JP5913227B2 - 内燃機関とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関とその製造方法にかかり、特に内燃機関の燃焼室に臨む壁面の一部もしくは全部に陽極酸化被膜が形成されてなる内燃機関と、この陽極酸化被膜の形成方法に特徴のある内燃機関の製造方法に関するものである。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関は、主にエンジンブロックやシリンダヘッド、ピストンから構成されており、その燃焼室は、シリンダブロックのボア面と、このボアに組み込まれたピストン頂面と、シリンダヘッドの底面と、シリンダヘッド内に配設された吸入および排気バルブの頂面から画成されている。昨今の内燃機関に要求される高出力化にともなってその冷却損失を低減することが重要になってくるが、この冷却損失を低減する方策の一つとして、燃焼室の内壁にセラミックスからなる断熱被膜を形成する方法を挙げることができる。
しかし、上記するセラミックスは一般に低い熱伝導率を有し、かつ高い熱容量を有することから、定常的な表面温度上昇による吸気効率の低下やノッキング(燃焼室内に熱が篭ることに起因する異常燃焼)が発生するために燃焼室の内壁への被膜素材として普及していないのが現状である。
このことから、燃焼室の壁面に形成される断熱被膜は、耐熱性と断熱性は勿論のこと、低熱伝導率と低熱容量の素材から形成されるのが望ましい。すなわち、定常的に壁温度を上げないように、吸気行程では、新気温度に追従して壁温度を下げるために低熱容量とするのがよい。さらに、この低熱伝導率および低熱容量であることに加えて、燃焼室内での燃焼時の爆発圧や噴射圧、熱膨張と熱収縮の繰り返し応力に耐え得る素材から被膜が形成されること、およびシリンダブロック等の母材への密着性が高い素材から被膜が形成されることが望ましい。
ここで、従来の公開技術に目を転じるに、頂面にアルマイト層が形成され、アルマイト層の表面にセラミック層が形成されたピストンとその製造方法が特許文献1に開示されている。このピストンによれば、頂面にアルマイト層が形成されていることで耐熱性と断熱性に優れているとしている。
このように、内燃機関の燃焼室に臨む壁面にアルマイト層(陽極酸化被膜)が形成されることにより、断熱性に優れ、さらには低熱伝導で低熱容量を有した内燃機関を形成することができる。そして、これらの性能に加えて、さらに優れたスイング特性を有することもまた、陽極酸化被膜に要求される重要な性能となっている。ここで、「スイング特性」とは、断熱性能を具備しながらも、燃焼室内のガス温度に陽極酸化被膜の温度が追随する特性のことである。
ところで、上記する陽極酸化被膜をミクロ的に見ると、この陽極酸化被膜は多数のセルが隣接した構造を呈しており、その表面には多数の亀裂が存在し、亀裂の一部は内部に延びており(すなわち、陽極酸化被膜の厚み方向もしくは略厚み方向に延びている)、膜内には、厚み方向とは異なる方向(厚み方向に直交する水平方向もしくは略水平方向)に延びる内部欠陥も多数存在している。そして、これらの亀裂や内部欠陥は、1μm〜100μmの範囲程度のミクロサイズの直径(もしくは断面寸法の最大径)のミクロ孔であることが本発明者等によって特定されている。なお、この「亀裂」は、鋳造用アルミニウム合金の晶出物に由来するものである。
また、陽極酸化被膜の内部には、上記するミクロサイズの亀裂や内部欠陥のほかに、多数のナノサイズの直径の微小孔(ナノ孔)も存在しており、一般には、このナノ孔も陽極酸化被膜の表面からその厚み方向もしくは略厚み方向に延びた状態で存在している。なお、この「ナノ孔」は、陽極酸化処理に由来して規則的に配列したものである。
このように、形成される陽極酸化被膜は一般に、断面の直径もしくは最大寸法がミクロサイズの表面亀裂や内部欠陥等のミクロ孔と、ナノサイズの多数のナノ孔を内包している。
ここで、本発明者等は特許文献2において、低熱伝導率かつ低熱容量であって、断熱性に優れ、さらに、スイング特性に優れた陽極酸化被膜を燃焼室に臨む壁面の一部もしくは全部に具備する内燃機関と、この内燃機関の製造方法に関する技術を開示している。より具体的には、燃焼室に臨む壁面に形成されている陽極酸化被膜の内部に存在するナノサイズの微小孔の封孔処理をおこなって多数のナノ孔を封止剤が浸透しない状態に形成してその少なくとも一部を封止させず、次いでミクロサイズの比較的大きな空隙に封止剤を塗工し、該封止剤が転化してなる封止物で該空隙の少なくとも一部を封止することにより、断熱性に優れ、強度も高く、さらにスイング特性に優れた陽極酸化被膜を燃焼室に臨む壁面の一部もしくは全部に備えた内燃機関を製造するものである。
特開昭58−192949号公報 特開2013−060620号公報
特許文献2に記載の内燃機関とその製造方法によれば、ナノ孔が封止されていないことによって所定の気孔率が確保され、このことによって断熱性が保証される。しかしながら、封止されない孔がナノ孔ゆえに十分な気孔率を確保するのは難しく、したがって、断熱性を保証するために陽極酸化被膜の膜厚を厚くする必要がある。たとえば300〜500μm程度の膜厚の陽極酸化被膜とすることで断熱性に優れた被膜を形成できるものの、このような厚みの陽極酸化被膜を成膜するには製造時間を要し、製造コストの増加の要因となってしまう。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、低熱伝導率かつ低熱容量であって、断熱性に優れ、さらに、スイング特性に優れ、さらに、可及的に薄い膜厚の陽極酸化被膜を燃焼室に臨む壁面の一部もしくは全部に具備する内燃機関と、この内燃機関の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による内燃機関は、燃焼室に臨むアルミニウム系壁面の一部もしくは全部に陽極酸化被膜が形成されてなる内燃機関であって、前記陽極酸化被膜は膜厚が30μm〜170μmの範囲にあり、前記陽極酸化被膜は、該陽極酸化被膜の表面から内部に向かって該陽極酸化被膜の厚み方向もしくは略厚み方向に延びる、直径がミクロサイズの第1のミクロ孔および直径がナノサイズのナノ孔と、該陽極酸化被膜の内部にあって直径がミクロサイズの第2のミクロ孔と、を有しており、前記第1のミクロ孔および前記ナノ孔の少なくとも一部は封止剤が転化してなる封止物で封止され、前記第2のミクロ孔の少なくとも一部は封止されていない構造を呈しているものである。
本発明の内燃機関は、その燃焼室の一部もしくは全部に陽極酸化被膜(もしくは遮熱膜)を有するものであるが、陽極酸化被膜の表面から内部に向かって該陽極酸化被膜の厚み方向もしくは略厚み方向に延びる、直径がミクロサイズの第1のミクロ孔および直径がナノサイズのナノ孔の少なくとも一部は封止物で封止されている一方で、被膜内部に存在する第2のミクロ孔の少なくとも一部は封止されていない構造を呈していることにより、膜厚が薄い場合でも高い気孔率を有し、高い断熱性を有することを可能としたものである。このように、第1のミクロ孔とナノ孔の少なくとも一部が封止物で封止されていることにより、エンジン筒内の高温・高圧の燃焼ガスが膜の内部に進入するのを抑制できる。仮に燃焼ガスの膜内部への進入が抑制できないとすると、ガスが進入した部分は断熱効果が目減りするので、膜全体としても断熱効果が低下することになる。一方、上記のように封止されていれば、燃焼ガスが膜の内部に進入することを抑制できるので、膜が本来持っている断熱性能を損なうことなく発揮することができる。
ここで、「第1のミクロ孔」とは、陽極酸化被膜の表面から内部に延びている亀裂のことを意味しており、「第2のミクロ孔」とは、陽極酸化被膜の表面に臨まずに被膜内部に存在している内部欠陥のことを意味している。
また、「前記第1のミクロ孔および前記ナノ孔の少なくとも一部は封止剤が転化してなる封止物で封止され」とは、陽極酸化被膜中に存在する直径がミクロサイズの第1のミクロ孔と直径がナノサイズのナノ孔の全部が封止物で封止された形態のほか、第1のミクロ孔とナノ孔のうち、陽極酸化被膜の表層から一定深度までの範囲が封止され、それよりも以深の範囲は封止されていない形態などを含む意味である。
また、「前記第2のミクロ孔の少なくとも一部は封止されていない」とは、陽極酸化被膜中に存在する直径がミクロサイズの第2のミクロ孔の全部が封止されていない形態のほか、陽極酸化被膜の表層から一定深度までに存在する第2のミクロ孔は封止され、それ以深の第2のミクロ孔は封止されていない形態、さらには、第2のミクロ孔の周囲が封止物で覆われ、ミクロ孔の内部は封止物で満たされていない形態などを含む意味である。
被膜の表層に臨まずに被膜の内部に存在する第2のミクロ孔の全部が封止されていない形態の陽極酸化被膜においては、高い気孔率を確保でき、断熱性に優れた陽極酸化被膜となるが、実際には、被膜の表面に臨む第1のミクロ孔やナノ孔に連通する第2のミクロ孔にも封止剤が浸透し、封止物にて封止されることになる。
第1のミクロ孔やナノ孔は、陽極酸化被膜の厚み方向もしくは略厚み方向に延びている。ここで、「略厚み方向」とは、厚み方向から傾斜した方向に延びる形態や、厚み方向からジグザグに蛇行して延びる形態などを含む意味である。
一方、第2のミクロ孔は、たとえば陽極酸化被膜の内部において、陽極酸化被膜の厚み方向に直交する方向に延びる形態や、厚み方向に直交する方向から傾斜した方向に延びる形態、厚み方向に直交する方向にジグザグに延びる形態などがある。
また、本明細書において、第1のミクロ孔やナノ孔等の「直径」とは、これらが円柱状の場合は文字通りの直径を意味するが、楕円柱状や角柱状の場合には断面における最大寸法の辺のことを意味するものとする。したがって、円柱状以外の形状の孔に対しては「直径」を「同等面積相当の円の直径」と読み替える。
また、ミクロ孔やナノ孔を「封止する」とは、これらを構成する亀裂や内部欠陥に封止剤を塗工等し、この封止剤が転化してなる封止物で埋めて閉塞することを意味している。また、特に第2のミクロ孔に関しては、既述するように、ミクロ孔の周囲が封止物で覆われ、ミクロ孔の内部は封止物で満たされていないことも意味している。この「封止剤」とは、無機物を含んだ塗料のことであり、「封止物」はこの無機物を含んだ塗料が転化してなる物質のことである。本発明者等によれば、内燃機関の燃焼室に臨む壁面に形成される陽極酸化被膜が具備するミクロサイズのミクロ孔の断面の直径もしくは最大寸法として、1〜100μm程度の範囲が一般的であることが特定されており、ナノサイズの断面の直径もしくは最大寸法として、10〜100nm程度の範囲が一般的であることが特定されている。
なお、上記する、1〜100μmの範囲や10〜100nmの範囲の特定は、陽極酸化被膜の断面のSEM画像写真データ、TEM画像写真データに対して一定エリア内のミクロ孔やナノ孔をそれぞれ抽出して直径や最大寸法を測定し、それぞれの平均値を求めることによってサイズの特定をおこなうことができる。
本発明の内燃機関は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンのいずれを対象としたものであってもよく、その構成は既述するように、エンジンブロックやシリンダヘッド、ピストンから主として構成され、その燃焼室は、シリンダブロックのボア面と、このボアに組み込まれたピストン頂面と、シリンダヘッドの底面と、シリンダヘッド内に配設された吸入および排気バルブの頂面から画成されている。
そして、上記する陽極酸化被膜は、燃焼室に臨む壁面の全部に形成されてもよいし、その一部にのみ形成されてもよく、後者の場合には、たとえばピストン頂面のみ、もしくはバルブ頂面のみに被膜が形成される等の実施の形態を挙げることができる。
また、内燃機関の燃焼室を構成する母材は、アルミニウムやその合金、鉄系の材料にアルミメッキを施したものなどを挙げることができ、これらの壁面に形成される陽極酸化被膜はアルマイトとなる。
本発明の内燃機関によれば、ミクロサイズの第2のミクロ孔の一部もしくは全部が封止されていない構造を呈していることにより、高い気孔率の陽極酸化被膜となっており、膜厚が30μm〜170μmの範囲という比較的薄い膜厚であっても断熱性に優れた陽極酸化被膜を具備するものとなる。
ここで、封止物で封止された状態の陽極酸化被膜の気孔率が20〜70%の範囲であるのが好ましい。
本発明者等によれば、陽極酸化被膜中のミクロ孔とナノ孔の比率は3:1程度であることが分かっている。様々な試験体を試作した結果、20〜70%の範囲の気孔率の内訳としては、第1、第2のミクロ孔が20〜50%であり、ナノ孔が0〜20%である。ミクロサイズの第2のミクロ孔の全部もしくは一部を封止しない構成としたことにより、20〜70%の範囲の気孔率を確保でき、高い断熱性を有する陽極酸化被膜を備えた内燃機関となる。
ここで、前記封止物はシリカを主成分とする物質からなるのが好ましい。
また、前記封止物を形成する前記封止剤としては、ポリシロキサンやポリシラザン、ケイ酸ナトリウムのいずれか一種を適用することができるが、中でも、陽極酸化被膜内のミクロ孔やナノ孔内にスムーズに浸透する粘度を有し、かつ、高温加熱処理(焼成)をおこなわずして硬化でき、しかも、硬化してできる封止物の硬度が極めて高くなる常温硬化型の無機物を含んだ塗料のポリシロキサンもしくはポリシラザンを適用するのが好ましい。
また、内燃機関の前記アルミニウム系壁面を形成するアルミニウム系材料が合金成分として、Si、Cu、Mg、Ni、Feの少なくとも一種を含んでいるのが好ましい。
Si、Cu、Mg、Ni、Feは陽極酸化被膜中のミクロ孔の拡大に寄与する元素であることが本発明者等によって特定されており、特に第2のミクロ孔が拡大することで高い気孔率の確保に繋がる。
また、本発明は内燃機関の製造方法にもおよぶものであり、この製造方法は、燃焼室に臨むアルミニウム系壁面の一部もしくは全部に陽極酸化被膜が形成されてなる内燃機関の製造方法であって、陽極酸化被膜の表面から内部に向かって該陽極酸化被膜の厚み方向もしくは略厚み方向に延びる、直径がミクロサイズの第1のミクロ孔および直径がナノサイズのナノ孔と、該陽極酸化被膜の内部にあって直径がミクロサイズの第2のミクロ孔と、を有し、膜厚が30μm〜170μmの範囲の陽極酸化被膜を前記アルミニウム系壁面の一部もしくは全部に形成する第1のステップ、封止剤を前記陽極酸化被膜の表面に塗工し、該封止剤が前記第1のミクロ孔および前記ナノ孔の少なくとも一部に浸透し、転化して封止物となり、該封止物にて第1のミクロ孔およびナノ孔の少なくとも一部を封止し、前記第2のミクロ孔の少なくとも一部は封止されていない封止処理が施された陽極酸化被膜を形成する第2のステップからなるものである。
ここで、封止剤としては、既述するようにポリシロキサンやポリシラザンなどを挙げることができる。これらを使用することにより、比較的スムーズに小さなミクロサイズやナノサイズの孔内に浸透させることができ、比較的低温でシリカに転化でき、硬化後には硬度の高い硬化体(たとえばシリカガラス)となって陽極酸化被膜の強度向上を図ることができるからである。
また、封止剤の塗工方法は特に限定されるものではないが、封止剤内に陽極酸化被膜をディッピングする方法や陽極酸化被膜の表面から封止剤をスプレーする方法、ブレードコート法、スピンコート法、刷毛塗り法などを適用することができる。
製造される陽極酸化被膜の気孔率は、既述するように20〜70%の範囲であるのが好ましい。
また、内燃機関の前記アルミニウム系壁面を形成するアルミニウム系材料が合金成分として、Si、Cu、Mg、Ni、Feの少なくとも一種を含んでいるのが好ましい。
本発明の製造方法によれば、封止剤にて少なくとも第1のミクロ孔とナノ孔が封止されることにより、硬度の高い陽極酸化被膜を具備する内燃機関が得られる。
また、陽極酸化被膜の膜厚が30μm〜170μmと比較的薄いことより、陽極酸化被膜の形成に要する時間は短くてよく、このことによって製造コストの削減を図ることもできる。
本発明者等によれば、たとえば乗用車用の小型過給直接噴射ディーゼルエンジンであって、機関回転数が2100rpm、平均有効圧力が1.6MPa相当の燃費最良点において、最大5%の燃費向上が得られることが見積もられており、この5%の燃費向上というのは、実験の際に、計測誤差として埋もれることなく、明らかに有意な差として燃費向上が証明できる値である。また、燃費向上と同時に、遮熱によって排気ガス温度が約15℃上昇することが見積もられているが、この排気ガス温度の上昇は、実機においてはスタート直後におけるNOx低減触媒の暖気時間を短縮することに有効であり、NOx浄化率が向上してNOx低減が確認できる値である。
一方、陽極酸化被膜のスイング特性を評価する際におこなわれる冷却試験(急冷試験)では、片面のみに陽極酸化被膜を施したテストピースを用い、背面(陽極酸化被膜を施していない面)を所定の高温噴流で加熱し続けながら、テストピースの正面(陽極酸化被膜を施している面)から所定温度の冷却エアーを噴射してテストピースの正面温度を低下させてその温度を測定し、被膜表面温度と時間からなる冷却曲線を作成して、温度降下速度を評価するものである。この温度降下速度は、たとえば被膜表面温度が40℃低下するのに要した時間をグラフから読み取り、40℃降下時間として評価するものである。
複数のテストピースに対して急冷試験を実施してそれぞれのテストピースにおける40℃降下時間を測定し、燃費向上率と40℃降下時間で規定される複数のプロットに関して近似曲線を作成する。
そして、上記する5%の燃費向上率に対応する40℃降下時間の値を読み取ると、これが45msecになることが本発明者等によって特定されている。なお、40℃降下時間が短いほど、被膜の熱伝導率および熱容量が低く、燃費向上効果が高い。
以上の説明から理解できるように、本発明の内燃機関とその製造方法によれば、陽極酸化被膜の表面から内部に向かって該陽極酸化被膜の厚み方向もしくは略厚み方向に延びる、直径がミクロサイズの第1のミクロ孔および直径がナノサイズのナノ孔の少なくとも一部は封止物で封止されている一方で、被膜内部に存在する第2のミクロ孔の少なくとも一部は封止されていない構造を呈していることにより、膜厚が薄い場合でも高い気孔率を有し、高い断熱性を有する陽極酸化被膜を備えた内燃機関を提供することができる。
本発明の内燃機関の燃焼室に臨む壁面に形成された陽極酸化被膜の実施の形態において、ミクロ孔やナノ孔を封止する前の状態を模擬した縦断面図である。 図1のII部の拡大図である。 図1のIII方向の矢視図である。 参考例にかかる陽極酸化被膜の図1に対応した図である。 本発明の内燃機関の製造方法によって形成された陽極酸化被膜を説明した図である。 図5のVI方向の矢視図である。 燃焼室に臨む壁面の全部に陽極酸化被膜が形成されてなる内燃機関を模擬した縦断面図である。 (a)は冷却試験の概要を説明した模式図であり、(b)は冷却試験結果に基づく冷却曲線とこれから割り出される40℃降下時間を示した図である。 燃費向上率と冷却試験における40℃降下時間の相関グラフを示した図である。 45msec達成気孔率と陽極酸化被膜の膜厚の関係に関する実験結果を示した図である。 陽極酸化被膜の膜厚とビッカース硬さの関係に関する実験結果を示した図である。 陽極酸化被膜の膜厚と気孔率の関係に関する実験結果を示した図である。 (a)は実施例2の断面のSEM写真図であり、(b)は比較例3の断面のSEM写真図である。 (a)は実施例2の平面のTEM写真図であり、(b)は実施例2の平面のEDX分析図である。 アルミニウム系壁面の形成材料におけるCu量と気孔率の関係に関する実験結果を示した図である。 アルミニウム系壁面の形成材料におけるSi量と気孔率の関係に関する実験結果を示した図である。 (a)は比較例4の断面のSEM写真図であり、(b)は比較例6の断面のSEM写真図であり、(c)は実施例4の断面のSEM写真図である。
以下、図面を参照して本発明の内燃機関とその製造方法の実施の形態を説明する。なお、図示例は内燃機関の燃焼室に臨む壁面の全部に陽極酸化被膜が形成された形態を示しているが、ピストンの頂面のみ、もしくはバルブの頂面のみ等、燃焼室に臨む壁面の一部のみに陽極酸化被膜が形成された形態であってもよい。
(内燃機関とその製造方法の実施の形態)
図1、図5はその順で、内燃機関の製造方法のフロー図となっている。より具体的には、図1は本発明の内燃機関の燃焼室に臨む壁面に形成された陽極酸化被膜において、ミクロ孔やナノ孔を封止する前の状態を模擬した縦断面図であり、図2,3はそれぞれ図1のII部の拡大図、III方向の矢視図である。
まず、不図示の内燃機関の燃焼室に臨むアルミニウム系壁面Bに陽極酸化処理をおこなって陽極酸化被膜1を形成する。すなわち、内燃機関は、エンジンブロックやシリンダヘッド、ピストンから主として構成され、その燃焼室は、シリンダブロックのボア面と、このボアに組み込まれたピストン頂面と、シリンダヘッドの底面と、シリンダヘッド内に配設された吸入および排気バルブの頂面から画成されているが、形成される陽極酸化被膜は、燃焼室に臨む壁面の全部に形成されている。
内燃機関の燃焼室を構成するアルミニウム系壁面Bは、アルミニウムやその合金、鉄系の材料にアルミメッキを施して陽極酸化処理されたものなどを挙げることができ、アルミニウムやその合金を母材とする壁面に形成される陽極酸化被膜はアルマイトとなる。
図1で示すように、燃焼室の壁面を構成するアルミニウム系壁面Bの表面に形成された陽極酸化被膜1をミクロ的に見ると、その表面には、陽極酸化被膜1の厚み方向もしくは略厚み方向に延びて直径がミクロサイズの第1のミクロ孔1a(縦の亀裂)が存在しており、陽極酸化被膜1の内部には、陽極酸化被膜1の水平方向もしくは略水平方向に延びて直径がミクロサイズの第2のミクロ孔1b(内部欠陥)が存在している。
そして、これら第1のミクロ孔1aや第2のミクロ孔1bは、ミクロ孔の断面の直径もしくは最大寸法が1〜100μm程度の範囲となっている。なお、一般のアルミニウム合金のみならず、これに比してアルミニウム合金がSi、Cu、Mg、Ni、Feの少なくとも一種を含んでいる場合には、ミクロ孔の直径や断面寸法がさらに大きくなる傾向にある。
また、陽極酸化被膜1の内部には、図2,3で示すように、ミクロサイズの第1、第2のミクロ孔1a、1bのほかにも、多数のナノサイズの微小孔(ナノ孔1c)も存在しており、このナノ孔1cも第1のミクロ孔1aと同様、陽極酸化被膜1の厚み方向もしくは略厚み方向に延びている。そして、このナノ孔1cの断面の直径もしくは最大寸法は、10〜100nm程度の範囲となっている。
本発明の内燃機関の製造方法は、内燃機関の燃焼室に臨む壁面に可及的に薄層であってしかも断熱性に優れた陽極酸化被膜を形成するべく、被膜表面に臨む第1のミクロ孔1aやナノ孔1cは封止剤にて封止するものの、被膜内部に存在する第2のミクロ孔1bはできるだけ封止せず、したがって被膜が高い気孔率を有することで、薄層であるにもかかわらず断熱性に優れた被膜を製造するものである。
そのために、陽極酸化処理にて膜厚tが30μm〜170μmの範囲にある薄層の陽極酸化被膜1を燃焼室に臨むアルミニウム系壁面Bの表面に形成する(第1のステップ)。
この第1のステップにて形成される陽極酸化被膜1の膜厚tが薄層であることから、被膜の厚み方向もしくは略厚み方向に延びる第1のミクロ孔1aの長さも短くなり、被膜内に存在する第2のミクロ孔1bと連通し難くなる。このことにより、以後の第2のステップにて封止剤を塗工した際に、この封止剤は第1のミクロ孔1a内を浸透するものの第2のミクロ孔1b内には浸透せず、したがって第2のミクロ孔1bが封止剤にて封止されるのを抑制することができる。
ここで、図4には、参考例として、アルミニウム系壁面Bの表面に形成された、膜厚t’が300μm以上の陽極酸化被膜1’を示している。
膜厚が厚くなると、表面亀裂である第1のミクロ孔1a’の長さも長くなり、結果として、被膜内部に存在している第2のミクロ孔1b’と連通し易くなり、以後の第2のステップにて塗工された封止剤が第1のミクロ孔1a’を通り、第2のミクロ孔1b’に浸透して第2のミクロ孔1b’を封止する可能性が高くなる。
次に、第2のステップとして、図5,6で示すように、封止剤2を第1のミクロ孔1aやナノ孔1cに塗工してこれらの少なくとも一部を封止し、第1のミクロ孔1aと連通していない第2のミクロ孔1bを封止剤2にて可及的に封止しないようにすることで、第1のミクロ孔1aやナノ孔1cは封止剤2が転化してなる封止物2で封止され、第2のミクロ孔1bは封止されていない、もしくはほとんど封止されていない構造の封止処理が施された陽極酸化被膜10が形成される。
ここで、封止剤2の塗工方法としては、封止剤2が収容された容器内に陽極酸化被膜をディッピングする方法や、陽極酸化被膜の表面から封止剤2をスプレーする方法、ブレードコート法、スピンコート法、刷毛塗り法などを適用することができる。
封止剤2としては、ポリシロキサンやポリシラザンなどを挙げることができる。これらを使用することにより、比較的スムーズに小さな第1のミクロ孔1aやナノ孔1c内に浸透させることができ、比較的低温でシリカに転化でき、硬化後には硬度の高いシリカガラス等の硬化体となって陽極酸化被膜10の強度向上を図ることができる。
このように、形成された陽極酸化被膜10の内部に存在するミクロサイズの第2のミクロ孔1bの一部もしくは全部が封止されない状態で存在していることにより、陽極酸化被膜10は高い気孔率を有し、そのために膜厚が30μm〜170μmと薄層であるにもかかわらず、断熱性に優れた被膜となる。
図7は、燃焼室に臨む壁面の全部に陽極酸化被膜10が形成されてなる内燃機関を模擬したものである。
図示する内燃機関Nは、ディーゼルエンジンをその対象としたものであり、その内部に冷却水ジャケットJが形成されたシリンダブロックSBと、シリンダブロックSB上に配設されたシリンダヘッドSHと、シリンダヘッドSH内に画成された吸気ポートKPおよび排気ポートHPとそれらが燃焼室NSに臨む開口に昇降自在に装着された吸気バルブKVおよび排気バルブHVと、シリンダブロックSBの下方開口から昇降自在に形成されたピストンPSから大略構成されている。なお、本発明の内燃機関がガソリンエンジンを対象としたものであってもよいことは勿論のことである。
この内燃機関Nを構成する各構成部材はともに、アルミニウムもしくはその合金(高強度アルミニウム合金を含む)から形成されている。そして、特にアルミニウム系材料が合金成分として、Si、Cu、Mg、Ni、Feの少なくとも一種を含んでいることにより、ミクロ孔の口径拡大が促進され、気孔率の向上を図ることができる。
内燃機関Nの各構成部材で画成された燃焼室NS内には、それらが燃焼室NSに臨む壁面(シリンダボア面SB’、シリンダヘッド底面SH’、ピストン頂面PS’、バルブ頂面KV’,HV’)に陽極酸化被膜10が形成されている。
[スイング特性評価試験および強度評価試験とそれらの結果]
本発明者等は、以下の表1で示す成分組成の母材に対して表2で示す条件で陽極酸化被膜を形成してなる複数種のテストピースを製作し、冷却試験を実施して陽極酸化被膜のスイング特性を評価するとともに、強度試験も同時におこない、陽極酸化被膜の膜厚とスイング特性および強度の関係を求めた。
Figure 0005913227
Figure 0005913227
陽極酸化被膜の封孔方法は、陽極酸化被膜を沸騰した純水に30分投入する方法でおこなった。また、陽極酸化被膜の形成に当たり、封止剤はポリシラザンであり、溶媒としてジブチルエーテルを用いたポリシラザン20%溶液を生成した。封止剤の塗布方法は、筆で任意の膜厚の陽極酸化被膜表面全体に溶液を塗り、温風にて数分間乾燥後、再び筆で塗布し(この工程を5回繰り返す)、焼成炉にて180℃、8時間焼成して陽極酸化被膜のミクロ孔やナノ孔の封止をおこなった。
スイング特性評価試験の概要は、図8aで示すように、片面のみに陽極酸化被膜を施した試験体TPを用い、背面(陽極酸化被膜を施していない面)を750℃の高温噴射で加熱して(図中のHeat)テストピースTPの全体を250℃程度に安定させ、予め所定の流速で室温噴流を流しておいたノズルをリニアモーターでテストピースTPの正面(陽極酸化被膜を施している面)に移動させて冷却を開始する(25℃の冷却エアー(図中のAir)を提供するものであり、この際に背面の高温噴射は継続する)。テストピースTPの陽極酸化被膜表面の温度をその外部にある放射温度計で測定し、その冷却時の温度低下を測定して、図8bで示す冷却曲線を作成する。この冷却試験は燃焼室内壁の吸気行程を模擬した試験方法であり、加熱された断熱被膜表面の冷却速度を評価するものである。なお、低熱伝導率で低熱容量の断熱被膜の場合には急冷速度が速くなる傾向を示す。
作成された冷却曲線から40℃低下するのに要する時間を読み取り、40℃降下時間として被膜の熱特性を評価する。
一方、本発明者等によれば、実験の際に、計測誤差として埋もれることなく燃費向上率を明確に証明でき、かつ、排気ガス温度の上昇によってNOx低減触媒の暖気時間を短縮し、NOx低減を実現できる値として燃費改善率(燃費向上率)5%を本発明の内燃機関の燃焼室を構成する陽極酸化被膜の性能によって達成する一つの目標値としている。ここで、図9には、本発明者等によって特定されている燃費向上率と冷却試験における40℃降下時間の相関グラフを示している。
同図より、燃費改善率(燃費向上率)5%に相当する冷却試験における40℃降下時間は45msecと特定されており、45msec以下を優れたスイング特性を示す指標とすることができる。
一方、強度試験にはマイクロビッカース硬さ試験を適用し、評価部位は陽極酸化被膜の断面中央部とし、載荷荷重を0.025gとした。なお、テストピースTPの陽極酸化被膜の密度測定は、膜全体の密度をJIS H 8688にて測定し、ナノ孔の気孔率はオートソーブにて測定し、ミクロ孔の気孔率は密度から算出した全気孔率からナノ孔の気孔率を差し引くことで求めた。試験結果を図10に示す。
図10より、陽極酸化被膜の膜厚30μmにて40℃降下時間:45msecを満たす陽極酸化被膜の気孔率は20%となり、膜厚が厚くなるにしたがって40℃降下時間:45msecを満たす陽極酸化被膜の気孔率は低くなる。
この結果より、本発明の内燃機関を構成する陽極酸化被膜は膜厚が30μm以上であることから、気孔率は20%以上と規定することができる。
以下、比較例1〜5、実施例1〜3にかかるテストピースの仕様、気孔率、ビッカース硬さ等の結果を表3に示す。また、陽極酸化被膜の膜厚とビッカース硬さの関係に関する実験結果を図11に、陽極酸化被膜の膜厚と気孔率の関係に関する実験結果を図12にそれぞれ示す。さらに、図13aは実施例2の断面のSEM写真図であって、図13bは比較例3の断面のSEM写真図であり、図14aは実施例2の平面のTEM写真図であって、図14bは実施例2の平面のEDX分析図である。
Figure 0005913227
表3、および図11,12より、実施例1〜3はいずれも、ビッカース硬さが目標値である300HV以上であり、気孔率も20%以上を満たしている。
封止剤が無い比較例5や陽極酸化被膜に封止剤が含浸されていない比較例2では、陽極酸化被膜の硬度が低くなっており、封止剤が第1のミクロ孔やナノ孔を封止していることで陽極酸化被膜の硬度が確保されることが実証されている。
また、比較例1より、陽極酸化被膜の膜厚が30μm未満では20%以上の気孔率を達成できず、したがって、40℃降下時間が45mse以下の場合の優れたスイング特性を満たさないことが実証されている。
また、図13bより、陽極酸化被膜の膜厚が170μmを超えると縦の亀裂が助長され、被膜内部に存在している内部欠陥にこの縦の亀裂が連通し、陽極酸化被膜の表層に塗布した封止剤が内部欠陥に含浸してここを封止してしまい、結果として気孔率が低減することも実証されている。なお、図14bで示す実施例2のEDX分析図より、ナノ孔中にSiが反応しており、封止剤であるポリシラザンが含浸していることが確認されている。
次に、合金中のCu量、Si量と気孔率の関係を特定した実験結果を以下で示す。以下の表4は、実施例1、4、5と比較例6〜9にかかるテストピースの仕様、気孔率、ビッカース硬さ等を示している。また、図15はアルミニウム系壁面の形成材料におけるCu量と気孔率の関係に関する実験結果を示した図であり、図16はアルミニウム系壁面の形成材料におけるSi量と気孔率の関係に関する実験結果を示した図である。さらに、図17a、b、cはそれぞれ、比較例4、6、実施例4の各断面のSEM写真図である。
Figure 0005913227
本実験より、Siが20%以上の場合にはSiが膜成長を阻害するために100μm以上の成膜ができないこと、Cuが7%以上の場合にはCuにて発生するガスによってミクロ孔が大きくなって膜形成が困難となり、100μm以上の成膜ができないことが実証されている。
表4と図15より、Cu量が0.4%以上でミクロ孔を大きくすることができ、所望の気孔率(20%以上)を確保できることが実証されている。
また、表4と図16より、Si量が5%以上でミクロ孔を大きくすることができ、所望の気孔率(20%以上)を確保できることが実証されている。
また、図17より、比較例4ではミクロ孔がほとんど存在せず、比較例6ではミクロ孔がわずかである一方、実施例4ではミクロ孔が多く存在し、高い気孔率を確保できることが分かる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…陽極酸化被膜、1a…第1のミクロ孔(表面亀裂)、1b…第2のミクロ孔(内部欠陥)、2…封止剤(封止物)、10…封止処理が施された陽極酸化被膜、B…アルミニウム系壁面(アルミニウム母材)

Claims (10)

  1. 燃焼室に臨むアルミニウム系壁面の一部もしくは全部に陽極酸化被膜が形成されてなる内燃機関であって、
    前記陽極酸化被膜は膜厚が30μm〜170μmの範囲にあり、
    前記陽極酸化被膜は、該陽極酸化被膜の表面から内部に向かって該陽極酸化被膜の厚み方向もしくは略厚み方向に延びる、直径がミクロサイズの第1のミクロ孔および直径がナノサイズのナノ孔と、該陽極酸化被膜の内部にあって直径がミクロサイズの第2のミクロ孔と、を有しており、
    前記第1のミクロ孔および前記ナノ孔封止剤が転化してなる封止物で封止され、前記第2のミクロ孔封止されていない構造を呈している内燃機関。
  2. 封止物で封止された状態の陽極酸化被膜の気孔率が20〜70%の範囲である請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記封止物がシリカを主成分とする物質からなる請求項1または2に記載の内燃機関。
  4. 前記封止剤がポリシロキサンもしくはポリシラザンのいずれか一種からなる請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関。
  5. 前記アルミニウム系壁面を形成するアルミニウム系材料が合金成分として、Si、Cu、Mg、Ni、Feの少なくとも一種を含んでいる請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関。
  6. 燃焼室に臨むアルミニウム系壁面の一部もしくは全部に陽極酸化被膜が形成されてなる内燃機関の製造方法であって、
    陽極酸化被膜の表面から内部に向かって該陽極酸化被膜の厚み方向もしくは略厚み方向に延びる、直径がミクロサイズの第1のミクロ孔および直径がナノサイズのナノ孔と、該陽極酸化被膜の内部にあって直径がミクロサイズの第2のミクロ孔と、を有し、膜厚が30μm〜170μmの範囲の陽極酸化被膜を前記アルミニウム系壁面の一部もしくは全部に形成する第1のステップ、
    封止剤を前記陽極酸化被膜の表面に塗工し、該封止剤が前記第1のミクロ孔および前記ナノ孔浸透し、転化して封止物となり、該封止物にて第1のミクロ孔およびナノ孔封止し、前記第2のミクロ孔封止されていない封止処理が施された陽極酸化被膜を形成する第2のステップからなる内燃機関の製造方法。
  7. 封止処理が施された陽極酸化被膜の気孔率が20〜70%の範囲である請求項6に記載の内燃機関の製造方法。
  8. 前記封止物がシリカを主成分とする物質からなる請求項6または7に記載の内燃機関の製造方法。
  9. 前記封止剤がポリシロキサンもしくはポリシラザンのいずれか一種からなる請求項6〜8のいずれかに記載の内燃機関の製造方法。
  10. 前記アルミニウム系壁面を形成するアルミニウム系材料が合金成分として、Si、Cu、Mg、Ni、Feの少なくとも一種を含んでいる請求項6〜9のいずれかに記載の内燃機関の製造方法。
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