JP6760812B2 - 内燃機関用ピストンおよび内燃機関用ピストンの製造方法 - Google Patents

内燃機関用ピストンおよび内燃機関用ピストンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関用ピストンおよび内燃機関用ピストンの製造方法に関する。
内燃機関の低燃費性能へ寄与する熱効率を高めるために、従来、燃焼室内部の壁面に断熱層を設ける技術が知られており、様々な断熱層の構成が提案されている。断熱層が設けられた内燃機関用の部材として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1によれば、エンジン燃焼室に臨む部材表面に断熱層が設けられており、該断熱層は、無機酸化物からなる中空粒子と、フィラー材と、ケイ酸を主体とするガラス質材とを含み、ガラス質材は非末状態であり、中空粒子とフィラー材とを覆うと共に結合している構成が開示されている。特許文献1によれば、中空粒子によって断熱層の断熱性能を向上し、かつ、断熱層内への燃料の浸み込みを防止でき、長期にわたって高い断熱性を維持することができるとされている。
ところで、従来の断熱層を構成する金属およびセラミックス(ガラス)などは、体積比熱が大きいことから、エンジンを構成する基材のベース温度(燃焼室内部のガス温度が最も低いときの基材の温度)を上昇させやすく、ガス温度に対する燃焼室壁面の温度の熱応答性(追従性)が低下する。この熱応答性が低いと、ノッキングやNOの増大を引き起こす原因となり、燃料の燃焼効率が低下する。そのため、体積比熱が大きい断熱層は、燃焼室壁面の一部を構成する内燃機関の部材全面へ設けず、範囲を限定して使用する必要がある。しかしながら、内燃機関の高い熱効率を実現するためには、燃焼室壁面において、より大きい面積で使用できる断熱層が必要であり、そのためには断熱層を構成する材料として、低熱伝導性に加えて低体積比熱を有するものが求められている。
低熱伝導および低体積比熱を両立するために、固体材料に気孔を含ませた構造が好適であると考えられる。例えば、特許文献2には、多数の空孔を含むポーラス構造を有する陽極酸化膜から構成される断熱膜と、断熱膜の空孔の内部に封入される複数の粒子であって、隣接する粒子の間の隙間が予め設定される大きさの空隙となるように封入される複数の封入粒子を備える内燃機関が開示されている。特許文献2には、断熱膜は母材よりも低い熱伝導率および低い単位体積当たりの熱容量を有する断熱材を使用することが記載されており、その素材として中空構造を持つ断熱材が好適であることが記載されている。
特開2015‐68302号公報 特開2012‐47110号公報
上述したように、内燃機関の熱効率を高めるために、断熱層は低熱伝導性および低体積比熱を両立することが望まれるが、さらに、耐久性および基材(断熱層が設けられる内燃機関の部材)との密着性を十分に確保することも重要である。上述した特許文献1および2は、いずれも、耐久性、基材との密着性、低熱伝導性および低体積比熱のすべての項目について、十分なレベルを達成するものではなかった。
本発明は、上記事情に鑑み、基材との密着性および耐久性を確保し、かつ、低熱伝導性および低体積比熱を実現することが可能な内燃機関用ピストンおよび内燃機関用ピストンの製造方法を提供することを目的する。
本発明に係る内燃機関用ピストンは、上記目的を達成するため、基材と、基材の表面に設けられた表面層とを有し、この表面層は、金属粒子が結合して構成された金属層と、金属粒子の結合部分以外の部分で囲まれて構成された空隙を有し、この空隙に内部に空孔を有する中空粒子を含み、表面層に対する空隙と空孔の比率の合計は、50体積%より大きく、63体積%以下である構成とした。
また、本発明に係る内燃機関用ピストンの製造方法は、基材の表面に表面層が設けられた内燃機関用ピストンの製造方法において、表面層を構成する金属粒子および中空粒子を混合した原料混合粉末をパルス通電焼結法によって焼結する焼結工程と、この焼結体と基材とを接合する接合工程を含む。表面層は、母相と、母相に分散され、内部に空孔を有する中空粒子とを含み、母相は、複数の金属粒子が結合して構成された金属層と、金属粒子の結合部分以外の部分で囲まれて構成された空隙と、を有し、空隙に中空粒子が含まれ、表面層に対する空隙と空孔の比率の合計は、50体積%より大きく、63体積%以下である。本発明のより具体的な構成は、特許請求の範囲に記載される。
本発明によれば、基材との密着性および耐久性を確保し、かつ、低熱伝導性および低体積比熱を実現することが可能な内燃機関用ピストンおよび内燃機関用ピストンの製造方法を提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明に係るピストンの一例を模式的に示す斜視図である。 図1(a)のA‐A´線断面斜視図である。 本発明に係るピストンを構成する表面層の第一の例を模式的に示す断面図である。 図2(a)の金属層を構成する金属粒子の拡大図である。 本発明に係るピストンの第一の例を示す断面図である。 本発明に係るピストンの第二の例を示す断面図である。 本発明に係るピストンの第三の例を示す断面図である。 本発明に係るピストンを構成する表面層の第二の例を模式的に示す断面図である。 本発明に係るピストン(表面層)の製造方法の一例を示すフロー図である。 本発明に係るピストンの製造方法(基材と表面層の接合)の一例を示すフロー図である。 本発明に係るピストンの製造方法の他の一例を示すフロー図である。 実施例で用いたパルス通電装置の一例を模式的に示す図である。 実施例1に係る中空粒子の断面SEM観察写真である。 実施例1に係る表面層の断面SEM観察写真である。 図7(b)の拡大写真である。 実施例の熱応答性評価試験に用いた装置の模式図である。 実施例の熱応答評価試験におけるレーザー光の出力と時間の関係を示すグラフである。 実施例の熱応答評価試験における試験片の表面温度と時間の関係を示すグラフである。
[内燃機関用ピストン]
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)は本発明に係るピストンの一例を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)のA‐A´線断面図である。本発明に係る内燃機関用ピストン(以下、単に「ピストン」とも称する。)100の上面を構成する冠面101は、燃焼室の内壁の一部となる部分であり、燃焼効率を向上するために従来断熱層が設けられる部分である。本発明では、ピストンの表面に、低熱伝導性および低い体積比熱を併せ持つ「表面層」を設ける。以下、この表面層について詳述する。
図2(a)は本発明に係るピストンを構成する表面層の第一の例を模式的に示す断面図である。図2(a)に示すように、本発明に係るピストンは、ピストン基材(以下、単に「基材」と称する。)1と、基材1の表面に設けられた表面層2を有する。表面層2は、母相3と、母相3に分散された中空粒子4を含む。中空粒子4は、内部に空孔(微細な気孔)40を有する粒子である。そして、母相3は、複数の金属粒子が結合して構成された金属層30と、金属粒子の結合部分以外の部分で囲まれて構成された空隙(言い換えると、金属粒子間に形成された空隙)31とを有し、この空隙31に中空粒子4が含まれている構成を有する。母相3が有する空隙31と、中空粒子4が有する空孔40が表面層2を占める体積割合を「気孔率」と称する。本発明では、母相3が有する空隙31と、中空粒子4が有する空孔40の両方を合わせることで、表面層2全体の気孔率を50体積%まで高めることを実現している。
上述したように、燃料の燃焼を促進すべく、ピストンの冠面101に広い範囲に渡って断熱層を設けるためには、断熱層が十分な断熱性能を有すると同時に、蓄熱を最小限にして内燃機関内部の温度上昇を起こさないようにすることが重要である。すなわち、低熱伝導および低体積比熱を両立する必要があり、このような層としては、気体を取り込んだポーラス構造とすることが好適であると考えられる。しかしながら、特許文献1および特許文献2のように、セラミックス等のポーラス体を金属製のピストン基材へ接合させた場合、界面での密着性を十分に保つことができず、十分な耐久性を実現することができない。そこで、本発明では、ポーラス体である表面層2の主要部分を構成する母相3を金属層30とすることで、金属からなる基材1との密着性および耐久性を確保することを実現した。
また、高い低熱伝導性を得るためには、母相3の空隙31を増大させることが有効であると考えられるが、空隙31を増大させすぎると母相3の強度が低下し、表面層2が内燃機関の中の過酷な環境(温度および圧力)に耐えられない。そこで、本発明では、母相3の空隙31中に中空粒子4を含有させ、母相3中の空隙31と中空粒子4の空孔40とを合わせることで、表面層2全体の気孔率を十分に確保しつつ、母相3中の空隙31量を抑えて、表面層2の強度を保つこと構成としている。
金属層30は、金属粒子が焼結によって結合された焼結金属で構成することが好ましい。図2(b)は図2(a)の金属層30を構成する金属粒子の拡大図である。図2(b)に示すように、金属粒子32の一部同士が焼結によって結合し、ネック33を有していることが好ましい。このネック33によって金属粒子間の空間を確保し、空隙31を形成することができる。また、焼結密度を制御することで空隙31の割合を制御することができる。このような焼結金属の作製方法については、追って詳述する。
基材1と金属層30は、同じ金属をそれぞれの主成分として含むことが好ましい。具体的には、基材1をアルミニウム(Al)合金とし、金属層30をAlとすることが好ましい。このように基材1と表面層2の主要部分を構成する金属層30を同じ金属で構成することによって、基材1とポーラス構造を有する表面層2の界面で強固な固相接合部を形成して密着性を確保し、耐久性に優れた表面層2を提供することができる。
中空粒子4として、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)およびジルコニア(ZrO)等、種々の多孔質酸化物を用いることができるが、表面層2の断熱性能を確保するために熱伝導率が低い材料とすることが好ましく、特にシリカを用いることが好ましい。シリカはセラミックスの中でも比較的熱伝導性が低く、なおかつ中空状あっても強度が比較的高い材料である。シリカを主成分とする中空粒子としては、セラミックビーズ、シリカエアロゲル、多孔ガラス、ガラスビーズ、火山性白砂、珪藻土およびそれらの加工粉末等があるが、これらに限定されるものではない。
表面層2において、金属層30に対する中空粒子4の比率は、30〜70体積%(30体積%以上70体積%以下)の範囲であることが好ましい。30体積%よりも小さい場合は、表面層2全体で十分な気孔率を確保することが困難となり、70体積%よりも大きい場合は、金属層30を構成する金属粒子同士の結合を阻害して表面層2の強度を損ねる結果となる。
金属層30を構成する金属粒子の粒子径と中空粒子4の粒子径は、同一であることが好ましい。中空粒子4の粒子径が金属粒子の粒子径に比べて大きい場合、金属粒子同士の結合が形成されにくくなり、焼結体である金属層30の強度が低下するおそれがある。一方、中空粒子4の粒子径が金属粒子の粒子径に比べて小さい場合、金属粒子間の空隙31の形成を妨げて高い気孔率を実現することができない。
上述したように、表面層2の気孔率は、母相の空隙31と中空粒子4の空孔40との比率を足し合わせたものとなるが、このうち、中空粒子4の空孔40の体積を、母相3の空隙31の体積よりも大きくすることが好ましい。母相3の空隙が増大すると、金属層30の金属粒子同士の結合が弱くなり、表面層2の強度(耐久性)を保つことができない。中空粒子4の空孔40の体積を母相3の空隙31の体積よりも大きくすることで、表面層2の所定の気孔率と強度とを両立することが可能となる。
本発明において、表面層2の気孔率は、40体積%より大きく、63体積%以下でることが好ましい。40体積%以下である場合は、十分に低い体積比熱を実現することができず、63体積%より大きい場合は、表面層2の強度を保つことが困難となる。なお、表面層2を、空隙31を含む母相3のみで構成し、中空粒子4を含まない場合、表面層2の気孔率(空隙31の比率)が40体積%以上となると強度を保つことが困難となる。また、母相3が空隙31を含まず、中空粒子4のみを含む場合、中空粒子4を含むスペースとなる空隙31が無くなるため、中空粒子4の体積比率が限定され、30体積%以上の気孔率を確保することが困難となる。本発明では、母相3に含まれる空隙31と、中空粒子4が有する空孔40を合わせることで、40体積%より大きい気孔率を確保することが可能となる。
表面層2の体積比熱は、1000kJ/m・K以下であることが好ましい。表面層2の体積比熱を1000kJ/m・K以下にすることにより、内燃機関内部でのベース温度の上昇がほとんど発生しない水準となる。すなわち、表面層2のガス温度に対する熱応答性が十分高いものとなり、燃焼室内部のガス温度の変化に合わせて瞬時に低温から高温へ、または高温から低温へ変化できる。これにより、ピストン冠面101の全面に表面層2を施工することが可能となり、より高い燃焼効率を得ることができる。
本発明に係るピストン100において、上述した表面層2が形成される箇所に特に限定はない。ピストン100において表面層2を形成する箇所の例を以下に示す。図3(a)は本発明に係るピストンの第一の例を示す断面図であり、図3(b)は本発明に係るピストンの第二の例を示す断面図であり、図3(c)は本発明に係るピストンの第三の例を示す断面図である。図3(a)〜(c)に示すように、ピストン100a〜cにおいて、表面層2を形成する場所は特に限定されず、図3(a)のように、冠面101の中央部に形成しても良く、図3(b)のように冠面101の全面に形成しても良く、また図3(c)のように冠面101の表面層2の表面形状に沿って厚さが一定となるように形成してもよい。
図4は本発明に係るピストンを構成する表面層の第二の例を模式的に示す断面図である。図4に示すように、第ニの例では、表面層2の表面に封止材からなる封止層50が形成されている。表面層2の空隙31に燃料が浸み込むと、燃焼に寄与する燃料が減少し、燃焼効率が悪くなる。そこで、図4に示すように表面層2の表面の空隙を封止し、燃料が表面層2の奥(基材1側)まで浸みこむことを防止することが好ましい。表面層2の表面に封止層50を設ける際に、封止材は表面層2の表面(図4の符号51で示す部分)のみならず、表面近くの空隙31(図4の符号52で示す部分)にも侵入するが、本発明に係る表面層2は母相3の空隙31と中空粒子4の空孔40とで表面層2全体の気孔率を確保しており、中空粒子4の内部の空孔40には封止材が侵入することは無いため、母相3の空隙31の一部が封止材によって封止されたとしても、表面層2全体では十分な気孔率を確保することができる。
封止材として、特に限定は無いが、絶縁塗料が好適である。封止材を絶縁材料で構成することで、カーボンデポジットの付着を抑止することができる。封止材として、より具体的には、ポリシラザン、ポリシロキサン、シリカアルコキシド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドおよび各種樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。封止層50の形成方法については、追って詳述する。本発明の上記構成によれば、優れた熱応答特性を有してなおかつ長期の使用に耐えうる構造をもったピストンを提供し、燃料の燃焼を助けて内燃機関の燃費改善に寄与する。また、内燃機関からのデポジットやスモークの排出を抑制することに寄与する。
[内燃機関用ピストンの製造方法]
次に、本発明に係るピストンの製造方法について説明する。基材1への表面層2の形成方法としては、まず金属層を構成する金属粒子と中空粒子4を焼結して焼結体を形成し、該焼結体を基材1と接合する方法と、表面層2の原料粉末となる金属粒子と中空粒子4の混合粉末を基材1の表面に設置し、金属粒子の焼結と基材1への接合を同時に行う方法が挙げられる。まず始めに、前者の例について説明する。
図5(a)は本発明に係るピストン(表面層)の製造方法の一例を示すフロー図であり、図5(b)は本発明に係るピストンの製造方法(基材と表面層の接合)の一例を示すフロー図である。まず、図5(a)において、金属層30の原料となる金属粒子と中空粒子4の粉末を混合する(S10:原料混合粉末準備工程)。次に、S10で得られた混合粉末を加熱し、焼結して(S11:焼結工程)焼結体を得る(S12)。混合粉末の焼結方法としては、母相3に空隙31が形成されるように金属粒子を焼結可能な方法であれば特に限定は無いが、パルス通電焼結、ホットプレス焼結、熱間等方加圧焼結および冷間等方加圧焼結等が好適である。これらのなかでも特に荷重および温度を制御可能な加圧焼結とすることが好ましく、パルス通電焼結法が好適であると考えられる。パルス通電焼結(Pulse Electric Current Sintering)は、放電プラズマ焼結(Spark Plasma Sintering)とも呼ばれる焼結手法である。原料粉末に加圧しながらパルス通電を印加すると、粉末表面では抵抗発熱とスパーク放電による発熱が発生し、粉末表面での反応を活性化し、図2(b)に示すように、金属粒子間接触部にネック33を形成しやすい。空隙を多く含む多孔焼結体であっても、ネック33部分で金属粒子同士を強度に結合させることができる。
パルス通電焼結法では、粉末表面での反応が活発化するため、比較的荷重負荷が小さい環境での焼結が可能であり、中空粒子の形状を破壊せずに含有させることが可能である。本発明においては、混合粉末にパルス通電を印加することにより、金属粒子同士が互いに繋がった金属層(焼結金属)30を形成し、かつ金属粒子同士の結合部分以外で構成された空隙31に、中空粒子4をその形状を壊すことなく包含することができる。パルス通電焼結法を用いれば、荷重または押込み量を制御して加圧することにより、母相3の空隙31の割合を制御することが可能である。
図5(b)では、まず始めに、ピストン基材を鋳造によって作製する(S13)。この鋳造工程では、例えば、Al合金製のピストン母材の粗材を従来の方法で鋳造する。続いて、得られた粗材に対して機械加工(ランド部外径切削およびピン穴加工等)を施す(S14)。次に、先の図5(a)に示した工程で作製した焼結体を、基材の表面に接触させて設置する(S15)。そして、基材と焼結体とを接合する(S16)。接合方法として、焼結体を構成する金属と基材を構成する金属同士が直接結合する接合法を用いることが好ましい。具体的には、拡散接合、摩擦撹拌接合、レーザー溶接およびアーク溶接等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
焼結体と基材の接合後の後処理として、熱処理工程を実施する(S17)。この熱処理は、接合工程で発生する歪を除去し、強度を均一化することを目的とするものであり、例えば溶体化時効処理または人口時効処理を行う。熱処理工程後、二次機械加工工程として仕上げの切削加工を施し(S18)、製品であるピストンが完成する(S19)。
図5(c)は本発明に係るピストンの製造方法の他の一例を示すフロー図である。図5(c)では、焼結体の作製(図5(a)のS1)と、焼結体と基材との接合(図5(b)のS2)を同時に実施している。ピストン基材の鋳造(S13)および一次機械加工(S14)については、図5(b)と同様である。一次機械加工工程を施した基材1の表面に、表面層2の原料粉末となる金属粒子と中空粒子4の混合粉末を設置する(S15´)。この際に、混合粉末を粉末状のまま基材1の表面に設置しても良いが、混合粉末を所定の形状を有する成形体、例えば粉末に予め圧力を加えて予備成形を行うことでビスケット状に押し固めた圧粉体とし、この圧粉体を基材1表面(ピストン冠面)に設置してもよい。
次に、混合粉末の上部から荷重をかけて加熱することで、混合粉末を焼結すると同時に混合粉末とピストン基材とを接合させる(S16´)。接合方法は、上述したS16と同様である。
さらに、図示していないが、上述した封止層50を形成するために、焼結体形成後のいずれかの工程において、封止層形成工程を有していてもよい。封止層の形成方法としては、例えば封止材としてポリシラザンを用いる場合、焼結体表面にポリシラザンの前駆体を含む塗布液を塗布し、400〜500℃で1〜2時間加熱して乾燥することで形成することができる。
図5(b)および図5(c)の工程において、封止材形成工程は、焼結体と基材の接合工程(S16またはS16´)、熱処理工程(S17)あるいは二次機械加工工程(S18)のいずれかの工程間で実施することが可能である。本発明によれば、熱処理工程(S17)の前に封止層50を形成してもよく、二次機械加工工程(S18)の前に形成しても良く、二次機械加工工程(S18)後に形成してもよい。これらの塗布工程において、塗布した封止材をピストン表面に定着させるために熱処理工程をさらに追加しても良い。また、熱処理工程(S17)が、塗布後の封止材の乾燥を兼ねていてもよい。
以下、実施例に基づいて、本発明についてさらに詳述する。
[中空粒子の比率と焼結状態、気孔率および熱応答性の評価]
ピストン冠面に見立てた基材を準備し、その表面に中空粒子の比率を変えた表面層を形成した試験片を作製した(実施例1〜3、参考例1および2)。得られた試験片の焼結状態、気孔率および熱応答性を評価した。まず、実機のピストン材料に近いAl合金(JIS(Japanese Industrial Standards) 4032‐T6)を用いて円盤状の試験片(直径:75mm、厚さ:10mm)を作製し、その表面に直径30mm、深さ5mmの凹部を形成した。
表面層2を構成する原料混合粉末(表面層の原料粉末)として、金属層30を構成する金属粒子としてAl粒子と、中空粒子としてSiO粒子を混合した原料混合粉末を準備した。いずれの粒子も、平均粒子径が30μmのものを用意した。この原料混合粉末をパルス通電焼結法によって焼結し、焼結体を作製した。図6は実施例で用いたパルス通電装置の一例を模式的に示す図である。真空チャンバ64内で、円環状のカーボンダイ62の中に上述した混合粉末を入れ、カーボンパンチ63を図6の矢印方向に駆動して荷重を負荷し、パルス電源67および電極(上部電極65および下部電極66)を介して混合粉末にパルス通電を印加し、加熱して焼結した。パルス通電焼結中は、温度、荷重およびカーボンパンチ63の押込み量をモニタリングした。
得られた焼結体を、直径30mm、厚さ3mmの形状となるように加工し、上述したアルミニウム合金試験片の凹部に設置した。焼結体とアルミニウム合金試験片とを拘束ジグを用いて固定し、熱処理炉で加熱することで両者を拡散接合した。
実施例1〜3および参考例1〜2の表面層の原料粉末の組成と、焼結状態および気孔率(P)の評価結果を後述する表1に示す。本明細書において「参考例」とは、本発明に係る表面層を有しているが、中空粒子の比率が本発明の好ましい範囲(30〜70体積%)にないものである。表1中、表面層の気孔率Pは、下記の式から算出した。
Figure 0006760812
ここで、Dは測定した密度(g/cm)であり、試験片から採取した直方体の小片から体積と重さを測定して算出した。Dは気孔を含まないバルク体の理想密度(g/cm)であり、金属粒子(Al)と中空粒子(SiO)の含有比率を考慮して決定した。なお、中空粒子中の空孔の比率はヘリウムガスを用いた真密度計により測定することができ、本実施例で用いた中空シリカの空孔の平均比率は59.6%であった。
Figure 0006760812
図7(a)は実施例1に係る中空粒子の断面SEM観察写真であり、図7(b)は実施例1に係る表面層の断面SEM観察写真であり、図7(c)は図7(b)の拡大写真である。図7(b)および7(c)において、白色部分がAlであり、灰色部分がSiOであり、黒色部分が空隙および空孔である。図7(b)および7(c)に示すように、Al粒子71間に形成された空隙73中に、中空シリカ72がその形状を保持したまま含まれていることがわかる。
実施例1〜3および参考例1では良好な焼結状態を確保できたのに対し、中空粒子の含有率を75%まで増大させた参考例2では、中空粒子が過剰となり、金属粒子同士の結合が阻害されて焼結不良となり、焼結体形状を保つことができなかった。
表面層における熱応答特性を評価するために、レーザー熱源を用いて表面層の温度を評価する熱応答評価試験を実施した。図8は実施例の熱応答性評価試験に用いた装置の模式図である。図8に示すように、評価装置は、真空チャンバ82内に設置した試験片81に対して、レーザー熱源84を用いてレーザー光を照射し、その際の試験片81の表面温度を、赤外線カメラ83を用いて測定する構成を有する。
図9(a)は実施例の熱応答評価試験におけるレーザー光の出力と時間の関係を示すグラフであり、図9(b)は実施例の熱応答評価試験における試験片の表面温度と時間の関係を示すグラフである。図9(b)は、図9(a)におけるレーザー照射時の表面温度を表している。図9(b)において、1回目のレーザー照射時に記録されるピーク温度をT、3回目のレーザー照射時に記録されるピーク温度をTとした。試験片にレーザーを吸収するための黒体塗料を塗ってレーザー照射を実施した。
熱応答評価試験では、まず初めにエンジン環境を模擬するため、表面層を設けていないアルミ合金試験片のピーク温度が、実際のエンジン環境に近い200℃程度となるように、レーザー照射の条件を選定した。具体的には、図9(a)に示すように、800Wのレーザーを1秒間照射して5秒間自然冷却する工程を1セットとし、合計3セットの照射を実施した。なお、赤外線カメラ83が定量的に評価できる温度の上限は500℃であるので、500℃を超えた場合は「500℃超」と表記する。ピストン冠面において燃料を瞬時に燃焼させるためには、燃料の発火点(300℃)よりも十分に高い400℃程度に加熱される必要がある。よって、この試験において、ピーク温度が400℃以上となる昇温効果を持つ表面層を選定した。実施例1〜3および参考例1〜2の熱応答性評価試験におけるTおよびTの値を表1に併記する。
熱応答評価試験の結果、実施例1〜3はTおよびTともに400℃以上であったのに対し、参考例1では十分な昇温効果が得られず、熱応答性が十分ではなかった。参考例2は試験前に焼結体形状が崩れたため、試験を実施できなった。実施例1〜3について、熱応答性評価試験後も試験片からの表面層の剥離は観測されず、良好な密着性を有することが確認された。
以上の結果から、中空粒子の含有率は30〜70体積%の範囲とすることで熱応答性が高い表面層が得られることが示された。
[気孔率と焼結状態の評価]
次に、中空粒子の比率を50%に固定した条件で、表面層の気孔率を変えた試験片を作製した(実施例4、5および参考例3)。得られた試験片の焼結状態を評価した。実施例4、5および参考例3の表面層の原料粉末の組成と、気孔および焼結状態の評価結果を後述する表2に示す。また、実施例1の原料粉末の組成、気孔および焼結状態の評価結果も表2に併記する。実施例1、4および5では焼結状態が良好であったのに対し、気孔率が67%の参考例3は、焼結体の形状を保持することができず、焼結状態が不良となった。この結果、気孔率は63%以下であることが好ましいことがわかった。また、表1の結果から、気孔率40%の参考例1は十分な熱応答性を示さなかったことから、気孔率は40%より大きく、63%以下の範囲に制御することが好ましいと言える。
Figure 0006760812
実施例1〜3および参考例1〜2について、示差走査熱量法(DSC(Differential scanning calorimetry)法)を用いて重量比熱を測定し、別途測定した密度から体積比熱を算出した。体積比熱が1000kJ/m・K以下のものを「合格」と評価し、1000kJ/m・Kを超えるものを「不合格」と評価した。評価の結果を表1に併記する。体積比熱は気孔率に大きく依存し、気孔率40%の参考例1は1000kJ/m・Kを超えたが、気孔率が48%以上の実施例1〜3は、1000kJ/m・K以下になり、評価結果が「合格」となった。参考例2については、焼結体形状を保持できなかったため、測定していない。
[ピストンの作製と燃料効率評価]
図5(a)および図5(b)に示す方法で実施例1と同じ構成を有する表面層を有するピストンを作製した(実施例6)。焼結体は、図5(a)の製造工程に沿って、パルス通電焼結法により、実施例1と同様に作製し、直径70mm、厚さ3mmに加工した。図5(b)の製造工程に沿って、ピストン鋳造工程(S13)で作製したアルミ合金製のピストン粗材(JIS AC8A)に一次機械加工(S14)を施し、一次機械加工時に、ピストン冠面に直径70mmの凹部を形成した。予め作製した焼結体を、このピストン冠面の凹部に設置し、拘束ジグにより焼結体とピストン基材とを十分に接触させ(S15)、熱処理炉で拡散接合を実施した(S16)。その後、溶体化処理と人口時効処理(S17)を施し、二次機械加工(S18)により仕上げ形状に加工して所定の形状を有するピストンを作製した(S19)。
また、実施例7として、実施例6で作製したピストンに対して、二次機械加工(S18)後のピストン表面に、封止層形成工程を実施した。具体的には、二次機械加工(S18)後に、ピストン冠面にポリアミドイミドを塗布して乾燥熱処理を行い、表面付近の空隙が封孔された状態とした。ただし、元々中空シリカに含まれる空孔は閉構造であり、気孔として残存している状態である。
作製した実施例6および7のピストンを、エンジン試験に供して燃費効率を確認した。いずれも表面層を持たないピストンに比べて燃費効率が改善したが、封止層を設けた実施例7の方がより燃料の消費が少ないことが確認できた。これは、封止層を設けた実施例7では、表面層の空隙に燃料が浸み込むことを防止することで、より高い燃焼効率が実現できるためであると考えられる。封止層が燃費効率に寄与することが確認された。
以上、説明したように、本発明に係る内燃機関用ピストンは、耐久性および基材との密着性を確保し、かつ、低熱伝導性および低体積比熱を実現することが可能であることが実証された。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100,100a,100b,100c…ピストン、101…ピストン冠面、1…基材、2…表面層、3…母相、30…金属層、31…空隙、32…金属粒子、33…ネック、4…中空粒子、40…空孔、5…ピストンピン受け部、
50…封止層、51…表面層の表面の封止材、52…母相の空隙に侵入した封止材、61…表面層原料粉末、62…カーボンダイ、63…カーボンパンチ、64…真空チャンバ、65…上部電極、66…下部電極、67…パルス電源、71…Al粒子、72…中空シリカ、73…空隙、81…試験片、82…真空チャンバ、83…赤外線カメラ、84…レーザー熱源。

Claims (20)

  1. 基材と、前記基材の表面に設けられた表面層と、を有し、
    前記表面層は、母相と、前記母相に分散され、内部に空孔を有する中空粒子と、を含み、
    前記母相は、複数の金属粒子が結合して構成された金属層と、前記金属粒子の結合部分以外の部分で囲まれて構成された空隙と、を有し、前記空隙に前記中空粒子が含まれ、
    前記表面層に対する前記空隙と前記空孔の比率の合計は、50体積%より大きく、63体積%以下であることを特徴とする内燃機関用ピストン。
  2. 前記金属層は、焼結金属からなることを特徴とする請求項1記載の内燃機関用ピストン。
  3. 前記焼結金属は、前記基材を構成する金属と同じ金属からなり、前記焼結金属と前記基材とが接合されていることを特徴とする請求項2記載の内燃機関用ピストン。
  4. 前記焼結金属は、アルミニウムからなることを特徴とする請求項2記載の内燃機関用ピストン。
  5. 前記中空粒子は、シリカ、アルミナまたはジルコニアからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の内燃機関用ピストン。
  6. 前記金属層に対する前記中空粒子の比率は、30〜70体積%であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の内燃機関用ピストン。
  7. 前記金属粒子の結合部分がネックを有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の内燃機関用ピストン。
  8. 前記金属層を構成する前記金属粒子の粒子径と前記中空粒子の粒子径は同一であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の内燃機関用ピストン。
  9. 前記表面層において、前記空孔の体積は、前記空隙の体積よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の内燃機関用ピストン。
  10. 前記表面層の体積比熱は、1000kJ/m・K以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の内燃機関用ピストン。
  11. さらに、前記表面層の表面に、封止層を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の内燃機関用ピストン。
  12. 前記封止層は、ポリシラザン、ポリシロキサン、シリカアルコキシド、ポリアミド、ポリアミドイミドまたはポリイミドからなることを特徴とする請求項11記載の内燃機関用ピストン。
  13. ピストンを構成する基材の表面に表面層が設けられた内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記表面層を構成する金属粒子および中空粒子を混合して原料混合粉末を得る原料混合粉末準備工程と、
    前記原料混合粉末をパルス通電焼結法によって焼結して焼結体を得る焼結工程と、
    前記焼結体と前記基材とを接合する接合工程と、を含み、
    前記表面層は、母相と、前記母相に分散され、内部に空孔を有する前記中空粒子とを含み、前記母相は、複数の前記金属粒子が結合して構成された金属層と、前記金属粒子の結合部分以外の部分で囲まれて構成された空隙と、を有し、前記空隙に前記中空粒子が含まれ、前記表面層に対する前記空隙と前記空孔の比率の合計は、50体積%より大きく、63体積%以下であることを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  14. 前記焼結工程で得られた前記焼結体を前記基材の上に設置し、前記焼結体と前記基材とを接合することを特徴とする請求項13記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
  15. 前記原料混合粉末を前記基材の上に設置し、前記基材の表面で前記焼結工程および前記接合工程を同時に実施することを特徴とする請求項13記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
  16. 前記原料混合粉末を加圧成形した成形体を前記基材の上に設置し、前記基材の表面で前記焼結工程および前記接合工程を同時に実施することを特徴とする請求項15記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
  17. さらに、前記焼結体の表面に封止材を塗布して乾燥する封止層形成工程を有することを特徴とする請求項13記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
  18. 前記封止材は、ポリシラザン、ポリシロキサン、シリカアルコキシド、ポリアミド、ポリアミドイミドまたはポリイミドであることを特徴とする請求項17記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
  19. 前記接合工程は、拡散接合、摩擦撹拌接合、レーザー溶接またはアーク溶接によって実施することを特徴とする請求項13記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
  20. 前記焼結工程および前記接合工程をパルス通電加圧焼結によって同時に実施することを特徴とする請求項15または16に記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
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