JP2003098686A - 感光性平版印刷版の製版方法及び感光性平版印刷版処理用洗浄液 - Google Patents

感光性平版印刷版の製版方法及び感光性平版印刷版処理用洗浄液

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JP2003098686A
JP2003098686A JP2001286098A JP2001286098A JP2003098686A JP 2003098686 A JP2003098686 A JP 2003098686A JP 2001286098 A JP2001286098 A JP 2001286098A JP 2001286098 A JP2001286098 A JP 2001286098A JP 2003098686 A JP2003098686 A JP 2003098686A
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water
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JP2001286098A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Nagase
博幸 長瀬
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 循環再利用しても、長期間にわたり安
定に使用可能な、保護層除去のための感光性平版印刷版
処理用洗浄液及び前記洗浄液を用いた処理方法を提供す
ること。 【解決手段】 少なくとも一種のモノアルコール
化合物またはモノケトン化合物を含有することを特徴と
する感光性平版印刷版処理用洗浄液を用いて、水溶性ビ
ニル重合体を主成分とする保護層を有する感光性平版印
刷版の保護層を除去した後に現像処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性ポリマーを
主成分とする保護層を設けてなる感光性平版印刷版を画
像露光後、現像の前に感光性平版印刷版を洗浄液で処理
して、該保護層を除去した後に現像処理する製版方法及
び、前記洗浄処理において使用される処理用洗浄液に関
する。
【0002】
【従来の技術】支持体上に感光層を設けた感光性平版印
刷版の膜面をキズから保護したり感光層の重合反応を停
止させる酸素の進入を抑制するため、水溶性ポリマーを
主成分とする保護層を塗設する場合がある。この保護層
を予め除去せず現像すると、現像ムラが生じたり、現像
液を長期間安定に使用することができなくなるという問
題が生じる。この問題を解決するために、現像前に予
め、保護層のみを水で除去する方法が知られている。通
常、廃液量が増えないように、この水洗水を循環再利用
する場合が多い。しかし長期間ランニングを続けると液
中に溶解した保護層由来の水溶性ポリマー成分濃度の増
加によるゲルの発生、泡立ち、さらに水中のバクテリ
ア、カビ等繁殖による腐敗等が生じるため、短期間で洗
浄水を交換することを余儀なくされるという問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、上記従来の問題を解決しようとするもので、保護層
除去のための感光性平版印刷版処理用洗浄液を循環再利
用しても、長期間にわたり安定に使用可能な技術を提供
しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、水溶性ポリマーのゲル化抑制剤として特定のモ
ノアルコール、またはモノケトン化合物がゲル化抑制に
有効であることを見出し、必要に応じて消泡剤、防腐剤
を添加することによりさらに長期にわたり安定に使用で
きることを見出し、上記の課題を達成することに成功し
た。即ち、本発明は以下の通りである。
【0005】1.水溶性ポリマーを主成分とする保護層
を有する感光性平版印刷版の製版方法であって、画像露
光した前記感光性平版印刷版を少なくとも一種のモノア
ルコール化合物またはモノケトン化合物を含有する洗浄
液で処理して前記保護層を除去した後に、現像処理する
ことを特徴とする上記製版方法。 2.水溶性ポリマーを主成分とする保護層を有する感光
性平版印刷版処理用洗浄液であって、少なくとも一種の
モノアルコール化合物またはモノケトン化合物を含有す
ることを特徴とする感光性平版印刷版処理用洗浄液。
【0006】
【発明の実施の形態】[感光性平版印刷版処理用洗浄液]
本発明において使用される感光性平版印刷版処理用洗浄
液は、少なくとも一種のモノアルコール化合物またはモ
ノケトン化合物を含有する水溶液であり、後述する任意
性分を含んでいてもよい。 <モノアルコール化合物またはモノケトン化合物>本発
明において使用される感光性平版印刷版処理用洗浄液に
含有されるモノアルコール化合物またはモノケトン化合
物とは、分子中にアルコールまたはケトンを一つ有する
単官能化合物である。これらの化合物を使用することに
より、洗浄液中に溶解した、保護層由来の水溶性ポリマ
ーによるゲル化を抑制することができる。また、本発明
におけるモノアルコール化合物またはモノケトン化合物
としては、高沸点のものが蒸発しにくく、長期間効果が
持続するため、好ましい。
【0007】上記モノアルコール化合物またはモノケト
ン化合物がゲル化抑制に効果を奏する理由は以下のよう
に考えられる。本発明の感光層の保護層の主成分として
使用される、ポリビニルアルコールまたはその誘導体等
の未置換アルコールを末端に有する水溶性ポリマーは、
一般に水溶液中でゲル化し易い傾向にある。特に高濃
度、ケン化度の高いものは、よりゲル化し易い傾向にあ
る。従って、保護層を処理する洗浄液中の水溶性ポリマ
ー濃度が上昇し、ゲルが発生すると、配管やスプレー管
の詰まり等の問題が生じるため、処理液を交換し、ゲル
を取り除く必要がある。このようなゲル化の機構につい
ては、下記Aに示すように、分子内または分子間の水素
結合相互作用によりゲル化することが知られている。こ
こで、モノアルコール化合物またはモノケトン化合物が
存在すると、これらの化合物と水溶性ポリマーの未置換
OH基の一部とが相互作用することが予想され、その結
果、水溶性ポリマーのゲル化が緩和される方向に進むと
考えられる(下記B)。一方、複数の官能基を有する化
合物を用いると、この化合物が水溶性ポリマーの橋かけ
剤として作用し、ゲル化が促進されると考えられる(下
記C)。
【0008】
【化1】
【0009】モノアルコール、モノケトン化合物の具体
的例としてはn−プロピルアルコール、iso−プロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチル
アルコール、第2ブチルアルコール、第3ブチルアルコ
ール、n−アミルアルコール、第2アミルアルコール、
第3アミルアルコール、シクロヘキサノールまたはその
誘導体、フェノキシエタノールまたはその誘導体、フェ
ノールまたはその誘導体、ジエチルケトン、シクロヘキ
サノンまたはその誘導体等があげられる。これらは1種
もしくは2種以上併用してもよい。モノアルコール及び
/またはモノケトン化合物の洗浄液中の含有量としては
0.01〜10質量%が好ましく、さらに好ましくは
0.03〜3質量%である。
【0010】<消泡剤>本発明の感光性平版印刷版処理
用洗浄液は、さらに消泡剤を含んでもよい。消泡剤とし
ては、シリコン系の消泡剤が好ましい。シリコーン消泡
剤としては、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性
シリコーンオイル、シリコーンポリエーテル共重合体等
をあげることができる。これらは通常オイル、溶液、エ
マルジョン、オイルコンパウンドとして市販されてお
り、1種もしくは2種以上併用することはできる。含有
量としては10質量%未満が好ましく、さらに好ましく
は1質量%未満である。
【0011】<防腐剤>また、本発明の感光性平版印刷
版処理用洗浄液は、防腐剤を含んでもよい。防腐剤とし
ては、フェノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダ
ゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチア
ゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−
オン、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパンジオール、ベ
ンゾトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、
四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジ
ン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキ
サゾール、オキサジン誘導体等や、特開昭64−683
04号公報に記載の2−メルカプトピリジン−N−オキ
サイドまたはその塩、ホルムアルデヒドドナー系抗菌剤
等が挙げられる。2−メルカプトピリジン−N−オキサ
イドまたはその塩は、下記一般式
【0012】
【化2】
【0013】(式中、Mは水素または金属を示す。)で
示され、塩としてはナトリウム塩が好ましい。ホルムア
ルデヒドドナー抗菌剤としては、特に限定されないが、
N−(2−ヒドロキシエチル)−アミノメタノール、N
−(2−ヒドロキシプロピル)−アミノメタノール、ヘ
キサヒドロ−1,3,5−トリエチル−s−トリアジ
ン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキ
シエチル)−s−トリアジンおよび2−ヒドロキシメチ
ル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール等が挙げら
れる。上記防腐剤は、1種のみ単独で使用しても良く、
また2種以上併用して使用しても良い。含有量としては
0.1〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜
10質量%である。
【0014】[感光性平版印刷版]次いで、本発明に使用
される感光性平版印刷版について説明する。 <感光層>その中でも、本発明に使用される感光性平版
印刷版の感光層について、はじめに説明する。本発明に
使用される感光性平版印刷版の感光層は、特に限定され
ないが、レーザー描画可能なネガ型の光重合系の感光層
であることが好ましい。光重合系感光層の主な成分は、 a)付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を少なく
とも1個有する化合物 b)アルカリ水溶液に可溶性又は膨潤性の高分子重合体 c)光重合開始剤系、であり、必要に応じ、着色剤、可
塑剤、熱重合禁止剤等の種々の化合物が添加される。
【0015】a)付加重合可能なエチレン性不飽和二重
結合を少なくとも1個有する化合物は、末端エチレン性
不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有す
る化合物の中から任意に選択することができる。例えば
モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およ
びオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの
共重合体などの化学的形態をもつものである。モノマー
およびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸
(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族
多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸
と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
【0016】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アク
リル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテ
ル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソル
ビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリ
レート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトー
ルヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリ
ゴマー等がある。
【0017】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレ
ート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトール
テトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオ
キシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチル
メタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フ
ェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0018】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、
1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレ
ングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジ
イタコネート、ソルビトールテトライタコネート等があ
る。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコール
ジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネ
ート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビト
ールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネー
ト、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビ
トールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリ
エチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトール
ジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。さ
らに、前述のエステルモノマーの混合物も挙げることが
できる。
【0019】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カ
ルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチ
レンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリル
アミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、
ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレ
ンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミ
ド等がある。その他の例としては、特公昭48−417
08号公報中に記載されている、1分子中に2個以上の
イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物
に、下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビ
ニルモノマーを付加せしめた1分子中に2個以上の重合
性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げら
れる。
【0020】 CH2=C(R)COOCH2CH(R’)OH (A) (ただし、RおよびR’はHあるいはCH3を示す。)
【0021】また、特開昭51−37193号、特公平
2−32293号に記載されているようなウレタンアク
リレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−
43191号、特公昭52−30490号各公報に記載
されているようなポリエステルアクリレート類、エポキ
シ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアク
リレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート
を挙げることができる。さらに日本接着協会誌vol.
20、No.7、300〜308ページ(1984年)
に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されて
いるものも使用することができる。なお、これらの使用
量は、全成分に対して5〜70質量%、好ましくは10
〜50質量%である。
【0022】本発明に使用される感光性平版印刷版の感
光層に含有される、b)アルカリ水溶液に可溶性又は膨
潤性を有する高分子重合体は、該組成物の皮膜形成剤と
してだけでなく、アルカリ水現像剤の用途に応じて選択
使用される。高分子重合体として、例えば、水可溶性有
機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。この様
な有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有
する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特
公昭54−34327号、特公昭58−12577号、
特公昭54−25957号、特開昭54−92723
号、特開昭59−53836号、特開昭59−7104
8号各公報に記載されているもの、すなわち、メタクリ
ル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合
体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エ
ステル化マレイン酸共重合体等がある。
【0023】また同様に、側鎖にカルボン酸基を有する
酸性セルロース誘導体がある。この外に水酸基を有する
付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用
である。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレ
ート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加
重合性ビニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)
アクリレート(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他
の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体が好適である。
この他に水溶性有機高分子として、ポリピニルピロリド
ンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化
皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ポリアミド
や2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパ
ンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用であ
る。また特公平7−120040号、特公平7−120
041号、特公平7−120042号、特公平8−12
424号、特開昭63−287944号、特開昭63−
287947号、特開平1−271741号、特開平1
1−352691号各公報に記載のポリウレタン樹脂も
本発明の用途には有用である。
【0024】これら高分子重合体は側鎖にラジカル反応
性基を導入することにより硬化皮膜の強度を向上させる
ことができる。付加重合反応し得る官能基としてエチレ
ン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が、又光照
射によりラジカルになり得る官能基としては、メルカプ
ト基、チオール基、ハロゲン原子、トリアジン構造、オ
ニウム塩構造等が、又極性基としてカルボキシル基、イ
ミド基等が挙げられる。上記付加重合反応し得る官能基
としては、アクリル基、メタクリル基、アリル基、スチ
リル基などエチレン性不飽和結合基が特に好ましいが、
又アミノ基、ヒドロキシ基、ホスホン酸基、燐酸基、カ
ルバモイル基、イソシアネート基、ウレイド基、ウレイ
レン基、スルホン酸基、アンモニオ基から選ばれる官能
基も有用である。組成物の現像性を維持するため、本発
明の高分子重合体は適当な分子量、酸価を有することが
好ましい。前述の現像液で現像させるため、重量平均分
子量が5000から30万で、酸価0.2〜5.0me
q/gの高分子重合体を使用することが好ましい。
【0025】これらの有機高分子重合体は全組成中に任
意な量を混和させることができる。しかし90質量%を
超える場合には、形成される画像強度等の点で好ましい
結果を与えない。好ましくは10〜90質量%、より好
ましくは30〜80質量%である。また光重合可能なエ
チレン性不飽和化合物と有機高分子重合体は、重量比で
1/9〜9/1の範囲とするのが好ましい。より好まし
い範囲は2/8〜8/2であり、更に好ましくは3/7
〜7/3である。
【0026】本発明に使用される感光性平版印刷版の感
光層に含有される、c)光重合開始剤系としては、使用
する光源の波長により、特許、文献等で公知である種々
の光開始剤、あるいは2種以上の光開始剤の併用系(光
増感剤/光開始剤系)を適宜選択して使用することがで
きる。
【0027】400nm以上の可視光線、Arレーザ
ー、半導体レーザーの第2高調波、SHG−YAGレー
ザーを光源とする場合にも、種々の光増感剤と光開始剤
の併用系が提案されており、例えば、米国特許第2,8
50,445号に記載のある種の光還元性染料、例えば
ローズベンガル、エオシン、エリスロシンなど、あるい
は、染料と開始剤との組み合わせによる系、例えば、染
料とアミンの複合開始系(特公昭44−20189
号)、ヘキサアリールビイミダゾールとラジカル発生剤
と染料との併用系(特公昭45−37377号)、ヘキ
サアリールビイミダゾールとp−ジアルキルアミノベン
ジリデンケトンの系(特公昭47−2528号、特開昭
54−155292号)、環状シス−α−ジカルボニル
化合物と染料の系(特開昭48−84183号)、環状
トリアジンとメロシアニン色素の系(特開昭54−15
1024号)、3−ケトクマリンと活性剤の系(特開昭
52−112681号、特開昭58−15503号)、
ビイミダゾール、スチレン誘導体、チオールの系(特開
昭59−140203号)、有機過酸化物と色素の系
(特開昭59−1504号、特開昭59−140203
号、特開昭59−189340号、特開昭62−174
203号、特公昭62−1641号、米国特許第476
6055号)、染料と活性ハロゲン化合物の系(特開昭
63−258903号、特開平2−63054号な
ど)、染料とボレート化合物の系(特開昭62−143
044号、特開昭62−150242号、特開昭64−
13140号、特開昭64−13141号、特開昭64
−13142号、特開昭64−13143号、特開昭6
4−13144号、特開昭64−17048号、特開平
1−229003号、特開平1−298348号、特開
平1−138204号など)、ローダニン環を有する色
素とラジカル発生剤の系(特開平2−179643号、
特開平2−244050号)、チタノセンと3−ケトク
マリン色素の系(特開昭63−221110号)、チタ
ノセンとキサンテン色素さらにアミノ基あるいはウレタ
ン基を含む付加重合可能なエチレン性不飽和化合物を組
み合わせた系(特開平4−221958号、特開平4−
219756号)、チタノセンと特定のメロシアニン色
素の系(特開平6−295061号)、チタノセンとベ
ンゾピラン環を有する色素の系(特開平8−33489
7号)等を挙げることができる。
【0028】本発明においては、特にチタノセン化合物
を用いた系が、感度の点で優れており好ましい。チタノ
セン化合物としては、種々のものを用いることができる
が、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61
−151197号各公報に記載されている各種チタノセ
ン化合物から適宜選んで用いることができる。さらに具
体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロ
ライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェ
ニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,
3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ
−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6
−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタ
ジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフエ
ニ−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−
2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペ
ンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェ
ニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti
−ビス−2,3,4,5,6−テトラフルオロフェニ−
1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビ
ス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロ
ペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロ−3
−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イル等を挙げるこ
とができる。
【0029】さらに、本発明で用いる光重合開始剤に必
要に応じてアミン化合物、チオール化合物などの助剤を
加えても良く、これらの水素供与性化合物を加えること
によってさらに光重合開始能力を高めることができる。
これらの光重合開始剤の使用量は、エチレン性不飽和化
合物100質量部に対し、0.05〜100質量部、好
ましくは0.1〜70質量部、更に好ましくは0.2〜
50質量部の範囲で用いることができる。
【0030】また本発明においては、以上の基本成分の
他に、感光層用の感光性組成物の製造中あるいは保存中
において重合可能なエチレン性不飽和化合物の不要な熱
重合を阻止するために、少量の熱重合禁止剤を添加する
ことが望ましい。適当な熱重合禁止剤としては、ハイド
ロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−
p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコー
ル、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニト
ロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−
ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等
が挙げられる。熱重合禁止剤の添加量は、全組成物の重
量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するため
にベヘン酸やべヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体
等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏
在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成
物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
【0031】更に感光層の着色を目的として、着色剤を
添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシア
ニン系顔料(C.I.Pigment Blue 1
5:3、15:4、15:6など)、アゾ系顔料、カー
ボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレ
ット、クリスタルバイオレット、アゾ染料、アントラキ
ノン系染料、シアニン系染料がある。染料および顔料の
添加量は全感光層固形分の約0.5質量%〜約20質量
%が好ましい。加えて、硬化皮膜の物性を改良するため
に、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタ
レート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加
剤を加えてもよい。これらの添加量は全感光層固形分の
10質量%以下が好ましい。
【0032】上記感光層を後述の支持体上に塗布する際
には、感光層用組成物を種々の有機溶剤に溶かして使用
に供される。ここで使用する溶媒としては、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エ
チレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチ
ルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エ
チレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキ
シプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、
3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクト
ン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒
は、単独あるいは混合して使用することができる。そし
て、塗布溶液中の固形分の濃度は、1〜50質量%が適
当である。
【0033】前記光重合性感光層用組成物には、塗布面
質を向上するために界面活性剤を添加することができ
る。その被覆量は乾燥後の重量で約0.1g/m2〜約
10g/m2の範囲が適当である。より好ましくは0.
3〜5g/m2である。更に好ましくは0.5〜3g/
2である。
【0034】[酸価]なお、本発明において述べる感光
層の酸価とは、感光性平版印刷版の支持体上に塗設され
ている感光性組成物(感光層の上に塗設されるオーバー
コート層、例えば、酸素遮断層は含まない)の層、1g
あたりに含有されるpKa9以下の酸の等量である。実験
的には感光層を水酸化ナトリウム水溶液により直接、滴
定して求めることができるが、感光性組成物中のpKa9
以下の酸基を有する化合物の含有量から計算により求め
ることもできる。具体的に感光層の酸価を変える方法と
しては、感光層成分である架橋剤モノマー/酸基を有す
るバインダーポリマー(線状高分子)の含有比の変更お
よび酸基の少ない低酸価バインダーポリマーの使用など
が考えられる。低酸価バインダーポリマーとしては、酸
価1.5meq/g以下が好ましい。より好ましくは
1.2meq/g以下である。本発明の感光層の酸価は
1.0meq/gであることが好ましい。酸価0.20
〜0.60meq/gの感光層を有する平版印刷版に適
用する方が効果的である。さらに画像形成性の点でより
好ましくは0.30〜0.50meq/gの感光層を有
するものである。
【0035】[支持体]本発明で用いられる感光性平版印
刷版の支持体としては、寸度的に安定な板状物であれ
ば、特に限定されないが、アルミニウム支持体が好適で
ある。アルミニウム支持体は、寸度的に安定なアルミニ
ウムを主成分とするアルミニウムおよびアルミニウム含
有(例えばケイ素、銅、マンガン、マグネシウム、クロ
ム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルなどの金属とアルミ
ニウムとの合金)合金、またはアルミニウムまたはアル
ミニウム合金がラミネートもしくは蒸着されたプラスチ
ックフィルムまたは紙の中から選ばれる。さらに特公昭
48−18327号に記載の様なポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複
合体シートでもかまわない。このアルミニウム支持体に
は、適宜後述の基板表面処理が施される。
【0036】[砂目立て処理]砂目立て処理方法は、特開
昭56−28893号に開示されているような機械的砂
目立て、化学的エッチング、電解グレインなどがある。
さらに塩酸または硝酸電解液中で電気化学的に砂目立て
する電気化学的砂目立て方法、及びアルミニウム表面を
金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研
磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立でするボール
グレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立て
するブラシグレイン法のような機械的砂目立て法を用い
ることができ、上記砂目立て方法を単独あるいは組み合
わせて用いることもできる。
【0037】その中でも本発明に有用に使用される表面
粗さを作る方法は、塩酸または硝酸電解液中で化学的に
砂目立てする電気化学的方法であり、適する電流密度は
100C/dm2〜400C/dm2の範囲である。さら
に具体的には、0.1〜50%の塩酸または硝酸を含む
電解液中、温度20〜100℃、時間1秒〜30分、電
流密度100C/dm2〜400C/dm2の条件で電解
を行うことが好ましい。このように砂目立て処理したア
ルミニウム支持体は、酸またはアルカリにより化学的に
エッチングされる。酸をエッチング剤として用いる場合
は、微細構造を破壊するのに時間がかかり、工業的に本
発明を適用するに際しては不利であるが、アルカリをエ
ッチング剤として用いることにより改善できる。本発明
において好適に用いられるアルカリ剤は、苛性ソーダ、
炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リ
ン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を用
い、濃度と温度の好ましい範囲はそれぞれ1〜50質量
%、20〜100℃であり。Alの溶解量が5〜20g
/m3となるような条件が好ましい。
【0038】エッチングのあと表面に残留する汚れ(ス
マット)を除去するために酸洗いが行われる。用いられ
る酸は硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフ
ッ化水素酸等が用いられる。特に電気化学的粗面化処理
後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭
53−12739号公報に記載されているような50〜
90℃の温度の15〜65質量%の硫酸と接触させる方
法及び特公昭48−28123号公報に記載されている
アルカリエッチングする方法が挙げられる。なお、本発
明で有効に用いられるAl支持体の表面粗さは(Ra)
は0.3〜0.7μmである。
【0039】[陽極酸化処理]以上のようにして処理され
たアルミニウム支持体は、さらに陽極酸化処理が施され
る。陽極酸化処理はこの分野で従来より行われている方
法で行うことができる。具体的には、硫酸、リン酸、ク
ロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルフォ
ン酸等あるいはこれらの二種以上を組み合わせて水溶液
または非水溶液中でアルミニウムに直流または交流を流
すとアルミニウム支持体表面に陽極酸化皮膜を形成する
ことができる。陽極酸化処理の条件は使用される電解液
によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一
般的には電解液の濃度が1〜80質量%、液温5〜70
℃、電流密度0.5〜60アンペア/dm2、電圧1〜
100V、電解時間10〜100秒の範囲が適当であ
る。
【0040】これらの陽極酸化処理のうちでも特に英国
特許第1,412,768号明細書に記載されている、
硫酸中で高電流密度で陽極酸化する方法及び米国特許第
3,511,661号明細書に記載されているリン酸を
電解浴として陽極酸化する方法が好ましい。本発明にお
いては、陽極酸化皮膜は1〜10g/m2であることが
好ましく、1g/m2以下であると版に傷が入りやす
く、10g/m2以上は製造に多大な電力が必要とな
り、経済的に不利である。好ましくは、1.5〜7g/
2である。更に好ましくは、2〜5g/m2である。更
に、本発明においては、砂目立て処理及び陽極酸化後、
アルミニウム支持体に封孔処理を施してもかまわない。
かかる封孔処理は、熱水及び無機塩または有機塩を含む
熱水溶液への基板の浸漬ならびに水蒸気浴などによって
行われる。また、このアルミニウム支持体にはアルカリ
金属珪酸塩によるシリケート処理のほか、たとえば弗化
ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬処
理などの表面処理がなされてもかまわない。
【0041】また、本発明で用いる感光性平版印刷版の
支持体には、前記アルミニウム支持体の他に、寸度的に
安定な以下の板状物も好適に用いられる。例えば、紙、
プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板
(例えば、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例え
ば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン
酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、
硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラ
ミネート若しくは蒸着された紙またはプラスチックフィ
ルム等が挙げられる。
【0042】また、これらの支持体に対しては、その支
持体に応じた表面親水化処理を行うことも好ましい。表
面親水化処理には、エッチングや酸化、還元、ゾル−ゲ
ルコーティングなどの化学反応による処理や、支持体表
面に吸着するような特定の化合物をコーティングするこ
と等が挙げられる。例えば、陽極酸化アルミニウム支持
体の場合には、特に、燐系の酸原子団を有する有機化合
物(燐酸、ホスホン酸、ホスフィン酸など)、又は特開
2001−109139号公報に記載されているアルミ
ニウム基板上に設ける接着層に用いる有機シリコーン化
合物などが好適に使用される。上記の支持体上に、前述
の感光層を形成することで、感光性平版印刷版が製造さ
れるが、感光層を塗設する前に必要に応じて有機または
無機の下塗り層が設けられてもかまわない。
【0043】[保護層]本発明の感光性平版印刷版は、そ
の感光層の上に水溶性ポリマーを主成分とする酸素遮断
性の保護層を有している。酸素遮断性保護層に含まれる
水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、およ
びその部分エステル、エーテル、およびアセタール、ま
たはそれらに必要な水溶性を有せしめるような実質的量
の未置換ビニルアルコール単位を含有するその共重合体
等の水溶性ビニル重合体が挙げられる。ポリビニルアル
コールとしては、71〜100モル%加水分解され、重
合度が300〜2400の範囲のものが挙げられる。具
体的には、株式会社クラレ製PVA−105、PVA−
110、PVA−117、PVA−117H、PVA−
120、PVA−124、PVA−124H、PVA−
CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−20
3、PVA−204、PVA−205、PVA−21
0、PVA−217、PVA−220、PVA−217
EE、PVA−224、PVA−217E、PVA−2
20E、PVA−224E、PVA−405、PVA−
420、PVA−613、L−8等が挙げられる。上記
の共重合体としては、88〜100モル%加水分解され
たポリビニルアセテートクロロアセテートまたはプロピ
オネート、ポリビニルホルマールおよびポリビニルアセ
タールおよびそれらの共重合体が挙げられる。その他有
用な重合体としては、ポリビニルピロリドン、ゼラチン
およびアラビアゴム等が挙げられ、これらは単独また
は、併用して用いても良い。
【0044】この酸素遮断性保護層を塗布する際用いる
溶媒としては、純水が好ましいが、メタノール、エタノ
ールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケト
ンなどのケトン類を純水と混合しても良い。そして塗布
溶液中の固形分の濃度は1〜20質量%が適当である。
この酸素遮断性保護層にはさらに塗布性を向上させるた
めの界面活性剤、皮膜の物性を改良するため、水溶性可
塑剤等の公知の添加剤を加えても良い。水溶性の可塑剤
としては、たとえばプロピオンアミド、シクロヘキサン
ジオール、グリセリン、ソルビトール等がある。また、
水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーなどを添加しても
良い。その被覆量は、乾繰後の重量で約0.1〜約15
g/m2の範囲が適当である。より好ましくは1.0〜
約5.0g/m2である。
【0045】[現像剤、現像補充剤]現像液、補充液とし
てはpH9〜14の範囲のアルカリ性水溶液が用いられ
る。アルカリ化合物としてはアルカリ金属水酸化物、ア
ルカリ度類金属水酸化物、珪酸塩、アルカリ金属の炭酸
塩および炭酸水素塩、アンモニウムの炭酸塩および炭酸
水素塩、アミン類等の有機塩基等を挙げることができ
る。また各種界面活性剤(ノニオン性、カチオン性、ア
ニオン性)を含有させることも有用である。
【0046】[製版プロセス]本発明の感光性平版印刷
版の製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光
中、露光から現像までの間に、全面を加熱しても良い。
このような加熱により、感光層中の画像形成反応が促進
され、感度や耐刷性の向上や、感度の安定化といった利
点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的
として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは、全
面露光を行うことも有効である。通常現像前の加熱は1
50℃以下の穏和な条件で行うことが好ましい。温度が
高すぎると、非画像部までがかぶってしまう等の問題を
生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。
通常は200〜500℃の範囲である。温度が低いと十
分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体
の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる。
【0047】本発明の感光性平版印刷版の露光方法は、
公知の方法を制限なく用いることができる。光源として
はレーザーが好ましく。例えば、350〜450nmの
波長の入手可能なレーザー光源としては以下のものを利
用することができる。ガスレーザーとして、Arイオン
レーザー(364nm、351nm、10mW〜1
W)、Krイオンレーザー(356nm、351nm、
10mW〜1W)、He−Cdレーザー(441nm、
325nm、1mW〜100mW)、固体レーザーとし
て、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組
み合わせ(355nm、5mW〜1W)、Cr:LiS
AFとSHG結晶の組み合わせ(430nm、10m
W)、半導体レーザー系として、KNbO3、リング共
振器(430nm、30mW)、導波型波長変換素子と
AlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(38
0nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波
長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組
み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100m
W)、AlGaInN(350nm〜450nm、5m
W〜30mW)、その他、パルスレーザーとして、N2
レーザー(337nm、パルス0.1〜10mJ)、X
eF(351nm、パルス10〜250mJ)等が挙げ
られる。
【0048】特にこの中でAlGaInN半導体レーザ
ー(市販InGaN系半導体レーザー、400〜410
nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適で
ある。その他、450nm〜700nmの入手可能な光
源としてはAr+レーザー(488nm)、YAG−S
HGレーザー(532nm)、He−Neレーザー(6
33nm)、He−Cdレーザー、赤色半導体レーザー
(650〜690nm)、及び700〜1200nmの
入手可能な光源としては半導体レーザー(800〜85
0nm)、Nd−YAGレーザ(1064nm)が好適
に利用できる。
【0049】その他、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水
銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン
灯、メタルハライド灯、紫外のレーザーランプ(ArF
エキシマレーザー、KrFエキシマレーザー等)、放射
線としては電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線など
も利用できるが、安価な点で上述の350nm以上のレ
ーザー光源が特に好ましい。また、露光機構は内面ドラ
ム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等のいず
れでもよい。
【0050】本発明の保護層の洗浄方法においては現像
前洗浄に用いる洗浄液は20℃から60℃の範囲が好ま
しく、洗浄の方法はスプレー、ディップ、塗設等公知の
方法を用いることができる。現像前洗浄工程終了直後現
像処理を行っても良く、現像前洗浄工程の後に乾燥させ
てから現像処理を行っても良い。また現像処理された光
重合型感光性平版印刷版は、特開昭54−8002号、
同55−115045号、同59−58431号等の各
公報に記載されているように、水洗水、界面活性剤等を
含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を含む
不感脂化液で後処理される。本発明の感光性平版印刷版
の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いるこ
とができる。このような処理によって得られた平版印刷
版はオフセット印刷機にかけられ、多数枚の印刷に用い
られる。
【0051】<実施例> (支持体1:陽極酸化アルミニウム支持体)厚さ0.3
0mmの材質1Sのアルミニウム板を8号ナイロンブラ
シと800メッシュのパミストンの水懸濁液を用い、そ
の表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水
酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチング
した後、流水で、水洗後、20%HNO3で中和洗浄、
水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で正弦波の
交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で300クーロ
ン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。
その表面粗さを測定したところ0.45μm(Ra表
示)であった。ひきつづいて30%のH2SO4水溶液中
に浸漬し、55℃で2分間デスマットした後、33℃、
20%H2SO4水溶液中で、砂目立てした面に陰極を配
置して、電流密度5A/dm2において50秒間陽極酸
化したところ、厚さが2.7g/m2であった。これを
支持体1とした。
【0052】(支持体2)支持体1に下記の表面処理用
下塗り液状組成物1をP量が約0.05g/m2となる
ように塗布し、100℃で1分間乾燥させたものを支持
体2とした。
【0053】 <下塗り用液状組成物1> フェニルホスホン酸 2質量部 メタノール 800質量部 水 50質量部
【0054】(支持体3)支持体1に下記の表面処理用
下塗り液状組成物2をSi量が約0.001g/m2
なるように塗布し、100℃で1分間乾燥させたものを
支持体3とした。
【0055】<下塗り用液状組成物2>下記成分を混合
攪拌し、約5分後に発熱が見られ、60分間反応させた
後、内容物を別の容器に移し、メタノールをさらに3万
質量部加えたものを液状組成物2とした。
【0056】 ユニケミカル(株)ホスマーPE 20質量部 メタノール 130質量部 水 20質量部 パラトルエンスルホン酸 5質量部 テトラエトキシシラン 50質量部 3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 50質量部
【0057】<感光層>上述の支持体1〜3上に、下記
組成の光重合性組成物を乾燥塗布重量が1.5g/m2
となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させ、感光
層を形成した。続いて、この感光層上にポリビニルアル
コール(ケン化度98モル%、重合度500)の3質量
%の水溶液を乾燥塗布重量が2.5g/m2となるよう
に塗布し、120℃で3分間乾燥させ、感光性平版印刷
版(感材)を得た。
【0058】 (感光層塗布液(光重合性組成物):下記表−1に詳細を記載) エチレン性不飽和二重結合含有化合物(A) a 質量部 線状有機高分子重合体(B) b 質量部 光増感剤(C) 0.15質量部 光開始剤(D) 0.30質量部 添加剤(S) 0.50質量部 フッ素系界面活性剤 0.03質量部 (メガファックF−177:大日本インキ化学工業(株)製) 熱重合禁止剤 0.01質量部 (N−ニトロソヒドロキシルアミンアルミニウム塩) ε型の銅フタロシアニン分散物 0.2 質量部 メチルエチルケトン 30.0 質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.0 質量部
【0059】
【表1】
【0060】感光層塗布液に用いる、エチレン性不飽和
結合含有化合物(A)、線状有機高分子重合体(B)、
光増感剤(C)、光開始剤(D)、添加剤(S)を以下
に示す。
【0061】
【化3】
【0062】
【化4】
【0063】
【化5】 <自動現像システム1>自動現像機(富士写真フイルム
製LP−850P2)で標準処理を行った。プレヒート
の条件は版面到達温度が100℃、現像前洗浄液温度は
30℃、洗浄液への浸積時間が8秒、現像液温度は28
℃、現像液への浸漬時間は約15秒であった。現像前洗
浄液浴には20Lの洗浄液をいれ、さらに予備タンクに
30Lの水を入れた。これら合計50Lの洗浄液が常に
循環される機構である。
【0064】<自動現像システム2>自動現像機(富士
写真フイルム製FLP−1250NFS)で標準処理を
行った。プレヒートの条件は版面到達温度が120℃、
現像前洗浄液温度は40℃、洗浄液への浸積時間が8
秒、現像液温は25℃、現像液への浸漬時間は約15秒
であった。現像前洗浄液浴には22.5Lの洗浄液をい
れ、1m2処理するごとに200ccの洗浄液を補充し
た。
【0065】<現像液1,補充液1>現像液1は下記組
成よりなり、pHは25℃で12.0、導電率は5mS
/cmであった。補充液を版材1m2処理するごと10
0cc補充した。
【0066】 (現像液1、補充液1の組成) 現像液 補充液 水酸化カリウム 0.15g 1.2g 炭酸カリウム 0.1g 0g ポリオキシエチレンフェニルエーテル(n=13) 5.0g 5.0g キレスト400(キレート剤) 0.1g 0.1g 水 94.65g 93.7g
【0067】現像液2は下記組成よりなり、pHは25
℃で12.0、導電率は7mS/cmであった。補充液
を版材1m2処理するごと100cc補充した。 (現像液2、補充液2の組成) 現像液 補充液 水酸化カリウム 0.15g 1.2g 1K珪酸カリウム 2.4g 2.4g 炭酸カリウム 0.1g 0g ポリオキシエチレンフェニルエーテル(n=13) 5.0g 5.0g キレスト400(キレート剤) 0.1g 0.1g 水 2.25g 91.3g
【0068】現像液3は下記組成よりなり、pHは25
℃で12.8、導電率は30mS/cmであった。補充
液を版材1m2処理するごと100cc補充した。 (現像液3、補充液3の組成) 現像液 補充液 水酸化カリウム 0.5g 1.0g 1K珪酸カリウム 2.4g 2.4g リポミンLA(ライオン製、有効成分20質量%) 5.0g 5.0g キレスト400(キレート剤) 0.1g 0.1g 水 92.0g 91.5g
【0069】<現像前洗浄液> (洗浄液1)シクロヘキサノールの0.5質量%水道水
溶液 (洗浄液2)シクロヘキサノンの0.5質量%水道水溶
液 (洗浄液3)isoブチルアルコールの0.5質量%水
道水溶液 (洗浄液4)シクロヘキサノールの0.5質量%、TS
A−731(シリコーン系消泡剤:東芝シリコーン社製
消泡剤)の0.1質量%、及び下記式の化合物の0.5
質量%水道水溶液
【0070】
【化6】 式中、MはNaを示す。
【0071】(洗浄液5)シクロヘキサノールの0.5
質量%、TSA−731(シリコーン系消泡剤:東芝シ
リコーン社製消泡剤)の0.1質量%、及び下記式の化
合物の0.5質量%水道水溶液
【化7】
【0072】評価 各システムにおいてランニング処理を行い、ゲル、泡立
ち、カビ/バクテリア発生により液交換が必要になるま
での日数(処理後の版上にゲル、カビ等が付着したり、
浴外に泡があふれ出たりして、実質上、正常な処理が不
能になるまでの日数)を評価した。日数が長いほど液が
安定に使用できることを意味する。
【0073】
【0074】上記表から明らかなように、画像露光し
た、水溶性ポリマーを主成分とする保護層を有する感光
性平版印刷版の処理工程において、少なくとも一種のモ
ノアルコール化合物またはモノケトン化合物を含有する
洗浄液で処理する本発明の方法では、いずれもゲル化を
抑制する効果が顕著であり、24日〜29日間液交換を
する必要がなかった。これに対し、モノアルコール化合
物またはモノケトン化合物のいずれも含有しない水道水
を用いた場合には、8日〜9日でゲル化が生じ、液交換
が必要であった。
【発明の効果】本発明によれば、感光層上の水溶性ポリ
マーを現像前に除去する洗浄処理工程において、該水溶
性ポリマー起因のゲル化、泡立ち、腐敗によるカビバク
テリアの発生、特にゲル化の発生を抑制することが可能
で、洗浄液の交換寿命を延ばすことができる。また、自
動現像機のメンテナンス性向上を図ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ポリマーを主成分とする保護層を
    有する感光性平版印刷版の製版方法であって、画像露光
    した前記感光性平版印刷版を少なくとも一種のモノアル
    コール化合物またはモノケトン化合物を含有する洗浄液
    で処理して前記保護層を除去した後に、現像処理するこ
    とを特徴とする上記製版方法。
  2. 【請求項2】 水溶性ポリマーを主成分とする保護層を
    有する感光性平版印刷版処理用洗浄液であって、少なく
    とも一種のモノアルコール化合物またはモノケトン化合
    物を含有することを特徴とする感光性平版印刷版処理用
    洗浄液。
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