JP5955454B2 - 製版処理廃液の濃縮方法及びリサイクル方法 - Google Patents

製版処理廃液の濃縮方法及びリサイクル方法 Download PDF

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Description

本発明は、感光性平版印刷版原版を自動現像機により製版処理する際に、現像処理と不感脂化処理を一工程で行うことにより発生した製版処理廃液の濃縮方法及びリサイクル方法に関する。
従来、感光性平版印刷版原版を自動現像機で現像処理する場合は、現像処理により、又は、現像液の経時により失われる成分の濃度又は現像液のpHを一定に保ち、現像液の性能を維持するために現像補充液を各工程の現像液に供給する手段が採られている。このような現像補充液の補充を行っても、現像液の性能が許容限度外になるような場合には、現像液の全てが製版処理廃液として廃棄処分される。製版処理廃液はアルカリ性が強いため、そのままでは一般排水として排出することができず、製版業者が自ら廃液処理設備を設置するか、廃液処理業者に廃液の処理を委託する等による廃液処理が必要である。
しかし、廃液処理業者に委託する方法は、廃液の貯蔵に多大なスペースが必要となり、且つ、コスト的にもきわめて高価である。また、廃液処理設備は、初期投資が極めて大きく、整備するのにかなり広大な場所を必要とする等の問題を有している。
このような問題に対して、現像液を低pHとし、さらに現像処理時に同時に不感脂化処理を行うことにより排出される廃液を削減する技術が提案されている(特開2008−233660号公報)。
また、他の、廃液を削減する技術として、廃液貯蔵タンクに温風を吹き込み、廃液を濃縮する方法(特開平5−341535号公報)、処理廃液を中和し、凝集剤を添加して凝集成分を凝集させる方法(特開平2−157084号公報)等が提案されている。
さらに、製版処理廃液の排出量を削減することができ、製版処理廃液の処理過程で生じる水を容易に再利用できる平版印刷版製版処理廃液削減装置が提案されている(特許第4774124号公報)。
一方、平版印刷版の現像処理廃液の問題に対しては、平版印刷版の現像液処方の観点から、非還元糖、及び塩基を含む現像液を用いることが提案されている(特開2011−90282号公報)。しかしながら、現像液の処方変更のみでは、廃液処理に関する問題の充分な解決は望めないのが現状である。
特開平5−341535号公報に記載の温風による廃液濃縮技術では、蒸発量が多くないため、廃液量減少の効果は充分ではなく、また、製版処理廃液を充分に濃縮するのに長時間を必要とするという問題がある。さらに、蒸発した水分の処理については検討されていない。
特開平2−157084号公報に記載の凝集剤を用いる技術では、廃液の処理にコストがかかるという問題があり、さらに、製版処理廃液に高分子化合物を含有する場合には、蒸発釜内に残った固形物が飴状となって蒸発釜の壁面に付着し、汚れやすく、また廃液処理装置の配管が詰まり易いなど、メンテナンスが煩雑であるという問題があった。
上記問題点を考慮してなされた本発明は、自動現像機において、現像液により現像処理と不感脂化処理を一工程で行う製版処理の際に発生した廃液の濃縮時の発泡が抑制され、効率よく濃縮され、さらに、濃縮釜などの洗浄を容易に行いうる、製版処理廃液の濃縮方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、製版処理廃液を濃縮する際に得られた再生水を再利用することにより、自動現像機の現像浴中での堆積物の蓄積による汚れが少なく、長時間連続的に製版処理した場合においても析出物の発生が抑制される、製版処理廃液のリサイクル方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、現像処理時に現像と不感脂化処理を一工程で行う際に、特定の界面活性剤を含む現像液を用いることで上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の構成は以下に示すとおりである。
[1] 支持体上に熱可塑性ポリマー粒子及び光熱変換剤を含有する画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を赤外線レーザーにより露光後、自動現像機において、露光後の感光性平版印刷版原版に対して、現像液により現像処理と不感脂化処理とを一工程で行う製版処理工程、製版処理工程により生じた製版処理廃液を、廃液濃縮装置で、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比が1/2〜1/10となるように、蒸発濃縮する廃液濃縮工程、及び、廃液濃縮工程において分離された水蒸気を廃液濃縮装置より導出し、冷却手段を用いて凝縮して再生水を生成させる再生水生成工程、を含み、現像液が、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を1質量%〜10質量%含有し、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が0.1質量%〜2質量%であり、沸点が100℃より低いか或いは沸点が300℃より高い有機溶剤の含有量が0.2質量%以下である現像液である感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
[2] 界面活性剤がアニオン性界面活性剤である、[1]に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
[3] アニオン性界面活性剤が、ジフェニルエーテル骨格を有するスルホン酸塩を含む、[2]に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
[4] ジフェニルエーテル骨格を有するスルホン酸塩を、現像液中に2種類以上含む、[3]に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
[5] 沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤がエチレングリコールであり、現像液に対するエチレングリコールの含有量が0.1質量%〜1.0質量%である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
[6] 現像液が、水溶性樹脂を含む、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
[7] 水溶性樹脂がデキストリンであり、現像液に対するデキストリンの含有量が1.0質量%〜5.0質量%である、[6]に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
[8] 現像液のpHが6〜10である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
[9] 支持体上に熱可塑性ポリマー粒子及び光熱変換剤を含有する画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を赤外線レーザーにより露光後、自動現像機において、露光後の感光性平版印刷版原版に対して、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を1質量%〜10質量%含有し、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が0.1質量%〜2質量%であり、沸点が100℃より低いか或いは沸点が300℃より高い有機溶剤を含有しないか、含有する場合には、0.2質量%以下である現像液により現像処理と不感脂化処理とを一工程で行う製版処理工程、製版処理工程により生じた製版処理廃液を、廃液濃縮装置で、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比が1/2〜1/10となるように、蒸発濃縮する廃液濃縮工程、廃液濃縮工程において分離された水蒸気を廃液濃縮装置より導出し、冷却手段を用いて凝縮して再生水を生成させる再生水生成工程、及び、再生水生成工程で得られた再生水を、自動現像機に供給する再生水供給工程、を含む感光性平版印刷版原版の製版処理廃液のリサイクル方法。
[10] 界面活性剤が、アニオン性界面活性剤である、[9]に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[11] アニオン性界面活性剤が、ジフェニルエーテル骨格を有するスルホン酸塩を含む、[10]に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[12] ジフェニルエーテル骨格を有するスルホン酸塩を現像液中に2種類以上含む、[11]に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[13] 沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤がエチレングリコールであり、現像液に対するエチレングリコールの含有量が0.1質量%〜1.0質量%である、[9]〜[12]のいずれか一項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[14] 現像液が、さらに、水溶性樹脂を含有する、[9]〜[13]のいずれか一項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[15] 現像液のpHが6〜10である、[9]〜[14]のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[16] 製版処理工程を経て得られた平版印刷版を乾燥処理する平版印刷版乾燥工程を含む、[9]〜[15]のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[17] 廃液濃縮装置が加熱手段を有する、[9]〜[16]のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[18] 廃液濃縮装置が有する加熱手段による加熱が、減圧された状態で行われる、[17]に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[19] 廃液濃縮装置が有する加熱手段が、放熱部と吸熱部を備えたヒートポンプであり、ヒートポンプの放熱部で製版処理廃液を加熱し、ヒートポンプの吸熱部で水蒸気を冷却する、[17]又は[18]に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[20] 廃液濃縮工程が、蒸発濃縮により濃縮された製版処理廃液の濃縮物をポンプで加圧し、回収タンクに回収する濃縮物回収工程をさらに含む、[9]〜[19]のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
本発明によれば、自動現像機において、現像液により現像処理と不感脂化処理を一工程で行う製版処理の際に発生した廃液の濃縮時の発泡が抑制され、効率よく濃縮され、さらに、濃縮釜などの洗浄を容易に行いうる、製版処理廃液の濃縮方法を提供することができる。
即ち、自動現像機において現像液により現像処理と不感脂化処理を一工程で行うことにより、廃液を削減することができるが、本発明はさらに、製版処理廃液を濃縮することにより廃却する廃液を極めて少なくすることができる。また、製版処理廃液の濃縮時の発泡が抑制され、且つ濃縮装置の洗浄を容易に行うことができる。
また、本発明によれば、製版処理廃液を濃縮する際に得られた再生水を再利用することにより、自動現像機の現像浴中での堆積物の蓄積による汚れが少なく、長時間連続的に製版処理した場合においても析出物の発生が抑制される、製版処理廃液のリサイクル方法を提供することができる。
即ち、本発明の製版処理廃液の濃縮方法により得られる再生水は、再生水中に製版処理廃液が混在したり、濃縮中に粘度が大幅に上昇したり、あるいは固形分が析出したりすることがなく、再生水を現像浴にリサイクルすることにより長時間連続的に製版処理した場合においても製版処理廃液として廃却する廃液を極めて少なくすることができる。
図1は、本発明の製版処理廃液のリサイクル方法に係る現像処理装置を用いた製版処理廃液の処理方法のフローの一態様を示す概念図である。 図2は、従来の現像処理廃液の濃縮装置を有する現像処理装置を用いた製版処理廃液の処理方法のフローの一態様を示す概念図である。 図3は、自動現像機において、版面に現像液を付与する現像液付与手段を備え、一工程で現像処理と不感脂化処理とを行う自動現像機の構成の一態様を示す概略図である。 図4は、自動現像機において、一工程で現像処理と不感脂化処理とを行う現像処理部を複数有する自動現像機の構成の一態様を示す概略図である。 図5は、自動現像機において、現像浴を備え、現像浴中で現像処理と不感脂化処理とを一工程で行う自動現像機の構成の一態様を示す概略図である。
本明細書において「〜」を用いて記載した数値範囲は、「〜」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を表す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、「現像」とは、画像記録層における未硬化領域が現像によって除去されることを意味し、「製版」とは、「現像」に加え、画像部の「不感脂化」が行われ、印刷に供しうる平版印刷版が作製されることを意味する。
以下、本発明について詳細に説明する。
[感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法]
本発明の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法(以下、廃液濃縮方法と称することがある)は、支持体上に熱可塑性ポリマー粒子及び光熱変換剤を含有する熱融着性の画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を露光後、自動現像機において、露光後の感光性平版印刷版原版に対して、以下に示す現像液により現像処理と不感脂化処理とを一工程で行う製版処理工程、製版処理工程により生じた製版処理廃液を、廃液濃縮装置で、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比が1/2〜1/10となるように、蒸発濃縮する廃液濃縮工程、及び、廃液濃縮工程において分離された水蒸気を蒸発濃縮装置より導出し、冷却手段を用いて凝縮して再生水を生成させる再生水生成工程を含み、製版処理工程に用いる現像液は、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を1質量%〜10質量%含有し、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が0.1質量%〜2質量%であり、沸点が100℃より低いか或いは沸点が300℃より高い有機溶剤を含有しないか、含有する場合には、0.2質量%以下である現像液である。
本発明に用いられる感光性平版印刷版原版は、支持体上に熱可塑性ポリマー粒子及び光熱変換剤を含有する画像記録層を有する。感光性平版印刷版原版の画像記録層が露光されて潜像を形成し、その後、現像液を用いた製版処理により非画像部が除去され、平版印刷版が作製される。本発明に使用される感光性平版印刷版原版はネガ型の画像記録層を有する感光性平版印刷版原版である。画像記録層が露光されると露光領域の熱可塑性ポリマー粒子が互いに熱融着して画像部を形成し、現像により未露光部(非画像部)における融着されない熱可塑性ポリマー粒子が除去されることで、インク受容性の画像部領域と親水性の支持体が露出した非画像部領域が形成される。
本発明の廃液濃縮方法及びリサイクル方法においては、自動現像機において、非画像部の除去(現像処理)と形成された画像部の不感脂化処理とが一工程で行われることが特徴の一つであり、この工程により、従来法に比較して廃液量がより低減される。
以下、本発明の廃液濃縮方法について、工程順に説明する。使用される感光性平版印刷版原版及び製版処理工程に先立って行われる露光工程については後述する。
[製版処理工程]
製版処理工程では、支持体上に熱融着性の画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を露光後、現像する自動現像機において、露光後の感光性平版印刷版原版に対して、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を1質量%〜10質量%含有し、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が2質量%以下であり、沸点が100℃より低いか或いは沸点が300℃より高い有機溶剤を含有しないか、含有する場合には0.2質量%以下である現像液により現像処理と不感脂化処理とを一工程で行う。
〔現像液〕
本発明の製版処理廃液の濃縮方法及びリサイクル方法において、感光性平版印刷版原版の現像処理に用いる現像液について説明する。
なお、本明細書中において、特に断りのない限り、現像液とは、現像開始液(狭義の現像液)と現像補充液とを包含する意味で用いられる。
本発明に適用される現像液及び現像補充液としては、熱融着性の画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を現像するための現像液であり、自動現像機において、現像処理と不感脂化処理とを、自動現像機において一工程で行うために使用される現像液である。
本発明に用いられる現像液は、以下の(a)、(b)及び(c)条件を満たす現像液である。
(a)アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群より選択される界面活性剤の少なくとも1種を1質量%〜10質量%含有すること。
(b)沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が2質量%以下であること。
なお、本発明に用いられる現像液においては、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量は少ない程好ましく、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤を含有しない場合も好ましい態様である。
(c)沸点が100℃より低い有機溶剤及び沸点が300℃より高い有機溶剤のいずれをも含有しないか、含有する場合には、その含有量の総量が0.2質量%以下であること。
〔アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤〕
本発明の廃液濃縮方法において現像液に用いられる界面活性剤は、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる界面活性剤であれば特に制限はない。
以下、本発明用いられる現像液に用いうる界面活性剤について詳細に説明する。
〔アニオン性界面活性剤〕
本発明に用いられるアニオン系界面活性剤としては、特に制限はなく、例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、ジフェニルエーテル骨格を有するスルホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、スルホコハク酸(N−アルキル)モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。
これらの中でも、ジアルキルスルホコハク酸塩、ジフェニルエーテル骨格を有するスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩及びアルキルナフタレンスルホン酸塩が特に好ましく用いられる。
アニオン性界面活性剤として最も好ましい態様は、下記一般式で表されるジフェニルエーテル骨格を有するスルホン酸塩である。
前記一般式中、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜20のアルキル基を表す。より好ましくは、Rが炭素原子数4〜18のアルキル基を表し、Rは水素原子である態様である。
なお、本発明に用いられる現像液には、前記一般式で表されるジフェニルエーテル骨格を有するスルホン酸塩であるアニオン性界面活性剤を2種以上含んでいてもよい。ジフェニルエーテル骨格を有するスルホン酸塩を2種以上含む場合は、前記一般式においてRが炭素原子数4〜18のアルキル基であり、且つ、Rは水素原子である界面活性剤と、一般式においてRが炭素原子数4〜18のアルキル基であり、且つ、RがRと同じアルキル基である界面活性剤との組み合わせが好ましい。
最適な組み合わせの具体例としては、下記2種のアニオン性界面活性剤の組み合わせを挙げることができる。
〔ノニオン性界面活性剤〕
本発明に用いられるノニオン系界面活性剤としては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー等、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。なお、高級アルコール又は高級アルキルアミンにおける高級アルキルとは、炭素数9〜30のアルキルを示す。
本発明におけるノニオン性界面活性剤としては、ソルビトール及び/又はソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー、多価アルコールの脂肪酸エステルがより好ましい。
また、水に対する安定な溶解性あるいは混濁性の観点から、本発明に用いられる現像液に使用するノニオン系界面活性剤としては、HLB(Hydorophile−LipophileBalance)値が、6以上であるノニオン性界面活性剤が好ましく、8以上であるノニオン性界面活性剤がより好ましい。
これらノニオン性界面活系剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる現像液に含まれる界面活性剤は1種単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせる場合には、アニオン性界面活性剤のみを2種以上含む態様、ノニオン性界面活性剤を2種以上含む態様、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤をそれぞれ1種以上含む態様、のいずれであってもよい。
なかでも、アニオン性界面活性剤であるジフェニルエーテル骨格を有するスルホン酸塩を2種以上含む態様が好ましい。
現像液における界面活性剤の含有量は、1質量%〜10質量%の範囲であることを要し、好ましくは2質量%〜10質量%の範囲であり、3質量%〜10質量%の範囲であることが効果の観点からさらに好ましい。現像液中の界面活性剤の含有量を1質量%以上とすることで、現像性及び現像液中における画像記録層成分の溶解性が良好となり、含有量を10質量%以下とすることで、形成された平版印刷版の耐刷性が良好となる。
なお、特定界面活性剤を2種以上含む場合、上記含有量は特定界面活性剤の総含有量を示す。
〔有機溶剤〕
本発明においては、感光性平版印刷版原版の現像に用いる現像液又は現像補充液としては、画像記録層成分の溶解性を向上させるなどの目的で、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤を含有してもよいが、含有量は2質量%以下の範囲とすべきであり、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤を含有しない場合も好ましい。
現像液が含みうる沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の種類としては、沸点が100℃〜300℃の範囲であれば、どのような有機溶剤であってもよいが、好ましくは、2−フェニルエタノール(沸点:219℃)、3−フェニル−1−プロパノール(沸点:238℃)、2−フェノキシエタノール(沸点:244〜255℃)、ベンジルアルコール(沸点:205℃)、シクロヘキサノール(沸点:161℃)、モノエタノールアミン(沸点:170℃)、ジエタノールアミン(沸点:268℃)、シクロヘキサノン(沸点:155℃)、エチルラクテート(沸点:155℃)、プロピレングリコール(沸点:187℃)、エチレングリコール(沸点:198℃)、γ−ブチロラクトン(沸点:205℃)、N−メチルピロリドン(沸点:202℃)、N−エチルピロリドン(沸点:218℃)、グリセリン(沸点:290℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:120℃)、エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点:124℃)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点:145℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点:162℃)、グリセリン(沸点:299℃)、エチレングリコール(沸点:197℃)などが挙げられる。なかでも、特に、ベンジルアルコール、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、エチレングリコールが好ましい。
現像液中における、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量は、0.1質量%〜1.0質量%の範囲であることが好ましい。
本発明に用いられる現像液が沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤を2種以上含む場合、上記含有量は現像液に含まれる水溶性樹脂の総量を示す。
なお、現像液に含まれる有機溶剤の沸点が、100℃より低いと揮発しやすく、300℃を越えるとより濃縮し難くなるので好ましくない。
従って、上記以外の有機溶剤、即ち、沸点が100℃より低いか、或いは沸点が300℃より高い有機溶剤は、現像液には含有しないか、含有する場合には、含有量は現像液に対して0.2質量%以下とすべきである。即ち、ガスクロマトグラフィー法により現像液中の上記有機溶剤の含有量を定量した場合の含有量が0.2質量%以下であることを要する。
本実施形態の現像液において、沸点が100℃より低い有機溶剤及び沸点が300℃より高い有機溶剤は、そのいずれも、本発明に用いられる現像液には実質的に含有されないことがより好ましい。実質的に含有されないとは、当該有機溶剤を全く含有しないか、含有しても不可避不純物としてのみ含有される程度である。
本発明に用いられる現像液は、既述の界面活性剤及び後述するアルカリ剤を含むアルカリ現像液である。
〔pH〕
本発明においては、製版処理工程において、現像液により現像処理と不感脂化処理とを一工程で行うために、ここで用いられる現像液のpHは、効果の観点から6.0〜11.0であるのが好ましく、6.5〜9.5であることがより好ましい。
また、本発明に用いられる現像液には、後述するアルカリ剤及び既述の界面活性剤以外にも、本発明の効果を損なわない限りにおいて種々の公知の添加剤を併用してもよい。
〔有機酸又はその塩〕
現像液のpHは、pH調整剤を用いて調整してもよい。
pH調整剤としては、クエン酸、りんご酸、酒石酸、グルコン酸、安息香酸、フタル酸、p−エチル安息香酸、p−n−プロピル安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、p−n−ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、p−2−ヒドロキシエチル安息香酸、デカン酸、サリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の有機カルボン酸又はそれらの金属塩、アンモニウム塩などを含有することが好ましい。
クエン酸は緩衝剤としての機能があり、例えば、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウムとして添加される。
本発明に用いられる現像液には、pH調整剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
本発明にかかる現像液におけるpH調整剤の含有量は、一般的には、現像液中に0.05質量%〜5質量%の範囲であり、好ましくは0.3質量%〜3質量%の範囲である。
本発明に用いられる現像液がpH調整剤を2種以上含む場合、上記含有量は総量を示す。
〔水溶性樹脂〕
本発明に用いられる現像液には、現像浴中で現像と一工程で実施される不感脂化処理において、ガム液として版面を保護する機能を強化するために、水溶性樹脂を含有させてもよい。
本発明に用いられる現像液が含有することができる水溶性樹脂としては、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)及びその変性体、プルラン、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及びアクリルアミド共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。水溶性樹脂の好ましい酸価は、0〜3.0meq/gである。
大豆多糖類としては、従来知られているものが使用でき、例えば市販品としてソヤファイブ(不二製油(株)製)があり、各種グレードのものを使用することができる。好ましく使用できるものは、10質量%水溶液の粘度が1Pa/sec〜100mPa/secの範囲にあるものである。
変性澱粉としては、下記一般式(VII)で示されるものが好ましい。一般式(VII)で示される澱粉としては、トウモロコシ、じゃがいも、タピオカ、米、小麦等のいずれかから得られた澱粉を変性したものが挙げられ、これらはいずれも本発明に使用しうる。
澱粉の変性は、酸又は酵素等で1分子当たりグルコース残基数5〜30の範囲で分解し、更にアルカリ中でオキシプロピレンを付加する方法等で行うことができる。
一般式(VII)中、nは3〜30の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。
一般式(VII)で表される化合物のエーテル化度(置換度)はグルコース単位当たり0.05〜1.2の範囲である。
水溶性樹脂のなかでも、特に好ましいものとして、大豆多糖類、既述の変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなどが挙げられ、なかでも水溶性樹脂がデキストリンであることが最も好ましい
水溶性樹脂は2種以上を併用することもできる。
水溶性樹脂の現像液中における含有量は、0.1質量%〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5質量%〜10質量%、特に好ましくは1.0質量%〜5.0質量%である。
本発明に用いられる現像液が水溶性樹脂を2種以上含む場合、上記含有量は現像液に含まれる水溶性樹脂の総量を示す。
〔キレート剤〕
現像液には2価金属に対するキレート剤を含有させてもよい。2価金属の例としては例えば、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。
キレート剤としては、例えば、Na、Na、Na、NaP(NaOP)PONa、カルゴン(ポリメタリン酸ナトリウム)などのポリリン酸塩;エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、及びそのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、及びそのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、及びそのナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、及びそのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのカリウム塩、及びそのナトリウム塩;1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そのカリウム塩、及びそのナトリウム塩;1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸、そのカリウム塩、及びそのナトリウム塩;などから選ばれるアミノポリカルボン酸類が挙げられる。
本発明に使用しうるその他のキレート剤としては、例えば、2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4、そのカリウム塩、及びそのナトリウム塩;2−ホスホノブタノントリカルボン酸−2,3,4、そのカリウム塩、及びそのナトリウム塩;1−ホスホノエタントリカルボン酸−1,2,2、そのカリウム塩、及びそのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、及びそのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、及びそのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類、並びに、S,S−エチレンジアミンジコハク酸(EDDSH)、S,S−エチレンジアミンジコハク酸3ソーダ(EDDSNa)、及びグルタミン酸二酢酸4ソーダなどの生分解性キレート剤等を挙げることができる。
このようなキレート剤の現像液中の含有量としては、現像液に使用される硬水の硬度及びその使用量に応じて変化するが、一般的には、キレート剤を現像液中に0.01質量%〜5質量%、より好ましくは0.01質量%〜0.5質量%の範囲で含有させる。
本発明に用いられる現像液がキレート剤を2種以上含む場合、上記含有量は現像液に含まれるキレート剤の総量を示す。
〔消泡剤〕
現像液に、アニオン性界面活性剤を含有させると、発泡しやすくなる懸念がある。このため、現像液にアニオン性界面活性剤を含有させる場合には、消泡剤を含有させてもよい。
現像液に、消泡剤を含有させる場合には、現像液に対する含有量は、0.00001質量%以上であることが好ましく、0.0001質量%〜0.5質量%程度の範囲であることがより好ましい。
本発明に用いられる現像液に用いうる消泡剤としては、例えば、フッ素含有消泡剤、シリコーン消泡剤、アセチレンアルコール、アセチレングリコール等が挙げられる。
以下、本発明における現像液に用いうる消泡剤について詳述する。
フッ素系消泡剤としては、下記式で表される化合物等が挙げられる。
これらのうち、HLB1〜9のフッ素含有消泡剤、特にHLB1〜4のフッ素含有消泡剤が好ましく用いられる。上記のフッ素含有消泡剤はそのまま現像液に含有させてもよく、又は、水その他の溶媒等と混合した乳濁液の形で現像液に含有させてもよい。
上記式中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rfはアルキル基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子で置き換えたフッ化アルキル基(炭素数5〜10程度)を表す。XはC(O)又はSOを表し、nは1〜10の整数を表す。
シリコーン消泡剤は、ジアルキルポリシロキサン、好ましくは下記に示す構造のジメチルポリシロキサンが挙げられる。シリコーン消泡剤はそのまま現像液に含有させてもよく、又は、水その他の溶媒等を用いて調製したO/W型乳濁液としたものを現像液に含有させてもよい。
シリコーン消泡剤の別の例としては、下記に示す構造のアルコキシポリ(エチレンオキシ)シロキサン、ジメチルポリシロキサンにカルボン酸基あるいはスルホン酸基を一部導入して変性した酸変性シロキサン化合物等が挙げられる。消泡剤としての変性シロキサン化合物を、そのまま現像液に含有させてもよく、又は、水その他の溶媒、並びに一般に知られるアニオン性界面活性剤を用いて調製した変性シロキサン化合物含有O/W型乳濁液としたものを現像液に含有させてもよい。
本発明における現像液に用いうる消泡剤であるアセチレンアルコールとは、分子内にアセチレン結合(三重結合)をもつ不飽和アルコールである。また、アセチレングリコールとは、アルキンジオールとも呼ばれ、分子内にアセチレン結合(三重結合)をもつ不飽和グリコールである。
本発明における現像液に用いうるアセチレンアルコール及びアセチレングリコールから選ばれる消泡剤としては、より具体的には、以下の一般式(1)、又は一般式(2)で示される化合物が挙げられる。
一般式(1)中、Rは炭素原子数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。
一般式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、a+bは0〜30の数である。但し、a及びbが同時に0となることはない。
一般式(2)中、炭素原子数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基などが挙げられる。
アセチレンアルコール及びアセチレングリコールの更なる具体例として以下のものが挙げられる。
(1)プロパルギルアルコール
(2)プロパルギルカルビノール
(3)3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール
(4)3−メチル−1−ブチン−3−オール
(5)3−メチル−1−ペンチン−3−オール
(6)1,4−ブチンジオール
(7)2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール
(8)3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール
(9)2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール
(10)2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールの酸化エチレン付加物(下記構造)
(11)2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール
これらのアセチレンアルコール、及びアセチレングリコールは市場で入手することができる。アセチレンアルコール、及びアセチレングリコールの市販品としては、例えば Air Products and Chemicals Inc.の商品名サーフィノールが知られている。市販品の具体例には、上記(3)3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールとしてサーフィノール61、上記(4)3−メチル−1−ブチン−3−オールとしてオルフィンB、上記(5)3−メチル−1−ペンチン−3−オールとしてオルフィンP、上記(7)2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオールとしてオルフィンY、上記(8)3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールとしてサーフィノール82、上記(9)2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールとしてサーフィノール104、オルフィンAK−02、上記(10)2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールの酸化エチレン付加物としてサーフィノール400シリーズ、上記(11)2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールとしてサーフィノールDF−110Dなどがある。
〔その他の添加剤〕
現像液には有機酸のアルカリ金属塩類、及び無機酸のアルカリ金属塩類からなる群より選ばれる現像調整剤を含有させてもよい。現像調整剤としては、例えは、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、クエン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウムなどが挙げられる。現像調整剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、現像液には、アルカリ剤を含有することができる。アルカリ剤としては、例えば、第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウム、第3リン酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、及び水酸化リチウム等から選ばれる無機アルカリ剤、及びモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等から選ばれる有機アルカリ剤が挙げられる。アルカリ剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
現像液には、上記の成分の他に、必要に応じて以下に記載する各種の成分を含有することができる。現像液が必要に応じて含有しうる成分としては、例えば、還元剤、染料、顔料、硬水軟化剤、防腐剤等が挙げられる。
(水)
前述の現像液の残余の成分は水である。本発明に用いられる現像液(現像原液)は、使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしておくことが搬送の際には有利である。現像液の濃縮液(現像原液)の濃縮度は、現像液に含まれる各成分が分離、析出等を起こさない程度の濃縮度とすることが好ましい。水としては、後述する再生水を使用してもよい。
上記製版処理工程では、自動現像機において、既述の現像液(以下、特定現像液と称することがある)を使用することで、現像処理と不感脂化処理とを、一工程で良好に行うことができる。現像処理と不感脂化処理とを一工程で行うとは、既述の特定現像液の一種を用いることにより、一つの処理部(一つの処理槽)中において現像処理と不感脂化処理とを行うことを指し、この場合、通常、現像処理に引き続き行われる別の処理部における不感脂化処理を行う必要はない。
なお、本発明においては、現像処理と不感脂化処理とを一工程で行う限りにおいて、この現像及び不感脂化処理を2回以上繰り返して行ってもよい。即ち、自動現像機として、現像処理部を1つのみ有するもののみならず、現像処理部を隣接して2つ以上有する自動現像機、現像処理部と不感脂化処理部(ガム引き処理部)とを隣接して有する自動現像機等を用いて、2つ以上の処理部において、それぞれ上記本発明に用いられる現像液を供給して製版処理工程を2回以上行ってもよい。
現像処理と不感脂化処理とを特定現像液を用いて一工程で行う本発明に用いられる製版処理を複数回繰り返すことにより、下流側の現像処理部では、現像カスなどの不純物の少ない現像液が版に接触することで、形成された画像の画質がより向上するという利点を有することになる。
本発明における製版処理は、0℃〜60℃、好ましくは15℃〜40℃程度の温度で行なわれる。製版処理工程は、常法に従って、例えば、画像露光した感光性平版印刷版原版を特定現像液に浸漬してブラシで擦る方法、スプレー等により平版印刷版原版の版面に特定現像液を吹き付けてブラシで擦る方法等により行うことができる。
本発明における製版処理工程は、現像液の供給手段及び擦り部材を備えた自動現像機により好適に実施することができる。擦り部材として、回転ブラシロールを用いる自動現像機が特に好ましい。
回転ブラシロールは2本以上が好ましい。更に自動現像機は現像処理手段の後に、スクイズローラー等の余剰の現像液を除去する手段、温風装置等の乾燥手段等を備えていることが好ましい。また、自動現像機は現像処理手段の前に、画像露光後の感光性平版印刷版原版を加熱処理するための前加熱手段を備えていてもよい。
このような、擦り部材、余剰の現像液を除去する手段などの付加的な手段をさらに備える自動現像機を用いて製版処理を行うことで、現像処理の際に生ずる保護層及び画像記録層の構成成分に由来する現像カスが製版後の平版印刷版の版面へ付着することを効果的に抑制しうるという利点がある。
〔廃液濃縮工程〕
本工程では、既述の製版処理工程により生じた製版処理廃液を、廃液濃縮装置で、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比が1/2〜1/10となるように、蒸発濃縮する。
以下、本発明における廃液濃縮工程について説明する。
本発明における廃液濃縮工程に用いられる廃液濃縮装置としては、廃液を、減圧を行わずに加熱又は減圧下で加熱し、蒸発する水分と残留する濃縮物(スラリー)とに分離する蒸発釜(図示しない)と、蒸発釜において分離され、蒸発濃縮装置より導出された、有機溶剤を含有していてもよい水蒸気を冷却し、凝縮して再生水とする冷却釜(図示しない)とを少なくとも具備する蒸発濃縮装置が挙げられる。
廃液の濃縮は、既述の蒸発釜内部を減圧手段で減圧して、加熱濃縮する方法で行うことが、廃液の沸点を低下させ、大気圧下におけるよりも低い温度で廃液を蒸発濃縮させることできるため好ましい。廃液の濃縮時に減圧手段を用いることで、より低温で蒸発濃縮を行うことができ、蒸発釜が高温となりにくくなり、廃液及び廃液濃縮物が熱による影響を受けにくいという利点を有する。
廃液の濃縮時に用いられる減圧手段としては、一般的な水封式、油回転式、及びダイヤフラム式等から選ばれる機械的真空ポンプ、油又は水銀を用いた拡散ポンプ、多段ターボ圧縮機、往復圧縮機、ねじ圧縮機等の圧縮機、アスピレータ等が挙げられる。これらの減圧手段の中では、アスピレータがメンテナンス性、コストの点で好ましい。
減圧条件としては、例えば、666.6Pa(5mmHg)〜13332.2Pa(100mmHg)となるまで減圧する条件が好ましく、より好ましくは666.6Pa(5mmHg)〜3999.7Pa(30mmHg)となるまで減圧する条件が挙げられる。
加熱条件は、水流ポンプ、真空ポンプ等においてで得られやすい圧力である666.6Pa〜13332.2Paに対応した温度域が選択される。具体的には20℃〜80℃の範囲であり、より好ましくは25℃〜45℃の範囲である。
高温で蒸留し、濃縮を行うと多くの電力を要するが、減圧下で濃縮を行うことにより、常圧で濃縮する場合に比較して、加熱温度をより低くすることができ、使用電力量を抑制することができる。
また、蒸発釜における加熱手段としてヒートポンプを使用することも好ましい態様であり、ヒートポンプとしては、放熱部と吸熱部とを備える態様が好ましい。ヒートポンプの放熱部で製版処理廃液を加熱する一方、ヒートポンプの吸熱部で製版処理廃液から分離された水蒸気を冷却することができ、廃液の加熱濃縮をヒートポンプの発熱で行い、水蒸気の凝縮をヒートポンプの吸熱で行うため熱効率がよく、電熱器等の加熱手段を用いた場合に比較し、局所的に高熱とならない、二酸化炭素の排出量が減少するなどの利点を有する。
本工程においては、廃液濃縮装置において、製版処理廃液を蒸発濃縮する際には、製版処理廃液は、蒸発釜中で加熱手段により加熱することで、容量基準で1/2〜1/10(=濃縮後の製版処理廃液/濃縮前の製版処理廃液:以下、「濃縮率」とも称する)となるように蒸発濃縮される。ここで、製版処理廃液の濃縮比が1/2未満であると、処理すべき廃液量の減少が効果的に行われず、また、1/10を超えて濃縮した場合、廃液濃縮装置30の蒸発釜内で濃縮された廃液に起因する固形物の析出が生じやすくなり、メンテナンス性が低下する懸念がある。製版処理廃液は、容量基準で1/3〜1/8の範囲に濃縮されることが好ましい。製版処理廃液の濃縮を、上記濃縮の範囲で行うと、濃縮釜の汚れが少なく、廃液濃縮装置の連続運転が長期にわたって可能である。また、得られた再生水は再利用が可能であり、製版処理廃液として廃却する廃液が極めて少ない。
なお、本実施形態において、廃液濃縮工程に使用される廃液濃縮装置として、例えば、タカギ冷機製のヒートポンプ方式濃縮装置XR−2000、XR−5000(いずれも商品名)、加熱方式のコスモテック社製フレンドリーシリーズ(商品名)などの市販品が挙げられる。
製版処理廃液の濃縮物は、ポンプで加圧し、回収タンクに回収してもよい(濃縮物回収工程)。製版処理廃液を濃縮物とすることで、製版処理廃液の廃棄量を低減できる。
〔再生水生成工程〕
本工程では、廃液濃縮工程において分離された水蒸気を廃液濃縮装置より導出し、凝縮(凝結)して再生水を生成させる。
既述のように、廃液濃縮工程において、廃液の加熱濃縮をヒートポンプで行う場合には、ヒートポンプの吸熱部で冷却された水蒸気が液状となり再生水が得られる。即ち、廃液濃縮工程において、廃液の加熱手段(または放熱部)と冷却手段(冷却釜または吸熱部)とを備え蒸発濃縮装置では、蒸発濃縮装置内において再生水が生成され、生成された再生水が蒸発濃縮装置より導出される。当該実施形態も本発明における再生水生成工程に包含される。
また、廃液の加熱濃縮を電熱器等の公知の加熱手段(蒸発釜)と冷却手段(冷却釜)とを備える加熱濃縮装置を用いて行った場合には、加熱手段により分離された水蒸気は、廃液濃縮装置内において冷却釜(冷却手段)へと搬送され、冷却手段を用いて水蒸気を凝縮させて再生水を生成させる。冷却手段としては、公知の水冷クーラーなどを適宜使用すればよい。
上記のようにして得られる再生水は、BOD値(生物化学的酸素要求量)、及びCOD値(化学的酸素要求量)の低い再生水である。本発明で用いられる現像液を使用した場合、およそ、BOD値は250mg/L以下、COD値200mg/L以下となるので、余剰の再生水はそのまま一般排水に放出してもよい。但し、再生水が有機溶剤等を含む場合には、放出前に活性汚泥等による処理を施して、有機溶剤を除去した後、一般排水として放出することができる。
また、後述する本発明のリサイクル方法におけるように、再生水を現像浴に希釈水などとして供給して再利用することも好ましい。
<感光性平版印刷版原版の製版処理廃液のリサイクル方法>
本発明のリサイクル方法は、支持体上に熱可塑性ポリマー粒子及び光熱変換剤を含有する画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を赤外線レーザーにより露光後、自動現像機において、露光後の感光性平版印刷版原版に対して、以下に示す現像液により現像処理と不感脂化処理とを一工程で行う製版処理工程、製版処理工程により生じた製版処理廃液を、廃液濃縮装置で、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比が1/2〜1/10となるように、蒸発濃縮する廃液濃縮工程、廃液濃縮工程において分離された水蒸気を蒸発濃縮装置より導出し、冷却手段を用いて凝縮して再生水を生成させる再生水生成工程、及び、再生水生成工程で得られた再生水を、自動現像機に供給する再生水供給工程、を含み、製版処理工程に用いる現像液は、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を1質量%〜10質量%含有し、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が0.1質量%〜2質量%であり、沸点が100℃より低いか或いは沸点が300℃より高い有機溶剤を含有しないか、含有する場合には、0.2質量%以下である現像液である。
即ち、本発明のリサイクル方法では、既述の本発明の製版処理廃液の濃縮方法における製版処理工程、廃液濃縮工程、及び再生水生成工程に加え、さらに、再生水供給工程を有するものである。
本発明のリサイクル方法においては、生成された再生水は、まず、補充水タンクなどに供給され、自動現像機内に配置された現像浴内で所定倍率に現像補充液を希釈する希釈水又は製版処理後のリンス工程に用いるリンス水として使用されてもよく、生成された再生水が、現像補充液に直接供給され、現像補充液を所定の倍率に希釈するための希釈水として用いられてもよい。
また、複数の自動現像機から発生する製版処理廃液から生成された再生水が、1箇所の補充水タンクに集められて用いられてもよい。さらに、生成された再生水が1箇所の補充水タンクから複数の自動現像機に希釈水又はリンス水として供給されてもよい。
本発明の廃液濃縮方法、及び、リサイクル方法に好適に使用可能な装置の具体例としては、例えば、特許第4774124号公報に記載の平版印刷版製版処理廃液削減装置、及び特開2011−90282号公報等に記載の廃液処理装置等が挙げられる。
以下、図面を参照して本発明における実施形態の一例について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る製版処理廃液のリサイクル方法では、自動現像機10、感光性平版印刷版原版の製版処理に伴って自動現像機10から排出される現像液の廃液を貯蔵する中間タンク20、中間タンク20より送られた廃液を、減圧を行わずに加熱するか又は減圧下で加熱し、蒸発する水分と残留する濃縮物(スラリー)とに分離するとともに、分離された水蒸気を冷却・凝結(凝縮)して再生水を生成する廃液濃縮装置30を用いる。再生水の生成は、廃液濃縮装置内で行われてもよく、廃液濃縮装置から水蒸気を別の冷却手段へと導出して、廃液濃縮装置外の冷却手段にて行われてもよい。
再生水は再生水タンク50に導入される。また、廃液濃縮装置30で濃縮された廃液は廃液回収タンク40に回収される。廃液回収タンク40への濃縮された廃液の移送は、ポンプで加圧して行うことも好ましい。
廃液濃縮装置30には、中間タンク20より送られた廃液を、減圧を行わずに加熱するか又は減圧下で加熱し、蒸発する水分と残留する濃縮物(スラリー)とに分離する蒸発釜(図示しない)と、蒸発釜で分離された水蒸気を導出し、冷却し、凝縮して再生水とする冷却釜(図示しない)とを少なくとも具備する。蒸発釜で分離された水蒸気は、有機溶剤を含有していてもよい。
本実施形態では、分離された水蒸気より生成された再生水を一時貯蔵する再生水タンク50と、再生水の自動現像機10への供給を制御する蒸留再生水再利用装置60とを備える。蒸留再生水再利用装置60は、好ましくは、再生水を自動現像機10に供給する補充水タンク80と、配管と、配管内の圧力を測定する圧力計と、ポンプと、を備える。
また、補充水タンク80は分析装置を備えるものであってもよく、補充水タンク80に備えられた分析装置により、再生水の成分を分析し、得られた再生水をそのまま使用しうるか否かを判定することができる。補充水タンク80には、成分を分析された再生水に、その成分に応じて中和、新水の供給などを行い、再生水の組成を調整する手段をさらに有していてもよい。
回収された再生水は、後述するようにBOD値、及びCOD値の低い再生水であるため、蒸留再生水再利用装置60が備える圧力計で測定された圧力値に応じて、ポンプの駆動を制御することにより、補充水タンク80から自動現像機10に供給される。自動現像機10には、現像補充液タンク70から現像補充液が供給される。なお、再生水が、分析により組成の調整が必要と判断された場合には、必要に応じて使用に適する組成に調製された後、自動現像機10に供給される。
このシステムで得られた再生水は、有機溶剤を容量基準で、0.5%以下であれば含んでいてもよい。
また、得られる再生水はBOD値、及びCOD値の低い再生水である。本発明で用いられる現像液を使用した場合、おおよそ、BOD値は250mg/L以下、COD値200mg/L以下となるので、自動現像機における蒸発補正用の希釈水、現像補充液の希釈水、現像の後平版印刷版を洗浄するリンス水、又は、自動現像機の洗浄水として用いる他に、余剰の再生水はそのまま一般排水に放出してもよい。
本発明においては、現像補充液は、希釈して自動現像機10の現像浴に供給される。図1では、現像補充液タンク70からの供給量に応じて補充水タンク80から供給する再生水の量を制御して、自動現像機10内に配置された図示されない現像槽(現像浴)内で所定倍率に現像補充液を希釈する態様を示すが、本発明はこの態様に限定されず、予め、現像補充液と再生水とを混合し、現像補充液を所定の倍率に希釈してから現像浴内に供給してもよい。
また、複数の自動現像機から発生する製版処理廃液が、一つの廃液濃縮装置に集められ、得られた再生水が、複数の自動現像機に希釈水又はリンス水として供給されてもよい。
このように再生水を補充水として利用することで、希釈水などを新たに供給することなく、適切に製版処理される感光性平版印刷版原版の処理量が増加するという利点をも有するものである。
〔平版印刷版原版〕
以下、本発明の製版処理廃液の濃縮方法及びリサイクル方法に、好ましく適用できる平版印刷版原版について詳しく説明する。平版印刷版原版は、支持体上に熱可塑性ポリマー粒子及び光熱変換剤を含有する画像記録層を有する。
以下、本発明の製版処理廃液の濃縮方法及びリサイクル方法が適用される平版印刷版用原版の各構成について説明する。
〔アルミニウム支持体〕
本発明に用いられる平版印刷版用原版には、アルミニウム板が支持体として用いられる。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。
アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。本発明において支持体に用いられる特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。本発明において、平版印刷版原版の支持体に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。
本発明における平版印刷版原版の支持体に用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.05mm〜0.6mm程度であり、好ましくは0.1mm〜0.4mm、特に好ましくは0.15mm〜0.3mmである。
支持体に用いられるアルミニウム板は、少なくとも画像記録層を形成する側の表面が粗面化される。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するために、例えば、界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などを用いた脱脂処理が行われる。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法等が挙げられる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法を利用することができる。
上記の如き方法による粗面化は、アルミニウム板の表面の中心線表面粗さ(Ra)が0.3μm〜1.0μmとなるような範囲で施されることが好ましい。粗面化されたアルミニウム板は必要に応じて水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水溶液を用いてアルカリエッチング処理が施され、さらに中和処理された後、所望により耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能である。電解質としては、一般的には硫酸、塩酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1質量%〜80質量%の電解質溶液を用い、液温は5℃〜70℃、電流密度5A/dm〜60A/dm、電圧1V〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲の処理条件であれば適当である。
陽極酸化により形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0g/m〜5.0g/mであることが好ましく、1.5g/m〜4.0g/mであることが特に好ましい。陽極酸化被膜の量が上記範囲において、十分な耐刷性が得られ、平版印刷版の非画像部が傷付き難くなり、印刷時に傷の部分にインクが付着するいわゆる非画像部の「傷汚れ」発生が効果的に抑制される。
陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。本発明に使用される支持体の親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号及び第3,902,734号に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)で処理する方法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか、又は電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、及び米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
本発明で用いられる上記の支持体の厚みはおよそ0.05mm〜0.6mm程度、好ましくは0.1mm〜0.4mm、特に好ましくは0.15mm〜0.3mmである。
〔画像記録層〕
本発明に用いられる平版印刷版原版は、親水性支持体上に熱可塑性ポリマー粒子と光熱変換剤を含有する画像記録層を有するものであれば、特に制限なく使用される。
上記構成の画像記録層は、露光により露光領域の熱可塑性ポリマー粒子が互いに融着し、画像部領域が形成され、未露光部では熱可塑性ポリマー粒子が現像により除去されて非画像部領域が形成されるネガ型の画像記録層である。
〔熱可塑性ポリマー粒子〕
本発明における画像記録層は、熱可塑性ポリマー粒子(以下、適宜、ポリマー粒子と称する)を含有する。本発明において使用できるポリマー粒子は、ポリマー粒子同志が熱により溶融合体するものが好ましく、また、粒子の表面が親水性であって水に容易に分散するものが特に好ましい。
ポリマー粒子を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、及びそれらの樹脂を構成する単量体を共重合成分として含む共重合体のラテックス等が挙げられる。
また、ポリマー粒子表面を親水性とする処理方法には特に制限はない。例えば、ポリマー粒子表面に、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの親水性ポリマー、親水性オリゴマー、及び親水性低分子化合物などから選ばれる1種以上の化合物を付着させる方法などが挙げられる。
ポリマー粒子の好ましい物性としては、硬質の板状基材にポリマー粒子のみを塗布し、ポリマー粒子の凝固温度よりも低い温度で乾燥して作製した皮膜の接触角(空中水滴)が、凝固温度よりも高い温度で乾燥して作製した皮膜の接触角(空中水滴)よりも低くなる物性であることが挙げられる。なお、ポリマー粒子の凝固温度とは、ポリマー粒子同士が互いに融着する温度を指す。ポリマー粒子の凝固温度は、70℃以上であることが好ましく、経時安定性を考えると100℃以上であることがさらに好ましい。
ポリマー粒子は、画像部の膜強度を向上させることを目的として、反応性官能基を有するポリマー粒子であることが好ましい。反応性官能基を有するポリマー粒子は、反応性官能基を有する樹脂を含んで形成されたポリマー粒子でもよく、反応性官能基を有さないポリマー粒子に高分子反応により反応性官能基を導入したものでもよい。
反応性官能基を有するポリマー粒子としては、他のポリマー粒子が有する官能基もしくは画像記録層中の他成分が有する官能基と反応しうる官能基を有する樹脂を含んで構成される粒子であれば特に限定されない。例えば、反応性官能基を有するラテックス粒子などを好ましく挙げることができる。
反応性官能基としては、重合反応を行い得るエチレン性不飽和基(例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基など)、付加反応を行い得るイソシアナート基又はそのブロック体、その反応相手である活性水素原子を有する官能基(例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基など)、同じく付加反応を行い得るエポキシ基、エポキシ基と反応可能であるアミノ基、カルボキシル基又はヒドロキシル基、縮合反応を行い得るカルボキシル基とヒドロキシル基もしくはアミノ基との組み合わせ、開環付加反応を行い得る酸無水物とアミノ基もしくはヒドロキシル基との組み合わせなどが挙げられる。しかしながらこれらに限定されず、互いに反応して化学結合が形成される官能基であれば、どのような反応を行う官能基でもよい。
反応性官能基を有するポリマー粒子は、ポリマー粒子が有する反応性官能基を介して反応してもよいし、画像記録層内に存在する他の成分、例えば、後述の親水性樹脂、低分子化合物などが反応性官能基を有する場合には、それらの成分が有する反応性官能基と反応してもよい。また2種類以上のポリマー粒子に互いに反応する異種の反応性官能基を有するものを組み合わせて用いてポリマー粒子同士を反応させてもよい。
本発明における画像記録層に用いうる反応性官能基を有するポリマー粒子としては、例えば、アクリロイル基、メタクリルロイル基、ビニル基、アリル基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、イソシアネート基、酸無水物及びそれらを保護した基から選ばれる反応性官能基を有するポリマー粒子を挙げることができる。これら反応性官能基のポリマー粒子への導入は、ポリマー粒子を構成するポリマーの重合時に行ってもよいし、重合後に得られたポリマー粒子に高分子反応を利用して行ってもよい。
ポリマーの重合時に反応性官能基を導入する場合は、反応性官能基を有するモノマーを乳化重合もしくは懸濁重合してポリマー粒子を作製することが好ましい。
反応性官能基を有するモノマーの具体例としては、例えば、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、2−イソシアネートエチルメタクリレート、そのアルコールなどによるブロックイソシアナート、2−イソシアネートエチルアクリレート、そのアルコールなどによるブロックイソシアナート、2−アミノエチルメタクリレート、2−アミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、2官能アクリレート、2官能メタクリレートなどを挙げることができる。本発明における反応性官能基を有するモノマーはこれらに限定されない。
また、反応性官能基を有するポリマー粒子を作製する際に、反応性官能基を有するモノマーと共重合可能な、反応性官能基を有しないモノマーを併用してもよい。反応性官能基を有しないモノマーとしては、例えば、スチレン、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどを挙げることができる。本発明における反応性官能基をもたないモノマーは、これらに限定されない。
反応性官能基の導入をポリマー粒子の形成後に行う場合に用いる高分子反応としては、例えば、WO96/34316号公報に記載されている高分子反応を挙げることができる。
反応性官能基を有するポリマー粒子としては、ポリマー粒子同志が熱により融着して画像領域を形成しうるものが好ましいが、これに限定されず、熱により化学反応を起こし、ポリマー粒子同士あるいはポリマー粒子と、画像記録層中に存在する親水性樹脂、低分子化合物との間で化学結合を形成し、画像部領域となる強固な膜が形成できれば、ポリマー粒子同士が熱融着することは、好ましいことであるが、必須ではない。
本発明におけるポリマー粒子の平均粒径は、0.01μm〜20μmが好ましく、0.05μm〜2.0μmがより好ましく、0.1μm〜1.0μmの範囲であることが特に好ましい。ポリマー粒子の平均粒径がこの範囲内で良好な解像度の画像部が形成され、画像記録層の経時安定性が良好となる。
なお、本発明においては、ポリマー粒子の平均粒径は、動的光散乱法を用いて測定した値を用いている。
本発明における画像記録層におけるポリマー粒子の含有量は、画像記録層の全固形分中、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、75質量%以上がより好ましい。また、光熱変換剤或いはポリマー粒子を安定に画像記録層に保持するための親水性樹脂などを併用することを考慮すれば、ポリマー粒子の含有量は95質量%以下であることが好ましい。
〔反応開始剤又は反応促進剤〕
本発明における画像記録層に、反応性官能基を有するポリマー粒子を用いる場合、必要に応じてポリマー粒子が有する反応性官能基の反応を開始又は促進する化合物である反応開始剤又は反応促進剤を画像記録層に添加してもよい。
反応開始剤又は反応促進剤としては、ラジカル又はカチオンを発生するような化合物を挙げることができる。反応開始剤又は反応促進剤としては、例えば、ロフィンダイマー、トリハロメチル化合物、過酸化物、アゾ化合物、ジアゾニウム塩及びジフェニルヨードニウム塩などを含むオニウム塩化合物、アシルホスフィン、イミドスルホナートなどが挙げられる。
画像記録層に反応開始剤又は反応促進剤を用いる場合の含有量は、画像記録層固形分の1質量%〜20質量%の範囲とするとことができる。好ましい含有量は3質量%〜10質量%の範囲である。この含有量の範囲内で、現像性を損なわず、良好な反応開始又は促進効果が得られる。
〔親水性樹脂〕
本発明の画像記録層には親水性樹脂を添加してもよい。親水性樹脂を添加することにより現像性がより良好となり、さらに、画像記録層自体の皮膜強度もより向上する。
親水性樹脂としては、例えばヒドロキシル、カルボキシル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、アミノ、アミノエチル、アミノプロピル、カルボキシメチルなどの親水基を有する樹脂が挙げられる。
親水性樹脂の具体例として、例えば、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース及びそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類及びそれらの塩、ポリメタクリル酸類及びそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシプロピルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマー及びコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマー及びポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマー及びコポリマー等を挙げることができる。また、加水分解度が少なくとも60質量%、好ましくは少なくとも80質量%の加水分解ポリビニルアセテートを、本発明における親水性樹脂として用いることができる。
親水性樹脂を画像記録層に用いる場合の含有量は、画像記録層固形分の5質量%〜40質量%が好ましく、10質量%〜30質量%がさらに好ましい。この含有量の範囲内で、良好な現像性と皮膜強度が得られる。
〔光熱変換剤〕
本発明の平版印刷版用原版は、画像記録層に、光熱変換剤を含有させることにより、レーザー光照射等による画像記録が可能となる。光熱変換剤としては、レーザー光源の波長を吸収する物質であれば特に制限なく使用することができる。例えば、種々の顔料、染料及び金属微粒子などを光熱変換剤として用いることができる。特に、700〜1200nmの少なくとも一部に吸収帯を有する光吸収物質であることが好ましい。
光熱変換剤としての顔料としては、黒色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法としては、親水性樹脂、親油性樹脂等により顔料表面をコートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シリカゾル、アルミナゾル、シランカップリング剤、エポキシ化合物、イソシアネート化合物等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
これらの顔料中、赤外線を吸収するものが、赤外線を発光するレーザーでの利用に適する点で好ましい。赤外線を吸収する顔料としてはカーボンブラックが好ましい。
光熱変換剤として用いられる顔料の粒径は0.01μm〜1μmの範囲にあることが好ましく、0.01μm〜0.5μmの範囲にあることが更に好ましい。
光熱変換剤として用いられる染料としては、市販の染料及び文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊、「化学工業」1986年5月号P.45〜51の「近赤外吸収色素」、「90年代機能性色素の開発と市場動向」第2章2.3項(1990)シーエムシー)又は特許に記載されている公知の赤外線吸収染料が挙げられる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、ポリメチン染料、シアニン染料などの赤外線吸収染料が好ましい。
さらに、光熱変換剤として用いられる染料としては、例えば、特開昭58−125246号公報、特開昭59−84356号公報、特開昭60−78787号公報等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号公報、特開昭58−181690号公報、特開昭58−194595号公報等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号公報、特開昭58−224793号公報、特開昭59−48187号公報、特開昭59−73996号公報、特開昭60−52940号公報、特開昭60−63744号公報等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム染料、英国特許434,875号記載のシアニン染料、米国特許第4,756,993号記載の染料、米国特許第4,973,572号記載のシアニン染料、特開平10−268512号公報記載の染料、特開平11−235883号公報記載のフタロシアニン化合物を挙げることができる。
また、染料として米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号公報、同58−220143号公報、同59−41363号公報、同59−84248号公報、同59−84249号公報、同59−146063号公報、及び同59−146061号公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報に記載のシアニン染料、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩、特公平5−13514号公報、及び同5−19702号公報に記載されているピリリウム化合物などが挙げられる。
光熱変換剤として用いられる染料は市販品を用いてもよい。市販品としては、エポリン社製エポライトIII−178、エポライトIII−130、エポライトIII−125(いずれも商品名)等も好ましく用いられる。
これらの赤外線吸収染料のなかでも、スルホン酸またはその塩を有するシアニン色素が好適に用いられる。
以下に、本発明における画像記録層に用いうる赤外線吸収染料の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
光熱変換剤は、画像記録層中に30質量%まで含有することができる。光熱変換剤の含有量は、好ましくは5質量%〜25質量%であり、特に好ましくは7質量%〜20質量%である。光熱変換剤の含有量が上記範囲内で、良好な感度向上効果が得られる。
[反応性官能基を有する低分子化合物]
本発明における画像記録層は、反応性官能基を有するポリマー粒子を使用する場合、さらに、上記ポリマー粒子が有する反応性官能基と反応することができる官能基及びその保護基を有する低分子化合物(以下、反応性低分子化合物と称することがある)を含有することができる。
反応性低分子化合物としては、重合性不飽和基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシレート基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基、イソシアナート基、及びブロック化したイソシアナート基を分子内に有する分子量が600以下の化合物が挙げられる。
重合性不飽和基を有する反応性低分子化合物としては、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いる事ができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物などの化学的形態をもつ。
モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)、及びそのエステル化物、アミド化物が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物との反応生成物であるアミド化合物が用いられる。
また、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド化合物と、単官能もしくは多官能イソシアネート類、又はエポキシ類との付加反応物、単官能もしくは多官能のカルボン酸の脱水縮合反応物等も好適に使用される。
また、イソシアナート基、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミドと、単官能もしくは多官能のアルコール、アミン、又はチオールとの付加反応物、ハロゲン基、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミドと、単官能もしくは多官能のアルコール、アミン又はチオールとの置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸を、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えて同様に反応させた反応物である化合物群を使用することも可能である。
以下、本発明に用いうる重合性不飽和基を有する反応性低分子化合物について、具体例を挙げて詳細に説明する。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号公報、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報記載の脂肪族アルコールエステル、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、及び特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有する化合物、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有する化合物等も好適に用いられる。
脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドであるモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
その他の好ましいアミドモノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有する化合物を挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で示される水酸基を有する不飽和モノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性不飽和基を含有するウレタン化合物等が挙げられる。
一般式(A)
CH=C(Rm)COOCHCH(Rn)OH
(ただし、Rm及びRnは、それぞれ独立に水素原子又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、及び特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド骨格を有するウレタン化合物も好適である。さらに、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、及び特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造、或は、スルフィド構造を有するラジカル重合性化合物を用いてもよい。
その他の反応性低分子化合物の例としては、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、及び同52−30490号公報の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート等の多官能のアクリレート、及びメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号公報、特公平1−40337号公報、及び同1−40336号公報記載の特定の不飽和化合物、特開平2−25493号公報に記載のビニルホスホン酸化合物等も好適なものとして挙げることができる。また、ある場合には、反応性低分子化合物として、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する化合物も好適に使用される。さらに日本接着協会誌、20巻7号、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして記載されている化合物も本発明における反応性低分子化合物として使用することができる。
エポキシ化合物としては、好ましくはグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールもしくはポリフェノール又はそれらの水素添加物であるポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
イソシアネートを有する化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、又はこれらの化合物をアルコールもしくはアミン化合物との反応生成物である化合物を挙げることができる。
アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。ヒドロキシル基を有する化合物としては例えば、末端メチロールを有するような化合物、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール、ビスフェノール・ポリフェノール類などを挙げることができる。カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、ピロメリット酸、トリメリット酸、フタル酸などの芳香族多価カルボン酸、アジピン酸などの脂肪族多価カルボン酸などが挙げられる。酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などが挙げられる。
反応性官能基を有する低分子化合物の含有量は、画像記録層の全固形分に対し5質量%〜40質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。反応性低分子化合物の含有量が上記範囲において、反応性低分子化合物を添加することによる架橋密度向上に起因する耐刷性向上効果が十分に得られ、且つ、経時後に現像性が低下する懸念がない。
〔その他の添加剤〕
本発明の画像記録層には、さらに必要に応じて上記以外に種々の化合物を含有してもよい。
例えば、画像形成後、画像部と非画像部の区別をつきやすくするため、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。
具体的には、例えば、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等の染料、及び特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
可視光域に吸収を持つ染料の含有量は、画像記録層の全固形分に対し0.01質量%〜10質量%が好ましい。
更に、本発明における画像記録層中には、露光後の画像部と非画像部を鮮明にするため、pH或いはエネルギー付与などの諸条件の変化により発色するか、又は、消色する化合物を含有することが好ましい。発色又は消色する化合物としては、例えば、ジアゾ化合物及びジフェニルヨードニウム塩などから選ばれる熱酸発生剤と、ロイコ染料(ロイコマラカイトグリーン、ロイコクリスタルバイオレット、クリスタルバイオレットのラクトン体等)及びpH変色染料(例えば、エチルバイオレット、ビクトリアピュアブルーBOH等の染料)等から選ばれる、酸により発色又は消色する化合物と、を組み合わせて用いる例が挙げられる。
また、本発明においては、画像記録層塗布液の調製中又は保存中においてエチレン性不飽和化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に好適に用いられる熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。
画像記録層に熱重合防止剤を用いる際の含有量は、画像記録層の全成分に対して約0.01質量%〜5質量%が好ましい。
さらに、本発明における画像記録層は、必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を含有することができる。本発明に用いうる可塑剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル等が挙げられる。
〔塗布溶剤〕
本発明における画像記録層は、必要な上記各成分を溶剤に分散あるいは溶解して塗布液を調製し、親水性支持体上に塗布することで形成される。
画像記録層塗布液の調製に使用する溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
これらの溶剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
画像記録層塗布液の固形分濃度は、好ましくは1質量%〜50質量%である。
〔塗布方法〕
親水性支持体上に画像記録層塗布液を塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。塗布方法としては、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等が挙げられる。
画像記録層塗布液には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば、特開昭62−170950号公報に記載されているようなフッ素含有界面活性剤を含有することができる。画像記録層塗布液にフッ素含有界面活性剤を用いる際の好ましい含有量は、画像記録層全固形分に対し0.01質量%〜1質量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.05質量%〜0.5質量%の範囲である。
〔画像記録層の塗布量〕
塗布、乾燥後に得られる支持体上の画像記録層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.4g/m〜5.0g/mの範囲であること好ましい。一般に、塗布量が少なくなると、見かけの感度は大になるが、画像記録の機能を果たす画像記録層の皮膜特性は低下する。このため、乾燥後の塗布量を上記範囲とすることで、感度と画像記録層の皮膜特性とのバランスが良好となる。
〔感光性平版印刷版原版の製版〕
以下、画像記録層を有する感光性平版印刷版原版の製版方法について、工程順に説明する。
〔製版〕
本発明に用いられる感光性平版印刷版原版を、画像露光して(画像露光工程)、現像液による処理(製版処理工程)を行うことで平版印刷版が作製される。なお、本発明の廃液濃縮方法及び本発明のリサイクル方法においては、既述のように特定の現像液を使用することで、通常は現像後の後処理として行われる不感脂化処理を、自動現像機において一工程で行うものである。
なお、既述のように、現像液を用いた製版工程に係る処理を2回以上繰り返して行ってもよい。
〔画像露光工程〕
本発明に用いられる感光性平版印刷版原版は、デジタルデータによる赤外線レーザー光走査等で画像様に露光される。
露光光源の波長は750nm〜1400nmが好ましい。
本発明においては、750nm〜1400nmの波長領域に吸収を有する増感色素である赤外線吸収剤を含有する感光性平版印刷版原版が用いられ、上記波長領域の露光により、高感度で画像形成される。
本工程に用いる波長750nm〜1400nmの光源としては、赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーが好適である。
赤外線レーザーによる露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよい。
〔製版処理工程〕
既述の特定現像液は、露光された感光性平版印刷版原版の現像液及び現像補充液として用いることができ、既述のように自動現像機の現像処理部に適用して製版処理に供することが好ましい。
自動現像機を用いて現像する場合、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、補充液又は新鮮な現像液を供給することにより現像液の処理能力を回復させる補充方式を行ってもよい。本発明のリサイクル方法においてもこの補充方式が好ましく適用される。
本発明における製版処理は、現像液の供給手段及び擦り部材を備えた自動現像機により好適に実施することができる。
自動現像機は少なくとも一つの現像液を平版印刷版原版に付与する手段を含むものであればよく、露光後の平版印刷版原版表面に現像液が付与される。平版印刷版原版表面への現像液の付与手段としては、例えば、スプレー、シャワーなどによる噴霧、噴射、現像浴への浸漬などの手段が挙げられる。
現像液を露光後の平版印刷版原版に付与する現像処理部は、現像液の付与手段に加え現像液を版面に擦り付けたり、ブラシかけしたりするための、少なくとも1個のローラーを装備してもよい。ローラーは、一つの現像処理部に2個以上を装備することが好ましい。
現像処理部で使用された現像液は、露光後の平版印刷版原版に付与された後、タンク内で集められ、タンク内の現像液は繰返し使用することができる。自動現像機のタンク内に集められた現像液は、経時により、又は、製版処理に使用されることにより、タンク内の現像液量が減少した場合等、必要に応じて現像補充液を自動現像機のタンクに加えることにより現像液の補充が行われる。活性が低下した現像液は後述するように、タンクから排液され、廃液濃縮工程に付される。
既述の製版処理工程において、保護層及び非露光部の画像記録層が一括除去され、形成された画像部、即ち版面に残存する画像部表面には、既述の現像液により不感脂化処理が行われる。このため、現像処理後に得られた平版印刷版は、別工程において改めて不感脂化処理を行う必要はなく、直ちに印刷機にセットして印刷することができる。
即ち、現像液として既述の界面活性剤を含有し、有機溶剤の含有量を制御した現像液を使用することにより、製版処理工程において現像処理及び不感脂化処理が一工程で行われるため、後水洗工程は特に必要とせず、直ちに乾燥工程を行うことができる。なお、所望により後水洗工程を行ってもよい。但し、後水洗工程を行なった場合には、その後、さらに不感脂化処理を行うことが好ましい。
乾燥工程は、現像処理工程の後、スクイズローラーを用いて余剰の現像液を除去してから行うことが好ましい。
本発明の廃液濃縮方法及びリサイクル方法に使用される自動現像機の第1の態様の例について、図3を参照しながら簡単に説明する。
図3に記載の自動現像機90は現像液を平版印刷版原版に噴霧する付与手段(スプレーパイプ)91を含む。露光された平版印刷版原版92は、矢印の搬送方向に従って自動現像機90の現像処理部に搬送され、現像処理部で露光後の平版印刷版原版表面(版面)に現像液が付与手段91により噴霧される。
自動現像機90は、回転ブラシロール93、受けロール94、一対の搬送ロール95A、95B、搬送ガイド板96が設けられ、平版印刷版原版の版面に付与された現像液は付与後に処理液タンク97に保持される。
本実施形態の自動現像機90においては、露光後の平版印刷原版(以下、適宜、「版92」と称する)が、まず給版台上から現像処理部に搬送、供給される。版92は、互いに逆回転する一対の搬送ロール95A、95Bのニップ部に挟持された状態で現像処理部内を搬送される。ニップ部から排出され、搬送された版92は、搬送ガイド板96上を移動する。
このとき、現像液付与手段であるスプレーパイプ91から、本発明に用いられる現像液が版92上に供給される。なお、スプレーパイプ91から供給された現像液の余分なものは、下方に落下し、搬送ガイド板96の下方に設けられた処理液タンク97内に収容される。処理液タンク97内に収容された現像液は、管路98に設けられたフィルター(F)を通過して固形物が除去された後、ポンプPを介して再び、スプレーパイプ91から版92上に供給される。
現像により平版印刷版原版の版面より除去された活性生成物の現像液中における濃度が所望するレベルより下である時には、現像液に、濃縮現像液を補充溶液として加えて現像液の活性を所望のレベルまで回復させることができる。既述の活性生成物の現像液中における濃度が所望するレベルより上である時、現像液の粘度が活性生成物などにより増加した時、または現像液の容量が例えば溶媒もしくは水の蒸発により所望するレベルより低下した時には、水を使用して、現像液を希釈することができる。希釈する水として、既述の現像廃液濃縮工程、及び再生水生成工程を経て生成した再生水を使用することが好ましい。
さらに経時して、既述の現像補充液の添加などによる調整が困難であるレベルまで活性が低下した現像液、或いは、現像補充液の供給により余剰となった現像液は、図示されないパイプにより排液され、現像廃液濃縮工程に付される。
次に、版92は、更に回転ブラシロール93とこれに連動する受けロール94とによるニップ部を通過する。このとき、版92における、未露光部領域が、擦り部材として機能する回転ブラシロール93による擦り処理により、物理的に除去される。しかも、前工程で用いた現像液が、版92上に存在するため、未露光部の除去が極めて効率良く行われ、且つ、残存する露光部領域(画像部)表面が不感脂化処理される。その結果、剥離除去された画像記録層の残渣が、版92上に存在することもなく、版92において、レーザー露光に対応する像が形成され、自動現像機90から搬出される。
図3における自動現像機90は、図示されるように、自動現像機90においては、回転ブラシロール93、スプレーパイプ91等がそれぞれ複数個設けられており、1つの現像処理部において、既述のスプレーパイプ91による現像液の付与と回転ブラシロール93による擦り処理の各工程は2回行われるため、平版印刷版の製造が効率良く、しかも確実に行われる。
こうして、製版された平版印刷版は、そのまま印刷に供することができ、しかも高品質の画像を形成することができる。
図4は、図3に示す自動現像機90において、現像処理部を2つ有する態様を示す概略図である。図4に示す自動現像機190は、第一の現像処理部191および第二の現像処理部192を有する。自動現像機190において、赤外線レーザーにより画像露光された平版印刷版原版は、最初に第一の現像処理部191で、図3において説明したように、スプレーパイプ91から、本発明に用いられる現像液が版92上に供給される。スプレーパイプ91から供給された現像液の余分なものは、下方に落下し、搬送ガイド板96の下方に設けられた処理液タンク193内に収容される。処理液タンク193内に収容された現像液は、管路98に設けられたフィルター(F)を通過して固形物が除去された後、ポンプPを介して再び、スプレーパイプ91から版92上に供給される。
その後、版92は、第一の現像処理部191から第二の現像処理部192へ搬送され、第1現像処理部191におけるのと同様に、スプレーパイプ91から、本発明に用いられる現像液が版92上に供給される。
本実施形態では、カスケードシステムの構造を有し、第一の現像処理部191と第二の現像処理部において版92を現像するために使用される現像液がそれぞれ第一現像処理部のタンク193および第二の現像処理部192のタンク194内に存在し、それぞれが別の供給系を持つために、第一の現像処理部191において、ある程度現像処理が進行した版92に対して第二の現像処理部192では、活性の高い現像液の供給系から現像液が付与されるために、より高画質の平版印刷版が得られる。また、この方式では、図4に示すように、現像補充液が第二の現像装置内に加えられる時に第二の現像処理部192のタンク194の現像液が第一の現像処理部191のタンク193に溢流する形態をとる。
また、所望により、第一の現像処理部191に現像補充液を加えることができ、この現像補充液は第二の現像処理部192に加えられるものと同じもののみならず、別の現像補充液を供給することも可能となる。また、水を第一の現像処理部191、さらには第二の現像処理部192に加えて、現像液を希釈してもよい。これらの水は既述の現像廃液濃縮工程、及び再生水生成工程を経て生成された再生水であることが好ましい。
既述のように、現像処理と不感脂化処理とを特定現像液を用いて一工程で行う,本発明における製版処理を複数回繰り返すことにより、下流側の現像処理部(図4においては、第二の現像処理部192)では、現像カスなどの不純物がより少ない現像液が版92に接触することで、版92上の非画像部の除去性がより向上し、画像部表面の不感脂化処理が繰り返し行われるために、形成された画像の画質がより向上する。
なお、既述の態様は現像処理工程を2回行うものを例に挙げて説明したが、これに限定されず、現像処理工程を3回以上行ってもよく、その場合、自動現像機として、第一、第二および第三の現像処理部を含むものを用いてもよい。
以上のような自動現像機としては、例えばAzura CX 125(Agfa社製)などを挙げることができる。
本発明の廃液濃縮方法及びリサイクル方法に使用される別の実施形態に係る自動現像機の1例について、図5を参照しながら簡単に説明する。
図5に示す自動現像機100は、機枠202により外形が形成されたチャンバーを備え、機枠202により外形が形成されたチャンバー内に感光性平版印刷版原版の搬送路11の搬送方向(矢印A)に沿って連続して形成された、前加熱(プレヒート)部200、現像処理部300、及び乾燥部400を有している。
前加熱部200は、搬入口212及び搬出口218を有する加熱室208を備える。加熱室208の内部には串型ローラー210とヒーター214と循環ファン216とが配置されている。
既述の本発明に用いられる平版印刷版原版に製版処理を施す本実施形態においては、プレヒート部200における前加熱を行わないことが好ましい。従って、図5に記載される自動現像機100が備えるプレヒート部200を有さず、図5における現像処理部300、及び乾燥部400を備える態様の自動現像機も本発明に好ましく適用される。
現像処理部300は、外板パネル310によりプレヒート部200と仕切られており、外板パネル310にはスリット状挿入口312が設けられている。
現像処理部300の内部には、現像液で満たされている現像槽(現像浴)308を有する処理タンク306と、感光性平版印刷版原版を処理タンク306内部へ案内する挿入ローラー対304が設けられている。現像浴308の上部は遮蔽蓋324で覆われている。
現像浴308の内部には、搬送方向上流側から順に、ガイドローラー344及びガイド部材342、液中ローラー対316、ブラシローラー対322、ブラシローラー対326、搬出ローラー対318が並設されている。現像浴308内部に搬送された感光性平版印刷版原版は、現像液中に浸漬され、回転するブラシローラー対322、326の間を通過することにより非画像部が除去される。
ブラシローラー対322、326の下部には、スプレーパイプ330が設けられている。スプレーパイプ330はポンプ(不図示)が接続されており、ポンプによって吸引された現像浴308内の現像液がスプレーパイプ330から現像浴308内へ噴出するようになっている。
現像浴308側壁には、第1の循環用配管C1の上端部に形成されたオーバーフロー口51が設けられており、超過分の現像液がオーバーフロー口51に流入し、第1の循環用配管C1を通って現像処理部300の外部に設けられた外部タンク50に排出される。
外部タンク50は第2の循環用配管C2が接続され、第2の循環用配管C2中には、フィルター部54及び現像液供給ポンプ55が設けられている。現像液供給ポンプ55によって、現像液が外部タンク50から現像浴308へ供給される。また、外部タンク50内には上限液レベル計52、下限液レベル計53が設けられている。
現像浴308は、第3の循環用配管C3を介して補充用水タンク71に接続されている。第3の循環用配管C3中には水補充ポンプ72が設けられており、この水補充ポンプ72によって補充用水タンク71中に貯留される水が現像浴308へ供給される。
液中ローラー対316の上流側には液温センサ336が設置されており、搬出ローラー対318の上流側には液面レベル計338が設置されている。
現像処理部300と乾燥部400との間に配置された仕切り板332にはスリット状挿通口334が設けられている。また、現像処理部300と乾燥部400との間の通路にはシャッター(不図示)が設けられ、平版印刷版が通路を通過していないとき、通路はシャッターにより閉じられている。
乾燥部400は、支持ローラー402、ダクト410,412、搬送ローラー対406、ダクト410,412、搬送ローラー対408がこの順に設けられている。ダクト410,412の先端にはスリット孔414が設けられている。また、乾燥部400には図示しない温風供給手段、発熱手段等の乾燥手段が設けられている。乾燥部400には排出口404が設けられ、乾燥手段により乾燥された平版印刷版は排出口404から排出される。
〔現像補充液補充方法及び再生水補充方法〕
次に、現像補充液について説明する。
本明細書における「現像開始液」とは、特に断りのない限りは、未処理の現像液を意味し、また、「現像補充液」とは、感光性平版印刷版原版の現像処理、二酸化炭素の吸収等に伴い劣化した現像浴中の現像液に補充する現像用補充液を意味する。
現像補充液の組成としては、上述の現像開始液の組成と基本的には同じ組成であるが、必要によって、劣化した現像液の活性度を回復させるため、現像開始液よりも高活性であってもよい。
図1を例に挙げて説明する。図1における自動現像機10の現像浴内に最初に仕込んだ現像開始液は、感光性平版印刷版原版の処理により発生した溶出物(活性生成物)により劣化する。従って、自動現像機10において長期間連続的に製版処理を行うためには、通常、感光性平版印刷版原版の現像品質を維持するために、劣化を補償する現像補充液又は水の少なくともどちらか一方を間欠的に又は連続的に補充する必要がある。
具体的な補充方法については、(1)最初に仕込んだ現像開始液と濃度の同じ現像液を補充する、(2)最初に仕込んだ現像開始液と濃度の同じ現像液と揮発した分の水を補充する、(3)濃度の濃い現像液+水を補充する(4)揮発した分の水のみ補充する、という4パターンが考えられる。
ここで、供給される水は、新水及び再生水の何れであってもよく、新水と再生水の双方を供給してもよい。
(1)の場合は、具体的には現像濃縮液をあらかじめ水で希釈し、最初に仕込んだ現像開始液と同じ濃度の現像液とした後に補充する。(2)と(3)の場合は現像液と水の補充は独立に行われ、水は蒸発補正として使用される。(4)の場合は水のみの補充となる。
〔その他の製版プロセス〕
その他、本発明の感光性平版印刷版原版から平版印刷版を作製する製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱してもよい。この様な加熱により、画像記録層中の画像形成反応が促進され、感度、耐刷性等がより向上する、感度かより安定化するといった利点が生じ得る。
さらに、画像強度及び耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは全面露光を行う事も有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行う事が好ましい。温度が高すぎると、非画像部において所望されない硬化反応により、非画像に汚れが発生する等の問題を生じる。本発明の方法に適用される平版印刷版原版の画像記録層は、熱可塑性ポリマー粒子を含むため、粒子同士の所望されない融着を抑制する観点から、前加熱を行わないことが好ましい。
現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は200〜500℃の範囲である。上記温度範囲において、十分な画像強化作用が得られ、加熱による支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題の発生が抑制される。
以下、具体例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載に制限されるものではない。
〔実施例1〜14、比較例1〜9〕
1.感光性平版印刷版原版1の作製
〔アルミニウム支持体1の作製〕
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質:JIS A1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間脱脂処理を施した。その後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm)を用いアルミニウム板の表面を粗面化して、水でよく洗浄した。表面が粗面化されたアルミニウム板を、45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸水溶液に20秒間浸漬し、水洗した。この時の粗面化したアルミニウム板表面のエッチング量は約3g/mであった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて、エッチング後のアルミニウム板に連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。電気化学的な粗面化処理に用いた電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)であり、電解液の液温は50℃であった。60Hzの交流電圧を付与する際の交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いた。交流電圧の付与はカーボン電極を対極として用いて、電気化学的な粗面化処理を行った。補助陽極(アノード)にはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
硝酸水溶液を電解液として用いた電解における電気量は、アルミニウム板が陽極時の電気量175C/dmであった。
電気化学的な粗面化処理後のアルミニウム板に、スプレーによる水洗を行った。
次に、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dmの条件で、既述の硝酸電解による電気化学的な粗面化と同様の方法で、アルミニウム板にさらに電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。この板アルミニウムに対して、15質量%硫酸水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として、電流密度15A/dmの条件で2.5g/mの直流陽極酸化皮膜を設けた。その後、陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム板を水洗し、乾燥して、アルミニウム支持体1を作製した。
このようにして得られたアルミニウム支持体1の中心線平均粗さ(Ra)を、直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
〔アルミニウム支持体2の作製〕
アルミニウム支持体1を、珪酸ナトリウム1質量%水溶液にて20℃で10秒処理し、アルミニウム支持体2を作製した。珪酸ナトリウム処理されたアルミニウム支持体2の表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.54μmであった。
表面粗さ(Ra)は、JIS B0601に記載の方法により測定した。
〔画像記録層1の形成〕
下記組成の画像記録層塗布液1を調製し、アルミニウム支持体2の上にバー塗布した後、90℃で60秒間オーブン乾燥し、乾燥塗布量1.3g/mの画像記録層1を形成した。
<画像記録層塗布液1>
・熱可塑性ポリマー粒子 8.5質量%
(アクリロニトリル−スチレン共重合体:平均粒径:60nm)
・赤外線吸収染料(A)(下記構造) 0.7質量%
・親水性樹脂 ポリアクリル酸(質量平均分子量20000)
0.5質量%
・着色剤(B)(下記構造) 0.3質量%
・水 90質量%
〔感光性平版印刷版原版の露光〕
得られた平版印刷版原版を、赤外線半導体レーザー搭載の露光機である富士フイルム(株)製、Luxel PLATESETTER T−6000III(商品名)にて、外面ドラム回転数1000rpm、レーザー出力70%、解像度2400dpi(dot per inch)の条件で露光した。
露光画像にはベタ画像及び20μmドットFMスクリーンの50%網点チャートを含むようにした。
〔製版処理工程〕
露光後の感光性平版印刷版原版1に対して、下記の各現像液を用い、図4に示す構造の自動現像機190にて製版処理を実施した。自動現像機190は、第一の現像処理部191、第二の現像処理部192を有し、それぞれの現像処理部191、192に、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径50mmの回転ブラシロール93を1本ずつ有する。露光後の感光性平版印刷版原版1表面にスプレーパイプ91から現像液が供給される。回転ブラシロール93を搬送方向と同一方向に毎分280回転(ブラシの先端の周速0.73m/sec)させ、現像液を付与された感光性平版印刷版原版1の画像記録層における非画像部の除去を行った。現像液の温度は25℃であった。感光性平版印刷版原版1の搬送は、搬送速度140cm/minで行った。
製版処理後の平版印刷版に対し、図示されない乾燥部にて乾燥を行った。乾燥温度は80℃であった。
<現像液処方>
・界面活性剤(表1記載の界面活性剤) 表1記載の量
・沸点が100℃〜300℃である有機溶剤(表1記載の化合物)
表1記載の量
・デキストリン(水溶性樹脂) 4.0質量%
・KHPO 3.0質量%
・水 (残量)
(KOHを添加し、pHを7.0に調整)
現像液に使用した界面活性剤の構造を以下に示す。化合物(1)〜化合物(6)は、本発明において好ましく用いられる界面活性剤であり、化合物(R−1)及び(R−2)は、本発明の範囲外の比較界面活性剤である。
表1において、本発明に規定する処方の現像液は、現像液1〜現像液14であり、本発明の範囲外の処方の現像液は比較現像液1〜比較現像液8である。
〔廃液濃縮工程及び再生水生成工程〕
自動現像機190に、現像液100L(現像浴に20L、外部タンクに80L)を仕込んだ後に、現像液の交換或いは補充を行うことなく、感光性平版印刷版原版1を、1500m連続して製版処理した。その後、製版処理工程において使用した現像処理液を排液した。排液された製版処理廃液を、FFGS社製、廃液濃縮装置XR−2000(商品名)を用いて、下記表2に示す濃縮率となるように濃縮した(廃液濃縮工程)。
(製版後の平版印刷版の評価)
感光性平版印刷版原版1を1500m連続して製版処理した後に、製版処理後に得られた平版印刷版の現像状態を目視で調べ、以下の基準により評価した。
問題なし:現像状態が良好なもの
現像不良:現像不良により非画像部に画像記録層が残存している
過現像:過現像により画像部に欠け、画像ヌケなどの欠陥が生じている
現像カス発生:現像浴中に、現像された成分等の析出に起因するカスが発生し、版に付着している
評価の結果、製版評価のみを見た場合、下記表2に示すように、本発明にて規定された現像液1〜現像液14を用いた、実施例1〜実施例14及び比較例9の製版処理により製版された平版印刷版は、いずれも製版評価が良好であった。また、比較現像液8を用いた比較例8の製版処理により製版された平版印刷版においても、製版評価は良好であった。
他方、本発明の範囲外の比較現像液1〜比較現像液8を用いた、比較例1〜8の製版処理により製版された平版印刷版は、製版評価に劣るものであった。
(廃液濃縮工程における濃縮液の評価)
廃液濃縮工程で製版処理廃液を濃縮する際に、濃縮装置内での製版処理廃液の発泡性、析出性を調べた。
なお、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比を、下記表2においては「濃縮率」と記載している。
廃液濃縮工程において、濃縮装置内で、濃縮中に固形分が析出した廃液(比較例1〜比較例3)、発泡を生じた廃液(比較例5)については、濃縮により分離された水蒸気を冷却して得られた水は、再生水として不適であり、再生水としての使用に供さなかった。
本発明に規定される現像液1を用いた場合でも、濃縮率が1/12となるように濃縮した比較例9では、製版処理廃液の濃縮時に析出が生じ、使用に供しうる再生水を得られなかった。
(再生水生成工程及び再生水の評価)
上記FFGS社製、廃液濃縮装置XR−2000において蒸発分離された水蒸気を導出して冷却、凝縮させて再生水を得た。
得られた再生水中における溶剤の有無を確認した。溶剤の混入を確認したものは現像液の処方に影響を与えるために、再生水としては使用に供さなかった。
即ち、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤を含有せず、沸点が100℃より低い溶剤であるエタノール(沸点:78.3℃)0を0.5質量%含む比較現像液8の現像液で製版処理した比較例8では、再生水に溶剤が混入して再生水としての使用に供することができなかった。
(総合評価)
これらの結果より、製版して得られた平版印刷版における製版評価が良好であり、且つ、廃液濃縮工程に問題がなく、使用に供する再生水を得られた製版処理廃液の濃縮方法を、総合評価をAとした。
また、製版評価及び廃液濃縮工程のいずれか又は双方に問題があり、実用に供し得ない製版処理廃液の濃縮方法を、総合評価Bとした。
総合評価Aは、本発明の効果を奏する製版処理液の濃縮方法であって、実用に供しうる方法である。
評価の結果、表2に示すように、本発明にて規定された現像液を用い、廃液濃縮率が本発明範囲内である実施例1〜実施例14では、製版処理の評価と濃縮廃液工程/再生水の評価が、いずれも良好であり、得られた再生水は後述する再生水供給工程に利用しうるものであった。
他方、本発明にて規定された現像液を用いたか、或は、廃液濃縮率が本発明の範囲外である比較例1〜比較例9は、製版処理の評価、濃縮廃液工程/再生水の評価のいずれか、又は全てにおいて劣るものであった。
〔再生水供給工程〕
既述の廃液濃縮工程、及びその後の再生水生成工程を経て得られた再生水のうち、上記評価により問題を生じなかったものを再生水として用い、再生水を、図1における補充水タンク80に供給し、補充水タンク80を経て、自動現像機10の現像浴に必要量循環させた。
その後、本発明に規定された現像液1〜現像液14を使用した実施例1〜実施例14において、これらの現像液より、本発明の条件を満たす廃液濃縮工程及び再生水精製工程を経て得られた再生水を補充水として供給しながら、継続的な製版処理を行ったところ、いずれも、その後の感光性平版印刷版原版1の1500m連続製版処理において良好な製版が行われ、製版評価、及び再生水の評価のいずれにも問題を生じることはなかった。
〔比較例10〕
実施例13において、図1のシステムの代わりに、図2のシステムを用いて、それ以外は実施例13と同様にして、露光後の平版印刷版原版1を1500m1ヶ月間連続して製版処理した。製版後の現像処理廃液を濃縮する際、製版処理廃液の濃縮率、即ち、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比は、1/12とした。
得られた再生水にベンジルアルコールが混入し、再生水のBODが1000mg/Lとなり、一般排水の規制値を上回ったため、得られた再生水は、補充水として供給したり、一般排水としてそのまま下水に流したりすることはできなかった。
2013年3月14日に出願された日本国特許出願2013−052177号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
10、90、100、190 自動現像機
30 廃液濃縮装置
40 廃液回収タンク
50 再生水タンク
60 蒸留再生水再利用装置
70 現像補充液タンク
80 補充水タンク
91 現像液付与手段(スプレーパイプ)
93 回転ブラシロール
191 第一の現像処理部
192 第二の現像処理部
300 現像処理部
308 現像浴(現像槽)
322、326 ブラシローラー対

Claims (20)

  1. 支持体上に熱可塑性ポリマー粒子及び光熱変換剤を含有する画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を赤外線レーザーにより露光後、自動現像機において、露光後の感光性平版印刷版原版に対して、現像液により現像処理と不感脂化処理とを一工程で行う製版処理工程、
    製版処理工程により生じた製版処理廃液を、廃液濃縮装置で、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比が1/2〜1/10となるように、蒸発濃縮する廃液濃縮工程、及び、
    廃液濃縮工程において分離された水蒸気を廃液濃縮装置より導出し、冷却手段を用いて凝縮して再生水を生成させる再生水生成工程、を含み、
    現像液が、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を1質量%〜10質量%含有し、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が0.1質量%〜2質量%であり、沸点が100℃より低いか或いは沸点が300℃より高い有機溶剤を含有しないか、含有する場合には、0.2質量%以下である現像液である、感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
  2. 界面活性剤が、アニオン性界面活性剤である、請求項1に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
  3. アニオン性界面活性剤が、ジフェニルエーテル骨格を有するスルホン酸塩を含む、請求項2に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
  4. ジフェニルエーテル骨格を有するスルホン酸塩を、現像液中に2種類以上含む、請求項3に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
  5. 沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤がエチレングリコールであり、現像液に対するエチレングリコールの含有量が0.1質量%〜1.0質量%である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
  6. 現像液が、水溶性樹脂を含む、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
  7. 水溶性樹脂がデキストリンであり、現像液に対するデキストリンの含有量が1.0質量%〜5.0質量%である、請求項6に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
  8. 現像液のpHが6〜10である、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
  9. 支持体上に熱可塑性ポリマー粒子及び光熱変換剤を含有する画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を赤外線レーザーにより露光後、自動現像機において、露光後の感光性平版印刷版原版に対して、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を1質量%〜10質量%含有し、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が0.1質量%〜2質量%であり、沸点が100℃より低いか或いは沸点が300℃より高い有機溶剤を含有しないか、含有する場合には、0.2質量%以下である現像液により現像処理と不感脂化処理とを一工程で行う製版処理工程、
    製版処理工程により生じた製版処理廃液を、廃液濃縮装置で、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比が1/2〜1/10となるように、蒸発濃縮する廃液濃縮工程、
    廃液濃縮工程において分離された水蒸気を廃液濃縮装置より導出し、冷却手段を用いて凝縮して再生水を生成させる再生水生成工程、及び、
    再生水生成工程で得られた再生水を、自動現像機に供給する再生水供給工程、
    を含む感光性平版印刷版原版の製版処理廃液のリサイクル方法。
  10. 界面活性剤が、アニオン性界面活性剤である、請求項9に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  11. アニオン性界面活性剤が、ジフェニルエーテル骨格を有するスルホン酸塩を含む、請求項10に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  12. ジフェニルエーテル骨格を有するスルホン酸塩を、現像液中に2種類以上含む、請求項11に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  13. 沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤がエチレングリコールであり、現像液に対するエチレングリコールの含有量が0.1質量%〜1.0質量%である、請求項9〜請求項12のいずれか一項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  14. 現像液が、水溶性樹脂を含有する、請求項9〜請求項13のいずれか一項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  15. 現像液のpHが6〜10である、請求項9〜請求項14のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  16. 製版処理工程を経て得られた平版印刷版を乾燥処理する平版印刷版乾燥工程を含む、請求項9〜請求項15のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  17. 廃液濃縮装置が加熱手段を有する、請求項9〜請求項16のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  18. 廃液濃縮装置が有する加熱手段による加熱が、減圧された状態で行われる、請求項17に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  19. 廃液濃縮装置が有する加熱手段が、放熱部と吸熱部を備えたヒートポンプであり、ヒートポンプの放熱部で製版処理廃液を加熱し、ヒートポンプの吸熱部で水蒸気を冷却する、請求項17又は請求項18に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  20. 廃液濃縮工程が、蒸発濃縮により濃縮された製版処理廃液の濃縮物をポンプで加圧し、回収タンクに回収する濃縮物回収工程をさらに含む、請求項9〜請求項19のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
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