JP2007328243A - 平版印刷版の作製方法および平版印刷版原版 - Google Patents

平版印刷版の作製方法および平版印刷版原版 Download PDF

Info

Publication number
JP2007328243A
JP2007328243A JP2006160769A JP2006160769A JP2007328243A JP 2007328243 A JP2007328243 A JP 2007328243A JP 2006160769 A JP2006160769 A JP 2006160769A JP 2006160769 A JP2006160769 A JP 2006160769A JP 2007328243 A JP2007328243 A JP 2007328243A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
lithographic printing
examples
compound
printing plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006160769A
Other languages
English (en)
Inventor
Akinori Shibuya
明規 渋谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2006160769A priority Critical patent/JP2007328243A/ja
Publication of JP2007328243A publication Critical patent/JP2007328243A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】高感度で、セーフライト適性に優れ、現像時に現像機中の現像浴にカスが発生しにくい平版印刷版原版をpH2.0〜10.0の水性現像液で現像する製版方法、およびこの方法に用いる平版印刷版原版を提供する。
【解決手段】(A)特定の増感色素、(B)開始剤化合物、(C)重合性化合物、(D)酸価0.3meq/g以下の疎水性バインダーポリマーを含有する感光層と、保護層とをこの順に有する平版印刷版原版を、350〜450nmのレーザー露光した後、擦り部材を備えた自動処理機により、pHが2〜10の現像液の存在下、擦り部材で版面を擦ることにより、保護層および非露光部の感光層を除去することを特徴とする平版印刷版の作製方法およびこの方法に用いる平版印刷版原版。
【選択図】なし

Description

本発明は平版印刷版の作製方法およびその方法に用いる平版印刷版原版に関する。
一般に平版印刷版は、親油性の画像部と親水性の非画像部からなる表面を有する。平版印刷は、この版表面に湿し水と油性インキとを交互に与え、水と油が互いに反発する性質を利用して、親水性の非画像部を湿し水受容部(インキ非受容部)とし、親油性の画像部のみにインキを受容させた後、紙等の被印刷体にインキを転写して印刷する方法である。
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光層(画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルム等の原画を通した露光を行った後、画像部となる画像記録層を残存させ、それ以外の不要な画像記録層をアルカリ性現像液または有機溶剤によって溶解して除去することで親水性の支持体の表面を露出させて非画像部を形成する方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
従来の平版印刷版原版の製版工程においては、露光の後、不要な画像記録層を現像液等によって溶解除去する工程が必要であるが、このような付加的に行われる湿式処理を簡易化することが課題の一つとして挙げられている。簡易化の一つとして、中性に近い水溶液または単なる水で現像できることが望まれている。
一方、近年、画像情報を、コンピュータを用いて電子的に処理し、蓄積し、出力する、デジタル化技術が広く普及してきており、このようなデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきている。これに伴い、レーザー光のような高収斂性の輻射線にデジタル化された画像情報を担持させて、その光で平版印刷版原版を走査露光し、リスフィルムを介することなく、直接平版印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート技術が注目されてきている。従って、このような技術に適応した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題の一つとなっている。
上述のような背景から、現在、製版作業の簡易化とデジタル化の両面への適合が、従来にも増して、強く望まれるようになってきている。
これに対して、例えば、特許文献1には、親水性支持体上に、疎水性化前駆体、親水性樹脂、光熱変換剤を含有する画像形成層を有する平版印刷版原版の画像形成層中に、さらにエチレンオキシド鎖を有する化合物を含有することによって、機上現像のほかに、露光後、水または適当な水溶液を現像液とする液体現像処理を施して印刷に用いることが可能であると記載されている。
また、特許文献2には、(i)親水性支持体、および(ii)ラジカル重合性エチレン状不飽和モノマー、ラジカル重合開始剤および赤外吸収染料を含有し、赤外レーザー露光により硬化し、しかも60質量%以上の水を含有し、pH2.0〜10.0の水性現像液で現像可能な親油性感熱層からなる平版印刷版原版を用意し、赤外レーザーで画像様に露光し、水性現像液で該感熱層の未硬化領域を除くことからなる平版印刷版原版の処理方法が記載されている。
特開2002−365789号公報 米国特許出願公開2004/0013968号明細書
しかしながら、pH2.0〜10.0の水性現像液に対する現像性を維持するためには、感光層は親水性または高水浸透性であることが必要であり、露光により硬化した感光層の耐水性や皮膜強度が不十分であった。この問題を克服するためには、高感度、すなわち硬化効率の高い反応系で未露光部と露光部の耐水性のディスクリミネーションを向上させ、しかもセーフライト下での取り扱いでカブリを生じない技術が必要とされた。また、現像機中の現像浴に発生するカスを抑制することも求められている。
本発明はこの課題に応えるものである。本発明の目的は、高感度で、セーフライト適性に優れ、現像時に現像機中の現像浴にカスが発生しにくい平版印刷版原版をpH2.0〜10.0の水性現像液で現像する製版方法、およびこの方法に用いる平版印刷版原版を提供することである。
本発明者は、画像露光に350〜450nmのレーザーを用い、高感度で、特定構造の増感色素と開始剤化合物を感光層に使用することによって上記課題を解決できた。すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)親水性支持体上に、(A)一般式(1)及び(2)で表される化合物群より選択される少なくとも1種の増感色素、(B)開始剤化合物、(C)重合性化合物、及び(D)酸価0.3meq/g以下のバインダーポリマーを含有する感光層と、保護層とをこの順に有する平版印刷版原版を、350〜450nmのレーザー露光した後、擦り部材を備えた自動処理機により、pHが2〜10の現像液の存在下、擦り部材で版面を擦ることにより、保護層および非露光部の感光層を除去することを特徴とする平版印刷版の作製方法。
(式中、Xは、それぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、それぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表す。)

(式中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、それぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表し、Aは炭素数2
0以下の置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基を表す。)
(2)(D)酸価0.3meq/g以下の疎水性バインダーポリマーが、側鎖に架橋性基を有する(メタ)アクリル共重合体および側鎖に架橋性基を有するポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記(1)に記載の平版印刷版の作製方法。
(3)(B)開始剤化合物がヘキサアリールビイミダゾール系化合物であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の平版印刷版の作製方法。
(4)親水性支持体上に、(A)一般式(1)及び(2)で表される化合物群より選択される少なくとも1種の増感色素、(B)開始剤化合物、(C)重合性化合物、及び(D)酸価0.3meq/g以下のバインダーポリマーを含有する感光層と、保護層とをこの順に有する平版印刷版原版であって、該平版印刷版原版を、350〜450nmのレーザー露光した後、擦り部材を備えた自動処理機により、pHが2〜10の現像液の存在下、擦り部材で版面を擦ることにより、保護層および非露光部の感光層を除去可能な平版印刷版原版。
(式中、Xは、それぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、それぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表す。)
(式中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、それぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表し、Aは炭素数20以下の置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基を表す。)
(5)(D)酸価0.3meq/g以下の疎水性バインダーポリマーが、側鎖に架橋性基を有する(メタ)アクリル共重合体および側鎖に架橋性基を有するポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記(4)に記載の平版印刷版原版。
(6)(B)開始剤化合物がヘキサアリールビイミダゾール系化合物であることを特徴とする前記(4)又は(5)に記載の平版印刷版原版。
本発明によれば、高感度で、セーフライト適性に優れ、現像時に現像機中の現像浴にカスが発生しにくい平版印刷版原版をpH2.0〜10.0の水性現像液で現像する製版方法、およびこの方法に用いる平版印刷版原版を提供できる。
〔平版印刷版原版〕
最初に本発明に用いる平版印刷版原版について説明する。
<感光層>
本発明に用いられる感光層は、(A)一般式(1)及び(2)で表される化合物群より選択される少なくとも1種の増感色素、(B)開始剤化合物、(C)重合性化合物、(D)酸価0.3meq/g以下の疎水性バインダーポリマーを含有する。また本発明に用いられる感光層は、必要に応じて、さらにその他の成分を含有することができる。以下、感光層の構成成分について詳細に説明する。
(A1)増感色素
本発明者は、高感度を得るためには増感色素が一般式(1)で表される部分構造を有することが非常に重要であることを見出したが、その作用機構は明らかではない。本発明の増感色素は高強度の発光(ケイ光および/またはリン光)スペクトルを示す。このことから、一つの可能性として、上記部分構造を有する本発明の増感色素は励起寿命が比較的長いため、活性剤化合物との反応の効率化に作用していることが考えられる。その他の可能性として、一般式(1)で表される部分構造が、増感初期過程(電子移動等)の効率化や、さらに活性剤化合物分解に至る後続反応の効率化に寄与している可能性もある。また、一般式(1)で表される増感色素は、pH2.0〜10.0の水性現像液中での分散性に優れるため、現像時に現像機中の現像浴にカスが発生しにくい。
本発明に用いられる増感色素の一つは下記一般式(1)で表されるものである。
一般式(1)中、Xは、それぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、それぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表す。
一般式(1)について以下に詳しく説明する。
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8(以下R1〜R8と略記する場合がある
)が表す一価の非金属原子団として好ましくは、ハロゲン原子、および炭素数20以下の置換または未置換のアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、およびアルキルスルホン基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
置換または未置換のアルキル基としては、直鎖または分岐または環状のアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルコキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アルコキシカルボニルオキシアルキル基、アルコキシアルコキシカルボニルオキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシアルコキシアルキル基、シアノアルキル基、アシルオキシアルキル基、アシルオキシアルコキシアルキル基、アシルオキシアルコキシアルコキシアルキル基、ハロゲン化アルキル、スルホンアルキル基、アルキルカルボニルアミノアルキル基、アルキルスルホンアミノアルキル基、スルホンアミドアルキル基、アルキルアミノアルキル基、アミノアルキル基、およびアルキルスルホンアルキル基の中から選択される。
直鎖または分岐または環状のアルキル基としては、ポリカーボネート、アクリル、エポキシ、ポリオレフィン基板などへの塗布による加工性を考慮すれば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、neo−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、cyclo−ペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、3−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、cyclo−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,5,5−トリメチルペンチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、4−エチル−4,5−メチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラエチルオクチル基、4−ブチルオクチル基、6,6−ジエチルオクチル基、n−トリデシル基、6−メチル−4−ブチルオクチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、3,5−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチルヘプチル基、2,4−ジメチルヘプチル基、2,2,5,5−テトラメチルヘキシル基、1−cyclo−ペンチル−2,2−ジメチルプロピル基、1−cyclo−ヘキシル−2,2−ジメチルプロピル基などが挙げられる。
アルコキシアルキル基の例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、n−ヘキシルオキシエチル基、4−メチルペントキシエチル基、1,3−ジメチルブトキシエチル基、2−エチルヘキシルオキシエチル基、n−オクチルオキシエチル基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシエチル基、2−メチル−1−iso−プロピルプロポキシエチル基、3−メチル−1−iso−プロピルブチルオキシエチル基、2−エトキシ−1−メチルエチル基、3−メトキシブチル基、3,3,3−トリフルオロプロポキシエチル基、3,3,3−トリクロロプロポキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシアルコキシアルキル基の例としては、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、プロポキシエトキシエチル基、ブトキシエトキシエチル基、ヘキシルオキシエトキシエチル基、1,2−ジメチルプロポキシエトキシエチル基、3−メチル−1−iso−ブチルブトキシエトキシエチル基、2−メトキシ−1−メチルエトキシエチル基、2−ブトキシ−1−メチルエトキシエチル基、2−(2'−エトキシ−1'−メチルエトキシ)−1−メチルエチル基、3,3,3−トリフルオロプロポキシエトキシエチル基、3,3,3−トリクロロプロポキシエトキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシアルコキシアルコキシアルキル基の例としては、メトキシエトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエトキシエチル基、ブトキシエトキシエトキシエチル基、2,2,2−トリフルオロエトキシエトキシエトキシエチル基、2,2,2−トリクロロエトキシエトキシエトキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシカルボニルアルキル基の例としては、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチル基、ブトキシカルボニルエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシカルボニルメチル基、2,2,3,3−テトラクロロプロポキシカルボニルメチル基などが挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシアルキル基の例としては、メトキシカルボニルオキシエチル基、エトキシカルボニルオキシエチル基、ブトキシカルボニルオキシエチル基、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニルオキシエチル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシアルコキシカルボニルオキシアルキル基の例としては、メトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、エトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、ブトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、2,2,2−トリフルオロエトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、2,2,2−トリクロロエトキシエトキシカルボニルオキシエチル基などが挙げられる。
ヒドロキシアルキル基の例としては、2−ヒドロキシエチル基、4−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル基、2−ヒドロキシ−3−エトキシプロピル基、3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基などが挙げられる。
ヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシエチル基、2−(2'−ヒドロキ−1'−メチルエトキシ)−1−メチルエチル基、2−(3'−フルオロ−2'−ヒドロキシプロポキシ)エチル基、2−(3'−クロロ−2'−ヒドロキシプロポキシ)エチル基などが挙げられる。
ヒドロキシアルコキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシエトキシエチル基、[2'−(2'−ヒドロキ−1'−メチルエトキシ)−1'−メチルエトキシ]エトキシエチル基、[2'−(2'−フルオロ−1'−ヒドロキシエトキシ)−1'−メチルエトキシ]エトキシエチル基、[2'−(2'−クロロ−1'−ヒドロキシエトキシ)−1'−メチルエトキシ]エトキシエチル基などが挙げられる。
シアノアルキル基の例としては、2−シアノエチル基、4−シアノブチル基、2−シアノ−3−メトキシプロピル基、2−シアノ−3−クロロプロピル基、2−シアノ−3−エトキシプロピル基、3−ブトキシ−2−シアノプロピル基、2−シアノ−3−フェノキシ
プロピル基、2−シアノプロピル基、2−シアノブチル基などが挙げられる。
アシルオキシアルキル基の例としては、アセトキシエチル基、プロピオニルオキシエチル基、ブチリルオキシエチル基、バレリルオキシエチル基、1−エチルペンチルカルボニルオキシエチル基、2,4,4−トリメチルペンチルカルボニルオキシエチル基、3−フルオロブチリルオキシエチル基、3−クロロブチリルオキシエチル基などが挙げられる。
アシルオキシアルコキシアルキル基の例としては、アセトキシエトキシエチル基、プロピオニルオキシエトキシエチル基、バレリルオキシエトキシエチル基、1−エチルペンチルカルボニルオキシエトキシエチル基、2,4,4−トリメチルペンチルカルボニルオキシエトキシエチル基、2−フルオロプロピオニルオキシエトキシエチル基、2−クロロプロピオニルオキシエトキシエチル基などが挙げられる。
アシルオキシアルコキシアルコキシアルキル基の例としては、アセトキシエトキシエトキシエチル基、プロピオニルオキシエトキシエトキシエチル基、バレリルオキシエトキシエトキシエチル基、1−エチルペンチルカルボニルオキシエトキシエトキシエチル基、2,4,4−トリメチルペンチルカルボニルオキシエトキシエトキシエチル基、2−フルオロプロピオニルオキシエトキシエトキシエチル基、2−クロロプロピオニルオキシエトキシエトキシエチル基などが挙げられる。
ハロゲン化アルキル基の例としては、クロロメチル基、クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、トリフルオロメチル基、ブロムメチル基、ヨウ化メチル基などが挙げられる。
スルホンアルキル基の例としては、スルホンメチル基、スルホンエチル基、スルホンプロピル基などが挙げられる。
アルキルカルボニルアミノアルキル基の例としては、メチルカルボニルアミノエチル基、エチルカルボニルアミノエチル基、プロピルカルボニルアミノエチル基、シクロヘキシルカルボニルアミノエチル基、スクシンイミノエチル基などが挙げられる。
アルキルスルホンアミノアルキル基の例としては、メチルスルホンアミノエチル基、エチルスルホンアミノエチル基、プロピルスルホンアミノエチル基などが挙げられる。
スルホンアミドアルキル基の例としては、スルホンアミドメチル基、スルホンアミドエチル基、スルホンアミドプロピル基などが挙げられる。
アルキルアミノアルキル基の例としては、N−メチルアミノメチル基、N,N−ジメチルアミノメチル基、N,N−ジエチルアミノメチル基、N,N−ジプロピルアミノメチル基、N,N−ジブチルアミノメチル基などが挙げられる。
アミノアルキル基の例としては、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基などが挙げられる。
アルキルスルホンアルキル基の例としては、メチルスルホンメチル基、エチルスルホンメチル基、ブチルスルホンメチル基、メチルスルホンエチル基、エチルスルホンエチル基、ブチルスルホンエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルスルホンメチル基、2,2,3,3−テトラクロロプロピルスルホンメチル基などが挙げられる。
置換または未置換のアルコキシ基の例としては、上記に挙げたアルキル基と同様な置換
基を有するアルコキシ基であり、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、iso−ペントキシ基、neo−ペントキシ基、2−メチルブトキシ基などの低級アルコキシ基が挙げられる。
置換または未置換のアシル基の例としては、上記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアシル基であり、好ましくは、ホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、iso−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、iso−ブチルカルボニル基、sec−ブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、iso−ペンチルカルボニル基、neo−ペンチルカルボニル基、2−メチルブチルカルボニル基、ニトロベンジルカルボニル基などが挙げられる。
置換または未置換のアリール基の例としては、上記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアリール基であり、好ましくは、フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチルナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基などが挙げられる。
置換または未置換のアラルキル基の例としては、上記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアラルキル基であり、好ましくは、ベンジル基、ニトロベンジル基、シアノベンジル基、ヒドロキシベンジル基、メチルベンジル基、トリフルオロメチルベンジル基、ナフチルメチル基、ニトロナフチルメチル基、シアノナフチルメチル基、ヒドロキシナフチルメチル基、メチルナフチルメチル基、トリフルオロメチルナフチルメチル基などが挙げられる。
置換または未置換のアルケニル基の例としては、上記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアルケニル基であり、好ましくは、プロペニル基、1−ブテニル基、iso−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2,2−ジシアノビニル基、2−シアノ−2−メチルカルボキシルビニル基、2−シアノ−2−メチルスルホンビニル基などの低級アルケニル基が挙げられる。
置換または未置換のアルキルチオ基の例としては、上記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアルキルチオ基であり、好ましくは、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、neo−ペンチルチオ基、2−メチルブチルチオ基、メチルカルボキシルエチルチオ基などの低級アルキルチオ基が挙げられる。
置換または未置換のアリールオキシ基の例としては、上記に挙げたアリール基と同様な置換基を有するアリールオキシ基であり、好ましくは、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、2−メトキシフェノキシ基、4−iso−プロピルフェノキシ基などが挙げられる。
置換または未置換のアリールチオ基の例としては、上記に挙げたアリール基と同様な置換基を有するアリールチオ基であり、好ましくは、フェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−メトキシフェニルチオ基、4−t−ブチルフェニルチオ基などが挙げられる。
置換または未置換のヘテロアリール基の例としては、ピロリル基、チエニル基、フラニル基、オキサゾイル基、イソオキサゾイル基、オキサジアゾイル基、イミダゾイル基、ベンゾオキサゾイル基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾイミダゾイル基、ベンゾフラニル基、インドイル基などを挙げることができる。
置換または未置換のアルキルスルホン基の例としては、上記にあげたアルキル基と同様な置換基を有するアルキルスルホン基であり、好ましくは、メチルスルホン基、エチルスルホン基、n−プロピルスルホン基、iso−プロピルスルホン基、n−ブチルスルホン基、iso−ブチルスルホン基、sec−ブチルスルホン基、t−ブチルスルホン基、n−ペンチルスルホン基、iso−ブチルスルホン基、neo−ペンチルスルホン基、2−メチルブチルスルホン基、2−ヒドロキシエチルスルホン基、2−シアノエチルスルホン基などが挙げられる。
なお、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8のより好ましい例としては、他の感光性組成物との相溶性を高める観点で置換または無置換のアルキル基が挙げられる。また、後述の活性剤化合物としてアシルホスフィン化合物を用いる場合には、感度の点でXが硫黄原子であることが好ましい。
本発明の一般式(1)で示される化合物は、公知の方法、例えば、J.Am.Chem.Soc.63,3203(1941)などの記載に準じて容易に製造することができる。すなわち、一般式(21)に表される化合物と、一般式(31)に表される化合物を塩酸等を触媒として反応させることで製造できる。
(式(2)、(3)中、R1〜R8、X1、X2は前記と同じ意味を示す。)
以下に一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例(D1)から(D24)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記式中、Hexとはn−ヘキシル基を意味する。
また、本発明者は、高感度を得るためには増感色素が一般式(2)で表される部分構造を有することが非常に重要であることを見出したが、その作用機構は明らかではない。本発明の増感色素は高強度の発光(ケイ光および/またはリン光)スペクトルを示す。このことから、一つの可能性として、上記部分構造を有する本発明の増感色素は励起寿命が比較的長いため、活性剤化合物との反応の効率化に作用していることが考えられる。その他の可能性として、一般式(2)で表される部分構造が、増感初期過程(電子移動等)の効率化や、さらに活性剤化合物分解に至る後続反応の効率化に寄与している可能性もある。また、一般式(2)で表される増感色素は、pH2.0〜10.0の水性現像液中での分散性に優れるため、現像時に現像機中の現像浴にカスが発生しにくい。
本発明に用いられる増感色素の一つは下記一般式(2)で表されるものである。
一般式(2)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、それぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表し、Aは炭素数20以下の置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基を表す。
一般式(2)について以下に詳しく説明する。
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8(以下R1〜R8と略記する場合がある)が表す一価の非金属原子団として好ましくは、ハロゲン原子、および炭素数20以下の
置換または未置換のアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、およびアルキルスルホン基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
置換または未置換のアルキル基としては、直鎖または分岐または環状のアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルコキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アルコキシカルボニルオキシアルキル基、アルコキシアルコキシカルボニルオキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシアルコキシアルキル基、シアノアルキル基、アシルオキシアルキル基、アシルオキシアルコキシアルキル基、アシルオキシアルコキシアルコキシアルキル基、ハロゲン化アルキル、スルホンアルキル基、アルキルカルボニルアミノアルキル基、アルキルスルホンアミノアルキル基、スルホンアミドアルキル基、アルキルアミノアルキル基、アミノアルキル基、およびアルキルスルホンアルキル基の中から選択される。
直鎖または分岐または環状のアルキル基としては、ポリカーボネート、アクリル、エポキシ、ポリオレフィン基板などへの塗布による加工性を考慮すれば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、neo−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、cyclo−ペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、3−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、cyclo−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,5,5−トリメチルペンチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、4−エチル−4,5−メチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラエチルオクチル基、4−ブチルオクチル基、6,6−ジエチルオクチル基、n−トリデシル基、6−メチル−4−ブチルオクチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、3,5−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチルヘプチル基、2,4−ジメチルヘプチル基、2,2,5,5−テトラメチルヘキシル基、1−cyclo−ペンチル−2,2−ジメチルプロピル基、1−cyclo−ヘキシル−2,2−ジメチルプロピル基などが挙げられる。
アルコキシアルキル基の例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、n−ヘキシルオキシエチル基、4−メチルペントキシエチル基、1,3−ジメチルブトキシエチル基、2−エチルヘキシルオキシエチル基、n−オクチルオキシエチル基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシエチル基、2−メチル−1−iso−プロピルプロポキシエチル基、3−メチル−1−iso−プロピルブチルオキシエチル基、2−エトキシ−1−メチルエチル基、3−メトキシブチル基、3,3,3−トリフルオロプロポキシエチル基、3,3,3−トリクロロプロポキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシアルコキシアルキル基の例としては、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、プロポキシエトキシエチル基、ブトキシエトキシエチル基、ヘキシルオキシエトキシエチル基、1,2−ジメチルプロポキシエトキシエチル基、3−メチル−1−iso−ブチルブトキシエトキシエチル基、2−メトキシ−1−メチルエトキシエチル基、2−ブトキシ−1−メチルエトキシエチル基、2−(2'−エトキシ−1'−メチルエトキシ)−1−メチルエチル基、3,3,3−トリフルオロプロポキシエトキシエチル基、3,3,3−トリクロロプロポキシエトキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシアルコキシアルコキシアルキル基の例としては、メトキシエトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエトキシエチル基、ブトキシエトキシエトキシエチル基、2,2,2−トリフルオロエトキシエトキシエトキシエチル基、2,2,2−トリクロロエトキシエトキシエトキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシカルボニルアルキル基の例としては、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチル基、ブトキシカルボニルエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシカルボニルメチル基、2,2,3,3−テトラクロロプロポキシカルボニルメチル基などが挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシアルキル基の例としては、メトキシカルボニルオキシエチル基、エトキシカルボニルオキシエチル基、ブトキシカルボニルオキシエチル基、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニルオキシエチル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシアルコキシカルボニルオキシアルキル基の例としては、メトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、エトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、ブトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、2,2,2−トリフルオロエトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、2,2,2−トリクロロエトキシエトキシカルボニルオキシエチル基などが挙げられる。
ヒドロキシアルキル基の例としては、2−ヒドロキシエチル基、4−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル基、2−ヒドロキシ−3−エトキシプロピル基、3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基などが挙げられる。
ヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシエチル基、2−(2'−ヒドロキ−1'−メチルエトキシ)−1−メチルエチル基、2−(3'−フルオロ−2'−ヒドロキシプロポキシ)エチル基、2−(3'−クロロ−2'−ヒドロキシプロポキシ)エチル基などが挙げられる。
ヒドロキシアルコキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシエトキシエチル基、[2'−(2'−ヒドロキ−1'−メチルエトキシ)−1'−メチルエトキシ]エトキシエチル基、[2'−(2'−フルオロ−1'−ヒドロキシエトキシ)−1'−メチルエトキシ]エトキシエチル基、[2'−(2'−クロロ−1'−ヒドロキシエトキシ)−1'−メチルエトキシ]エトキシエチル基などが挙げられる。
シアノアルキル基の例としては、2−シアノエチル基、4−シアノブチル基、2−シアノ−3−メトキシプロピル基、2−シアノ−3−クロロプロピル基、2−シアノ−3−エトキシプロピル基、3−ブトキシ−2−シアノプロピル基、2−シアノ−3−フェノキシ
プロピル基、2−シアノプロピル基、2−シアノブチル基などが挙げられる。
アシルオキシアルキル基の例としては、アセトキシエチル基、プロピオニルオキシエチル基、ブチリルオキシエチル基、バレリルオキシエチル基、1−エチルペンチルカルボニルオキシエチル基、2,4,4−トリメチルペンチルカルボニルオキシエチル基、3−フルオロブチリルオキシエチル基、3−クロロブチリルオキシエチル基などが挙げられる。
アシルオキシアルコキシアルキル基の例としては、アセトキシエトキシエチル基、プロピオニルオキシエトキシエチル基、バレリルオキシエトキシエチル基、1−エチルペンチルカルボニルオキシエトキシエチル基、2,4,4−トリメチルペンチルカルボニルオキシエトキシエチル基、2−フルオロプロピオニルオキシエトキシエチル基、2−クロロプロピオニルオキシエトキシエチル基などが挙げられる。
アシルオキシアルコキシアルコキシアルキル基の例としては、アセトキシエトキシエトキシエチル基、プロピオニルオキシエトキシエトキシエチル基、バレリルオキシエトキシエトキシエチル基、1−エチルペンチルカルボニルオキシエトキシエトキシエチル基、2,4,4−トリメチルペンチルカルボニルオキシエトキシエトキシエチル基、2−フルオロプロピオニルオキシエトキシエトキシエチル基、2−クロロプロピオニルオキシエトキシエトキシエチル基などが挙げられる。
ハロゲン化アルキル基の例としては、クロロメチル基、クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、トリフルオロメチル基、ブロムメチル基、ヨウ化メチル基などが挙げられる。
スルホンアルキル基の例としては、スルホンメチル基、スルホンエチル基、スルホンプロピル基などが挙げられる。
アルキルカルボニルアミノアルキル基の例としては、メチルカルボニルアミノエチル基、エチルカルボニルアミノエチル基、プロピルカルボニルアミノエチル基、シクロヘキシルカルボニルアミノエチル基、スクシンイミノエチル基などが挙げられる。
アルキルスルホンアミノアルキル基の例としては、メチルスルホンアミノエチル基、エチルスルホンアミノエチル基、プロピルスルホンアミノエチル基などが挙げられる。
スルホンアミドアルキル基の例としては、スルホンアミドメチル基、スルホンアミドエチル基、スルホンアミドプロピル基などが挙げられる。
アルキルアミノアルキル基の例としては、N−メチルアミノメチル基、N,N−ジメチルアミノメチル基、N,N−ジエチルアミノメチル基、N,N−ジプロピルアミノメチル基、N,N−ジブチルアミノメチル基などが挙げられる。
アミノアルキル基の例としては、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基などが挙げられる。
アルキルスルホンアルキル基の例としては、メチルスルホンメチル基、エチルスルホンメチル基、ブチルスルホンメチル基、メチルスルホンエチル基、エチルスルホンエチル基、ブチルスルホンエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルスルホンメチル基、2,2,3,3−テトラクロロプロピルスルホンメチル基などが挙げられる。
置換または未置換のアルコキシ基の例としては、上記に挙げたアルキル基と同様な置換
基を有するアルコキシ基であり、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、iso−ペントキシ基、neo−ペントキシ基、2−メチルブトキシ基などの低級アルコキシ基が挙げられる。
置換または未置換のアシル基の例としては、上記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアシル基であり、好ましくは、ホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、iso−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、iso−ブチルカルボニル基、sec−ブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、iso−ペンチルカルボニル基、neo−ペンチルカルボニル基、2−メチルブチルカルボニル基、ニトロベンジルカルボニル基などが挙げられる。
置換または未置換のアリール基の例としては、上記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアリール基であり、好ましくは、フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチルナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基などが挙げられる。
置換または未置換のアラルキル基の例としては、上記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアラルキル基であり、好ましくは、ベンジル基、ニトロベンジル基、シアノベンジル基、ヒドロキシベンジル基、メチルベンジル基、トリフルオロメチルベンジル基、ナフチルメチル基、ニトロナフチルメチル基、シアノナフチルメチル基、ヒドロキシナフチルメチル基、メチルナフチルメチル基、トリフルオロメチルナフチルメチル基などが挙げられる。
置換または未置換のアルケニル基の例としては、上記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアルケニル基であり、好ましくは、プロペニル基、1−ブテニル基、iso−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2,2−ジシアノビニル基、2−シアノ−2−メチルカルボキシルビニル基、2−シアノ−2−メチルスルホンビニル基などの低級アルケニル基が挙げられる。
置換または未置換のアルキルチオ基の例としては、上記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアルキルチオ基であり、好ましくは、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、neo−ペンチルチオ基、2−メチルブチルチオ基、メチルカルボキシルエチルチオ基などの低級アルキルチオ基が挙げられる。
置換または未置換のアリールオキシ基の例としては、上記に挙げたアリール基と同様な置換基を有するアリールオキシ基であり、好ましくは、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、2−メトキシフェノキシ基、4−iso−プロピルフェノキシ基などが挙げられる。
置換または未置換のアリールチオ基の例としては、上記に挙げたアリール基と同様な置換基を有するアリールチオ基であり、好ましくは、フェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−メトキシフェニルチオ基、4−t−ブチルフェニルチオ基などが挙げられる。
置換または未置換のヘテロアリール基の例としては、ピロリル基、チエニル基、フラニル基、オキサゾイル基、イソオキサゾイル基、オキサジアゾイル基、イミダゾイル基、ベンゾオキサゾイル基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾイミダゾイル基、ベンゾフラニル基、インドイル基などを挙げることができる。
置換または未置換のアルキルスルホン基の例としては、上記にあげたアルキル基と同様な置換基を有するアルキルスルホン基であり、好ましくは、メチルスルホン基、エチルスルホン基、n−プロピルスルホン基、iso−プロピルスルホン基、n−ブチルスルホン基、iso−ブチルスルホン基、sec−ブチルスルホン基、t−ブチルスルホン基、n−ペンチルスルホン基、iso−ブチルスルホン基、neo−ペンチルスルホン基、2−メチルブチルスルホン基、2−ヒドロキシエチルスルホン基、2−シアノエチルスルホン基などが挙げられる。
Aの好ましい具体例としては、R1〜R8の具体例として挙げた置換または未置換のアリール基、置換または未置換のヘテロアリール基等が挙げられる。
なお、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8のより好ましい例としては、他の感光性組成物との相溶性を高める観点で置換または無置換のアルキル基が挙げられる。また、後述の活性剤化合物としてアシルホスフィン化合物を用いる場合には、感度の点でXが硫黄原子であることが好ましい。また、Aはアミノ基を有するアリール基がより好ましい。
本発明の一般式(2)で示される化合物は、公知の方法、例えば、J.Am.Chem.Soc.63,3203(1941)などの記載に準じて容易に製造することができる。すなわち、下記一般式(22)に表される化合物と、下記一般式(32)に表される化合物とを塩酸等を触媒として反応させることで製造できる。
(式(22)及び(32)中、R1〜R8、XおよびAは前記と同じ意味を示す。)
以下に、一般式(2)で表される化合物の好ましい具体例(D1)’〜(D26)’を示すが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる増感色素は、前述のように、pHが2〜10の現像液で現像処理を行なう本発明における系において、現像液中での分散性に優れるため、現像カスを生じにくい特徴を有する。
これらの増感色素のどの構造を用いるか、単独で使用するか、2種以上併用するか、添加量はどうか、といった使用法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて適宜設定できる。例えば、増感色素を2種以上併用することで、感光層への相溶性を高める事ができる。増感色素の選択は、感光性の他、使用する光源の発光波長でのモル吸光係数が重要な因子である。モル吸光係数の大きな色素を使用する事により、色素の添加量は比較的少なくできるので、経済的であり、かつ感光層の膜物性の点からも有利である。感光層の感光性、解像度や、露光膜の物性は光源波長での吸光度に大きな影響を受けるので、これらを考慮して増感色素の添加量を適宜選択する。例えば、吸光度が0.1以下の低い領域では感度が低下する。また、ハレーションの影響により低解像度となる。但し、例えば5μm以上の厚い膜を硬化せしめる目的に対しては、この様な低い吸光度の方がかえって硬化度をあげられる場合もある。また、吸光度が3以上の様な高い領域では、感光層表面で大部分の光が吸収され、より内部での硬化が阻害され、例えば印刷版として使用した場合には膜強度、基板密着性の不十分なものとなる。比較的薄い膜厚で使用する平版印刷版としての使用に際しては、増感色素の添加量は、感光層の吸光度が0.1〜1.5の範囲、好ましくは0.25〜1の範囲となるように設定するのが好ましい。平版印刷版として利用する場合には、これは、通常、感光層成分100質量部に対し、0.05〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部、さらに好ましくは0.2〜10質量部の範囲である。
(B)開始剤化合物
本発明における光開始系の第2の必須成分である、開始剤化合物(以下「重合開始剤」
または「開始剤」と記す場合がある)について説明する。本発明における開始剤は増感色素の電子励起状態との相互作用をへて、化学変化を生じ、ラジカル、酸、塩基の少なくともいずれか1種を生成する化合物である。以下、このようにして生じたラジカル、酸、塩基を単に活性種と呼ぶ。これらの化合物が存在しない場合や、開始剤のみを単独で用いた場合には、実用上十分な感度が得られないが、前記、増感色素と、開始剤化合物を併用する一つの態様として、これらを、適切な化学的方法(増感色素と、開始剤化合物との化学結合による連結等)によって単一の化合物として利用することも可能である。このような技術思想は、例えば、特公昭2720195号に開示されている。
通常これらの、開始剤の多くは、次の、(i)から(iii)の初期化学プロセスをへて、活性種を生成するものと考えられる。即ち、(i)増感色素の電子励起状態から開始剤への電子移動反応に基づく、開始剤の還元的分解、(ii)開始剤から増感色素の電子励起状態への電子移動に基づく、開始剤の酸化的分解、(iii)増感色素の電子励起状態から開始剤へのエネルギー移動に基づく、開始剤の電子励起状態からの分解、である。個々の、開始剤化合物が(i)から(iii)のどのタイプに属するかに関しては、曖昧な場合も多いが、本発明における、増感色素の大きな特徴は、これら、何れのタイプの開始剤と組み合わせても非常に高い増感効果を示すことにある。
具体的な開始剤化合物は当業者間で公知のものを制限なく使用でき、具体的には、例えば、Bruce M. Monroeら著、Chemical Revue,93,435(1993).やR.S.Davidson著、Journal of Photochemistry and Biology A:Chemistry, 73.81(1993),J.P.Faussier "Photoinitiated Polymerization-Theory and Applications" :Rapra Review vol.9, Report, Rapra Technology(1998).M.Tsunooka et al.,Prog.Polym.Sci.,21,1(1996).に多く、記載されている。また、前記(i)、(ii)の機能を有する他の化合物群としては、さらに、F.D.Saeva, Topics in Current Chemistry, 156,59(1990).G. G. Maslak, Topics in Current Chemistry,168,1(1993), H.B.Shuster et al,JACS,112,6329(1990).I.D.F.Eaton et al,JACS,102,3298(1980). 等に記載されているような、酸化的もしくは還元的に結合解裂を生じる化合物群も知られる。
以下、好ましい開始剤の具体例に関し、(a)還元されて結合解裂を起こし活性種を生成するもの、(b)酸化されて結合解裂を起こし活性種を生成しうるもの、(c)その他のものに分類して説明するが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては通説がない場合も多く、本発明はこれらの反応機構に関する記述に制限を受けるものではない。
(a)還元されて結合解裂を起こし活性種を生成するもの。
炭素−ハロゲン結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性種を発生すると考えられる(例えば、Polymer Preprints,Jpn.,41(3)542(1992).に記載れている)。活性種としては、ラジカル、酸を発生しうる。具体的には、例えば、ハロメチル−s−トリアジン類の他、M.P.Hutt,E.F.ElslagerおよびL.M.Merbel著, Journal of Heterocyclic Chemistry, 7, 511(1970).に記載される合成方法により当業者が容易に合成しうるハロメチルオキサジアゾール類、また、ドイツ特許2641100号、同3333450号、同3021590号、同3021599号に記載される化合物等が好適に使用できる。
窒素−窒素結合もしくは、含窒素ヘテロ環−含窒素ヘテロ環結合を有する化合物:還元的に結合解裂を起こす(例えば、J.Pys.Chem.,96,207(1992).に記載されている)。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。生成する活性種はロフィンラジカルであり、必要に応じ水素供与体との併用で、ラジカル連鎖反応を開始するほか、ロフィンラジカルによる酸化反応を用いた画像形成も知られる(J.Imaging Sci., 30,
215(1986).に記載される)。
酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる(例えば、Polym.Adv.Technol.,1,287(1990).に記載されている)。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。活性種としてラジカルを発生しうる。
オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性種を発生すると考えられる(例えば、J.Photopolym.Sci.Technol.,3,149(1990).に記載されている)。具体的には例えば、欧州特許104143号、米国特許4837124号、特開平2−150848号、特開平2−96514号に記載されるヨードニウム塩類、欧州特許370693号、同233567号、同297443号、同297442号、同279210号、同422570号、米国特許3902144号、同4933377号、同4760013号、同4734444号、同2833827号に記載されるスルホニウム塩類、ジアゾニウム塩類(置換基を有しても良いベンゼンジアゾニウム等)、ジアゾニウム塩樹脂類(ジアゾジフェニルアミンのホルムアルデヒド樹脂等)、N−アルコキシピリジニウム塩類等(例えば、USP4,743,528号、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、特公昭46−42363号等に記載されるもので、具体的には1−メトキシ−4−フェニルピリジニウム テトラフルオロボレート等)、さらには特公昭52−147277号、同52−14278号,同52−14279号記載の化合物が好適に使用される。活性種としてラジカルや酸を生成する。
活性エステル類:スルホン酸やカルボン酸のニトロベンジルエステル類、スルホン酸やカルボン酸とN-ヒドロキシ化合物(N−ヒドロキシフタルイミドやオキシム等)とのエステル類、ピロガロールのスルホン酸エステル類、ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸エステル類等は還元的に分解しうる。活性種としては、ラジカル、酸、を発生しうる。具体的な、スルホン酸エステル類の例としては、欧州特許0290750号、同046083号,同156153号,同271851号、同0388343号,米国特許3901710号,同4181531号,特開昭60−198538号,特開昭53−133022号に記載されるニトロベンズルエステル化合物、欧州特許0199672,同84515号,同199672,同044115号,同0101122号,米国特許4618564,同4371605号,同4431774号、特開昭64−18143号,特開平2−245756号,特開平4−365048号記載のイミノスルホネート化合物、特公昭62−6223号、特公昭63−14340号,特開昭59−174831号に記載される化合物等が挙げられ、さらに、例えば下記に示すような化合物が挙げられる。
(式中、Arは置換されても良い芳香族基、脂肪族基を表す。)また、活性種として塩基を生成することも可能であり、例えば下記のような化合物群が知られる。
フェロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的には例え
ば、特開平1−304453号、特開平1−152109号に開示されている。
(式中Rは置換されても良い脂肪族基、芳香族基を表す。)
ジスルホン類:還元的にS−S結合解裂を起こし酸を発生しうる。例えば特開昭61−166544に記載されるようなジフェニルジスルホン類が知られる。
(b)酸化されて結合解裂を起こし活性種を生成するもの。
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる(例えば、J.Am.Chem.Soc.,112,6329(1990).に記載される)。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる(例えば、J.Am.Chem.Soc.,116,4211(1994).に記載される)。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等が挙げられる。
含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
α−置換メチルカルボニル化合物:酸化により、カルボニル−α炭素間の結合解裂により、活性ラジカルを生成しうる。また、カルボニルをオキシムエーテルに変換したものも同様の作用を示す。具体的には、2−アルキル−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロノン−1類、並びに、これらと、ヒドロキシアミン類とを反応したのち、N−OHをエーテル化したオキシムエーテル類を挙げることができる。
スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的は、アリールスルフィン酸ナトリウム等を挙げることができる。
(c)その他。
増感機構は明確ではないが、開始剤として機能しうるものも多い。チタノセン、フェロセン等の有機金属化合物や芳香族ケトン、アシルフォスフィン、ビスアシルフォスフィン類等が挙げられ、活性種としては、ラジカル、酸を発生しうる。
以下、本発明に使用される開始剤化合物の内、感度や安定性に特に優れる好ましい化合物群を具体的に例示する。
(1)ハロメチルトリアジン類下記式[II]で表される化合物が挙げられる。特にラジカル
発生、酸発生能にすぐれる。
一般式[II]中、Xはハロゲン原子を表す。Y1は−CX'3、−NH2、−NHR1'、−NR1'2、−OR1'を表す。ここでR1'はアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換
アリール基を表す。またR1'は−CX3、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置
換アリール基、置換アルケニル基を表す。
このような化合物の具体例としては、例えば、若林ら著、Bull. Chem. Soc. Japan, 42,2924(1969)記載の化合物、例えば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(2',4'−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン等が挙げられる。その他、英国特許第1388492 号明細書記載の化合物、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−S−トリアジン等、特開昭53−133428号記載の化合物、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン等、独国特許第3337024 号明細書記載の化合物、例えば下記の化合物を挙げることができる。
また、F. C. Schaefer等による J. Org. Chem.,29,1527(1964)記載の化合物、例えば2−メチル−4,6−ビス(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロムメチル)−S−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリブロムメチル−S−トリアジン、2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロルメチル−S−トリアジン等を挙げることができる。
さらに特開昭62−58241号記載の化合物、例えば下記の化合物を挙げることができる。
更に特開平5−281728号記載の化合物、例えば下記の化合物を挙げることができる。
(2)チタノセン類開始剤と特に好適に用いられる、チタノセン化合物は、前記した増感色素との共存下で光照射した場合、活性種を発生し得るチタノセン化合物であればいずれであってもよく、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41483号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−291号、特開平3−27393号、特開平3−12403号、特開平6−41170号公報に記載されている公知の化合物を適宜に選択して用いることができる。
さらに具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフエニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフエニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)フェニル)チタ
ニウム等を挙げることができる。
(3)ボレート塩化合物下記一般式[III]で表されるボレート塩類はラジカル発生能にすぐれる。
一般式[III]中、R51、R52、R53およびR54は互いに同一でも異なっていてもよく、各々置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換の複素環基を示し、R51、R52、R53およびR54はその2個以上の基が結合して環状構造を形成してもよい。ただし、R51、R52、R53およびR54のうち、少なくとも1つは置換または無置換のアルキル基である。Z+はアルカリ金属カチオンまたは第4級アンモニウムカチオンを示す。
上記R51〜R54のアルキル基としては、直鎖、分枝、環状のものが含まれ、炭素原子数1〜18のものが好ましい。具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ステアリル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれる。また置換アルキル基としては、上記のようなアルキル基に、ハロゲン原子(例えば−Cl、−Brなど)、シアノ基、ニトロ基、アリール基(好ましくはフェニル基)、ヒドロキシ基、下記の基、
(ここでR55、R56は独立して水素原子、炭素数1〜14のアルキル基、またはアリール基を示す。)、−COOR57(ここでR57は水素原子、炭素数1〜14のアルキル基、またはアリール基を示す。)、−COOR58または−OR59(ここでR58は炭素数1〜14のアルキル基、またはアリール基を示す。)を置換基として有するものが含まれる。
上記R51〜R54のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの1〜3環のアリール基が含まれ、置換アリール基としては、上記のようなアリール基に前述の置換アルキル基の置換基、または炭素数1〜14のアルキル基を有するものが含まれる。
上記R51〜R54のアルケニル基としては、炭素数2〜18の直鎖、分枝、環状のものが含まれ、置換アルケニル基の置換基としては、前記の置換アルキル基の置換基として挙げたものが含まれる。
上記R51〜R54のアルキニル基としては、炭素数2〜28の直鎖または分枝のものが含
まれ、置換アルキニル基の置換基としては、前記置換アルキル基の置換基として挙げたものが含まれる。
また、上記R51〜R54の複素環基としてはN、SおよびOの少なくとも1つを含む5員環以上、好ましくは5〜7員環の複素環基が挙げられ、この複素環基には縮合環が含まれていてもよい。さらに置換基として前述の置換アリール基の置換基として挙げたものを有していてもよい。
一般式[III]で示される化合物例としては具体的には米国特許第3567453号、同
4343891号、ヨーロッパ特許第109772号、同109773号に記載されている化合物および以下に示すものが挙げられる。
(4)ヘキサアリールビイミダゾール類は安定性に優れ、高感度なラジカル発生が可能である。具体的には、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2'−ビス(o,o'−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−メチルフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
(5)オニウム塩化合物周期律表の15(5B)、16(6B)、17(7B)族元素、具体的にはN、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、Te、Iのオニウム化合物は感度にすぐれた開始剤である、特にヨードニウム塩やスルホニウム塩、とりわけ、ジアリールヨードニウム、トリアリールスルホニウム塩化合物は感度と保存安定性の両方の観点で極
めて優れている。酸、および/またはラジカルの発生が可能であり、これらは目的に応じて、使用条件を適宜選択することで使い分けることができる。具体的には以下の化合物が挙げられる。
(6)有機過酸化物有機過酸化物型の開始剤を用い場合、活性種としてラジカルの発生を非常に高感度で行うことができる。
本発明に使用される成分(ii)の他の例である(c)「有機過酸化物」としては分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、その例としては、例えばメチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3
,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メタ−トルオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシオクタノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチル過酸化マレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、3,3',4,4'−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等がある。
これらの中で、3,3',4,4'−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系が好ましい。
これらの開始剤化合物のうち、感度に優れる点でハロメチルトリアジン類、ヘキサアリールビイミダゾール類が好ましく、とくに好ましい開始剤化合物はヘキサアリールビイミダゾール類である。
以上述べた開始剤に関しても、先の増感色素と同様、さらに、感光層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素や、付加重合性不飽和化合物その他の開始剤パートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
これらの開始剤化合物の使用法に関しても、先述の増感色素同様、感材の性能設計により適宜、任意に設定できる。例えば、2種以上併用することで、感光層への相溶性を高めることができる。開始剤化合物の使用量は通常多い方が感光性の点で有利であり、感光層成分100質量部に対し、0.5〜80質量部、好ましくは1〜50質量部の範囲で用い
ることで十分な感光性が得られる。一方、例えばチタノセン化合物のように、開始剤自身が可視光に吸収を持つような場合、黄色等、白色灯化での使用に際しては、500nm付近の光によるカブリ性の点から開始剤の使用量は少ないことが好ましいが、本発明に用いられる増感色素との組み合わせにより開始剤化合物の使用量は6質量部以下、さらに1.9質量部以下、さらには1.4質量部以下にまで下げても十分な感光性を得ることができる。
(C)重合性化合物
本発明における感光層に用いる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド(EO)変性トリアクリレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリス
リトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号の各公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号の各公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R4)COOCH2CH(R5)OH (A)
(ただし、R4およびR5は、HまたはCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポ
キシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な平版印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、感光層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤化合物、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体や後述の保護層等との密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
上記の重合性化合物は、感光層の全固形分に対して、好ましくは5〜80質量%、更に好ましくは25〜75質量%の範囲で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、更に場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
(D)疎水性バインダーポリマー
本発明に用いられる感光層に使用可能な疎水性バインダーポリマーとしては、非水溶性ポリマーが好ましく用いられる。さらに、本発明に使用可能な疎水性バインダーポリマーは、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基などの酸基を実質的に含有しないものが好ましく、バインダーポリマーの酸価(ポリマー1gあたりの酸含率を化学当量数で表したもの)は、0.3meq/g以下であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1meq/g以下である。
すなわち、本発明に使用可能な疎水性バインダーポリマーは、水およびpH10以上の水溶液に対し不溶であることが好ましく、疎水性バインダーポリマーの水およびpH10以上の水溶液に対する溶解度(飽和溶解時のポリマー濃度)が、0.5質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1質量%以下である。このような疎水性バインダーポリマーを用いることによって、感光層の膜強度、耐水性および着肉性が向上して、耐刷性の向上が得られる。なお、上記溶解度の測定温度は、製版現像時の温度であり、ここでは25℃である。
疎水性バインダーポリマーとしては、本発明の平版印刷版の性能を損なわない限り、好ましくは、上記範囲であれば、従来公知のものを制限なく使用でき、皮膜性を有する線状有機ポリマーが好ましい。
このような疎水性バインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、スチレ
ン系樹脂、ポリエステル樹脂から選ばれる高分子が好ましい。なかでも、アクリル樹脂が好ましく、(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましい。より具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルまたはアラルキルエステルと(メタ)アクリル酸エステルのエステル残基(−COOR)のRに−CH2CH2O−単位または−CH2CH2NH−単位を含む(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が特に好ましい。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの好ましいアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基であり、メチル基がより好ましい。好ましい(メタ)アクリル酸アラルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ベンジルが挙げられる。
さらに、疎水性バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性をもたせることができる。
バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性基は、共重合により導入してもよいし、高分子反応によって導入してもよい。
ここで架橋性基とは、平版印刷版原版を露光した際に感光層中で起こるラジカル重合反応の過程で高分子バインダーを架橋させる基のことである。このような機能の基であれば特に限定されないが、例えば、付加重合反応し得る官能基としてエチレン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が挙げられる。また光照射によりラジカルになり得る官能基であってもよく、そのような架橋性基としては、例えば、チオール基、ハロゲン基、オニウム塩構造等が挙げられる。なかでも、エチレン性不飽和結合基が好ましく、下記一般式(1)〜(3)で表される官能基が特に好ましい。
上記一般式(1)において、Rl〜R3はそれぞれ独立に、水素原子または1価の有機基を表すが、R1としては、好ましくは、水素原子または置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。また、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
Xは、酸素原子、硫黄原子、またはN(R12)−を表し、R12は、水素原子、または1価の有機基を表す。ここで、R12は、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、導入し得る置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、
アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられる。
上記一般式(2)において、R4〜R8は、それぞれ独立に水素原子または1価の有機基を表すが、R4〜R8は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。
導入し得る置換基としては、一般式(1)と同様のものが例示される。また、Yは、酸素原子、硫黄原子、またはN(R12)−を表す。R12は、一般式(1)のR12の場合と同義であり、好ましい例も同様である。
上記一般式(3)において、R9としては、好ましくは、水素原子または置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。R10、R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、導入し得る置換基としては、一般式(1)と同様のものが例示される。また、Zは、酸素原子、硫黄原子、−N(R13)−、または置換基を有してもよいフェニレン基を表す。R13としては、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、メチル基、エチル基、イソプロピル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
上記の中でも、側鎖に架橋性基を有する(メタ)アクリル酸共重合体およびポリウレタ
ンがより好ましい。
架橋性を有する疎水性バインダーポリマーは、例えば、その架橋性基にフリーラジカル(重合開始ラジカルまたは重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、ポリマー間で直接にまたは重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。または、ポリマー中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。
疎水性バインダーポリマー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、疎水性バインダーポリマー1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。
また、水溶液に対する現像性向上という観点からバインダーポリマーは親水的であることが好ましく、さらに耐刷性向上という観点からバインダーポリマーは感光層中に含まれる重合性化合物と相溶性が良いことが重要であり、すなわち親油的であることが好ましい。このような見地から本発明では、現像性と耐刷性を向上させるため疎水性バインダーポリマー中に親水性基と親油性基とを共重合させることも有効である。親水性基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、エチレンオキシ基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシエチル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基等の親水性基を有するものが好適に挙げられる。
疎水性バインダーポリマーは、質量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
疎水性バインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。
疎水性バインダーポリマーは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。疎水性バインダーポリマーの含有量は、感光層の全固形分に対して、5〜90質量%であり、10〜70質量%であるのが好ましく、10〜60質量%であるのがより好ましい。この範囲内で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
(E)共増感剤
ある種の添加剤(以後、共増感剤という)を用いることで、感度をさらに向上させることができる。これらの作用機構は明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、先述の開始系の光吸収により開始される光反応と、それに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、過酸化物、酸化剤、還元剤等)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(a)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(c)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作用するものに分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。
(a)還元されて活性ラジカルを生成する化合物炭素−ハロゲン結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等
が好適に使用できる。
窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。
酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。
オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。
フェロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。
(b)酸化されて活性ラジカルを生成する化合物アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等が挙げられる。
含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
α−置換メチルカルボニル化合物:酸化により、カルボニル−α炭素間の結合解裂により、活性ラジカルを生成しうる。また、カルボニルをオキシムエーテルに変換したものも同様の作用を示す。具体的には、2−アルキル−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロノン−1類、並びに、これらと、ヒドロキシアミン類とを反応したのち、N−OHをエーテル化したオキシムエーテル類を挙げることができる。
スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的には、アリールスルフィン酸ナトリウム等を挙げることができる。
(c)ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換、もしくは連鎖移動剤として作用する化合物:例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等が挙げられる。
これらの共増感剤のより具体的な例は、例えば、特開昭9−236913中に、感度向上を目的とした添加剤として、多く記載されている。以下に、その一部を例示するが、本発明はこれらに限定されるものはない。−TMSはトリメチルシリル基である。
これらの共増感剤の内、以下に述べる連鎖移動剤が特に好ましい。連鎖移動剤は感度および保存安定性向上に寄与する。連鎖移動剤として作用する化合物としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。
本発明に用いられる感光層には、特に、チオール化合物(例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等)を連鎖移動剤として好ましく用いることができる。
なかでも、下記一般式(T)で表されるチオール化合物が特に好適に使用される。連鎖移動剤としてこのチオール化合物を用いることによって、臭気の問題、および感光層から蒸発や他の層への拡散による感度減少を回避し、保存安定性に優れ、さらには高感度で高耐刷の平版印刷版原版が得られる。
一般式(T)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を表し、AはN=C−N部分と共に炭素原子を有する5員環または6員環のヘテロ環を形成する原子団を表し、Aはさらに置換基を有してもよい。
さらに好ましくは下記一般式(T−1)または一般式(T−2)で表されるものが使用される。
一般式(T−1)および式(T−2)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を表し、Xはハロゲン原子、アルコキシル基、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を表す。
以下に、一般式(T)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらのチオール化合物の使用量は感光層の全固形分の質量に対し、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜15質量%である。さらに好ましくは1.0〜10質量%である。
これらの共増感剤に関しても、先の増感色素と同様、さらに、感光層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素や活性剤、付加重合性不飽和化合物その他のパートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
これらの共増感剤は、単独でまたは2種以上併用して用いることができる。使用量はエチレン性不飽和二重結合を有する化合物100質量部に対し0.05〜100質量部、好ましくは1〜80質量部、さらに好ましくは3〜50質量部の範囲が適当である。
<マイクロカプセル>
本発明においては、上記の感光層構成成分および後述のその他の構成成分を感光層に含有させる方法として、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の一部をマイクロカプセルに内包させて感光
層に添加することができる。その場合、各構成成分はマイクロカプセル内および外に、任意の比率で含有させることが可能である。
感光層構成成分をマイクロカプセル化する方法としては、公知の方法が適用できる。例えばマイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457号、同第2800458号明細書にみられるコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号の各明細書、特公昭38−19574号、同42−446号の各公報にみられる界面重合法による方法、米国特許第3418250号、同第3660304号明細書にみられるポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書に見られるイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に見られるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号、同第4087376号、同第4089802号の各明細書にみられる尿素―ホルムアルデヒド系または尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号、同51−9079号の各公報にみられるモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号、米国特許第3111407号明細書にみられるスプレードライング法、英国特許第952807号、同第967074号の各明細書にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる好ましいマイクロカプセル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性質を有するものである。このような観点から、マイクロカプセルの壁材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、およびこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレアおよびポリウレタンが好ましい。また、マイクロカプセル壁に、上記の非水溶性高分子に導入可能なエチレン性不飽和結合等の架橋性基を有する化合物を導入してもよい。
上記のマイクロカプセルの平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましい。0.05〜2.0μmがさらに好ましく、0.10〜1.0μmが特に好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性が得られる。
<その他の感光層成分>
本発明に用いられる感光層には、さらに、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。以下、それらについて説明する。
<界面活性剤>
本発明において、感光層には、現像性の促進および塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるノニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン
類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体が挙げられる。
本発明に用いられるアニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類が挙げられる。
本発明に用いられるカチオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
なお、上記界面活性剤の中で、「ポリオキシエチレン」とあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等の「ポリオキシアルキレン」に読み替えることもでき、本発明においては、それらの界面活性剤も用いることができる。
更に好ましい界面活性剤としては、分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤が挙げられる。このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン型;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン型;パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するウレタン等のノニオン型が挙げられる。また、特開昭62−170950号、同62−226143号および同60−168144号の公報に記載されているフッ素系界面活性剤も好適に挙げられる。
界面活性剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の含有量は、感光層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜7質量%であるのがより好ましい。
<親水性ポリマー>
本発明においては、現像性の向上、マイクロカプセルの分散安定性向上などのため、親水性ポリマーを含有させることができる。
親水性ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性基を有するものが好適に挙げられる。
具体例として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類およびそれらの塩、ポリメタクリル酸類およびそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシピロピルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、加水分解度が60モル%以上、好ましくは80モル%以上である加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマーおよびポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、ポリビニルピロリドン、アルコール可溶性ナイロン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等が挙げられる。
親水性ポリマーは、質量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましい。親水性ポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよい。
親水性ポリマーの感光層への含有量は、感光層全固形分の20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
<着色剤>
本発明では、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、および特開昭62−293247号公報に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、画像記録材料全固形分に対し、0.01〜10質量%の割合が好ましい。
<焼き出し剤>
本発明に用いられる感光層には、焼き出し画像生成のため、酸またはラジカルによって変色する化合物を添加することができる。このような化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
具体例としては、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、パラメチルレッド、コンゴーフレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレット、マラカイドグリーン、パラフクシン、ビクトリアピュアブルーBOH[保土ケ谷化学(株)製]、オイルブルー#603[オリエント化学工業(株)製]、オイルピンク#312[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッド5B[オリエント化学工業(株)製]、オイルスカーレット#308[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドOG[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドRR[オリエント化学工業(株)製]、オイルグリーン#502[オリエント化学工業(株)製]、スピロンレッドBEHスペシャル[保土ケ谷化学工業(株)製]、m−クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、スルホローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシアニリノ−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシステアリルアミノ−4−p−N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−フェニルイミノナフトキノン、1−フェニル−3−メチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン、1−β−ナフチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン等の染料やp,p',p"−ヘキサメチルトリアミノトリフェニルメタン(ロイコクリスタルバイオレット)、Pergascript Blue SRB(チバガイギー社製)等のロイコ染料が挙げられる。
上記の他に、感熱紙や感圧紙用の素材として知られているロイコ染料も好適なものとして挙げられる。具体例としては、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、2−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチル)アミノ−フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)−フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチルー7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(4−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−ベンジルアミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−ザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、などが挙げられる。
酸またはラジカルによって変色する染料の好適な添加量は、それぞれ、感光層固形分に対して0.01〜15質量%の割合である。
<重合禁止剤>
本発明に用いられる感光層には、感光層の製造中または保存中において、ラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、感光層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
<高級脂肪酸誘導体等>
本発明に用いられる感光層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、感光層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
<可塑剤>
本発明に用いられる感光層は可塑剤を含有してもよい。可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。可塑剤の含有量は、感光層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
<無機微粒子>
本発明に用いられる感光層は、画像部の硬化皮膜強度向上のために、無機微粒子を含有してもよい。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウムまたはこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは光熱変換性でなくても、皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲内であると、感光層中に安定に分散して、感光層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。
上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
無機微粒子の含有量は、感光層の全固形分に対して、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
<低分子親水性化合物>
本発明に用いられる感光層は、現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有することができる。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類およびそのエーテルまたはエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類およびその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類およびその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類およびその塩や、テトラエチルアミン塩酸塩等の有機4級アンモニウム塩等が挙げられる。
<感光層の形成>
本発明に用いられる感光層は、必要な上記各成分を溶剤に分散または溶解して塗布液を調製し、塗布して形成される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独または混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
本発明に用いられる感光層は、同一または異なる上記各成分を同一または異なる溶剤に分散、または溶かした塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の感光層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.3〜3.0g/m2が好ましい。この範囲内で、良好な感度と感光層の良好な皮膜特性が得られる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
<保護層>
本発明の平版印刷版原版には、露光時の重合反応を妨害する酸素の拡散侵入を遮断するため、感光層上に保護層(酸素遮断層)を設けることが好ましい。本発明に用いられる保護層は25℃、1気圧下における酸素透過性Aが1.0≦A≦20(mL/m2・day)であることが好ましい。酸素透過性Aが1.0(mL/m2・day)未満で極端に低い場合は、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。逆に、酸素透過性Aが20(mL/ m2・day)を超えて高すぎる場合は感度の低下を招く。酸素透過性Aは、より好ましくは1.5≦A≦12(mL/m2・day)、更に好ましくは2.0≦A≦10.0(mL/m2・day)の範囲である。また、保護層に望まれる特性としては、上記酸素透過性以外に、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できる事が望ましい。この様な保護層に関する工夫が従来なされており、米国特許第3,458,311号明細書、特公昭55−49729号公報に詳しく記載されている。
保護層に使用できる材料としては例えば、比較的結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドなどのような水溶性ポリマーが挙げられ、
これらは単独または混合して使用できる。これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いる事が、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。
保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、およびアセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100モル%加水分解され、重合繰り返し単位が300から2400の範囲のものをあげる事ができる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられ、これらは単独または混合して使用できる。好ましい態様としてはポリビニルアルコールの保護層中の含有率が20〜95質量%、より好ましくは、30〜90質量%である。
また、公知の変性ポリビニルアルコールも好ましく用いることができる。例えば、カルボキシル基、スルホ基等のアニオンで変性されたアニオン変性部位、アミノ基、アンモニウム基等のカチオンで変性されたカチオン変性部位、シラノール変性部位、チオール変性部位等種々の親水性変性部位をランダムに有す各種重合度のポリビニルアルコール、前記のアニオン変性部位、前記のカチオン変性部位、シラノール変性部位、チオール変性部位、更にはアルコキシル変性部位、スルフィド変性部位、ビニルアルコールと各種有機酸とのエステル変性部位、前記アニオン変性部位とアルコール類等とのエステル変性部位、エポキシ変性部位等種々の変性部位をポリマー鎖末端に有す各種重合度のポリビニルアルコール等が挙げられる。
ポリビニルアルコールと混合して使用する成分としてはポリビニルピロリドンまたはその変性物が酸素遮断性、現像除去性といった観点から好ましく、保護層中の含有率が3.5〜80質量%、好ましくは10〜60質量%、さらに好ましくは15〜30質量%である。
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。上記ポリビニルアルコール(PVA)等の(共)重合体の分子量は、2000〜1000万の範囲のものが使用でき、好ましくは2万〜300万範囲のものが適当である。
保護層の他の組成物として、グリセリン、ジプロピレングリコール等を(共)重合体に対して数質量%相当量添加して可撓性を付与することができ、また、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤;アルキルアミノカルボン酸塩、アルキルアミノジカルボン酸塩等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン界面活性剤を(共)重合体に対して数質量%添加することができる。
また、画像部との密着性や、耐傷性も版の取り扱い上極めて重要である。すなわち、水溶性ポリマーからなる親水性の層を親油性の感光層に積層すると、接着力不足による膜剥離が発生しやすく、剥離部分が酸素の重合阻害により膜硬化不良などの欠陥を引き起こす
。これに対し、これら2層間の接着性を改良すべく種々の提案がなされている。例えば米国特許出願番号第292,501号、米国特許出願番号第44,563号には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョンまたは水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などを20〜60質量%混合し、感光層の上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明における保護層に対しては、これらの公知の技術をいずれも適用することができる。このような保護層の塗布方法については、例えば米国特許第3,458,311号明細書、特公昭55−49729号公報に詳しく記載されている。
さらに、本発明の平版印刷版原版における保護層には、酸素遮断性や感光層表面保護性を向上させる目的で、無機質の層状化合物を含有させることも好ましい。
ここで無機質の層状化合物とは、薄い平板状の形状を有する粒子であり、例えば、下記一般式
A(B,C)2-5410(OH,F,O)2〔ただし、AはK,Na,Caの何れか
、BおよびCはFe(II),Fe(III),Mn,Al,Mg,Vの何れかであり、DはSiまたはAlである。〕で表される天然雲母、合成雲母等の雲母群、式3MgO・4SiO・H2Oで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、りん酸ジルコニウムなどが挙げられる。
上記雲母群においては、天然雲母としては白雲母、ソーダ雲母、金雲母、黒雲母および鱗雲母が挙げられる。また、合成雲母としては、フッ素金雲母KMg3 (AlSi310)F2、カリ四ケイ素雲母KMg2.5 Si410)F2等の非膨潤性雲母、およびNaテトラシリリックマイカNaMg2.5 (Si410)F2、NaまたはLiテニオライト(Na,Li)Mg2 Li(Si4 10)F2、モンモリロナイト系のNaまたはLiヘクトライト(Na,Li)1/8 Mg2 /5Li1/8 (Si410)F2等の膨潤性雲母等が挙げられる。更に合成スメクタイトも有用である。
本発明においては、上記の無機質の層状化合物の中でも、合成の無機質の層状化合物であるフッ素系の膨潤性雲母が特に有用である。すなわち、この膨潤性合成雲母や、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイト等の膨潤性粘度鉱物類等は、10〜15A程度の厚さの単位結晶格子層からなる積層構造を有し、格子内金属原子置換が他の粘度鉱物より著しく大きい。その結果、格子層は正電荷不足を生じ、それを補償するために層間にNa+、Ca2+、Mg2+等の陽イオンを吸着している。これらの層間に介在している陽イオンは交換性陽イオンと呼ばれ、いろいろな陽イオンと交換する。特に層間の陽イオンがLi+ 、Na+ の場合、イオン半径が小さいため層状結晶格子間の結合が弱く、水により大きく膨潤する。その状態でシェアーをかけると容易に劈開し、水中で安定したゾルを形成する。ベントナイトおよび膨潤性合成雲母はこの傾向が強く、本発明において有用であり、特に膨潤性合成雲母が好ましく用いられる。
本発明で使用する無機質の層状化合物の形状としては、拡散制御の観点からは、厚さは薄ければ薄いほどよく、平面サイズは塗布面の平滑性や活性光線の透過性を阻害しない限りにおいて大きいほどよい。従って、アスペクト比は20以上であり、好ましくは100以上、特に好ましくは200以上である。なお、アスペクト比は粒子の長径に対する厚さの比であり、たとえば、粒子の顕微鏡写真による投影図から測定することができる。アスペクト比が大きい程、得られる効果が大きい。
本発明で使用する無機質の層状化合物の粒子径は、その平均長径が0.3〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは1〜5μmである。また、該粒子の平均の厚さは、0.1μm以下、好ましくは、0.05μm以下、特に好ましくは、0.01μm以下である。例えば、無機質の層状化合物のうち、代表的化合物である膨潤性合成雲母
のサイズは厚さが1〜50nm、面サイズが1〜20μm程度である。
このようにアスペクト比が大きい無機質の層状化合物の粒子を保護層に含有させると、塗膜強度が向上し、また、酸素や水分の透過を効果的に防止しうるため、変形などによる保護層の劣化を防止し、高湿条件下において長期間保存しても、湿度の変化による平版印刷版原版における画像形成性の低下もなく保存安定性に優れる。
保護層中の無機質層状化合物の含有量は、保護層に使用されるバインダーの量に対し、質量比で5/1〜1/100であることが好ましい。複数種の無機質の層状化合物を併用した場合でも、これら無機質の層状化合物の合計量が上記の質量比であることが好ましい。
次に、保護層に用いる無機質層状化合物の一般的な分散方法の例について述べる。まず、水100質量部に先に無機質層状化合物の好ましいものとして挙げた膨潤性の層状化合物を5〜10質量部添加し、充分水になじませ、膨潤させた後、分散機にかけて分散する。ここで用いる分散機としては、機械的に直接力を加えて分散する各種ミル、大きな剪断力を有する高速攪拌型分散機、高強度の超音波エネルギーを与える分散機等が挙げられる。具体的には、ボールミル、サンドグラインダーミル、ビスコミル、コロイドミル、ホモジナイザー、ティゾルバー、ポリトロン、ホモミキサー、ホモブレンダー、ケディミル、ジェットアジター、毛細管式乳化装置、液体サイレン、電磁歪式超音波発生機、ポールマン笛を有する乳化装置等が挙げられる。上記の方法で分散した無機質層状化合物の5〜10質量%の分散物は高粘度あるいはゲル状であり、保存安定性は極めて良好である。この分散物を用いて保護層塗布液を調製する際には、水で希釈し、充分攪拌した後、バインダー溶液と配合して調製するのが好ましい。
この保護層塗布液には、上記無機質層状化合物の他に、塗布性を向上させための界面活性剤や皮膜の物性改良のための水溶性可塑剤などの公知の添加剤を加えることができる。水溶性の可塑剤としては、例えば、プロピオンアミド、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。また、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーを加えることもできる。さらに、この塗布液には、感光層との密着性、塗布液の経時安定性を向上するための公知の添加剤を加えてもよい。
このように調製された保護層塗布液を、支持体上に備えられた感光層の上に塗布し、乾燥して保護層を形成する。塗布溶剤はバインダーとの関連において適宜選択することができるが、水溶性ポリマーを用いる場合には、蒸留水、精製水を用いることが好ましい。保護層の塗布方法は、特に制限されるものではなく、米国特許第3,458,311号明細書または特公昭55−49729号公報に記載されている方法など公知の方法を適用することができる。具体的には、例えば、保護層は、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等が挙げられる。
保護層の塗布量としては、乾燥後の塗布量で、0.05〜10g/m2 の範囲であることが好ましく、無機質の層状化合物を含有する場合には、0.1〜0.5g/m2の範囲であることがさらに好ましく、無機質の層状化合物を含有しない場合には、0.5〜5g/m2の範囲であることがさらに好ましい。
〔支持体〕
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状な親水性支持体であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、
亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、または、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下であるのが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のものを適宜利用することができる。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましく、0.2〜0.3mmであるのが更に好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上および感光層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、更に、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸またはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温度5〜70℃、電流密度5〜60A/d m2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2 であるのが好ましく、1.5〜4.0g/m2 であるのがより好ましい。この範囲内で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
本発明で用いられる支持体としては、上記のような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有す
る基板そのままでもよいが、上層との接着性、親水性、汚れ難さ、断熱性などの一層改良のため、必要に応じて、特開2001−253181号や特開2001−322365号の公報に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理、マイクロポアの封孔処理、および親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択して行うことができる。もちろんこれら拡大処理、封孔処理は、これらに記載のものに限られたものではなく従来公知の何れも方法も行うことができる。
封孔処理としては、蒸気封孔のほかフッ化ジルコン酸の単独処理、フッ化ナトリウムによる処理など無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、塩化リチウムを添加した蒸気封孔、熱水による封孔処理でも可能である。
なかでも、無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処理および熱水による封孔処理が好ましい。
親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号および同第3,902,734号の明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液で浸漬処理し、または電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号および同第4,689,272号の明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられる。
本発明において、支持体としてポリエステルフィルムなど表面の親水性が不十分な支持体を用いる場合は、親水層を塗布して表面を親水性にすることが望ましい。親水層としては、特開2001−199175号公報に記載の、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモンおよび遷移金属から選択される少なくとも一つの元素の酸化物または水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層や、特開2002−79772号公報に記載の、有機親水性ポリマーを架橋あるいは疑似架橋することにより得られる有機親水性マトリックスを有する親水層や、ポリアルコキシシラン、チタネート、ジルコネートまたはアルミネートの加水分解、縮合反応からなるゾル−ゲル変換により得られる無機親水性マトリックスを有する親水層、あるいは、金属酸化物を含有する表面を有する無機薄膜からなる親水層が好ましい。中でも、珪素の酸化物または水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。
また、本発明において支持体としてポリエステルフィルム等を用いる場合には、支持体の親水性層側または反対側、あるいは両側に、帯電防止層を設けるのが好ましい。帯電防止層を支持体と親水性層との間に設けた場合には、親水性層との密着性向上にも寄与する。帯電防止層としては、特開2002−79772号公報に記載の、金属酸化物微粒子やマット剤を分散したポリマー層等が使用できる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。この範囲内で、感光層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
また、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であるのが好ましい。この範囲内で、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
〔下塗り層〕
本発明の平版印刷版原版においては、支持体上に重合性基を含有する化合物の下塗り層を設けることが好ましい。下塗り層が用いられるときは、感光層は下塗り層の上に設けられる。下塗り層は、露光部においては支持体と感光層との密着性を強化し、また、未露光
部においては、感光層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、現像性が向上する。
下塗り層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物などが好適に挙げられる。特に好ましい化合物として、メタクリル基、アリル基などの重合性基とスルホン酸基、リン酸基、リン酸エステルなどの支持体吸着性基を有する化合物が挙げられる。重合性基と支持体吸着性基に加えてエチレンオキシド基などの親水性付与基を有する化合物も好適な化合物として挙げることができる。
下塗り層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2であるのが好ましく、1〜30mg/m2であるのがより好ましい。
〔バックコート層〕
支持体に表面処理を施した後または下塗り層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH3 4 、Si(OC2 5 4 、Si(OC3 7 4 、Si(OC4 9 4 等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
〔製版方法〕
本発明における平版印刷版原版を、350nm〜450nmの光源で画像露光した後、自動現像機により、pHが2〜10の現像液の存在下、擦り部材で版面を擦ることにより、保護層および非露光部の感光層を一括除去し、アルミニウム板支持体表面に画像を形成することができる。
すなわち、保護層および非露光部の感光層を一括除去した後、直ちに印刷機にセットして印刷することができる。
また、このような自動現像機での処理は、機上現像の場合に生ずる保護層/感光層に由来の現像カスへの対応から開放されるという優位性がある。
本発明において用いられる現像液は、pHが2〜10の水溶液である。例えば、水単独または水を主成分(水を60質量%以上含有)とする水溶液が好ましく、特に、一般的に公知な湿し水と同様組成の水溶液、界面活性剤(アニオン系、ノニオン系、カチオン系等)を含有する水溶液や、水溶性高分子化合物を含有する水溶液が好ましい。特に、界面活性剤と水溶性高分子化合物の両方を含有する水溶液が好ましい。該現像液のpHは、より好ましくは3〜8、さらに好ましくは4〜7である。
尚、酸性〜中性の現像液を用いる場合は、有機酸或いは無機酸のいずれかを含有することが好ましい。有機酸或いは無機酸を含有させることにより、製版時には現像性を向上させることができ、また製版された印刷版の非画像部に汚れが発生するのを抑制することができる。
本発明に用いられるアニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステ
ルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類およびアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
本発明に用いられるカチオン系界面活性剤としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
本発明に用いられるノニオン系界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー等や、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
これらノニオン性界面活系剤は、単独でも、2種以上を混合して用いても良い。本発明においては、ソルビトールおよび/またはソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー、多価アルコールの脂肪酸エステルがより好ましい。
また、水に対する安定な溶解性あるいは混濁性の観点から、本発明に用いられる現像液に使用するノニオン系界面活性剤としては、HLB(Hydorophile−Lipophile Balance)値が、6以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。さらに、現像液中に含有するノニオン性界面活性剤の比率は、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
またアセチレングリコール系とアセチレンアルコール系のオキシエチレン付加物、フッ素系、シリコン系等の界面活性剤も同様に使用することができる。
本発明において現像液に使用する界面活性剤としては、抑泡性の観点から、ノニオン性界面活性剤が特に好適である。
また、本発明において現像液に用いられる水溶性高分子化合物としては、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)およびその変性体、プルラン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよびアクリルアミド共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
上記大豆多糖類は、公知のものが使用でき、例えば市販品として商品名ソヤファイブ(
不二製油(株)製)があり、各種グレードのものを使用することができる。好ましく使用できるものは、10質量%水溶液の粘度が10〜100mPa/secの範囲にあるものである。
上記変性澱粉も、公知のものが使用でき、トウモロコシ、じゃがいも、タピオカ、米、小麦等の澱粉を酸または酵素等で1分子当たりグルコース残基数5〜30の範囲で分解し、更にアルカリ中でオキシプロピレンを付加する方法等で作ることができる。
水溶性高分子化合物は2種以上を併用することもできる。水溶性高分子化合物の現像液中における含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量
%である。
また、本発明に用いられる現像液には、有機溶剤を含有しても良い。含有可能な有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、”アイソパーE、H、G”(エッソ化学(株)製)あるいはガソリン、灯油等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、あるいはハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、トリクレン、モノクロルベンゼン等)や、極性溶剤が挙げられる。
極性溶剤としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、乳酸メチル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート、レブリン酸ブチル等)、その他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等)等が挙げられる。
また、上記有機溶剤が水に不溶な場合は、界面活性剤等を用いて水に可溶化して使用することも可能であり、現像液に、有機溶剤を含有する場合は、安全性、引火性の観点から、溶剤の濃度は40質量%未満が望ましい。
本発明に用いられる現像液には上記の他に、防腐剤、キレート化合物、消泡剤、有機酸、無機酸、無機塩などを含有することができる。
防腐剤としては、フェノールまたはその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、ニトロブロモアルコール系の2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−エタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール等が好ましく使用できる。
キレート化合物としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そ
のナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることができる。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効である。
消泡剤としては一般的なシリコン系の自己乳化タイプ、乳化タイプ、ノニオン系界面活性剤のHLBが5以下等の化合物を使用することができる。シリコン消泡剤が好ましい。
その中で乳化分散型および可溶化等がいずれも使用できる。
有機酸としては、クエン酸、酢酸、蓚酸、マロン酸、サリチル酸、カプリル酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レブリン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸などが挙げられる。有機酸は、そのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の形で用いることもできる。
無機酸および無機塩としては、リン酸、メタリン酸、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ニッケルなどが挙げられる。
上記の現像液は、露光されたネガ型平版印刷版原版の現像液および現像補充液として用いることができ、後述の自動処理機に適用することが好ましい。自動処理機を用いて現像する場合、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、補充液または新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させてもよい。本発明の平版印刷版の製版方法においてもこの補充方式が好ましく適用される。
本発明におけるpH2〜10の水溶液による現像処理は、現像液の供給手段および擦り部材を備えた自動処理機により好適に実施することができる。自動処理機としては、例えば、画像記録後の平版印刷版原版を搬送しながら擦り処理を行う、特開平2−220061号、特開昭60−59351号各公報に記載の自動処理機や、シリンダー上にセットされた画像記録後の平版印刷版原版をシリンダーを回転させながら擦り処理を行う、米国特許5148746号、同5568768号、英国特許2297719号に記載の自動処理機等が挙げられる。なかでも、擦り部材として、回転ブラシロールを用いる自動処理機が特に好ましい。
本発明に好ましく使用できる回転ブラシロールは、画像部の傷つき難さ、さらには、平版印刷版原版の支持体の腰の強さ等を考慮して適宜選択することができる。上記回転ブラシロールとしては、ブラシ素材をプラスチックまたは金属のロールに植え付けて形成された公知のものが使用できる。例えば、特開昭58−159533号公報や、特開平3−100554号公報記載のものや、実公昭62−167253号公報に記載されているような、ブラシ素材を列状に植え込んだ金属またはプラスチックの溝型材を芯となるプラスチックまたは金属のロールに隙間なく放射状に巻き付けたブラシロールが使用できる。
また、ブラシ素材としては、プラスチック繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロン6.6、ナイロン6.10等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル等のポリア
クリル系、および、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系の合成繊維)を使用することができ、例えば、繊維の毛の直径は、20〜400μm、毛の長さは、5〜30mmのものが好適に使用できる。
さらに、回転ブラシロールの外径は、30〜200mmが好ましく、版面を擦るブラシの先端の周速は、0.1〜5m/secが好ましい。
また、回転ブラシロールは、2本以上の複数本用いることが好ましい。
本発明に用いる回転ブラシロールの回転方向は、本発明の平版印刷版原版の搬送方向に対し、同一方向であっても、逆方向であってもよいが、図1に例示した自動処理機のように、2本以上の回転ブラシロールを使用する場合は、少なくとも1本の回転ブラシロールが、同一方向に回転し、少なくとも1本の回転ブラシロールが、逆方向に回転することが好ましい。これにより、非画像部の感熱層の除去が、さらに確実となる。さらに、回転ブラシロールを、ブラシロールの回転軸方向に揺動させることも効果的である。
上記現像液の温度は、任意の温度で使用できるが、好ましくは10℃〜50℃である。
なお、本発明において、擦り処理後の平版印刷版を、引き続いて、水洗、乾燥処理、不感脂化処理することも任意に可能である。不感脂化処理では、公知の不感脂化液を用いることができる。
その他、本発明の平版印刷版原版からの平版印刷版の製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱してもよい。この様な加熱により、該感光層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や感度の安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは全面露光を行う事も有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行う事が好ましい。温度が高すぎると、非画像部迄がかぶってしまう等の問題を生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は200〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる。
上記製版プロセスについて、さらに詳述する。
本発明においては、上記の通り、露光工程の後、直ちに現像処理を行ってもよいが、露光工程と現像工程との間に加熱処理工程を設けることもできる。この加熱処理は、耐刷性を向上させ、さらに画像硬化度の版面内での均一性を高める効果があり、その条件はそれら効果のある範囲で適宜設定することができる。加熱手段としては、慣用の対流オーブン、IR照射装置、IRレーザー、マイクロ波装置、ウィスコンシンオーブン等を挙げることができる。例えば、版面到達温度が70〜150℃の範囲で、1秒〜5分間の間で保持することにより行なうことができる。好ましくは80℃〜140℃で5〜1分間、より好ましくは90℃〜130℃で10〜30秒間である。この範囲であると上記の効果を効率よく得られ、また熱による印刷版の変形などの悪影響が無い点で好ましい。
また、本発明においては上述の露光工程および、好ましくは加熱処理工程の後に、現像処理工程が施され、平版印刷版を得る。露光工程に用いられるプレートセッタ、加熱処理に用いられる加熱処理手段および現像処理工程に使用される現像装置はお互いに接続されて、自動的に連続処理されることが好ましい。具体的にはプレートセッタと、現像装置がコンベアなどの運搬手段によって結合されている製版ラインである。プレートセッタと現像装置の間に加熱処理手段が入っていても良く、加熱手段と現像装置は一体の装置となっていても良い。
使用する印刷版が作業環境における周囲の光の影響を受け易い場合は、上記の製版ラインがフィルタまたはカバーなどで遮光されていることが好ましい。
上記のように画像形成した後、紫外線光などの活性光線で全面露光を行い、画像部の硬化促進を行っても良い。該全面露光時の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀灯、ガリウム灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、各種レーザー光などが挙げられる。さらに、十分な耐刷性を得るためには全面露光量としては少なくとも10mJ/cm2以上が好ましく、より好ましくは100mJ/cm2以上である。
上記全面露光時に同時に加熱を行ってもよく、加熱を行うことによりさらに耐刷性の向上が認められる。加熱装置としては、慣用の対流オーブン、IR照射装置、IRレーザー、マイクロ波装置、ウィスコンシンオーブン等を挙げることができる。このとき版面温度は30℃〜150℃であることが好ましく、より好ましくは、35〜130℃であり、更に好ましくは、40〜120℃である。
上記の現像処理に先立って、平版印刷版原版は、線画像、網点画像等を有する透明原画を通して露光するかデジタルデータによるレーザー光走査等で画像様に露光される。
望ましい光源の波長は350nmから450nmであり、具体的にはInGaN系半導体レーザーが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよい。
また、本発明に使用可能な他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視および紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
350nm〜450nmの入手可能なレーザー光源としては以下のものを利用することができる。
ガスレーザとして、Arイオンレーザ(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザ(356nm、351nm、10mW〜1W)、He−Cdレーザー(441nm、325nm、1mW〜100mW)、固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355nm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm、10mW)、半導体レーザー系として、KNbO3リング共振器(430nm、30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)、その他、パルスレーザとしてN2レーザ(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)。特にこの中でAlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
また走査露光方式の平版印刷版露光装置としては、露光機構として内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式があり、光源としては上記光源の中で連続発振可能なものが好ましく利用することができる。現実的には感材感度と製版時間の関係で、以下の露光装置が特に好ましい。
・内面ドラム方式で総出力20mW以上の半導体レーザーとなる様に、ガスレーザあるいは固体レーザー光源を1個以上使用するシングルビーム〜トリプルビームの露光装置・フラットベッド方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザー、ガスレーザあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(1〜10本)の露光装置・外面ドラム方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザー、ガスレーザあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(1〜9本)の露光装置・外面ドラム方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザーあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(10本以上)の露光装置
以上のようなレーザー直描型の平版印刷版においては、一般に感材感度X(J/cm2)、感材の露光面積S(cm2)、レーザー光源1個のパワーq(W)、レーザー本数n
、全露光時間t(s)との間に式(eq 1)が成立する。
X・S=n・q・t (eq 1)
i)内面ドラム(シングルビーム)方式の場合
レーザー回転数f(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)の間には一般的に式(eq 2)が成立する。
f・Z・t=Lx (eq 2)
ii)外面ドラム(マルチビーム)方式の場合
ドラム回転数F(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq 3)が成立する。
F・Z・n・t=Lx (eq 3)
iii)フラットヘッド(マルチビーム)方式の場合
ポリゴンミラーの回転数H(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq 4) が成立する。
F・Z・n・t=Lx (eq 4)
実際の印刷版に要求される解像度(2560dpi)、版サイズ(A1/B1、副走査長42inch)、20枚/1時間程度の露光条件と本発明の平版印刷版原版の感光特性(感光波長、感度:約0.1mJ/cm2)を上記式に代入することで、本発明の平版印刷版原版においては総出力20mW以上のレーザーを用いたマルチビーム露光方式との組み合わせが特に好ましいことが理解できる。さらに操作性、コスト等を掛け合わせることにより外面ドラム方式の半導体レーザーマルチビーム(10本以上)露光装置との組み合わせが最も好ましいことになる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各重合体について、重合単位の比は、モル比である。
〔支持体1の作製〕
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミニウム表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電
流のピーク値で30A/dm2、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dm2であった。
その後、スプレーによる水洗を行った。
次に、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dm2の条件で、硝酸電解と同様の方法で、電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。この板を15質量%硫酸(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dm2で2.5g/m2の直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥した。
このようにして得た支持体表面の中心線平均粗さRa(JIS B0601)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
更に、下記下塗り液(1)をバー塗布した後、80℃、10秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量が10mg/m2になるよう塗布し、以下の実験に用いる下塗り層を有する支持体1を作製した。
<下塗り液(1)>
・下塗り化合物(1) 0.017g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
〔支持体2の作製〕
厚さ0.3mmのアルミニウム板を10質量%水酸化ナトリウムに60℃で25秒間浸漬してエッチングし、流水で水洗後、20質量%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を用いて1質量%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。引き続いて1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬後30質量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、20質量%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2の条件で陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2になるように、2分間陽極酸化処理した。その表面の中心線平均粗さ(Ra)を測定したところ、0.3μmであった。
このように処理されたアルミニウム板に、下記下塗り液(2)をバー塗布した後、80℃、20秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量が10mg/m2になるよう塗布し、支持体2を作製した。
下塗り液(2)
・下記ゾル液 100g
・メタノール 900g
ゾル液
・ホスマーPE(ユニケミカル(株)製) 5g
・メタノール 45g
・水 10g
・85質量%リン酸 5g
・テトラエトキシシラン 20g
・3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン 15g
〔実施例1〜40及び比較例1〜8:平版印刷版原版の作製〕
上記の下塗り層を付与した支持体1又は2上に、下記組成の感光層塗布液(1)をバー塗布した後、70℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.1g/m2の感光層を形成し、この上に下記組成よりなる保護層塗布液1(乾燥塗布量が0.75g/m2)又は保護層塗布液2(乾燥塗布量が0.2g/m2)又は保護層塗布液3(乾燥塗布量が1.5g/m2)をバーを用いて塗布した後、125℃、70秒で間乾燥して、実施例1〜40及び比較例1〜8の平版印刷版原版を得た。
<感光層塗布液(1)>
・バインダーポリマー(表1記載の化合物) 0.54g
・重合性化合物 0.45g
イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート
(東亜合成(株)製、アロニックスM−315)
・重合性化合物
エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート 0.10g
(日本化薬(株)製、SR9035、EO付加モル数15、分子量1000)
・増感色素(表1記載の化合物) 0.05g
・開始剤化合物(表1記載の化合物) 0.20g
・共増感剤(表1記載の化合物) 0.10g
・ε―フタロシアニン顔料の分散物 0.40g
(顔料:15質量部、分散剤 バインダーポリマー(1):10質量部、溶剤 シクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−メトキシ−2−プロパノール=15質量部/20質量部/40質量部)
・熱重合防止剤 0.01g
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
・下記水溶性フッ素系界面活性剤(1) 0.001g
・ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物 0.04g
(旭電化工業(株)製、プルロニックL44)
・テトラエチルアミン塩酸塩 0.01g
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5g
・メチルエチルケトン 8.0g

(平均分子量8万)
バインダーポリマー(1)〜(4)は、酸基を有さず、酸価は0meq/gである。
保護層塗布液(1)
ポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度500) 40g
ポリビニルピロリドン(分子量5万) 5g
ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1))分子量7万 0.5g
界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.5g
水 950g
さらに、保護層の酸素透過率を以下の条件で測定したところ、上記保護層の酸素透過率は、3.8ml/(m2・day・atom)であった。
(酸素透過率の測定)
両面を厚さ約20μmのポリエチレンでコートした厚さ約200μmの印画紙用原紙の
表面に、前記光重合性層上に塗布するのと同様に保護層を塗布、乾燥し、測定用の試料を作製した。予め測定した印画紙用原紙の酸素透過率は、下記測定条件において約700ml/(m2・day・atom)であり、保護層における酸素透過率を測定する際には十分無視できる値であった。
このようにして得られた試料を用い、JIS K7126BおよびASTM D3985に記載の気体透過度試験方法に準じて、モコン社製OX−TRAN2/20を用いて、25℃60%RHの条件で酸素透過率〔ml/(m2・day・atom)〕を測定した。
保護層塗布液(2)
・下記雲母分散液(1) 13.0g
・ポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度500) 1.3g
・2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダ 0.2g
・ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1))分子量7万 0.05g
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.05g
・水 133g
(雲母分散液(1)の調製)
水368gに合成雲母(「ソマシフME−100」:コープケミカル社製、アスペクト比:1000以上)32gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)0.5μmになるまで分散し、雲母分散液(1)を得た。
さらに、保護層の酸素透過率を上記と同様の条件で測定したところ、上記保護層の酸素透過率は、2.0ml/(m2・day・atom)であった。
保護層塗布液(3)
・ポリビニルアルコール(ケン化度88モル%、重合度500) 44g
・ポリビニルピロリドン(分子量5万) 1g
・ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1))分子量7万 0.5g
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.5g
・界面活性剤(パイオニンD−230、竹本油脂(株)製) 0.5g
・水 950g
さらに、保護層の酸素透過率を上記と同様の条件で測定したところ、上記保護層の酸素透過率は、9.2ml/(m2・day・atom)であった。
〔実施例41〜60及び比較例9〜12:平版印刷版原版の作製〕
上記感光層塗布液(1)を下記組成の感光層塗布液(2)に変更した以外は、実施例1〜40及び比較例1〜8の平版印刷版原版の作製と同様にして、実施例41〜60及び比較例9〜12の平版印刷版原版を得た。
<感光層塗布液(2)>
・開始剤化合物(表2記載の化合物) 0.18g
・増感色素(表2記載の化合物) 0.12g
・共増感剤(表2記載の化合物) 0.07g
・バインダーポリマー(表2記載の化合物) 2.8g
・重合性化合物 6.5g
イソシアヌール酸EO変性ジアクリレート
(東亜合成(株)製アロニックスM−215)
・ロイコクリスタルバイオレット 0.1g
・上記のフッ素系界面活性剤(1) 0.1g
・下記のマイクロカプセル(1)分散液 25.0g
・メチルエチルケトン 35.0g
・1−メトキシー2−プロパノール 35.0g
(マイクロカプセル(1)の合成)
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N)10g、イソシアヌール酸EO変性ジアクリレート(東亜合成(株)製アロニックスM−215)4.15g、およびパイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.1gを酢酸エチル17gに溶解した。水相成分としてPVA−205の4質量%水溶液40gを調製した。油相成分および水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、40℃で3時間攪拌した。このようにして得られたマイクロカプセル液(1)の固形分濃度を、20質量%になるように蒸留水を用いて希釈した。平均粒径は0.25μmであった。
〔実施例1〜60および比較例1〜12〕
(1)露光、現像および印刷
上記平版印刷版原版の各々について、出力100mWの405nm半導体レーザーを用いて、エネルギー密度を変えて画像様露光を行った。
その後、下記組成の現像液(1)を用い、図1に示す構造の自動現像処理機にて、現像処理を実施した。現像液のpHは、約5であった。自動現像処理機は、回転ブラシロールを2本有する自動処理機であり、回転ブラシロールとしては、1本目のブラシロールに、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径90mmのブラシロールを用い、搬送方向と同一方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.94m/sec)させ、2本目のブラシロールには、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径60mmのブラシロールを用い、搬送方向と反対方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.63m/sec)させた。平版印刷版原版の搬送は、搬送速度100cm/minで行った。
現像液は、循環ポンプによりスプレーパイプからシャワーリングして、版面に供給した。現像液のタンク容量は、10リットルであった。
現像液(1)
・水 100g
・ベンジルアルコール 1g
・ポリオキシエチレンナフチルエーテル
(オキシエチレン平均数n=13) 1g
・ジオクチルスルホコハク酸エステルのナトリウム塩 0.5g
・アラビアガム 1g
・エチレングリコール 0.5g
・第1リン酸アンモニウム 0.05g
・クエン酸 0.05g
・エチレンジアミンテトラアセテート4ナトリウム塩 0.05g
次いで、現像後の平版印刷版を、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mに取り付け、湿し水(EU−3(富士写真フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製)とを用い、毎時6000枚の印刷速度で印刷を行った。
(2)評価
先に作製した平版印刷版原版を用いて、感度、セーフライト適性、現像カスを下記のように評価した。結果を表1および2にあわせて示す。
<感度>
上記の通り100枚印刷を行って、非画像部にインキ汚れがない印刷物が得られたことを確認した後、続けて500枚の印刷を行った。合計600枚目の印刷物において、画像部のインキ濃度にムラがない露光量を感度として計測した。
<セーフライト適性>
得られた平版印刷版原版を画像露光前に30分間黄灯下(500nm以下の波長をカットした蛍光灯、照度250lux)に曝した後、上記の通り露光、現像を行った。現像処理後に、平版印刷版の非画像部を目視確認して、カブリ発生(感光層の残存)の有無を評価した。
<現像カス評価>
前述の通りに作成した平版印刷版原版を自動現像機を用いて100版現像した後、現像処理を停止し、自動現像機中の現像浴を1晩静置した。その後、現像浴の底にたまったカスの有無を観察した。
表1及び2の結果から、本発明により、セーフライト適性に優れるとともに高感度であり、現像カスも少ない平版印刷版を作製できることがわかる。
自動現像処理機の構造を示す図である。
符号の説明
1:回転ブラシロール
2:受けロール
3:搬送ロール
4:搬送ガイド板
5:スプレーパイプ
6:管路
7:フィルター
8:給版台
9:排版台
10:現像液タンク
11:循環ポンプ
12:版

Claims (6)

  1. 親水性支持体上に、(A)一般式(1)及び(2)で表される化合物群より選択される少なくとも1種の増感色素、(B)開始剤化合物、(C)重合性化合物、及び(D)酸価0.3meq/g以下のバインダーポリマーを含有する感光層と、保護層とをこの順に有する平版印刷版原版を、350〜450nmのレーザー露光した後、擦り部材を備えた自動処理機により、pHが2〜10の現像液の存在下、擦り部材で版面を擦ることにより、保護層および非露光部の感光層を除去することを特徴とする平版印刷版の作製方法。

    (式中、Xは、それぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、それぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表す。)

    (式中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、それぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表し、Aは炭素数20以下の置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基を表す。)
  2. (D)酸価0.3meq/g以下の疎水性バインダーポリマーが、側鎖に架橋性基を有する(メタ)アクリル共重合体および側鎖に架橋性基を有するポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版の作製方法。
  3. (B)開始剤化合物がヘキサアリールビイミダゾール系化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の平版印刷版の作製方法。
  4. 親水性支持体上に、(A)一般式(1)及び(2)で表される化合物群より選択される少なくとも1種の増感色素、(B)開始剤化合物、(C)重合性化合物、及び(D)酸価0.3meq/g以下のバインダーポリマーを含有する感光層と、保護層とをこの順に有する平版印刷版原版であって、該平版印刷版原版を、350〜450nmのレーザー露光した後、擦り部材を備えた自動処理機により、pHが2〜10の現像液の存在下、擦り部材で版面を擦ることにより、保護層および非露光部の感光層を除去可能な平版印刷版原版。

    (式中、Xは、それぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、それぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表す。)

    (式中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、それぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表し、Aは炭素数20以下の置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基を表す。)
  5. (D)酸価0.3meq/g以下の疎水性バインダーポリマーが、側鎖に架橋性基を有する(メタ)アクリル共重合体および側鎖に架橋性基を有するポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の平版印刷版原版。
  6. (B)開始剤化合物がヘキサアリールビイミダゾール系化合物であることを特徴とする請求項4又は5に記載の平版印刷版原版。
JP2006160769A 2006-06-09 2006-06-09 平版印刷版の作製方法および平版印刷版原版 Pending JP2007328243A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006160769A JP2007328243A (ja) 2006-06-09 2006-06-09 平版印刷版の作製方法および平版印刷版原版

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006160769A JP2007328243A (ja) 2006-06-09 2006-06-09 平版印刷版の作製方法および平版印刷版原版

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007328243A true JP2007328243A (ja) 2007-12-20

Family

ID=38928737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006160769A Pending JP2007328243A (ja) 2006-06-09 2006-06-09 平版印刷版の作製方法および平版印刷版原版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007328243A (ja)

Cited By (61)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2105796A1 (en) 2008-03-28 2009-09-30 FUJIFILM Corporation Plate-making method of lithographic printing plate
WO2009119827A1 (ja) 2008-03-27 2009-10-01 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版及びこれを用いた平版印刷版の作製方法
EP2112555A2 (en) 2008-03-27 2009-10-28 FUJIFILM Corporation Lithographic printing plate precursor
JP2009288546A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Fujifilm Corp 平版印刷版現像用処理液及び平版印刷版の作製方法
EP2163949A1 (en) 2008-09-12 2010-03-17 FUJIFILM Corporation Developer for lithographic printing plate precursor and process for producing lithographic printing plate
EP2166410A2 (en) 2008-09-22 2010-03-24 Fujifilm Corporation Method of preparing lithographic printing plate and lithographic printing plate precursor
EP2166411A2 (en) 2008-09-18 2010-03-24 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor, process for producing lithographic printing plate, and lithographic printing plate
EP2168765A2 (en) 2008-09-25 2010-03-31 FUJIFILM Corporation Lithographic printing plate precursor and process for producing lithographic printing plate
EP2168766A1 (en) 2008-09-26 2010-03-31 FUJIFILM Corporation Process for making lithographic printing plate
WO2010035697A1 (ja) 2008-09-24 2010-04-01 富士フイルム株式会社 平版印刷版の作製方法
EP2184642A2 (en) 2008-09-30 2010-05-12 FUJIFILM Corporation Lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate
WO2010061869A1 (ja) 2008-11-26 2010-06-03 富士フイルム株式会社 平版印刷版の製版方法、平版印刷版原版用現像液、及び、平版印刷版原版現像用補充液
EP2204698A1 (en) 2009-01-06 2010-07-07 FUJIFILM Corporation Plate surface treatment agent for lithographic princting plate and method for treating lithographic printing plate
EP2219074A1 (en) 2009-02-16 2010-08-18 FUJIFILM Corporation Processing solution for developing lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate
JP2010208234A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Fujifilm Corp 平版印刷版原版及びその製版方法
EP2261033A1 (en) 2009-06-09 2010-12-15 Fujifilm Corporation Method of preparing lithographic printing plate
EP2275258A2 (en) 2009-05-29 2011-01-19 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate
EP2275257A2 (en) 2009-03-31 2011-01-19 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate
EP2302463A1 (en) 2009-09-24 2011-03-30 Fujifilm Corporation Method of preparing a lithographic printing plate
EP2302462A2 (en) 2009-09-24 2011-03-30 Fujifilm Corporation Method of preparing a lithographic printing plate
EP2302461A1 (en) 2009-09-24 2011-03-30 Fujifilm Corporation Method of preparing lithographic printing plate
WO2011037005A1 (ja) 2009-09-24 2011-03-31 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版
WO2011040114A1 (ja) 2009-09-29 2011-04-07 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版の製造方法
EP2339401A1 (en) 2009-12-28 2011-06-29 Fujifilm Corporation Method of preparing lithographic printing plate
EP2339405A1 (en) 2009-12-25 2011-06-29 Fujifilm Corporation Method of preparing lithographic printing plate
EP2339402A1 (en) 2009-12-28 2011-06-29 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate
EP2354851A2 (en) 2010-01-29 2011-08-10 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate
EP2354852A1 (en) 2010-01-29 2011-08-10 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate
WO2011105384A1 (ja) 2010-02-26 2011-09-01 富士フイルム株式会社 平版印刷版の作製方法及び平版印刷版原版用現像液
EP2367056A2 (en) 2010-03-15 2011-09-21 Fujifilm Corporation Method of preparing lithographic printing plate
WO2011118457A1 (ja) 2010-03-26 2011-09-29 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版及びその製造方法
WO2011118456A1 (ja) 2010-03-26 2011-09-29 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版及びその製造方法
WO2011125913A1 (ja) 2010-03-31 2011-10-13 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版処理用の現像液、該現像液を用いた平版印刷版の作製方法、及び、印刷方法
EP2378361A1 (en) 2010-03-26 2011-10-19 Fujifilm Corporation Method for preparing lithographic printing plate
EP2383612A1 (en) 2010-04-30 2011-11-02 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and plate making method thereof
WO2012029582A1 (ja) 2010-08-31 2012-03-08 富士フイルム株式会社 平版印刷版の作製方法
WO2012029583A1 (ja) 2010-08-31 2012-03-08 富士フイルム株式会社 平版印刷版の作製方法
EP2441783A1 (en) 2010-09-24 2012-04-18 FUJIFILM Corporation Polymerizable composition and lithographic printing plate precursor including the same, and lithographic printing method
EP2471655A2 (en) 2010-12-28 2012-07-04 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and lithographic printing method
EP2484522A2 (en) 2011-02-04 2012-08-08 FUJIFILM Corporation Lithographic printing plate precursor and plate making method thereof
EP2492748A1 (en) 2011-02-28 2012-08-29 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and plate making method thereof
EP2492752A1 (en) 2011-02-28 2012-08-29 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and plate making method thereof
WO2012115124A1 (ja) 2011-02-24 2012-08-30 富士フイルム株式会社 平版印刷版の製版方法
WO2012117882A1 (ja) 2011-02-28 2012-09-07 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法
WO2012133382A1 (ja) 2011-03-28 2012-10-04 富士フイルム株式会社 平版印刷版の製版方法
WO2013015121A1 (ja) 2011-07-27 2013-01-31 富士フイルム株式会社 感光性組成物、平版印刷版原版、ポリウレタン及びポリウレタンの製造方法
WO2013027590A1 (ja) 2011-08-22 2013-02-28 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法
EP2565714A1 (en) 2011-08-31 2013-03-06 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate using the same
EP2568339A2 (en) 2011-08-24 2013-03-13 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of manufacturing lithographic printing plate
EP2570853A2 (en) 2011-09-15 2013-03-20 Fujifilm Corporation Coating composition and image-forming material, lithographic printing plate precursor and oxygen-blocking film including the coating composition
EP2574460A2 (en) 2011-09-27 2013-04-03 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of manufacturing lithographic printing plate
WO2013047229A1 (ja) 2011-09-26 2013-04-04 富士フイルム株式会社 平版印刷版の製版方法
WO2013047089A1 (ja) 2011-09-30 2013-04-04 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法
WO2013047228A1 (ja) 2011-09-26 2013-04-04 富士フイルム株式会社 平版印刷版の製版方法
EP2610673A2 (en) 2011-12-26 2013-07-03 Fujifilm Corporation Method for manufacturing lithographic printing plates
JP2013152486A (ja) * 2013-04-10 2013-08-08 Fujifilm Corp 平版印刷版現像用処理液及び平版印刷版の作製方法
WO2013125323A1 (ja) 2012-02-23 2013-08-29 富士フイルム株式会社 発色性組成物、発色性硬化組成物、平版印刷版原版及び製版方法、並びに発色性化合物
WO2013125315A1 (ja) 2012-02-20 2013-08-29 富士フイルム株式会社 製版処理廃液の濃縮方法およびリサイクル方法
WO2013129126A1 (ja) 2012-02-27 2013-09-06 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版および平版印刷版の作製方法
WO2013129127A1 (ja) 2012-02-29 2013-09-06 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版および平版印刷版の製造方法
EP2644380A2 (en) 2012-03-27 2013-10-02 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor

Cited By (64)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009119827A1 (ja) 2008-03-27 2009-10-01 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版及びこれを用いた平版印刷版の作製方法
EP2112555A2 (en) 2008-03-27 2009-10-28 FUJIFILM Corporation Lithographic printing plate precursor
EP2105796A1 (en) 2008-03-28 2009-09-30 FUJIFILM Corporation Plate-making method of lithographic printing plate
JP2009288546A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Fujifilm Corp 平版印刷版現像用処理液及び平版印刷版の作製方法
EP2163949A1 (en) 2008-09-12 2010-03-17 FUJIFILM Corporation Developer for lithographic printing plate precursor and process for producing lithographic printing plate
EP2166411A2 (en) 2008-09-18 2010-03-24 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor, process for producing lithographic printing plate, and lithographic printing plate
EP2166410A2 (en) 2008-09-22 2010-03-24 Fujifilm Corporation Method of preparing lithographic printing plate and lithographic printing plate precursor
WO2010035697A1 (ja) 2008-09-24 2010-04-01 富士フイルム株式会社 平版印刷版の作製方法
EP2168765A2 (en) 2008-09-25 2010-03-31 FUJIFILM Corporation Lithographic printing plate precursor and process for producing lithographic printing plate
EP2168766A1 (en) 2008-09-26 2010-03-31 FUJIFILM Corporation Process for making lithographic printing plate
EP2184642A2 (en) 2008-09-30 2010-05-12 FUJIFILM Corporation Lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate
WO2010061869A1 (ja) 2008-11-26 2010-06-03 富士フイルム株式会社 平版印刷版の製版方法、平版印刷版原版用現像液、及び、平版印刷版原版現像用補充液
EP2204698A1 (en) 2009-01-06 2010-07-07 FUJIFILM Corporation Plate surface treatment agent for lithographic princting plate and method for treating lithographic printing plate
EP2219074A1 (en) 2009-02-16 2010-08-18 FUJIFILM Corporation Processing solution for developing lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate
JP2010208234A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Fujifilm Corp 平版印刷版原版及びその製版方法
EP2275257A2 (en) 2009-03-31 2011-01-19 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate
EP2275258A2 (en) 2009-05-29 2011-01-19 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate
EP2261033A1 (en) 2009-06-09 2010-12-15 Fujifilm Corporation Method of preparing lithographic printing plate
EP3045974A1 (en) 2009-09-24 2016-07-20 Fujifilm Corporation Method of preparing lithographic printing plate
EP2302463A1 (en) 2009-09-24 2011-03-30 Fujifilm Corporation Method of preparing a lithographic printing plate
EP2302462A2 (en) 2009-09-24 2011-03-30 Fujifilm Corporation Method of preparing a lithographic printing plate
EP2302461A1 (en) 2009-09-24 2011-03-30 Fujifilm Corporation Method of preparing lithographic printing plate
WO2011037005A1 (ja) 2009-09-24 2011-03-31 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版
WO2011040114A1 (ja) 2009-09-29 2011-04-07 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版の製造方法
EP2339405A1 (en) 2009-12-25 2011-06-29 Fujifilm Corporation Method of preparing lithographic printing plate
EP2339401A1 (en) 2009-12-28 2011-06-29 Fujifilm Corporation Method of preparing lithographic printing plate
EP2339402A1 (en) 2009-12-28 2011-06-29 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate
EP2354851A2 (en) 2010-01-29 2011-08-10 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate
EP2354852A1 (en) 2010-01-29 2011-08-10 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate
WO2011105384A1 (ja) 2010-02-26 2011-09-01 富士フイルム株式会社 平版印刷版の作製方法及び平版印刷版原版用現像液
EP2367056A2 (en) 2010-03-15 2011-09-21 Fujifilm Corporation Method of preparing lithographic printing plate
EP2378361A1 (en) 2010-03-26 2011-10-19 Fujifilm Corporation Method for preparing lithographic printing plate
WO2011118457A1 (ja) 2010-03-26 2011-09-29 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版及びその製造方法
WO2011118456A1 (ja) 2010-03-26 2011-09-29 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版及びその製造方法
WO2011125913A1 (ja) 2010-03-31 2011-10-13 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版処理用の現像液、該現像液を用いた平版印刷版の作製方法、及び、印刷方法
EP2383612A1 (en) 2010-04-30 2011-11-02 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and plate making method thereof
WO2012029582A1 (ja) 2010-08-31 2012-03-08 富士フイルム株式会社 平版印刷版の作製方法
WO2012029583A1 (ja) 2010-08-31 2012-03-08 富士フイルム株式会社 平版印刷版の作製方法
EP2441783A1 (en) 2010-09-24 2012-04-18 FUJIFILM Corporation Polymerizable composition and lithographic printing plate precursor including the same, and lithographic printing method
EP2471655A2 (en) 2010-12-28 2012-07-04 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and lithographic printing method
EP2484522A2 (en) 2011-02-04 2012-08-08 FUJIFILM Corporation Lithographic printing plate precursor and plate making method thereof
EP2990873A1 (en) 2011-02-24 2016-03-02 Fujifilm Corporation Process for making lithographic printing plate
WO2012115124A1 (ja) 2011-02-24 2012-08-30 富士フイルム株式会社 平版印刷版の製版方法
EP2492748A1 (en) 2011-02-28 2012-08-29 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and plate making method thereof
WO2012117882A1 (ja) 2011-02-28 2012-09-07 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法
EP2492752A1 (en) 2011-02-28 2012-08-29 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and plate making method thereof
EP3001249A2 (en) 2011-02-28 2016-03-30 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursors and processes for preparing lithographic printing plates
WO2012133382A1 (ja) 2011-03-28 2012-10-04 富士フイルム株式会社 平版印刷版の製版方法
WO2013015121A1 (ja) 2011-07-27 2013-01-31 富士フイルム株式会社 感光性組成物、平版印刷版原版、ポリウレタン及びポリウレタンの製造方法
WO2013027590A1 (ja) 2011-08-22 2013-02-28 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法
EP2568339A2 (en) 2011-08-24 2013-03-13 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of manufacturing lithographic printing plate
EP2565714A1 (en) 2011-08-31 2013-03-06 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate using the same
EP2570853A2 (en) 2011-09-15 2013-03-20 Fujifilm Corporation Coating composition and image-forming material, lithographic printing plate precursor and oxygen-blocking film including the coating composition
WO2013047228A1 (ja) 2011-09-26 2013-04-04 富士フイルム株式会社 平版印刷版の製版方法
WO2013047229A1 (ja) 2011-09-26 2013-04-04 富士フイルム株式会社 平版印刷版の製版方法
EP2574460A2 (en) 2011-09-27 2013-04-03 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of manufacturing lithographic printing plate
WO2013047089A1 (ja) 2011-09-30 2013-04-04 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法
EP2610673A2 (en) 2011-12-26 2013-07-03 Fujifilm Corporation Method for manufacturing lithographic printing plates
WO2013125315A1 (ja) 2012-02-20 2013-08-29 富士フイルム株式会社 製版処理廃液の濃縮方法およびリサイクル方法
WO2013125323A1 (ja) 2012-02-23 2013-08-29 富士フイルム株式会社 発色性組成物、発色性硬化組成物、平版印刷版原版及び製版方法、並びに発色性化合物
WO2013129126A1 (ja) 2012-02-27 2013-09-06 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版および平版印刷版の作製方法
WO2013129127A1 (ja) 2012-02-29 2013-09-06 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版および平版印刷版の製造方法
EP2644380A2 (en) 2012-03-27 2013-10-02 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor
JP2013152486A (ja) * 2013-04-10 2013-08-08 Fujifilm Corp 平版印刷版現像用処理液及び平版印刷版の作製方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007328243A (ja) 平版印刷版の作製方法および平版印刷版原版
JP4820640B2 (ja) 平版印刷版の作製方法
JP4911457B2 (ja) 平版印刷版の作製方法および平版印刷版原版
JP4792326B2 (ja) 平版印刷版の作製方法および平版印刷版原版
JP4887173B2 (ja) 平版印刷版の作製方法
JP5124662B2 (ja) 平版印刷版の作製方法
JP2007206216A (ja) 平版印刷版の作製方法および平版印刷版原版
JP2007225701A (ja) 平版印刷版の作製方法
JP2007206217A (ja) 平版印刷版の作製方法および平版印刷版原版
EP1793275B1 (en) Method for preparation of lithographic printing plate and lithographic printing plate precursor
JP2007225702A (ja) 平版印刷版の作製方法
JP2012238023A (ja) 平版印刷版用現像処理液及び平版印刷版の製版方法
JP4900913B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2007316598A (ja) 平版印刷版原版および平版印刷版の作製方法
JP2007233071A (ja) 平版印刷版の作製方法および平版印刷版原版
JP4991427B2 (ja) 平版印刷版原版および平版印刷版の作製方法
JP4909681B2 (ja) 感光性組成物、該組成物を用いた画像記録材料、及び平版印刷版の作製方法
JP5364513B2 (ja) 平版印刷版原版用現像液及び平版印刷版の製造方法
JP2010102322A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2009244776A (ja) 平版印刷版の作製方法
JP2009244420A (ja) 平版印刷版の作製方法
JP2008020615A (ja) 平版印刷版原版および平版印刷版の作製方法
JP2007212870A (ja) 平版印刷版の作製方法および平版印刷版原版
JP2007034215A (ja) 平版印刷版の作製方法および平版印刷版原版
JP5081536B2 (ja) 平版印刷版原版およびその作製方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071109

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071116

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071126