JP2003107743A - 平版印刷版の製版方法及び感光性平版印刷版用現像液 - Google Patents

平版印刷版の製版方法及び感光性平版印刷版用現像液

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JP2003107743A
JP2003107743A JP2001298972A JP2001298972A JP2003107743A JP 2003107743 A JP2003107743 A JP 2003107743A JP 2001298972 A JP2001298972 A JP 2001298972A JP 2001298972 A JP2001298972 A JP 2001298972A JP 2003107743 A JP2003107743 A JP 2003107743A
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Toshiaki Aoso
利明 青合
Hiroyuki Nagase
博幸 長瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成性を損なわずに印刷時の汚れと耐刷
性の両立ができ、且つ、現像液不溶性化合物を溶解或い
は長時間分散安定化でき、消泡性をも向上させた現像液
を提供し、さらにそのような現像液による光重合型感光
性平版印刷版からの製版方法を提供する。 【解決手段】 エチレン性不飽和結合を含有するモノマ
ー、光重合開始剤、増感剤及び高分子バインダーを含有
する光重合型感光層を有する感光性平版印刷版をレーザ
ー光で画像露光した後、SiO2/M2O(Mはアルカリ
金属又はアンモニウム基を表す)のモル比が0.75〜
4.0であるアルカリ珪酸塩、界面活性剤及び消泡剤と
を含有しpH12.0〜12.8で電導度3〜40mS
/cmの範囲にある現像液で現像処理することを特徴と
する平版印刷版の製版方法;SiO 2/M2O(Mはアル
カリ金属又はアンモニウム基を表す)のモル比が0.7
5〜4.0であるアルカリ珪酸塩、界面活性剤及び消泡
剤とを含有し、pH12.0〜12.8で電導度3〜4
0mS/cmの範囲にあることを特徴とする光重合型感
光性平版印刷版用の現像液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版の製版
方法及び光重合型感光性平版印刷版用の現像液に関する
ものである。詳しくは、長期間の経時や繰り返しの使用
による現像特性の低下がなく、且つ、平版印刷版の非画
像部(未露光部)に対し良好な現像性を有し、印刷時で
の汚れ性、特に印刷を一時停止し再開させた時の放置汚
れを防止すると共に、画像部(露光部)に対しての現像
ダメージが少なく強固な画像を形成し、高い耐刷性を実
現する光重合型平版印刷版に好適な現像液、及び光重合
型感光性平版印刷版の現像処理方法に関する。更に、現
像液を調製し仕込む際又は現像処理する際に泡立ちが少
なく、現像ムラ等の泡に起因する問題のない現像液、及
び光重合型感光性平版印刷版の現像処理方法に関する。
また更に、環境に対する安全性の高い光重合型平版印刷
版に好適な現像液、及び光重合型感光性平版印刷版の現
像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より光重合性の平版印刷版用の現像
液として広く用いられているものとしては大きく分類す
ると、次のa)〜c)の3種類のものが知られている。
a)有機溶剤を主にした非水系の現像液、b)無機アル
カリを主にした水系現像液、c)有機塩基を主にした水
系現像液である。これらの内、昨今では、環境問題の要
請から、b)、c)の水系現像液が使用されている。こ
れら2つの現像液の特徴を詳しく述べると、b)の無機
アルカリ現像液には通常現像後に支持体上の親水化処理
を施すために、pH12付近で、珪酸塩が含有されてい
ることが特徴である。この珪酸塩は親水化処理を行う、
つまり印刷時の非画像部の汚れを防止するために必須の
成分である。
【0003】たとえば、特開平8−248643号に記
載のpH12以上の現像液や、特開平11−65129
号記載のpH12以下の現像液が知られているが、前者
のpH12以上の場合には、通常支持体に用いているア
ルミを溶解しやすく、特に画像面積の小さな点(小点)
の場合にはサイドエッチング現象により、その画像部直
下のアルミ支持体を溶解することで、印刷時に小点が支
持体から取れる現象(小点飛び)が発生し、つまり耐刷
性を著しく劣化させるという問題があった。またアルミ
支持体の溶解は現像液のpHが大きい程増大し、その結
果、機構については不明な点があるが、印刷時に一時停
止から印刷再開まで、放置されることで生じる印刷汚れ
(所謂、放置汚れ)が発生するという問題があった。更
に親水化処理目的で添加された珪酸塩と溶解したアルミ
が錯体を形成し、現像液中でカス状不溶物が析出すると
いう問題があった。また、後者のpH12以下の場合に
は、上述の耐刷性と印刷汚れ防止の点では好ましいが、
長期間の現像処理を続けていくことで、例えば空気中の
炭酸ガスによる効果等によりpHが低下しやすく、この
際に珪酸塩がゲル化を起こし、現像液中に析出して現像
処理を安定にできなくなるという新たな問題があった。
その他、珪酸塩を含有しない現像液の試みとして、特開
昭61−109052号、西ドイツ特許第198460
5号、特開2000−81711号、特開平11−65
126号などが開示されているが、いずれも印刷汚れの
点で珪酸塩含有のものより不利なだけでなく、耐刷性と
の両立も困難であった。
【0004】一方、c)の有機塩基現像液としては、エ
タノールアミン等の有機アミン及び、現像補助剤として
ベンジルアルコール等のアルコール系有機溶剤を含有す
るものが知られているが、この場合には、確かにpH1
0程度と低く、炭酸ガスの影響を受けにくく処理安定性
は良いが、やはり支持体に対する親水化の点で不利であ
ることだけでなく、今度は有機溶剤に起因する画像部へ
の浸透力が高過ぎ、特に小点に対して悪影響を及ぼし、
現像時に支持体から小点がとれる現象が生じるという画
像形成性を劣化させる問題があった。更にb)、c)の
水系現像液共に、通常使用される界面活性剤に起因し
て、現像液を調製し自動現像機に仕込む際又はこの現像
液を使用し自動現像機で平版印刷版を現像処理する際に
泡立ちを起こし、消泡までに時間を要したり、泡が平版
印刷版の表面に付着して現像ムラを生じたりする問題が
あった。すなわち、光重合性の平版印刷版に関しては、
画像形成性、印刷汚れと耐刷性、処理安定性などを考慮
すると、適した現像液がないのが実状である。また、現
像液組成に関しては珪酸塩の含有の有無、pHの高低、
無機アルカリと有機アルカリの相違などが、現像現象に
非常に影響を及ぼすことがわかるが、従来の組み合わせ
では上記の問題を解決することはできなかった。
【0005】更に、従来から光重合性の平版印刷版で
は、長期間現像処理を続けていると現像液中に不溶物が
蓄積、凝集沈降し現像カスとなり現像処理を不安定化す
る要因になっていた。このような現像カスの成分はこれ
まで明らかとはなっていなかったが、分析の結果、その
多くは感光層中に含まれる現像液不溶解成分であること
が判明した。その不溶解成分としては、例えば、露光部
と未露光部を識別するために感光層に添加している種々
の着色剤が挙げられる。これらの着色剤は、光重合系の
場合、ラジカル補足による減感や開始系(開始剤単独或
いは増感色素と開始剤との組み合わせなど)との不必要
な相互作用(エネルギー移動や電子移動)による減感を
避ける目的で、感光層中に分子分散せずに結晶状態を保
った集合体として分散される、所謂顔料が用いられてい
る。しかしこのような顔料は本質的に現像液に不溶であ
るため、未露光部を除去するための現像工程において、
はじめは一時的に現像液に分散しているが、長期間現像
処理を続けていると現像液中に蓄積、凝集沈降し現像カ
スとなる。
【0006】一方、光重合性の平版印刷版には、近年発
達してきたレーザー光源に対応すべく様々な光重合開始
剤(ラジカル発生剤)が使用されているが、その中でも
レーザー光源波長域に感光性を有し、安定性と感度の点
で優れた開始剤として、チタノセン系の開始剤が知られ
ている。しかしこのチタノセン系開始剤は有機金属であ
り、上述の着色剤顔料と同様に、現像液に不溶のもので
あり、一時的に現像液に分散しているが、長期間現像処
理を続けていると現像液中に蓄積、凝集沈降し、やはり
現像カスとなる。上述のpH低下に伴う珪酸塩析出の問
題だけでなく処理安定性に関しては、このような現像カ
スの問題を解決することも非常に重要である。すなわ
ち、光重合性の平版印刷版用の現像液としては、上述の
画像形成性、印刷汚れと耐刷性の両立、処理安定性を満
足する現像液が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、上記
従来の技術の欠点を克服し、良好な現像性を発揮する光
重合型感光性平版印刷版用現像液、及び平版印刷版の製
版方法を提供するものである。すなわち、画像形成性を
損なわずに印刷時の汚れ、特に放置汚れと耐刷性の両立
ができ、上述の現像液不溶性化合物を溶解或いは長時間
分散安定化でき、且つ現像液仕込み時及び現像処理時の
泡立ちが少なく、処理安定性をも向上することができ
る、環境に対し安全性の高い光重合型感光性平版印刷版
用現像液、及び光重合型感光性平版印刷版の現像処理方
法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、下記構成により、上記の課題を達成すること
に成功した。即ち、本発明は以下の通りである。 (1)エチレン性不飽和結合を含有するモノマー、光重
合開始剤、増感剤及び高分子バインダーを含有する光重
合型感光層を有する感光性平版印刷版をレーザー光で画
像露光した後、SiO2/M2O(Mはアルカリ金属又は
アンモニウム基を表す)のモル比が0.75〜4.0で
あるアルカリ珪酸塩、界面活性剤及び消泡剤とを含有し
pH12.0〜12.8で電導度3〜40mS/cmの
範囲にある現像液で現像処理することを特徴とする平版
印刷版の製版方法。 (2)SiO2/M2O(Mはアルカリ金属又はアンモニ
ウム基を表す)のモル比が0.75〜4.0であるアル
カリ珪酸塩、界面活性剤及び消泡剤とを含有し、pH1
2.0〜12.8で電導度3〜40mS/cmの範囲に
あることを特徴とする光重合型感光性平版印刷版用の現
像液。 本発明において使用する上記の現像液の好ましい実施態
様として、消泡剤がシリコーン化合物である現像液が挙
げられる。本発明において使用する上記現像液の別の好
ましい実施態様として、SiO2/M2O(Mはアルカリ
金属又はアンモニウム基を表す)のモル比が0.75〜
1.5である現像液があり、また、pHが12.2〜1
2.6、及び電導度が10〜30mS/cmの範囲にあ
る現像液がある。
【0009】特に本発明においては、現像液組成物につ
いて鋭意検討した結果、特定の成分と組成の組み合せか
らなる現像液により、画像形成性を損なわずに印刷時の
汚れ、特に放置汚れと耐刷性の両立ができ、上述の現像
液不溶性化合物を溶解或いは長時間分散安定化でき、且
つ現像液の泡立ち性を低減させ、処理安定性も向上する
ことに成功した。特定の現像液とは、現像液組成物とし
て以下の要件を満たすものであると現在のところは考え
ている。第1に、画像形成性に対し極めて良好な働きを
すること(未露光部の現像性は高く、露光部に対する現
像液の浸透性は低い。また、感光層の溶解挙動は非膨潤
的であり、感光層表面から順に溶解していく)。第2
に、未露光部の感光層を完全に除去することができ、支
持体表面を印刷汚れの発生しない親水面として再生でき
ることである。第3に、上述の現像不溶性化合物を安定
に分散或いは可溶化するため、これらの不溶性化合物と
相互作用する疎水性サイトと水中で分散安定化させる親
水性サイトを有する非イオン性化合物を含有すること。
第4に、塩析や現像速度低下を防ぐため、塩濃度が低い
こと(pHも従来のアルカリ現像液に比較して低いこ
と)。第5に、上記要件を全て満たした上で、泡立ち性
を抑え、且つまた環境及び人体に有害な化学物質を含有
しないこと。
【0010】この内、第1、第2に関しては感光層成分
の特徴も重要な要因となる。特に光重合性の平版印刷版
の感光層であれば制約は受けないが、現在判っていると
ころでは、感光層酸価が従来のものよりも低いことは、
本発明の現像液との相乗効果を得る点では、重要である
と考えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光重合性感光性平
版印刷版用現像液、及び平版印刷版の製版方法につい
て、更に詳細に説明する。はじめに、現像挙動について
詳細に説明する。 [現像速度]本発明で定義する現像速度とは、後述の実
施例で得られた平版印刷版原版を露光せずにそのまま、
各種現像液に対して28℃で浸漬して、感光層が現像除
去され、支持体が現れる時間を測定する。感光層膜厚に
対する現像速度を下式で算出し、速度が大きい方が現像
性が良好であることを表す。
【0012】未露光部現像速度 = 感光層膜厚(μ
m)/現像完了時間(s)
【0013】[現像浸透速度]本発明で定義する現像浸
透速度とは、後述の実施例で得られた平版印刷版原版を
各露光光源により標準露光量にて露光後、各種現像液に
対して28℃で浸漬して感光層の静電容量の変化を測定
する。静電容量の変化が起こる時間を調べることで感光
層に現像液が浸透し、支持体に接触する時間が判る(変
化点が現れにくい場合は静電容量が100nFに到達す
る時間で見積もる)。該時間から感光層膜厚方向に対す
る現像液浸透速度を下式で算出し、速度が小さい方が浸
透性が低くて良いことを表す。
【0014】露光部現像液浸透速度=感光層膜厚(μ
m)/静電容量変化が始まる時間(s)
【0015】[感光層の溶解及び膨潤]本発明で定義す
る感光層の溶解及び膨潤とは、後述の実施例で得られた
平版印刷版原版を露光せずにそのまま、各種現像液に対
して30℃で浸漬して、感光層の溶解挙動を溶解速度モ
ニター(DRM:Perkin−Elmer製)で測定
する。現像挙動が感光層表面からの非膨潤的現像の場
合、感光層膜厚が現像時間に対して徐々に薄くなり、そ
の厚みに応じた干渉波が得られる。逆に膨潤的溶解(又
は脱膜的溶解)の場合には膜厚が現像液浸透により変化
するため、きれいな干渉波が得られない。きれいな干渉
波が得られることが望ましく、評価は干渉波の有無で評
価する。
【0016】次いで、現像液の各成分について、以下に
詳細に説明する。 [1]界面活性剤成分 本発明の現像液に添加される界面活性剤としては、所謂
ノニオン型、アニオン型、カチオン型及び両性型界面活
性剤の何れの化合物も使用できる。例えば、分子中にエ
チレンオキシ鎖及び/又はプロピレンオキシ鎖を有する
長鎖アルコールのエチレンオキシ及び/又はプロピレン
オキシ付加体、具体的にはポリオキシエチレンステアレ
ート等のポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソル
ビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、
ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエー
ト、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレ
エート等のエチレンオキシ及び/又はプロピレンオキシ
付加体、グリセロールモノステアレート、グリセロール
モノオレート等のエチレンオキシ及び/又はプロピレン
オキシ付加体等のノニオン界面活性剤:ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン
酸塩類、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ペン
チルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタ
レンスルホン酸ナトリウム、オクチルナフタレンスルホ
ン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩
類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩類、ド
デシルスルホン酸ソーダ等のアルキルスルホン酸塩類、
ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク
酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤:ラウリルベタ
イン、ステアリルベタイン等のアルキルベタイン類、ア
ミノ酸類等の両性界面活性剤が使用可能である。より好
ましくは下記一般式(I)で表されるノニオン界面活性
剤である。
【0017】 式(I)中、Rは脂肪族基、芳香族基を表し、好ましく
は置換基を有しても良い炭素原子数4個以上、更に好ま
しくは炭素原子数8〜24個の直鎖、分岐、あるいは環
状の脂肪族基、及び炭素数6〜10個の芳香族基であ
り、飽和基でも不飽和基でも良い。Rが芳香族基の場
合、炭素数6個以上のアルキル置換基を有するものは、
環境安全性(所謂環境ホルモンの懸念)の点で好ましく
ない。より好ましい具体例としては、脂肪族基はCp
2p+1基、Cp2p-1基、Cp2p-3基(pは4以上の整
数)で表される基であり、例えばヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、オクテニル基、オクチニル基、ノニル
基、デシル基、デセニル基、ウンデシル基、ドデシル
基、ドデセニル基、ドデシニル基、トリデシル基、ヘキ
サデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソブチ
ル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、
ネオペンチル基、1-メチルブチル基、イソヘキシル
基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シ
クロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル
基を挙げることができる。芳香族基の好ましい具体例と
しては、フェニル基、トリル基、キシレニル基、トリメ
チルフェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
また置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が
用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(F、B
r、Cl、I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アシル基、又はアシロキシ基等が挙げら
れる。a、b、及びcはそれぞれ0又は1以上の整数で
あり、好ましくは0又は1〜40、更に好ましくは0又
は4〜30整数を表す。但しa、b、及びcが同時に0
とはならない。
【0018】これらの置換基におけるアルコキシ基の具
体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキ
シ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチ
ルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、メ
トキシエトキシ基等の炭素数1〜12個のものが挙げら
れる。アリールオキシ基としては、フェノキシ基、トリ
ルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、ク
メニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシ
フェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブロモフ
ェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜18
個のものが挙げられる。アシル基としては、アセチル
基、プロパノイル基、ブタノイル基、ベンゾイル基、ナ
フトイル基等の炭素数2〜12個のものが挙げられる。
アシロキシ基としては、アセトキシ基、プロパノイルオ
キシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフトイルオキシ基等の
炭素数2〜12個のものが挙げられる。
【0019】以下に一般式(I)で表される化合物を例
示するが、本発明がこれにより限定されるものではな
い。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】なお、上記具体例中のエチレンオキシ、及
びプロピレンオキシの繰り返し数はそれぞれ平均値を表
す。前記一般式(I)で表される化合物の分子量として
は、好ましくは100〜20,000、より好ましくは
200〜5,000、更には400〜3,000の範囲
のものが好ましく使用される。一般式(I)で表される
化合物は市場において、一般に入手することができる。
市販品の例として、旭電化製、花王石鹸製、三洋化成
製、新日本理化製、第一工業製薬製、竹本油脂製、東邦
化学製、日本油脂製などのものが挙げられる。
【0026】本発明の現像液において界面活性剤は1種
を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
い。本発明の現像液における界面活性剤の添加量は、現
像液中に0.01〜20質量%が適当であり、好ましく
は0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質
量%を添加することが効果的である。ここで添加量が少
なすぎると、現像性低下および感光層成分の溶解性低下
を招き、逆に多すぎると、印刷版の耐刷性を低下させ
る。
【0027】[2]SiO2/M2O成分 本発明の現像液は、アルカリ珪酸塩を含有するアルカリ
性の水溶液である。通常アルカリ珪酸塩は塩基と組み合
わせて使用され、現像液のpHは12.0〜12.8で
ある。使用するアルカリ珪酸塩としては、水に溶解した
ときにアルカリ性を示すものであって、例えば珪酸ナト
リウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウ
ムなどがある。これらのアルカリ珪酸塩は1種単独で
も、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の現
像液は、基板の親水化成分としての珪酸塩の成分である
酸化ケイ素SiO2と、アルカリ成分としてのアルカリ
酸化物M2O(Mはアルカリ金属又はアンモニウム塩を
表す)との混合比率、及び濃度の調整により、最適な範
囲に容易に調節することができる。酸化ケイ素SiO2
とアルカリ酸化物M2Oとの混合比率(SiO2/M2
のモル比)は0.75〜4.0であり、好ましくは0.
75〜3.0、更に好ましくは0.75〜1.5の範囲
で使用される。前記SiO2/M2Oが0.75未満であ
ると、アルカリ性が強くなり、平版印刷版原版の支持体
としてのアルミ基板の陽極酸化皮膜が過度に溶解(エッ
チング)され、前記放置汚れが発生したり、溶解アルミ
と珪酸との錯体形成による不溶性のカスが生じるという
弊害が起こり、4.0更には3.0を超えると、現像性
が低下したり珪酸塩の縮合した不溶性のカスが発生する
という問題が生じることがある。また現像液中のアルカ
リ珪酸塩の濃度としては、アルカリ水溶液の重量に対し
て、0.5〜10質量%が好ましく、より好ましくは3
〜8質量%の範囲で使用される。この濃度が0.5質量
%未満であると、現像性、現像処理能力が低下すること
があり、10質量%を超えると沈殿や結晶を生成し易く
なり、また廃液時の中和の際にゲル化し易くなる結果、
廃液処理に支障を来たすことがある。
【0028】[3]消泡剤 本発明の現像液は、界面活性剤に起因する泡立ちを防止
する目的で消泡剤が添加される。消泡剤としては、所謂
消泡効果を有するものは全て使用可能であるが、シリコ
ーン化合物が適当であり、好ましくはジメチルポリシロ
キサン構造を有するものであり、更に好ましくは該構造
にポリアルキレンオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基等
の親水基、長鎖アルキル基等の油脂基を導入し水への分
散性を改良したものである。具体的には下記一般式(I
I)〜(IV)で表される化合物が挙げられる。
【0029】
【化1】
【0030】上記式(II)中、R1、R2は同じでも異なっ
ていてもよく、水素原子、置換基を有していても良いア
ルキル基、シクロアルキル基、もしくはアルケニル基を
表す。上記式(II)、(III)及び(IV)中、R3、R6
13、R17、R21は各々、置換基を有していても良い炭
素原子数8個以上のアルキル基を表す。式(IV)中、R
13、R17、R21は同じでも異なっていてもよい。上記式
(II)、(III)及び(IV)中、R4、R7、R9、R12、R
14、R16、R18、R20、R22は各々、単結合、置換基を
有しても良い2価のアルキレン基、アルケニレン基、も
しくはシクロアルキレン基を表す。式(III)中、R7
9は同じでも異なっていてもよい。式(IV)中、
12、R14、R16、R18、R20、R22は同じでも異なっ
ていてもよい。上記式(II)、(III)及び(IV)中、
5、R8、R10、R15、R19、R23は各々、水素原子、
置換基を有していても良いアルキル基を表す。式(II
I)中、R8、R10は同じでも異なっていてもよい。式
(IV)中、R15、R19、R23は同じでも異なっていても
よい。式(IV)中、R11は、水素原子、置換基を有して
いても良いアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル
基、もしくはアリール基を表す。
【0031】上記式(II)、(III)及び(IV)中、X1
9は各々、−O−、−CO−O−、−N(R24)−、
もしくは−N(R24)−CO−O−を表す。式(III)
中、X2、X3は同じでも異なっていてもよい。式(IV)
中、X4〜X9は同じでも異なっていてもよい。式(II)
中、x、y、z、a、bは同じでも異なっていても良
く、それぞれ0又は1以上の整数であり、好ましくは0
又は1〜40、更に好ましくは0又は4〜20整数を表
す。但し、x、y、z、a及びbは同時に0とはならな
い。式(III)中、c、d、e、f、p、qは同じでも異
なっていても良く、それぞれ0又は1以上の整数であ
り、好ましくは0又は1〜40、更に好ましくは0又は
4〜20整数を表す。但し、c、d、e、f、p、qは
同時に0とはならない。式(IV)中、g、h、i、j、
k、l、r、s、t、u、v、wは同じでも異なってい
ても良く、それぞれ0又は1以上の整数であり、好まし
くは0又は1〜40、更に好ましくは0又は4〜20整
数を表す。但し、g、h、i、j、k、l、r、s、
t、u、v、wは同時に0とはならない。
【0032】また上記アルキル基としては、例えば炭素
原子数1〜6個のアルキル基であって、具体的には、メ
チル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチ
ル基、ヘキシル基を好ましく挙げることができる。シク
ロアルキル基としては炭素原子数3〜8個のものであっ
て、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基を好ましく挙げることができる。アルケニル基と
しては、例えば炭素原子数2〜8個のアルケニル基であ
って、具体的には、ビニル基、アリル基、ブテニル基、
シクロヘキセニル基を好ましく挙げることができる。ア
リール基としては、例えば炭素原子数6〜10個のアリ
ール基であって、具体的には、フェニル基、トリル基、
ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル
基、ナフチル基等を好ましく挙げることができる。炭素
数8個以上のアルキル基としては、好ましくは炭素原子
数8〜25個のものであって、具体的には、オクチル
基、1−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウン
デシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基、エイコシル基等を好ましく挙げる
ことができる。
【0033】また上記アルキレン基としては、好ましく
は置換基を有していても良いメチレン基、エチレン基、
プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン
基等の炭素原子数1〜8個のものが挙げられる。アルケ
ニレン基としては、好ましくは置換基を有していても良
いエテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等の炭
素原子数2〜6個のものが挙げられる。シクロアルキレ
ン基としては、好ましくは置換基を有していても良いシ
クロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素原子数
5〜8個のものが挙げられる。
【0034】また置換基としては、水素を除く一価の非
金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン
原子(F、Br、Cl、I)、ヒドロキシル基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アシル基、又はアシロキシ
基等が挙げられる。これらの置換基におけるアルコキシ
基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピ
ルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、
ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ
基、メトキシエトキシ基等の炭素原子数1〜12個のも
のが挙げられる。アリールオキシ基としては、フェノキ
シ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオ
キシ基、クメニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ
基、エトキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ
基、ブロモフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭
素原子数6〜18個のものが挙げられる。アシル基とし
ては、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ベ
ンゾイル基、ナフトイル基等の炭素原子数2〜12個の
ものが挙げられる。アシロキシ基としては、アセトキシ
基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフ
トイルオキシ基等の炭素原子数2〜12個のものが挙げ
られる。
【0035】以下に一般式(II)〜(IV)で表され
る化合物を例示するが、本発明がこれにより限定される
ものではない。
【0036】
【0037】
【0038】
【化2】
【0039】
【化3】
【0040】なお、上記具体例中のエチレンオキシ、及
びプロピレンオキシの繰り返し数はそれぞれ平均値を表
す。またm〜oは10〜100を整数を表す。前記一般
式(II)〜(IV)で表される化合物の分子量として
は、好ましくは300〜10,000、より好ましくは
500〜5,000、更には1,000〜3,000の
範囲のものが好ましく使用される。本発明の現像液に
は、上記に示されるような消泡剤を1種単独で、又は2
種以上を併用して使用することができる。現像液中の消
泡剤の添加量は、現像液中に0.001〜5質量%が適
当であり、好ましくは0.005〜1質量%、より好ま
しくは0.01〜0.5質量%を添加することが効果的
である。ここで添加量が少なすぎると、消泡効果の低下
を招き、逆に多すぎると、消泡剤の現像液中の相溶性が
低下し、相分離を起こす。一般式(II)〜(IV)で
表される化合物は市場において、一般に入手することが
できる。市販品の例として、信越化学工業製、東芝シリ
コーン製、東レシリコーン製、チッソ製等のものが挙げ
られる。
【0041】[4]本発明の現像液に使用されるその他
の成分 (1)アルカリ剤 本発明に使用される現像液は、上記で示される化合物を
含有するアルカリ水溶液である。含有されるアルカリ剤
は、前記アルカリ酸化物M2O由来のもの以外に、例え
ば第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウ
ム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭
酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、硼酸
ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナト
リウム、同カリウム、同アンモニウム、および同リチウ
ム等の無機アルカリ剤を併用することができる。またモ
ノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、
モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、
トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプパノール
アミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジ
ン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機
アルカリ剤も用いることができる。これらのアルカリ剤
は単独もしくは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ剤の組み合わせの例としては、アルカリ金属水
酸化物と炭酸塩との組み合わせなどが挙げられる。
【0042】(2)キレート剤 本発明の現像液は、キレート剤を含有していてもよい。
キレート剤としては、例えば、Na227、Na53
3、Na339、Na24P(NaO3P)PO3
2、カルゴン(ポリメタリン酸ナトリウム)等のポリ
リン酸塩、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、そのカ
リウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペ
ンタ酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩;トリエチレ
ンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリ
ウム塩;ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、
そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢
酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,2−ジア
ミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そのカリウム塩、その
ナトリウム塩;1,3−ジアミノ−2−プロパノールテ
トラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのよ
うなアミノポリカルボン酸類の他2−ホスホノブタント
リカルボン酸−1,2,4、そのカリウム塩、そのナト
リウム塩;2一ホスホノブタノントリカルボン酸−2,
3,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ホス
ホノエタントリカルボン酸−1,2、2、そのカリウム
塩、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1
−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;
アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、
そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類を挙げ
ることができる。このようなキレート剤の最適量は使用
される硬水の硬度およびその使用量に応じて変化する
が、一般的には、使用時の現像液中に0.01〜5質量
%、より好ましくは0.02〜1質量%の範囲で含有さ
せる。
【0043】(3)その他の成分 本発明に使用される現像液には、上記の成分の他に、必
要に応じて以下のような成分を併用することができる。
例えば安息香酸、フタル酸、p−エチル安息香酸、p−
n−プロピル安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、p
−n−ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、p−
t−ブチル安息香酸、p−2−ヒドロキシエチル安息香
酸、デカン酸、サリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフ
トエ酸等の有機カルボン酸;イソプロピルアルコール、
ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソ
ルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジ
アセトンアルコール等の有機溶剤;この他、還元剤、染
料、顔料、硬水軟化剤、防腐剤等が挙げられる。さらに
本発明の製版方法を、自動現像機を用いて現像処理を行
う場合、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、補
充液または新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させて
も良い。
【0044】次いで、現像液性状についての詳細に説明
する。 [pH]前記現像液としての要件、及び上記の測定及び
印刷性能評価において、光重合型感光性平版印刷版の現
像液としては、アルカリ強度はpH12.0〜12.8
の範囲が最適であり、好ましくは12.2〜12.6の
範囲が良好な結果を与える。pH12.0未満である
と、現像不良を生じ易く印刷時に汚れを発生し易くな
る。pH12.8を超えると露光により光重合した膜に
現像液が浸透し易くなり、画像部がダメージを受け印刷
時に耐刷性の低下を起こし易くなるという問題が発生す
る。
【0045】[電導度]本発明の現像液の電導度として
は、3〜40mS/cmの範囲、好ましくは10〜30
mS/cm、更に好ましくは15〜30mS/cmの範
囲で使用される。電導度が3mS/cm未満ではアルカ
リ強度が弱く、現像性が低下したり、現像液の疲労時又
は経時で処理性が低下する。また40mS/cm、更に
は30mS/cmを超えると、アルカリ強度が高くなり
過ぎ、光重合した画像部へのダメージが大きくなった
り、逆に塩濃度が高くなる結果、微細な画像部間で塩析
等を起こし、残膜が生じたりすることがある。
【0046】[発泡性]本発明の現像液は、好ましくは
発泡性が低く、消泡時間5分以下であり、現像処理時に
発泡し現像処理工程に支障を来すことがない。なお発泡
性の測定は、次に示す方法にて実施することができる。
内径3cmの100ml透明ガラス瓶に現像液を30m
l入れて、25℃で1秒間に3回の速度で、ガラス瓶を
上下に1分間振とうする。その後、静置し、泡が消える
までの時間(消泡時間)を測定する。この時間が少ない
方が発泡性が低くよい(消泡性が高い)。 [色]本発明の現像液は無色、好ましくは水との誤認を
防ぐ目的で、視認性が得られる程度の色が付いている。 [粘度]本発明の現像液の粘度は好ましくは、水希釈状
態で25℃において1.0〜10.0cpであり、円滑
な現像処理が行える。
【0047】次いで、本発明で用いる光重合型感光性平
版印刷版について説明する。 [4]光重合型感光層 本発明に使用される光重合型感光性平版印刷版の感光層
は、特に限定されないが、レーザー描画可能なネガ型の
光重合型の感光層であることが好ましい。光重合型感光
層の主な成分は、次の通りである。 a)付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する
化合物 b)アルカリ水溶液に可溶又は膨潤性の高分子重合体 c)光重合開始剤系、 更に必要に応じ、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤等の種
々の化合物が添加される。
【0048】付加重合可能なエチレン性二重結合を含む
化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1
個、好ましくは2個以上有する化合物の中から任意に選
択することができる。例えばモノマー、プレポリマー、
すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれ
らの混合物並びににそれらの共重合体などの化学的形態
をもつものである。モノマー及びその共重合体の例とし
ては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マ
レイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエス
テル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物との
アミド等が挙げられる。
【0049】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アク
リル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテ
ル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソル
ビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリ
レート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトー
ルヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリ
ゴマー等がある。
【0050】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレ
ート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトール
テトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオ
キシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチル
メタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フ
ェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0051】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、
1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレ
ングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジ
イタコネート、ソルビトールテトライタコネート等があ
る。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコール
ジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネ
ート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビト
ールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネー
ト、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビ
トールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリ
エチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトール
ジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。さ
らに、前述のエステルモノマーの混合物も挙げることが
できる。
【0052】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カ
ルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチ
レンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,
6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレン
トリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアク
リルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等があ
る。
【0053】その他の例としては、特公昭48−417
08号公報中に記載されている、1分子中に2個以上の
イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物
に、下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビ
ニルモノマーを付加せしめた1分子中に2個以上の重合
性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げら
れる。 CH2=C(R1)COOCH2CH(R2)OH (A) (ただし、R1およびR2はHあるいはCH3を示す。)
【0054】また、特開昭51−37193号、特公平
2−32293号に記載されているようなウレタンアク
リレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−
43191号、特公昭52−30490号各公報に記載
されているようなポリエステルアクリレート類、エポキ
シ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアク
リレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート
を挙げることができる。さらに日本接着協会誌vol.
20、No.7、300〜308ページ(1984年)
に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されて
いるものも使用することができる。なお、これらの使用
量は、全成分に対して5〜70質量%、好ましくは10
〜50質量%である。
【0055】本発明に使用される感光性平版印刷版の感
光層に含有されるアルカリ水に可溶性又は膨潤性を有す
る高分子重合体は、該組成物の皮膜形成剤としてだけで
なく、アルカリ水現像剤の用途に応じて選択使用され
る。有機高分子重合体は、例えば、水可溶性有機高分子
重合体を用いると水現像が可能になる。この様な有機高
分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加
重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54
−34327号、特公昭58−12577号、特公昭5
4−25957号、特開昭54−92723号、特開昭
59−53836号、特開昭59−71048号に記載
されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、ア
クリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共
重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン
酸共重合体等がある。
【0056】また同様に、側鎖にカルボン酸基を有する
酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する
付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用
である。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレ
ート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加
重合性ビニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)
アクリレート(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他
の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体が好適である。
この他に水溶性有機高分子として、ポリピニルピロリド
ンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化
皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ポリアミド
や2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
とエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
また特公平7−120040号、特公平7−12004
1号、特公平7−120042号、特公平8−1242
4号、特開昭63−287944号、特開昭63−28
7947号、特開平1−271741号、特開平11−
352691号に記載のポリウレタン樹脂も本発明の用
途には有用である。
【0057】これら高分子重合体は側鎖にラジカル反応
性基を導入することにより硬化皮膜の強度を向上させる
ことができる。付加重合反応し得る官能基としてエチレ
ン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が、又光照
射によりラジカルになり得る官能基としては、メルカプ
ト基、チオール基、ハロゲン原子、トリアジン構造、オ
ニウム塩構造等が、又極性基としてカルボキシル基、イ
ミド基等が挙げられる。上記付加重合反応し得る官能基
としては、アクリル基、メタクリル基、アリル基、スチ
リル基などエチレン性不飽和結合基が特に好ましいが、
又アミノ基、ヒドロキシ基、ホスホン酸基、燐酸基、カ
ルバモイル基、イソシアネート基、ウレイド基、ウレイ
レン基、スルフォン酸基、アンモニオ基から選ばれる官
能基も有用である。
【0058】組成物の現像性を維持するため、本発明の
高分子重合体は適当な分子量、酸価を有することが好ま
しい。前述の現像液で現像させるため、重量平均分子量
が5000から30万で、酸価0.2〜5.0meq/
gの高分子重合体を使用することが好ましい。これらの
有機高分子重合体は全組成中に任意な量を混和させるこ
とができる。しかし90質量%を超える場合には、形成
される画像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ま
しくは10〜90質量%、より好ましくは30〜80質
量%である。また光重合可能なエチレン性不飽和化合物
と有機高分子重合体は、質量比で1/9〜9/1の範囲
とするのが好ましい。より好ましい範囲は2/8〜8/
2であり、更に好ましくは3/7〜7/3である。
【0059】本発明に使用される感光性平版印刷版の感
光層に含有される光重合開始剤としては、使用する光源
の波長により、特許、文献等で公知である種々の光開始
剤、あるいは2種以上の光開始剤の併用系(光開始系)
を適宜選択して使用することができる。光開始剤は通
常、色素や染料などの増感剤とともに、光開始系を構成
する。400nm以上の可視光線、Arレーザー、半導
体レーザーの第2高調波、SHG−YAGレーザーを光
源とする場合にも、種々の光開始系が提案されており、
例えば、米国特許第2,850,445号に記載のある
種の光還元性染料、例えばローズベンガル、エオシン、
エリスロシンなど、あるいは、染料と開始剤との組み合
わせによる系、例えば、染料とアミンの複合開始系(特
公昭44−20189号)、ヘキサアリールビイミダゾ
ールとラジカル発生剤と染料との併用系(特公昭45−
37377号)、ヘキサアリールビイミダゾールとp-
ジアルキルアミノベンジリデンケトンの系(特公昭47
−2528号、特開昭54−155292号)、環状シ
ス−α−ジカルボニル化合物と染料の系(特開昭48−
84183号)、環状トリアジンとメロシアニン色素の
系(特開昭54−151024号)、3−ケトクマリン
と活性剤の系(特開昭52−112681号、特開昭5
8−15503号)、ビイミダゾール、スチレン誘導
体、チオールの系(特開昭59−140203号)、有
機過酸化物と色素の系(特開昭59−1504号、特開
昭59−140203号、特開昭59−189340
号、特開昭62−174203号、特公昭62−164
1号、米国特許第4766055号)、染料と活性ハロ
ゲン化合物の系(特開昭63−258903号、特開平
2−63054号など)、染料とボレート化合物の系
(特開昭62−143044号、特開昭62−1502
42号、特開昭64−13140号、特開昭64−13
141号、特開昭64−13142号、特開昭64−1
3143号、特開昭64−13144号、特開昭64−
17048号、特開平1−229003号、特開平1−
298348号、特開平1−138204号など)、ロ
ーダニン環を有する色素とラジカル発生剤の系(特開平
2−179643号、特開平2−244050号)、チ
タノセンと3−ケトクマリン色素の系(特開昭63−2
21110号)、チタノセンとキサンテン色素さらにア
ミノ基あるいはウレタン基を含む付加重合可能なエチレ
ン性不飽和化合物を組み合わせた系(特開平4−221
958号、特開平4−219756号)、チタノセンと
特定のメロシアニン色素の系(特開平6−295061
号)、チタノセンとベンゾピラン環を有する色素の系
(特開平8−334897号)等を挙げることができ
る。
【0060】本発明においては、特にチタノセン化合物
を用いた系が、感度の点で優れており好ましい。チタノ
セン化合物としては、種々のものを用いることができる
が、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61
−151197号各公報に記載されている各種チタノセ
ン化合物から適宜選んで用いることができる。さらに具
体的には、ジシクロペンタジエニル−Ti−ジクロライ
ド、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビスフェニル、ジ
シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,
6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジシクロペンタ
ジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオ
ロフェニ−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−
ビス−2,4,6−トリフルオロフエニ−1−イル、ジ
シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオ
ロフェニ−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−
ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジメチル
シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,
6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジメチルシクロ
ペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェ
ニ−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−
2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)フェニ−
1−イル等を挙げることができる。さらに、本発明で用
いる光重合開始剤に必要に応じてアミン化合物、チオー
ル化合物などの助剤を加えても良く、これらの水素供与
性化合物を加えることによってさらに光重合開始能力を
高めることができる。これらの光重合開始剤の使用量
は、エチレン性不飽和化合物100質量部に対し、0.
05〜100質量部、好ましくは0.1〜70質量部、
更に好ましくは0.2〜50質量部の範囲で用いること
ができる。
【0061】また本発明においては、以上の基本成分の
他に、感光層用の感光性組成物の製造中あるいは保存中
において重合可能なエチレン性不飽和化合物の不要な熱
重合を阻止するために、少量の熱重合禁止剤を添加する
ことが望ましい。適当な熱重合禁止剤としては、ハイド
ロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−
p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコー
ル、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニト
ロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−
ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等
が挙げられる。熱重合禁止剤の添加量は、全組成物の重
量に対して0.01〜5質量%が好ましい。また必要に
応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸
やべヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加し
て、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させても
よい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の0.5
〜10質量%が好ましい。
【0062】更に感光層の着色を目的として、着色剤を
添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシア
ニン系顔料(C.I.Pigment Blue 1
5:3.15:4、15:6など)、アゾ系顔料、カー
ボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレ
ット、クリスタルバイオレット、アゾ染料、アントラキ
ノン系染料、シアニン系染料がある。染料および顔料の
添加量は全感光層固形分の約0.5〜約20重量%が好
ましい。加えて、硬化皮膜の物性を改良するために、無
機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレー
ト、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を
加えてもよい。これらの添加量は全感光層固形分の10
質量%以下が好ましい。
【0063】上記感光層を後述の支持体上に塗布する際
には、感光層用組成物を種々の有機溶剤に溶かして使用
に供される。ここで使用する溶媒としては、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エ
チレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチ
ルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エ
チレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキ
シプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、
3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクト
ン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒
は、単独あるいは混合して使用することができる。そし
て、塗布溶液中の固形分の濃度は、1〜50質量%が適
当である。前記光重合性感光層用組成物には、塗布面質
を向上するために界面活性剤を添加することができる。
その被覆量は乾燥後の重量で0.1〜10g/m2の範
囲が適当である。より好ましくは0.3〜5g/m2
ある。更に好ましくは0.5〜3g/m2である。
【0064】[感光層酸価]本発明でいう感光層酸価と
は、光重合型感光性平版印刷版の支持体上に塗設されて
いる感光性組成物(感光層の上に塗設されるオーバーコ
ート層、例えば、酸素遮断層は含まない)の層、1gあ
たりに含有されるpKa9以下の酸の等量である。実験
的には感光層を水酸化ナトリウム水溶液により直接、滴
定して求めることができるが、感光性組成物中のpKa
9以下の酸基を有する化合物の含有量から計算により求
めることもできる。具体的に感光層酸価を変える方法と
しては、感光層成分である架橋剤モノマー/酸基を有す
るバインダーポリマー(線状高分子)の含有比の変更お
よび酸基の少ない低酸価バインダーポリマーの使用など
が考えられる。低酸価バインダーポリマーとしては、酸
価1.5meq/g以下が好ましい。より好ましくは
1.2meq/g以下である。本発明において感光層の
感光層酸価は1.0meq/gであることが好ましい。
酸価0.20〜0.60meq/gの感光層を有する平
版印刷版に適用する方が効果的である。さらに画像形成
性の点でより好ましくは0.30〜0.50meq/g
の感光層を有するものである。
【0065】[支持体]本発明で用いられる光重合型感
光性平版印刷版の支持体としては、寸度的に安定な板状
物であれば、特に限定されないが、アルミニウム支持体
が好適である。アルミニウム支持体は、寸度的に安定な
アルミニウムを主成分とするアルミニウム及びアルミニ
ウム含有(例えばケイ素、銅、マンガン、マグネシウ
ム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル等の金属と
アルミニウムとの合金)合金、又はアルミニウム、アル
ミニウム合金がラミネートもしくは蒸着されたプラスチ
ックフィルム又は紙の中から選ばれる。更に特公昭48
−18327号に記載の様なポリエチレンテレフタレー
トフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体
シートでもかまわない。このアルミニウム支持体には、
適宜後述の基板表面処理が施される。
【0066】[砂目立て処理]砂目立て処理方法は、特
開昭56−28893号に開示されているような機械的
砂目立て、化学的エッチング、電解グレインなどがあ
る。更に塩酸または硝酸電解液中で電気化学的に砂目立
てする電気化学的砂目立て方法、及びアルミニウム表面
を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、
研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立でするボー
ルグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立
てするブラシグレイン法のような機械的砂目立て法を用
いることができ、上記砂目立て方法を単独あるいは組み
合わせて用いることもできる。その中でも本発明に有用
に使用される表面粗さを作る方法は、塩酸または硝酸電
解液中で化学的に砂目立てする電気化学的方法であり、
適する電流密度は100〜400C/dm2の範囲であ
る。更に具体的には、0.1〜50%の塩酸または硝酸
を含む電解液中、温度20〜100℃、時間1秒〜30
分、電流密度100〜400C/dm2の条件で電解を
行うことが好ましい。
【0067】このように砂目立て処理したアルミニウム
支持体は、酸またはアルカリにより化学的にエッチング
される。酸をエッチング剤として用いる場合は、微細構
造を破壊するのに時間が掛かり、工業的に本発明を適用
するに際しては不利であるが、アルカリをエッチング剤
として用いることにより改善できる。本発明において好
適に用いられるアルカリ剤は、苛性ソーダ、炭酸ソー
ダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソー
ダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を用い、濃度と
温度の好ましい範囲はそれぞれ1〜50%、20〜10
0℃であり。Alの溶解量が5〜20g/m3となるよ
うな条件が好ましい。エッチングのあと表面に残留する
汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行われる。
用いられる酸は硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ
酸、ホウフッ化水素酸等が用いられる。特に電気化学的
粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、好まし
くは特開昭53−12739号公報に記載されているよ
うな50〜90℃の温度の15〜65重量%の硫酸と接
触させる方法及び特公昭48−28123号公報に記載
されているアルカリエッチングする方法が挙げられる。
なお、本発明で有効に用いられるAl支持体の表面粗さ
は(Ra)は0.3〜0.7μmが適当である。
【0068】[陽極酸化処理]以上のようにして処理さ
れたアルミニウム支持体は、さらに陽極酸化処理が施さ
れる。陽極酸化処理はこの分野で従来より行われている
方法で行うことができる。具体的には、硫酸、リン酸、
クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルフ
ォン酸等あるいはこれらの二種以上を組み合わせて水溶
液または非水溶液中でアルミニウムに直流または交流を
流すとアルミニウム支持体表面に陽極酸化皮膜を形成す
ることができる。陽極酸化処理の条件は使用される電解
液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、
一般的には電解液の濃度が1〜80%、液温5〜70
℃、電流密度0.5〜60アンペア/dm2、電圧1〜
100V、電解時間10〜100秒の範囲が適当であ
る。これらの陽極酸化処理のうちでも特に英国特許第
1,412,768号明細書に記載されている、硫酸中
で高電流密度で陽極酸化する方法及び米国特許第3,5
11,661号明細書に記載されているリン酸を電解浴
として陽極酸化する方法が好ましい。
【0069】本発明においては、陽極酸化皮膜は1〜1
0g/m2であることが好ましく、1g/m2以下である
と版に傷が入りやすく、10g/m2以上は製造に多大
な電力が必要となり、経済的に不利である。好ましく
は、1.5〜7g/m2である。更に好ましくは、2〜
5g/m2である。更に、本発明においては、砂目立て
処理及び陽極酸化後、アルミニウム支持体に封孔処理を
施してもかまわない。かかる封孔処理は、熱水及び無機
塩または有機塩を含む熱水溶液への基板の浸漬並びに水
蒸気浴などによって行われる。またこのアルミニウム支
持体にはアルカリ金属珪酸塩によるシリケート処理以外
の処理、たとえば弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩
等の水溶液への浸漬処理などの表面処理がなされてもか
まわない。
【0070】また、本発明の感光性平版印刷版の支持体
には、前記アルミニウム支持体の他に、寸度的に安定な
以下の板状物も好適に用いられる。例えば、紙、プラス
チック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、
亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸
セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロ
ース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ
ビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若
しくは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙
げられる。
【0071】また、これらの支持体に対しては、その支
持体に応じた表面親水化処理を行うことも好ましい。表
面親水化処理には、エッチングや酸化、還元、ゾル−ゲ
ルコーティングなどの化学反応による処理や、支持体表
面に吸着するような特定の化合物をコーティングするこ
と等が挙げられる。例えば、陽極酸化アルミニウム支持
体の場合には、特に燐系の酸原子団を有する有機化合物
(燐酸、ホスホン酸、ホスフィン酸)、あるいは特開2
001−109139号公報に記載されているアルミニ
ウム基板上に設ける接着層に用いる有機シリコーン化合
物などが好適に使用される。上記の支持体上に、前述の
感光層を形成することで、感光性平版印刷版が製造され
るが、感光層を塗設する前に必要に応じて有機または無
機の下塗り層が設けられてもかまわない。
【0072】[酸素遮断性保護層]本発明の感光性平版
印刷版は、その光重合性感光層の上に水溶性ビニル重合
体を主成分とする酸素遮断性保護層を有していてもよ
い。酸素遮断性保護層に含まれる水溶性ビニル重合体と
しては、ポリビニルアルコール、およびその部分エステ
ル、エーテル、およびアセタール、またはそれらに必要
な水溶性を有せしめるような実質的量の未置換ビニルア
ルコール単位を含有するその共重合体が挙げられる。ポ
リビニルアルコールとしては、71〜100%加水分解
され、重合度が300〜2400の範囲のものが挙げら
れる。具体的には、株式会社クラレ製PVA−105、
PVA−110、PVA−117、PVA−117H、
PVA−120、PVA−124、PVA−124H、
PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA
−203、PVA−204、PVA−205、PVA−
210、PVA−217、PVA−220、PVA−2
17EE、PVA−224、PVA−217E、PVA
−220E、PVA−224E、PVA−405、PV
A−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。
上記の共重合体としては、88〜100%加水分解され
たポリビニルアセテートクロロアセテートまたはプロピ
オネート、ポリビニルホルマールおよびポリビニルアセ
タールおよびそれらの共重合体が挙げられる。その他有
用な重合体としては、ポリビニルピロリドン、ゼラチン
およびアラビアゴム等が挙げられ、これらは単独また
は、併用して用いても良い。
【0073】この酸素遮断性保護層を塗布する際用いる
溶媒としては、純水が好ましいが、メタノール、エタノ
ールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケト
ンなどのケトン類を純水と混合しても良い。そして塗布
溶液中の固形分の濃度は1〜20質量%が適当である。
この酸素遮断性保護層にはさらに塗布性を向上させるた
めの界面活性剤、皮膜の物性を改良するため、水溶性可
塑剤等の公知の添加剤を加えても良い。水溶性の可塑剤
としては、たとえばプロピオンアミド、シクロヘキサン
ジオール、グリセリン、ソルビトール等がある。また、
水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーなどを添加しても
良い。その被覆量は、乾繰後の質量で0.1〜15g/
2の範囲が適当である。より好ましくは1.0〜5.
0g/m2である。
【0074】[製版プロセス]本発明の感光性平版印刷
版の製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光
中、露光から現像までの間に、全面を加熱しても良い。
このような加熱により、感光層中の画像形成反応が促進
され、感度や耐刷性の向上や、感度の安定化といった利
点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的
として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは、全
面露光を行うことも有効である。通常現像前の加熱は1
50℃以下の穏和な条件で行うことが好ましい。温度が
高すぎると、非画像部までがかぶってしまう等の問題を
生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。
通常は200〜500℃の範囲である。温度が低いと十
分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体
の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる。
【0075】本発明の感光性平版印刷版の露光方法は、
公知の方法を制限なく用いることができる。光源として
はレーザが好ましく、例えば、350〜450nmの波
長の入手可能なレーザー光源としては以下のものを利用
することができる。ガスレーザーとして、Arイオンレ
ーザー(364nm、351nm、10mW〜1W)、
Krイオンレーザー(356nm、351nm、10m
W〜1W)、He−Cdレーザー(441nm、325
nm、1mW〜100mW)、固体レーザーとして、N
d:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わ
せ(355nm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFと
SHG結晶の組み合わせ(430nm、10mW)、半
導体レーザー系として、KNbO3、リング共振器(4
30nm、30mW)、導波型波長変換素子とAlGa
As、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜
450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素
子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ
(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、A
lGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30
mW)、その他、パルスレーザーとして、N2レーザー
(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(3
51nm、パルス10〜250mJ)等が挙げられる。
【0076】特にこの中でAlGaInN半導体レーザ
ー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410n
m、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適であ
る。その他、450nm〜700nmの入手可能な光源
としてはAr+レーザー(488nm)、YAG−SHG
レーザー(532nm)、He−Neレーザー(633
nm)、He−Cdレーザー、赤色半導体レーザー(6
50〜690nm)、及び700〜1200nmの入手
可能な光源としては半導体レーザー(800〜850n
m)、Nd−YAGレーザ(1064nm)が好適に利
用できる。その他、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀
灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、
メタルハライド灯、紫外のレーザーランプ(ArFエキ
シマレーザー、KrFエキシマレーザー等)、放射線と
しては電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線なども利
用できるが、安価な点で上述の350nm以上のレーザ
ー光源が特に好ましい。また、露光機構は内面ドラム方
式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等のいずれで
もよい。また本発明の感光性平版印刷版の感光層成分は
高い水溶性のものを使用することで、中性の水や弱アル
カリ水に可溶とすることもできるが、このような構成の
感光性平版印刷版は印刷機上に装填後、機上で露光−現
像といった方式を行うこともできる。
【0077】また現像処理された光重合型感光性平版印
刷版は、特開昭54−8002号、同55−11504
5号、同59−58431号等の各公報に記載されてい
るように、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、
アラビアガムや澱粉誘導体等を含む不感脂化液で後処理
される。本発明の感光性平版印刷版の後処理にはこれら
の処理を種々組み合わせて用いることができる。このよ
うな処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷
機にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0078】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 [支持体例] (支持体1:陽極酸化アルミニウム支持体)厚さ0.3
0mmの材質1Sのアルミニウム板を8号ナイロンブラ
シと800メッシュのパミストンの水懸濁液を用い、そ
の表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水
酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチング
した後、流水で、水洗後、20%HNO3で中和洗浄、
水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で正弦波の
交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で300クーロ
ン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。
その表面粗さを測定したところ0.45μm(Ra表
示)であった。ひきつづいて30%のH2SO4水溶液中
に浸漬し、55℃で2分間デスマットした後、33℃、
20%H2SO4水溶液中で、砂目立てした面に陰極を配
置して、電流密度5A/dm2において50秒間陽極酸
化したところ、厚さが2.7g/m2であった。これを
支持体1とした。
【0079】(支持体2)支持体1に下記の表面処理用
下塗り液状組成物1をP量が約0.05g/m2となる
ように塗布し、100℃で1分間乾燥させたものを支持
体2とした。 <下塗り用液状組成物1> フェニルホスホン酸 2質量部 メタノール 800質量部 水 50質量部
【0080】(支持体3)支持体1に下記の表面処理用
下塗り液状組成物2をSi量が約0.001g/m2
なるように塗布し、100℃で1分間乾燥させたものを
支持体3とした。 <下塗り用液状組成物2>下記成分を混合攪拌し、約5
分後に発熱が見られ、60分間反応させた後、内容物を
別の容器に移し、メタノールをさらに3万重量部加えた
ものを液状組成物2とした。 ユニケミカル(株)ホスマーPE 20質量部 メタノール 130質量部 水 20質量部 パラトルエンスルホン酸 5質量部 テトラエトキシシラン 50質量部 3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 50質量部
【0081】[感材例]上述の支持体1〜3上に、下記
組成の光重合型感光性組成物を乾燥塗布重量が1.5g
/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥さ
せ、感光層を形成した。続いて、この感光層上にポリビ
ニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度500)
の3wt%の水溶液を乾燥塗布重量が2.5g/m2
なるように塗布し、120℃で3分間乾燥させ、感光性
平版印刷版(感材)を得た。 (感光層塗布液(光重合性組成物):下記表1に詳細を記載) エチレン性不飽和結合含有化合物(A) a 質量部 線状有機高分子重合体(B) b 質量部 増感剤(C) 0.15質量部 光開始剤(D) 0.30質量部 添加剤(S) 0.50質量部 フッ素系界面活性剤 0.03質量部 (メガファックF-177:大日本インキ化学工業(株)製) 熱重合禁止剤 0.01質量部 (N-ニトロソヒドロキシルアミンアルミニウム塩) ε型の銅フタロシアニン分散物 0.2質量部 メチルエチルケトン 30.0質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.0質量部
【0082】なお、感光層塗布液に用いる、エチレン性
不飽和結合含有化合物(A)、線状有機高分子重合体
(B)、増感剤(C)、光開始剤(D)、添加剤(S)
を以下に示す。
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【表1】 感材の構成 ※感光層酸価は感光層1g当たりに含有される酸量を水
酸化ナトリウム滴定により測定後、算出した実測値であ
る。
【0089】 [現像液例] 下記組成の現像液を調製した。 (実施例:現像液1〜12及び比較現像液1〜3:下記表2に詳細を記載) アルカリ X x g 界面活性剤化合物 5.2 g エチレンジアミンテトラ酢酸・4Na塩 0.2 g (キレスト(株)製;キレスト3D) 消泡剤 0.1 g 1K珪酸カリ(50%)(日本化学工業(株)) y g 水 (94.5−x−y)g
【0090】
【表2】 現像液の組成 *消泡剤の番号は前記の具体例に付した番号である。
【0091】[現像液性状試験]本明細書に記載の各検
査方法に従って、上記表2の現像液の物性について調査
した結果を下記表3示す。
【0092】
【表3】 現像液の物性
【0093】[印刷等評価]上記表1の感材と表2の現
像液を組み合わせた際の結果について下記表4にまとめ
た。また、露光、印刷、現像条件は以下のものを使用し
た。 (現像性の評価)上述の塗布感材を未露光のまま現像
後、版の色を目視評価。残膜がある場合、感光層の色が
残る。
【0094】(耐刷性および印刷汚れ性(放置汚れ)の
評価)上述の塗布感材を532nm、100mWのFD
・YAGレーザー(CSI社製プレートジェット4)、
或いは、405nm、30mWのvioletLD(内
面ドラム型実験機)で100μ/cm2の露光(標準露
光条件)で4000dpiにて175線/インチの条件
で、ベタ画像と1〜99%の網点画像(1%刻み)を走
査露光した後、各種現像液およびフィニッシングガム液
FP−2W(富士写真フイルム製)を仕込んだ自動現像
機(富士写真フイルム製LP−850P2)で標準処理
を行い平版印刷版を得た(露光後のプレヒートは版面到
達温度が100℃、現像液への浸漬時間15秒であ
る)。続いて、得られた平版印刷版についてマン・ロー
ランド社製R201型印刷機で、大日本インキ社製GE
OS G墨(N)を使用して印刷し、3%の網点が版飛
びを起こした印刷枚数を評価した。印刷汚れ性は三菱重
工製ダイヤIF2型印刷機で、大日本インキ社製GEO
S G紅(S)を使用して印刷し、その後印刷を停止さ
せ、ガム引きなしに一定時間放置した。その後印刷を再
開した時の非画像部のインキ汚れを目視で評価した。
【0095】(現像カスの評価)上述の塗布感材20m
2を上述の現像液(1リットル)中で現像後、1ヶ月放
置し沈降した現像カスの有無を調査した。 (消泡性の評価)本発明の現像液を激しく攪拌し泡立て
した後、静置し、泡が消失するまでの時間を測定した。
この結果についても表4に示す。
【0096】
【表4】 評価結果 ※感材5〜8については405nmで露光、感材1〜
4、9については532nmで露光した。
【0097】表4から明らかなように、本発明の現像液
は良好な現像性を示し、耐刷性と印刷汚れを両立させる
ことができて、更に現像カスを発生せず処理安定性が良
好である。
【0098】[現像挙動測定]本明細書に記載の検査方
法により表4の実施例及び比較例について、現像挙動等
の測定を行った結果を表5に示す。
【0099】
【表5】
【0100】
【発明の効果】本発明の光重合型感光性平版印刷版用現
像液及び平版印刷版の製版方法は、画像形成性を損なわ
ずに印刷時の汚れと耐刷性の両立ができ、且つ、上述の
現像液不溶性化合物を溶解或いは長時間分散安定化で
き、現像液の消泡性をも向上させることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA12 AB03 AC01 AC08 AD01 BC32 BC42 CA14 CA20 CA27 CA28 CA39 CA41 CA50 CB04 CB10 CB13 CB43 CB52 FA17 2H096 AA07 AA08 BA05 BA20 EA04 GA08 GA09 GA11 GA13 LA16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和結合を含有するモノマ
    ー、光重合開始剤、増感剤及び高分子バインダーを含有
    する光重合型感光層を有する感光性平版印刷版をレーザ
    ー光で画像露光した後、SiO2/M2O(Mはアルカリ
    金属又はアンモニウム基を表す)のモル比が0.75〜
    4.0であるアルカリ珪酸塩、界面活性剤及び消泡剤と
    を含有しpH12.0〜12.8で電導度3〜40mS
    /cmの範囲にある現像液で現像処理することを特徴と
    する平版印刷版の製版方法。
  2. 【請求項2】 SiO2/M2O(Mはアルカリ金属又は
    アンモニウム基を表す)のモル比が0.75〜4.0で
    あるアルカリ珪酸塩、界面活性剤及び消泡剤とを含有
    し、pH12.0〜12.8で電導度3〜40mS/c
    mの範囲にあることを特徴とする光重合型感光性平版印
    刷版用の現像液。
  3. 【請求項3】 消泡剤がシリコーン化合物である請求項
    2記載の現像液。
  4. 【請求項4】 SiO2/M2O(Mはアルカリ金属又は
    アンモニウム基を表す)のモル比が0.75〜1.5で
    ある請求項2又は3に記載の現像液。
  5. 【請求項5】 pHが12.2〜12.6、及び電導度
    が10〜30mS/cmの範囲にある請求項2〜4のい
    ずれか1項に記載の現像液。
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