JP2006208780A - 感光性平版印刷版 - Google Patents

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JP2006208780A JP2005021343A JP2005021343A JP2006208780A JP 2006208780 A JP2006208780 A JP 2006208780A JP 2005021343 A JP2005021343 A JP 2005021343A JP 2005021343 A JP2005021343 A JP 2005021343A JP 2006208780 A JP2006208780 A JP 2006208780A
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Abstract

【課題】 高感度かつ経時安定性の良好な感光性平版印刷版を提供すること、またセーフライト適性の向上した感光性平版印刷版を提供することである。
【解決手段】 アルミニウム支持体、及び、(A)炭素−炭素二重結合を2個以上有し、かつ3級アミノ基を有する重合可能な化合物、(B)300nm〜450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素、および(C)ヘキサアリールビスイミダゾール化合物を含有する光重合性感光層を有することを特徴とする感光性平版印刷版。
【選択図】 なし

Description

本発明は300nm〜450nmの波長範囲に関して、高い感光性能を有する光重合性感光層を使用した感光性平版印刷版に関するものである。特に高感度かつ良好な経時安定性を有し、白灯安全性(セーフライト適性)に優れる感光性平版印刷版に関するものである。
ネガ型感光性平版印刷版は、一般に粗面化処理されたアルミニウム版等の支持体上に感光性組成物を塗布して感光層を形成し、所望の画像を露光し、画像部(光照射された部分)を重合あるいは架橋させ現像液に不溶化させ、非画像部を現像液で溶出するプロセスにて画像形成が行われる。従来このような目的に使用される感光性組成物としては、光重合性組成物がよく知られている。
近年、画像情報をコンピューターにより、電子的に処理、蓄積、出力するディジタル化技術が広く普及してきている。例えば、レーザー光のような指向性の高い光をディジタル化された画像情報に従って走査し、リスフィルムを介することなく、直接印刷版を製造するCTP(Computer-To-Plate)技術が望まれ、これに適応した高感度な印刷用原版の開発が進んできている。
この光源としてはArイオンレーザー(488nm)やFD−YAGレーザー(532nm)が使用され、これらの光源に適合した光重合性感光層を有する感光性平版印刷版が開発され、実用に供されている。また最近、InGaN系半導体レーザー(バイオレットレーザー、350nm〜450nm)が開発され、明室化、露光機の低コスト化、高生産性が期待されるため、この光源に感光性を有する高感度な光重合性感光層を有する平版印刷版の開発が急速化している。Arイオンレーザー、FD−YAGレーザーに感応する光重合性組成物としては、特許文献1及び2等に記載のチタノセンとクマリン色素との併用開始系を含む組成物、特許文献3に記載のスチリル系色素とチタノセンとの併用開始系を含む組成物、バイオレットレーザーに感応する光重合性組成物としては、特許文献4に記載のカルバゾリルスチリル色素を有する光重合性組成物等が知られている。
これらの光重合性組成物を利用して光重合性感光層を形成した高感度な平版印刷版は、ようやく描画速度において実用の領域に達し、CTP用平版印刷版として実用に供されているが、製版の生産性を上げる目的で更なる高感度化が求められている。また同時にCTP化率が高くなるに従って、印刷版の生産から実使用までの期間が長くなったため、いままで以上の保存安定性の確保が必要であり、使用環境においても可能な限り、明室に近い環境で製版できる版材の開発が望まれていた。
特開平9−268185号公報 特開平10−204085号公報 特開平9−80750号公報 特開2001−42524号公報
従って、本発明の課題は、高感度かつ経時安定性の良好な感光性平版印刷版を提供することにある。もう一つの課題はセーフライト適性の向上であり、黄色灯下の明るい環境で取り扱いの可能な感光性平版印刷版を提供することにある。
上記課題は、アルミニウム支持体、及び、(A)炭素−炭素二重結合を2個以上有し、かつ3級アミノ基を有する重合可能な化合物、(B)300nm〜450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素および(C)ヘキサアリールビスイミダゾール化合物を含有する光重合性感光層を有することを特徴とする感光性平版印刷版により達成された。
本発明の感光性平版印刷版について詳細に説明する。
本発明の感光性平版印刷版は、支持体上に光重合性感光層を有する。また、支持体と光重合性感光層の間に、必要に応じて、下塗り層を設けても良く、光重合性感光層上には、保護層(酸素遮断層)を設けてもよい。
<1.光重合性感光層>
本発明の感光性平版印刷版の光重合性感光層は、(A)炭素−炭素二重結合を2個以上有し、かつ3級アミノ基を有する重合可能な化合物、(B)300nm〜450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素、(C)ヘキサアリールビスイミダゾール化合物、および(D)アルカリ水可溶または膨潤性バインダーを含有し、必要に応じ、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤等の種々の化合物を併用させることができる。
光重合性感光層は、上記成分を含む光重合性組成物を用いて作製することができる。
〔A.炭素−炭素二重結合を2個以上有し、かつ3級アミノ基を有する重合可能な化合物〕
本発明の一つの特徴は、炭素−炭素二重結合を2個以上有し、かつ3級アミノ基を有する重合可能な化合物(A)を使用することにある。3級アミノ基を有する重合可能な化合物をヘキサビスイミダゾール開始系と併用することにより、高感度でかつ経時安定性の高い光重合性感光層が得られる。
これらの、炭素−炭素二重結合を2個以上有し、かつ3級アミノ基を含有する重合可能な化合物は、例えば3官能以上の水酸基を有する化合物と、アクリル酸、メタクリル酸のような不飽和基を有するカルボン酸と、3級アミノ基含有カルボン酸を、酸触媒下で脱水縮合させることで合成されるが、他の方法で合成してもかまわない。また、市販のものを用いてもよい。
1分子中の炭素−炭素二重結合の数は、感光性平版印刷版の感度、架橋効率を決める因子であり、2個以上、好ましくは3個〜7個である。3級アミノ基の数は、感光性平版印刷版の感度および経時安定性の両面から好ましい範囲が決められ1〜4個が好ましい。更に好ましい範囲は1〜2個である。下記に本発明に使用される、炭素−炭素二重結合を2個以上有し、かつ3級アミノ基を有する重合可能な化合物の例を列挙するがこれに限定されるものではない。炭素−炭素二重結合は、末端でなくとも、どのような位置に存在していてもよい。
Figure 2006208780
また本発明においては、感光性平版印刷版の感度、経時安定性、感光層の被膜強度を調整する目的で、公知の重合可能な化合物、例えば、エチレン性不飽和化合物を併用することができる。
〔A'.併用可能なエチレン性不飽和化合物〕
エチレン性不飽和化合物(A')とは、エチレン性不飽和基を有する重合性化合物であり、光重合性組成物が活性光線の照射を受けた時、光重合開始剤の作用により付加重合し、架橋、硬化するようなエチレン性不飽和結合を有する化合物である。 エチレン性不飽和化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物の中から任意に選択することができる。例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつものである。
モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エ−テル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス[p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]ジメチルメタン、ビス−[p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル]ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,5−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。さらに、前述のエステルモノマーの混合物も挙げることができる。また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレシビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の例としては、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子中に2
個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加せしめた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R1)COOCH2CH(R2)OH (A)
(ただし、R1およびR2は、独立に、水素原子又はメチル基を示す。)
また、特開昭51-37193号、特公平2-32293号の各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48-64183号、特公昭49-43191号、特公昭52-30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。さらに日本接着協会誌Vo1.20, No.7, 300〜308ぺ−ジ (1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
炭素−炭素二重結合を2個以上有し、かつ3級アミノ基を有する重合可能な化合物(A)及びエチレン性不飽和化合物(A')を含む重合可能な化合物の総量は、光重合性感光層の全質量に対し、通常10〜80質量%、好ましくは30〜70質量%の範囲で使用され、このうち炭素−炭素二重結合を2個以上有し、かつ3級アミノ基を有する重合可能な化合物(A)の量は、重合可能な化合物の総量に対し、20質量%以上であることが好ましく、更に好ましくは50質量%以上である。
〔B.300nm〜450nmに吸収極大をもつ増感色素〕
最近の400〜410nmのバイオレットレーザー対応を目的とした高感度の増感色素が種々報告されてきており、これらの公知の増感色素を使用することが可能である。
例えば、特開平11−84647号に記載のカチオン色素、特開2000−147763号、特開2001−228604号、特開2002−268239号、特開2003−21894号、特開2003−21901号等に記載のメロシアニン色素、特開2001−42524号記載のカルバゾール型色素、特開2003−295426号に記載の光学増白剤、WO2004/074930号に記載のオキサゾール色素、WO2004−04068号、特開2004−212958号記載のクマリン色素、特開2003−206307号記載のメロシアニンおよびシアニン色素、WO2004−074930号記載のシアノピリドン色素等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。
なかでも、350〜400nmに吸収極大をもつ増感色素がより好ましい。
増感色素の使用量は前記重合可能な化合物の総量100質量部に対し、一般的には0.05〜50質量部、好ましくは0.2〜20質量部の範囲で用いられる。
〔C.ヘキサアリールビスイミダゾール化合物〕
本発明の光重合感光層は、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物を含有する。
ヘキサアリールビスイミダゾール化合物としては、EP24629号、EP107792号、US4410621号、EP215453号およびDE3211312号等に記載の種々の化合物を使用することが可能である。
好ましいものとしては、例えば、2,4,5,2’,4’,5’−ヘキサフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラキス(3−メトキシフェニル)−ビスイミダゾール、2,5,2’,5’−テトラキス(2−クロロフェニル)−4,4’−ビス(3,4−ジメトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2’−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−ニトロ
フェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ジ−o−トリル−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−エトキシフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、および2,2’−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール等を挙げることができる。
ヘキサアリールビスイミダゾール化合物は2種以上併用してもよい。
ヘキサアリールビスイミダゾール化合物の使用量は前記重合可能な化合物の総量100質量部に対し、0.05〜50質量部、好ましくは0.2〜30質量部の範囲で用いられる。
なお、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物とともに、後述の他の光重合開始剤を併用してもよい。
更に上記光重合開始剤に必要に応じ、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール等のチオール化合物、N−フェニルグリシン、N,N−ジアルキルアミノ芳香族アルキルエステル等のアミン化合物等の水素供与性化合物を加えることにより更に光開始能力が高められることが知られている。
光重合開始剤(系)の使用量は前記重合可能な化合物の総量100質量部に対し、0.05〜100質量部、好ましくは0.1〜70質量部、更に好ましくは0.2〜50質量部の範囲で用いられる。
〔D.バインダー〕
本発明の光重合性感光層に含有されるバインダーは、アルカリ水可溶または膨潤性バインダーであり、皮膜形成剤として機能するだけでなく、アルカリ現像液に溶解する必要があるため、アルカリ水に可溶性または膨潤性である有機高分子重合体が好ましく使用される。
すなわち、アルカリ水に可溶性または膨潤性であるポリマーであることにより、アルカリ現像によって、必要によりブラシなどの圧力を加えることで、除去されるものである。
アルカリ水に可溶性または膨潤性である有機高分子重合体としては、例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。この様な有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59-44615号、特公昭54-34327号、特公昭58-12577号、特公昭54-25957号、特開昭54-92723号、特開昭59-53836号、特開昭59-71048号の各公報に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。
また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体が好適である。この他に水溶性有機高分子重合体として、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ポリアミドや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
また、特公平7−120040号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号各公報、特願平10−116232号明細書等に記載される酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、耐刷
性・低露光適性の点で有利である。
これら有機高分子重合体は側鎖にラジカル反応性基を導入することにより硬化皮膜の強度を向上させることができる。付加重合反応し得る官能基としてエチレン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が、又光照射によりラジカルになり得る官能基としてはメルカプト基、チオール基、ハロゲン原子、トリアジン構造、オニウム塩構造等が、又極性基としてカルボキシル基、イミド基等が挙げられる。上記付加重合反応し得る官能基としては、アクリル基、メタクリル基、アリル基、スチリル基などエチレン性不飽和結合基が特に好ましいが、又アミノ基、ヒドロキシ基、ホスホン酸基、燐酸基、カルバモイル基、イソシアネート基、ウレイド基、ウレイレン基、スルホン酸基、アンモニオ基から選ばれる官能基も有用である。
本発明においては、特に(メタ)アクリル構造単位を有する重合体((メタ)アクリル系バインダー)またはウレタン構造単位を有する重合体(ウレタン系バインダー)が好ましい。例えば、特開平11−352691号に記載の(メタ)アクリル系バインダー、特開平11−352691号、特開2001−228608号、特開2002−174907号、特開2003−270775号、特開2003−270776号記載のウレタン系バインダーなどが好適に用いられる。
光重合性感光層の現像性を維持するためには、バインダーは適当な分子量、酸価を有することが好ましく、質量平均分子量で5000〜30万、酸価20〜200の高分子重合体が有効に使用される。ここで酸価とは、試料1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数をいう。
これらのバインダーは、光重合性感光層中に任意な量を含有させることができるが、特に90質量%以下であれば、形成される画像強度等の点で好ましい結果を与える。好ましくは10〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%である。また前記重合可能な化合物の総量とバインダーは、質量比で1/9〜9/1の範囲とするのが好ましい。より好ましい範囲は2/8〜8/2であり、更に好ましくは3/7〜7/3である。
〔その他の成分、作製法〕
本発明においては以上の基本成分の他に光重合性感光層に用いる光重合性組成物の製造中あるいは保存中において前記重合可能な化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが望ましい。熱重合禁止剤としてはハロイドキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。熱重合禁止剤の添加量は、組成物の全固形分の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で光重合性感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体等の添加量は、組成物の全固形分の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
更に光重合性感光層の着色を目的として、着色剤を添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料(C.I.Pigment Blue 15:3、15:4、15:6など)、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料がある。染料および顔料の添加量は全組成物の約0.5質量%〜約20質量%が好ましい。加えて、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加量は組成物の全固形分
(全組成物)の10質量%以下が好ましい。
光重合性組成物を塗布する際には、通常、上記各成分を有機溶媒に溶かして使用に供される。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート−3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は1〜50質量%が一般的である。
光重合性組成物には、塗布面質を向上するために界面活性剤を添加することができる。
光重合性感光層の厚さは、乾燥後の質量として、好ましくは約0.1g/m2〜約10g/m2であり、より好ましくは0.3〜5g/m2、更に好ましくは0.5〜3g/m2である。
<2.支持体>
本発明において使用されるアルミニウム支持体は、寸度的に安定なアルミニウムを主成分とする金属板であり、純アルミニウム板の他、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、またはアルミニウム(合金)がラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムまたは紙の中から選ばれる。
以下の説明において、上記に挙げたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板をアルミニウム基板と総称して用いる。前記アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがあり、合金中の異元素の含有量は10質量%以下である。本発明では純アルミニウム板が好適であるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のもの、例えばJIS A 1050、JISA 1100、JISA 3103、JIS A 3005などを適宜利用することが出来る。また、本発明に用いられるアルミニウム基板の厚みは、一般的に0.1mm〜0.6mm、好ましくは0.15mmから0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。この厚みは印刷機の大きさ、印刷版の大きさおよびユーザーの希望により適宜変更することができる。アルミニウム基板には適宜必要に応じて後述の基板表面処理が施されてもよい。もちろん施されなくてもよい。
〔粗面化処理〕
アルミニウム基板は、通常粗面化処理される。粗面化処理方法は、特開昭56−28893号公報に開示されているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレインなどがある。さらに塩酸または硝酸電解液中で電気化学的に粗面化する電気化学的粗面化方法、およびアルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球
と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするポールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を粗面化するブラシグレイン法のような機械的粗面化法を用いることができ、上記粗面化方法を単独あるいは組み合わせて用いることもできる。その中でも粗面化に有用に使用される方法は塩酸または硝酸電解液中で化学的に粗面化する電気化学的方法であり、適する陽極時電気量は50C/dm2〜400C/dm2の範囲である。さらに具体的には、0.1〜50%の塩酸または硝酸を含む電解液中、温度20〜80℃、時間1秒〜30分、電流密度100C/dm2〜400C/dm2の条件で交流および/または直流電解を行うことが好ましい。
このように粗面化処理したアルミニウム基板は、酸またはアルカリにより化学的にエッチングされてもよい。好適に用いられるエッチング剤は、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等であり、濃度と温度の好ましい範囲はそれぞれ1〜50%、20〜100℃である。エッチングのあと表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行われる。酸には硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等が用いられる。特に電気化学的粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭53−12739号公報に記載されているような50〜90℃の温度の15〜65質量%の硫酸と接触させる方法および特公昭48−28123号公報に記載されているアルカリエッチングする方法が挙げられる。以上のように処理された後、処理面の中心線平均組さRaが0.2〜0.5μmであれば、特に方法条件は限定しない。
〔陽極酸化処理〕
以上のようにして粗面化処理されたアルミニウム基板には、その後に陽極酸化処理がなされ酸化皮膜が形成される。陽極酸化処理は、硫酸、燐酸、シュウ酸もしくは硼酸/硼酸ナトリウムの水溶液が単独もしくは複数種類組み合わせて電解浴の主成分として用いられる。この際、電解液中に少なくともAl合金板、電極、水道水、地下水等に通常含まれる成分はもちろん含まれても構わない。さらには第2、第3成分が添加されていても構わない。ここでいう第2、第3成分とは、例えばNa、K、Mg、Li、Ca、Ti、Al、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属のイオンやアンモニウムイオン等に陽イオンや、硝酸イオン、炭酸イオン、塩素イオン、リン酸イオン、フッ素イオン、亜硫酸イオン、チタン酸イオン、ケイ酸イオン、硼酸イオン等の陰イオンが挙げられ、その濃度としては0〜10000ppm程度含まれてもよい。陽極酸化処理の条件に特に限定はないが、好ましくは30〜500g/リットル、処理液温10〜70℃で、電流密度0.1〜40A/m2の範囲で直流または交流電解によって処理される。形成される陽極酸化皮膜の厚さは0.5〜1.5μmの範囲である。好ましくは0.5〜1.0μmの範囲である。
さらに、これらの処理を行った後に、水溶性の樹脂、例えばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えば硼酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適である。さらに特開平7−159983号公報に開示されているようなラジカルによって付加反応を起こし得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられる。
その他好ましい例として、任意の支持体上に表面層として耐水性の親水性層を設けたものも上げることができる。この様な表面層としては例えば米国特許第3055295号明細書や、特開昭56−13168号公報記載の無機顔料と結着剤とからなる層、特開平9−80744号公報記載の親水性膨潤層、特表平8−507727号公報記載の酸化チタン、ポリビニルアルコール、珪酸類からなるゾルゲル膜等を上げる事ができる。これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とするために施される以外に、その上に設けられる光重合性組成物の有害な反応を防ぐため、かつ感光層の密着性の向上等のために施される
ものである。
<3.保護層>
本発明の感光性平版印刷版においては、通常、露光を大気中で行うため、感光層の上に、さらに、保護層を設ける事が好ましい。保護層は、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光を可能とする。従って、この様な保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できる事が望ましい。この様な、保護層に関する工夫が従来よりなされており、米国特許第3,458,311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。
保護層に使用できる材料としては例えば、比較的、結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いる事がよく、具体的には、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが知られているが、これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いる事が、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、およびアセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100%加水分解され、分子量が300から2400の範囲のものを挙げる事ができる。
具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等があげられる。
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。しかしながら、極端に酸素遮断性を高めると、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。また、画像部との密着性や、耐傷性も版の取り扱い上極めて重要である。即ち、水溶性ポリマーからなる親水性の層を親油性の重合層に積層すると、接着力不足による膜剥離が発生しやすく、剥離部分が酸素の重合阻害により膜硬化不良などの欠陥を引き起こす。
これに対し、これら2層間の接着性を改善すべく種々の提案がなされている。たとえば米国特許第292,501号、米国特許第44,563号には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョンまたは水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などを5〜80質量%混合し、重合層の上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明における保護層に対しては、これらの公知の技術をいずれも適用する事ができる。このような保護層の塗布方法については、例えば米国特許第3,458,311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。
さらに、保護層に他の機能を付与する事もできる。例えば、露光に使う、350nmか
ら450nmの光の透過性に優れ、かつ500nm以上の光を効率良く吸収しうる、着色剤(水溶性染料等)の添加により、感度低下を起こすことなく、セーフライト適性をさらに高める事ができる。
保護層の被覆量は乾燥後の質量で一般的に約0.1g/m2〜約15g/m2、好ましくは1.0g/m2〜約5.0g/m2である。
<4.下塗り層>
上記支持体上に、下塗り層として水溶性の樹脂、例えばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体(特開昭59−101651号公報)、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えば硼酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を設けることができる。さらに特開平7−159983号公報に開示されているようなラジカルによって付加反応を起こし得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられる。
その他、好ましい例として、特開2003−021908号に記載のオニウム基を有する下塗り層、任意の支持体上に表面層として耐水性の親水性層を設けたものも挙げることができる。この様な表面層としては例えばUS3055295や、特開昭56−13168号記載の無機顔料と結着剤とからなる層、特開平9−80744号記載の親水性膨潤層、特表平8−507727号記載の酸化チタン、ポリビニルアルコール、珪酸類からなるゾルゲル膜等を上げる事ができる。これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とするために施される以外に、その上に設けられる感光性組成物の有害な反応を防ぐため、かつ感光層の密着性の向上等のために施されるものである。
下塗り層の塗設量は、乾燥質量として、一般的に0.5〜500mg/m2、好ましくは1〜100mg/m2である。
<5.製版方法>
本発明の感光性平版印刷版は、通常、画像露光したのち、現像液で感光層の未露光部を除去し、画像を得る。
その他、本発明の感光性平版印刷版の製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱しても良い。この様な加熱により、感光層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や、感度の安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは、全面露光を行う事も有効である。
通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行う事が好ましい。すなわち、非画像部までがかぶってしまう等の問題を回避する点で150℃以下とすることが好ましい。
現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は200〜500℃の範囲である。すなわち、画像強化作用の点で200℃以上が好ましく、支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を回避する点で500℃以下が好ましい。
本発明による感光性平版印刷版の露光方法は、公知の方法を制限なく用いる事ができる。望ましい光源の波長は350nmから450nmであり、具体的にはInGaN系半導体レーザが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでも良い。また、本発明の感光層成分は、高い水溶性のものを使用する事で、中性の水や弱アルカリ水に可溶とすることもできるが、この様な構成の平版印刷版は印刷機上に装填後、機上で露光−現像といった方式を行う事もできる。
また、本発明による感光性平版印刷版に対するその他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハ
ライド灯、可視および紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。350nm〜450nmの入手可能なレーザー光源としては以下のものを利用することができる。
ガスレーザーとして、Arイオンレーザー(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザー(356nm、351nm、10mW〜1W)、He−Cdレーザー(441nm、325nm、1mW〜100mW)、固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355nm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm、10mW)、半導体レーザー系として、KNbO3リング共振器(430nm、30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)その他、パルスレーザーとしてN2レーザー(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)が挙げられる。特にこの中でAlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
また、例えば走査露光方式の平版印刷版露光装置としては、露光機構として内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式があり、光源としては上記光源の中で連続発振可能なものが好ましく利用することができる。現実的には感材感度と製版時間の関係で、以下の露光装置が特に好ましい。
(1)内面ドラム方式で総出力20mW以上の半導体レーザーとなる様に、ガスレーザーあるいは固体レーザー光源を1個以上使用するシングルビーム〜トリプルビームの露光装置
(2)フラットベッド方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザー、ガスレーザーあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(1〜10本)の露光装置
(3)外面ドラム方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザー、ガスレーザーあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(1〜9本)の露光装置
(4)外面ドラム方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザーあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(10本以上)の露光装置
以上のようなレーザー直描型の平版印刷版においては、一般に感材感度X(J/cm2)、感材の露光面積S(cm2)、レーザー光源1個のパワーq(W)、レーザー本数n、全露光時間t(s)との間に式(eq1)が成立する。
X・S=n・q・t −−(eq 1)
i)内面ドラム(シングルビーム)方式の場合
レーザー回転数f(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)の間には一般的に式(eq 2)が成立する。
f・Z・t=Lx −−(eq 2)
ii)外面ドラム(マルチビーム)方式の場合
ドラム回転数F(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq 3)が成立する。
F・Z・n・t=Lx −−(eq 3)
iii)フラットヘッド(マルチビーム)方式の場合
ポリゴンミラーの回転数H(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z
(ドット/cm)、全露光時間t(s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq4)
が成立する。
F・Z・n・t=Lx −−(eq 4)
実際の印刷版に要求される解像度(2560dpi)、版サイズ(A1/B1、副走査長42inch)、20枚/1時間程度の露光条件と本発明の感光層の感光特性(感光波長、感度:約0.1mJ/cm2)を上記式に代入することで、本発明の感光層においては総出力20mW以上のレーザーを用いたマルチビーム露光方式との組み合わせが好ましいことが理解できる。しかし、必要十分の出力(30mW以上)を有するレーザーを用いた場合には、操作性、コスト等を掛け合わせると、内面ドラム方式の半導体レーザーシングルビーム露光装置との組み合わせが最も好ましいことになる。
また、従来公知の活性光線で画像露光後、現像までの間に、感光層の硬化率を高める目的で50℃〜150℃の温度で1秒から5分の時間の加熱プロセスを設けることにより、非画像部の硬化性を高め、耐刷性の更なる向上を図ることができ、より好ましい。
また現像処理された感光性平版印刷版は、特開昭54−8002号、同55−115045号、同59−58431号等の各公報に記載されているように、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を含む不感脂化液で後処理される。本発明の感光性平版印刷版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
上述の感光性平版印刷版を従来公知の現像液を用いて現像し、画像形成することが可能であるが、これらの従来公知の現像液としては、特公昭57−7427号に記載されているような現像液が挙げられ、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア水などのような無機アルカリ剤やモノエタノールアミンまたはジエタノールアミンなどのような有機アルカリ剤の水溶液が適当である。現像液のアルカリ溶質濃度は一般的には0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%である。
また、このようなアルカリ現像液には、必要に応じて界面活性剤やベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ブトキシエタノールのような有機溶媒を少量含むことができる。例えば、米国特許第3375171号および同第3615480号に記載されているものを挙げることができる。さらに、特開昭50−26601号、同58−54341号、特公昭56−39464号、同56−42860号の各公報に記載されている現像液も挙げることができる。
なお、本発明の感光性平版印刷版の製版に使用される現像液として、前述のように網点、ベタ部の細線等のヌケの劣化の点から、ポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン系界面活性剤を含有し、pHが10.5〜13.5(より好ましくはpH11.0〜12.5)であるアルカリ現像液が好ましい。
ポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン界面活性剤を含有することにより、未露光部の感光層の溶解促進、露光部への現像液の浸透性の低減が可能となる。ポリオキシアルキレンエーテル基を含有する界面活性剤としては、下記一般式(B)の構造を有する物が好適に使用される。
3−O−(R4-O)qH (B)
式中、R3は、置換基を有しても良い炭素数3〜15のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、又は置換基を有しても良い炭素数4〜15の複素芳香族環基(尚、置換基としては炭素数1〜20のアルキル基、Br、Cl、I等のハロゲン原子、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、炭素数7〜17のアラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜15のアシル基が挙げられる。)を示し、R4は、置換基を有しても良い炭素数1〜100のアルキレン基(尚、置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基が挙げられる。)を示し、qは1〜100の整数を表す。
上記式(B)の定義において、「芳香族炭化水素基」の具体例としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アンスリル基、ビフェニル基、フェナンスリル基等が挙げられ、また「複素芳香族環基」の具体例としては、フリル基、チオニル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、ピラニル基、ピリジニル基、アクリジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオニル基、ベンゾピラニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基等が挙げられる。
また式(B)の(R4−O)qの部分は、上記範囲であれば、2種又は3種の基であっても良い。具体的にはエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソプロピルオキシ基、エチレンオキシ基とブチレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソブチレン基等の組み合わせのランダム又はブロック状に連なったもの等が挙げられる。本発明において、ポリオキシアルキレンエーテル基を有する界面活性剤は単独又は複合系で使用され、現像液中の添加量を1質量%以上とすることで現像性を確保でき、30質量%以下とすることで現像のダメージを防止できる。より好ましい添加量は2〜20質量%である。
また上記式(B)で表されるポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類が挙げられる。
さらに以下に記す、その他の界面活性剤を加えてもよい。その他の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタンアルキルエステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン界面活性剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルスルホン酸ソーダ等のアルキルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のアルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤等が使用可能であるが、特に好ましいのはアルキルナフタレンスルホン酸塩類等のアニオン界面活性剤である。
界面活性剤は単独、もしくは組み合わせて使用することができる。また、界面活性剤の現像液中における含有量は有効成分換算で2〜20質量%の範囲が好適に使用される。
このアルカリ現像液は通常無機アルカリ塩を含有する。無機アルカリ塩としては適宜選択可能であるが、例えば、水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、同リチウム、珪酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、同リチウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、及び同アンモニウム等の無機アルカリ剤が挙げられる。これらは単独でも、二種以上を組み合わせて用いても良い。
珪酸塩を使用する場合には、珪酸塩の成分である酸化珪素SiO2とアルカリ酸化物M2O(Mはアルカリ金属またはアンモニウム基を表す。)との混合比率及び濃度の調製により、現像性を容易に調節することが出来る。前記アルカリ水溶液の中でも前記酸化珪素SiO2とアルカリ酸化物M2Oとの混合比率(SiO2/M2O:モル比)が0.5〜3.0のものが好ましく、1.0〜2.0のものが好ましい。前記SiO2/M2Oが0.5未満であると、アルカリ水溶液の質量に対して1〜10質量%が好ましく、3〜8質量%がより好ましく、4〜7質量%が最も好ましい。現像性、処理能力の点で1質量%以上が好ましく、沈殿や結晶の生成の抑制、さらに廃液時の中和の際にゲル化の抑制による廃液処理の点で10質量%以下が好ましい。
また、アルカリ濃度の微少な調整、感光層の溶解性の補助の目的で、補足的に有機アルカリ剤を併用してもよい。有機アルカリ剤としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。これらのアルカリ剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
また、本発明で使用される現像液の導電率は、3〜30mS/cmであることが好ましい。アルミニウム板支持体表面の感光性組成物の溶出、印刷の汚れの抑制の点から、3mS/cm以上が好ましく、塩濃度、感光層の溶出速度、未露光部の残膜の抑制の点から、30mS/cm以下が好ましい。特に好ましい導電率は、5〜20mS/cmの範囲である。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
〔実施例1〜8及び比較例1〜4〕
(アルミニウム支持体の作製方法)
厚さ0.3mmのアルミニウム板を10質量%水酸化ナトリウム水溶液に60℃で25秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20質量%硝酸水溶液で中和洗浄し、次いで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を用いて1質量%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。
引き続いて1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬後30質量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、20質量%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2において、陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2になるように、2分間陽極酸化処理した。その表面粗さを測定したところ、0.3μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
[下塗り層の塗設]
次に、アルミニウム支持体に下記組成の下塗り層塗設用塗布液をワイヤーバーにて塗布し、温風式乾燥装置を用いて90℃で30秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は10mg/m2であった。
(下塗り層塗設用塗布液)
エチルメタクリレートと2−アクリルアミド−2−メチル−1−
プロパンスルホン酸ナトリウム塩のモル比75:25の共重合体
(分子量 1.8万) 0.1g
メタノール 50g
イオン交換水 50g
[光重合性感光層の塗設]
上記下塗り層上に、下記組成の感光層塗布液を調製し、乾燥後の膜厚が1.5g/m2になる様に、ホイラーで塗布し、100℃で1分乾燥させた。
(感光層塗布液(光重合性組成物))
重合可能な化合物: 表1に記載の化合物 2.0g
バインダー: 下記構造 1.8g
Figure 2006208780
増感色素: 表1の化合物 0.1g
光重合開始剤: 表1の化合物 0.15g
なお、表1において複数使用の場合の比は質量比である。
着色顔料分散物: 下記組成 1.5g
熱重合禁止剤:N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン 0.01g
界面活性剤:大日本インキ化学工業(株)製メガファックF176 0.02g
メチルエチルケトン 20.0g
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0g
<着色顔料分散物の組成>
Pigment Blue 15:6 15質量部
アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 10質量部
(共重合モル比83/17)熱重合
シクロヘキサノン 15質量部
メトキシプロピルアセテート 20質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量部
[保護層の塗設]
この感光層上に下記組成よりなる保護層の塗布液を、乾燥塗布質量が2g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥した。
<保護層の塗布液組成>
ポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度550) 4g
ポリビニルピロリドン(分子量10万) 1g
水 95g
上記で得られた感光性平版印刷版を下記の方法により製版し、感度、経時安定性、セーフライト適性の評価を実施した。
(露光)
実施例1〜8、比較例1〜4の感光性平版印刷版を、室温(約25℃)で4日間、保管した後、30mWのバイオレットレーザーを搭載した富士フイルムエレクトロイメージング社製のプレートセッターVx9600CTPで版面上の光量が0.1mJ/cm2になる様に光量を調整し、版面の上にグレースケールを貼り付け、その上から全面露光した。グレースケールは光量が1/√2ずつ変化する様に作られており、グレースケール段数が高いほど感度が高いことを示す。
(現像/製版)
富士写真フイルム(株)製自動現像機LP−850P2(プレヒート温度は100℃)に下記現像液と富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFP−2Wをそれぞれ仕込み現像液温度30℃、現像時間18秒の条件で露光済みの版を、現像/製版し、平版印刷版を得た。
(下記組成からなるpH11.6の水溶液)
水酸化ナトリウム 0.15質量部
下記構造化合物 5.0 質量部
エチレンジアミンテトラ酢酸・4Na塩 0.1 質量部
水 94.75質量部
Figure 2006208780
(評価方法)
感度測定は、露光の説明で述べた上記条件で実施した。
経時安定性評価としては実施例1〜8、比較例1〜4の感光性平版印刷版を露光前に、60℃のサーモセルコに3日間保存し、前記の露光を実施した。前記のサーモセルコに入れなかったサンプルとのグレースケール段数の比較で、経時安定性の指標とした。残膜等を生じず、グレースケールの段数の差が小さい方が経時安定性が良好であることを示す。
セーフライト適性評価としては、実施例1〜8、比較例1〜4の感光性平版印刷版を上記のレーザー露光前に、白灯を使用し、富士フイルム社製FV30フィルターを介することにより、420nm以上の白灯成分で、60Lux、1時間全面前露光し、その後、前記の露光を実施した。前露光を行わないサンプルとのグレースケール段数の比較でセーフライト適性を評価した。グレースケールの段数の差が小さい方がセーフライト適性が良好であることを示す。
結果を表1に示す。
〔実施例9〜12、比較例5〜6〕
(アルミニウム支持体の作製方法)
厚さ0.30mmの材質1Sのアルミニウム板を8号ナイロンブラシと800メッシュのバミストンの水懸濁液を用い、その表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%
水酸化ナトリウム水溶液に70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20%HNO3水溶液で中和洗浄、水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定したところ0.45μm(Ra表示)であった。引き続いて30%のH2SO4水溶液中に浸漬し、55℃で2分間デスマットした後、33℃、20%H2SO4水溶液中で、砂目立てした面に陰極を配置して、電流密度5A/dm2において50秒間陽極酸化したところ、厚さが2.7g/m2であった。
[下塗り層の塗設]
次に、アルミニウム支持体に下記組成の下塗り層塗設用塗布液をワイヤーバーにて塗布し、温風式乾燥装置を用いて90℃で30秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は10mg/m2であった。
(下塗り層塗設用塗布液)
メタノール 90g
純水 10g
下記構造化合物 0.01g
Figure 2006208780
[光重合性感光層の塗設]
上記下塗り層上に、下記組成の感光液を調製し、乾燥後の膜厚が1.5g/m2になるようにホイラーで塗布し、120℃で2分間乾燥させた。
(感光層塗布液(光重合性組成物))
重合可能な化合物: 表1に記載の化合物 2.0g
バインダー: 実施例1におけるバインダーを以下に変更。
ウレタン樹脂(下記構造) 1.5g
Figure 2006208780
増感色素: 表1の化合物 0.1g
光重合開始剤: 表1の化合物 0.15g
上記以外の感光層塗布液成分: 実施例1に同じ
保護層の塗設、製版、評価は実施例1と全く同様にして実施した。
結果を表1に示した。
尚、表1中の化合物の構造式を以下に示す。
Figure 2006208780
各増感色素の極大吸収波長は以下のとおりである。
S−1: 390nm
S−2: 360nm
S−3: 380nm
S−4: 400nm
S−5: 370nm
S−6: 490nm
Figure 2006208780
表1より本発明は比較例と比べ、感度、経時安定性、セーフライト適性が優れていることが明らかである。

Claims (1)

  1. アルミニウム支持体、及び、(A)炭素−炭素二重結合を2個以上有し、かつ3級アミノ基を有する重合可能な化合物、(B)300nm〜450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素および(C)ヘキサアリールビスイミダゾール化合物を含有する光重合性感光層を有することを特徴とする感光性平版印刷版。
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