JP2002202616A - 感光性平版印刷版用現像液、印刷版製版方法および感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性平版印刷版用現像液、印刷版製版方法および感光性平版印刷版

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JP2002202616A
JP2002202616A JP2001062270A JP2001062270A JP2002202616A JP 2002202616 A JP2002202616 A JP 2002202616A JP 2001062270 A JP2001062270 A JP 2001062270A JP 2001062270 A JP2001062270 A JP 2001062270A JP 2002202616 A JP2002202616 A JP 2002202616A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成性を損なわずに印刷時の汚れと耐刷
性の両立ができ、かつ、現像液不溶性化合物を溶解或い
は長時間分散安定化でき、処理安定性をも向上すること
ができる感光性平版印刷版用現像液、印刷版製版方法お
よび感光性平版印刷版を提供する。 【解決手段】 1.0meq/g以下の感光層酸価を有する
感光性平版印刷版をレーザー露光後、pH13.0以下
の現像液によって、未露光部の現像速度が0.05μm
/s以上、且つ露光部の現像液浸透速度が0.1μm/
s以下となるように現像する製版方法、非珪酸塩系で、
無機アルカリ剤及び、A−W(式中、AはA-HのlogPが
1.5以上の疎水性有機基を、WはW-HのlogPが1.0
未満の非イオン性の親水性有機基を表す。)で表される
非イオン性化合物を含有する現像液、およびpKa9以下
の酸基を有する化合物を含有し、酸価が0.20〜0.
60meq/gである感光層を有する感光性平版印刷
版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性平版印刷版
用の新規現像液、平版印刷版製版方法及び感光性平版印
刷版に関するものである。さらに詳しくは、長期間の経
時や繰り返しの使用による現像特性の低下がなく、か
つ、平版印刷版の非画像部(未露光部)に対し良好な現
像性を有し印刷での汚れを防止すると共に、画像部(露
光部)に対しての現像ダメージが少なく強固な画像を形
成し、高い耐刷性を実現する光重合型の平版印刷版に最
適な、現像液、平版印刷版製版方法及び感光性平版印刷
版に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より光重合性の平版印刷版用の現像
液として広く用いられているものとしては大きく分類す
ると、次のa)〜c)の3種類のものが知られている。a)有
機溶剤を主にした非水系の現像液、b)無機アルカリを主
にした水系現像液、c)有機塩基を主にした水系現像液で
ある。これらの内、昨今では、環境問題の要請から、
b)、c)の水系現像液が使用されている。これら2つの現
像液の特徴を詳しく述べると、b)の無機アルカリ現像液
には通常現像後に支持体上の親水化処理を施すために、
pH12付近で、珪酸塩が含有されていることが特徴で
ある。この珪酸塩は親水化処理を行う、つまり印刷時の
非画像部の汚れを防止するために必須の成分である。
【0003】たとえば、特開平8−248643号に記
載のpH12以上の現像液や、特開平11−65129
号記載のpH12以下の現像液が知られているが、前者
のpH12以上の場合には、通常支持体に用いているア
ルミを溶解しやすく、特に画像面積の小さな点(小点)
の場合にはサイドエッチング現象により、その画像部直
下のアルミ支持体を溶解することで、印刷時に小点が支
持体から取れる現象(小点飛び)が発生し、つまり、耐
刷性を著しく劣化させるという問題があった。また、後
者のpH12以下の場合には、上述の耐刷性と印刷汚れ
防止の点では好ましいが、長期間の現像処理を続けてい
くことで、例えば、空気中の炭酸ガスによる効果等によ
りpHが低下しやすく、この際に珪酸塩が現像液中に析
出し現像処理を安定にできなくなるという新たな問題が
あった。その他、珪酸塩を含有しない現像液の試みとし
て、特開昭61−109052号、西ドイツ特許第19
84605号、特開2000−81711号、特開平1
1−65126号などが開示されているが、いずれも印
刷汚れの点で珪酸塩含有のものより不利なだけでなく、
耐刷性との両立も困難であった。
【0004】一方、c)の有機塩基現像液としては、エタ
ノールアミン等の有機アミン及び、現像補助剤としてベ
ンジルアルコール等のアルコール系有機溶剤を含有する
ものが知られているが、この場合には、確かにpH10
程度と低く、炭酸ガスの影響を受けにくく処理安定性は
良いが、やはり、支持体に対する親水化の点で不利であ
ることだけでなく、今度は画像部への浸透力が高過ぎ、
特に小点に対して悪影響を及ぼし、現像時に支持体から
小点がとれる現象が生じるという画像形成性を劣化させ
る問題があった。すなわち、光重合性の平版印刷版に関
しては、画像形成性、印刷汚れと耐刷性、処理安定性な
どを考慮すると適した現像液がないのが実状である。ま
た、現像液組成に関しては珪酸塩の含有の有無、pHの
高低、無機アルカリと有機アルカリの相違などが、現像
現象に非常に影響を及ぼすことがわかるが、従来の組み
合わせでは上記の問題を解決することはできなかった。
【0005】さらに、従来から光重合性の平版印刷版で
は、長期間現像処理を続けていると現像液中に不溶物が
蓄積、凝集沈降し現像カスとなり現像処理を不安定化する
要因になっていた。このような現像カスの成分はこれまで
明らかとはなっていなかったが、分析の結果、その多く
は、感光層中に含まれる現像液不溶解成分であることが
判明した。その不溶解成分としては、例えば、露光部と
未露光部を識別するために感光層に添加している種々の
着色剤が挙げられる。これらの着色剤は、光重合系の場
合、ラジカル補足による減感や開始系(開始剤単独或い
は増感色素と開始剤との組み合わせなど)との不必要な
相互作用(エネルキ゛ー移動や電子移動)による減感を避ける
目的で、感光層中に分子分散せずに結晶状態を保った集
合体として分散される、いわゆる顔料が用いられてい
る。しかしこのような顔料は本質的に現像液に不溶であ
るため、未露光部を除去するための現像工程において、
はじめは一時的に現像液に分散しているが、長期間現像
処理を続けていると現像液中に蓄積、凝集沈降し現像カス
となる。
【0006】一方、光重合性の平版印刷版には、近年発
達してきたレーザー光源に対応すべく様々な光重合開始
剤(ラジカル発生剤)が使用されているが、その中でも
レーザー光源波長域に感光性を有し、安定性と感度の点
で優れた開始剤として、チタノセン系の開始剤が知られ
ている。しかしこのチタノセン系開始剤は有機金属であ
り、上述の着色剤顔料と同様に、現像液に不溶のもので
あり、一時的に現像液に分散しているが、長期間現像処
理を続けていると現像液中に蓄積、凝集沈降し、やはり
現像カスとなる。上述のpH低下に伴う珪酸塩析出の問題
だけでなく処理安定性に関しては、このような現像カス
の問題を解決することも非常に重要である。すなわち、
光重合性の平版印刷版用の現像液としては、上述の画像
形成性、印刷汚れと耐刷性の両立、処理安定性を満足す
る現像液が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、上記従来の技術の欠点を克服し、画像形成性を損な
わずに印刷時の汚れと耐刷性の両立ができ、かつ、上述
の現像液不溶性化合物を溶解或いは長時間分散安定化で
き、処理安定性をも向上することができる感光性平版印
刷版用現像液、印刷版製版方法および感光性平版印刷版
を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、下記構成により、上記の課題を達成すること
に成功した。即ち、本発明は以下の通りである。 (1)1.0meq/g以下の感光層酸価を有する感光性平
版印刷版をレーザー光で露光した後、pH13.0以下
の現像液によって、未露光部の現像速度が0.05μm
/s以上、且つ露光部の現像液浸透速度が0.1μm/
s以下となるように現像することを特徴とする平版印刷
版の製版方法。 (2)1.0meq/g以下の感光層酸価を有する感光性平
版印刷版をレーザー光で露光した後、pH13.0以下
の現像液によって、現像時に感光層を膨潤或いは剥離さ
せずに表面から順に溶解するように現像することを特徴
とする平版印刷版の製版方法。
【0009】(3)感光性平版印刷版に用いる現像液に
おいて、該現像液が非珪酸塩系で、無機アルカリ剤及
び、下記一般式(I)で表される非イオン性化合物を含
有することを特徴とする感光性平版印刷版用現像液。
【0010】A−W (I)
【0011】(式中、AはA-HのlogPが1.5以上の疎
水性有機基を表し、WはW-HのlogP が1.0未満の非イ
オン性の親水性有機基を表す。) (4)2価金属に対するキレート剤を含有することを特
徴とする前記(3)の感光性平版印刷版用現像液。 (5)pH10.0〜12.5、電導度3〜30mS/c
mであることを特徴とする前記(3)の感光性平版印刷
版用現像液。 (6)炭酸または炭酸塩を含有することを特徴とする前
記(3)の感光性平版印刷版用現像液。
【0012】(7)感光性平版印刷版が支持体上に必須
成分として以下のi)、ii)を含有する光重合性感光層
を有する光重合性平版印刷版であることを特徴とする前
記(1)または(2)の平版印刷版の製版方法。 i)付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合
物 ii)光重合開始剤 (8)光重合性感光層がチタノセン系開始剤または着色
剤(顔料)を含有することを特徴とする前記(7)の平
版印刷版の製版方法。 (9)支持体が陽極酸化アルミニウム支持体表面上に燐
含有原子団を有する有機化合物を有しているものである
ことを特徴とする前記(7)の平版印刷版の製版方法。
【0013】(10)光重合性感光層を有する感光性平
版印刷版において、その感光層がpKa9以下の酸基を有
する化合物を含有し、感光層酸価が0.20〜0.60
meq/gであること特徴とする感光性平版印刷版。 (11)表面に陽極酸化皮膜を有するアルミニウム支持
体上に、付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有
する化合物、アルカリ水溶液に可溶又は膨潤性を有する
高分子重合体、および光重合開始剤を含有する光重合性
感光層を有する感光性平版印刷版を、レーザ光で画像露
光後、下記式(I−A)で示されるノニオン芳香族エー
テル系活性剤および下記式(I−B)で示されるノニオ
ン芳香族エーテル系活性剤の少なくとも1種を含むアル
カリ水溶液からなる現像液で現像することを特徴とする
平版印刷版の製版方法。
【0014】
【化2】
【0015】(R1、R2は、Hまたは炭素数1〜100
のアルキル基であり、n、mは0〜100の整数であ
る。)
【0016】特に、本発明においては、現像液組成物に
ついて鋭意検討した結果、特殊な成分からなる現像液に
より、画像形成性を損なわずに印刷時の汚れと耐刷性の
両立ができ、かつ、上述の現像液不溶性化合物を溶解或
いは長時間分散安定化でき、処理安定性をも向上するこ
とに成功した。特殊な現像液とは、現像液組成物として
以下の要件を満たすものであると現在のところは考えて
いる。第1に画像形成性に対し極めて良好な働きをする
こと(未露光部の現像性は高く、露光部に対する現像液
の浸透性は低い。また、感光層の溶解挙動は非膨潤的で
あり、感光層表面から順に溶解していく)。第2に未露
光部の感光層を完全に除去することができ、支持体表面
を印刷汚れの発生しない親水面として再生できることで
ある。第3に上述の現像不溶性化合物を安定に分散或い
は可溶化するため、これらの不溶性化合物と相互作用す
る疎水性サイトと水中で分散安定化させる親水性サイト
を有する前記一般式(I)の非イオン性化合物を含有す
ること。第4に塩析や現像速度低下を防ぐため、塩濃度
が低いこと(非珪酸塩系であり、pHも従来のアルカリ
現像液に比較して低いことが必要)。第5に現像処理時
の不安定化要因となる、水に含有されるCaイオン等の
2価金属を除去するキレート剤を含有すること。
【0017】この内、第1、第2に関しては感光層成分
の特徴も重要な要因となる。特に光重合性の平版印刷版
の感光層であれば制約は受けないが、現在判っていると
ころでは、感光層酸価が従来のものよりも低いことは、
本発明の現像液との相乗効果を得る点では、重要である
と考えられる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感光性平版印刷版
用現像液、印刷版製版方法および感光性平版印刷版につ
いて、さらに詳細に説明する。はじめに、現像挙動につ
いて詳細に説明する。 [現像速度]本発明でいう現像速度とは、後述の実施例
1で得られた平版印刷版原版を露光せずにそのまま、各
種現像液に対して28℃で浸漬して、感光層が現像除去
され、支持体が現れる時間を測定。感光層膜厚に対する
現像速度を算出し、速度が大きい方が現像性が高くてよ
いことを表す。
【0019】未露光部現像速度 = 感光層膜厚(μ
m)/現像完了時間(s)
【0020】[現像浸透速度]本発明でいう現像浸透速
度とは、後述の実施例1で得られた平版印刷版原版を各
露光光源により標準露光量にて露光後、各種現像液に対
して28℃で浸漬して静電容量の変化を測定した。静電
容量の変化が起こる時間を調べることで感光層に現像液
が浸透し、支持体に接触する時間が分かる(変化点が現
れにくい場合は静電容量が100nFに到達する時間で
見積もる)。該時間から感光層膜厚方向に対する現像液
浸透速度を算出し、速度が小さい方が浸透性が低くてよ
いことを表す。なお、現像浸透速度の測定装置および測
定グラフを図1および図2に示す。
【0021】露光部現像液浸透速度=感光層膜厚(μ
m)/静電容量変化が始まる時間(s)
【0022】なお、現像浸透速度の測定装置および測定
グラフを図1および図2に示す。
【0023】[感光層の溶解及び膨潤]本発明でいう感
光層の溶解及び膨潤とは、後述の実施例1で得られた平
版印刷版原版を露光せずにそのまま、各種現像液に対し
て30℃で浸漬して、感光層の溶解挙動をDRM干渉波
測定装置で調査した。現像挙動が感光層表面からの非膨
潤的現像の場合、感光層膜厚が現像時間に対して徐々に
薄くなり、その厚みに応じた干渉波が得られる。逆に膨
潤的溶解(or脱膜的溶解)の場合には膜厚が現像液浸透
により変化するため、きれいな干渉波が得られない。き
れいな干渉波が得られることが望ましく、評価は干渉波
の有無で評価した。なお、感光層の溶解及び膨潤を測定
するためのDRM干渉波測定装置および測定グラフを図
3および図4に示す。
【0024】次いで、現像液成分について詳細に説明す
る。 [下記一般式(I)の非イオン性化合物]
【0025】A−W (I)
【0026】式中、AはA−HのlogPが1.5以上
の疎水性有機基を表し、WはW−HのlogPが1.0
未満の非イオン性の親水性有機基を表す。logPと
は、C.Hansch,A.Leo,“Substituent Constants for Co
rrelationAnalysis in Chemistry and Biology”,J.Wil
e&Sons,1979. 記載の疎水性ハ゜ラメータとして一般的に使用
されるものであり、目的とする分子(A−H及びW−
H)のオクタノール/水2層系に対して、各層に分配さ
れる割合から算出した平衡濃度比Pの対数として定義さ
れる。ここでは、一般式(I)中のA,Wの各基を特定
する指標として使用しており、A,W各有機基に便宜的
に水素原子結合させた、A−H、W−H構造に対して、
A.K.Ghose、et.al.J. Comput.Chem. 9,80(1988).記
載の方法に基づき、既知データより計算し、求めたもの
である。
【0027】具体的には、構造としては、有機基A、W
は互いに異なり、上述のlogPを満足する、一価の有機
残基を表す。より好ましくは、互いに同一または異な
り、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していても良
く、かつ、不飽和結合を含んでいても良い炭化水素基、
ヘテロ環基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプ
ト基、置換チオ基、アミノ基、置換アミノ基、置換カル
ボニル基、カルボキシラート基、スルホ基、スルホナト
基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、ホスホノ
基、置換ホスホノ基、ホスホナト基、置換ホスホナト基
、シアノ基、ニトロ基を表す。
【0028】上記置換基を有していてもよく、かつ、不
飽和結合を含んでいても良い炭化水素基としては、アル
キル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール
基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基及
び置換アルキニル基があげられる。
【0029】アルキル基としては炭素原子数が1から2
0までの直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基を挙
げることができ、その具体例としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、
イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペン
チル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘ
キシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル
基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボ
ルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素
原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12
までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環
状のアルキル基がより好ましい。
【0030】置換アルキル基は置換基とアルキレン基と
の結合により構成され、置換基としては、水素を除く一
価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハ
ロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキ
シル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ
基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ
基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ
基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−
アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキ
シ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリー
ルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモ
イルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ
基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ
基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、ア
シルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミ
ノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′
−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイ
ド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリ
ールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレ
イド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイ
ド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′
−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジ
アルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジア
ルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N
−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリール
ウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウ
レイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレ
イド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキ
ルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−
アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、
アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−
アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−ア
リーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−ア
ルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリ
ーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、
カルボキシル基及びその共役塩基基(以下、カルボキシ
ラートと称す)、アルコキシカルボニル基、アリーロキ
シカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバ
モイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−ア
リールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイ
ル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、ア
ルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基
(−SO3H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト
基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシス
ルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフ
ィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル
基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリ
ールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリール
スルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキル
スルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル
基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリー
ルスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスル
ファモイル基、N−アシルスルファモイル基及びその共
役塩基基、N−アルキルスルホニルスルファモイル基
(−SO2NHSO2(alkyl))及びその共役塩基
基、N−アリールスルホニルスルファモイル基(−SO
2NHSO2(allyl))及びその共役塩基基、N−
アルキルスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2
(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールス
ルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(ally
l))及びその共役塩基基、アルコキシシリル基(−S
i(Oalkyl)3)、アリーロキシシリル基(−S
i(Oallyl)3)、ヒドロキシシリル基(−Si
(OH)3)及びその共役塩基基、ホスホノ基(−PO3
2)及びその共役塩基基(以下、ホスホナト基と称
す)、ジアルキルホスホノ基(−PO3(alky
l)2)、ジアリールホスホノ基(−PO3(aryl)
2)、アルキルアリールホスホノ基(−PO3(alky
l)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO
3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アル
キルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基
(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以
後、アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基
(−OPO32)及びその共役塩基基(以後、ホスホナ
トオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−
OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノオキシ
基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホス
ホノオキシ基(−OPO3(alkyl)(ary
l))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPO3
(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキル
ホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオ
キシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基
基(以後、アリールホスホナトオキシ基と称す)、シア
ノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニ
ル基が挙げられる。
【0031】これらの置換基における、アルキル基の具
体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール
基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフ
チル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル
基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフ
ェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニ
ル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェ
ノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロ
キシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオ
フェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノ
フェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフ
ェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカ
ルボニルフェニル基、フェノキシカルボニルフェニル
基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル
基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェ
ニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、
ホスホナトフェニル基などを挙げることができる。ま
た、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペ
ニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−
1−エテニル基等が挙げられ、アルキニル基の例として
は、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、
トリメチルシリルエチニル基、フェニルエチニル基等が
挙げられる。
【0032】上述のアシル基(R4CO−)としては、
4が水素原子及び上記のアルキル基、アリール基、ア
ルケニル基、アルキニル基を挙げることができる。一
方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述
の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のい
ずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げる
ことができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直
鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素
原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げるこ
とができる。好ましい置換アルキル基の具体例として
は、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチ
ル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メト
キシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノ
キシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル
基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル
基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、
ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバ
モイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキ
シエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベン
ゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オ
キソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカル
ボニルエチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキ
シカルボニルブチル基、エトキシカルボニルメチル基、
ブトキシカルボニルメチル基、アリルオキシカルボニル
メチル基、ベンジルオキシカルボニルメチル基、メトキ
シカルボニルフェニルメチル基、トリクロロメチルカル
ボニルメチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、ク
ロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチ
ル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプ
ロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニ
ル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホ
フェニル)カルバモイルメチル基、スルホプロピル基、
スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイル
ブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N
−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルス
ルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノ
フェニル)スルファモイルオクチル基、
【0033】
【化3】
【0034】ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル
基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプ
ロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナト
ブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナ
トヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナト
オキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチ
ルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p
−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プ
ロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル
基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル
基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げること
ができる。
【0035】アリール基としては1個から3個のベンゼ
ン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和
環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例
としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フ
ェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、フ
ルオレニル基等を挙げることができ、これらのなかで
は、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
【0036】置換アリール基は、置換基がアリール基に
結合したものであり、前述のアリール基の環形成炭素原
子上に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を
有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては
前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置
換アルキル基における置換基として示したものを挙げる
ことができる。これらの、置換アリール基の好ましい具
体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、
メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフ
ェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル
基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニ
ル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル
基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、
メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、フェニ
ルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチル
アミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオ
キシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シ
クロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェ
ニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフ
ェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カ
ルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、
アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシ
カルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−
メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカ
ルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カル
バモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニ
ル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スル
ホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エ
チルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルス
ルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフ
ェニル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スル
ファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナ
トフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニ
ルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メ
チルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル
基、トリルホスホナトフェニル基、アリル基、1−プロ
ペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフ
ェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロ
ピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチ
ニルフェニル基等を挙げることができる。
【0037】アルケニル基としては、上述のものを挙げ
ることができる。置換アルケニル基は、置換基がアルケ
ニル基の水素原子と置き換わり結合したものであり、こ
の置換基としては、上述の置換アルキル基における置換
基が用いられ、一方アルケニル基は上述のアルケニル基
を用いることができる。好ましい置換アルケニル基の例
としては
【0038】
【化4】
【0039】等を挙げることができる。アルキニル基と
しては、上述のものを挙げることができる。置換アルキ
ニル基は、置換基がアルキニル基の水素原子と置き換わ
り、結合したものであり、この置換基としては、上述の
置換アルキル基における置換基が用いられ、一方アルキ
ニル基は上述のアルキニル基を用いることができる。
【0040】ヘテロ環基とは、ヘテロ環上の水素を1つ
除した一価の基及びこの一価の基からさらに水素を1つ
除し、上述の置換アルキル基における置換基が結合して
できた一価の基(置換ヘテロ環基)である。好ましいヘ
テロ環の例としては、
【0041】
【化5】
【0042】
【化6】
【0043】等を挙げることができる。
【0044】置換オキシ基(R5O−)としては、R5
水素を除く一価の非金属原子団であるものを用いること
ができる。好ましい置換オキシ基としては、アルコキシ
基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオ
キシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリ
ールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバ
モイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキ
シ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ
基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、ホ
スホノオキシ基、ホスホナトオキシ基等を挙げることが
できる。これらにおけるアルキル基、ならびにアリール
基としては前述のアルキル基、置換アルキル基ならび
に、アリール基、置換アリール基として示したものを挙
げることができる。また、アシルオキシ基におけるアシ
ル基(R6CO−)としては、R6が、前述のアルキル
基、置換アルキル基、アリール基ならびに置換アリール
基のものを挙げることができる。これらの置換基の中で
は、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、
アリールスルホキシ基等がより好ましい。好ましい置換
オキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、
プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキ
シ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシル
オキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、フェネ
チルオキシ基、カルボキシエチルオキシ基、メトキシカ
ルボニルエチルオキシ基、エトキシカルボニルエチルオ
キシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基、
メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキ
シ基、モルホリノエトキシ基、モルホリノプロピルオキ
シ基、アリロキシエトキシエトキシ基、フェノキシ基、
トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ
基、クメニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エ
トキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブ
ロモフェニルオキシ基、アセチルオキシ基、ベンゾイル
オキシ基、ナフチルオキシ基、フェニルスルホニルオキ
シ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ等が挙げら
れる。
【0045】置換チオ基(R7S−)としてはR7が水素
を除く一価の非金属原子団のものを使用できる。好まし
い置換チオ基の例としては、アルキルチオ基、アリール
チオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アシル
チオ基を挙げることができる。これらにおけるアルキル
基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキ
ル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示し
たものを挙げることができ、アシルチオ基におけるアシ
ル基(R6CO−)のR6は前述のとおりである。これら
の中ではアルキルチオ基、ならびにアリールチオ基がよ
り好ましい。好ましい置換チオ基の具体例としては、メ
チルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、エトキシ
エチルチオ基、カルボキシエチルチオ基、メトキシカル
ボニルチオ基等が挙げられる。
【0046】置換アミノ基(R8NH−,(R9
(R10)N−)としては、R8,R9,R10が水素を除く
一価の非金属原子団のものを使用できる。置換アミノ基
の好ましい例としては、N−アルキルアミノ基、N,N
−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N
−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールア
ミノ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ
基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−
アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド
基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリー
ルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイ
ド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド
基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−
アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジア
ルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアル
キル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−
アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウ
レイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレ
イド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイ
ド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキル
ウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−ア
リールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、ア
リーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−ア
ルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリ
ーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アル
コキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリー
ロキシカルボニルアミノ基が挙げられる。これらにおけ
るアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、
置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基
として示したものを挙げることができ、アシルアミノ
基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシル
アミノ基におけるアシル基(R6CO−)のR6は前述の
とおりである。これらの内、より好ましいものとして
は、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ
基、N−アリールアミノ基、アシルアミノ基等が挙げら
れる。好ましい置換アミノ基の具体例としては、メチル
アミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホ
リノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基、フェニルアミノ
基、ベンゾイルアミノ基、アセチルアミノ基等が挙げら
れる。
【0047】置換カルボニル基(R11−CO−)として
は、R11が一価の非金属原子団のものを使用できる。置
換カルボニル基の好ましい例としては、ホルミル基、ア
シル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ア
リーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキ
ルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル
基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリール
カルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモ
イル基等が挙げられる。これらにおけるアルキル基、ア
リール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、
ならびにアリール基、置換アリール基として示したもの
を挙げることができる。これらの内、より好ましい置換
基としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、
カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N
−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイ
ル基等が挙げられ、更により好ましいものとしては、ホ
ルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基ならびに
アリーロキシカルボニル基が挙げられる。好ましい置換
基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾ
イル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アリ
ルオキシカルボニル基、N−メチルカルバモイル基、N
−フェニルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモ
イル基、モルホリノカルボニル基等が挙げられる。
【0048】置換スルフィニル基(R12−SO−)とし
てはR12が一価の非金属原子団のものを使用できる。好
ましい例としては、アルキルスルフィニル基、アリール
スルフィニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルス
ルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイ
ル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジア
リールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリー
ルスルフィナモイル基が挙げられる。これらにおけるア
ルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換
アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基とし
て示したものを挙げることができる。これらの内、より
好ましい例としてはアルキルスルフィニル基、アリール
スルフィニル基等が挙げられる。このような置換スルフ
ィニル基の具体例としては、へキシルスルフィニル基、
ベンジルスルフィニル基、トリルスルフィニル基等が挙
げられる。
【0049】置換スルホニル基(R13−SO2−)とし
ては、R13が一価の非金属原子団のものを使用できる。
より好ましい例としては、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基を挙げることができる。これらにおけ
るアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、
置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基
として示したものを挙げることができる。このような、
置換スルホニル基の具体例としては、ブチルスルホニル
基、クロロフェニルスルホニル基等が挙げられる。
【0050】スルホナト基(−SO3−)は前述のとお
り、スルホ基(−SO3H)の共役塩基陰イオン基を意
味し、通常は対陽イオンと共に使用されるのが好まし
い。このような対陽イオンとしては、一般に知られるも
の、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、ス
ルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジ
ニウム類等)、ならびに金属イオン類(Na+、K+、C
2+、Zn2+等)が挙げられる。
【0051】カルボキシラート基(−CO2−)は前述
のとおり、カルボキシル基(CO2H)の共役塩基陰イ
オン基を意味し、通常は対陽イオンと共に使用されるの
が好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知
られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウ
ム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム
類、アジニウム類等)、ならびに金属イオン類(N
+、K+、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
【0052】置換ホスホノ基とはホスホノ基上の水酸基
の一つもしくは二つが他の有機オキソ基によって置換さ
れたものを意味し、好ましい例としては、前述のジアル
キルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、アルキルアリ
ールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、モノアリー
ルホスホノ基が挙げられる。これらの中ではジアルキル
ホスホノ基、ならびにジアリールホスホノ基がより好ま
しい。このような具体例としては、ジエチルホスホノ
基、ジブチルホスホノ基、ジフェニルホスホノ基等が挙
げられる。
【0053】ホスホナト基(−PO3 2-、−PO3-
とは前述のとおり、ホスホノ基(−PO32)の、酸第
一解離もしくは、酸第二解離に由来する共役塩基陰イオ
ン基を意味する。通常は対陽イオンと共に使用されるの
が好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知
られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウ
ム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム
類:アジニウム類、等)、ならびに金属イオン類(Na
+、K+、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
【0054】置換ホスホナト基とは前述の置換ホスホノ
基の内、水酸基を一つ有機オキソ基に置換したものの共
役塩基陰イオン基であり、具体例としては、前述のモノ
アルキルホスホノ基(−PO3H(alkyl))、モ
ノアリールホスホノ基(−PO3H(aryl))の共
役塩基を挙げることができる。通常は対陽イオンと共に
使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとして
は、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類
(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、
ヨードニウム類、アジニウム類、等)、ならびに金属イ
オン類(Na+、K+、Ca2+、Zn2+等)が挙げられ
る。
【0055】前記一般式(I)中、A及びWの各構造
は、より好ましくは、Aが芳香族を含有する有機基、W
がポリオキシアルキレン基を含有する非イオン性の有機
基である。
【0056】なお、A−HおよびW−Hの具体例を以下
に示す。
【0057】
【化7】
【0058】
【化8】
【0059】また、前記一般式(I)の非イオン性化合
物の具体例を以下に示す。
【0060】
【化9】
【0061】
【化10】
【0062】
【化11】
【0063】前記一般式(I)の非イオン性化合物とし
て、さらに好ましいものとしては、下記式(I−A)ま
たは(I−B)で示されるものである。
【0064】
【化12】
【0065】(R1、R2は、Hまたは炭素数1〜100
のアルキル基であり、n、mは0〜100の整数であ
る。)
【0066】一般式(I−A)で表される化合物として
は、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル等が挙げられる。一般式(I−B)で
表される化合物としては、ポリオキシエチレンナフチル
エーテル、ポリオキシエチレンメチルナフチルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルナフチルエーテル、ホ
リオキシエチレンノニルナフチルエーテル等が挙げられ
る。
【0067】前記一般式(I−A)および(I−B)の
化合物において、ポリオキシエチレン鎖の繰り返し単位
数は、好ましくは3〜50、より好ましくは5〜30で
ある。ポリオキシプロピレン鎖の繰り返し単位数は、好
ましくは0〜10、より好ましくは0〜5である。ポリ
オキシエチレン部とポリオキシプロピレン部はランダム
でもブロックの共重合体でもよい。前記一般式(I−
A)および(I−B)で示されるノニオン芳香族エーテ
ル系活性剤は、単独または2種類以上を組み合わせて使
用される。
【0068】本発明において、前記一般式(I)で示さ
れる非イオン性化合物は、現像液中1〜20重量%、好
ましくは2〜10重量%添加することが効果的である。
ここで添加量が少なすぎると、現像性低下および感光層
成分の溶解性低下を招き、逆に多すぎると、印刷版の耐
刷性を低下させる。
【0069】[キレート剤]本発明の現像液は、キレー
ト剤を含有していてもよい。キレート剤としては、例え
ば、Na227、Na533、Na339、Na24
(NaO3P)PO3Na 2、カルゴン(ポリメタリン酸ナト
リウム)などのポリリン酸塩、例えばエチレンジアミン
テトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエ
チレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、ナトリ
ウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリ
ウム塩、そのナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレン
ジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム
塩;ニトリロトリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウ
ム塩;1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そ
のカリウム塩、そのナトリウム塩;1,3−ジアミノ−
2−プロパノールテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナ
トリウム塩などのようなアミノポリカルボン酸類の他2
−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4、そのカ
リウム塩、そのナトリウム塩;2一ホスホノブタノント
リカルボン酸−2,3,4、そのカリウム塩、そのナト
リウム塩;1−ホスホノエタントリカルボン酸−1,
2、2、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ヒド
ロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム
塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン
酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような
有機ホスホン酸類を挙げることができる。このようなキ
レート剤の最適量は使用される硬水の硬度およびその使
用量に応じて変化するが、一般的には、使用時の現像液
中に0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜
0.5重量%の範囲で含有させられる。
【0070】[アルカリ剤]本発明に使用される現像液
は、上記一般式(I)で示される非イオン性化合物含有
するアルカリ水溶液である。含有されるアルカリ剤は、
たとえば第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモ
ニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウ
ム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウ
ム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水
酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、および
同リチウムなどの無機アルカリ剤があげられる。またモ
ノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、
モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、
トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプパノール
アミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジ
ン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機
アルカリ剤も用いられる。これらのアルカリ剤は単独も
しくは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0071】[界面活性剤]また、本発明に使用される
現像液は、上記一般式(I)で示される非イオン性化合
物以外に、さらに以下に記すその他の界面活性剤を加え
てもよい。その他の界面活性剤としては、例えば、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
セチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテ
ル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオ
キシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレン
アルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンステア
レート等のポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソ
ルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエ
ート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオ
レエート等のソルビタンアルキルエステル類、グリセロ
ールモノステアレート、グリセロールモノオレート等の
モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン界面活
性剤:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアル
キルベンゼンスルホン酸塩類、ブチルナフタレンスルホ
ン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸ナトリ
ウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オク
チルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフ
タレンスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のア
ルキル硫酸塩類、ドデシルスルホン酸ソーダ等のアルキ
ルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウ
ム等のスルホコハク酸エステル塩類等のアニオン界面活
性剤:ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のアル
キルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤が使用
可能であるが、特に好ましいのはアルキルナフタレンス
ルホン酸塩類等のアニオン界面活性剤である。これら界
面活性剤は単独、もしくは組み合わせて使用することが
出来る。また、これら界面活性剤の現像液中における含
有量は有効成分換算で、0.1から20重量%が好まし
い。
【0072】[その他の成分]本発明に使用される現像
液には、上記の成分の他に、必要に応じて以下の様な成
分を併用することができる。例えば安息香酸、フタル
酸、p−エチル安息香酸、p−n−プロピル安息香酸、
p−イソプロピル安息香酸、p−n−ブチル安息香酸、
p−t−ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、p
−2−ヒドロキシエチル安息香酸、デカン酸、サリチル
酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の有機カルボン
酸;イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エ
チルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソル
ブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の
有機溶剤;この他、キレート剤、還元剤、染料、顔料、
硬水軟化剤、防腐剤等が挙げられる。
【0073】また、本発明に使用される現像液には炭酸
または炭酸塩を含有することが、処理安定性上好まし
い。一般に現像液は空気中の炭酸ガスにより中和され疲
労してくるが、予め炭酸または炭酸塩を現像液中に含有
させておくことで、化学平衡により炭酸ガス疲労を防止
する効果があると考えられる。さらに本発明の製版方法
を、自動現像機を用いて現像処理を行う場合、処理量に
応じて現像液が疲労してくるので、補充液または新鮮な
現像液を用いて処理能力を回復させても良い。
【0074】次いで、現像液性状についての詳細に説明
する。 [pH]本発明の現像液はpH12.5のアリカリ水溶
液であり、現像速度の点でより好ましくはpH10.0
〜12.5であり、最も好ましくは、pH11.0〜1
2.5である。 [電導度]本発明の現像液の電導度は30mS/cm以
下であり、現像速度の点でより好ましくは3〜30mS
/cmであり、最も好ましくは、3〜15mS/cmで
ある。
【0075】[発砲性]内径3cmの100ml透明ガ
ラス瓶に現像液を30ml入れて、25℃で、1秒間に
3回の速度で、ガラス瓶を上下に1分間振とうする。そ
の後、静置し、泡が消えるまでの時間(消泡時間)を測
定する。この時間が少ない方が発泡性が低くよい(消泡
性が高い)。本発明の現像液は、好ましくは、発砲性が
低く、消泡時間5分以下であり、現像処理時に発砲し現
像処理工程に支障を来すことがない。
【0076】[色]本発明の現像液は無色、好ましくは
水との誤認を防ぐ目的で、視認性が得られる程度の色が
付いている。 [粘度]本発明の現像液の粘度は好ましくは、水希釈状
態で25℃において1.0〜10.0cpであり、円滑
な現像処理が行える。
【0077】[感光性平版印刷版]次いで、本発明に使
用される感光性平版印刷版について説明する。 [感光層]その中でも、本発明に使用される感光性平版
印刷版の感光層について、はじめに説明する。本発明に
使用される感光性平版印刷版の感光層は、特に限定され
ないが、レーザー描画可能なネガ型の光重合系の感光層
であることが好ましい。光重合系感光層の主な成分は、 a)付加重合可能なエチレン性不飽和二重結を有する化
合物 b)アルカリ水溶液に可溶又は膨潤性の高分子重合体 c)光重合開始剤系、 であり、必要に応じ、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤等
の種々の化合物が添加される。
【0078】付加重合可能なエチレン性二重結合を含む
化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1
個、好ましくは2個以上有する化合物の中から任意に選
択することができる。例えばモノマー、プレポリマー、
すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれ
らの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態
をもつものである。モノマーおよびその共重合体の例と
しては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、
マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエ
ステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物と
のアミド等が挙げられる。
【0079】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アク
リル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテ
ル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソル
ビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリ
レート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトー
ルヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリ
ゴマー等がある。
【0080】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレ
ート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトール
テトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオ
キシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチル
メタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フ
ェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0081】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、
1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレ
ングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジ
イタコネート、ソルビトールテトライタコネート等があ
る。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコール
ジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネ
ート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビト
ールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネー
ト、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビ
トールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリ
エチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトール
ジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。さ
らに、前述のエステルモノマーの混合物も挙げることが
できる。
【0082】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カ
ルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチ
レンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリル
アミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、
ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレ
ンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミ
ド等がある。その他の例としては、特公昭48−417
08号公報中に記載されている、1分子中に2個以上の
イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物
に、下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビ
ニルモノマーを付加せしめた1分子中に2個以上の重合
性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げら
れる。
【0083】 CH2=C(R3)COOCH2CH(R4)OH (A)
【0084】(ただし、R3およびR4はHあるいはCH
3を示す。)
【0085】また、特開昭51−37193号、特公平
2−32293号に記載されているようなウレタンアク
リレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−
43191号、特公昭52−30490号各公報に記載
されているようなポリエステルアクリレート類、エポキ
シ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアク
リレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート
を挙げることができる。さらに日本接着協会誌vol.
20、No.7、300〜308ページ(1984年)
に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されて
いるものも使用することができる。なお、これらの使用
量は、全成分に対して5〜70重量%(以下%と略称す
る。)、好ましくは10〜50%である。
【0086】本発明に使用される感光性平版印刷版の感
光層に含有されるアルカリ水に可溶性又は膨潤性を有す
る高分子重合体は、該組成物の皮膜形成剤としてだけで
なく、アルカリ水現像剤の用途に応じて選択使用され
る。有機高分子重合体は、例えば、水可溶性有機高分子
重合体を用いると水現像が可能になる。この様な有機高
分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加
重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54
−34327号、特公昭58−12577号、特公昭5
4−25957号、特開昭54−92723号、特開昭
59−53836号、特開昭59−71048号に記載
されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、ア
クリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共
重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン
酸共重合体等がある。
【0087】また同様に、側鎖にカルボン酸基を有する
酸性セルロース誘導体がある。この外に水酸基を有する
付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用
である。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレ
ート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加
重合性ビニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)
アクリレート(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他
の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体が好適である。
この他に水溶性有機高分子として、ポリピニルピロリド
ンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化
皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ポリアミド
や2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパ
ンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用であ
る。また特公平7−120040号、特公平7−120
041号、特公平7−120042号、特公平8−12
424号、特開昭63−287944号、特開昭63−
287947号、特開平1−271741号、特開平1
1−352691号に記載のポリウレタン樹脂も本発明
の用途には有用である。
【0088】これら高分子重合体は側鎖にラジカル反応
性基を導入することにより硬化皮膜の強度を向上させる
ことができる。付加重合反応し得る官能基としてエチレ
ン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が、又光照
射によりラジカルになり得る官能基としては、メルカプ
ト基、チオール基、ハロゲン原子、トリアジン構造、オ
ニウム塩構造等が、又極性基としてカルボキシル基、イ
ミド基等が挙げられる。上記付加重合反応し得る官能基
としては、アクリル基、メタクリル基、アリル基、スチ
リル基などエチレン性不飽和結合基が特に好ましいが、
又アミノ基、ヒドロキシ基、ホスホン酸基、燐酸基、カ
ルバモイル基、イソシアネート基、ウレイド基、ウレイ
レン基、スルフォン酸基、アンモニオ基から選ばれる官
能基も有用である。組成物の現像性を維持するため、本
発明の高分子重合体は適当な分子量、酸価を有すること
が好ましい。前述の現像液で現像させるため、重量平均
分子量が5000から30万で、酸価0.2〜5.0m
eq/gの高分子重合体を使用することが好ましい。
【0089】これらの有機高分子重合体は全組成中に任
意な量を混和させることができる。しかし90重量%を
超える場合には、形成される画像強度等の点で好ましい
結果を与えない。好ましくは10〜90%、より好まし
くは30〜80%である。また光重合可能なエチレン性
不飽和化合物と有機高分子重合体は、重量比で1/9〜
9/1の範囲とするのが好ましい。より好ましい範囲は
2/8〜8/2であり、更に好ましくは3/7〜7/3
である。
【0090】本発明に使用される感光性平版印刷版の感
光層に含有される光重合開始剤としては、使用する光源
の波長により、特許、文献等で公知である種々の光開始
剤、あるいは2種以上の光開始剤の併用系(光開始系)
を適宜選択して使用することができる。
【0091】400nm以上の可視光線、Arレーザ
ー、半導体レーザーの第2高調波、SHG−YAGレー
ザーを光源とする場合にも、種々の光開始系が提案され
ており、例えば、米国特許第2,850,445号に記
載のある種の光還元性染料、例えばローズベンガル、エ
オシン、エリスロシンなど、あるいは、染料と開始剤と
の組み合わせによる系、例えば、染料とアミンの複合開
始系(特公昭44−20189号)、ヘキサアリールビ
イミダゾールとラジカル発生剤と染料との併用系(特公
昭45−37377号)、ヘキサアリールビイミダゾー
ルとp−ジアルキルアミノベンジリデンケトンの系(特
公昭47−2528号、特開昭54−155292
号)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料の系
(特開昭48−84183号)、環状トリアジンとメロ
シアニン色素の系(特開昭54−151024号)、3
−ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−11268
1号、特開昭58−15503号)、ビイミダゾール、
スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59−1402
03号)、有機過酸化物と色素の系(特開昭59−15
04号、特開昭59−140203号、特開昭59−1
89340号、特開昭62−174203号、特公昭6
2−1641号、米国特許第4766055号)、染料
と活性ハロゲン化合物の系(特開昭63−258903
号、特開平2−63054号など)、染料とボレート化
合物の系(特開昭62−143044号、特開昭62−
150242号、特開昭64−13140号、特開昭6
4−13141号、特開昭64−13142号、特開昭
64−13143号、特開昭64−13144号、特開
昭64−17048号、特開平1−229003号、特
開平1−298348号、特開平1−138204号な
ど)、ローダニン環を有する色素とラジカル発生剤の系
(特開平2−179643号、特開平2−244050
号)、チタノセンと3−ケトクマリン色素の系(特開昭
63−221110号)、チタノセンとキサンテン色素
さらにアミノ基あるいはウレタン基を含む付加重合可能
なエチレン性不飽和化合物を組み合わせた系(特開平4
−221958号、特開平4−219756号)、チタ
ノセンと特定のメロシアニン色素の系(特開平6−29
5061号)、チタノセンとベンゾピラン環を有する色
素の系(特開平8−334897号)等を挙げることが
できる。
【0092】本発明においては、特にチタノセン化合物
を用いた系が、感度の点で優れており好ましい。チタノ
セン化合物としては、種々のものを用いることができる
が、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61
−151197号各公報に記載されている各種チタノセ
ン化合物から適宜選んで用いることができる。さらに具
体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロ
ライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェ
ニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,
3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ
−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6
−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタ
ジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフエ
ニ−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−
2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペ
ンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェ
ニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti
−ビス−2,3,4,5,6−テトラフルオロフェニ−
1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビ
ス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロ
ペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロ−3
−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イル等を挙げるこ
とができる。
【0093】さらに、本発明で用いる光重合開始剤に必
要に応じてアミン化合物、チオール化合物などの助剤を
加えても良く、これらの水素供与性化合物を加えること
によってさらに光重合開始能力を高めることができる。
これらの光重合開始剤の使用量は、エチレン性不飽和化
合物100重量部に対し、0.05〜100重量部、好
ましくは0.1〜70重量部、更に好ましくは0.2〜
50重量部の範囲で用いることができる。
【0094】また本発明においては、以上の基本成分の
他に、感光層用の感光性組成物の製造中あるいは保存中
において重合可能なエチレン性不飽和化合物の不要な熱
重合を阻止するために、少量の熱重合禁止剤を添加する
ことが望ましい。適当な熱重合禁止剤としては、ハイド
ロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−
p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコー
ル、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニト
ロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−
ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等
が挙げられる。熱重合禁止剤の添加量は、全組成物の重
量に対して約0.01%〜約5%が好ましい。また必要
に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン
酸やべヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加
して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させて
もよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約
0.5%〜約10%が好ましい。
【0095】更に感光層の着色を目的として、着色剤を
添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシア
ニン系顔料(C.I.Pigment Blue 1
5:3.15:4、15:6など)、アゾ系顔料、カー
ボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレ
ット、クリスタルバイオレット、アゾ染料、アントラキ
ノン系染料、シアニン系染料がある。染料および顔料の
添加量は全感光層固形分の約0.5%〜約20%が好ま
しい。加えて、硬化皮膜の物性を改良するために、無機
充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、
トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加え
てもよい。これらの添加量は全感光層固形分の10%以
下が好ましい。
【0096】上記感光層を後述の支持体上に塗布する際
には、感光層用組成物を種々の有機溶剤に溶かして使用
に供される。ここで使用する溶媒としては、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エ
チレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチ
ルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エ
チレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキ
シプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、
3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクト
ン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒
は、単独あるいは混合して使用することができる。そし
て、塗布溶液中の固形分の濃度は、1〜50重量%が適
当である。
【0097】前記光重合性感光層用組成物には、塗布面
質を向上するために界面活性剤を添加することができ
る。その被覆量は乾燥後の重量で約0.1g/m2〜約
10g/m2の範囲が適当である。より好ましくは0.
3〜5g/m2である。更に好ましくは0.5〜3g/
2である。
【0098】[感光層酸価]なお、本発明でいう感光層
酸価とは、感光性平版印刷版の支持体上に塗設されてい
る感光性組成物(感光層の上に塗設されるオーバーコー
ト層、例えば、酸素遮断層は含まない)の層、1gあた
りに含有されるpKa9以下の酸の等量である。実験的に
は感光層を水酸化ナトリウム水溶液により直接、滴定し
て求めることができるが、感光性組成物中のpKa9以下
の酸基を有する化合物の含有量から計算により求めるこ
ともできる。具体的に感光層酸価を変える方法として
は、感光層成分である架橋剤モノマー/酸基を有するバ
インダーポリマー(線状高分子)の含有比の変更および
酸基の少ない低酸価バインダーポリマーの使用などが考
えられる。低酸価バインダーポリマーとしては、酸価
1.5meq/g以下が好ましい。より好ましくは1.
2meq/g以下である。本発明の感光層の感光層酸価
は1.0meq/gであることが好ましい。酸価0.2
0〜0.60meq/gの感光層を有する平版印刷版に
適用する方が効果的である。さらに画像形成性の点でよ
り好ましくは0.30〜0.50meq/gの感光層を
有するものである。
【0099】(支持体)本発明で用いられる感光性平版
印刷版の支持体としては、寸度的に安定な板状物であれ
ば、特に限定されないが、アルミニウム支持体が好適で
ある。アルミニウム支持体は、寸度的に安定なアルミニ
ウムを主成分とするアルミニウムおよびアルミニウム含
有(例えばケイ素、銅、マンガン、マグネシウム、クロ
ム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルなどの金属とアルミ
ニウムとの合金)合金、またはアルミニウムまたはアル
ミニウム合金がラミネートもしくは蒸着されたプラスチ
ックフィルムまたは紙の中から選ばれる。さらに特公昭
48−18327号に記載の様なポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複
合体シートでもかまわない。このアルミニウム支持体に
は、適宜後述の基板表面処理が施される。
【0100】(砂目立て処理)砂目立て処理方法は、特
開昭56−28893号に開示されているような機械的
砂目立て、化学的エッチング、電解グレインなどがあ
る。さらに塩酸または硝酸電解液中で電気化学的に砂目
立てする電気化学的砂目立て方法、及びアルミニウム表
面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン
法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立でする
ボールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂
目立てするブラシグレイン法のような機械的砂目立て法
を用いることができ、上記砂目立て方法を単独あるいは
組み合わせて用いることもできる。
【0101】その中でも本発明に有用に使用される表面
粗さを作る方法は、塩酸または硝酸電解液中で化学的に
砂目立てする電気化学的方法であり、適する電流密度は
100C/dm2〜400C/dm2の範囲である。さら
に具体的には、0.1〜50%の塩酸または硝酸を含む
電解液中、温度20〜100℃、時間1秒〜30分、電
流密度100C/dm2〜400C/dm2の条件で電解
を行うことが好ましい。このように砂目立て処理したア
ルミニウム支持体は、酸またはアルカリにより化学的に
エッチングされる。酸をエッチング剤として用いる場合
は、微細構造を破壊するのに時間がかがり、工業的に本
発明を適用するに際しては不利であるが、アルカリをエ
ッチング剤として用いることにより改善できる。本発明
において好適に用いられるアルカリ剤は、苛性ソーダ、
炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リ
ン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を用
い、濃度と温度の好ましい範囲はそれぞれ1〜50%、
20〜100℃であり。Alの溶解量が5〜20g/m
3となるような条件が好ましい。
【0102】エッチングのあと表面に残留する汚れ(ス
マット)を除去するために酸洗いが行われる。用いられ
る酸は硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフ
ッ化水素酸等が用いられる。特に電気化学的粗面化処理
後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭
53−12739号公報に記載されているような50〜
90℃の温度の15〜65重量%の硫酸と接触させる方
法及び特公昭48−28123号公報に記載されている
アルカリエッチングする方法が挙げられる。なお、本発
明で有効に用いられるAl支持体の表面粗さは(Ra)
は0.3〜0.7μmである。
【0103】(陽極酸化処理)以上のようにして処理さ
れたアルミニウム支持体は、さらに陽極酸化処理が施さ
れる。陽極酸化処理はこの分野で従来より行われている
方法で行うことができる。具体的には、硫酸、リン酸、
クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルフ
ォン酸等あるいはこれらの二種以上を組み合わせて水溶
液または非水溶液中でアルミニウムに直流または交流を
流すとアルミニウム支持体表面に陽極酸化皮膜を形成す
ることができる。陽極酸化処理の条件は使用される電解
液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、
一般的には電解液の濃度が1〜80%、液温5〜70
℃、電流密度0.5〜60アンペア/dm2、電圧1〜
100V、電解時間10〜100秒の範囲が適当であ
る。
【0104】これらの陽極酸化処理のうちでも特に英国
特許第1,412,768号明細書に記載されている、
硫酸中で高電流密度で陽極酸化する方法及び米国特許第
3,511,661号明細書に記載されているリン酸を
電解浴として陽極酸化する方法が好ましい。本発明にお
いては、陽極酸化皮膜は1〜10g/m2であることが
好ましく、1g/m2以下であると版に傷が入りやす
く、10g/m2以上は製造に多大な電力が必要とな
り、経済的に不利である。好ましくは、1.5〜7g/
2である。更に好ましくは、2〜5g/g2である。更
に、本発明においては、砂目立て処理及び陽極酸化後、
アルミニウム支持体に封孔処理を施してもかまわない。
かかる封孔処理は、熱水及び無機塩または有機塩を含む
熱水溶液への基板の浸漬ならびに水蒸気浴などによって
行われる。またこのアルミニウム支持体にはアルカリ金
属珪酸塩によるシリケート処理以外の処理、たとえば弗
化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬
処理などの表面処理がなされてもかまわない。
【0105】また、本発明の感光性平版印刷版の支持体
には、前記アルミニウム支持体の他に、寸度的に安定な
以下の板状物も好適に用いられる。例えば、紙、プラス
チック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、
亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸
セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロ
ース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ
ビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若
しくは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙
げられる。
【0106】また、これらの支持体に対しては、その支
持体に応じた表面親水化処理を行うことも好ましい。表
面親水化処理には、エッチングや酸化、還元、ゾル−ゲ
ルコーティングなどの化学反応による処理や、支持体表
面に吸着するような特定の化合物をコーティングするこ
と等が挙げられる。例えば、陽極酸化アルミニウム支持
体の場合には、特に燐系の酸原子団を有する有機化合物
(燐酸、ホスホン酸、ホスフィン酸)が好適に使用され
る。上記の支持体上に、前述の感光層を形成すること
で、本発明の感光性平版印刷版が製造されるが、感光層
を塗設する前に必要に応じて有機または無機の下塗り層
が設けられてもかまわない。
【0107】(酸素遮断性保護層)本発明の感光性平版
印刷版は、その光重合性感光層の上に水溶性ビニル重合
体を主成分とする酸素遮断性保護層を有していてもよ
い。酸素遮断性保護層に含まれる水溶性ビニル重合体と
しては、ポリビニルアルコール、およびその部分エステ
ル、エーテル、およびアセタール、またはそれらに必要
な水溶性を有せしめるような実質的量の未置換ビニルア
ルコール単位を含有するその共重合体が挙げられる。ポ
リビニルアルコールとしては、71〜100%加水分解
され、重合度が300〜2400の範囲のものが挙げら
れる。具体的には、株式会社クラレ製PVA−105、
PVA−110、PVA−117、PVA−117H、
PVA−120、PVA−124、PVA−124H、
PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA
−203、PVA−204、PVA−205、PVA−
210、PVA−217、PVA−220、PVA−2
24、PVA−217EE、PVA−220、PVA−
224、PVA−217EE、PVA−217E、PV
A−220E、PVA−224E、PVA−405、P
VA−420、PVA−613、L−8等が挙げられ
る。上記の共重合体としては、88〜100%加水分解
されたポリビニルアセテートクロロアセテートまたはプ
ロピオネート、ポリビニルホルマールおよびポリビニル
アセタールおよびそれらの共重合体が挙げられる。その
他有用な重合体としては、ポリビニルピロリドン、ゼラ
チンおよびアラビアゴム等が挙げられ、これらは単独ま
たは、併用して用いても良い。
【0108】この酸素遮断性保護層を塗布する際用いる
溶媒としては、純水が好ましいが、メタノール、エタノ
ールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケト
ンなどのケトン類を純水と混合しても良い。そして塗布
溶液中の固形分の濃度は1〜20重量%が適当である。
この酸素遮断性保護層にはさらに塗布性を向上させるた
めの界面活性剤、皮膜の物性を改良するための水溶性の
可塑剤等の公知の添加剤を加えても良い。水溶性の可塑
剤としては、たとえばプロピオンアミド、シクロヘキサ
ンジオール、グリセリン、ソルビトール等がある。ま
た、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーなどを添加し
ても良い。その被覆量は、乾繰後の重量で約0.1g/
2〜約15g/m2の範囲が適当である。より好ましく
は1.0g/m2〜約5.0g/m2である。
【0109】[製版プロセス]本発明の感光性平版印刷
版の製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光
中、露光から現像までの間に、全面を加熱しても良い。
このような加熱により、感光層中の画像形成反応が促進
され、感度や耐刷性の向上や、感度の安定化といった利
点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的
として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは、全
面露光を行うことも有効である。通常現像前の加熱は1
50℃以下の穏和な条件で行うことが好ましい。温度が
高すぎると、非画像部までがかぶってしまう等の問題を
生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。
通常は200〜500℃の範囲である。温度が低いと十
分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体
の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる。
【0110】本発明の感光性平版印刷版の露光方法は、
公知の方法を制限なく用いることができる。光源として
はレーザが好ましく。例えば、350〜450nmの波長
の入手可能なレーザー光源としては以下のものを利用す
ることができる。ガスレーザーとして、Arイオンレー
ザー(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオ
ンレーザー(356nm,351nm,10mW〜1W)、H
e−Cdレーザー(441nm,325nm,1mW〜100
mW)、固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)
とSHG結晶×2回の組み合わせ(355mm、5mW〜1
W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(4
30nm,10mW)、半導体レーザー系として、KNbO
3、リング共振器(430nm,30mW)、導波型波長変
換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わ
せ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型
波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の
組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、
AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30m
W)、その他、パルスレーザーとしてN2レーザー(33
7nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、
パルス10〜250mJ)
【0111】特にこの中でAlGaInN半導体レーザ
ー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410n
m、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
【0112】その他、450nm〜700nmの入手可
能な光源としてはAr+レーザ−(488nm)、YAG
−SHGレーザー(532nm)、He−Neレーザー
(633nm)、He―Cdレーザー、赤色半導体レー
ザー(650〜690nm)、及び700nm〜120
0nmの入手可能な光源としては半導体レーザ(800
〜850nm)、Nd−YAGレーザ(1064nm)
が好適に利用できる。
【0113】その他、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水
銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン
灯、メタルハライド灯、紫外のレーザランプ(ArFエ
キシマレーザー、KrFエキシマレーザーなど)、放射
線としては電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線など
も利用できるが、安価な点で上述の350nm以上のレ
ーザー光源が特に好ましい。
【0114】また、露光機構は内面ドラム方式、外面ド
ラム方式、フラットベッド方式等のいずれでもよい。ま
た本発明の感光性平版印刷版の感光層成分は高い水溶性
のものを使用することで、中性の水や弱アルカリ水に可
溶とすることもできるが、このような構成の感光性平版
印刷版は印刷機上に装填後、機上で露光−現像といった
方式を行うこともできる。
【0115】また現像処理された感光性平版印刷版は、
特開昭54−8002号、同55−115045号、同
59−58431号等の各公報に記載されているよう
に、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビ
アガムや澱粉誘導体等を含む不感脂化液で後処理され
る。本発明の感光性平版印刷版の後処理にはこれらの処
理を種々組み合わせて用いることができる。このような
処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機に
かけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0116】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 [支持体例] (支持体1:陽極酸化アルミニウム支持体)厚さ0.3
0mmの材質1Sのアルミニウム板を8号ナイロンブラ
シと800メッシュのパミストンの水懸濁液を用い、そ
の表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水
酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチング
した後、流水で、水洗後、20%HNO3で中和洗浄、
水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で正弦波の
交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で300クーロ
ン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。
その表面粗さを測定したところ0.45μm(Ra表
示)であった。ひきつづいて30%のH2SO4水溶液中
に浸漬し、55℃で2分間デスマットした後、33℃、
20%H2SO4水溶液中で、砂目立てした面に陰極を配
置して、電流密度5A/dm2において50秒間陽極酸
化したところ、厚さが2.7g/m2であった。これを
支持体1とした。
【0117】(支持体2)支持体1に下記の表面処理用
下塗り液状組成物1をP量が約0.05g/m2となる
ように塗布し、100℃で1分間乾燥させたものを支持
体2とした。
【0118】 <下塗り用液状組成物1> フェニルホスホン酸 2重量部 メタノール 800重量部 水 50重量部
【0119】(支持体3)支持体1に下記の表面処理用
下塗り液状組成物2をSi量が約0.001g/m2
なるように塗布し、100℃で1分間乾燥させたものを
支持体3とした。
【0120】<下塗り用液状組成物2>下記成分を混合
攪拌し、約5分後に発熱が見られ、60分間反応させた
後、内容物を別の容器に移し、メタノールをさらに3万
重量部加えたものを液状組成物2とした。
【0121】 ユニケミカル(株)ホスマーPE 20重量部 メタノール 130重量部 水 20重量部 パラトルエンスルホン酸 5重量部 テトラエトキシシラン 50重量部 3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 50重量部
【0122】[感材例]上述の支持体1〜3上に、下記
組成の光重合性組成物を乾燥塗布重量が1.5g/m2
となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させ、感光
層を形成した。続いて、この感光層上にポリビニルアル
コール(ケン化度98モル%、重合度500)の3wt%
の水溶液を乾燥塗布重量が2.5g/m2となるように
塗布し、120℃で3分間乾燥させ、感光性平版印刷版
(感材)を得た。
【0123】 (感光層塗布液(光重合性組成物):下記表−1に詳細を記載) エチレン性不飽和結合含有化合物(A) a 重量部 線状有機高分子重合体(B) b 重量部 増感剤(C) 0.15重量部 光開始剤(D) 0.30重量部 添加剤(S) 0.50重量部 フッ素系界面活性剤 0.03重量部 (メカ゛ファックF-177:大日本インキ化学工業(株)製) 熱重合禁止剤 0.01重量部 (N-ニトロソヒドロキシルアミンアルミニウム塩) ε型の銅フタロシアニン分散物 0.2 重量部 メチルエチルケトン 30.0 重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.0 重量部
【0124】なお、感光層塗布液に用いる、エチレン性
不飽和結合含有化合物(A)、線状有機高分子重合体
(B)、増感剤(C)、光開始剤(D)、添加剤(S)
を以下に示す。
【0125】
【化13】
【0126】
【化14】
【0127】
【化15】
【0128】
【表1】
【0129】※感光層酸価は感光層1g当たりに含有され
る酸量を水酸化ナトリウム滴定により測定後、算出した
実測値である。
【0130】[現像液例]下記組成の現像液を調製し
た。
【0131】 (実施例:現像液1〜20:下記表−2に詳細を記載) アルカリ (X) x g 一般式(I)の化合物(Y) 5.0 g キレート剤 (Z) 0.1 g 添加剤1 (P) 1.0 g 添加剤2 (Q) 1.0 g 水 (92.9−x)g
【0132】 (実施例:現像液21〜40:表−2−2に詳細を記載) アルカリ (X) x g 一般式(I)の化合物(Y) 5.0 g キレ−ト剤 (Z) 0.15g 水 (94.85−x)g
【0133】なお、現像液に用いる、キレート剤
(Z)、添加剤1(P)、添加剤2(Q)を以下に示
す。
【0134】
【化16】
【0135】
【表2】
【0136】
【表3】
【0137】[現像液性状試験]本明細書に記載の各検
査方法に従って、上記表−2の現像液の物性について調
査した結果を下記表−3示す。
【0138】
【表4】
【0139】[印刷等評価]上記表−1の感材と表−2
及び表−2−2の現像液を組み合わせた際の結果につい
て下記表−4及び表−4−2にまとめた。また、露光、
印刷、現像条件は以下のものを使用した。 (現像性の評価)上述の塗布感材を未露光のまま現像
後、版の色を目視評価。残膜がある場合、感光層の色が
残る。
【0140】(耐刷性および印刷汚れ性の評価)上述の
塗布感材を532nm、100mWのFD・YAGレー
ザー(CSI社製プレートジェット4)、或いは、40
5nm、30mWのvioletLD(内面ドラム型実験機)
で100μ/cm2の露光(標準露光条件)で4000
dpiにて175線/インチの条件で、ベタ画像と1〜
99%の網点画像(1%刻み)を走査露光した後、各種
現像液およびフィニッシングガム液FP−2W(富士写
真フィルム製)を仕込んだ自動現像機(富士写真フィル
ム製LP−850P2)で標準処理を行い平版印刷版を
得た。(露光後のプレヒートは版面到達温度が100
℃、現像液への浸漬時間15秒である。) 続いて、得られた平版印刷版についてマン・ローランド
社製R201型印刷機で、大日本インキ社製GEOS
G墨(N)を使用して印刷し、3%の網点が版飛びを起
こした印刷枚数を評価した。印刷汚れ性は三菱重工製ダ
イヤIF2型印刷機で、大日本インキ社製GEOS G
紅(S)を使用して印刷し、非画像部のインキ汚れを目
視で評価した。
【0141】(現像カスの評価)上述の塗布感材20m
2を上述の現像液(1リットル)中で現像後、1ヶ月放
置し沈降した現像カスの有無を調査した。この結果も表
−4及び表−4−2に示す。
【0142】
【表5】
【0143】
【表6】
【0144】※感材5〜8については405nmで露
光、感材1〜4、9については532nmで露光した。
【0145】表−4及び表−4−2から明らかなように
本発明の現像液は現像性良好であり、耐刷性と印刷汚れ
を両立、さらに現像カスを発生せず処理安定性が良好で
ある。
【0146】[現像挙動調査]本明細書に記載の検査方
法により表−4の実施例及び比較例について、現像挙動
等の調査を行った結果を表−5に示す。
【0147】
【表7】
【0148】
【発明の効果】本発明に関わる感光性平版印刷版用現像
液、印刷版製版方法および感光性平版印刷版は、画像形
成性を損なわずに印刷時の汚れと耐刷性の両立ができ、
かつ、上述の現像液不溶性化合物を溶解或いは長時間分
散安定化でき、処理安定性をも向上することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】現像浸透速度を測定するための装置の概略図で
ある。
【図2】現像浸透速度を測定するためのグラフである。
【図3】感光層の溶解及び膨潤を測定するためのDRM
干渉波測定装置の概略図である。
【図4】感光層の溶解及び膨潤を測定するためのグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長瀬 博幸 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 土屋 光正 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H096 AA06 BA05 GA09 GA11 GA12

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1.0meq/g以下の感光層酸価を有する
    感光性平版印刷版をレーザー光で露光した後、pH1
    3.0以下の現像液によって、未露光部の現像速度が
    0.05μm/s以上、且つ露光部の現像液浸透速度が
    0.1μm/s以下となるように現像することを特徴と
    する平版印刷版の製版方法。
  2. 【請求項2】 1.0meq/g以下の感光層酸価を有する
    感光性平版印刷版をレーザー光で露光した後、pH1
    3.0以下の現像液によって、現像時に感光層を膨潤或
    いは剥離させずに表面から順に溶解するように現像する
    ことを特徴とする平版印刷版の製版方法。
  3. 【請求項3】 感光性平版印刷版に用いる現像液におい
    て、該現像液が非珪酸塩系で、無機アルカリ剤及び、下
    記一般式(I)で表される非イオン性化合物を含有する
    ことを特徴とする感光性平版印刷版用現像液。 A−W (I) (式中、AはA-HのlogPが1.5以上の疎水性有機基を
    表し、WはW-HのlogP が1.0未満の非イオン性の親水
    性有機基を表す。)
  4. 【請求項4】 2価金属に対するキレート剤を含有する
    ことを特徴とする請求項3記載の感光性平版印刷版用現
    像液。
  5. 【請求項5】 pH10.0〜12.5、電導度3〜30
    mS/cmであることを特徴とする請求項3記載の感光
    性平版印刷版用現像液。
  6. 【請求項6】 炭酸または炭酸塩を含有することを特徴
    とする請求項3記載の感光性平版印刷版用現像液。
  7. 【請求項7】 感光性平版印刷版が支持体上に必須成分
    として以下のi)、ii)を含有する光重合性感光層を有
    する光重合性平版印刷版であることを特徴とする請求項
    1または2記載の平版印刷版の製版方法。 i)付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合
    物 ii)光重合開始剤
  8. 【請求項8】 光重合性感光層がチタノセン系開始剤ま
    たは着色剤(顔料)を含有することを特徴とする請求項
    7記載の平版印刷版の製版方法。
  9. 【請求項9】 支持体が陽極酸化アルミニウム支持体表
    面上に燐含有原子団を有する有機化合物を有しているも
    のであることを特徴とする請求項7記載の平版印刷版の
    製版方法。
  10. 【請求項10】 光重合性感光層を有する感光性平版印
    刷版において、その感光層がpKa9以下の酸基を有する
    化合物を含有し、感光層酸価が0.20〜0.60me
    q/gであること特徴とする感光性平版印刷版。
  11. 【請求項11】 表面に陽極酸化皮膜を有するアルミニ
    ウム支持体上に、付加重合可能なエチレン性不飽和二重
    結合を有する化合物、アルカリ水溶液に可溶又は膨潤性
    を有する高分子重合体、および光重合開始剤を含有する
    光重合性感光層を有する感光性平版印刷版を、レーザ光
    で画像露光後、下記式(I−A)で示されるノニオン芳
    香族エーテル系活性剤および下記式(I−B)で示され
    るノニオン芳香族エーテル系活性剤の少なくとも1種を
    含むアルカリ水溶液からなる現像液で現像することを特
    徴とする平版印刷版の製版方法。 【化1】 (R1、R2は、Hまたは炭素数1〜100のアルキル基
    であり、n、mは0〜100の整数である。)
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