定される。つまり、影響品目特定部290は、最上位にある明細の子品目が示す品目を、売上及び原価を変動させる売上対象品目及び原価対象品目として特定する。最上位にある明細とは、図16及び図17の多段階BOMが1である明細ということである。
図21及び図22では、明細番号1の明細が条件(1)を満たす明細として特定されている。
条件(2)を満たした場合、その明細は、売上及び原価を変動させる明細であると特定される。つまり、影響品目特定部290は、最上位にある明細でなく、かつ、BOM親品目がブランクである明細の子品目が示す品目を、売上及び原価を変動させる売上対象品目及び原価対象品目として特定する。
図21及び図22では、明細番号3,26,31の明細が条件(2)を満たす明細として特定される。
条件(3)を満たした場合、その明細は、製造原価差異を変動させる明細であると特定される。つまり、影響品目特定部290は、調達先に内製が含まれる明細の子品目が示す品目を、製造原価差異を変動させる製造原価差異対象品目として特定する。
図21及び図22では、明細番号3,10,13,22,26の明細が条件(3)を満たす明細として特定される。
条件(4)を満たした場合、その明細は、回収差異を変動させる明細であると特定される。つまり、影響品目特定部290は、内部活動に関する明細の子品目が示す品目を、回収差異を変動させる回収差異対象品目として特定する。
図21及び図22では、明細番号4,5,11,12,14,15,23,24,27,28,37〜40の明細が条件(4)を満たす明細として特定される。
なお、子調達タイプが外部調達であり、かつ、明細カテゴリが品目であり、かつ、子品目タイプが原材料である明細も、条件(5)を満たす(iii)。(i)を満たす明細と(iii)を満たす明細との両方が存在する場合もあるが、この場合、(i)を満たす明細だけが条件(5)を満たす明細として特定される。
条件(5)を満たした場合、その明細は、購入価格差異を変動させる明細であると特定される。つまり、影響品目特定部290は、外部調達であり、かつ、費用を示す原材料に関する明細が示す品目と、外部調達であり、かつ、原価要素が未設定の原材料以外に関する明細の子品目が示す品目とを、購入価格差異を変動させる購入価格差異対象品目として特定する。
図21及び図22では、明細番号2,7,9,17,19,21,25,30,32,34,36の明細が条件(5)を満たす明細として特定される。
条件(6)を満たした場合、その明細は、材料費が変動する明細であると特定される。つまり、影響品目特定部290は、BOM親品目が存在し、かつ、無償支給でなく、明細カテゴリが品目である原材料の明細の子品目が示す品目を、材料費を変動させる材料費対象品目として特定する。
図21及び図22では、明細番号6,8,16,18,20,29,33,35の明細が条件(6)を満たす明細として特定される。
条件(7)を満たした場合、その明細は、無償支給を発生させる明細であると特定される。つまり、影響品目特定部290は、BOM親品目が存在し、かつ、無償支給である原材料の明細の子品目が示す品目を、無償支給を発生させる無償支給対象品目として特定する。
図21及び図22では、条件(7)を満たす明細は存在しない。
条件(8)を満たした場合、その明細は、半製品消費を発生させる明細であると特定される。つまり、影響品目特定部290は、BOM親品目が存在し、かつ、社内材料費である製品又は半製品の明細の子品目が示す品目を、半製品消費を発生させる半製品消費対象品目として特定する。なお、社内材料費は、半製品払出費のことである。
図21及び図22では、明細番号10,13,22,25の明細が条件(8)を満たす明細として特定される。
売上変動額計算部291は、影響品目特定部290が売上対象品目として特定した品目についての売上の変動額を計算する。
売上変動額計算部291は、影響品目特定部290が売上が変動すると特定した明細毎に、その明細の数量に示された基準量当たりの売上の変動額を特定する。なお、基準量は、明細の数量に示された量であるから、最上位の明細であれば単位数量であり、他の明細であれば単位数量当たりの変動数量である。そして、売上変動額計算部291は、基準量当たりの変動額に、変動数量を乗じて、その明細についての売上の変動額を計算する。変動数量とは、修正情報によって、親品目が単位数量の何倍変動するかを示す値である。例えば、図13の例において、製品Xの単位数量が30000である場合に、製品Xの販売量を180000個多くするという修正がされた場合には、製品Xが単位数量の6倍変動するので、変動数量は6である。一方、製品Xの販売量を150000個少なくするという修正がされた場合には、製品Xが単位数量の−5倍変動するので、変動数量は−5である。そして、売上変動額計算部291は、明細毎に計算した売上の変動額を合計して、その親品目が変動することによる売上の変動額を計算する。
原価変動額計算部292は、影響品目特定部290が原価対象品目として特定した品目についての原価の変動額を計算する。
売上変動額計算部291と同様に、原価変動額計算部292は、影響品目特定部290が原価が変動すると特定した明細毎に、その明細の数量に示された基準量当たりの原価の変動額を計算する。そして、原価変動額計算部292は、基準量当たりの変動額に、変動数量を乗じて、その明細についての原価の変動額を計算する。そして、原価変動額計算部292は、明細毎に計算した原価の変動額を合計して、その親品目が変動することによる原価の変動額を計算する。
原価差異変動額計算処理は、S5−1の購入価格差異変動額計算処理と、S5−2の回収差異変動額計算処理と、S5−3の製造原価差異変動額計算処理とを有する。
原価差異変動額計算部293は、影響品目特定部290が購入価格差異対象品目として特定した品目についての購入価格差異の変動額を計算する。
売上変動額計算部291と同様に、原価差異変動額計算部293は、影響品目特定部290が購入価格差異が変動すると特定した明細毎に、その明細の数量に示された基準量当たりの購入価格差異の変動額を計算する。そして、原価差異変動額計算部293は、基準量当たりの変動額に、変動数量を乗じて、その明細についての購入価格差異の変動額を計算する。そして、原価差異変動額計算部293は、明細毎に計算した購入価格差異の変動額を合計して、その親品目が変動することによる購入価格差異の変動額を計算する。
所定の条件を満たす情報とは、有効開始日が納品予定日以前の日(つまり、有効開始日が納品予定日か、納品予定日よりも前の日)である購入予定情報であって、購入価格差異対象品目を購入する予定を示す購入予定情報(a)と、購入価格差異対象品目を購入した実績を示す購入実績情報(b)とである。なお、有効開始日とは、その購入予定情報が有効になる始まりの日を意味する。(a)の購入予定情報の有効開始日と(b)の購入実績情報の計上日とをその情報の日付として、(a)の購入予定情報と(b)の購入実績情報とのうち、日付が最新の情報を購入情報とする。なお、ここで有効開始日は購入予定情報に含まれ、納品予定日は各発注取引のデータから取得される。このようにするのは、購入価格が異なる場合があるので、より実情に近いと考えられる購入価格を用いて変動額を計算するためである。
なお、購入価格差異対象品目が品目外注である場合、さらに、無償支給材料費とスクラップとを考慮して、基準量当たりの購入価格差異を特定する。具体的には、購入価格差異は、基準量当たりの標準原価とスクラップの標準原価の和と、基準量当たりの購入価格と無償支給材料費との和との差異に、前記購入価格差異対象品目の変動数量を乗じて計算される。品目外注とは、製品の材料を仕入先に支給して、仕入先から製品を購入することである。スクラップとは、廃棄予定の材料のことである。但し、スクラップは、廃棄前に使用できる場合には使用される。
原価差異変動額計算部293は、影響品目特定部290が回収差異対象品目として特定した品目についての回収差異の変動額を計算する。
売上変動額計算部291と同様に、原価差異変動額計算部293は、影響品目特定部290が回収差異が変動すると特定した明細毎に、その明細の数量に示された基準量当たりの回収差異の変動額を計算する。そして、原価差異変動額計算部293は、基準量当たりの変動額に、変動数量を乗じて、その明細についての回収差異の変動額を計算する。そして、原価差異変動額計算部293は、明細毎に計算した回収差異の変動額を合計して、その親品目が変動することによる回収差異の変動額を計算する。
なお、回収差異の予測値は、図8(b)に示すように、経費予算情報が示す額と、予定チャージと作業時間との積で得られる加工費との差異で計算される。原価差異変動額計算部293が、加工費の平均値を回収差異の変動額としたのは、図8(b)に示す借方の経費予算情報は、販売計画情報が修正されても変動せず、貸方の加工費だけが変動するためである。
原価差異変動額計算部293は、影響品目特定部290が製造原価差異対象品目として特定した品目についての製造原価差異の変動額を計算する。
売上変動額計算部291と同様に、原価差異変動額計算部293は、影響品目特定部290が製造原価差異が変動すると特定した明細毎に、その明細の数量に示された基準量当たりの製造原価差異の変動額を計算する。そして、原価差異変動額計算部293は、基準量当たりの変動額に、変動数量を乗じて、その明細についての製造原価差異の変動額を計算する。そして、原価差異変動額計算部293は、明細毎に計算した製造原価差異の変動額を合計して、その親品目が変動することによる製造原価差異の変動額を計算する。
売上計算部220は、売上変動額計算部291が計算した売上の変動額を、実施の形態1で計算した売上に加算して、対象期間の売上を再計算する。
原価計算部230は、原価変動額計算部292が計算した原価の変動額を、実施の形態1で計算した原価に加算して、対象期間の原価を再計算する。
原価差異計算部240は、原価差異変動額計算部293が計算した購入価格差異の変動額を、実施の形態1で計算した購入価格差異に加算して、対象期間の購入価格差異を再計算する。同様に、原価差異計算部240は、原価差異変動額計算部293が計算した回収差異の変動額を、実施の形態1で計算した回収差異に加算して、対象期間の回収差異を再計算する。同様に、原価差異計算部240は、原価差異変動額計算部293が計算した製造原価差異の変動額を、実施の形態1で計算した製造原価差異に加算して、対象期間の製造原価差異を再計算する。
損益計算部250は、売上計算部220が再計算した売上から、原価計算部230が再計算した原価を減算して、さらに、原価差異計算部240が再計算した各原価項目についての原価差異を減算して、対象期間の損益予測値を計算する。
以上のように、実施の形態2に係る損益予測装置200は、計画情報を修正し、修正した計画情報に基づき対象期間の損益予測値を計算する。これにより、予測した損益が計画を下回るような場合に、計画情報を修正すると、どのように損益等が変化するかをシミュレーションすることが可能である。
MRPによる処理は処理負荷が高く、非常に長い時間かかる。しかし、実施の形態2に係る損益予測装置200は、MRPによる処理を実行する必要がないので、短時間でシミュレーションした結果を得ることができる。そのため、実施の形態2に係る損益予測装置200は、経営判断等の素早く対策を検討したい局面において有効である。
実施の形態2では、計画情報を変更することにより、対象期間の損益の変化をシミュレーションすることについて説明した。計画情報の変更を繰り返してシミュレーションを行い、よりよい対策を検討することが考えられる。実施の形態3では、繰り返しシミュレーションを行う場合に、効率的に処理する方法について説明する。
図23は、実施の形態3にかかる損益予測装置200の構成図である。
図23に示す損益予測装置200は、図10に示す損益予測装置200が備える構成に加え、早見表記憶部294を備える。
早見表300は、修正情報によって修正された品目を親品目とする各明細について、その明細が変動させる項目と、その明細が変動させる項目の基準量当たりの変動額とを示す。なお、図24では、簡単のため、図15に示す親品目と数量単位との間にある項目については省略している。
図24に示す早見表300では、図21に示す明細番号1〜5の明細を例示している。そして、図21で(1)から(8)の番号が付された箇所、つまり条件(1)から(8)が満たされたと判定された箇所に、X印が付されている。また、X印が付された箇所に対応する項目の基準量当たりの変動額が示されている。
影響品目特定部290は、実施の形態2で説明した処理によって、修正情報によって修正された品目を親品目とする明細を抽出し、抽出された各明細について変動する項目を特定した場合、抽出した明細について変動する項目とを示す早見表300を早見表記憶部294に記憶する。
売上変動額計算部291と、原価変動額計算部292と、原価差異変動額計算部293とは、実施の形態2で説明した処理によって、変動額を計算した場合、計算時に得られた基準量当たりの変動額を早見表300に追記する。図24では、計算時に得られた基準量当たりの変動額が売上変動額から材料費変動額までに追記される。
これにより、修正情報によって修正された品目に関する早見表300が完成する。
具体的には、影響品目特定部290は、早見表300における、修正情報によって修正された品目を親品目とする各明細について、X印が付されている項目を特定することにより、変動する品目を特定する。
具体的には、売上変動額計算部291と、原価変動額計算部292と、原価差異変動額計算部293とは、早見表300の明細が変動させる項目の基準量当たりの変動額に、変動数量を乗じて、その明細についての変動額を計算する。
以上のように、実施の形態3にかかる損益予測装置200は、一旦修正された品目について再び修正された場合、早見表300を利用する。これにより、効率的にシミュレーションを行うことが可能となる。
全ての品目についてではなく、修正される可能性が高い品目等、一部の品目についてののみ早見表300を事前に作成してもよい。
実施の形態1では、過去の開始時点から未来の終了時点までの対象期間の損益を予測することについて説明した。実施の形態4では、実施の形態1で予測された損益を補正して、予測精度を高めることを説明する。
図25は、実施の形態4に係る損益予測装置200の構成図である。
損益予測装置200は、図2に示す損益予測装置200が備える構成に加え、補正値計算部251を備える。
ここでは、補正値計算部251は、損益予測値への影響の大きい、売上と、回収差異の計算に用いられる加工費との補正値を計算する。
つまり、損益計算部250は、補正値によって、売上と原価と原価差異との少なくともいずれかの対象項目を補正する。ここでは、補正値計算部251によって、売上と、回収差異の計算に用いられる加工費との補正値が計算される。そのため、損益計算部250は、補正値によって、売上と、原価差異とを補正する。補正した後、損益計算部250は、売上から、原価及び原価差異を減算して、損益予測値を計算する。
補正値計算部251は、補正品目決定部252と、売上範囲決定部253と、売上補正値計算部254と、加工費範囲決定部255と、加工費補正値計算部256と、修正情報生成部257とを備える。
図27は、実施の形態4に係る損益予測装置200の動作を示すフローチャートである。
S11の損益計算処理では、実施の形態1で説明した方法により、損益予測装置200は、売上と、原価と、原価差異とを計算して、損益予測値を計算する。なお、S11では、売上と、原価と、原価差異とだけを計算し、損益予測値は計算しなくてもよい。
S12の補正値計算処理は、売上補正値計算処理と、加工費補正値計算処理とに分かれる。
S21の補正品目決定処理では、補正品目決定部252は、前期間を開始時点より前の数ヶ月として、期間×組織×得意先×品目で売上金額の実績値を集計する。ここで、組織は、事業部×拠点である。ここで、“×”は、論理式におけるAND条件を意味する。つまり、期間×組織×得意先×品目で売上金額の実績値を集計するとは、期間と組織と得意先と品目と毎に、売上金額の実績値を集計するという意味である。
そして、補正品目決定部252は、各組織について、集計された売上金額の実績値の上位10個を補正対象の品目として特定する。補正品目決定部252は、補正対象として決定された各品目を対象品目とする。ここで、実績値は期間×組織×得意先×品目で集計されたため、対象品目は、単に品目を表すのではなく、組織×得意先×品目を表している。
ここでは、上位10個を補正対象としたが、上位3個のように他の数であってもよい。
ここでは、売上範囲を平均値ave+標準偏差σと平均値ave−標準偏差σとの間の範囲とした。しかし、売上範囲は、平均値ave+(標準偏差σ×2)と平均値ave−(標準偏差σ×2)との間の範囲のように、標準偏差σを定数倍して決定されてもよい。
対象期間の売上の計算値は、S11で計算された売上のうちの、対象品目についての売上のことである。
図29では、対象期間を7月とした場合に、7月の売上の計算値が売上範囲の上限を超えている。したがって、7月の売上の計算値は、異常ありと判定される。
つまり、売上補正値計算部254は、売上金額と平均値ave+標準偏差σ(又は平均値ave−標準偏差σ)との差額を計算する。言い換えると、売上補正値計算部254は、平均値ave+標準偏差σよりを超過している超過金額、又は、平均値ave−標準偏差σよりも不足している不足金額を売上補正値として計算する。
図29では、7月の売上の計算値と、売上範囲の上限との差額が売上補正値として計算される。
つまり、売上の計算値=売上実績値+受注残金額+販売予定金額である。このうち、売上実績値と、受注残金額とは正確な金額であるため、変更することはできない。したがって、売上を減少させる場合、販売予定金額が減少させる金額の上限となる。
そこで、売上補正値計算部254は、対象品目の売上の計算値が売上範囲の上限値よりも大きい場合には、対象品目の販売予定金額以下の金額を売上補正値として計算する。具体的には、売上補正値計算部254は、差額が販売予定金額以下の場合には、差額を売上補正値とし、差額が販売予定金額よりも大きい場合には、販売予定金額を売上補正値とする。
S31の加工費範囲決定処理では、加工費範囲決定部255は、前期間における1月当たりの各対象品目を製造する部門の加工費の実績値の平均値aveと、標準偏差σとを計算する。そして、加工費範囲決定部255は、各部門について、図31に示すように、平均値ave+標準偏差σと平均値ave−標準偏差σとの間の範囲を加工費範囲に決定する。
対象品目は、図28のS21で決定された品目である。部門とは原価センタのことである。
対象期間の加工費の計算値は、S11で計算された回収差異を計算する際に用いられる加工費のうちの、対象品目を製造する部門についての加工費のことである。回収差異を計算する際に用いられる加工費とは、予定チャージに作業時間を乗じた値のことである。
図31では、対象期間を7月とした場合に、7月の加工費の計算値が加工費範囲の下限を下回っている。したがって、7月の加工費の計算値は、異常ありと判定される。
つまり、加工費補正値計算部256は、加工費金額と平均値ave+標準偏差σ(又は平均値ave−標準偏差σ)との差額を計算する。言い換えると、加工費補正値計算部256は、平均値ave+標準偏差σよりを超過している超過金額、又は、平均値ave−標準偏差σよりも不足している不足金額を加工費補正値として計算する。
図31では、7月の加工費の計算値と、加工費範囲の下限との差額が加工費補正値として計算される。
つまり、加工費の計算値=製造実績値+仕掛金額+製造予定金額である。このうち、製造実績値と、仕掛金額とは正確な金額であるため、変更することはできない。したがって、加工費を減少させる場合、製造予定金額が減少させる金額の上限となる。
そこで、加工費補正値計算部256は、部門の売上の計算値が加工費範囲の上限値よりも大きい場合には、部門の製造予定金額以下の金額を加工費補正値として計算する。具体的には、加工費補正値計算部256は、差額が製造予定金額以下の場合には、差額を加工費補正値とし、差額が製造予定金額よりも大きい場合には、製造予定金額を加工費補正値とする。
S13の修正情報生成処理は、売上補正値から修正情報を生成する処理と、加工費補正値から修正情報を生成する処理とに分かれる。
売上補正値から修正情報を生成する処理では、修正情報生成部257は、S23で異常ありと判定された各対象品目について修正情報を生成する。
加工費補正値から修正情報を生成する処理では、修正情報生成部257は、S32で異常ありと判定された各部門について修正情報を生成する。
図34では、対象品目を製造している部門で、対象品目を含む品目A〜Dを製造している場合を示している。品目A〜Dには、対象品目が含まれているが、対象品目でない品目も含まれている可能性もある。ここでは、品目A〜Dそれぞれについて、親品目E〜Hが特定される。
図34に示す例では、納期が先という条件に従い、品目D,C,A,Bの順に、加工費補正値が示す金額が割り当てられる。ここでは、加工費補正値が示す金額が−2000であるとする。この場合、品目Dの加工費は1000であるため、まず品目Dに金額−1000が割り当てられる。品目Cの加工費は500であるため、次に品目Cに金額−500が割り当てられる。品目Aの加工費は1000であるため、最後に品目Aに残りの金額−500が割り当てられる。
図34に示す例では、品目Dの工数を金額−1000分減らす。また、品目Cの工数を金額−500分減らす。また、品目Aの工数を金額−500分減らす。例えば、該当部門の時間単価が1時間当たり250の場合、品目Dの工数は、−1000÷250=−4で、4時間減らすこととなり、品目Cの工数は−500÷250=−2で、2時間減らすこととなる。
図34に示す例では、品目Dの加工費が1000減り、工数が0になるため、製造数が100減る。品目Cの加工費が500減り、工数が0になるため、製造数が50減る。品目Aの加工費が500減り、工数が半分になるため、製造数が50減る。これに対応して、品目D,C,Aの親品目H,G,Eの製造数も変動する。親品目の変動数は、図16から図19に示す明細に基づき、親品目1つ当たりに必要となる子品目の数から計算される。
図34に示す例では、親品目H,G,Eの識別情報と、親品目H、G,Eの変動数との組が修正情報として生成される。
損益予測装置200は、コンピュータである。損益予測装置200の各要素をプログラムで実現することができる。
損益予測装置200のハードウェア構成としては、バスに、演算装置901、外部記憶装置902、主記憶装置903、通信装置904、入出力装置905が接続されている。
Memory)やフラッシュメモリ、ハードディスク装置等である。主記憶装置903は、例えばRAM(Random Access Memory)等である。通信装置904は、例えば通信ボード等である。入出力装置905は、例えばマウス、キーボード、ディスプレイ装置等である。
プログラムは、情報取得部210、売上計算部220、原価計算部230、原価差異計算部240、損益計算部250、補正値計算部251、出力部260、修正情報入力部280、影響品目特定部290、売上変動額計算部291、原価変動額計算部292、原価差異変動額計算部293として説明している機能を実現するプログラムである。
更に、外部記憶装置902にはオペレーティングシステム(OS)も記憶されており、OSの少なくとも一部が主記憶装置903にロードされ、演算装置901はOSを実行しながら、上記プログラムを実行する。
また、上記実施の形態の説明において、標準原価記憶部270、早見表記憶部294が記憶すると説明した情報や、情報取得部210、売上計算部220、原価計算部230、原価差異計算部240、補正値計算部251、損益計算部250、出力部260、修正情報入力部280、影響品目特定部290、売上変動額計算部291、原価変動額計算部292、原価差異変動額計算部293が取得する、計算する、出力する、受け付ける、特定する、決定する、生成する等と説明した情報等が主記憶装置903にファイルとして記憶されている。
Claims (9)
- 過去の開始時点から未来の終了時点までの対象期間の損益予測を行う損益予測装置であり、
前記対象期間に取引があった複数の品目の各品目を対象品目として、前記対象期間における前記対象品目の売上と原価と原価差異との少なくともいずれかの対象項目の計算値が、前記開始時点より前の前期間における前記対象品目の前記対象項目の実績値により定められる基準範囲に入るように補正する補正値を計算する補正値計算部と、
前記補正値計算部によって計算された補正値に基づき、前記対象期間における損益予測値を計算する損益計算部と
を備え、
前記補正値計算部は、
前記前期間における単位期間当たりの前記対象品目の売上の実績値の平均値を基準として、売上の実績値の標準偏差を用いて売上についての前記基準範囲である売上範囲を決定する売上範囲決定部と、
前記対象品目の売上の計算値が、前記売上範囲決定部によって決定された前記売上範囲に入るように補正する売上補正値を計算する売上補正値計算部と
を備え、
前記損益計算部は、前記売上補正値計算部によって計算された売上補正値を前記補正値として、前記損益予測値を計算する損益予測装置。 - 前記売上補正値計算部は、
前記対象品目の売上の計算値が前記売上範囲の上限値よりも大きい場合には、前記対象品目の売上の計算値が前記売上範囲の上限値になるように補正する値を前記売上補正値として計算し、
前記対象品目の売上の計算値が前記売上範囲の下限値よりも小さい場合には、前記対象品目の売上の計算値が前記売上範囲の下限値になるように補正する値を前記売上補正値として計算する
請求項1に記載の損益予測装置。 - 前記売上の計算値は、前記開始時点から処理時点までの過去期間に納品した販売実績情報から計算される売上実績値と、前記処理時点から前記終了時点までの未来期間に納期が含まれる販売予定情報が示す売上予測値との和であり、
前記売上予測値は、既に受注しているが納品していない受注残金額と、受注していないが販売する計画になっている販売予定金額とが含まれており、
前記売上補正値計算部は、前記対象品目の売上の計算値が前記売上範囲の上限値よりも大きい場合には、前記対象品目の前記販売予定金額以下の金額を前記売上補正値として計算する
請求項2に記載の損益予測装置。 - 過去の開始時点から未来の終了時点までの対象期間の損益予測を行う損益予測装置であり、
前記対象期間に取引があった複数の品目の各品目を対象品目として、前記対象期間における前記対象品目の売上と原価と原価差異との少なくともいずれかの対象項目の計算値が、前記開始時点より前の前期間における前記対象品目の前記対象項目の実績値により定められる基準範囲に入るように補正する補正値を計算する補正値計算部と、
前記補正値計算部によって計算された補正値に基づき、前記対象期間における損益予測値を計算する損益計算部と
を備え、
前記補正値計算部は、
前記前期間における単位期間当たりの前記対象品目を製造する部門の加工費の実績値の平均値を基準として、加工費の実績値の標準偏差を用いて加工費についての前記基準範囲である加工費範囲を決定する加工費範囲決定部と、
前記部門の加工費の計算値が、前記加工費範囲決定部によって決定された前記加工費範囲に入るように補正する加工費補正値を計算する加工費補正値計算部と
を備え、
前記損益計算部は、前記加工費補正値計算部によって計算された加工費補正値を前記補正値として、前記損益予測値を計算する損益予測装置。 - 前記加工費補正値計算部は、
前記部門の加工費の計算値が前記加工費範囲の上限値よりも大きい場合には、前記部門の加工費の計算値が前記加工費範囲の上限値になるように補正する値を前記加工費補正値として計算し、
前記部門の加工費の計算値が前記加工費範囲の下限値よりも小さい場合には、前記部門の加工費の計算値が前記加工費範囲の下限値になるように補正する値を前記加工費補正値として計算する
請求項4に記載の損益予測装置。 - 前記加工費の計算値は、前記開始時点から処理時点まで過去期間に作業済の作業済情報から計算される製造実績値と、前記処理時点から前記終了時点までの未来期間に作業予定の作業予定情報が示す製造予測値との和であり、
前記製造予測値は、既に製造中の仕掛金額と、製造していないが製造する計画になっている製造予定金額とが含まれており、
前記加工費補正値計算部は、前記部門の加工費の計算値が前記加工費範囲の上限値よりも大きい場合には、前記部門の前記製造予定金額以下の金額を前記加工費補正値として計算する
請求項5に記載の損益予測装置。 - 前記対象期間における売上を計算する売上計算部と、
前記対象期間における原価を計算する原価計算部と、
前記対象期間における原価差異を計算する原価差異計算部と、
前記損益計算部は、前記売上計算部によって計算された売上から、前記原価計算部によって計算された原価と、前記原価差異計算部によって計算された原価差異とを減じて、前記補正値計算部によって計算された補正値で補正して、前記損益予測値を計算する
請求項1から6までのいずれか1項に記載の損益予測装置。 - 過去の開始時点から未来の終了時点までの対象期間の損益予測を行う損益予測プログラムであり、
前記対象期間に取引があった複数の品目の各品目を対象品目として、前記対象期間における前記対象品目の売上と原価と原価差異との少なくともいずれかの対象項目の計算値が、前記開始時点より前の前期間における前記対象品目の前記対象項目の実績値により定められる基準範囲に入るように補正する補正値を計算する補正値計算処理と、
前記補正値計算処理によって計算された補正値を用いて、前記対象期間における損益予測値を計算する損益計算処理と
をコンピュータに実行させ、
前記補正値計算処理は、
前記前期間における単位期間当たりの前記対象品目の売上の実績値の平均値を基準として、売上の実績値の標準偏差を用いて売上についての前記基準範囲である売上範囲を決定する売上範囲決定処理と、
前記対象品目の売上の計算値が、前記売上範囲決定処理によって決定された前記売上範囲に入るように補正する売上補正値を計算する売上補正値計算処理と
を備え、
前記損益計算処理は、前記売上補正値計算処理によって計算された売上補正値を前記補正値として、前記損益予測値を計算する損益予測プログラム。 - 過去の開始時点から未来の終了時点までの対象期間の損益予測を行う損益予測プログラムであり、
前記対象期間に取引があった複数の品目の各品目を対象品目として、前記対象期間における前記対象品目の売上と原価と原価差異との少なくともいずれかの対象項目の計算値が、前記開始時点より前の前期間における前記対象品目の前記対象項目の実績値により定められる基準範囲に入るように補正する補正値を計算する補正値計算処理と、
前記補正値計算処理によって計算された補正値を用いて、前記対象期間における損益予測値を計算する損益計算処理と
をコンピュータに実行させ、
前記補正値計算処理は、
前記前期間における単位期間当たりの前記対象品目を製造する部門の加工費の実績値の平均値を基準として、加工費の実績値の標準偏差を用いて加工費についての前記基準範囲である加工費範囲を決定する加工費範囲決定処理と、
前記部門の加工費の計算値が、前記加工費範囲決定処理によって決定された前記加工費範囲に入るように補正する加工費補正値を計算する加工費補正値計算処理と
を備え、
前記損益計算処理では、前記加工費補正値計算処理によって計算された加工費補正値を前記補正値として、前記損益予測値を計算する損益予測プログラム。
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