JP5695267B2 - 製版処理廃液の濃縮方法およびリサイクル方法 - Google Patents

製版処理廃液の濃縮方法およびリサイクル方法 Download PDF

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Description

本発明は、感光性平版印刷版原版を自動現像機により製版処理する際に、現像処理浴で現像処理と不感脂化処理を同時に行うことにより発生した製版処理廃液の濃縮方法およびリサイクル方法に関する。
従来から、感光性平版印刷版原版を自動現像機で現像処理する場合は、処理や経時で失われる成分の濃度やpHを一定に保ち、現像液の性能を維持するために現像補充液を各工程の現像液に供給する手段が採られている。このような補充を行っても、現像液の性能が許容限度外になるような場合には、現像液の全てが廃棄処分される。製版処理廃液はアルカリ性が強いため、そのままでは一般排水として排出することができず、製版業者が自ら廃液処理設備を設置するか、廃液処理業者に処理を委託する等による廃液処理が必要である。
しかし、廃液処理業者に委託する方法は廃液の貯蔵に多大なスペースが必要となるし、またコスト的にもきわめて高価である。また、廃液処理設備は初期投資が極めて大きく、整備するのにかなり広大な場所を必要とする等の問題を有している。
このような問題に対して、現像液を低pHとし、さらに現像処理時に同時に不感脂化処理を行い排出される廃液を削減する技術が提案されている(例えば、特開2008−233660号公報参照)。
また、廃液貯蔵タンクに温風を吹き込み、廃液を濃縮する方法(例えば、特開平5−341535号公報参照)や、処理廃液を中和し、凝集剤を添加して凝集成分を凝集させる方法(例えば、特開平2−157084号公報参照)が提案されている。
また、製版処理廃液の排出量を削減することができ、製版処理廃液の処理過程で生じる水を容易に再利用できる平版印刷版製版処理廃液削減装置が提案されている(例えば、特許第4774124号公報参照。)。
一方、平版印刷版の現像処理廃液の問題に対しては、平版印刷版の現像液処方の観点から、非還元糖、および塩基を含む現像液を用いることが提案されている(例えば、特開2011−90282号公報参照。)。しかしながら、現像液の処方変更のみでは、廃液処理に関する問題の充分な解決は望めないのが現状である。
温風による廃液濃縮技術では、蒸発量が多くないため、廃液量減少の効果は充分ではなく、また、製版処理廃液を充分に濃縮するのに長時間を必要とするという問題がある。さらに、蒸発した水分の処理については検討されていない。
凝集剤を用いる技術では、廃液の処理にコストがかかるという問題があり、さらに、製版処理廃液に高分子化合物を含有する場合には、蒸発釜内に残った固形物が飴状となって蒸発釜の壁面に付着し、汚れやすく、また廃液処理装置の配管が詰まり易いなど、メンテナンスが煩雑であるという問題があった。
上記問題点を考慮してなされた本発明は、自動現像機の現像処理浴中で、現像液により現像処理と不感脂化処理を同時に行う製版処理の際に発生した廃液の濃縮時の発泡が抑制され、効率よく濃縮されるとともに、濃縮釜などの洗浄が容易に行いうる、製版処理廃液の濃縮方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、製版処理廃液を濃縮する際に得られた再生水を再利用することにより、自動現像機の現像浴中での堆積物の蓄積による汚れが少なく、長時間連続的に製版処理した場合においても析出物の発生が抑制される、製版処理廃液のリサイクル方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、現像浴中において現像と不感脂化処理を同時に行う際に、特定の界面活性剤を含む現像液を用いることで上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の構成は以下に示すとおりである。
[1] 支持体上にラジカル重合性の画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を露光後、現像する自動現像機の1つの現像処理浴中で、該露光後の感光性平版印刷版原版に対して、フェニル基又はナフチル基と、エチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基の少なくともいずれかと、を有する界面活性剤を1質量%〜10質量%含有し、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が2質量%以下であり、沸点が100℃より低い又は300℃より高い有機溶剤の含有量が0.2質量%未満である現像液により現像処理と不感脂化処理とを同時に行う製版処理工程、前記製版処理工程により生じた製版処理廃液を、廃液濃縮装置で、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比が1/2〜1/10となるように、蒸発濃縮する廃液濃縮工程、及び、前記廃液濃縮工程において分離された水蒸気を凝縮して再生水を生成させる再生水生成工程、を含む感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
[2] 前記現像液のpHが6〜10である、[1]に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
[3] 支持体上にラジカル重合性の画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を露光後、現像する自動現像機の1つの現像処理浴中で、該露光後の感光性平版印刷版原版に対して、フェニル基又はナフチル基と、エチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基の少なくとも1種と、を有する界面活性剤を1質量%〜10質量%含有し、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が2質量%以下であり、沸点が100℃より低い又は300℃より高い有機溶剤の含有量が0.2質量%未満である現像液により現像処理と不感脂化処理とを同時に行う製版処理工程、前記製版処理工程により生じた製版処理廃液を、廃液濃縮装置で、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比が1/2〜1/10となるように、蒸発濃縮する廃液濃縮工程、前記廃液濃縮工程において分離された水蒸気を凝縮して再生水を生成させる再生水生成工程、及び、前記再生水生成工程で得られた再生水を、前記自動現像機に供給する再生水供給工程、を含む感光性平版印刷版原版の製版処理廃液のリサイクル方法。
[4] 前記界面活性剤が、前記エチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基の少なくとも1種を5から30有する、[3]に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[5] 前記現像液が、さらに、下記一般式<1>、一般式<2>、及び一般式<3>で表される化合物の少なくとも1つを含有し、下記一般式<1>、一般式<2>、及び一般式<3>で表される化合物の前記現像液における総含有量が10質量%未満である、 [3]または[4]に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
前記一般式<1>中、Rは、水素原子、アルキル基、または下記構造の置換基を表す。Aは、水素原子、アルキル基、エチレンオキシド基を含む1価の置換基、カルボン酸基を含む1価の置換基、又はカルボン酸塩を含む1価の置換基を表し、Bは、エチレンオキシド基を含む1価の置換基、カルボン酸基を含む1価の置換基またはカルボン酸塩を含む1価の置換基を表す。
前記式中、Rは水素原子又はアルキル基を表す。
前記一般式<2>中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、RおよびRの少なくとも一方は、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
Dは、アルキル基、またはエチレンオキシド基を含む1価の置換基を表し、Eは、カルボン酸アニオンを含む1価の置換基、またはオキサイドアニオン(O)を含む1価の置換基を表す。
前記一般式<3>中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、Zは、対アニオンを表す。
[6] 前記現像液のpHが6〜10である、[3]〜[5]のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[7] 前記露光後の感光性平版印刷版原版に対して前記現像処理と不感脂化処理とを行うことによって得られた平版印刷版を乾燥処理することを更に含む、[3]〜[6]のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[8] 前記現像処理と不感脂化処理とを行う前に、前記露光後の感光性平版印刷版原版を加熱処理することと、前記露光後の感光性平版印刷版原版に対して前記現像処理と不感脂化処理とを行うことによって得られた平版印刷版を乾燥処理することと、を更に含む、[3]〜[6]のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[9] 前記廃液濃縮装置が加熱手段を有する、[3]〜[8]のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[10] 前記廃液濃縮装置が有する加熱手段による加熱が、減圧された状態で行われる、[9]に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[11] 前記廃液濃縮装置が有する加熱手段が、放熱部と吸熱部を備えたヒートポンプであり、該ヒートポンプの放熱部で前記製版処理廃液を加熱し、該ヒートポンプの吸熱部で前記水蒸気を冷却する、[9]または[10]に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
[12] 前記廃液濃縮工程が、蒸発濃縮により濃縮された前記製版処理廃液の濃縮物をポンプで加圧し、回収タンクに回収する濃縮物回収工程を含む、[3]〜[11]のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
本発明によれば、自動現像機の現像処理浴で現像液により現像処理と不感脂化処理を同時に行うことにより、廃液を削減することができるが、本発明はさらに、製版処理廃液を濃縮することにより廃却する廃液を極めて少なくすることができる。また、製版処理廃液の濃縮時の発泡が抑制され、且つ濃縮装置の洗浄を容易に行うことができる。さらには、再生水中に製版処理廃液が混在したり、濃縮中に粘度が大幅に上昇したり、あるいは固形分が析出したりすることがなく、再生水を現像浴にリサイクルすることにより長時間連続的に製版処理した場合においても製版処理廃液として廃却する廃液を極めて少なくすることができる。
本発明の製版処理廃液のリサイクル方法に係る装置のフローを示す概念図である。 従来の現像処理廃液の濃縮装置を有する現像処理装置のフローを示す概念図である。 現像浴で現像処理とガム引きを同時に行う自動現像装置の図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法(以下、廃液濃縮方法と称することがある)]
本発明の廃液濃縮方法は、支持体上にラジカル重合性の画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を露光後、現像する自動現像機の1つの現像処理浴中で、該露光後の感光性平版印刷版原版に対して、フェニル基又はナフチル基と、エチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基の少なくともいずれかと、を有する界面活性剤を1質量%〜10質量%含有し、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が2質量%以下であり、沸点が100℃より低い又は300℃より高い有機溶剤を実質的に含有しない現像液により現像処理と不感脂化処理とを同時に行う製版処理工程、前記製版処理工程により生じた製版処理廃液を、廃液濃縮装置で、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比が1/2〜1/10となるように、蒸発濃縮する廃液濃縮工程、及び、前記廃液濃縮工程において分離された水蒸気を凝縮して再生水を生成させる再生水生成工程、を含む。
感光性平版印刷版原版は、支持体上の画像形成層が露光されて潜像を形成し、その後、現像により非画像部が除去され、平版印刷版が作製される。本発明に使用される感光性平版印刷版原版はラジカル重合性の画像記録層を有するネガ型の感光性平版印刷版原版であり、露光領域が重合硬化し、現像により未露光部(非画像部)が除去されてインク受容性の画像部領域が形成される。本発明の方法においては、自動現像機の現像浴中で、非画像部の除去と形成された画像部の不感脂化処理が一浴中で行われることが特徴の一つであり、この工程により、従来法に比較して廃液量がより低減される。
以下、本発明の廃液濃縮方法について、工程順に説明する。使用される感光性平版印刷版原版及び現像工程に先立つ露光工程については後述する。
[製版処理工程]
製版処理工程では、支持体上にラジカル重合性の画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を露光後、現像する自動現像機の1つの現像処理浴中で、該露光後の感光性平版印刷版原版に対して、フェニル基又はナフチル基と、エチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基の少なくともいずれかと、を有する界面活性剤を1質量%〜10質量%含有し、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が2質量%以下であり、沸点が100℃より低い又は300℃より高い有機溶剤を実質的に含有しない現像液により現像処理と不感脂化処理とを同時に行う。
〔現像液〕
本発明の製版処理廃液の濃縮方法およびリサイクル方法において、感光性平版印刷版原版の現像に用いる現像液について説明する。
なお、本明細書中において、特にことわりのない限り、現像液とは、現像開始液(狭義の現像液)と現像補充液とを包含する意味で用いられる。
本発明の適用される現像液および現像補充液としては、ラジカル重合性の画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を現像するための現像液であり、自動現像機の1つの現像処理浴で、現像処理と不感脂化処理とを同時に行うために使用される現像液である。
本発明の現像液は、フェニル基又はナフチル基のいずれかと、少なくともエチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基のいずれかを有する界面活性剤〔以下、適宜、特定界面活性剤と称する〕を1質量%〜10質量%含有し、且つ、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が2質量%以下であり、沸点が100℃より低い又は300℃より高い有機溶剤を実質的に含有しないことを特徴とする。本実施形態の現像液において沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量は少ない程好ましく、含有しない場合も好ましい態様である。「沸点が100℃より低い又は300℃より高い有機溶剤を実質的に含有しない」とは、沸点が100℃より低い又は300℃より高い有機溶剤の含有量が0.2質量%未満であることである。本発明に係る現像液は、沸点が100℃より低い又は300℃より高い有機溶剤を含有しないことが好ましい。
本発明の感光性平版印刷版原版の現像に用いられる現像液は、以下に詳述する特定の界面活性剤を含有する。また、一浴中で現像処理と不感脂化処理とを良好に行いうるという観点からは、現像液のpHは6.0〜11.0であることが好ましく、より好ましいpHは、8.0〜10.0の範囲である。
(特定界面活性剤)
本発明の廃液濃縮方法において現像液に用いられる界面活性剤は、分子内にフェニル基又はナフチル基のいずれかと、少なくともエチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基のいずれかを有する界面活性剤であれば特に制限はない。
なお、本明細書においてエチレンオキシド基は下記式(a)で示される構造を指し、プロピレンオキシド基は下記式(b)で示される構造を指すものであり、これを複数有するとは、これらの基が直鎖状に複数連結して、ポリエチレンオキシド骨格、或いは、ポリプロピレンオキシド骨格を形成することを意味する。
現像液に含まれる界面活性剤は、アニオン界面活性剤または非イオン界面活性剤であることが好ましい。アニオン界面活性剤または非イオン界面活性剤を用いることで、活性剤濃度ラチチュードを広く保つことができ、未露光部の液浸透性と液中の種々の化合物の分散性を両立することができる。
〔アニオン界面活性剤〕
現像液において用いられる最適なアニオン界面活性剤は、下記一般式(I−A)及び一般式(I−B)で表される化合物である。
好ましい現像液としては、下記一般式(I−A)、一般式(I−B)で表されるアニオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも一種のアニオン性界面活性剤を1.0質量%〜10質量%の範囲で含有する感光性平版印刷版原版用現像液である。
(一般式(I−A)及び、一般式(I−B)中、R、Rは、それぞれ独立に、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し、少なくとも1つのエチレン基又はプロピレン基を含む;R、Rは、それぞれ独立に、直鎖または分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基を表し;p、qは、それぞれ独立に、0、1又は2を表し;Y、Yは、それぞれ独立に、単結合又は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し;n、mは、それぞれ独立に、1〜100の整数を表す。n及びmが2〜100を表す場合、複数存在するR及びRはそれぞれ互いに同じであっても、異なっていてもよい;Mは、Na、K、LiまたはNH を表す。)
本発明の好ましい実施態様において、上記一般式(I−A)、(I−B)中、R及びRの好ましい例としては、それぞれ、−CH−、−CHCH−、または−CHCH(CH)−が挙げられ、少なくとも1つは−CHCH−、または−CHCH(CH)−を表す。R及びRは、より好ましくは−CHCH−である。また、R及びRの好ましい例としては、CH、C、C、Cが挙げられる。また、p及びqはそれぞれ0または1であることが好ましい。Y及びYはそれぞれ単結合であることが好ましい。また、n及びmはそれぞれ3〜50の整数であることが好ましく、5〜30の整数であることがより好ましい。
一般式(I−A)、または一般式(I−B)で表される化合物の具体例としては以下の化合物が挙げられる。
〔ノニオン界面活性剤〕
本発明に係る特定界面活性剤の好ましい別の例として、下記一般式(II−A)又は下記一般式(II−B)で表されるノニオン界面活性剤が挙げられる。
(一般式(II−A)及び一般式(II−B)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜100のアルキル基を表し、n、mは、それぞれ独立に、0〜100の整数である。但し、n及びmのいずれもが0であることはない。
一般式(II−A)で表される化合物としては、具体的には、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
一般式(II−B)で表される化合物としては、具体的には、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンメチルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルナフチルエーテル、ホリオキシエチレンノニルナフチルエーテル等が挙げられる。
前記一般式(II−A)および一般式(II−B)で表される化合物において、ポリオキシエチレン基の繰り返し単位数(n)は、好ましくは3〜50、より好ましくは5〜30である。ポリオキシプロピレン基の繰り返し単位数(m)は、好ましくは0〜10、より好ましくは0〜5である。オキシエチレン基とオキシプロピレン基が複数連結して鎖状のポリアルキレンオキシ基を形成する場合、オキシエチレン基と、オキシプロピレン基との結合は、ランダム結合であっても、ブロック結合であってもよい。前記一般式(II−A)および一般式(II−B)において、n及びmがそれぞれ1以上の場合、即ち、該ノニオン界面活性剤がオキシエチレン基とオキシプロピレン基とを有する場合には、エチレンオキシド基とプロピレンオキシド基との総和が5〜30であることが好ましい。
前記一般式(II−A)および一般式(II−B)で表されるノニオン芳香族エーテル系界面活性剤を用いる場合、前記現像液中に、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
下記に一般式(II−A)又は一般式(II−B)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
上記特定界面活性剤は1種単独、もしくは複数種を組み合わせて使用することができる。2種以上を組み合わせる場合には、特定アニオン界面活性剤のみを2種以上含む態様、特定ノニオン界面活性剤を2種以上含む態様、特定アニオン界面活性剤及び特定ノニオン界面活性剤をそれぞれ1種以上含む態様、のいずれをとってもよい。
上記特定界面活性剤の添加量は、現像液中に1質量%〜10質量%の範囲であることを要し、好ましくは2質量%〜10質量%、3質量%〜10質量%の範囲であることが効果の観点からさらに好ましい。現像液中の特定界面活性剤の添加量を1質量%以上とすることで、現像性および現像液中における画像記録層成分の溶解性が良好となり、10質量%以下とすることで形成された平版印刷版の耐刷性が良好となる。
なお、特定界面活性剤を2種以上含む場合、上記添加量は総量を示す。
(その他の界面活性剤)
本発明に用いられる現像液は、上記特定界面活性剤に加えて、本発明の効果を損なわない範囲において他の界面活性剤(前記特定界面活性剤とは構造の異なる、例えば、フェニル基又はナフチル基と、エチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基のいずれかを含まない界面活性剤)を併用してもよい。
併用可能な他の界面活性剤として、下記一般式<1>、一般式<2>または一般式<3>で表されるベタイン型界面活性剤を挙げることができる。
前記一般式<1>中、Rは、水素原子、アルキル基、または下記構造の置換基を表す。Aは、水素原子、アルキル基、エチレンオキシド基を含む1価の置換基、カルボン酸基を含む1価の置換基、又はカルボン酸塩を含む1価の置換基を表し、Bは、エチレンオキシド基を含む1価の置換基、カルボン酸基を含む1価の置換基またはカルボン酸塩を含む1価の置換基を表す。
前記式中、Rは水素原子又はアルキル基を表す。
前記一般式<2>中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、RおよびRの少なくとも一方は、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
Dは、アルキル基、またはエチレンオキシド基を含む1価の置換基を表し、Eは、カルボン酸アニオンを含む1価の置換基、またはオキサイドアニオン(O)を含む1価の置換基を表す。
前記一般式<3>中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、Zは、対アニオンを表す。
す。
上記一般式<1>及び一般式<2>において、エチレンオキサイド基を含む1価の置換基に含まれるエチレンオキシド基とは、−(CHCHO)H(nは1以上の整数、好ましくは2〜20)を意味し、ここで言うエチレンオキサイド基を含む1価の置換基には、エチレンオキサイド基も包含されるものとする。
一般式<1>において、カルボン酸基を含む1価の置換基には、カルボン酸基のみの場合も包含される。一般式<1>において、カルボン酸塩を含有する基のカルボン酸塩とは−COOMを意味し、Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属を表し、好ましくはアルカリ金属である。カルボン酸塩を含む1価の置換基には、カルボン酸塩のみの場合も包含される。
一般式<2>において、カルボン酸アニオンを含む1価の置換基には、カルボン酸アニオンのみの場合も包含される。一般式<2>において、オキサイドアニオン(O)を含む1価の置換基には、オキサイドアニオンのみの場合も包含される。
上記一般式<1>、一般式<2>または一般式<3>で表される化合物(以下、特定ベタイン型界面活性剤とも称する)としては、特に限定されないが、例えば、代表的なものとして、下記一般式(I)〜一般式(V)で表される化合物が挙げられる。
また、特定ベタイン型界面活性剤として、さらに、下記一般式(VI)で表される界面活性剤も挙げられる。
前記一般式(I)〜一般式(VI)中、R11は、水素原子;アルキル基;又は、エステル結合、カルボニル結合、及びアミド結合から選ばれる結合を介して連結されるアルキル基を表す。前記結合を介して連結されるアルキル基の炭素数は8〜20であることが好ましい。
12、R15、R18、R24〜R29はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。
13は、アルキル基、またはエチレンオキシド基を含む1価の置換基を表す。
16は、水素原子、アルキル基、またはエチレンオキシド基を含む1価の置換基を表す。
21は、水素原子、アルキル基、または、以下に示す基を表す。
前記式中、Rは水素原子またはアルキル基を表す。
30は、アルキル基、またはエチレンオキシド基を含有する基を表す。
14、R17、R19、R20、R22、R23及びR31は、それぞれ独立に、アルキレン基または単結合を表す。
上記一般式(I)に包含されるベタイン型界面活性剤において、直接Nとカルボキシル基が連結されていても良く、この場合、R14は単結合を表す。一般式(I)で表される界面活性剤において、総炭素数値が大きくなると疎水部分が大きくなり、水系の現像液への溶解が困難となる。この場合、溶解を助ける有機溶剤、アルコール等の溶解助剤を水に混合することにより、良化はするが、総炭素数値が大きくなりすぎた場合、適正混合範囲内で界面活性剤を溶解することはできない。ここで、R11〜R14の炭素数の総和は好ましくは、10〜40であり、より好ましくは12〜30である。
ここで、上述したR11〜R13がアルキル基またはR14がアルキレン基である場合、その構造は直鎖であってもよく、分枝であっても構わない。
これらの化合物(特定ベタイン型界面活性剤)中のR11〜R14の炭素数は、画像記録層に用いる材料、とりわけバインダの影響をうける。親水度の高いバインダの場合、R11〜R14の炭素数は比較的小さいものが好ましい傾向にあり、用いるバインダの親水度が低い場合は、R11〜R14の炭素数の大きいものが好ましい。
一般式(I)で表されるベタイン型界面活性剤の代表的な化合物としては、以下に示すものが挙げられる。
なお、以下に示す他の界面活性剤においても、総炭素数値が大きくなると疎水部分が大きくなり、水系の現像液への溶解が困難となるために、用いる溶剤や界面活性剤の使用量及び適正混合範囲を考慮して界面活性剤の総炭素数を選択することが好ましい。
上記一般式(II)で表されるベタイン型界面活性剤において、式中のR15は、水素原子、またはアルキル基を表し、R16は、水素原子、アルキル基、またはエチレンオキシド基を含む1価の置換基であり、R17はアルキレン基または単結合を表す。
ここで、R15〜R17の炭素数の総和は好ましくは、10〜30であり、より好ましくは12〜25である。
ここで、上述したR15、R16がアルキル基、またはR17がアルキレン基である場合、その構造は直鎖であってもよく、分枝であっても構わない。
上記一般式(II)で表されるベタイン型界面活性剤におけるR15〜R17の炭素数は、画像記録層に用いる他の材料との関連で適宜選択される。例えば、親水度の高いバインダを併用する場合には、R15〜R17の炭素数は比較的小さいものが好ましく、親水度の低いバインダを併用する場合には、R15〜R17の炭素数の大きいものが好ましい。
更に、上記化合物中、Xにはカリウムイオン、ナトリウムイオン等の1価の金属イオンの他、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等の2価の金属イオンや、アンモニウムイオン、水素イオン等が用いられる。一般式(II)で表される界面活性剤のなかでも、特にナトリムイオン、カリウムイオンが好ましい。一般式(II)で表される代表的な界面活性剤の例としては、以下に示すものが挙げられる。
上記一般式(III)で表されるベタイン型界面活性剤において、R18は、水素原子、またはアルキル基であり、R19、R20はアルキレン基または単結合を表す。
ここで、R18〜R20の炭素数の総和は好ましくは、10〜30であり、より好ましくは12〜28である。
ここで、上述したR18がアルキル基、R19、R20がアルキレン基である場合、その構造は直鎖であってもよく、分枝であっても構わない。
上記一般式(III)で表されるベタイン型界面活性剤におけるR18〜R20の炭素数は、画像記録層に用いる他の材料との関連で適宜選択される。例えば、親水度の高いバインダを併用する場合には、R18〜R20の炭素数は比較的小さいものが好ましく、親水度の低いバインダを併用する場合には、R18〜R20の炭素数の大きいものが好ましい。
更に、上記化合物中、X、Yにはカリウムイオン、ナトリウムイオン等の1価の金属イオンの他、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等の2価の金属イオンや、アンモニウムイオン、水素イオン等が用いられる。化合物(III)中でも、この中では、特にナトリムイオン、カリウムイオンが好ましい。代表的な化合物としては、以下に示すものが挙げられる。
上記一般式(IV)で表されるベタイン型界面活性剤において、直接Nとエチレンオキシドが連結されていても良く、この場合は、R22、R23は単結合を表す。
ここで、R21〜R23の炭素数の総和は好ましくは、8〜50であり、より好ましくは12〜40である。
ここで、上述したR21がアルキル基、R22、R23がアルキレン基である場合、その構造は直鎖であってもよく、分枝であっても構わない。
上記一般式(IV)で表される界面活性剤におけるR21〜R23の炭素数は、画像記録層に用いる他の材料との関連で適宜選択される。例えば、親水度の高いバインダを併用する場合には、R21〜R23の炭素数は比較的小さいものが好ましく、親水度の低いバインダを併用する場合には、R21〜R23の炭素数の大きいものが好ましい。
エチレンオキサイドの数を表すm、nについては、大きくなると親水度が高まり、水中での安定性が高まる。m、nは同数でも良いし、異なる数でも構わない。mとnの和は、3〜40が好ましく、5〜20が更に好ましい。代表的な化合物としては、以下に示すものが挙げられる。
上記一般式(V)で表されるベタイン型界面活性剤において、式中のR24〜R27は、水素原子、またはアルキル基である。
ここで、R24〜R27の炭素数の総和は好ましくは、10〜30であり、より好ましくは12〜28である。
ここで、上述したR24〜R27がアルキル基である場合、その構造は直鎖であってもよく、分枝であっても構わない。
上記一般式(V)で表される界面活性剤におけるR24〜R27の炭素数は、画像記録層に用いる他の材料との関連で適宜選択される。例えば、親水度の高いバインダを併用する場合には、R24〜R27の炭素数は比較的小さいものが好ましく、親水度の低いバインダを併用する場合には、R24〜R27の炭素数の大きいものが好ましい。
また、Zは、カウンターアニオンを示す。これらは、限定するものではないが、Cl、Br、I等を用いる事が多い。代表的な化合物としては、以下に示すものが挙げられる。
上記式(VI)に該当する化合物において、式中のR28、R29は、水素原子、またはアルキル基を表し、R30は、アルキル基、またはエチレンオキシド基を含む1価の置換基である。
ここで、R28〜R30の炭素数の総和は好ましくは、8〜30であり、より好ましくは10〜28である。
ここで、上述したR28〜R30がアルキル基である場合、その構造は直鎖であってもよく、分枝であっても構わない。
上記一般式(VI)で表される界面活性剤におけるR28〜R30の炭素数は、画像記録層に用いる他の材料との関連で適宜選択される。例えば、親水度の高いバインダを併用する場合には、R28〜R30の炭素数は比較的小さいものが好ましく、親水度の低いバインダを併用する場合には、R28〜R30の炭素数の大きいものが好ましい。
代表的な化合物としては、以下に示すものが挙げられる。
上記他の界面活性剤である特定ベタイン型界面活性剤は、通常、本発明に用いられる現像液に所望により含有されるが、現像された画像記録層成分の分散性を改良するために含まれていてもよく、但し、その含有量は現像液に対して10質量%未満であることが好ましい。特定ベタイン型界面活性剤の含有量が10質量%以上であると現像浴中の部材が浸食を受け、装置故障の原因となる可能性がでてくるため好ましくない。
(有機溶剤)
本発明においては、感光性平版印刷版原版の現像に用いる現像液・現像補充液としては、画像記録層成分の溶解性を向上させるなどの目的で沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤を含有してもよいが、含有量は2質量%以下の範囲とすべきであり、前記有機溶剤を含有しない場合も好ましい。
現像液に含まれる有機溶剤の沸点が、100℃より低いと揮発しやすく、300℃を越えるとより濃縮し難くなるので好ましくない。
現像液が含む有機溶剤の種類としては、沸点が100℃〜300℃の範囲であれば、どのような有機溶剤であってもよいが、好ましくは、2−フェニルエタノール(沸点:219℃)、3−フェニル−1−プロパノール(沸点:238℃)、2−フェノキシエタノール(沸点:244〜255℃)、ベンジルアルコール(沸点:205℃)、シクロヘキサノール(沸点:161℃)、モノエタノールアミン(沸点:170℃)、ジエタノールアミン(沸点:268℃)、シクロヘキサノン(沸点:155℃)、エチルラクテート(沸点:155℃)、プロピレングリコール(沸点:187℃)、エチレングリコール(沸点:198℃)、γ−ブチロラクトン(沸点:205℃)、N−メチルピロリドン(沸点:202℃)、N−エチルピロリドン(沸点:218℃)、グリセリン(沸点:290℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:120℃)、エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点:124℃)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点:145℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点:162℃)、グリセリン(沸点:299℃)であり、特にベンジルアルコール、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンが好ましい。
なお、後述するアルカリ剤のアミン類も、沸点が100℃〜300℃の範囲であれば、本発明における有機溶剤として取り扱う。
〔有機酸またはその塩〕
本発明に係る現像液は、前記特定アニオン界面活性剤及び/又は特定ノニオン界面活性剤及び後述するアルカリ剤を含み、pHが6〜10であることが好ましい。
現像液のpHは、pH調整剤を用いて調整してもよい。pH調整剤としては、クエン酸、りんご酸、酒石酸、グルコン酸、安息香酸、フタル酸、p−エチル安息香酸、p−n−プロピル安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、p−n−ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、p−2−ヒドロキシエチル安息香酸、デカン酸、サリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の有機カルボン酸またはそれらの金属塩、アンモニウム塩などを含有することが好ましい。
なかでも、クエン酸は緩衝剤としての機能があり、例えば、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウムとして添加される。
一般的には、緩衝剤は、1種又は2種以上を、現像液中に0.05〜5質量%、より好ましくは0.3〜3質量%の範囲で含有させる。
〔水溶性高分子化合物〕
また、本発明に係る現像液には、現像浴中で現像とともに実施される不感脂化処理において、ガム液として版面を保護する機能を強化するために、水溶性高分子化合物を含有させてもよい。
本発明に係る現像液に用いられる水溶性高分子化合物としては、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)およびその変性体、プルラン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよびアクリルアミド共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。水溶性高分子化合物の好ましい酸価は、0〜3.0meq/gである。
大豆多糖類としては、従来知られているものが使用でき、例えば市販品としてソヤファイブ(不二製油(株)製)があり、各種グレードのものを使用することができる。好ましく使用できるものは、10質量%水溶液の粘度が1〜100mPa/secの範囲にあるものである。
変性澱粉としては、下記一般式(VII)で示されるものが好ましい。一般式(VII)で示される澱粉としては、トウモロコシ、じゃがいも、タピオカ、米、小麦等のいずれの澱粉も使用できる。これらの澱粉の変性は、酸または酵素等で1分子当たりグルコース残基数5〜30の範囲で分解し、更にアルカリ中でオキシプロピレンを付加する方法等で行うことができる。
一般式(VII)中、エーテル化度(置換度)はグルコース単位当たり0.05〜1.2の範囲で、nは3〜30の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。
水溶性高分子化合物の中でも特に好ましいものとして、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
水溶性高分子化合物は2種以上を併用することもできる。水溶性高分子化合物の現像液中における含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%である。
〔キレート剤〕
さらに、現像液には2価金属に対するキレート剤を含有させてもよい。2価金属の例としては例えば、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。キレート剤としては、例えば、Na、Na、Na、NaP(NaOP)PONa、カルゴン(ポリメタリン酸ナトリウム)などのポリリン酸塩、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのようなアミノポリカルボン酸類の他2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;2−ホスホノブタノントリカルボン酸−2,3,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ホスホノエタントリカルボン酸−1,2,2、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類、例えばS,S−エチレンジアミンジコハク酸(EDDSH)、S,S−エチレンジアミンジコハク酸3ソーダ(EDDSNa)、およびグルタミン酸二酢酸4ソーダなどの生分解性キレート剤を挙げることができる。
このようなキレート剤の現像液中の含有量としては、現像液に使用される硬水の硬度およびその使用量に応じて変化するが、一般的には、該キレート剤を現像液中に0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%の範囲で含有させる。
〔消泡剤〕
アニオン界面活性剤を現像液に含有させると、特に発泡しやすくなる懸念があるため、現像液には消泡剤を添加してもよい。消泡剤を添加する場合には、現像液に対して0.00001質量%以上添加することが好ましく、0.0001〜0.5質量%程度添加することがより好ましい。
本発明に係る現像液には、消泡剤として、フッ素系消泡剤、シリコーン系消泡剤、アセチレンアルコール、またはアセチレングリコールを含有させてもよい。
フッ素系消泡剤としては、下記式で表される化合物等が挙げられる。
これらのうち、HLB1〜9のフッ素系消泡剤、特にHLB1〜4のフッ素系消泡剤が好ましく用いられる。上記のフッ素系消泡剤はそのまま、あるいは水その他の溶媒等と混合した乳濁液の形で現像液に添加される。
(上記式中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rfはアルキル基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子で置き換えたフッ化炭素基(炭素数5〜10程度)を表す。XはCO又はSOを表し、nは1〜10の整数を表す。)
シリコーン系消泡剤としては、ジアルキルポリジオキサン、好ましくは下記に示すジメチルポリジオキサンをそのまま、あるいはO/W型乳濁液としたもの、
下記に示すアルコキシポリ(エチレンオキシ)シロキサン、ジメチルポリジオキサンにカルボン酸基あるいはスルホン酸基を一部導入して変性したもの、あるいはこれらシリコーン化合物を一般に知られるアニオン界面活性剤と共に水と混合して乳濁液としたものが用いられる。
アセチレンアルコールとは、分子内にアセチレン結合(三重結合)をもつ不飽和アルコールである。また、アセチレングリコールとは、アルキンジオールとも呼ばれ、分子内にアセチレン結合(三重結合)をもつ不飽和グリコールである。
より具体的には、以下の一般式(1)、(2)で示されるものがある。
(一般式(1)中、Rは炭素原子数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。)
(一般式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、a+bは0〜30の数である。)
一般式(2)中、炭素原子数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基などが挙げられる。
アセチレンアルコール及びアセチレングリコールの更なる具体例として以下のものが挙げられる。
(1)プロパルギルアルコール
(2)プロパルギルカルビノール
(3)3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール
(4)3−メチル−1−ブチン−3−オール
(5)3−メチル−1−ペンチン−3−オール
(6)1,4−ブチンジオール
(7)2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール
(8)3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール
(9)2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール
(10)2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールの酸化エチレン付加物(下記構造)
(11)2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール
これらのアセチレンアルコール、アセチレングリコールは市場で入手することができ、市販品として例えば Air Products and Chemicals Inc.の商品名サーフィノールが知られている。市販品の具体例には、上記(3)としてサーフィノール61、上記(4)としてオルフィンB、上記(5)としてオルフィンP、上記(7)としてオルフィンY、上記(8)としてサーフィノール82、上記(9)としてサーフィノール104、オルフィンAK−02、上記(10)としてサーフィノール400シリーズ、上記(11)としてサーフィノールDF−110Dなどがある。
〔その他の添加剤〕
また、現像液には現像調整剤として有機酸のアルカリ金属塩類、無機酸のアルカリ金属塩類を加えてもよい。たとえは炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、クエン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウムなどを単独もしくは2種以上を組み合わせて混合して用いてもよい。
また、現像液にはアルカリ剤として、たとえば第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、および同リチウムなどの無機アルカリ剤および、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ剤を単独もしくは2種以上を組み合わせて混合して用いてもよい。
現像液には、上記の成分の他に、必要に応じて以下の様な成分を併用することができる。例えば、還元剤、染料、顔料、硬水軟化剤、防腐剤等が挙げられる。
本発明においては、製版処理工程において、現像液により現像処理と不感脂化処理とを一浴中で行うために、ここで用いられる現像液のpHとしては、効果の観点から6.0〜11.0であるのが好ましく、8.0〜10.0であることがより好ましい。
(水)
前述の現像液の残余の成分は水である。本発明に係る現像液(現像原液)は、使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出を起こさない程度が適当である。
上記製版処理工程では、一般的な自動現像機の現像浴中に既述の現像液を使用することで、現像処理と不感脂化処理とを一浴中で良好に行うことができる。
現像処理は、常法に従って、0℃〜60℃、好ましくは15℃〜40℃程度の温度で、例えば、画像露光した感光性平版印刷版原版を現像液に浸漬してブラシで擦る方法、スプレーにより現像液を吹き付けてブラシで擦る方法等により行うことができる。
本発明における現像処理工程は、現像液の供給手段及び擦り部材を備えた自動現像処理機により好適に実施することができる。擦り部材として、回転ブラシロールを用いる自動現像処理機が特に好ましい。
回転ブラシロールは2本以上が好ましい。更に自動現像処理機は現像処理手段の後に、スクイズローラー等の余剰の現像液を除去する手段や、温風装置等の乾燥手段を備えていることが好ましい。また、自動現像処理機は現像処理手段の前に、画像露光後の感光性平版印刷版原版を加熱処理するための前加熱手段を備えていてもよい。
このような自動現像処理機での処理は、いわゆる機上現像処理の場合に生ずる保護層/画像記録層に由来の現像カスへの対応から開放されるという利点がある。
〔廃液濃縮工程〕
本工程では、前記製版処理工程により生じた製版処理廃液を、廃液濃縮装置で、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比が1/2〜1/10となるように、蒸発濃縮する。
以下、本発明に係る廃液濃縮工程について説明する。
廃液濃縮装置には、廃液を、減圧を行わずに加熱または減圧下で加熱し、蒸発する水分と残留する濃縮物(スラリー)とに分離する蒸発釜(図示しない)と、蒸発釜において有機溶剤を含有していてもよい水蒸気として分離された水分を冷却・凝結して再生水とする冷却釜(図示しない)とを少なくとも具備する。
廃液の濃縮は、前記蒸発釜内部を減圧手段で減圧して、加熱濃縮する方法で行うことが、廃液の沸点を低下させ、大気圧下におけるよりも低い温度で廃液を蒸発濃縮させることできるため好ましい。減圧手段を用いることで、より安全で蒸発釜、廃液および廃液濃縮物が熱による影響を受けにくいという利点を有する。
減圧手段としては、一般的な水封式や油回転式、ダイヤフラム式等の機械的真空ポンプ、油や水銀を用いた拡散ポンプ、多段ターボ圧縮機、往復圧縮機、ねじ圧縮機等の圧縮機、アスピレータが挙げられるが、この中ではアスピレータがメンテナンス性、コストの点で好ましく用いられる。
減圧条件としては、例えば、666.6Pa(5mmHg)〜13332.2Pa(100mmHg)、好ましくは666.6Pa(5mmHg)〜3999.7Pa(30mmHg)となるまで減圧することが挙げられる。
加熱条件は、水流ポンプや真空ポンプで得られやすい圧力である666.6Pa〜13332.2Paに対応した温度域が選択される。具体的には20℃〜80℃の範囲であり、より好ましくは25℃〜45℃の範囲である。
高温で蒸留し、濃縮を行うと多くの電力を要するため、減圧することにより加熱温度を低くし、使用電力を抑制することができる。
また、蒸発釜における加熱手段としてヒートポンプを使用することも好ましい態様であり、ヒートポンプとしては、放熱部と吸熱部とを備える態様が好ましい。ヒートポンプの放熱部で製版処理廃液を加熱する一方、ヒートポンプの吸熱部で製版処理廃液から分離された水蒸気を冷却することができ、廃液の加熱濃縮をヒートポンプの発熱で行い、水蒸気の凝縮をヒートポンプの吸熱で行うため熱効率がよく、電熱器等の加熱手段を用いた場合に比較し、局所的に高熱とならない、より安全性が高い、二酸化炭素の排出量が減少するなどの利点を有する。
本工程においては、前記廃液濃縮装置において、製版処理廃液を蒸発濃縮する際には、製版処理廃液は、蒸発釜中で加熱手段により加熱することで、容量基準で1/2〜1/10(=濃縮後の製版処理廃液/濃縮前の製版処理廃液)となるように蒸発濃縮される。ここで、濃縮比が1/2未満であると処理すべき廃液量の減少が効果的に行われず、また、1/10を超えて濃縮した場合、廃液濃縮装置30の蒸発釜内で濃縮された廃液に起因する固形物の析出が生じやすくなり、メンテナンス性が低下する懸念がある。容量基準で1/3〜1/8の範囲に濃縮されることが好ましい。上記濃縮の範囲であると、濃縮釜の汚れが少なく、連続運転が長期にわたって可能である。また、得られた再生水は再利用が可能であり、製版処理廃液として廃却する廃液が極めて少ない。
なお、本実施形態に使用される廃液濃縮装置として、タカギ冷機製のヒートポンプ方式濃縮装置XR−2000、XR−5000(いずれも商品名)、加熱方式のコスモテック社製フレンドリーシリーズ(商品名)などの市販品を用いてもよい。
〔再生水生成工程〕
本工程では、前記廃液濃縮工程において分離された水蒸気を凝縮して再生水を生成させる。
既述のように、廃液濃縮工程において、廃液の加熱濃縮をヒートポンプで行う場合には、ヒートポンプの吸熱部で冷却された水蒸気が液状となり再生水が得られる。即ち、前記廃液濃縮工程において、再生水が生成される。
また、廃液の加熱濃縮を電熱器等の公知の加熱手段を用いて行った場合には、冷却手段を用いて水蒸気を凝縮させて再生水を生成させる。冷却手段としては、公知の水冷クーラーなどを適宜使用すればよい。
上記のようにして得られる再生水は、BOD、COD値の低い再生水である。本発明で用いられる現像液を使用した場合、おおよそ、BOD値は250mg/L以下、COD値200mg/L以下となるので、余剰の再生水はそのまま一般排水に放出してもよい。但し、再生水が有機溶剤等を含む場合には、放出前に活性汚泥等による処理を施す。
また、後述する本発明のリサイクル方法におけるように、再生水を現像浴に希釈水などとして供給して再利用することも好ましい。
<感光性平版印刷版原版の製版処理廃液のリサイクル方法>
本発明のリサイクル方法は、支持体上にラジカル重合性の画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を露光後、現像する自動現像機の1つの現像処理浴中で、該露光後の感光性平版印刷版原版に対して、フェニル基又はナフチル基と、エチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基の少なくとも1種と、を有する界面活性剤を1質量%〜10質量%含有し、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が2質量%以下であり、沸点が100℃より低い又は300℃より高い有機溶剤を実質的に含有しない現像液により現像処理と不感脂化処理とを同時に行う製版処理工程、前記製版処理工程により生じた製版処理廃液を、廃液濃縮装置で、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比が1/2〜1/10となるように、蒸発濃縮する廃液濃縮工程、前記廃液濃縮工程において分離された水蒸気を凝縮して再生水を生成させる再生水生成工程、及び、前記再生水生成工程で得られた再生水を、前記自動現像機に供給する再生水供給工程、を含む。
即ち、本発明のリサイクル方法では、前記本発明の製版処理廃液の濃縮方法における製版処理工程、廃液濃縮工程、及び再生水生成工程に加え、さらに、再生水供給工程を有するものである。
本発明のリサイクル方法においては、生成された再生水は、補充水タンクなどに供給され、自動現像機内に配置された現像浴内で所定倍率に現像補充液を希釈する希釈水として使用されたり、予め、現像補充液に混合され、現像補充液を所定の倍率に希釈するために用いられたりしてもよい。
また、複数の自動現像機から発生する製版処理廃液から生成された再生水が、1箇所の補充水タンクに集められて用いられてもよく、さらに、補充水タンクから複数の自動現像機に希釈水またはリンス水として供給されてもよい。
本発明の廃液濃縮方法、及び、リサイクル方法に好適に使用可能な装置の具体例としては、例えば、特許第4774124号公報に記載の平版印刷版製版処理廃液削減装置等、特開2011−90282号公報等に記載の廃液処理装置が挙げられる。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の一例について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る製版処理廃液のリサイクル方法では、自動現像機10、感光性平版印刷版原版の製版処理に伴って自動現像機10から排出される現像液の廃液を貯蔵する中間タンク20、該中間タンク20より送られた廃液を、減圧を行わずに加熱または減圧下で加熱し、蒸発する水分と残留する濃縮物(スラリー)とに分離するとともに、分離された水蒸気を冷却・凝結して再生水を生成する廃液濃縮装置30を用いる。再生水は再生水タンク50に導入される。また、廃液濃縮装置30で濃縮された廃液は廃液回収タンク40に回収される。廃液タンク40への濃縮された廃液の移送は、ポンプで加圧して行うことも好ましい。
廃液濃縮装置30には、中間タンク20より送られた廃液を、減圧を行わずに加熱または減圧下で加熱し、蒸発する水分と残留する濃縮物(スラリー)とに分離する蒸発釜(図示しない)と、蒸発釜で水蒸気(有機溶剤を含有していてもよい)として分離された水分を冷却・凝結して再生水とする冷却釜(図示しない)とを少なくとも具備する。
分離された再生水を一時貯蔵する再生水タンク50と、再生水の自動現像機10への供給を制御する蒸留再生水再利用装置60とを備える。蒸留再生水再利用装置60は、好ましくは、再生水を自動現像機10に供給する補充水タンク80と配管と、配管内の圧力を測定する圧力計と、ポンプとを備える。また、分析装置を備え、再生水の成分を分析し、その成分に応じて中和、新水の供給、などを行い、組成を調製する手段を有していてもよい。
回収された再生水は、蒸留再生水再利用装置60が備える圧力計で測定された圧力値に応じて、前記ポンプの駆動を制御することにより、前記補充水タンク80から前記自動現像装置10に供給される。自動現像機10には、現像補充液タンク70から現像補充液が供給される。
このシステムで得られた再生水は、有機溶剤を容量基準で、0.5%以下であれば含んでいてもよい。
また、得られる再生水はBOD、COD値の低い再生水である。本発明で用いられる現像液を使用した場合、おおよそ、BOD値は250mg/L以下、COD値200mg/L以下となるので、自動現像機における蒸発補正用の希釈水、現像補充液の希釈水、版を洗浄するリンス水、または、自動現像機の洗浄水として用いる他に、余剰の再生水はそのまま一般排水に放出してもよい。
本発明においては、現像補充液は、希釈して自動現像機10の現像浴に供給される。図1では、現像補充液タンク70からの供給量に応じて補充水タンク80から供給する再生水の量を制御して、自動現像機10内に配置された図示されない現像槽内で所定倍率に現像補充液を希釈する態様を示すが、本発明はこの態様に限定されず、予め、現像補充液と再生水とを混合し、現像補充液を所定の倍率に希釈してから現像浴内に供給してもよい。
また、複数の自動現像機から発生する製版処理廃液が、一つの廃液濃縮装置に集められ、得られた再生水が、複数の自動現像機に希釈水またはリンス水として供給されてもよい。
このように再生水を補充水として利用することで、希釈水などを新たに供給することなく、適切に製版処理される感光性平版印刷版原版の処理量が増加するという利点をも有するものである。
〔感光性平版印刷版原版〕
以下、本発明の製版処理廃液のリサイクル方法において、好ましく適用できる感光性平版印刷版原版について詳しく説明する。
本発明に係る感光性平版印刷版原版は、親水性支持体上にラジカル重合性の画像記録層を有するものであれば、特に制限なく使用される。
ラジカル重合性の画像記録層には、通常、(A)重合開始剤、(B)重合性化合物、及び(C)増感色素を含有し、所望によりさらに(D)バインダーポリマーを含有する。支持体上には、ラジカル重合性の画像記録層と保護層とをこの順に有することが好ましい。
以下、本発明に係る感光性平版印刷版原版の画像記録層に含まれる成分を順次説明する。
(A)重合開始剤
画像記録層は重合開始剤(以下、開始剤化合物とも称する)を含有する。本発明においては、ラジカル重合開始剤が好ましく用いられる。
開始剤化合物としては、当業者間で公知のものを制限なく使用でき、具体的には、例えば、トリハロメチル化合物、カルボニル化合物、有機過酸化物、アゾ化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ素化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、鉄アレーン錯体が挙げられる。なかでも、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、オニウム塩化合物、トリハロメチル化合物及びメタロセン化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、特にヘキサアリールビイミダゾール化合物が好ましい。重合開始剤は、2種以上を適宜併用することもできる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、欧州特許24、629、欧州特許10、7792、米国特許4、410、621の各公報記載のロフィンダイマー類、例えば2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物は、300〜450nmに極大吸収を有する増感色素と併用して用いることが特に好ましい。
オニウム塩化合物としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩が好ましく用いられる。特にジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩が好ましく用いられる。
オニウム塩化合物は、750〜1400nmに極大吸収を有する赤外線吸収剤と併用して用いることが特に好ましい。
その他の重合開始剤としては、特開2007−206217号の段落番号〔0071〕〜〔0129〕に記載の重合開始剤を好ましく用いることができる。
重合開始剤は単独若しくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
画像記録層中の重合開始剤の使用量は画像記録層全固形分対し、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜15質量%、更に好ましくは1.0質量%〜10質量%である。
なお、本明細書中において「全固形分」とは画像記録層を構成する全成分のうち、溶剤を除く成分の総量を意味する。
(B)重合性化合物
画像記録層に用いる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物などの化学的形態をもち、通常は、重合性モノマーが使用される。
モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル類、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸を、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。これらは、特表2006−508380号公報、特開2002−287344号公報、特開2008−256850号公報、特開2001−342222号公報、特開平9−179296号公報、特開平9−179297号公報、特開平9−179298号公報、特開2004−294935号公報、特開2006−243493号公報、特開2002−275129号公報、特開2003−64130号公報、特開2003−280187号公報、特開平10−333321号公報等に記載されている。
多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド(EO)変性トリアクリレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。また、多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
また、特開2004−318053号公報の段落番号〔0189〕〜〔0208〕に記載される如き、種々の化合物を適宜選択して用いてもよい。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (A)
(ただし、R及びRは、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報、特開2003−344997号公報、特開2006−65210号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報、特開2000−250211号公報、特開2007−94138号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類や、米国特許7,153,632号公報、特表平8−505958号公報、特開2007−293221号公報、特開2007−293223号公報に記載の親水基を有するウレタン化合物類も好適である。
また、特表2007−506125号公報に記載の光−酸化可能な重合性化合物も好適であり、少なくとも1個のウレア基及び/又は第三級アミノ基を含有する重合可能な化合物が特に好ましい。具体的には、下記の化合物が挙げられる。
重合性化合物の構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な感光性平版印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。
重合性化合物は、画像記録層の全固形分に対して、好ましくは5〜75質量%、更に好ましくは25〜70質量%、特に好ましくは30〜60質量%の範囲で使用される。
(C)増感色素
画像記録層は、増感色素を含有する。増感色素は、画像露光時の光を吸収して励起状態となり、重合開始剤に電子移動、エネルギー移動又は発熱などでエネルギーを供与し、重合開始機能を向上させるものであれば特に限定せず用いることができる。特に、300〜450nm又は750〜1400nmに極大吸収を有する増感色素が好ましく用いられる。
300〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素としては、メロシアニン類、ベンゾピラン類、クマリン類、芳香族ケトン類、アントラセン類、スチリル類、オキサゾール類等を挙げることができる。
300nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素のうち、高感度の観点からより好ましい色素としては下記一般式(IX)で表される色素が挙げられる。
一般式(IX)中、Aは置換基を有してもよいアリール基又はヘテロアリール基を表
し、Xは酸素原子、硫黄原子又は=N(R)をあらわす。R、R及びRは、それぞれ独立に、1価の非金属原子団を表し、AとR又はRとRはそれぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の環を形成してもよい。
一般式(IX)について更に詳しく説明する。R、R及びRは、それぞれ独立に、
1価の非金属原子団であり、好ましくは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子を表す。
一般式(IX)におけるAで表される置換基を有してもよいアリール基又はヘテロアリール基としては、各々R、R及びRで記載した置換若しくは非置換のアリール基、置
換若しくは非置換のヘテロアリール基と同様のものが挙げられる。
このような増感色素の具体例としては特開2007−58170号の段落番号〔0047〕〜〔0053〕、特開2007−93866号の段落番号〔0036〕〜〔0037〕、特開2007−72816号の段落番号〔0042〕〜〔0047〕に記載の化合物が好ましく用いられる。
また、特開2006−189604号、特開2007−171406号、特開2007−206216号、特開2007−206217号、特開2007−225701号、特開2007−225702号、特開2007−316582号、特開2007−328243号に記載の増感色素も好ましく用いることができる。
次に、750〜1400nmに極大吸収を有する増感色素(以降、「赤外線吸収剤」と称することもある)について述べる。赤外線吸収剤は染料又は顔料が好ましく用いられる。
染料としては、市販の染料及び例えば、「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。更に、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい例として下記一般式(a)で示されるシアニン色素が挙げられる。
一般式(a)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、−NPh、−X−L又は以下に示す基を表す。ここで、Xは酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を示し、Lは、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子(N、S、O、ハロゲン原子、Se)を有するアリール基、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。X は後述するZ と同義であり、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、
ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。画像記録層塗布液の保存安定性から、R及びRは、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましい。またRとRは互いに連結し環を形成してもよく、環を形成する際は5員環又は6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar、Arは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアリール基を示す。好ましいアリール基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y、Yは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R、Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R、R、R及びRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Z は、対アニオンを示す。
ただし、一般式(a)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZ は必要ない。好ましいZ は、画像記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
好適に用いることのできる一般式(a)で示されるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号の段落番号〔0017〕〜〔0019〕、特開2002−023360号の段落番号〔0016〕〜〔0021〕、特開2002−040638号の段落番号[0012]〜[0037]に記載の化合物、好ましくは特開2002−278057号の段落番号〔0034〕〜〔0041〕、特開2008−195018号の段落番号〔0080〕〜〔0086〕に記載の化合物、特に好ましくは特開2007−90850号の段落番号〔0035〕〜〔0043〕に記載の化合物が挙げられる。
また特開平5−5005号の段落番号〔0008〕〜〔0009〕、特開2001−222101号の段落番号〔0022〕〜〔0025〕に記載の化合物も好ましく使用することが出来る。
赤外線吸収染料は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよく、顔料等の赤外線吸収染料以外の赤外線吸収剤を併用してもよい。顔料としては、特開2008−195018号の段落番号〔0072〕〜〔0076〕に記載の化合物が好ましい。
増感色素の好ましい添加量は、画像記録層の全固形分100質量部に対し、好ましくは0.05〜30質量部、更に好ましくは0.1〜20質量部、特に好ましくは0.2〜10質量部である。
(D)バインダーポリマー
画像記録層はバインダーポリマーを含有してもよい。
バインダーポリマーとしては、画像記録層成分を支持体上に担持可能であり、現像液により除去可能であるものが用いられる。バインダーポリマーとしては、(メタ)アクリル系重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などが用いられる。特に、(メタ)アクリル系重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が好ましく用いられる。
本発明において、「(メタ)アクリル系重合体」とは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アリルエステル、など)、(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体を重合成分として有する共重合体のことを言う。「ポリウレタン樹脂」とは、イソシアネート基を2つ以上有する化合物とヒドロキシル基を2つ以上有する化合物の縮合反応により生成されるポリマーのことをいう。「ポリビニルブチラール樹脂」は、ポリ酢酸ビニルを一部又は全て鹸化して得られるポリビニルアルコールとブチルアルデヒドを酸性条件下で反応(アセタール化反応)させて合成されるポリマーのことを言い、更に、残存したヒドロキシ基と酸基等有する化合物を反応させ方法等により酸基等を導入したポリマーも含まれる。
本発明における(メタ)アクリル系重合体の好適な一例としては、酸基を含有する繰り返し単位を有する共重合体が挙げられる。酸基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、スルホンアミド基等が挙げられるが、特にカルボン酸基が好ましい。酸基を含有する繰り返し単位としては、(メタ)アクリル酸由来の繰り返し単位や下記一般式(i)で表されるものが好ましく用いられる。
一般式(i)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは単結合又はn+1価の連結基を表す。Aは酸素原子又は−NR−を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。nは1〜5の整数を表す。
一般式(i)におけるRで表される連結基は、水素原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びハロゲン原子から構成されるもので、その原子数は好ましくは1〜80である。
(メタ)アクリル系重合体の全共重合成分に占めるカルボン酸基を有する共重合成分の割合(モル%)は、現像性の観点から、1〜70%が好ましい。現像性と耐刷性の両立を考慮すると、1〜50%がより好ましく、1〜30%が特に好ましい。
このようなバインダーポリマーは、特開2004−318053号公報段落番号〔0018〕〜〔0127〕に記載され、ここに記載の化合物は本発明においてバインダーポリマーとして好適に使用される。
バインダーポリマーとして用いられる(メタ)アクリル系重合体は、更に架橋性基を有していてもよい。架橋性基としては、感光性平版印刷版原版を露光した際に画像記録層中で起こるラジカル重合反応の過程で重合体を架橋させる基であれば特に限定されないが、例えば、付加重合反応し得る官能基としてエチレン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が挙げられる。また光照射によりラジカルになり得る官能基であってもよく、そのような架橋性基としては、例えば、チオール基、ハロゲン基等が挙げられる。なかでも、エチレン性不飽和結合基が好ましい。エチレン性不飽和結合基としては、スチリル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基が好ましい。
(メタ)アクリル系重合体中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、重合体1g当たり、好ましくは0.01〜10.0mmol、より好ましくは0.05〜9.0mmol、特に好ましくは0.1〜8.0mmolである。
本発明においてバインダーポリマーとして用いられるポリウレタン樹脂の好適な一例としては、特開2007−187836号の段落番号〔0099〕〜〔0210〕、特開2008−276155号の段落番号〔0019〕〜〔0100〕、特開2005−250438号の段落番号〔0018〕〜〔0107〕、特開2005−250158号の段落番号〔0021〕〜〔0083〕に記載のポリウレタン樹脂を挙げることが出来る。
本発明においてバインダーポリマーとして用いられるポリビニルブチラール樹脂の好適な一例としては、特開2001−75279号の段落番号〔0006〕〜〔0013〕に記載のポリビニルブチラール樹脂を挙げることができる。
バインダーポリマー中の酸基の一部が、塩基性化合物で中和されていても良い。塩基性化合物としては、塩基性窒素を含有する化合物やアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属の4級アンモニウム塩などが挙げられる。
バインダーポリマーは、質量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
バインダーポリマーは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
画像記録層にバインダーポリマーを用いる際の含有量としては、良好な画像部の強度と画像形成性の観点から、画像記録層の全固形分に対して、5〜75質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、10〜60質量%であるのが更に好ましい。
また、重合性化合物及びバインダーポリマーの合計含有量は、画像記録層の全固形分に対して、90質量%以下であることが好ましい。90質量%を超えると、感度の低下、現像性の低下を引き起こす場合がある。より好ましくは35〜80質量%である。
(連鎖移動剤)
画像記録層は、連鎖移動剤を含有することが好ましい。連鎖移動剤は、例えば高分子辞典第三版(高分子学会編、2005年)683−684頁に定義されている。連鎖移動剤としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与してラジカルを生成するか、若しくは、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。本発明に係る画像記録層には、特に、チオール化合物(例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類、2−メルカプトベンズチアゾール類、2−メルカプトベンズオキサゾール類、3−メルカプトトリアゾール類、5−メルカプトテトラゾール類等)を好ましく用いることができる。
連鎖移動剤の添加量は、画像記録層の全固形分100質量部に対し、好ましくは0.01〜20質量部、更に好ましくは1〜10質量部、特に好ましくは1〜5質量部である。
(その他の画像記録層成分)
画像記録層には、更に、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、現像性の促進及び塗布面状を向上させるための界面活性剤、現像性と耐刷性両立の為のマイクロカプセル、現像性の向上やマイクロカプセルの分散安定性向上などのための親水性ポリマー、画像部と非画像部を視認するための着色剤や焼き出し剤、画像記録層の製造中又は保存中のラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するための重合禁止剤、酸素による重合阻害を防止するための高級脂肪誘導体などの疎水性低分子化合物、画像部の硬化皮膜強度向上のための無機微粒子や有機微粒子、現像性向上のための親水性低分子化合物、感度向上のための共増感剤、可塑性向上のための可塑剤等が挙げられる。これらの添加剤はいずれも公知のもの、例えば、特開2007−206217号の段落番号〔0161〕〜〔0215〕、特表2005−509192号の段落番号〔0067〕、特開2004−310000号の段落番号〔0023〕〜〔0026〕及び〔0059〕〜〔0066〕に記載の化合物を使用することができる。界面活性剤については、後述の現像液に添加してもよい界面活性剤を使用することもできる。
<画像記録層の形成>
画像記録層は、必要な上記各成分を溶剤に分散又は溶解して塗布液を調製し、塗布して形成される。使用する溶剤としては、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、γ−ブチロラクトン等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。溶剤は、単独又は混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
塗布、乾燥後に得られる画像記録層塗布量(固形分)は、0.3〜3.0g/mが好ましい。塗布には、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等が挙げられる。
<保護層>
本発明に係る感光性平版印刷版原版には、露光時の重合反応を妨害する酸素の拡散侵入を遮断するため、画像記録層上に保護層(酸素遮断層)が設けられる。保護層の材料としては、水溶性ポリマー、水不溶性ポリマーのいずれをも適宜選択して使用することができ、必要に応じて2種類以上を混合して使用することもできる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース誘導体、ポリ(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。これらの中で、比較的結晶性に優れた水溶性ポリマーを用いることが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的に最も良好な結果を与える。
保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、アセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。ポリビニルアルコールはポリ酢酸ビニルを加水分解することにより得られるが、ポリビニルアルコールの具体例としては加水分解度が69.0〜100モル%、重合繰り返し単位数が300〜2400の範囲のものをあげることができる。具体的には、たとえば、特開2004−318053号公報の段落番号〔0233〕〜〔0234〕に記載の化合物などを挙げることができる。
ポリビニルアルコールの保護層中の含有率は、好ましくは20〜95質量%、より好ましくは30〜90質量%である。
また、公知の変性ポリビニルアルコールも好ましく用いることができる。特に、カルボン酸基又はスルホン酸基を有する酸変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。具体的には、特開2005−250216号、特開2006−259137号に記載のポリビニルアルコールが好適に挙げられる。
ポリビニルアルコールと別の材料を混合して使用する場合、混合する成分としては、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン又はその変性物が酸素遮断性、現像除去性といった観点から好ましく、保護層中の含有量は3.5〜80質量%、好ましくは10〜60質量%、更に好ましくは15〜30質量%である。
更に、保護層には、酸素遮断性や画像記録層表面保護性を向上させる目的で、無機質の層状化合物を含有させることも好ましい。無機質の層状化合物の中でも、合成の無機質の層状化合物であるフッ素系の膨潤性合成雲母が特に有用である。具体的には、特開2005−119273号に記載の無機質の層状化合物が好適に挙げられる。
保護層の塗布量は、乾燥後の塗布量で、0.05〜10g/mが好ましく、無機質の層状化合物を含有する場合には、0.1〜5g/mが更に好ましく、無機質の層状化合物を含有しない場合には、0.5〜5g/mが更に好ましい。
<支持体>
感光性平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状の親水性支持体であればよい。特に、アルミニウム板が好ましい。アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。これらの処理については、特開2007−206217号の段落番号〔0241〕〜〔0245〕に記載の方法を好ましく用いることができる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。この範囲で、画像記録層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
支持体の色濃度は、反射濃度値として0.15〜0.65であるのが好ましい。この範囲で、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
支持体の厚さは、0.1〜0.6mmが好ましく、0.15〜0.4mmがより好ましい。
(支持体親水化処理、下塗り層)
感光性平版印刷版原版においては、非画像部の親水性を向上させ印刷汚れを防止するために、支持体表面の親水化処理を行う又は支持体と画像記録層との間に下塗り層を設けることも好適である。
支持体表面の親水化処理としては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液に浸漬処理又は電解処理するアルカリ金属シリケート処理法、フッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、ポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられるが、ポリビニルホスホン酸水溶液に浸漬処理する方法が好ましく用いられる。
下塗り層としては、ホスホン酸、リン酸、スルホン酸などの酸基を有する化合物を有する下塗り層が好ましく用いられる。これらの化合物は、画像記録層との密着性を向上させる為に、更に重合性基を含有することが好ましい。重合性基としてはエチレン性不飽和結合基が好ましい。更にエチレンオキシ基などの親水性付与基を有する化合物も好適な化合物として挙げることができる。
これらの化合物は低分子化合物でも高分子ポリマーであってもよい。これらの化合物は必要に応じて2種以上を混合して使用してもよい。
特開平10−282679号公報に記載の付加重合可能なエチレン性不飽和結合基を有するシランカップリング剤、特開平2−304441号公報に記載のエチレン性不飽和結合基を有するリン化合物などが好適に挙げられる。特開2005−238816号、特開2005−125749号、特開2006−239867号、特開2006−215263号公報に記載の架橋性基(好ましくは、エチレン性不飽和結合基)、支持体表面に相互作用する官能基、及び親水性基を有する低分子又は高分子化合物を含有することも好ましく用いられる。
下塗り層は、公知の方法で塗布される。下塗り層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/mが好ましく、1〜40mg/mがより好ましい。
<バックコート層>
必要に応じて、支持体の裏面(画像記録層と反対側の面)にバックコートを設けることができる。バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物からなる層、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC等のケイ素のアルコキシ化合物を用いることが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
〔製版方法〕
本発明に係る感光性平版印刷版原版を、画像露光して、現像処理を行うことで平版印刷版が作製される。なお、本発明の廃液濃縮方法及び本発明のリサイクル方法においては、自動現像機の1つの現像処理浴で現像液により現像処理と不感脂化処理とを同時に行うものである。
〔画像露光工程〕
感光性平版印刷版原版は、線画像、網点画像等を有する透明原画を通してレーザー露光するかデジタルデータによるレーザー光走査等で画像様に露光される。
光源の波長は300〜450nm又は750〜1400nmが好ましい。300〜450nmの場合は、この領域に吸収極大を有する増感色素を画像記録層に有する感光性平版印刷版原版が用いられ、750〜1400nmの場合は、この領域に吸収を有する増感色素である赤外線吸収剤を含有する感光性平版印刷版原版が用いられる。300〜450nmの光源としては、半導体レーザーが好適である。750〜1400nmの光源としては、赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよい。
〔現像処理方法〕
上記の現像液は、露光された感光性平版印刷版原版の現像液および現像補充液として用いることができ、既述のように自動処理機の現像浴に適用することが好ましい。
自動処理機を用いて現像する場合、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、補充液または新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させてもよい。本発明のリサイクル方法においてもこの補充方式が好ましく適用される。
現像処理は、現像液の供給手段および擦り部材を備えた自動処理機により好適に実施することができる。
特に、前記ポリビニルアルコールを含有する保護層を画像記録層上に設けると、感光性平版印刷版原版を、レーザー露光した後、水洗工程を経ることなく、既述の特定界面活性剤を含有し、好ましくはpHが6〜10である現像液で、保護層及び非露光部の画像記録層を除去する現像処理と、形成された画像部表面の不感脂化処理とを一浴中で行うことができ、これを逐次別工程として行う従来の方法に比較して、処理廃液の量がさらに低減される。
また、現像処理に先立ち、あらかじめ、水洗処理を施し、保護層を除去しておくことも任意に可能である。
また、既述の現像処理工程において、保護層及び非露光部の画像記録層が一括除去され、形成された画像部には不感脂化処理が行われる。このため、現像処理後に得られた平版印刷版は、直ちに印刷機にセットして印刷することができる。
即ち、現像液中に特定界面活性剤を含有させることにより、現像処理及び不感脂化処理が一浴中で行われるため、後水洗工程は特に必要とせず、ただちに乾燥工程を行うことができる。現像処理の後、スクイズローラーを用いて余剰の現像液を除去してから乾燥を行うことが好ましい。
本発明の平版印刷版の作製方法に使用される自動現像処理機の1例について、図3を参照しながら簡単に説明する。
図3に示す自動現像処理機100は、機枠202により外形が形成されたチャンバーからなり、感光性平版印刷版原版の搬送路11の搬送方向(矢印A)に沿って連続して形成された前加熱(プレヒート)部200、現像部300及び乾燥部400を有している。
前加熱部200は、搬入口212及び搬出口218を有する加熱室208を有し、その内部には串型ローラー210とヒーター214と循環ファン216とが配置されている。
現像部300は、外板パネル310により前加熱部200と仕切られており、外板パネル310にはスリット状挿入口312が設けられている。
現像部300の内部には、現像液で満たされている現像槽308を有する処理タンク306と、感光性平版印刷版原版を処理タンク306内部へ案内する挿入ローラー対304が設けられている。現像槽308の上部は遮蔽蓋324で覆われている。
現像槽308の内部には、搬送方向上流側から順に、ガイドローラー344及びガイド部材342、液中ローラー対316、ブラシローラー対322、ブラシローラー対326、搬出ローラー対318が並設されている。現像槽308内部に搬送された感光性平版印刷版原版は、現像液中に浸漬され、回転するブラシローラー対322、326の間を通過することにより非画像部が除去される。
ブラシローラー対322、326の下部には、スプレーパイプ330が設けられている。スプレーパイプ330はポンプ(不図示)が接続されており、ポンプによって吸引された現像槽308内の現像液がスプレーパイプ330から現像槽308内へ噴出するようになっている。
現像槽308側壁には、第1の循環用配管C1の上端部に形成されたオーバーフロー口51が設けられており、超過分の現像液がオーバーフロー口51に流入し、第1の循環用配管C1を通って現像部300の外部に設けられた外部タンク50に排出される。
外部タンク50は第2の循環用配管C2が接続され、第2の循環用配管C2中には、フィルター部54及び現像液供給ポンプ55が設けられている。現像液供給ポンプ55によって、現像液が外部タンク50から現像槽308へ供給される。また、外部タンク50内には上限液レベル計52、下限液レベル計53が設けられている。
現像槽308は、第3の循環用配管C3を介して補充用水タンク71に接続されている。第3の循環用配管C3中には水補充ポンプ72が設けられており、この水補充ポンプ72によって補充用水タンク71中に貯留される水が現像槽308へ供給される。
液中ローラー対316の上流側には液温センサ336が設置されており、搬出ローラー対318の上流側には液面レベル計338が設置されている。
現像部300と乾燥部400との間に配置された仕切り板332にはスリット状挿通口334が設けられている。また、現像部300と乾燥部400との間の通路にはシャッター(不図示)が設けられ、平版印刷版が通路を通過していないとき、通路はシャッターにより閉じられている。
乾燥部400は、支持ローラー402、ダクト410,412、搬送ローラー対406、ダクト410,412、搬送ローラー対408がこの順に設けられている。ダクト410,412の先端にはスリット孔414が設けられている。また、乾燥部400には図示しない温風供給手段、発熱手段等の乾燥手段が設けられている。乾燥部400には排出口404が設けられ、乾燥手段により乾燥された平版印刷版は排出口404から排出される。
〔現像補充液補充方法および再生水補充方法〕
次に、現像補充液について説明する。
本明細書における「現像開始液」とは、特にことわりのない限りは、未処理の現像液を意味し、また、「現像補充液」とは、感光性平版印刷版原版の現像処理や二酸化炭素の吸収等に伴い劣化した現像浴中の現像液に補充する現像用補充液を意味する。
現像補充液の組成としては、上述の現像開始液の組成と基本的には同じ組成であるが、必要によって、劣化した現像液の活性度を回復させるため、現像開始液よりも高活性であってもよい。
自動現像機10の現像浴内に最初に仕込んだ現像開始液は、感光性平版印刷版原版の処理により発生した溶出物により劣化する。従って、自動現像機10において長期間連続的に現像処理を行うためには、通常、感光性平版印刷版原版の現像品質を維持するために、劣化を補償する現像補充液又は水の少なくともどちらか一方を間欠的にまたは連続的に補充する必要がある。
具体的な補充方法については、(1)最初に仕込んだ現像開始液と濃度の同じ現像液を補充する、(2)最初に仕込んだ現像開始液と濃度の同じ現像液と揮発した分の水を補充する、(3)濃度の濃い現像液+水を補充する(4)揮発した分の水のみ補充する4パターンが考えられる。
(1)の場合は、具体的には現像濃縮液をあらかじめ再生水で希釈し最初に仕込んだ現像開始液と同じ濃度の現像液とした後に補充する。(2)と(3)の場合は現像液と水の補充は独立に行われ、再生水は蒸発補正として使用される。(4)の場合は再生水のみの補充となる。
〔その他の製版プロセス〕
その他、本発明の感光性平版印刷版原版から平版印刷版を作製する製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱してもよい。この様な加熱により、該画像記録層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や感度の安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは全面露光を行う事も有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行う事が好ましい。温度が高すぎると、非画像部迄がかぶってしまう等の問題を生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は200〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる。
以下、具体例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載に制限されるものではない。
〔実施例1〕
1.感光性平版印刷版原版1の作製
〔アルミニウム支持体1の作製〕
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質:JIS A1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミニウム表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸水溶液に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
次に、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dm2の条件で、硝酸電解と同様の方法で、電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。この板アルミニウムに対して、15質量%硫酸水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dm2の条件で2.5g/m2の直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥し、アルミニウム支持体1を作製した。
このようにして得られた支持体の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
〔アルミニウム支持体2の作製〕
アルミニウム支持体1を、珪酸ナトリウム1質量%水溶液にて20℃で10秒処理し、アルミニウム支持体2を作製した。その表面粗さを測定したところ、0.54μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
〔下塗り層の形成〕
上記アルミニウム支持体2に、バーコーターを用いて下記下塗り層塗布液(1)を塗布し、80℃で20秒間乾燥して支持体3を作製した。乾燥後の下塗り層塗布質量は15mg/mであった。
<下塗り層塗布液(1)>
下記ポリマー(SP3) 2.7g
純水 900.0g
メタノール 100.0g
〔画像記録層1の形成〕
下記組成の画像記録層塗布液1を上記支持体3の下塗り層の上にバー塗布した後、90℃で60秒間オーブン乾燥し、乾燥塗布量1.3g/m2の画像記録層1を形成した。
<画像記録層塗布液1>
・下記バインダーポリマー(1)(質量平均分子量:80,000)0.34g
・下記重合性化合物(1) 0.68g
(PLEX6661−O、デグサジャパン製)
・下記増感色素(1) 0.06g
・下記重合開始剤(1) 0.18g
・下記連鎖移動剤(1) 0.02g
・ε―フタロシアニン顔料の分散物 0.40g
(顔料:15質量部、分散剤(アリルメタクリレート/メタクリル酸
共重合体(質量平均分子量:6万、共重合モル比:83/17)):
10質量部、シクロヘキサノン:15質量部)
・熱重合禁止剤
(N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩) 0.01g
・下記フッ素系界面活性剤(1)(質量平均分子量:10,000)
0.001g
・ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物 0.02g
((株)ADEKA製、プルロニックL44)
・黄色顔料の分散物 0.04g
(黄色顔料Novoperm Yellow H2G(クラリアント製):15質量部、分散剤(アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(質量平均分子量:6万、共重合モル比83/17)):10質量部、及び溶剤としてのシクロヘキサノン:15質量部を含有)
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5g
・メチルエチルケトン 8.0g
〔保護層1の形成〕
上記画像記録層1の上に、下記組成の保護層塗布液1を、乾燥塗布量が1.5g/mとなるようにバーを用いて塗布した後、125℃で70秒間乾燥して保護層を形成し、感光性平版印刷版原版1を得た。
<保護層塗布液1>
・雲母分散液(1) 0.6g
・スルホン酸変性ポリビニルアルコール 0.73g
(ゴーセランCKS−50、日本合成化学(株)製、鹸化度:
99モル%、平均重合度:300、変性度:約0.4モル%)
・ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1)) 0.001g
(質量平均分子量:7万)
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)0.002g
・水 13g
(雲母分散液(1)の調製)
水368gに合成雲母(ソマシフME−100、コープケミカル社製、アスペクト比:1000以上)の32gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)0.5μmになるまで分散し、雲母分散液(1)を得た。
〔感光性平版印刷版原版の露光〕
感光性平版印刷版原版1を、FUJIFILM Electronic Imaging Ltd.(FFEI社)製Violet半導体レーザープレートセッターVx9600(InGaN系半導体レーザー(発光波長405nm±10nm/出力30mW)を搭載)により画像露光した。画像露光は、解像度2438dpiで、富士フイルム(株)製FMスクリーン(TAFFETA 20)を用い、網点面積率が50%となるように、版面露光量0.05mJ/cm2で行った。
次いで、100℃、30秒間のプレヒートを行った。
〔現像処理工程〕
露光後の感光性平版印刷版原版に対して、下記の各現像液を用い、図3に示すような構造の自動現像処理機にて現像処理を実施した。自動現像処理機は、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径50mmのブラシロールを1本有し、該ブラシロールを搬送方向と同一方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.52m/sec)させた。現像液の温度は30℃であった。感光性平版印刷版原版の搬送は、搬送速度100cm/minで行った。現像処理後、乾燥部にて乾燥を行った。乾燥温度は80℃であった。
<現像液1>
・炭酸ナトリウム 1.30g
・炭酸水素ナトリウム 0.7g
・特定ノニオン界面活性剤または特定アニオン界面活性剤
〔表1に記載の化合物〕 表1に記載の量(g)
・有機溶剤〔表1に記載の化合物〕 表1に記載の量(g)
・特定ベタイン系界面活性剤〔表1に記載の化合物〕表1に記載の量(g)
・サーフィノールDF−110D 0.05g
・第一リン酸アンモニウム 0.2g
・2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 0.001g
・2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.001g
・クエン酸三ナトリウム 1.50g
・蒸留水 トータルが100gになるように添加
(pH:9.8)
なお、現像液に使用した界面活性剤の構造を以下に示す。界面活性剤(R−1)及び(R−2)はフェニル基又はナフチル基を有しない比較界面活性剤である。

表1中の「−」は、ベタイン型界面活性剤を含有しないことを意味する。
〔廃液濃縮工程及び再生水生成工程〕
自動現像機に、前記現像液100L(現像槽に20L、外部タンクに80L)を仕込んだ後に、現像液の交換或いは補充を行うことなく、感光性平版印刷版原版1500mを連続して製版処理した後、現像処理液を排液した。得られた排液を、FFGS社製、廃液濃縮装置XR−2000を通し、下記表2に示す濃縮率となるように濃縮した(廃液濃縮工程)。
(製版後の平版印刷版の評価)
該感光性平版印刷版原版1500mを連続して製版処理した後に、製版処理後に得られた平版印刷版の現像状態を目視で調べ、以下の基準により評価した。
問題なし:現像状態が良好なもの
現像不良:現像不良により非画像部に画像記録層が残存している
過現像:過現像により画像部に欠け、画像ヌケなどの欠陥が生じている
現像カス発生:現像槽中に、現像された成分等の析出に起因するカスが発生し、版に付着している
(廃液濃縮工程における濃縮液の評価)
前記廃液濃縮工程で廃液を濃縮する際に、濃縮装置内での廃液の発泡性、析出性を調べた。装置内で固形分が析出したもの、発泡を生じたものについては、ここで分離された水蒸気は再生水として不適であり、使用に供さなかった。
(再生水生成工程及び再生水の評価)
上記FFGS社製、廃液濃縮装置XR−2000において蒸発分離された水蒸気を凝縮させて再生水を得た。
得られた再生水中における溶剤の有無を確認した。溶剤の混入を確認したものは現像液の処方に影響を与えるために再生水としては使用に供さなかった。

表2中の「−」は、評価を行っていないことを意味する。
〔再生水供給工程〕
前記廃液濃縮工程及びその後の再生水生成工程を経て得られた再生水のうち、上記評価により問題を生じなかったものを再生水として用い、再生水を、補充水タンクに供給し、補充水タンクを経て、自動現像機の現像浴に必要量循環させた。
その後、本発明品1〜本発明品13の現像液を使用し、これらの現像液より得られた再生水を補充水として供給しながら、継続的な製版処理を行ったところ、いずれも、その後の感光性平版印刷版原版の1500m連続製版処理において良好な製版が行われ、問題を生じることはなかった。
〔実施例2〕
2.感光性平版印刷版原版2の作製
<支持体4の作製>
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を65℃に保たれた5質量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。このアルミニウム板を25℃に保たれた10質量%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。次いで、このアルミニウム板に対して、0.3質量%の塩酸水溶液中で、25℃、電流密度100A/dmの条件下に交流電流により60秒間電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5質量%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。このアルミニウム板を15質量%硫酸水溶液中で、25℃、電流密度10A/dm、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理し、更に1質量%ポリビニルホスホン酸水溶液に60℃で10秒間浸漬した後、20℃でカルシウムイオン濃度が75ppmの硬水、次いで、純水で各4秒間洗浄し、親水化処理を行い乾燥して支持体4を作製した。カルシウムの付着量は、2.0mg/mであった。支持体4の表面粗さを測定したところ、0.44μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
<画像記録層2の形成>
支持体4上に、下記組成の画像記録層塗布液(2)をバー塗布した後、90℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.3g/mの画像記録層2を形成した。
<画像記録層塗布液(2)>
・下記バインダーポリマー(1)(質量平均分子量:5万)0.04g
・下記バインダーポリマー(2)(質量平均分子量:8万)0.30g
・下記重合性化合物(1) 0.17g
(PLEX6661−O、デグサジャパン製)
・下記重合性化合物(2) 0.51g
・下記増感色素(1) 0.03g
・下記増感色素(2) 0.015g
・下記増感色素(3) 0.015g
・下記重合開始剤(1) 0.13g
・連鎖移動剤:メルカプトベンゾチアゾール 0.01g
・ε―フタロシアニン顔料の分散物 0.40g
(顔料:15質量部、分散剤(アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(質量平均分子量:6万、共重合モル比:83/17)):10質量部、シクロヘキサノン:15質量部)
・熱重合禁止剤 0.01g
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
・下記フッ素系界面活性剤(1)(質量平均分子量:1万)0.001g
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5g
・メチルエチルケトン 8.0g
・N,Nジメチルアミノプロピルメタクリルアミド 0.015g
〔保護層2の形成〕
上記画像記録層2の上に、以下の組成を有する保護層塗布液2を乾燥塗布量が1.2g/m2となるようにバーを用いて塗布した後、125℃で70秒間乾燥して保護層2を形成し、感光性平版印刷版原版2を得た。
<保護層塗布液2>
・ポリビニルアルコール(ケン化度:98モル%、重合度:500)40g
・ポリビニルピロリドン(分子量:5万) 5g
・ポリ〔ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1)〕(分子量:7万)0.5g
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)0.5g
・水 950g
<現像液2>
・特定ノニオン界面活性剤または特定アニオン界面活性剤
〔表3に記載の化合物〕 表3に記載の量(g)
・有機溶剤〔表3に記載の化合物〕 表3に記載の量(g)
・トリエタノールアミン 0.5g
・グルコン酸ナトリウム 1.0g
・クエン酸3ナトリウム 0.5g
・エチレンジアミンテトラアセテート4ナトリウム 0.05g
・ポリスチレンスルホン酸 1.0g
(Versa TL77(30質量%溶液)、Alco Chemical社製)
(リン酸を添加し、表4のpHになるように調整)
・水 トータルが100gになるように添加
なお、現像液に使用した各界面活性剤及び溶剤(S)の構造を以下に示す。界面活性剤(R−3)はフェニル基又はナフチル基を有しない比較界面活性剤である。
〔現像処理工程〕
露光後の感光性平版印刷版原版に対して、下記表3に示す各現像液を用い、図3に示すような構造の自動現像処理機にて現像処理を実施した。自動現像処理機は、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径50mmのブラシロールを1本有し、該ブラシロールを搬送方向と同一方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.52m/sec)させた。現像液の温度は30℃であった。感光性平版印刷版原版の搬送は、搬送速度100cm/minで行った。現像処理後、乾燥部にて乾燥を行った。乾燥温度は80℃であった。
〔廃液濃縮工程及び再生水生成工程〕
現像液として本発明品1に代えて、上記表3に記載の本発明品14〜22,比較品9〜14の現像液を用い、感光性平版印刷版原版1の代わりに感光性平版印刷版原版2を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性平版印刷版原版の連続製版処理、廃液濃縮工程、再生水生成工程を行い、同様に評価した結果を下記表4に示した。

表4中の「−」は、評価を行っていないことを意味する。
〔再生水供給工程〕
上記の実施形態においても、現像液として本発明品14〜22を用いた場合には、本発明品1における場合と同様にして、再生水を供給してさらに連続して製版処理を行ったが、良好な製版が行われることが確認された。
表2及び表4に明らかなように、本発明の製版処理廃液の濃縮方法によれば、1つの現像浴中で現像処理と不感脂化処理とを同時に行うことができ、リサイクルに適する再生水が生成されることが分かる。他方、本発明の範囲外の現像液を用いた場合には、再生水に溶剤が混入する、或いは、濃縮工程において固形分の析出が生じるなどの問題が生じ、廃液の低減及び再生水の生成が良好に行えなかった。
日本出願2012−034569の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (12)

  1. 支持体上にラジカル重合性の画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を露光後、現像する自動現像機の1つの現像処理浴中で、該露光後の感光性平版印刷版原版に対して、フェニル基又はナフチル基と、エチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基の少なくともいずれかと、を有する界面活性剤を1質量%〜10質量%含有し、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が2質量%以下であり、沸点が100℃より低い又は300℃より高い有機溶剤の含有量が0.2質量%未満である現像液により現像処理と不感脂化処理とを同時に行う製版処理工程、
    前記製版処理工程により生じた製版処理廃液を、廃液濃縮装置で、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比が1/2〜1/10となるように、蒸発濃縮する廃液濃縮工程、及び、
    前記廃液濃縮工程において分離された水蒸気を凝縮して再生水を生成させる再生水生成工程、
    を含む感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
  2. 前記現像液のpHが6〜10である、請求項1に記載の感光性平版印刷版原版の製版処理廃液の濃縮方法。
  3. 支持体上にラジカル重合性の画像記録層を有する感光性平版印刷版原版を露光後、現像する自動現像機の1つの現像処理浴中で、該露光後の感光性平版印刷版原版に対して、フェニル基又はナフチル基と、エチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基の少なくとも1種と、を有する界面活性剤を1質量%〜10質量%含有し、沸点が100℃〜300℃の範囲である有機溶剤の含有量が2質量%以下であり、沸点が100℃より低い又は300℃より高い有機溶剤の含有量が0.2質量%未満である現像液により現像処理と不感脂化処理とを同時に行う製版処理工程、
    前記製版処理工程により生じた製版処理廃液を、廃液濃縮装置で、濃縮後の製版処理廃液容量/濃縮前の製版処理廃液容量の比が1/2〜1/10となるように、蒸発濃縮する廃液濃縮工程、
    前記廃液濃縮工程において分離された水蒸気を凝縮して再生水を生成させる再生水生成工程、及び、
    前記再生水生成工程で得られた再生水を、前記自動現像機に供給する再生水供給工程、
    を含む感光性平版印刷版原版の製版処理廃液のリサイクル方法。
  4. 前記界面活性剤が、前記エチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基の少なくとも1種を5から30有する、請求項3に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  5. 前記現像液が、さらに、下記一般式<1>、一般式<2>、及び一般式<3>で表される化合物の少なくとも1つを含有し、下記一般式<1>、一般式<2>、及び一般式<3>で表される化合物の前記現像液における総含有量が10質量%未満である、請求項3または請求項4に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。


    前記一般式<1>中、Rは、水素原子、アルキル基、または下記構造の置換基を表す。Aは、水素原子、アルキル基、エチレンオキシド基を含む1価の置換基、カルボン酸基を含む1価の置換基、又はカルボン酸塩を含む1価の置換基を表し、Bは、エチレンオキシド基を含む1価の置換基、カルボン酸基を含む1価の置換基またはカルボン酸塩を含む1価の置換基を表す。

    前記式中、Rは水素原子又はアルキル基を表す。
    前記一般式<2>中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、RおよびRの少なくとも一方は、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
    Dは、アルキル基、またはエチレンオキシド基を含む1価の置換基を表し、Eは、カルボン酸アニオンを含む1価の置換基、またはオキサイドアニオン(O)を含む1価の置換基を表す。
    前記一般式<3>中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、Zは、対アニオンを表す。
  6. 前記現像液のpHが6〜10である、請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  7. 前記露光後の感光性平版印刷版原版に対して前記現像処理と不感脂化処理とを行うことによって得られた平版印刷版を乾燥処理することを更に含む、請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  8. 前記現像処理と不感脂化処理とを行う前に、前記露光後の感光性平版印刷版原版を加熱処理することと、前記露光後の感光性平版印刷版原版に対して前記現像処理と不感脂化処理とを行うことによって得られた平版印刷版を乾燥処理することと、を更に含む、請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  9. 前記廃液濃縮装置が加熱手段を有する、請求項3〜請求項8のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  10. 前記廃液濃縮装置が有する加熱手段による加熱が、減圧された状態で行われる、請求項9に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  11. 前記廃液濃縮装置が有する加熱手段が、放熱部と吸熱部を備えたヒートポンプであり、該ヒートポンプの放熱部で前記製版処理廃液を加熱し、該ヒートポンプの吸熱部で前記水蒸気を冷却する、請求項9または請求項10に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
  12. 前記廃液濃縮工程が、蒸発濃縮により濃縮された前記製版処理廃液の濃縮物をポンプで加圧し、回収タンクに回収する濃縮物回収工程を含む、請求項3〜請求項11のいずれか1項に記載の製版処理廃液のリサイクル方法。
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