JP2018100625A - 内燃機関のピストン、内燃機関のピストンの製造方法、及び構造体 - Google Patents

内燃機関のピストン、内燃機関のピストンの製造方法、及び構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱伝導率の制御性の向上を図ることができる内燃機関のピストンを提供する。【解決手段】 ピストンは、本体部と焼結体を備える。本体部は、金属材料からなり、ピストンヘッド及びスカート部を有する。焼結体は、ピストンヘッドにおける内燃機関の燃焼室側にあり、中空粒子及び金属のバインダーを含む。焼結体は、少なくとも燃焼室側の表面においてバインダーが酸化している酸化バインダー部を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関のピストンその他の構造体に関する。
従来、断熱用の構造体としての内燃機関のピストンが知られている(例えば特許文献1)。
特開2012−072745号公報
従来の構造体では、熱伝導率の制御性を向上する余地があった。
本発明の一実施形態に係る構造体は、好ましくは、金属材料からなる本体部と、中空粒子及び金属のバインダーを含む焼結体であって、少なくとも外側の表面においてバインダーが酸化している焼結体とを備える。
よって、熱伝導率の制御性を向上できる。
第1実施形態の1つのシリンダの軸線を通る平面でエンジンの一部を切った断面を模式的に示す。 第1実施形態のピストンの模式的な斜視図である。 第1実施形態の焼結体およびピストンヘッド(以下、焼結体等)の一部をピストンの軸線に平行な平面で切った断面(以下、軸方向断面)を模式的に示す。 第1実施形態の材料設置工程における焼結体等の一部の軸方向断面を模式的に示す。 第1実施形態の焼結工程を模式的に示す。 焼結体に中空粒子を含まない第1比較形態の焼結体等の一部の軸方向断面を模式的に示す。 焼結体に中空粒子を含まない第2比較形態の焼結体等の一部の軸方向断面を模式的に示す。 焼結体に中空粒子を含まない第3比較形態の焼結体等の一部の軸方向断面を模式的に示す。 第2実施形態の焼結工程を模式的に示す。 第4実施形態の焼結体等の一部の軸方向断面を模式的に示す。
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
まず、構成を説明する。本実施形態の内燃機関(エンジン)100は、4ストローク・ガソリンエンジンである。図1に示すように、エンジン100は、ピストン1と、シリンダブロック101と、シリンダヘッド104と、コネクティングロッド(コンロッド)106と、クランクシャフトと、バルブ107と、点火装置108とを備える。バルブ107は2つの吸気バルブと2つの排気バルブを有する。シリンダブロック101は、円筒状のシリンダライナ(シリンダスリーブ)102を備える。シリンダライナ102の内周側はシリンダ10の内壁として機能する。シリンダヘッド104は、シリンダ10の開口を塞ぐようにシリンダブロック101に設置される。シリンダヘッド104には、バルブ107と、燃料噴射弁のノズルと、点火装置108とが設置される。シリンダブロック101にはクランクシャフトが回転可能に設置される。ピストン1は、シリンダ10の内部に、往復移動可能に収容される。燃焼室11は、シリンダ10の内壁面と、ピストンの頂面と、シリンダヘッドの底面と、バルブの頂面とにより画成される。なお、エンジン100の形式は任意である。例えば、エンジン100は2ストロークエンジンでもよいしディーゼルエンジンでもよい。燃料の供給方式は、シリンダ10(燃焼室11)内に直接噴射する筒内直噴式でもよいし、吸気ポートに噴射するポート噴射式でもよい。
図2に示すように、ピストン1は、本体部2と焼結体3を有する。本体部2は、軽量化等のため、アルミニウム合金(例えばAl-Si系のAC8A)を材料(素材)として形成される。ピストン1(本体部2)は、有底筒状であり、ピストンヘッド(冠部)4と、ピストンボス(エプロン部)5と、ピストンスカート(スカート部)6とを有する。ピストン1の軸線が延びる方向(シリンダ10内における本体部2の移動方向に沿う方向)を軸線方向という。軸線方向でピストンボス5やピストンスカート6に対しピストンヘッド4の側を一方側といい、その反対側を他方側という。
ピストンヘッド4は、冠面部40とランド部41を有する。冠面部40は、ピストンヘッド4の軸線方向一方側にあり、冠面(頂面)400を有する。冠面400は、ピストン1の軸線に直交して広がる平面状であり、軸線方向一方側からみて略円形の輪郭を有する。図1に示すように(ピストン1が上死点にあるとき)、冠面400とシリンダヘッド104との間に、燃焼室11が区画される。燃焼室11はペントルーフ型である。冠面400は燃焼室11内の燃焼ガスに直接暴露される。本体部2は、ピストンヘッド4(冠面部40)の燃焼室11側(燃焼室11に臨む側)に凹部401を備える。凹部401は、冠面部40において冠面400の略中央にあり、有底円筒状(底面が平面である浅皿状)である。凹部401の軸線はピストン1の軸線と実質的に(製造誤差の範囲内で)一致する。ランド部41は冠面部40の外周側から軸線方向他方側に延びる。ランド部41の外周には、環状の溝(リング溝)410が3つある。リング溝410にはピストンリング7が設置される。ランド部41の内部には、環状の通路411がある。通路411は、ピストン1の周方向に延び、軸線方向から見て凹部401を取り囲む。通路411は、軸線方向で、リング溝410が形成された領域の少なくとも一部と重なる。
ピストンボス5及びピストンスカート6は、ピストンヘッド4(ランド部41)から軸線方向他方側に延び、ピストンヘッド4に対し燃焼室11の反対側にある。ピストンスカート6及びピストンボス5の内周側は中空である。ピストンボス5は、ピストン1の径方向両側に一対ある。各ピストンボス5はピンボス50を有する。各ピンボス50はピストンピン穴51を有する。ピストンピン穴51は、ピンボス50を貫通してピストン1の径方向に延びる。ピストンスカート6は、ピストン1の径方向両側に一対ある。ピストンスカート6は、ピストン1の周方向で両ピストンボス5,5に挟まれる。両ピストンスカート6,6はピストンボス5によって連結される。ピストンスカート6はシリンダ10の内壁に対し摺動する。ピストンピン穴51にはピストンピンの端部が嵌合する。ピストン1は、ピストンピンを介してコンロッド106の一端側(小端部)に連結される。コンロッド106の他端側(大端部)はクランクシャフトに連結される。
シリンダライナ102の内部の通路103には冷却水が循環する。シリンダブロック101にはオイルジェット105が設置される。燃焼室11からピストンヘッド4に伝わった熱は、ピストンリング7を介してシリンダライナ102及びその内部の冷却水に伝わることで放出される。また、上記熱は、ピストン1の内周側(裏側)にオイルが付着し流出したり、通路411内をオイルが流通したりすることでも、放出される。このオイルの付着や流通は、例えばオイルジェット105からのオイルの噴射により行われる。通路411は冷却通路(クーリングチャネル)として機能する。
焼結体3は、燃焼室11から本体部2への熱伝導性を低めるための構造体であり、ピストンヘッド4における軸線方向一方側(燃焼室11の側)にあって、燃焼室11に臨む表面(冠面400)の一部に形成される。焼結体3は凹部401に収容される。図1及び図2に示すように、焼結体3は、冠面400(及び凹部401の底面)に沿って広がる平面状である。焼結体3の厚さ(凹部401の深さ)は任意である。焼結体3の内部には空隙(中空部)33があり、複数の空隙33が分散している。空隙33には気体(空気)が存在する。
焼結体3は、金属のバインダー31及び中空粒子32を含む。バインダー31はアルミニウムを含む。アルミニウムは、純アルミニウムであってもよいし、アルミニウム合金であってもよいし、純アルミニウムとアルミニウム合金の両方を含んでもよい。また、バインダー31は、アルミニウムの他に添加物を含んでもよい。図3に示すように、中空粒子32は、金属又はセラミックスから形成された球状の外殻320を有しており、その最大外形寸法は例えば数十μmである。外殻320の内部に空隙33がある。外殻320の材料となる金属として、例えばチタン、チタン合金、ステンレス鋼等を用いることができる。外殻320の材料となるセラミックスとして、例えばアルミナ、シリカ、アルミナとシリカの複合材等を用いることができる。中空粒子32は空隙33と共に焼結体3の内部に複数分散している。なお、1種類の平均粒径の中空粒子32を用いてもよいし、2以上の平均粒径の異なる中空粒子32を用いてもよい。
ピストン1の製造方法は、鋳造工程、焼結体形成工程、熱処理工程、機械加工工程、及び酸化処理工程を含む。鋳造工程で、本体部2の原型(中間加工材)を鋳造する。具体的には、母材金属としてのアルミニウム合金の溶湯を金型に流し込み、凝固させる。このとき、本体部2の内周が形成され、凹部401及び通路411が形成される。なお、凹部401を機械加工により形成又は仕上げてもよい。焼結体形成工程で、本体部2の上記原型(における燃焼室11側)に焼結体3を形成する。詳細は後述する。熱処理工程で、熱処理を行う。これにより、焼結体3が形成された上記原型の性質を改善して適当な強度・硬さに調整する。なお、熱処理工程を焼結工程の前に行ってもよい。機械加工工程で、熱処理された上記原型を旋盤等により機械加工する。ピストンヘッド4のうち燃焼室11に臨む側を切削加工し、冠面400を形成する。ピストンヘッド4における燃焼室11側の表面の全部は、機械加工される。また、例えば、ピストンピン穴51やリング溝410を加工するとともに、ピストンヘッド4やピストンスカート6の外周等、本体部2の外径を仕上げる。なお、機械加工工程の後に焼結体形成工程を行ってもよい。
酸化処理工程で、機械加工された焼結体3の表面に陽極酸化処理を施す。陽極酸化処理の具体的な工程は、周知のものを適宜採用すればよい。バインダー31が陽極酸化される領域に、陽極酸化皮膜30が形成される。陽極酸化皮膜30を有する焼結体3が冠面400に形成される。本実施形態では、焼結体3の全部(ピストンの径方向及び軸線方向における全範囲)に陽極酸化皮膜30を形成する。なお、焼結体3の一部分(ピストンの径方向又は軸線方向における一部の範囲)に陽極酸化皮膜30を形成してもよい。図3に示すように、陽極酸化皮膜30は、微細な空孔(細孔)310を多数有するポーラス(多孔質)状の層になりうる。細孔300は、陽極酸化皮膜30の底部側(母材側)と表面との間で、冠面に直交する方向に延びる。
焼結体形成工程は、材料準備工程と、材料設置工程と、焼結工程とを含む。材料準備工程で、焼結体3を形成するための材料(以下、形成材料という。)を準備する。形成材料は、バインダー31の金属粉末と中空粒子32とを含む。バインダー31の金属粉末はアルミニウム粉である。中空粒子32の製造方法は種々ある。例えば、数十μm程度の平均粒径であり樹脂(ポリマー)から形成される母粒子を用意する。この母粒子の外周面に、より小さい(例えばサブミクロン以下の)平均粒径である金属又はセラミックスの子粒子をコーティングする。コーティングは、母粒子の外周面に子粒子を高速で噴射して打ち込んだり、母粒子と子粒子を入れた回転チャンバーを高速回転させたりすることで可能である。その後、上記コーティングされた複合粒子を加熱し、母粒子を溶かし出したり熱分解(ガス化)したりする。これにより、子粒子からなる外殻320を有する中空粒子32が形成される。母粒子の粒径を調整することで、中空粒子32の粒径を所望に制御できる。アルミニウム粉と中空粒子32とを所定の(重量又は体積)比率で混ぜ合わせた形成材料(混合材料)を準備する。攪拌により、混合材料において中空粒子32はアルミニウム粉の中に分散している。
材料設置工程で、混合された形成材料を、図4に示すように、上記原型の凹部401に充填する。具体的には、凹部401の上端部まで形成材料を入れる。なお、凹部401のどの位置まで形成材料を入れるかは任意である。また、凹部401にアルミニウム粉と中空粒子32とを別々に入れた後、凹部401内でこれらを混ぜ合わせてもよい。焼結工程で、充填された形成材料(具体的にはそのうちのアルミニウム粉)を焼結する。本実施形態では、放電プラズマ焼結法を利用し、機械的な加圧とパルス通電加熱とによって焼結を行う。図5に示すように、上記原型の軸線方向両側に炭素電極81,82を接触させる。形成材料を加圧した状態で(軸線方向の圧力を矢印で示す)、電源80からパルス電圧(電流)を印加する。通電による各アルミニウム粉の発熱や粒子間に発生する放電プラズマエネルギー等により、形成材料が焼結される。当初よりも体積が減少した焼結体3が凹部401の内部に形成される。焼結体3は、冠面400に直交する方向に広がる焼結層である。これにより、焼結体3を収容する凹部401を備えたピストンヘッド4の原型が形成される。その後に行われる機械加工工程では、ピストンヘッド4の一部とともに焼結体3の一部を切削加工し、焼結体3を表面に含む冠面400を平面状に仕上げる。
次に、作用効果を説明する。鋳造工程で、ピストンヘッド4及びスカート部6を有する本体部2を金属材料(アルミニウム合金)で形成する。よって、ピストン1は本体部2を備える。本体部2は、金属材料からなり、ピストンヘッド4及びスカート部6を有する。焼結体形成工程で、金属のバインダー31を含む材料(形成材料)の焼結体3を、ピストンヘッド4における燃焼室11の側に設ける。よって、ピストン1は焼結体3を備える。焼結体3は、ピストンヘッド4における燃焼室11の側にあり、金属のバインダー31を含む。焼結体3は燃焼室11に面し、燃焼室11の内壁の一部を構成する。焼結体3は、鋳造による本体部2よりも、微少な空隙(空孔)を多く含む。空隙は固体よりも熱伝導率が低い。よって、焼結体3は全体として熱伝導率が本体部2よりも低くなりうる。焼結体3は、燃焼室11と本体部2との間にあって、低熱伝導層(断熱層)として機能する。焼結体3は、燃焼室11の内部のガスからピストンヘッド4(本体部2)への熱伝達を低下させ、燃焼室11に供給された燃料(混合気)の熱が本体部2に奪われるのを抑制する。よって、燃焼効率の低下を抑制し、エンジン100の熱効率の向上を図ることができる。また、焼結体3により本体部2への熱吸収が抑制されることから、冠面400において燃料が付着する箇所が速やかに高温になるとともに、高温状態を維持する。よって、付着した燃料が速やかに気化・燃焼するため、排ガス特性の悪化を抑制できる。なお、本体部2の素材はアルミニウム合金に限らず、例えば鉄を含んでもよい。バインダー31の金属はアルミニウムに限らず、チタン合金やマグネシウム等でもよいが、熱伝導率が本体部2の素材(母材金属)と同等又はそれより低い金属(低熱伝導性材料)であることが好ましい。また、耐熱性や耐久性が高い金属であることが好ましい。
酸化処理工程で、焼結体3の少なくとも燃焼室11の側の表面(冠面400)においてバインダー31を酸化させる。よって、焼結体3の少なくとも燃焼室11の側の表面において、バインダー31が酸化している。バインダー31が酸化している部分(酸化バインダー部)は、金属の酸化により、熱伝導率が低下する。酸化バインダー部は焼結体3の断熱効果を向上させる。焼結体3の少なくとも燃焼室11の側の表面(酸化バインダー部)において、熱伝導率を低下させることができる。なお、バインダー31の酸化方法は、陽極酸化処理に限らない。本実施形態では、酸化処理工程で、陽極酸化処理によりバインダー31を酸化させる。よって、バインダー31は陽極酸化処理されており、酸化バインダー部は陽極酸化皮膜30である。単なる酸化処理と異なり、陽極酸化処理による皮膜(陽極酸化皮膜30)は、細孔300を多数有するポーラス状になりうる。細孔300により、陽極酸化処理前に比べ、焼結体3の熱伝導率が低くなる。陽極酸化処理により細孔300が多数形成されることで、単なる酸化処理による場合よりも、酸化バインダー部の断熱性が向上する。
酸化処理工程で、焼結体3における表面(冠面400)から所定の深さまでバインダー31を酸化させる。よって、酸化バインダー部は、焼結体3における表面から所定の深さまである。所定の深さは、陽極酸化皮膜30の細孔300が形成される程度の深さである。言換えると、焼結体3の表面から内部にかけて、陽極酸化皮膜30が成長し細孔300が形成される範囲が、酸化バインダー部として機能する。焼結体3の内部にまで伝達された熱に対しても、陽極酸化皮膜30の細孔300により、断熱効果を発揮できる。
熱伝導率の低減及び強度確保という観点から、陽極酸化皮膜30において細孔300が全体として占める体積の割合(陽極酸化皮膜30の空隙率)を適当な値に設定することが考えられる。しかし、細孔300の成長は、陽極酸化処理の様々な条件による。このため、陽極酸化皮膜30において細孔300が占める体積の割合を正確に制御することが難しい。また、細孔300は微細(例えば数十nm)であり、その径は小さい。よって、細孔300を増やすことによる、陽極酸化皮膜30における空隙率の増加の効果は小さい。
これに対し、本実施例では、焼結体形成工程で、中空粒子32を含む材料(形成材料)の焼結体3を、ピストンヘッド4における燃焼室11の側に設ける。よって、焼結体3は中空粒子32を含む。中空粒子32により、焼結体3における空隙率が増加する。焼結体3は、その内部に、各中空粒子32における比較的大きな空隙33が複数形成されたものとなる。これらの空隙33は熱伝導率が極めて低く、中空粒子32は断熱材として機能する。よって、焼結体3は、全体として(平均的に)、熱伝導率が本体部2よりも一層低くなる。なお、中空粒子32(外殻320)の材料として、本体部2又はバインダー31よりも熱伝導率が低い材料(低熱伝導性材料)を用いれば、焼結体3の熱伝導率をより一層低くできる。中空粒子32の形状は球状に限らず柱状等でもよい。本実施形態では中空粒子32(外殻320)は球状である。よって、焼結体3における中空粒子32の配置(方向性)を特に考慮しなくてもよいため、取扱いが簡便であり、焼結体3の製造を容易化できる。
ここで、個々の中空粒子32において空隙33が占める体積の割合は、例えば、原料である母粒子の粒径を調整することにより所望に制御できる。よって、複数の中空粒子32を含む焼結体3の全体の空隙率は、中空粒子32の種類や数を調節することで正確に制御可能である。また、中空粒子32における空隙33の体積は比較的大きい。よって、焼結体3において、中空粒子32を増やすことによる上記空隙率の増加の効果は、陽極酸化皮膜30の細孔300を増やすことによる上記空隙率の増加の効果よりも大きい。例えば、中空粒子32を含む焼結体3の空隙率を、好ましくは30体積%以上かつ70体積%以下に、より好ましくは50体積%又はその近傍に、制御することが容易である。このような範囲に上記空隙率を制御すれば、焼結体3の熱伝導率の低減及び強度確保を、高いレベルで両立できる。
なお、焼結体3の空隙率を改善するための手段として、陽極酸化皮膜30における晶出物周囲の空隙を調整することも考えられる。すなわち、図6に示すように、本体部2の内部には、母材金属の凝固過程での晶出物20(本体部2の材料のうちシリコン等の成分が結晶化したもの)がある。陽極酸化処理により晶出物20が溶解し、陽極酸化皮膜30(焼結体3)の内部で晶出物20及びその近傍に空隙21が形成されうる。図7に示すように、母材金属中において晶出物20となる成分(例えばシリコン)を増量し、晶出物20の数を多くすることが考えられる。晶出物20及びその近傍における空隙21の数が多くなるため、陽極酸化皮膜30(焼結体3)の内部で空隙21を全体として足し合わせた体積が増える。しかし、晶出物20の数を多くすることにより陽極酸化皮膜30の空隙率を増大することには限界があり、焼結体3の熱伝導率の低減効果が十分に得られないおそれがある。また、図8に示すように、母材金属の凝固時間を長くし、晶出物20の粒径を大きくすることが考えられる。晶出物20及びその近傍における空隙21が大きくなるため、陽極酸化皮膜30の内部で空隙21を全体として足し合わせた体積が増える。しかし、晶出物20の粒径を大きくすることにより陽極酸化皮膜30の空隙率を増大することには限界があり、焼結体3の熱伝導率の低減効果が十分に得られないおそれがある。これに対し、本実施形態では、焼結体3における空隙率を、晶出物20の周囲の空隙21によってではなく、中空粒子32により増加させることで、上記限界なく、焼結体3の熱伝導率を低減可能である。また、焼結体3における空隙率の制御性が良好である。
焼結体3の内部において、中空粒子32及びその近傍は、中空粒子32の内部の空隙33に起因して強度が低くなる。このため、焼結体3の強度不足が問題となりうる。バインダー31により、空隙33を含む焼結体3の内部における結合の強度(硬さ)が向上し、その欠けや崩れが抑制される。また、焼結体3と本体部2との接合の強度が向上し、焼結体3をピストンヘッド4(凹部401)に保持する力が向上する。よって、焼結体3の機能をより長期にわたり維持できる。なお、形成材料に、中空粒子32とバインダー31の他に、添加物(焼結助剤等)を混ぜてもよい。バインダー31は金属である。よって、比較的大きな空隙33が形成されても、焼結体3の強度を向上し、その欠けや崩れをより容易に抑制できる。
焼結体形成工程で、中空粒子32とバインダー31とを含む混合材料(形成材料)を焼結する。バインダー31は金属の粉末を含む。よって、焼結体3は、中空粒子32と金属の粉末とを含む混合材料が焼結したものである。固化する前のバインダー31が金属粉末であるため、バインダー31の比重が焼結体3の中で偏ることを抑制できると共に、中空粒子32を焼結体3の内部に可及的に均一に分散させることができる。金属粉末と中空粒子32を撹拌した混合材料を焼結することにより、金属粉末と中空粒子32を可及的に均質に焼結体3の内部に分散することができる。よって、焼結体3の内部における各部位間で断熱性能の均質化を図ることができる。
上記金属の粉末はアルミニウム粉である。アルミニウム粉は、焼結されることで、互いに又は本体部2と接着し、中空粒子32を焼結体3に保持等するバインダー31として機能する。バインダー31がアルミニウム粉であるため、アルミニウム合金で形成された本体部2と焼結体3との接合力を向上させることができる。なお、アルミニウム粉は、純アルミニウムの粉末であってもよいし、アルミニウム合金(例えば本体部2の母材金属と同じAC8A)の粉末であってもよい。アルミニウム粉は粒状アルミニウム粉であってもよい。
陽極酸化処理は、上記のようにバインダー31の断熱性能を向上するだけでなく、バインダー31の強度を向上しうる。よって、中空粒子32の近傍におけるバインダー31の強度を向上し、焼結体3の欠損や本体部2からの脱落を抑制できる。また、陽極酸化皮膜30は、陽極酸化処理によって形成されたものであるから、母材との結合力が強い。鋳造工程で、ピストンヘッド4における燃焼室11の側に凹部401を有する本体部2を形成する。よって、ピストン1は凹部401を備える。凹部401は、ピストンヘッド4における燃焼室11の側にある。焼結体形成工程で、焼結体3を凹部401に設ける。よって、焼結体3は凹部401にあり、凹部401によりピストンヘッド4に保持される。凹部401は保持部として機能する。これにより、本体部2からの焼結体3の脱落を抑制できる。また、焼結工程で、放電プラズマ焼結法を利用して機械的な加圧とパルス通電加熱により焼結を行う場合でも、ピストンヘッド4に形成材料を保持しつつこれに圧力を加えて通電できるため、有利である。
焼結体形成工程では、材料設置工程で形成材料を凹部401に充填し、焼結工程で(充填された)形成材料を焼結する。焼結工程では、放電プラズマ焼結法を利用する。加熱等のために通電を用い、摩擦を用いないため、焼結時に中空粒子32が潰れてしまうおそれが少ない。なお、形成材料を加圧成型したプリフォームを用意し、これを凹部401に設置して焼結を行ってもよい。この場合、製造効率や品質の向上を図ることができる。また、焼結体3を本体部2とは別に円板状に形成し、ピストン1のアルミニウム合金等の母材金属に焼結体3を鋳込んでもよい。
焼結体形成工程後に機械加工工程を行う。ピストンヘッド4に焼結体3を形成した後に、ピストンヘッド4のうち燃焼室11に臨む側を切削加工して冠面400を形成する。すなわち、冠面400を切削加工により形成する前に、焼結体3を形成する。よって、焼結体形成工程において、冠面400の形状による制約が少ないため、焼結体3を形成する作業が容易となる。言い換えると、冠面400を複雑な形状とした場合でも、この冠面400に焼結体3を容易に形成できる。また、酸化バインダー部(陽極酸化皮膜30)の形成後に機械加工を施す場合、酸化バインダー部が機械加工により不要に切除されてしまうおそれがある。これに対し、機械加工工程後に酸化処理工程を行う。言換えると、酸化バインダー部は、本体部2における機械加工によって成形された部位にある。このように、機械加工後に酸化バインダー部を形成することにより、酸化バインダー部を不要に切除することなく充分に設けることができる。また、陽極酸化皮膜30は硬度が高く、機械加工が比較的困難である。陽極酸化処理より前に機械加工を行うことで、加工を容易化できる。
ピストンヘッド4の冠面400の全域に焼結体3(酸化バインダー部)を設ける場合、冠面400の温度が過度に上昇し、燃料の異常燃焼(ノッキング)が発生したり吸気効率が低下したりする原因となる。これに対し、焼結体3(酸化バインダー部)は冠面400の一部分にある。よって、冠面400の温度の過度な上昇を抑制し、断熱性の向上とノッキング等の抑制とを両立させることができる。具体的には、筒内直噴式のエンジン100では、焼結体3は、冠面400において、少なくとも燃料の噴射領域に対応した箇所(燃料が衝突・爆発し、温度や圧力が最も高くなる部位及びその周辺)に形成されることが好ましい。この箇所に焼結体3を形成することで、燃焼室11の内部のガスからピストンヘッド4(本体部2)への熱伝達をより効果的に低下させることができる。なお、燃料が直接噴射される箇所に相対的に多くの中空粒子32を配置し、断熱効果を高めてもよい。
[第2実施形態]
本実施形態では、焼結工程で、図9に示すように、摩擦撹拌溶接(接合)の原理を利用し、回転する工具9を用いて焼結を行う。工具9は円柱状であって、その軸線方向端部90の直径D2は凹部401の直径D1以上であり、好ましくは直径D1よりも若干大きい。工具9の軸線と凹部401の軸線とを合わせる。工具9をその軸線の周りに回転駆動した状態で(軸線周りの回転を矢印Aで示す。)、工具9の端部90を形成材料に押し当てる(軸線方向の押し付け力を矢印Bで示す)。又は、端部90を形成材料に押し付けた状態で、工具9を回転させる。これにより形成材料が押圧されつつ混ぜられ、摩擦熱により加熱される。バインダー31の材料であるアルミニウム粉が塑性流動し、各粉の表面の酸化膜が破れ、当初よりも体積が減少した焼結体3が形成される。焼結が完了すると、工具9を凹部401の内部から引き上げる。他の構成は第1実施形態と同じである。
ピストンヘッド4には凹部401がある。よって、焼結工程で、工具9の回転により焼結を行う場合でも、ピストンヘッド4に形成材料を保持しつつこれに圧力を加えて撹拌できるため、有利である。端部90の直径D2は凹部401の直径D1以上である。よって、回転する端部90と凹部401との間の径方向隙間から形成材料が飛び出してしまうことを抑制できる。直径D2は直径D1よりも大きい。よって、回転する端部90で凹部401の外縁の一部を巻き込みながら焼結体3が形成されるため、焼結体3と凹部401との接合力を向上させることができる。他の作用効果は第1実施形態と同じである。
[第3実施形態]
本実施形態では、焼結体3の陽極酸化皮膜30(酸化バインダー部)における細孔300は、冠面400(燃焼室11)に開口する側の部位で封孔されている。具体的には、この部位で、上記開口が塞がれるか狭くなっている。又は、細孔300が化学的に不活性になっている。この部位を封孔部という。ピストン1の製造方法は、封孔処理工程を含む。封孔処理工程では、陽極酸化処理された焼結体3の表面処理として、形成された陽極酸化皮膜30を沸騰水中で煮沸することにより、細孔300を封孔する。なお、純水沸騰水以外に、化学薬品を添加した高温水溶液を用いてもよい。また、高温加圧水蒸気で陽極酸化皮膜30を処理してもよい。煮沸により陽極酸化皮膜30に水酸化物が成長し、細孔300を封孔する(封孔部が形成される)。各細孔300の封孔部は、全体としてみると、冠面400に直交する方向に広がる封孔層として機能する。他の構成は第1実施形態と同じである。
このように、陽極酸化皮膜30は、細孔300が封孔された封孔部を有するため、細孔300に未燃ガスが侵入してエンジン100の排ガス特性を悪化させることを抑制できる。他の作用効果は第1実施形態と同じである。
[第4実施形態]
本実施形態では、図10に示すように、燃焼室11に臨む焼結体3の陽極酸化皮膜30(酸化バインダー部)の表面が膜34によって覆われている。膜34は、シリカを含むシリカ膜である。ピストン1の製造方法は、封孔処理工程を含む。封孔処理工程では、陽極酸化処理された焼結体3の表面処理として、膜34で陽極酸化皮膜30の表面を覆う。これにより、陽極酸化皮膜30における細孔300が封孔される。膜34は封孔層として機能する。細孔300は、封孔部でシリカによって封孔されている。他の構成は第1実施形態と同じである。
燃焼室11に臨む焼結体3(陽極酸化皮膜30)の表面には、複数ある空隙33の一部が開口しうる。膜34は陽極酸化皮膜30の表面を一律に覆う。このため、冠面400の平滑化を図ることができる。また、細孔300だけでなく空隙33の開口を膜34で塞ぐことが可能である。よって、空隙33に未燃ガスが侵入してエンジン100の排ガス特性を悪化させることを抑制できる。なお、膜34の材料はシリカ以外の副成分を含んでもよい。また、シリカ以外の材料を用いて膜を形成してもよい。本実施形態では、膜34はシリカを主成分とするシリカ膜である。シリカは耐熱性に優れるため、封孔層の耐久性を向上できる。他の作用効果は第3実施形態と同じである。
[他の実施形態]
以上、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明したが、本発明の具体的な構成は、実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、エンジンのピストン以外であっても、金属材料からなる本体部と、中空粒子及び金属のバインダーを含む焼結体であって、少なくとも外側の表面においてバインダーが酸化している焼結体とを備える構造体であれば、断熱構造体として機能し、ピストンと同じく上記作用効果(断熱効果)を得ることができる。例えば、エンジンの燃焼室に臨んで高温ガスに晒される各部材(シリンダ、バルブ等)や、吸気ポート又は排気ポートの内壁に、熱伝達を抑制するために上記構造体を適用してもよい。燃焼室に臨む上記各部材に上記構造体を設ければ、エンジンの熱効率の向上に有利である。吸気ポートの内壁に上記構造体を適用すれば、吸気がシリンダ内に吸入されるまでに加熱されることを抑制できるため、異常燃焼の抑制等に有利である。排気ポートの内壁に上記構造体を適用すれば、排気ガスを高温で排出できるため、排気エネルギーの回収に有利である。その他、タービンブレードを構成する壁面、内燃機関や家屋、ボイラー等を収容するハウジングの外壁など、断熱が必要な壁面を有するものであれば、様々な用途のものに上記構造体を適用可能である。ここで、本体部の金属材料は、アルミニウムの他、鋼、チタン、ニッケル、銅やそれらの合金であってもよい。
[実施形態から把握しうる技術的思想]
以上説明した実施形態から把握しうる技術的思想(または技術的解決策。以下同じ。)について、以下に記載する。
(1) 本技術的思想の内燃機関のピストンは、その1つの態様において、
金属材料からなり、ピストンヘッド及びスカート部を有する本体部と、
前記ピストンヘッドにおける内燃機関の燃焼室側にある保持部と、
前記保持部にあり、中空粒子及び金属のバインダーを含む焼結体であって、少なくとも前記燃焼室側の表面において前記バインダーが酸化している酸化バインダー部を有する焼結体とを備える。
(2) より好ましい態様では、前記態様において、
前記酸化バインダー部は陽極酸化皮膜である。
(3) 別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記酸化バインダー部は、前記陽極酸化皮膜の細孔が封孔された封孔部を有する。
(4) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記封孔部で前記細孔が煮沸によって封孔されている。
(5) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記封孔部で前記細孔がシリカによって封孔されている。
(6) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記酸化バインダー部は、前記本体部における機械加工によって成形された部位にある。
(7) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記酸化バインダー部は、前記ピストンヘッドの冠面の一部分にある。
(8) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記酸化バインダー部は、前記焼結体における前記表面から所定の深さまである。
(9) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記焼結体は、前記中空粒子と前記金属の粉末とを含む混合材料が焼結したものである。
(10) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記本体部の前記金属材料はアルミニウム合金を含み、前記バインダーはアルミニウムを含む。
(11) 本技術的思想の内燃機関のピストンの製造方法は、その1つの態様において、
ピストンヘッド及びスカート部を有し、前記ピストンヘッドの内燃機関の燃焼室側に保持部を有する本体部を金属材料で形成する工程と、
中空粒子と金属のバインダーとを含む材料の焼結体を前記保持部に設ける工程と、
前記焼結体の少なくとも前記燃焼室側の表面において前記バインダーを酸化させる工程とを備える。
(12) より好ましい態様では、前記態様において、
前記バインダーを酸化させる工程では、陽極酸化処理により前記バインダーを酸化させる。
(13) 別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記陽極酸化処理により形成された皮膜の細孔を煮沸により封孔する工程を有する。
(14) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記陽極酸化処理により、前記焼結体における前記表面から所定の深さまで前記バインダーを酸化させる。
(15) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記バインダーは前記金属の粉末を含み、
前記焼結体を設ける工程では、前記中空粒子と前記バインダーとを含む混合材料を焼結する。
(16) 本技術的思想の構造体は、その1つの態様において、
金属材料からなる本体部と、
前記本体部にある保持部と、
前記保持部にあり、中空粒子及び金属のバインダーを含む焼結体であって、少なくとも外側の表面において前記バインダーが酸化している焼結体とを備える。
100 エンジン(内燃機関)
11 燃焼室
1 ピストン
2 本体部
3 焼結体
30 陽極酸化皮膜(酸化バインダー部)
31 バインダー
32 中空粒子
4 ピストンヘッド
401 凹部(保持部)
6 ピストンスカート(スカート部)

Claims (12)

  1. 内燃機関のピストンであって、
    金属材料からなり、ピストンヘッド及びスカート部を有する本体部と、
    前記ピストンヘッドにおける内燃機関の燃焼室側にある保持部と、
    前記保持部にあり、中空粒子及び金属のバインダーを含む焼結体であって、少なくとも前記燃焼室側の表面において前記バインダーが酸化している酸化バインダー部を有する焼結体とを備える、
    内燃機関のピストン。
  2. 請求項1に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記酸化バインダー部は陽極酸化皮膜である、内燃機関のピストン。
  3. 請求項2に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記酸化バインダー部は、前記陽極酸化皮膜の細孔が封孔された封孔部を有する、内燃機関のピストン。
  4. 請求項2に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記酸化バインダー部は、前記ピストンヘッドの冠面の一部分にある、内燃機関のピストン。
  5. 請求項2に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記酸化バインダー部は、前記焼結体における前記表面から所定の深さまである、内燃機関のピストン。
  6. 請求項1に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記焼結体は、前記中空粒子と前記金属の粉末とを含む混合材料が焼結したものである、内燃機関のピストン。
  7. 内燃機関のピストンの製造方法であって、
    ピストンヘッド及びスカート部を有し、前記ピストンヘッドの内燃機関の燃焼室側に保持部を有する本体部を金属材料で形成する工程と、
    中空粒子と金属のバインダーとを含む材料の焼結体を前記保持部に設ける工程と、
    前記焼結体の少なくとも前記燃焼室側の表面において前記バインダーを酸化させる工程とを備える、
    内燃機関のピストンの製造方法。
  8. 請求項7に記載の内燃機関のピストンの製造方法において、
    前記バインダーを酸化させる工程では、陽極酸化処理により前記バインダーを酸化させる、内燃機関のピストンの製造方法。
  9. 請求項8に記載の内燃機関のピストンの製造方法において、
    前記陽極酸化処理により形成された皮膜の細孔を煮沸により封孔する工程を有する、内燃機関のピストンの製造方法。
  10. 請求項8に記載の内燃機関のピストンの製造方法において、
    前記陽極酸化処理により、前記焼結体における前記表面から所定の深さまで前記バインダーを酸化させる、内燃機関のピストンの製造方法。
  11. 請求項7に記載の内燃機関のピストンの製造方法において、
    前記バインダーは前記金属の粉末を含み、
    前記焼結体を設ける工程では、前記中空粒子と前記バインダーとを含む混合材料を焼結する、内燃機関のピストンの製造方法。
  12. 金属材料からなる本体部と、
    前記本体部にある保持部と、
    前記保持部にあり、中空粒子及び金属のバインダーを含む焼結体であって、少なくとも外側の表面において前記バインダーが酸化している焼結体とを備える
    構造体。
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