JP5364513B2 - 平版印刷版原版用現像液及び平版印刷版の製造方法 - Google Patents

平版印刷版原版用現像液及び平版印刷版の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、平版印刷版原版用現像液及び平版印刷版の製造方法に関する。
従来、平版印刷版としては、親水性表面を有する支持体上に感光性樹脂層を設けた構成を有し、その製版方法として、通常は、リスフィルムを介して面露光(マスク露光)した後、非画像部を現像液により除去することにより所望の印刷版を得ていた。しかし近年のデジタル化技術により、レーザー光のような指向性の高い光をデジタル化された画像情報にしたがって版面に走査することで、リスフィルムを介することなく直接版面に露光処理を行うコンピュータートゥプレート(CTP)技術が開発され、またこれに適応した感光性平版印刷版(平版印刷版原版)が開発されている。
このようなレーザー光による露光に適した平版印刷版原版として、重合性感光層を用いた平版印刷版原版を挙げることができる。重合性感光層は光重合開始剤又は重合開始系(以下、単に開始剤又は開始系ともいう。)を選択することで、他の従来の感光層に比べ高感度化が容易である。
レーザー光源としては、405nmあるいは830nmの半導体レーザー、FD−YAGレーザーなどが用いられる。近年、システムコスト、取扱性の観点から、405nmの半導体レーザーを搭載したCTPシステムが普及している。
従来の平版印刷版原版の製版工程においては、上述のような露光の後、不要な画像記録層を現像液などによって溶解除去する工程が必要であるが、このような付加的に行われる湿式処理を不要化又は簡易化することが課題の一つとして挙げられている。特に、近年、地球環境への配慮から湿式処理に伴って排出される廃液の処分が産業界全体の大きな関心事となっているので、上記課題の解決の要請は一層強くなってきている。
これに対して、簡易な製版方法の一つとして、アルカリ性水溶液を用いない非アルカリ性水溶液による簡易現像処理が挙げられる。このような現像処理には通常pH10以下の水溶液が用いられる。
例えば、特許文献1には、(i)親水性支持体、及び(ii)ラジカル重合性エチレン状不飽和モノマー、ラジカル重合開始剤及び赤外吸収染料を含有し、赤外レーザー露光により硬化し、しかも60重量%以上の水を含有し、pH2.0〜10.0の水性現像液で現像可能な親油性感熱層からなる平版印刷版原版を用意し、赤外レーザーで画像様に露光し、水性現像液で該感熱層の未硬化領域を除くことからなる平版印刷版原版の処理方法が記載されている。
また、特許文献2には、親水性支持体上に、(A)350〜450nmに吸収極大を有する増感色素、(B)重合開始剤、(C)重合性化合物、(D)バインダーポリマーを含有する感光層と、保護層とをこの順に有する平版印刷版原版を、350〜450nmのレーザー露光した後、擦り部材を備えた自動処理機により、pHが2〜10の現像液の存在下、擦り部材で版面を擦ることにより、保護層及び非露光部の感光層を除去することを特徴とする平版印刷版の作成方法が記載されている。
米国特許出願公開第2004/0013968号明細書 特開2007−316582号公報
上述のような特許文献1及び特許文献2に記載されているような従来の簡易現像型平版印刷版原版であると、従来の強アルカリ現像型平版印刷版原版に比べて廃液量が減少する。簡易現像型の平版印刷版原版は、従来の強アルカリ性水溶液を用いた現像に比べて炭酸ガスによる疲労が少ないため、強アルカリ性水溶液で必要であった現像液のpH管理と液補充が不要であり、理論的には従来よりも大量の平版印刷版原版を処理することができる。そのため、よりランニング性の高い現像液が望まれている。しかしながら、従来よりも大量の平版印刷版原版を処理した場合、これまでの現像液では感光層由来の成分が現像液中に析出し、印刷版に転写して汚れになる、現像浴に付着して汚れになるといった問題が生じることがあった。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、非アルカリ性水溶液による簡易現像処理型の平版印刷版原版において、現像ランニング性に優れた平版印刷版原版用現像液、及び、平版印刷版の製造方法を提供することである。
本発明の上記課題は以下の<1>、<7>に記載の手段によって解決された。好ましい実施態様である<2>〜<6>及び<8>〜<11>と共に以下に記載する。
<1> 界面活性剤と、分子内に顔料吸着基及び親水性基を有する分子量1,500以下の化合物とを含有し、pHが2〜10であることを特徴とする平版印刷版原版用現像液、
<2> 前記化合物が、下記式(1)で表される化合物である<1>に記載の平版印刷版原版用現像液、
Figure 0005364513
(式(1)中、Xは顔料吸着基を表し、Yは下記式(2)〜(8)のいずれかで表される基を表し、nは1〜6の整数を表し、nが2以上である場合、2つ以上存在するYはそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。)
Figure 0005364513
(式(2)〜(8)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又は、顔料吸着基を表し、Mは水素原子、又は、金属原子を表し、Z-はカウンターアニオンを表し、L1はポリアルキレンオキシ基を表し、L2及びL3はそれぞれ独立に、単結合、又は、C、H、O、N、S及びハロゲン原子よりなる群から選ばれた1以上の原子からなる二価の有機基を表し、また、R1〜R3、L2及びL3のうち、任意の2つが環を形成していてもよい。)
<3> 前記顔料吸着基が、芳香環、複素環、メルカプト基、β−ジケトン構造及びイミド構造よりなる群から選ばれた少なくとも1つの構造を有する基である<1>又は<2>に記載の平版印刷版原版用現像液、
<4> 前記顔料吸着基が、下記式(A)〜(J)で表される化合物のRa〜Riから水素原子をn個除いた基である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版用現像液、
Figure 0005364513
(式(A)〜(J)中、Ra〜Riはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた1以上の原子からなる一価の有機基を表し、A1はO、S又はNRjを表し、RjはRaと同義であり、A2は単結合、O、S、CO、SO、SO2又はNRjを表し、Arは置換基を有していてもよいアリール基を表し、mは0〜6の整数を表し、また、Ra〜Rjのうち、任意の2つが環を形成してもよい。)
<5> 式(1)におけるYが、前記式(2)、(3)、(5)又は(6)で表される基である<2>〜<4>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版用現像液、
<6> 前記顔料吸着基が、前記式(A)〜(G)で表される化合物から水素原子をn個除いた基である<4>又は<5>に記載の平版印刷版原版用現像液、
<7> 支持体上に、少なくとも顔料を含有する感光層を設けた平版印刷版原版を、レーザーで画像露光する露光工程、及び、界面活性剤と、分子内に顔料吸着基及び親水性基を有する分子量1,500以下の化合物とを含有し、pHが2〜10である現像液の存在下で非露光部の感光層を除去する現像工程を含むことを特徴とする平版印刷版の製造方法、
<8> 前記露光工程の後であり、かつ前記現像工程の前に、平版印刷版原版を100℃以上に加熱する工程を含む<7>に記載の平版印刷版の製造方法、
<9> 前記顔料が、フタロシアニン顔料である<7>又は<8>に記載の平版印刷版の製造方法、
<10> 前記現像工程が、非露光部の感光層の除去及びガム引き処理を1液で行う工程である<7>〜<9>のいずれか1つに記載の平版印刷版の製造方法、
<11> 前記現像工程の前及び後のいずれにも水洗工程を施さない<7>〜<10>のいずれか1つに記載の平版印刷版の製造方法。
本発明によれば、非アルカリ性水溶液による簡易現像処理型の平版印刷版原版において、現像ランニング性に優れた平版印刷版原版用現像液、及び、平版印刷版の製造方法を提供することができた。
自動現像処理機の構造を示す説明図である。
以下、本発明の液体組成物(以下、「平版印刷版原版用現像液」、又は、単に「現像液」ともいう。)、及び、平版印刷版の製造方法について詳細に説明する。
〔現像液〕
本発明の平版印刷版原版用現像液(単に「現像液」ともいう。)は、界面活性剤と、分子内に顔料吸着基及び親水性基を有する分子量1,500以下の化合物とを含有し、pHが2〜10であることを特徴とする。
従来の現像液を使用して、顔料を含有する感光層を大量に現像した場合、現像液中に顔料を主成分とするカスが析出し、これが印刷版に付着し印刷汚れを引き起こしたり、処理機に固着して汚れとなることが判明した。
これに対し、本発明の現像液を使用することにより、顔料がカスとなって析出することが抑制でき、結果として少ない現像液量で大量の平版印刷版原版を処理することができる。
以下に、本発明に係る平版印刷版原版用現像液を構成する成分について説明する。
<界面活性剤>
本発明の現像液は、界面活性剤を含有する。
本発明に用いることができる界面活性剤は、アニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性のいずれの界面活性剤であってもよい。
アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類、芳香族スルホン酸塩類、芳香族置換ポリオキシエチレンスルホン酸塩類等が挙げられる。これらの中でも、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類又はアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
カチオン系界面活性剤としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、芳香族化合物のポリエチレングリコール付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー等や、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
本発明においては、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、芳香族化合物のポリエチレングリコール付加物、ソルビトール及び/又はソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー、多価アルコールの脂肪酸エステルがより好ましい。
また、水に対する安定な溶解性、又は、混濁性の観点から、ノニオン系界面活性剤としては、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が、6以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。また、アセチレングリコール系とアセチレンアルコール系のオキシエチレン付加物、フッ素系、シリコーン系等の界面活性剤も同様に使用することができる。
両性界面活性剤は、界面活性剤の分野においてよく知られているように、アニオン性部位とカチオン性部位とを同一分子内に持つ化合物であり、アミノ酸系、ベタイン系、アミンオキシド系等の両性界面活性剤が含まれる。
本発明の現像液に用いることができる両性界面活性剤としては、下記式<1>で表される化合物及び下記式<2>で表される化合物が好ましい。
Figure 0005364513
式<1>中、R8はアルキル基を表し、R9及びR10はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、R11はアルキレン基を表し、Aはカルボン酸イオン又はスルホン酸イオンを表す。
式<2>中、R18、R19及びR20はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。ただし、R18、R19及びR20の全てが、水素原子であることはない。
前記式<1>において、R8、R9又はR10におけるアルキル基、及び、R11におけるアルキレン基は、直鎖でも分枝鎖でもよく、また、鎖中に連結基を有していてもよく、さらに、置換基を有していてもよい。連結基としては、エステル結合、アミド結合、エーテル結合などのヘテロ原子を含むものが好ましい。また、置換基としては、ヒドロキシル基、エチレンオキサイド基、フェニル基、アミド基、ハロゲン原子などが好ましい。
式<1>で示される化合物において、R8〜R11の炭素数の総和は、8〜25であることが好ましく、11〜21であることがより好ましい。上記範囲であると、疎水部分が適度であり、水系の現像液への溶解性に優れる。
また、有機溶剤、例えば、アルコール等の溶解助剤を添加することにより、界面活性剤の水系の現像液への溶解性を上げることも可能である。
前記式<2>において、R18、R19又はR20におけるアルキル基は、直鎖でも分枝鎖でもよく、また、鎖中に連結基を有していてもよく、さらに、置換基を有していてもよい。連結基としては、エステル結合、アミド結合、エーテル結合などのヘテロ原子を含むものが好ましい。また、置換基としては、ヒドロキシル基、エチレンオキサイド基、フェニル基、アミド基、ハロゲン原子などが好ましい。
式<2>で示される化合物において、R18〜R20の炭素数の総和は、8〜22であることが好ましく、10〜20であることがより好ましい。上記範囲であると、疎水部分が適度であり、水系の現像液への溶解性に優れる。
両性界面活性剤の総炭素数は、感光層に用いる材料、とりわけバインダーの性質により影響を受けることがある。親水度の高いバインダーの場合、総炭素数は比較的小さいものが好ましく、用いるバインダーの親水度の低い場合には、総炭素数が大きいものが好ましい傾向にある。
本発明の現像液に用いることができる両性界面活性剤の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005364513
本発明に用いられる界面活性剤は、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が好ましい。
界面活性剤は、単独又は組み合わせて使用することができる。
界面活性剤の現像液中における含有量は、0.01〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましい。
<分子内に顔料吸着基及び親水性基を有する分子量1,500以下の化合物>
本発明に用いることができる分子内に顔料吸着基及び親水性基を有する分子量1,500以下の化合物としては、特に制限なく、種々の化合物を好適に使用することができる。
分子内に顔料吸着基及び親水性基を有する分子量1,500以下の化合物は、以下の式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005364513
(式(1)中、Xは顔料吸着基を表し、Yは下記式(2)〜(8)のいずれかで表される基を表し、nは1〜6の整数を表し、nが2以上である場合、2つ以上存在するYはそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。)
Figure 0005364513
(式(2)〜(8)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又は、顔料吸着基を表し、Mは水素原子、又は、金属原子を表し、Z-はカウンターアニオンを表し、L1はポリアルキレンオキシ基を表し、L2及びL3はそれぞれ独立に、単結合、又は、C、H、O、N、S及びハロゲン原子よりなる群から選ばれた1以上の原子からなる二価の有機基を表し、また、R1〜R3、L2及びL3のうち、任意の2つが環を形成していてもよい。)
1〜R3としてはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又は、顔料吸着基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましく、水素原子又はメチル基であることがさらに好ましい。
1〜R3におけるアルキル基としては、炭素数1〜8の分岐を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
1〜R3におけるアルケニル基としては、炭素数2〜8の分岐を有していてもよいアルケニル基であることが好ましく、ビニル基又はアリル基であることがより好ましい。
1〜R3におけるアルキニル基としては、炭素数2〜8の分岐を有していてもよいアルキニル基であることが好ましく、エチニル基又はプロパルギル基であることがより好ましい。
1〜R3における顔料吸着基は、後述のXにおける顔料吸着基と同義であり、好ましい範囲も同様である。また、R1〜R3における顔料吸着基は、式(2)のR1にのみ許容されることが好ましい。
Mは、水素原子又は金属原子を表し、前記金属原子は一価の金属原子であっても、二価以上の金属原子であってもよい。例えば、二価の金属原子である場合、式(3)においては(−L2−SO32Mとなり、三価の金属原子である場合、式(3)においては(−L2−SO33Mとなる。
Mで表される金属原子の具体例としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀などの金属原子が挙げられ、また、これら金属原子に配位子が配位していてもよい。中でも、金属原子としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、亜鉛、銅が好ましく、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムがより好ましく、ナトリウム、カリウム、リチウムが特に好ましい。
-におけるカウンターアニオンの具体例としては、ハロゲン化物イオン、硫酸アニオン、硫酸水素アニオン、硝酸アニオン、リン酸アニオン、リン酸水素アニオン、リン酸二水素アニオン、カルボン酸アニオン、スルホン酸アニオン、ホスホン酸アニオン、BF4 -、PF6 -、ホウ酸アニオン、次亜ハロゲン酸アニオン、亜ハロゲン酸アニオン、ハロゲン酸アニオン、過ハロゲン酸アニオン等が挙げられる。これらの中でも、カウンターアニオンとしては、ハロゲン化物イオン、硫酸アニオン、硫酸水素アニオン、硝酸アニオン、リン酸アニオン、リン酸二水素アニオン、カルボン酸アニオン、リン酸水素アニオン、スルホン酸アニオンが好ましく、ハロゲン化物イオン、硫酸アニオン、硫酸水素アニオン、硝酸アニオン、リン酸アニオン、リン酸水素アニオン、リン酸二水素アニオン、カルボン酸アニオン、スルホン酸アニオンがより好ましく、リン酸アニオン、リン酸水素アニオン、リン酸二水素アニオン、カルボン酸アニオン、スルホン酸アニオンが特に好ましい。
1で表されるポリアルキレンオキシ基の具体例としては、−(OCH2CH2n−、−(OCHMeCH2n−、−(OCH2CHMe)n−、−(OCH2CH2CH2n−、−(OCH2CH2CH2CH2n−、−(OCH2CHMeCH2n−、−(OCHMeCH2CH2n−、−(OCH2CH2CHMe)n−等が挙げられる(式中、nは1以上の整数であり、式(1)で示される化合物の分子量が1,500を超えない整数を表し、Meは、メチル基(−CH3)を表す。なお、R1は上記ポリアルキレンオキシ基のいずれかの側に結合する。)。
これらの中で、−(OCH2CH2n−、−(OCHMeCH2n−、−(OCH2CHMe)n−、−(OCH2CH2CH2n−、が好ましく、−(OCH2CH2n−、が特に好ましい。また、nは1以上8以下が好ましく、2以上6以下がより好ましい。
2、及び、L3における2価の有機基は、共有結合又はC、H、O、N、S、ハロゲン原子からなる二価の有機基であり、二価の有機基は1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、0個から100個までの水素原子、0個から20個までの硫黄原子、0個から20個までのハロゲン原子からなる基であることが好ましい。より具体的な二価の有機基としては下記の構造単位が、単独で、又は、2以上組み合わさって構成される二価の有機基を挙げることができる。
Figure 0005364513
上記構造単位を組み合わせて形成される二価の有機基の具体例を以下に示す。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005364513
前記式(2)〜(8)で表される基のうち、前記式(2)〜(6)で表される基であることが好ましく、前記式(2)、(3)、(5)又は(6)で表される基であることがより好ましく、前記式(2)で表される基であることが特に好ましい。これらの基を用いると、現像液中において顔料カスがよく分散し、ランニング期間をより長くすることができる。
Xにおける顔料吸着基としては、顔料の種類により種々選択することができるが、芳香環基、複素環基、メルカプト基、β−ジケトン基及びイミド構造よりなる群から選ばれた少なくとも1つの構造を有する基が好ましく、下記式(A)〜(J)で表される化合物のRa〜Riから水素原子をn個除いた基であることがより好ましく、下記式(A)〜(G)で表される化合物のRa〜Rdから水素原子をn個除いた基であることがさらに好ましい。これらの顔料吸着基を用いると、顔料への吸着性がよく、現像液中において顔料に吸着して顔料カスが減少し、ランニング期間をより長くすることができる。
なお、n個の水素原子を除く位置は、Ra〜Riのいずれの水素原子であってもよく、任意に選択することができる。
Figure 0005364513
式(A)〜(J)中、Ra〜Riはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた1以上の原子からなる一価の有機基を表し、A1はO、S又はNRjを表し、RjはRaと同義であり、A2は単結合、O、S、CO、SO、SO2又はNRjを表し、Arは置換基を有していてもよいアリール基を表し、mは0〜6の整数を表し、また、Ra〜Rjのうち、任意の2つが環を形成してもよい。
式(A)〜(J)中、Ra〜Riはそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子、酸素原子、ハロゲン原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた1以上の原子からなる一価の置換基であることが好ましい。一価の置換基としては、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基がより好ましい。
アルキル基としては、炭素数1〜8の分岐を有していてもよいアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基が特に好ましい。
アリール基としては、炭素数6〜12の置換基を有していてもよいアリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基がより好ましく、フェニル基が特に好ましい。
式(A)におけるmは、0〜3であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1又は2であることが特に好ましい。
式(A)において、m=0〜4のとき、複数存在するRcはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、任意のRc同士が互いに結合して環を形成してもよい。また、Rc同士が結合して形成される環構造は、縮合していてもよい。m=0のとき、式(A)で表される基は、フェニル基又はナフチル基であることが好ましい。また、式(A)において、m=2〜6のとき、複数存在するRa及びRbはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Arで表される置換基を有していてもよいアリール基のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、アルコキシ基、水酸基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基がより好ましい。
式(B)におけるA1は、NRjであることが好ましい。
式(J)におけるA2は、単結合、O、S、COであることが好ましい。
顔料吸着基及び親水性基を有する分子量1,500以下の化合物の分子量は、150以上1,500以下であることが好ましく、200以上1,500以下であることがより好ましく、300以上1,500以下であることが特に好ましい。
以下に分子内に顔料吸着基及び親水性基を有する分子量1,500以下の化合物の具体例を記載する。本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記化学式中において、TsO-はp−CH364SO3 -の略記であり、MsO-はCH3SO3 -の略記である。
Figure 0005364513
本発明の現像液中における分子内に顔料吸着基及び親水性基を有する分子量1,500以下の化合物の含有量は、0.1重量%以上50重量%以下が好ましく、0.3重量%以上40重量%以下がより好ましく、0.5重量%以上30重量%以下が特に好ましい。上記範囲であると、良好な現像ランニング性が得られる。
また、本発明の現像液のpHとしては、2以上10以下であることが好ましく、3以上10以下であることがより好ましく、4以上10以下であることが特に好ましい。
<その他の成分>
本発明の現像液は、本発明の効果を損ねない限り、界面活性剤、並びに、分子内に顔料吸着基及び親水性基を有する分子量1,500以下の化合物以外に、水溶性高分子、有機溶剤、防腐剤、キレート化合物、消泡剤、有機酸、無機酸等の添加物を含んでいてもよい。
(水溶性高分子)
本発明の現像液は、水溶性高分子を含有することが好ましい。水溶性高分子を含有することで、印刷版の非画像部を皮脂等の汚れや傷から保護することができる。
本発明の現像液に用いることができる水溶性高分子化合物としては、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)及びその変性体、プルラン、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及びアクリルアミド共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
前記大豆多糖類は、公知ものが使用でき、例えば市販品として商品名ソヤファイブ(不二製油(株)製)があり、各種グレードのものを使用することができる。好ましく使用できるものは、10重量%水溶液の粘度が10〜100mPa・secの範囲にあるものである。
前記変性澱粉も、公知のものが使用でき、トウモロコシ、じゃがいも、タピオカ、米、小麦等の澱粉を酸又は酵素等で1分子当たりグルコース残基数5〜30の範囲で分解し、さらにアルカリ中でオキシプロピレンを付加する方法等で作ることができる。
水溶性高分子化合物は、2種以上を併用することもできる。
水溶性高分子化合物の現像液中における含有量は、0.1〜20重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがより好ましい。上記範囲であると、良好な非画像部保護能が得られる。
(有機溶剤)
本発明の現像液には、有機溶剤を含有してもよい。
含有可能な有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、”アイソパーE、H、G”(エッソ化学(株)製)あるいはガソリン、灯油等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、あるいはハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、トリクレン、モノクロルベンゼン等)や、極性溶剤が挙げられる。
極性溶剤としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、乳酸メチル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート、レブリン酸ブチル等)、その他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルホスフェート、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等)等が挙げられる。
また、上記有機溶剤が水に不溶な場合は、界面活性剤等を用いて水に可溶化して使用することも可能であり、現像液に、有機溶剤を含有する場合は、安全性、引火性の観点から、溶剤の濃度は40重量%未満が好ましい。
(防腐剤)
防腐剤としては、フェノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、第四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、ニトロブロモアルコール系の2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−エタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール等が好ましく使用できる。
防腐剤は、2種以上を併用することもできる。
防腐剤の現像液中における含有量は、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜5重量%であることがより好ましい。
(キレート化合物)
キレート化合物としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることができる。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効である。
キレート化合物は、2種以上を併用することもできる。
キレート化合物の現像液中における含有量は、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜5重量%であることがより好ましい。
(消泡剤)
消泡剤としては、一般的なシリコーン系の自己乳化タイプ、乳化タイプ、ノニオン系界面活性剤のHLBが5以下等の化合物を使用することができる。これらの中でも、シリコーン消泡剤が好ましい。
また、乳化分散型及び可溶化型等のいずれの消泡剤も使用できる。
消泡剤は、2種以上を併用することもできる。
消泡剤の現像液中における含有量は、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜5重量%であることがより好ましい。
(有機酸)
有機酸としては、クエン酸、酢酸、蓚酸、マロン酸、サリチル酸、カプリル酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レブリン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸などが挙げられる。有機酸は、そのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩の形で用いることもできる。
(無機酸)
無機酸及び無機酸の塩としては、リン酸、メタリン酸、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ニッケルなどが挙げられる。
有機酸及び/又は無機酸は、2種以上を併用することもできる。
有機酸及び無機酸の現像液中における総含有量は、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.05〜10重量%であることがより好ましい。
(pH緩衝剤)
本発明の現像液は、pH緩衝剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることができるpH緩衝剤としては、pH2〜10に緩衝作用を発揮する緩衝剤であれば、特に限定されない。
本発明に用いることができるpH緩衝剤としては、例えば、(a)炭酸イオン及び炭酸水素イオン、(b)ホウ酸イオン、(c)水溶性アミン化合物及びそのアミン化合物のイオン、及び、それらの併用などが挙げられる。すなわち、例えば(a)炭酸イオン−炭酸水素イオンの組み合わせ、(b)ホウ酸イオン、又は、(c)水溶性のアミン化合物−そのアミン化合物のイオンの組み合わせなどが、現像液においてpH緩衝作用を発揮し、現像液を長期間使用してもpHの変動を抑制でき、pHの変動による現像性低下、現像カス発生等を抑制できるため、好ましい。また、炭酸イオン及び炭酸水素イオンの組み合わせが特に好ましい。
(a)炭酸イオン、炭酸水素イオンを現像液中に存在させるには、炭酸塩と炭酸水素塩を現像液に加えてもよいし、炭酸塩又は炭酸水素塩を加えた後にpHを調整することで、炭酸イオンと炭酸水素イオンを発生させてもよい。
炭酸塩及び炭酸水素塩は、特に限定されないが、アルカリ金属塩であることが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、ナトリウムが特に好ましい。これらは単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(b)ホウ酸イオンを現像液中に存在させるには、ホウ酸あるいはホウ酸塩を現像液に加えた後、アルカリを用いて、あるいはアルカリと酸とを用いて、pHを調整することで、適量のホウ酸イオンを発生させることができる。
ここで用いるホウ酸あるいはホウ酸塩は、特に限定されないが、ホウ酸としてオルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などが挙げられ、中でもオルトホウ酸及び四ホウ酸が好ましい。また、ホウ酸塩としてアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が挙げられ、オルトホウ酸塩、二ホウ酸塩、メタホウ酸塩、四ホウ酸塩、五ホウ酸塩、八ホウ酸塩などが挙げられ、中でもオルトホウ酸塩、四ホウ酸塩、特にアルカリ金属の四ホウ酸塩が好ましい。好ましい四ホウ酸塩として、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム及び四ホウ酸リチウムなどが挙げられ、中でも四ホウ酸ナトリウムが好ましい。また、ホウ酸塩を2種以上併用してもよい。
本発明に用いることができるホウ酸あるいはホウ酸塩としては、オルトホウ酸、四ホウ酸あるいは四ホウ酸ナトリウムが特に好ましい。現像液にホウ酸及びホウ酸塩を併用してもよい。
(c)水溶性アミン化合物のイオンは、水溶性アミン化合物の水溶液において発生させることができ、水溶性アミン化合物の水溶液にさらにアルカリ又は酸を加えてもよく、また、もともとアミン化合物の塩になっている化合物を添加することにより水溶液中に含有させることができる。
水溶性アミン化合物は、特に限定されないが、水溶性を促進する基を有している水溶性アミン化合物が好ましい。前記水溶性を促進する基としてカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、水酸基などが挙げられる。水溶性アミン化合物は、これらの基を複数合わせ持っていてもよい。
アミン化合物の水溶性をカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基により促進する場合は、アミノ酸に該当する。アミノ酸は水溶液中で平衡状態にあり、酸基が例えばカルボン酸基であるとき、平衡状態は下記のように表される。本発明におけるアミノ酸とは、下記のBの状態をいい、アミノ酸のイオンとは、Cの状態を意味する。Cの状態におけるカウンターイオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンが好ましい。
[アミノ酸の平衡状態(酸基がカルボン酸の場合)]
Figure 0005364513
(例えば、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基などを表し、Rは連結基を表す。)
カルボン酸基やスルホン酸基、スルフィン酸基を持つ水溶性アミン化合物の具体例として、グリシン、イミノ二酢酸、リシン、スレオニン、セリン、アスパラギン酸、パラヒドロキシフェニルグリシン、ジヒドロキシエチルグリシン、アラニン、アントラニル酸、トリプトフアン等のアミノ酸、スルファミン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、タウリン等の脂肪酸アミンスルホン酸、アミノエタンスルフィン酸等の脂肪酸アミンスルフィン酸などがある。これらの中で、グリシン及びイミノ二酢酸が好ましい。
ホスホン酸基(ホスフィン酸基も含む)を持つ水溶性アミン化合物の具体例として、2−アミノエチルホスホン酸、1−アミノエタン−1,1−ジホスホン酸、1−アミノ−1−フェニルメタン−1,1−ジホスホン酸、1−ジメチルアミノエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミノペンタメチレンホスホン酸などがある。特に2−アミノエチルホスホン酸が好ましい。
水溶性を促進する基として水酸基を持つ水溶性アミン化合物は、アルキル基に水酸基を有するアルキルアミンを意味し(下記状態B’)、これらのイオンとは、アミノ基のアンモニウムイオンを意味する(下記状態A’)。
Figure 0005364513
(例えば、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基などを表す。ただし、R1、R2及びR3のうちの少なくとも1つは水酸基を有するアルキル基である。)
水酸基を持つ水溶性アミン化合物の具体例として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどがある。これらの中で、トリエタノールアミン及びジエタノールアミンが好ましい。アンモニウムイオンのカウンターイオンとしてはクロルイオンが好ましい。
pH緩衝剤として(a)炭酸イオンと炭酸水素イオンとの組み合わせを採用した場合、炭酸イオン及び炭酸水素イオンの総量は、現像液の全量に対して0.05〜5mol/Lが好ましく、0.1〜2mol/Lがより好ましく、0.2〜1mol/Lが特に好ましい。総量が0.05mol/L以上であると現像性、処理能力が低下せず、5mol/L以下であると沈殿や結晶を生成し難くなり、さらに現像液の廃液処理における中和の際にゲル化し難くなり、廃液処理に支障をきたさない。
また、アルカリ濃度の微少な調整、非画像部感光層の溶解を補助する目的で、補足的にアルカリ剤、例えば、有機アルカリ剤を併用してもよい。
有機アルカリ剤としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。これらのアルカリ剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
pH緩衝剤として(b)ホウ酸イオンを採用した場合、ホウ酸イオンの総量は、現像液の全量に対して0.05〜5mol/Lが好ましく、0.1〜2mol/Lがより好ましく、0.2〜1mol/Lが特に好ましい。ホウ酸塩の総量が0.05mol/L以上であると現像性、処理能力が低下せず、一方5mol/L以下であると沈殿や結晶を生成し難くなり、さらに現像液の廃液処理における中和の際にゲル化し難くなり、廃液処理に支障をきたさない。
pH緩衝剤として(c)水溶性アミン化合物及びそのアミン化合物のイオンを採用した場合、水溶性アミン化合物とそのアミン化合物のイオンの総量は、水溶液の全量に対して0.01〜1mol/Lが好ましく、水溶性アミン化合物とそのアミン化合物のイオンの総量がこの範囲にあると現像性、処理能力が低下せず、また、廃液処理が容易である。より好ましくは0.03〜0.7mol/Lの範囲であり、0.05〜0.5mol/Lの範囲が特に好ましい。
本発明の現像液は、露光された平版印刷版原版の現像液及び現像補充液として好適に用いることができ、また、後述の自動処理機に適用することが好ましい。
自動処理機を用いて現像する場合、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、補充液又は新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させてもよい。また、水の蒸発により現像液濃度が変動するため、適宜水を補充しても良い。本発明の平版印刷版の製造方法においても両補充方式が好ましく適用される。
<<平版印刷版原版>>
本発明の現像液を用いて露光済の平版印刷版原版を現像し、平版印刷版を好適に製造することができる。
本発明において好適に使用される平版印刷版原版及びその製造方法について以下に詳述する。
<感光層>
平版印刷版原版は、支持体上に感光層を有する。この感光層に関して以下に詳述する。
(A)増感色素
前記感光層は、増感色素を含有する。例えば、300〜450nmに極大吸収を有する増感色素や、500〜600nmに極大吸収を有する増感色素、750〜1,400nmに極大吸収を有する赤外線吸収剤を添加することで、各々、当業界で通常用いられている405nmのバイオレットレーザ、532nmのグリーンレーザ、803nmのIRレーザに対応した高感度な平版印刷版原版を提供することができる。
まず、350〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素について説明する。
この様な増感色素としては、例えば、メロシアニン色素類、ベンゾピラン類、クマリン類、芳香族ケトン類、アントラセン類等を挙げることができる。
360nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素のうち、高感度の観点からより好ましい色素は下記式(IX)で表される色素である。
Figure 0005364513
(式(IX)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環基又はヘテロ環基を表し、Xは酸素原子、硫黄原子又はN−(R3)を表し、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、一価の非金属原子団を表し、AとR1及びR2とR3とはそれぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の環を形成してもよい。)
式(IX)についてさらに詳しく説明する。
式(IX)におけるR1、R2及びR3はそれぞれ独立に、一価の非金属原子団であり、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の芳香族複素環残基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、又は、ハロゲン原子であることが好ましい。
1〜R3の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、ピリジル基、ジエチルアミノフェニル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジュロリジル基、メトキシフェニル基、ナフチル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、オキサゾリル基、キノリル基等が挙げられる。
次に、式(IX)におけるAについて説明する。
Aは置換基を有してもよい芳香族環基又はヘテロ環基を表し、置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環の具体例としては、式(IX)中のR1、R2及びR3で記載したものと同様のものが挙げられる。
また、Aが有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ピリジル基、メトキシ基、塩素などのハロゲン原子が例示できる。
このような増感色素の具体例としては、特開2007−58170号公報の段落0047〜0053に記載の化合物が好ましく用いられる。
さらに、下記式(V)〜(VII)で示される増感色素も用いることができる。
Figure 0005364513
式(V)中、R1〜R14はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。ただし、R1〜R10の少なくとも一つは炭素数2以上のアルコキシ基を表す。
式(VI)中、R15〜R32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。ただし、R15〜R24の少なくとも一つは炭素数2以上のアルコキシ基を表す。
式(VII)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、−NR45基又は−OR6基を表し、R4、R5及びR6は各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、k、m及びnはそれぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
このような増感色素の具体例としては、EP1349006、WO2005/029187、WO2004/074930、EP1868036に記載の化合物が好ましく用いられる。
また、特開2007−171406号公報、特開2007−206216号公報、特開2007−206217号公報、特開2007−225701号公報、特開2007−225702号公報、特開2007−316582号公報、特開2007−328243号公報に記載の増感色素も好ましく用いることができる。
増感色素の好ましい添加量は、感光層の全固形分100重量部に対し、0.05〜30重量部であることが好ましく、0.1〜20重量部であることがより好ましく、0.2〜10重量部であることがさらに好ましい。
続いて、本発明にて好適に用いられる750〜1,400nmに極大吸収を有する増感色素(赤外線吸収剤)について詳述する。
ここに使用される増感色素は、赤外線レーザの照射(露光)に対し高感度で電子励起状態となり、かかる電子励起状態に係る電子移動、エネルギー移動、発熱(光熱変換機能)などが、感光層中に併存する重合開始剤に作用して、前記重合開始剤に化学変化を生起させてラジカルや酸、塩基等の活性種を生成させるものと推定されている。いずれせよ、750〜1,400nmに極大吸収を有する増感色素を添加することは、750nm〜1,400nmの波長を有する赤外線レーザ光での直接描画される製版に特に好適であり、従来の平版印刷版原版に比べ、高い画像形成性を発現することができる。
赤外線吸収剤は、750nm〜1,400nmの波長に吸収極大を有する染料又は顔料であることが好ましい。
該染料としては、市販の染料、及び、例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
これらの染料のうち、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が好ましく挙げられ、シアニン色素やインドレニンシアニン色素がより好ましく挙げられ、下記式(a)で表されるシアニン色素が特に好ましく挙げられる。
Figure 0005364513
式(a)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2、X2−L1又は以下に示す基を表す。ここで、X2は酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を表し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを表す。
a -は、後述するZa -と同様に定義され、5つ存在するRaは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、及び、ハロゲン原子よりなる群から選択される置換基を表す。
Figure 0005364513
1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。感光層塗布液の保存安定性から、R1及びR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、また、R1とR2とが互いに結合して5員環又は6員環を形成していることも好ましい。
Ar1及びAr2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。
1及びY2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を表す。
3、R4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を表す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。
5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を表す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。
また、Za-は、対アニオンを表す。ただし、式(a)で表されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZa-は必要ない。好ましいZa-は、感光層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、又は、スルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、又は、アリールスルホン酸イオンである。なお、対イオンとして、ハロゲンイオンを含有してないものが特に好ましい。
また、増感色素として、顔料を使用することもできる。
顔料としては、市販の顔料、及び、カラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものは、カーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は、0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、0.1μm〜1μmの範囲にあることが特に好ましい。この好ましい粒径の範囲において、感光層中における顔料の優れた分散安定性が得られ、均一な感光層が得られる。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
これらの増感色素は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
これらの増感色素の添加量は、感光層中における均一性や感光層の耐久性の観点から、感光層を構成する全固形分に対し、0.01〜50重量%であることが好ましく、好ましくは0.1〜10重量%であることがより好ましく、また、染料の場合は、0.5〜10重量%であることが特に好ましく、顔料の場合は、0.1〜10重量%であることが特に好ましい。
(B)重合開始剤
前記感光層は、重合開始剤(以下、「開始剤化合物」ともいう。)を含有する。
開始剤化合物は、増感色素の電子励起状態に起因する電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用をうけて、化学変化を生じ、ラジカル、酸及び塩基から選択される少なくとも1種を生成する化合物である。以下、このようにして生じたラジカル、酸、塩基を単に活性種と呼ぶ。開始剤化合物が存在しない場合や、開始剤化合物のみを単独で用いた場合には、実用上十分な感度が得られない。増感色素と開始剤化合物を併用する一つの態様として、これらを、適切な化学的方法(増感色素と開始剤化合物との化学結合による連結等)によって単一の化合物として利用することも可能である。
通常これらの開始剤化合物の多くは、次の(1)から(3)に代表される初期化学プロセスをへて、活性種を生成するものと考えられる。すなわち、(1)増感色素の電子励起状態から開始剤化合物への電子移動反応に基づく、開始剤化合物の還元的分解、(2)開始剤化合物から増感色素の電子励起状態への電子移動に基づく、開始剤化合物の酸化的分解、(3)増感色素の電子励起状態から開始剤化合物へのエネルギー移動に基づく、開始剤化合物の電子励起状態からの分解である。個々の開始剤化合物が(1)〜(3)のどのタイプに属するかに関しては、曖昧な場合も多いが、本発明における増感色素は、これら何れのタイプの開始剤化合物と組み合わせても非常に高い増感効果を示す。
開始剤化合物としては、当業者間で公知のものを制限なく使用でき、具体的には、例えば、トリハロメチル化合物、カルボニル化合物、有機過酸化物、アゾ系化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ素化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、鉄アレーン錯体が挙げられる。中でも、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、オニウム塩、トリハロメチル化合物及びメタロセン化合物よりなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましく、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が特に好ましい。
また、前記重合開始剤は、2種以上を適宜併用することもできる。
ヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、特公昭45−37377号、特公昭44−86516号の各公報記載のロフィンダイマー類、例えば2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール系化合物は、300〜450nmに極大吸収を有する増感色素と併用して用いられることが特に好ましい。
本発明において好適に用いられるオニウム塩(本発明においては、酸発生剤としてではなく、イオン性の重合開始剤として機能する)は、下記式(RI−I)〜(RI−III)で表されるオニウム塩である。
Figure 0005364513
式(RI−I)中、Ar11は置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数2〜24のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基、炭素数6〜12のアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数6〜12のチオアリール基が挙げられる。
式(RI−I)中、Z11 -は1価の陰イオンを表し、具体的には、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオン、が挙げられる。中でも安定性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン及びスルフィン酸イオンが好ましい。
式(RI−II)中、Ar21及びAr22はそれぞれ独立に、置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数2〜24のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基、炭素数6〜12のアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数6〜12のチオアリール基が挙げられる。
式(RI−II)中、Z21 -は1価の陰イオンを表す。具体的には、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオン、カルボン酸イオンが挙げられる。中でも、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
式(RI−III)中、R31、R32及びR33はそれぞれ独立に、置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。中でも反応性、安定性の面から好ましいのは、アリール基である。
置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数2〜24のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基、炭素数6〜12のアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数6〜12のチオアリール基が挙げられる。
式(RI−III)中、Z31 -は1価の陰イオンを表す。具体例としては、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオン、カルボン酸イオンが挙げられる。中でも安定性、反応性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。また、特開2002−148790号公報、又は、特開2001−343742号公報記載のカルボン酸イオンがより好ましく挙げられ、特開2002−148790号公報記載のカルボン酸イオンが特に好ましく挙げられる。
オニウム塩は、750〜1,400nmに極大吸収を有する赤外線吸収剤と併用して用いられることが特に好ましい。
その他の重合開始剤としては、特開2007−171406号公報、特開2007−206216号公報、特開2007−206217号公報、特開2007−225701号公報、特開2007−225702号公報、特開2007−316582号公報、特開2007−328243号公報に記載の重合開始剤を好ましく用いることができる。
本発明における重合開始剤は、1種単独、又は、2種以上の併用によって好適に用いられる。
本発明における感光層中の重合開始剤の使用量は、感光層全固形分の総重量に対し、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.1〜15重量%であることがより好ましく、1.0〜10重量%であることがさらに好ましい。
(C)重合性化合物
本発明における感光層に用いる重合性化合物は、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においては、これらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、それらの共重合体、又は、それらの混合物などの化学的形態をもつ。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類又はエポキシ類との付加反応物、及び、求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と単官能又は多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらにハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類又はチオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド(EO)変性トリアクリレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールジクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号の各公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号の各公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(A”)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R4)COOCH2CH(R5)OH (A”)
(ただし、R4及びR5は、H又はCH3を表す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。さらに、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な平版印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、感光層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、重合開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させ得ることがある。また、支持体や後述の保護層等との密着性を向上させる目的で、特定の構造を選択することもできる。
そのほか、重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も考慮することができる。
前記感光層における重合性化合物の使用量は、感光層の全固形分に対して、5〜75重量%であることが好ましく、25〜70重量%であることがより好ましく、30〜60重量%であることがさらに好ましい。
(D)バインダーポリマー
平版印刷版原版の感光層は、前述の重合開始剤及び重合性化合物のほかに、さらにバインダーポリマーを使用することが好ましい。
前記バインダーポリマーは、感光層の皮膜形成剤として機能するポリマーであり、線状有機高分子重合体を含有させることが好ましい。このような「線状有機高分子重合体」としては、公知のものを使用することができる。
このようなバインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂よりなる群から選ばれた高分子であることが好ましい。中でも、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂がより好ましい。ここで「アクリル樹脂」とは、アクリル酸誘導体を(共)重合成分として有するアクリル系ポリマーのことをいう。「ポリウレタン樹脂」とは、イソシアネート基を2つ有する化合物とヒドロキシル基を2つ以上有する化合物の縮合反応により生成されるポリマーのことをいう。
さらに、バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性をもたせることができる。
バインダーポリマーに架橋性をもたせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中又は側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよいし、高分子反応によって導入してもよい。
ここで架橋性基とは、平版印刷版原版を露光した際に感光層中で起こるラジカル重合反応の過程で高分子バインダーを架橋させる基のことである。このような機能の基であれば特に限定されないが、例えば、付加重合反応し得る官能基としてエチレン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が挙げられる。また光照射によりラジカルになり得る官能基であってもよく、そのような架橋性基としては、例えば、チオール基、ハロゲン基、オニウム塩構造等が挙げられる。中でも、エチレン性不飽和結合基が好ましく、下記式(1’)〜(3’)で表される官能基が特に好ましい。
Figure 0005364513
前記式(1’)において、Rl〜R3はそれぞれ独立に、水素原子又は一価の有機基を表す。
1として好ましくは、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、中でも、水素原子又はメチル基が、ラジカル反応性が高いことからより好ましい。
また、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、中でも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が、ラジカル反応性が高いことから好ましい。
Xは、酸素原子、硫黄原子、又は、N(R12)を表し、R12は、水素原子、又は、一価の有機基を表す。ここで、R12は、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、中でも、水素原子、メチル基、エチル基、又は、イソプロピル基が、ラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、導入し得る置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられる。
Figure 0005364513
前記式(2’)において、R4〜R8はそれぞれ独立に、水素原子又は一価の有機基を表す。
4〜R8は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、中でも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がより好ましい。
導入し得る置換基としては、式(1’)と同様のものが例示される。
また、Yは、酸素原子、硫黄原子、又はN(R12)を表す。R12は、式(1’)のR12の場合と同義であり、好ましい例も同様である。
Figure 0005364513
前記式(3’)において、R9〜R11はそれぞれ独立に、水素原子又は一価の有機基を表す。
9として好ましくは、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、中でも、水素原子又はメチル基が、ラジカル反応性が高いことからより好ましい。
10及びR11はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、中でも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が、ラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、導入し得る置換基としては、式(1’)と同様のものが例示される。
また、Zは、酸素原子、硫黄原子、N(R13)、又は、置換基を有してもよいフェニレン基を表す。
13としては、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、中でも、メチル基、エチル基、イソプロピル基が、ラジカル反応性が高いことから好ましい。
上記の中でも、側鎖に架橋性基を有する(メタ)アクリル酸共重合体及びポリウレタンがより好ましい。
架橋性を有するバインダーポリマーは、例えば、その架橋性官能基にフリーラジカル(重合開始ラジカル又は重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、ポリマー間で直接に又は重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。又は、ポリマー中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。
バインダーポリマー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、バインダーポリマー1g当たり、0.1〜10.0mmolであることが好ましく、1.0〜7.0mmolであることがより好ましく、2.0〜5.5mmolであることがさらに好ましい。
また、平版印刷版原版の製版工程において感光層の非画像部が良好に除去されるよう、用いられるバインダーポリマーは現像処理の態様に対応して適宜選択される。下記に詳細を記す。
(D−1)アルカリ可溶性バインダーポリマー
現像処理がpH7を越え10以下のアルカリ現像液を用いて行われる態様においては、バインダーポリマーはpH7を越え10以下のアルカリ現像液に溶解する必要があるため、pH7を越え10以下のアルカリ水に可溶性である有機高分子重合体が好ましく使用され、pH8〜10のアルカリ水に可溶性である有機高分子重合体がより好ましく使用される。
pH7を越え10以下のアルカリ水に可溶性であるために、アルカリ可溶性基を有することが好ましい。アルカリ可溶性は酸基であることが好ましく、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基などが挙げられる。これらのうち、被膜性・対刷性・現像性の両立という観点から、カルボキシル基を有するバインダーポリマーが特に好ましい。
さらに、アルカリ可溶性バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、上記のように架橋性をもたせることができる。バインダーポリマーに架橋性をもたせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中又は側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよいし、高分子反応によって導入してもよい。
アルカリ可溶性バインダーポリマーは、重量平均分子量が5,000以上であることが好ましく、1万〜30万であることがより好ましく、また、数平均分子量が1,000以上であることが好ましく、2,000〜25万であることがより好ましい。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であることが好ましい。
アルカリ可溶性バインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであることが好ましい。
アルカリ可溶性バインダーポリマーは、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
アルカリ可溶性バインダーポリマーの含有量は、感光層の全固形分に対して、5〜90重量%であることが好ましく、10〜70重量%であることがより好ましく、10〜60重量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
(D−2)親水性基を有するバインダーポリマー
前記感光層に使用可能なバインダーポリマーとしては、現像液に対する現像性を向上させるために、親水性基を有するバインダーポリマー(親水性基含有バインダーポリマー)を用いてもよい。特に酸性〜弱アルカリ性の現像液を用いる場合には、この親水性基を有するバインダーポリマーが好ましく用いられる。
親水性基としては、一価又は二価以上の親水性基から選ばれ、例えば、ヒドロキシ基、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基等のアルキレンオキシ基、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、アミノ基を酸で中和した塩、第四級アンモニウム基、スルホニウム基、ヨードニウム基、ホスホニウム基、アミド基、エーテル基、又は、カルボン酸、スルホン酸、リン酸などの酸基を中和した塩が好ましく、特に第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、アミノ基を酸で中和した塩、第四級アンモニウム基、アミド基、ヒドロキシ基、−CH2CH2O−繰り返し単位、又は、−CH2CH2NH−繰り返し単位が好ましく、第三級アミノ基、酸基をアミノ基含有化合物で中和した塩、アミノ基を酸で中和した塩、第四級アンモニウム基が最も好ましい。
親水性基含有バインダーポリマーは、共重合体であることが好ましく、共重合体の全共重合成分に占める前記のような親水性基を有する共重合成分の割合は、現像性の観点から、共重合体を構成する全モノマー単位に対して、1〜70%であることが好ましく、現像性と耐刷性との両立を考慮すると、1〜50%であることがより好ましく、1〜30%であることが特に好ましい。
このような親水性基含有バインダーポリマーの骨格としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂及びポリエステル樹脂よりなる群から選ばれた高分子であることが好ましい。中でも、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂等のビニル(共)重合体、ポリウレタン樹脂が特に好ましい。
親水性基性含有バインダーポリマーは、前記のような架橋性基を有することが好ましい。
親水性基性含有バインダーポリマー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、親水性基含有バインダーポリマー1g当たり、0.01〜10.0mmolであることが好ましく、0.05〜5.0mmolであることがより好ましく、0.1〜2.0mmolであることがさらに好ましい。
さらに耐刷性向上という観点から、架橋性基は親水性基の近傍にあることが望ましく、親水性基と架橋性基が同一の重合単位上にあってもよい。
親水性基含有バインダーポリマーは、前記親水性基を有するユニット、架橋性基を有するユニット、親水性基及び架橋性基を有するユニットの他に、(メタ)アクリル酸アルキル又はアラルキルエステルのユニットを有することが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基であり、メチル基がより好ましい。(メタ)アクリル酸アラルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
親水性基含有バインダーポリマーは、重量平均分子量が5,000以上であることが好ましく、1万〜30万であることがより好ましく、また、数平均分子量が1,000以上であることが好ましく、2,000〜25万であることがより好ましい。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であることが好ましい。
親水性基含有バインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよい。
親水性基含有バインダーポリマーは、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
親水性基含有バインダーポリマーの含有量は、良好な画像部の強度と画像形成性の観点から、感光層の全固形分に対して、5〜75重量%が好ましく、10〜70重量%がより好ましく、10〜60重量%がさらに好ましい。
また、重合性化合物及びバインダーポリマーの合計含有量は、感光層の全固形分に対して、80重量%以下であることが好ましく、35〜75重量%であることがより好ましい。上記範囲であると、感度及び現像性に優れる。
以下に、親水性基含有バインダーポリマーを構成する重合単位の具体例、及び、親水性基含有バインダーポリマーの具体例を示すが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、下記表中の重量平均分子量(Mw、下記表中では、単に「分子量」とも記載している。)は、ポリスチレンを標準物質としたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したものである。また、下記化学式中、TsO-は、p−CH364SO3 -の略記である。
Figure 0005364513
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Figure 0005364513
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(E)マイクロカプセル
本発明においては、上記の感光層構成成分及び後述のその他の構成成分を感光層に含有させる方法として、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の一部をマイクロカプセルに内包させて感光層に添加することができる。その場合、各構成成分はマイクロカプセル内、及び、外に、任意の比率で含有させることが可能である。
感光層構成成分をマイクロカプセル化する方法としては、公知の方法が適用できる。
例えば、マイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457号、同第2800458号明細書に記載されたコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号の各明細書、特公昭38−19574号、同42−446号の各公報に記載された界面重合法による方法、米国特許第3418250号、同第3660304号明細書に記載されたポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書に記載されたイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に見られるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号、同第4087376号、同第4089802号の各明細書に記載された尿素−ホルムアルデヒド系又は尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書に記載されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号、同51−9079号の各公報に記載されたモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号、米国特許第3111407号明細書に記載されたスプレードライング法、英国特許第952807号、同第967074号の各明細書に記載された電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
好ましいマイクロカプセル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性質を有するものである。このような観点から、マイクロカプセルの壁材は、非水溶性高分子、例えば、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、又は、これらの混合物が好ましく、ポリウレア又はポリウレタンが特に好ましい。また、マイクロカプセル壁に、上記の非水溶性高分子に導入可能なエチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を有する化合物を導入してもよい。
前記マイクロカプセルの平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましく、0.05〜2.0μmがさらに好ましく、0.10〜1.0μmが特に好ましい。上記範囲であると、良好な解像度と経時安定性が得られる。
(F)着色剤
感光層には、可視光域に大きな吸収を持つ顔料を用いることが好ましい。
顔料としては、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料が好適に用いることができ、フタロシアニン系顔料が最も好ましく用いられる。
また、感光層には顔料と共に染料を着色剤として併用してもよい。
染料の具体例としては、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、及び、特開昭62−293247号公報に記載されている染料を挙げることができる。
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、感光層の全固形分に対し、0.01〜10重量%の割合が好ましい。
(G)その他の感光層成分
前記感光層には、さらに、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、現像性の促進及び塗布面状を向上させるための界面活性剤、現像性の向上やマイクロカプセルの分散安定性向上などのための親水性ポリマー、画像部と非画像部を視認するための焼き出し剤、感光層の製造中又は保存中のラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するための重合禁止剤、酸素による重合阻害を防止するための高級脂肪誘導体、画像部の硬化皮膜強度向上のための無機粒子、現像性向上のための親水性低分子化合物、感度向上のための共増感剤や連鎖移動剤、可塑性向上のための可塑剤等を添加することができる。これらの化合物はいずれも公知のものを使用でき、例えば、特開2007−171406号公報、特開2007−206216号公報、特開2007−206217号公報、特開2007−225701号公報、特開2007−225702号公報、特開2007−316582号公報、特開2007−328243号公報に記載の化合物を使用することができる。
連鎖移動剤として作用する化合物としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらの化合物は、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、又は、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成することができる。
本発明の感光層には、特に、チオール化合物(例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類、2−メルカプトベンズチアゾール類、2−メルカプトベンズオキサゾール類、3−メルカプトトリアゾール類、5−メルカプトテトラゾール類、等)を連鎖移動剤として好ましく用いることができる。
中でも、下記式(S)で表されるチオール化合物が特に好適に使用される。連鎖移動剤として式(S)で表されるチオール化合物を用いることによって、感光層から蒸発や他の層への拡散による感度減少を回避し、保存安定性に優れ、さらには高感度で高耐刷の平版印刷版原版が得られる。
Figure 0005364513
式(S)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、又は、置換基を有してもよいアリール基を表し、AはN=C−N部分と共に炭素原子を有する5員環又は6員環のヘテロ環を形成する原子団を表し、Aはさらに置換基を有してもよい。
<感光層の形成>
前記感光層は、必要な前記各成分を溶剤に分散又は溶解して塗布液を調製し、塗布して形成される。
ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
これらの溶剤は、単独又は混合して使用される。
塗布液の固形分濃度は、1〜50重量%であることが好ましい。
前記感光層は、同一又は異なる上記各成分を、同一又は異なる溶剤に、分散又は溶かした塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
また、塗布、乾燥後に得られる支持体上の感光層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.3〜3.0g/m2が好ましい。上記範囲であると、良好な感度と感光層の良好な皮膜特性が得られる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
<保護層>
本発明に用いることができる平版印刷版原版には、露光時の重合反応を妨害する酸素の拡散侵入を遮断するため、感光層上に保護層(酸素遮断層)が設けられることが好ましい。
前記保護層は、25℃、1気圧下における酸素透過性Aが1.0≦A≦20(mL/m2・day)であることが好ましい。酸素透過性Aが1.0(mL/m2・day)以上であると、製造時・生保存時における不要な重合反応を抑制でき、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じることを抑制できる。また、酸素透過性Aが20(mL/m2・day)以下であると、感度に優れる。酸素透過性Aは、1.5≦A≦12(mL/m2・day)であることがより好ましく、2.0≦A≦10.0(mL/m2・day)であることがさらに好ましい。
また、保護層に望まれる特性としては、上記酸素透過性以外に、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できることが好ましい。この様な保護層に関する工夫が従来なされており、米国特許第3,458,311号明細書、特公昭55−49729号公報に詳しく記載されている。
保護層に使用できる材料としては、例えば、比較的結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドなどのような水溶性ポリマーが挙げられ、これらは単独又は混合して使用できる。これらのうち、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的に最も良好な結果を与えるので好ましい。
保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、及び、アセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の共重合成分を有していてもよい。
ポリビニルアルコールの具体例としては、71〜100モル%加水分解され、重合繰り返し単位が300から2,400の範囲のものを挙げることができる。
具体的には、(株)クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。これらは単独又は混合して使用できる。好ましい態様としてはポリビニルアルコールの保護層中の含有率が、20〜95重量%であることが好ましく、30〜90重量%であることがより好ましい。
また、公知の変性ポリビニルアルコールも好ましく用いることができる。例えば、カルボキシル基、スルホ基等のアニオンで変性されたアニオン変性部位、アミノ基、アンモニウム基等のカチオンで変性されたカチオン変性部位、シラノール変性部位、チオール変性部位等種々の親水性変性部位をランダムに有す各種重合度のポリビニルアルコール、前記のアニオン変性部位、前記のカチオン変性部位、シラノール変性部位、チオール変性部位、さらにはアルコキシル変性部位、スルフィド変性部位、ビニルアルコールと各種有機酸とのエステル変性部位、前記アニオン変性部位とアルコール類等とのエステル変性部位、エポキシ変性部位等種々の変性部位をポリマー鎖末端に有す各種重合度のポリビニルアルコール等が挙げられる。
ポリビニルアルコールと混合して使用する成分としては、ポリビニルピロリドン又はその変性物が、酸素遮断性、現像除去性といった観点から好ましく、保護層中の含有率が、3.5〜80重量%であることが好ましく、10〜60重量%であることがより好ましく、15〜30重量%であることがさらに好ましい。
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。
前記ポリビニルアルコール(PVA)等の(共)重合体の分子量は、2,000〜1,000万の範囲のものが好ましく使用でき、2万〜300万の範囲のものがより好ましく使用できる。
保護層の他の組成物として、グリセリン、ジプロピレングリコール等を、(共)重合体に対して、数重量%相当量添加して可撓性を付与することができ、また、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤;アルキルアミノカルボン酸塩、アルキルアミノジカルボン酸塩等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン界面活性剤を、(共)重合体に対して、数重量%添加することができる。
また、画像部との密着性や、耐傷性も、版の取り扱い上極めて重要である。すなわち、水溶性ポリマーからなる親水性の層を親油性の感光層に積層すると、接着力不足による膜剥離が発生しやすく、剥離部分が酸素の重合阻害により膜硬化不良などの欠陥を引き起こす。これに対し、これら2層間の接着性を改良すべく種々の提案がなされている。例えば米国特許出願番号第292,501号、米国特許出願番号第44,563号には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョン又は水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などを20〜60重量%混合し、感光層の上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明における保護層に対しては、これらの公知の技術をいずれも適用することができる。このような保護層の塗布方法については、例えば、米国特許第3,458,311号明細書、特公昭55−49729号公報に詳しく記載されている。
さらに、平版印刷版原版における保護層には、酸素遮断性や感光層表面保護性を向上させる目的で、無機質の層状化合物を含有させることも好ましい。
ここで無機質の層状化合物とは、薄い平板状の形状を有する粒子であり、例えば、下記式
A(B,C)2-5410(OH,F,O)2
(式中、AはK、Na、Caのいずれかを表し、B及びCはFe(II)、Fe(III)、Mn、Al、Mg、Vのいずれかを表し、DはSi又はAlを表す。)
で表される天然雲母、合成雲母等の雲母群、3MgO・4SiO・H2Oで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、りん酸ジルコニウムなどが挙げられる。
本発明においては、前記無機質の層状化合物の中でも、合成の無機質の層状化合物であるフッ素系の膨潤性合成雲母が特に有用である。
無機質の層状化合物のアスペクト比は、20以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましく、200以上であることがさらに好ましい。なお、アスペクト比は粒子の長径に対する厚さの比であり、例えば、粒子の顕微鏡写真による投影図から測定することができる。アスペクト比が大きい程、得られる効果が大きい。
無機質の層状化合物の粒子径は、その平均長径が、0.3〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましく、1〜5μmであることがさらに好ましい。また、前記粒子の平均の厚さは、0.1μm以下であることが好ましく、0.05μm以下であることがより好ましく、0.01μm以下であることがさらに好ましい。例えば、無機質の層状化合物のうち、代表的化合物である膨潤性合成雲母のサイズは、厚さが1〜50nm、面サイズが1〜20μm程度である。
このようにアスペクト比が大きい無機質の層状化合物の粒子を保護層に含有させると、塗膜強度が向上し、また、酸素や水分の透過を効果的に防止し得るため、変形などによる保護層の劣化を防止し、高湿条件下において長期間保存しても、湿度の変化による平版印刷版原版における画像形成性の低下もなく保存安定性に優れる。
保護層中の無機質層状化合物の含有量は、保護層に使用されるバインダーの量に対し、重量比で5/1〜1/100であることが好ましい。複数種の無機質の層状化合物を併用した場合でも、これら無機質の層状化合物の合計量が上記の重量比であることが好ましい。
保護層に用いる無機質層状化合物の分散方法は、特開2007−171406号公報、特開2007−206216号公報、特開2007−206217号公報、特開2007−225701号公報、特開2007−225702号公報、特開2007−316582号公報、特開2007−328243号公報等に記載の方法が用いられる。
保護層の塗布量としては、乾燥後の塗布量で、0.05〜10g/m2の範囲であることが好ましく、無機質の層状化合物を含有する場合には、0.1〜0.5g/m2の範囲であることがさらに好ましく、無機質の層状化合物を含有しない場合には、0.5〜5g/m2の範囲であることがさらに好ましい。
<支持体>
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状な親水性支持体であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、アルミニウム、亜鉛、銅等の金属がラミネートされ若しくは蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム及びアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、又は、アルミニウム若しくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等が挙げられる。合金中の異元素の含有量は10重量%以下であることが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のものを適宜利用することができる。
支持体の厚さは、0.1〜0.6mmであることが好ましく、0.15〜0.4mmであることがより好ましく、0.2〜0.3mmであることがさらに好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すことが好ましい。表面処理により、親水性の向上及び感光層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流又は直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、さらに、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸又はそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80重量%溶液、液温度5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であることが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2であることが好ましく、1.5〜4.0g/m2であることがより好ましい。上記範囲であると、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
前記支持体としては、上記のような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する基板そのままでもよいが、上層との接着性、親水性、汚れ難さ、断熱性などの一層改良のため、必要に応じて、特開2001−253181号公報や特開2001−322365号公報に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理、マイクロポアの封孔処理、及び親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択して行うことができる。もちろんこれら拡大処理、封孔処理は、これらに記載のものに限られたものではなく、従来公知の何れも方法も行うことができる。
封孔処理としては、蒸気封孔のほかフッ化ジルコン酸の単独処理、フッ化ナトリウムによる処理など無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、塩化リチウムを添加した蒸気封孔、熱水による封孔処理でも可能である。
中でも、無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処理及び熱水による封孔処理が好ましい。
親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号及び同第3,902,734号の明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液で浸漬処理し、又は、電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号及び同第4,689,272号の明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられる。
支持体としてポリエステルフィルムなど表面の親水性が不十分な支持体を用いる場合は、親水層を塗布して表面を親水性にすることが好ましい。
親水層としては、特開2001−199175号公報に記載の、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属よりなる群から選択された少なくとも1つの元素の酸化物又は水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層や、特開2002−79772号公報に記載の、有機親水性ポリマーを架橋あるいは疑似架橋することにより得られる有機親水性マトリックスを有する親水層や、ポリアルコキシシラン、チタネート、ジルコネート又はアルミネートの加水分解、縮合反応からなるゾル−ゲル変換により得られる無機親水性マトリックスを有する親水層、あるいは、金属酸化物を含有する表面を有する無機薄膜からなる親水層が好ましい。中でも、珪素の酸化物又は水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。
また、支持体としてポリエステルフィルム等を用いる場合には、支持体の親水性層側又は反対側、あるいは両側に、帯電防止層を設けることが好ましい。帯電防止層を支持体と親水性層との間に設けた場合には、親水性層との密着性向上にも寄与する。帯電防止層としては、特開2002−79772号公報に記載の、金属酸化物微粒子やマット剤を分散したポリマー層等が使用できる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであることが好ましい。上記範囲であると、感光層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
また、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であることが好ましい。上記範囲であると、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
<下塗り層>
前記平版印刷版原版においては、支持体上にポリビニルホスホン酸等の公知の下塗り層を設けることが好ましい。中でも、重合性基を含有する化合物の下塗り層を設けることが特に好ましい。下塗り層が用いられるときは、感光層は下塗り層の上に設けられる。下塗り層は、露光部においては、支持体と感光層との密着性を強化し、また、未露光部においては、感光層の支持体からの剥離を生じやすくさせるため、現像性や汚れ性が向上する。
下塗り層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物などが好適に挙げられる。特に好ましい化合物として、メタクリル基、アリル基などの重合性基とスルホン酸基、リン酸基、リン酸エステルなどの支持体吸着性基を有する化合物が挙げられる。重合性基と支持体吸着性基に加えてエチレンオキシド基などの親水性付与基を有する化合物も好適な化合物として挙げることができる。
下塗り層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2であることが好ましく、1〜30mg/m2であることがより好ましい。上記範囲であると、感光層との密着性、現像性及び汚れ性が良好になる。
<バックコート層>
支持体に表面処理を施した後又は下塗り層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコート層を設けることができる。
バックコート層としては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH34、Si(OC254、Si(OC374、Si(OC494等のケイ素のアルコキシ化合物を用いることが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
〔平版印刷版の製造方法〕
本発明の平版印刷版の製造方法は、支持体上に、少なくとも顔料を含有する感光層を設けた平版印刷版原版を、レーザーで画像露光する露光工程、及び、本発明の現像液の存在下で非露光部の感光層を除去する現像工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の平版印刷版は、本発明の平版印刷版の製造方法により製造されたものである。
また、本発明の平版印刷版の製造方法は、前記現像工程が、非露光部の感光層の除去及びガム引き処理を1液で行う工程であることが好ましく、平版印刷版原版が保護層を有する場合は、前記現像工程が、保護層の除去、非露光部の感光層の除去及びガム引き処理を1液で行う工程であることが好ましい。また、非露光部の感光層の除去及びガム引き処理を1液で少なくとも行う場合、本発明の現像液は、水溶性高分子を含むことが好ましい。
さらに、本発明の平版印刷版の製造方法は、前記現像工程の前及び後のいずれにも水洗工程を施さないことが好ましい。
本発明の平版印刷版の製造方法は、上記のように、平版印刷版原版を画像露光して現像処理を行うことで平版印刷版を製造する方法である。
従来の現像処理としては、(1)アルカリ現像液(pHが10より大きい)にて現像する方法、(2)印刷機上で、湿し水及び/又はインキを加えながら現像する方法(機上現像)が挙げられる。
一方、本発明においては、pHが2〜10の現像液にて現像する方法が用いられる。
本発明の平版印刷版の製造方法は、平版印刷版原版を、pH2〜10の本発明の現像液にて保護層及び非露光部の感光層を一括除去した後、直ちに印刷機にセットして印刷することも可能である。
一方、前記(1)アルカリ現像液を用いた通常の現像工程においては、前水洗工程により保護層を除去し、次いでアルカリ現像を行い、後水洗工程でアルカリを除去し、ガム引き工程でガム処理を行い、乾燥工程で乾燥するという複数の工程が必要になる。
また、本発明においては、現像液中に水溶性高分子化合物を含有することが好ましく、現像−ガム引きを同時に行うことがより好ましい。
本発明の平版印刷版の製造方法では、後水洗工程は特に必要とせず、一液で現像とガム引きとを行ったのち、乾燥工程を行うことが好ましい。さらに、前水洗工程も特に必要とせず、保護層の除去も現像、ガム引きと同時に行うことが好ましい。また、現像及びガム引きの後に、スクイズローラーを用いて余剰の現像液を除去した後、乾燥を行うことが好ましい。本発明における平版印刷版原版の現像は、常法に従って、好ましくは0〜60℃、より好ましくは15〜40℃程度の温度で、例えば、露光処理した感光性平版印刷版原版を現像液に浸漬してブラシで擦る方法、スプレーにより現像液を吹き付けてブラシで擦る方法等により行うことができる。
また、このような自動現像機での処理は、機上現像の場合に生ずる保護層/感光層に由来の現像カスへの対応から開放されるという優位性がある。
pH2〜10である本発明の現像液による現像処理は、現像液の供給手段及び擦り部材を備えた自動処理機により好適に実施することが好ましい。
自動処理機としては、例えば、画像記録後の平版印刷版原版を搬送しながら擦り処理を行う、特開平2−220061号、特開昭60−59351号各公報に記載の自動処理機や、シリンダー上にセットされた画像記録後の平版印刷版原版を、シリンダーを回転させながら擦り処理を行う、米国特許第5148746号、同5568768号、英国特許第2297719号に記載の自動処理機等が挙げられる。中でも、擦り部材として、回転ブラシロールを用いる自動処理機が特に好ましい。
回転ブラシロールは、画像部の傷つき難さ、さらには、平版印刷版原版における支持体の腰の強さ等を考慮して適宜選択することができる。
回転ブラシロールとしては、ブラシ素材をプラスチック又は金属のロールに植え付けて形成された公知のものが使用できる。例えば、特開昭58−159533号公報や、特開平3−100554号公報記載のものや、実公昭62−167253号公報に記載されているような、ブラシ素材を列状に植え込んだ金属又はプラスチックの溝型材を芯となるプラスチック又は金属のロールに隙間なく放射状に巻き付けたブラシロールが使用できる。
また、ブラシ素材としては、プラスチック繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロン6.6、ナイロン6.10等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル等のポリアクリル系、及び、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系の合成繊維)を使用することができ、例えば、繊維の毛の直径は、20〜400μm、毛の長さは、5〜30mmのものが好適に使用できる。
さらに、回転ブラシロールの外径は、30〜200mmが好ましく、版面を擦るブラシの先端の周速は、0.1〜5m/secが好ましい。
また、回転ブラシロールは、2本以上の複数本用いることが好ましい。
回転ブラシロールの回転方向は、平版印刷版原版の搬送方向に対し、同一方向であっても、逆方向であってもよいが、図1に例示した自動処理機のように、2本以上の回転ブラシロールを使用する場合は、少なくとも1本の回転ブラシロールが、同一方向に回転し、少なくとも1本の回転ブラシロールが、逆方向に回転することが好ましい。これにより、非画像部の感熱層の除去が、さらに確実となる。さらに、回転ブラシロールを、ブラシロールの回転軸方向に揺動させることも効果的である。
現像工程が行われた後、自然乾燥にて現像液を乾燥させてもよいが、温風などによる乾燥工程を設けることが好ましい。
なお、本発明において、擦り処理後の平版印刷版を、引き続いて、水洗、乾燥処理、不感脂化処理することも任意に可能である。不感脂化処理では、公知の不感脂化液を用いることができる。
その他、本発明の平版印刷版の製造方法としては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱してもよい。この様な加熱により、該感光層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や感度の安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱又は全面露光を行うことも有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行うことが好ましい。温度が上記範囲であると、非画像部迄がかぶってしまう等の問題を生じることを抑制できる。現像後の加熱には、非常に強い条件を利用する。現像後の加熱温度としては、100〜500℃の範囲であることが好ましい。上記範囲であると、十分な画像強化作用が得られ、また、支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じることが抑制できる。
前記現像工程に先立って、平版印刷版原版は、線画像、網点画像等を有する透明原画を通してレーザー露光するか、デジタルデータによるレーザー光走査等で画像様に露光される。
好ましい光源の波長は、350nmから450nm又は700nmから1,200nmの波長が好ましく用いられる。350nmから450nmの場合は、この領域に吸収極大を有する増感色素を感光層に有する平版印刷版原版が用いられ、700nmから1,200nmの場合は、この領域に吸収を有する増感色素である赤外線吸収剤を含有する平版印刷版原版が用いられる。
350nmから450nmの光源としては、半導体レーザーが好適である。
700nmから1,200nmの光源としては、赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーが好適である。
露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよい。
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔支持体1の作製〕
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10重量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミニウム表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25重量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20重量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
次に、塩酸0.5重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dm2の条件で、硝酸電解と同様の方法で、電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。この板を15重量%硫酸(アルミニウムイオンを0.5重量%含む)を電解液として電流密度15A/dm2で2.5g/m2の直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥した。
このようにして得た支持体の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
さらに、下記に示す組成の下塗り液(1)をバー塗布した後、80℃、10秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量が10mg/m2になるよう塗布し、以下に用いる下塗り層を有する支持体を作製した。
<下塗り液(1)>
・下記下塗り化合物(1)(平均分子量10万) 0.017重量部
・メタノール 9.00重量部
・水 1.00重量部
Figure 0005364513
〔平版印刷版原版(1)の作製〕
前記下塗り層を付与した支持体上に、下記組成の感光層塗布液(1)をバー塗布した後、70℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.1g/m2の感光層を形成し、この上に下記組成よりなる保護層塗布液(1)を、乾燥塗布量が0.75g/m2となるようにバーを用いて塗布した後、125℃、70秒で間乾燥して平版印刷版原版(1)を得た。
<感光層塗布液(1)>
・下記バインダーポリマー(1)(平均分子量8万、酸価0meq/g)
0.54重量部
・重合性化合物 0.40重量部
イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート(東亞合成(株)製、アロニックスM−315)
・重合性化合物
エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート 0.08重量部
(日本化薬(株)製、SR9035、EO付加モル数15、分子量1,000)
・下記増感色素(1) 0.06重量部
・下記重合開始剤(1) 0.18重量部
・下記共増感剤(1) 0.07重量部
・ε−フタロシアニン顔料分散物(1) 0.40重量部
〔顔料:15重量部、分散剤としてアリルメタクリレート/メタクリル酸(80/20)共重合体(平均分子量6万):10重量部、溶剤としてシクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−メトキシ−2−プロパノール=15重量部/20重量部/40重量部〕
・熱重合禁止剤 0.01重量部
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
・下記フッ素系界面活性剤(1)(平均分子量:1.1万) 0.001重量部
・ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物 0.04重量部
(旭電化工業(株)製、プルロニックL44)
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5重量部
・メチルエチルケトン 8.0重量部
Figure 0005364513
Figure 0005364513
<保護層塗布液(1)>
・ポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度500) 40重量部
・ポリビニルピロリドン(分子量5万) 5重量部
・ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1))(分子量7万) 0.5重量部
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.5重量部
・水 950重量部
〔実施例1〜16及び比較例1〜5〕
<露光及び現像条件>
上記平版印刷版原版(1)について、FUJIFILM Electronic Imaging Ltd製Violet半導体レーザープレートセッターVx9600(InGaN系半導体レーザー405nm±10nm発光/出力30mWを搭載)により画像露光を実施した。画像は、解像度2,438dpiで、富士フイルム(株)製FM スクリーン(TAFFETA 20)を用い、50%の平網を、版面露光量0.05mJ/cm2で描画した。露光後、30秒以内に平版印刷版原版をオーブンに入れ、熱風を吹き付けて平版印刷版原版の全面を加熱し、110℃に、15秒間保持した。
その後30秒以内に、下記組成の現像液を用い、図1に示す構造の自動現像処理機にて、現像処理を実施した。自動現像処理機は、回転ブラシロールを2本有する自動処理機であり、回転ブラシロールとしては、1本目のブラシロールに、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径90mmのブラシロールを用い、搬送方向と同一方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.94m/sec)させ、2本目のブラシロールには、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径60mmのブラシロールを用い、搬送方向と反対方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.63m/sec)させた。平版印刷版原版の搬送は、搬送速度100cm/minで行った。
現像液は、循環ポンプによりスプレーパイプからシャワーリングして、版面に供給した。現像液のタンク容量は、10リットルであった。こうして平版印刷版(1−1)〜(1−21)を作製した。
<現像液(1)〜(21)>
・水 100.00重量部
・ベンジルアルコール 1.00重量部
・ポリオキシエチレンナフチルエーテル 1.00重量部
(オキシエチレン平均数n=13)
・ジオクチルスルホコハク酸エステルのナトリウム塩 0.50重量部
・表1記載の化合物 3.00重量部
・アラビアガム 1.00重量部
・エチレングリコール 0.50重量部
・第一リン酸アンモニウム 0.05重量部
・クエン酸 0.05重量部
・エチレンジアミンテトラアセテート四ナトリウム塩 0.05重量部
リン酸と水酸化ナトリウムを用いて、現像液のpHが7.0となるように調整した。
なお、現像液(18)では、ポリオキシエチレンナフチルエーテル及びジオクチルスルホコハク酸エステルのナトリウム塩を使用しなかった。
<印刷条件>
次いで、現像後の平版印刷版を、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mに取り付け、湿し水(EU−3(富士フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製)とを用い、毎時6,000枚の印刷速度で印刷を行った。
(2)評価
先に作製した平版印刷版原版及び平版印刷版を用いて、現像ランニング性、汚れ性、耐刷性を下記のように評価した。結果を表1に示す。
<現像ランニング性>
上記現像条件により、作製した平版印刷版原版を160枚現像し、1枚目を現像した時の非画像部シアン濃度から0.1だけ増加した枚数、又は、1枚目の印刷版の汚れ性(下記汚れ性の評価に順ずる。)から2点減少した枚数のいずれか小さいほうを現像ランニング性の評価とした。
<汚れ性>
得られた平版印刷版を用いて、上記の通り500枚印刷を行った時に、非画像部に発生したインキ汚れを目視により確認した。全く汚れの無い非画像部が得られた場合を10点、ほとんどインキが付着していて汚れている場合を1点として500枚目の印刷物を評価した。
<耐刷性>
得られた平版印刷版を用いて、上述したように印刷を行い、印刷用紙におけるインキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。
Figure 0005364513
Figure 0005364513
〔平版印刷版原版(2)の作製〕
感光層塗布液1を下記感光層塗布液(2)に変更した以外は、平版印刷版原版(1)と同様にして平版印刷版原版(2)を作製した。
<感光層塗布液(2)>
・下記バインダーポリマー(4)(重量平均分子量:7万) 0.54重量部
・下記重合性化合物(2) 0.48重量部
・上記増感色素(1) 0.06重量部
・上記重合開始剤(1) 0.18重量部
・上記共増感剤(1) 0.07重量部
・ε−フタロシアニン顔料分散物(1) 0.40重量部
(顔料:15重量部、分散剤としてアリルメタクリレート/メタクリル酸(80/20)共重合体:10重量部、溶剤としてシクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−メトキシ−2−プロパノール=15重量部/20重量部/40重量部)
・熱重合禁止剤 0.01重量部
(N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩)
・上記フッ素系界面活性剤(1) 0.001重量部
・ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物 0.04重量部
(旭電化工業(株)製、プルロニックL44)
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5重量部
・メチルエチルケトン 8.0重量部
Figure 0005364513
なお、上記バインダーポリマー(4)のnの平均値は20である。
〔実施例17〜21及び比較例6〕
こうして得られた平版印刷版原版(2)を、FUJIFILM Electronic Imaging Ltd製Violet半導体レーザープレートセッターVx9600(InGaN系半導体レーザー405nm±10nm発光/出力30mWを搭載)により画像露光を実施した。画像は、解像度2,438dpiで、富士フイルム(株)製FMスクリーン(TAFFETA 20)を用い、50%の平網を、版面露光量0.05mJ/cm2で描画した。露光後30秒以内に平版印刷版原版をオーブンに入れ、熱風を吹き付けて平版印刷版原版の全面を加熱し、110℃に、15秒間保持した。その後、30秒以内に、下記現像液を用いて実施例1と同様にして現像した。結果を表2に示す。
<現像液(22)〜(27)>
・水 100.00重量部
・N−ラウリルジメチルベタイン 10.00重量部
(竹本油脂(株)製;パイオニンC157K)
・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1.00重量部
・第1リン酸アンモニウム 0.05重量部
・クエン酸 0.05重量部
・エチレンジアミンテトラアセテート四ナトリウム塩 0.05重量部
・表2記載の化合物 3.00重量部
リン酸を用いて現像液のpHが4.5となるように調整した。
Figure 0005364513
〔平版印刷版原版(3)の作製〕
感光層塗布液(1)を下記組成の感光層塗布液(3)に変更し、また、保護層塗布液(1)を下記組成の保護層塗布液(2)に変更した以外は、平版印刷版原版(1)の作製と同様にして、平版印刷版原版(3)を得た。
<感光層塗布液(3)>
・下記バインダーポリマー(3)(平均分子量5万) 0.54重量部
・上記重合性化合物(2) 0.48重量部
・上記増感色素(1) 0.06重量部
・上記重合開始剤(1) 0.18重量部
・上記共増感剤(1) 0.07重量部
・ε−フタロシアニン顔料分散物(1) 0.40重量部
(顔料:15重量部、分散剤としてアリルメタクリレート/メタクリル酸(80/20)共重合体:10重量部、溶剤としてシクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−メトキシ−2−プロパノール=15重量部/20重量部/40重量部)
・熱重合禁止剤 0.01重量部
(N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩)
・上記水溶性フッ素系界面活性剤(1) 0.001重量部
・ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物 0.04重量部
(旭電化工業(株)製、プルロニックL44)
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5重量部
・メチルエチルケトン 8.0重量部
Figure 0005364513
<保護層塗布液(2)>
・下記雲母分散液(1) 13.0重量部
・ポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度500) 1.3重量部
・2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダ 0.2重量部
・ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル=1/1)(分子量7万) 0.05重量部
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.05重量部
・水 133重量部
<雲母分散液(1)の調製>
水368重量部に合成雲母(「ソマシフME−100」:コープケミカル社製、アスペクト比:1,000以上)の32重量部を添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)0.5μmになるまで分散し、雲母分散液(1)を得た。
〔実施例22〜28及び比較例7〕
こうして得られた平版印刷版原版(3)を、表3記載の現像液に変更した以外は実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
<現像液(28)〜(35)>
・水 100.00重量部
・アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム 5.00重量部
(三洋化成工業(株)製エレミノールMON)
・アラビアガム 1.00重量部
・エチレングリコール 0.50重量部
・第一リン酸アンモニウム 0.05重量部
・クエン酸 0.05重量部
・炭酸ナトリウム 1.40重量部
・炭酸水素ナトリウム 0.59重量部
・表3記載の化合物 3.00重量部
リン酸と水酸化ナトリウムとを用いて現像液のpHが9.8となるように調整した。
Figure 0005364513
〔平版印刷版原版(4)の作製〕
(アルミ支持体2の作製)
厚さ0.3mmのJIS−A−1050に従うアルミニウム板を用い、下記に示す工程(a)〜(k)をこの順序で実施して処理した。
(a)機械的粗面化処理
比重1.12の研磨剤(ケイ砂)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行った。研磨剤の平均粒径は8μm、最大粒径は50μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(b)アルカリエッチング処理
得られたアルミニウム板に温度70℃のNaOH水溶液(濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%)をスプレーしてエッチング処理を行い、アルミニウム板を6g/m2溶解した。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル)、温度50℃であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8ms、DUTY比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助陽極にはフェライトを用いた。使用した電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。エッチング量は、3.5g/m2であった。
(f)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15重量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸7.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は矩形波であり、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(j)陽極酸化処理
電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、硫酸濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)、温度は43℃であった。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。電流密度は約30A/dm2であった。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
(k)アルカリ金属ケイ酸塩処理
得られたアルミニウム板を温度30℃の3号ケイ酸ソーダ1重量%水溶液の処理層中へ、10秒間、浸漬することでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行うことにより、アルミニウム支持体を作製した。その際のシリケート付着量は3.6mg/m2であった。
(下層の形成)
上記のように調製したアルミ支持体2の表面上に、以下の組成を有する下塗り層塗布液を乾燥塗布量が10mg/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させて下層を形成させた。
<下塗り層塗布液>
・上記下塗り化合物(1) 1重量部
・メタノール 1,000重量部
(感光層の形成)
引き続いて、下記組成の感光層塗布液(4)をバー塗布した後、70℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の感光層を形成した。
<感光層塗布液(4)>
・下記バインダーポリマー(1) 0.50重量部
・重合性化合物 1.15重量部
(イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステルM−315))
・下記重合開始剤(1) 0.20重量部
・下記赤外線吸収剤(1) 0.05重量部
・下記マイクロカプセル液(1) 2.00重量部
・下記フッ素系界面活性剤(1) 0.05重量部
・ε−フタロシアニン顔料分散物(1) 0.40重量部
(顔料:15重量部、分散剤としてアリルメタクリレート/メタクリル酸(80/20)共重合体:10重量部、溶剤としてシクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−メトキシ−2−プロパノール=15重量部/20重量部/40重量部)
・1−メトキシ−2−プロパノール 18.00重量部
Figure 0005364513
(マイクロカプセル液(1)の合成)
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N)10重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、SR444)3.15重量部、下記の赤外線吸収剤(2)0.35重量部、及びパイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.1重量部を酢酸エチル17重量部に溶解した。水相成分としてPVA−205の4重量%水溶液40重量部を調製した。油相成分及び水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12,000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25重量部に添加し、室温で30分撹拌後、40℃で3時間撹拌した。このようにして得られたマイクロカプセル液(1)の固形分濃度を、20重量%になるように蒸留水を用いて希釈した。平均粒径は0.3μmであった。
Figure 0005364513
(保護層の形成)
上記感光層上に上記保護層塗布液2を乾燥塗布重量が0.5g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥して保護層を設け、平版印刷版原版(4)を得た。
〔実施例29〜31及び比較例8〕
こうして得られた平版印刷版原版(4)を、水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力9W、解像度2,400dpi、標準露光量150mJ/cm2の条件で露光した後、現像液として表1記載の化合物を下記表4記載の化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして現像した。結果を表4に示す。
Figure 0005364513
61 回転ブラシロール
62 受けロール
63 搬送ロール
64 搬送ガイド板
65 スプレーパイプ
66 管路
67 フィルター
68 給版台
69 排版台
70 現像液タンク
71 循環ポンプ
72 版

Claims (10)

  1. 界面活性剤と、
    分子内に顔料吸着基及び親水性基を有する分子量1,500以下の化合物とを含有し、
    pHが2〜10であり、
    前記化合物が、下記式(1)で表される化合物であり、
    Figure 0005364513
    (式(1)中、Xは顔料吸着基を表し、Yは下記式(2)〜(8)のいずれかで表される基を表し、nは1〜6の整数を表し、nが2以上である場合、2つ以上存在するYはそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。)
    Figure 0005364513
    (式(2)〜(8)中、R 1 〜R 3 はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又は、顔料吸着基を表し、Mは水素原子、又は、金属原子を表し、Z - はカウンターアニオンを表し、L 1 はポリアルキレンオキシ基を表し、L 2 及びL 3 はそれぞれ独立に、単結合、又は、C、H、O、N、S及びハロゲン原子よりなる群から選ばれた1以上の原子からなる二価の有機基を表し、また、R 1 〜R 3 、L 2 及びL 3 のうち、任意の2つが環を形成していてもよい。)
    式(1)中、Xで表される顔料吸着基が、下記式(A)〜(J)で表される化合物のR a 〜R i から水素原子をn個(nは1〜6の整数を表す。)除いた基であり、
    Figure 0005364513
    (式(A)〜(J)中、R a 〜R i はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた1以上の原子からなる一価の有機基を表し、A 1 はO、S又はNR j を表し、R j はR a と同義であり、A 2 は単結合、O、S、CO、SO、SO 2 又はNR j を表し、Arは置換基を有していてもよいアリール基を表し、mは0〜6の整数を表し、また、R a 〜R j のうち、任意の2つが環を形成してもよい。)
    前記化合物が、下記(C−01)〜(C−36)よりなる群から選択されることを特徴とする
    Figure 0005364513
    (式中、TsO - はp−CH 3 6 4 SO 3 - であり、MsO - はCH 3 SO 3 - である。)
    平版印刷版原版用現像液。
  2. 式(1)におけるYが、前記式(2)、(3)、(5)又は(6)で表される基である請求項に記載の平版印刷版原版用現像液。
  3. 前記顔料吸着基が、前記式(A)〜(G)で表される化合物から水素原子をn個(nは1〜6の整数である。)除いた基である請求項又はに記載の平版印刷版原版用現像液。
  4. 更に、pH緩衝剤を含有する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の平版印刷版原版用現像液。
  5. pH緩衝剤として、炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含有する、請求項4に記載の平版印刷版用現像液。
  6. 支持体上に、少なくとも顔料を含有する感光層を設けた平版印刷版原版を、レーザーで画像露光する露光工程、及び、
    像液の存在下で非露光部の感光層を除去する現像工程を含み、
    前記現像液が、請求項1〜5のいずれか1つに記載の平版印刷版用現像液であることを特徴とする
    平版印刷版の製造方法。
  7. 前記露光工程の後であり、かつ前記現像工程の前に、平版印刷版原版を100℃以上に加熱する工程を含む請求項に記載の平版印刷版の製造方法。
  8. 前記顔料が、フタロシアニン顔料である請求項又はに記載の平版印刷版の製造方法。
  9. 前記現像工程が、非露光部の感光層の除去及びガム引き処理を1液で行う工程である請求項のいずれか1つに記載の平版印刷版の製造方法。
  10. 前記現像工程の前及び後のいずれにも水洗工程を施さない請求項のいずれか1つに記載の平版印刷版の製造方法。
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