JP2006218493A - 複合材および複合材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】チタン又はチタン合金からなる焼結体とアルミニウム合金からなる鋳造体との密着強度及び断熱性を同時に確保することができる複合材およびこの複合材の製造方法を提供する。
【解決手段】 チタン又はチタン合金の焼結体10の少なくとも一部がアルミニウム合金鋳造体20で覆われた複合材1であって、前記複合材1は、前記アルミニウム合金20で覆われた前記焼結体10の少なくとも一部の界面に、膜厚が10μmから200μmの酸化膜12を形成してなる。
【選択図】 図1
【解決手段】 チタン又はチタン合金の焼結体10の少なくとも一部がアルミニウム合金鋳造体20で覆われた複合材1であって、前記複合材1は、前記アルミニウム合金20で覆われた前記焼結体10の少なくとも一部の界面に、膜厚が10μmから200μmの酸化膜12を形成してなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、チタン又はチタン合金の焼結体をアルミニウム合金材に接合した複合材に係り、特に、この焼結体とアルミニウム合金材との断熱性を向上させるとともに、これらの密着強度を確保することができる複合材に関する。
従来、チタン及びチタン合金は、熱膨張係数及び熱伝導度が小さく、耐熱性に優れた材料特性を有することが知られており、今日では、建材や自動車の分野でもその需要が期待されている材料である。
このチタンの熱伝導性が低い特性を利用したものに、例えば、図3に示すような、筒内噴射式内燃機関のピストンが開示されている。この筒内噴射式内燃機関のピストン60は、内燃機関のシリンダブロック50内に摺動可能に配設されており、ピストン60の頂面とシリンダヘッド55との間に形成された燃焼室61には、燃料噴射弁53及び点火プラグ54が取り付けられている。そして、このピストン60は、アルミニウム合金の鋳物(鋳造体)によって形成されており、燃料噴射弁53により燃料が吹き付けられるピストン60の皿部51には、板状のチタン合金の焼結体からなる低熱伝導部材52が配置されている。このような低熱伝導部材52を設けることにより、燃料の燃焼熱の放熱を抑制して燃料の蒸発を促進することができ、さらには、HCの排出を低減することができる(特許文献1参照)。
しかし、上記のようなチタン合金の焼結体とアルミニウム合金の鋳造体とを備えた複合材からなるピストンを鋳造するに場合には、アルミニウム合金の溶湯がこのチタン合金の焼結体に浸透することもあり、チタン合金焼結体のアルミニウム合金鋳造体に対する断熱性が低下する虞があった。
また、チタン合金焼結体の接合面にアルミニウム合金を溶射した後、TIG溶接又はアルミニウム系ろう材を用いたろう付け接合法により、チタン合金焼結体をアルミニウム鋳造体に密着させることも可能ではあるが、このような場合において、この密着強度(接合強度)が高いと、チタン合金焼結体からアルミニウム合金鋳造体への熱伝導性が良くなり、その結果、燃焼室内に発生する燃焼熱が放熱し易くなる。そして、このような放熱を抑制するためには、密着強度を低下させねばならず、所望の密着強度と断熱性とを同時に確保することが困難であった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、チタン又はチタン合金からなる焼結体とアルミニウム合金からなる鋳造体との密着強度を確保し、さらに複合材の断熱性を向上することができる複合材およびこの複合材の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく多くの実験と研究を行うことにより、チタン又はチタン合金の焼結体のアルミニウム合金鋳造体に対する熱伝導を抑制するためには、アルミニウム合金の溶湯により鋳造する際に、この溶湯が焼結体に浸透しないようにすることが重要であると考えた。そして、焼結体へのアルミニウム合金溶湯の浸透を抑制するためには、この焼結体に酸化膜を設けることにより溶湯と酸化膜とをテルミット反応させることが良いとの知見を得た。さらに、この酸化膜の膜厚及び焼結体表面に形成される酸化膜の割合を調整することにより、アルミニウム合金鋳造体とチタン合金焼結体との密着強度と、この複合材の断熱性と、を最適にすることができるとの知見を得た。
本発明は、本発明者らが得た上記の新たな知見に基づくものであり、本発明による複合材の製造方法は、チタン又はチタン合金の焼結体の表面の少なくとも一部に10μmから200μmの酸化膜を形成し、少なくとも該酸化膜が形成された前記焼結体の表面を、鋳込んだアルミニウム合金により覆うことを特徴とする。
チタン又はチタン合金の焼結体の表面の少なくとも一部に酸化膜を形成して、アルミニウム合金の溶湯により鋳込む際に、焼結体の酸化膜とアルミニウム合金の溶湯とがテルミット反応し、アルミニウム合金の溶湯が焼結体に浸透することを抑制する。このようにして得られた複合材は、チタンまたはチタン合金焼結体からアルミニウム合金鋳造体への熱伝導性を抑制することができ、チタンまたはチタン合金焼結体のアルミニウム合金鋳造体に対する断熱性が向上する。
また、表面の一部に焼結体の酸化膜を形成しない箇所を設けてもよく、このような箇所を設けることにより、アルミニウム合金の溶湯が焼結体に浸透するので、アルミニウム合金鋳造体とチタン又はチタン合金焼結体との密着強度を高めことができる。この酸化膜を形成しない箇所は、酸化膜の形成後に、この酸化膜を機械加工により除去することにより得てもよく、酸化膜形成前に、焼結体表面が酸化しないように耐火材料を用いてマスキングを施すことにより得ても良い。
このようなチタン又はチタン合金の焼結体の酸化膜により複合材の断熱性が向上すること、及び、この酸化膜の一部除去により焼結体と鋳造体の密着強度が向上すること、を利用して、所望の断熱性及び密着強度を有した複合材を得ることができる。
また、このチタン又はチタン合金の焼結体の酸化膜の膜厚は、10μmから200μmが好ましく、10μm以下であると、焼結体からアルミニウム合金鋳造体への断熱性を確保することが困難であり、また、加熱により200μm以上の焼結体の酸化膜を形成することは容易にできない。そして、この酸化膜を10μmから200μmの範囲において、所定の厚みに調整することにより、チタン焼結体のアルミニウム合金鋳造体に対する断熱性を調整することができる。
好ましい態様としては、本発明に係る複合材の製造方法は、この酸化膜を形成するために、大気中において、750℃から900℃の温度条件で、前記焼結体を、30分間加熱保持する。
このように焼結体を大気中において加熱することにより、大気中の酸素と反応して焼結体の表面に酸化膜を形成することができ、さらに、このような温度及び加熱時間の条件により、上記膜厚範囲の酸化膜を、効率よく形成することができる。
さらに、このような複合材の製造方法によって得られる複合材として、本発明は、チタン又はチタン合金の焼結体の少なくとも一部がアルミニウム合金材で覆われた複合材であって、この複合材は、アルミニウム合金材で覆われた前記焼結体の少なくとも一部の界面に、膜厚が10μmから200μmの前記焼結体の酸化膜を形成していることを特徴とする複合材を開示する。
このように、チタン又はチタン合金の焼結体とアルミニウム合金材との界面に酸化膜を形成することにより、この酸化膜が、チタン又はチタン合金の焼結体からアルミニウム合金材への熱伝導を抑制し、複合材の断熱性を向上させることができる。このアルミニウム合金材は、鋳造体が好ましく、この界面に形成する酸化膜の占有率及び酸化膜の膜厚を調整することにより、所望の密着強度と断熱性を得ることができる。また、焼結体の酸化膜を形成することにより所望の断熱性を確保し、さらに所望の密着強度が確保できるのであれば、アルミニウム合金材が、特に鋳造体に限定されるわけではない。
さらに、本発明に係る複合材は、内燃機関の燃焼室の壁面に用いると好適である。この燃焼室の壁面とは、シリンダ、ピストンなどにより形成される燃焼室の壁面であって、このような壁面に本発明に係る複合材を用いることにより、燃焼室内の温度低下が抑制されて、効率のよい燃料の燃焼が可能となり、HCの排出を低減することができる。
本発明によれば、チタン又はチタン合金の焼結体のアルミニウム合金材への断熱性を向上させるとともに、これらの密着強度を確保することができる。さらに、この焼結体表面に対する酸化膜の割合、及び、酸化膜の厚みを調整することにより、チタン又はチタン合金の焼結体とアルミニウム合金の鋳造体との密着強度及びこの複合材の断熱性を最適にすることができる。
以下に添付の図面を参照して、本発明の複合材およびその製造方法の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る複合材1の製造方法を説明するための図である。
まず、チタン又はチタン合金の粉末を成形後、所定の温度条件により焼結し、図1(a)に示すように、焼結体10を製作する。次に、この焼結体10を、大気圧において、750℃から900℃の範囲における温度条件で、30分間加熱保持をして、図1(b)に示すように、焼結体10の表面に、厚さ10μmから200μmの膜厚範囲となるように酸化膜12を形成する。このときの酸化膜を形成するための温度及び加熱保持時間の条件としては、最短で安定した酸化膜を形成することができることから、上記の条件が好ましいが、10μmから200μmの酸化膜が形成されるのであれば、別の範囲の加熱温度及び加熱保持時間であってもよい。
さらに、図1(c)に示すように、酸化膜12を形成した焼結体10の一部を機械加工により削り取り、酸化膜除去部14を設ける。次に、図1(d)に示すように、この焼結体を鋳型(図示せず)に配置し、焼結体10をアルミニウム合金の溶湯で鋳ぐるみ、アルミニウム合金鋳造体20を鋳造する。さらに、研削加工を施すことにより、図1(e)に示すように、焼結体10とアルミニウム合金鋳造体20の一部を削り、所望の厚さの複合材1を製作する。
このようにして得られた本実施形態に係る複合材1は、複合材1の焼結体10から加熱されたとしても、焼結体10とアルミニウム合金鋳造体20との界面に酸化膜12を設けたことにより、焼結体10からアルミニウム合金鋳造体20への熱伝導を抑制することができ、複合材の断熱性が向上する。また、図1(d)の鋳造時に、アルミニウム合金の溶湯が、酸化膜除去部14に流れ込み、焼結体10の一部にアルミニウム合金の溶湯が浸透し、凝固時に焼結体とアルミニウム合金との密着強度(接合強度)を向上させることができる。さらに、この酸化膜除去部14に流れ込んだ溶湯が凝固して、楔となり、焼結体とアルミニウム合金鋳造体20との密着強度をさらに向上させことができる。
本実施形態を以下の実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
チタン(Ti)、チタン合金(Ti−6Al−4V)粉末を、以下の表1の密度になるように、円板形状(直径30mm、厚さ5mm)に成形後、1200℃の温度条件で1時間真空焼結を行った。そして、この焼結体を900℃の温度条件で大気中に加熱保持し、焼結体の表面に酸化膜を形成させた。さらに、この酸化膜が形成した焼結体をアルミニウム合金(JIS:AC8A)の溶湯で鋳ぐるんだ。
チタン(Ti)、チタン合金(Ti−6Al−4V)粉末を、以下の表1の密度になるように、円板形状(直径30mm、厚さ5mm)に成形後、1200℃の温度条件で1時間真空焼結を行った。そして、この焼結体を900℃の温度条件で大気中に加熱保持し、焼結体の表面に酸化膜を形成させた。さらに、この酸化膜が形成した焼結体をアルミニウム合金(JIS:AC8A)の溶湯で鋳ぐるんだ。
この実施例1の複合材における焼結体とアルミニウム合金との界面の密着状態を確認した。この密着状態を示す指標として、界面接合率を用いた。この界面接合率は、焼結体とアルミニウム合金鋳造体の界面を400倍に拡大して観察し、隙間が認められない部位を接合部とみなして、観察した界面における接合部の長さを界面長さで割った値である。よって、この界面接合率の値が大きいほど、密着状態がよい。
上の表1に示すように、実施例1の複合材の界面接合率は、20%〜30%の範囲であり、焼結体の密度を高くすると、界面接合率は低くなった。また、同程度の焼結体の密度においては、チタンの焼結体に比べチタン合金の焼結体の方が、界面接合率が高かった。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で複合材を製作した。実施例1と異なる点は、酸化膜を形成させる処理を行っていない点である。
実施例1と同様の方法で複合材を製作した。実施例1と異なる点は、酸化膜を形成させる処理を行っていない点である。
(比較例2)
実施例1と同様の方法で複合材を製作した。実施例1と異なる点は、酸化膜の成形後、その酸化膜を機械加工により除去した点である。
実施例1と同様の方法で複合材を製作した。実施例1と異なる点は、酸化膜の成形後、その酸化膜を機械加工により除去した点である。
上の表1に示すように、比較例1の複合材の界面接合率は、70%〜80%程度の範囲であり、比較例2の複合材の界面接合率は、95%以上であり、いずれの複合材も実施例1の複合材の界面接合率に比べて高かった。また、実施例1と同様に、焼結体の密度を高くすると、界面接合率は低くなった。
(評価1)
実施例1と比較例1及び2の結果より、実施例1の如く、焼結体の酸化膜の形成処理をおこなうことにより、アルミニウム合金の鋳造時に、焼結体の酸化膜がアルミニウム合金の溶湯とテルミット反応を起こして、このアルミニウム合金の溶湯が焼結体に浸透しなかった結果、実施例1の複合材は、界面接合率が低くなったと考える。
実施例1と比較例1及び2の結果より、実施例1の如く、焼結体の酸化膜の形成処理をおこなうことにより、アルミニウム合金の鋳造時に、焼結体の酸化膜がアルミニウム合金の溶湯とテルミット反応を起こして、このアルミニウム合金の溶湯が焼結体に浸透しなかった結果、実施例1の複合材は、界面接合率が低くなったと考える。
(実施例2)
焼結体の粉末にチタン合金(Ti−6Al−4V)を用い、実施例1と同様の条件下で、直径30mm、厚さ5mmの円板形状の焼結体(密度4.2g/cm3)を製作し、大気中において、900℃の温度条件で、この焼結体を30分間加熱保持して酸化膜の形成を行った。そして、実施例1と同様の方法により、直径75mm、厚さ12mmの円板形状となるように、アルミニウム合金を用いて焼結体が中央に位置するように鋳ぐるんだ。さらに、複合材の厚さが10mm(鋳ぐるんだ焼結体の厚さが3mm)となるように、機械加工を施した。
焼結体の粉末にチタン合金(Ti−6Al−4V)を用い、実施例1と同様の条件下で、直径30mm、厚さ5mmの円板形状の焼結体(密度4.2g/cm3)を製作し、大気中において、900℃の温度条件で、この焼結体を30分間加熱保持して酸化膜の形成を行った。そして、実施例1と同様の方法により、直径75mm、厚さ12mmの円板形状となるように、アルミニウム合金を用いて焼結体が中央に位置するように鋳ぐるんだ。さらに、複合材の厚さが10mm(鋳ぐるんだ焼結体の厚さが3mm)となるように、機械加工を施した。
(実施例3)
実施例2と同様の方法で複合材を製作した。実施例2と異なる点は、酸化膜の処理を850℃の温度条件下で行った点である。
実施例2と同様の方法で複合材を製作した。実施例2と異なる点は、酸化膜の処理を850℃の温度条件下で行った点である。
(実施例4)
実施例2と同様の方法で複合材を製作した。実施例2と異なる点は、酸化膜の処理を800℃の温度条件下で行った点である。
実施例2と同様の方法で複合材を製作した。実施例2と異なる点は、酸化膜の処理を800℃の温度条件下で行った点である。
(実施例5)
実施例2と同様の方法で複合材を製作した。実施例2と異なる点は、酸化膜の処理を750℃の温度条件下で行った点である。
実施例2と同様の方法で複合材を製作した。実施例2と異なる点は、酸化膜の処理を750℃の温度条件下で行った点である。
この製作した実施例2から実施例5までの複合材の焼結体の酸化膜の膜厚を測定すると共に、水冷したホルダにこれら複合材を固定し、チタン合金の焼結体が露出した面をドライヤーで加熱しながら、放射温度計を用いて温度を測定し、加熱開始から60秒間における昇温速度を求めた。さらに、実施例1と同様に界面接合率も求めた。その結果を下記の表2及び図2に示す。
表2及び図2に示すように、酸化膜の形成を行う際の加熱温度が高くなるに従って、形成された酸化膜の厚みは増加した。また、この酸化膜が厚い複合材は、昇温速度が大きく、界面接合率が低いことがわかった。
(比較例3)
実施例3と同じようにして複合材を製作した。実施例3と異なる点は、酸化膜を形成するための加熱を行っていない点である。
実施例3と同じようにして複合材を製作した。実施例3と異なる点は、酸化膜を形成するための加熱を行っていない点である。
(比較例4)
実施例3と同じようにして複合材を作成した。実施例3と異なる点は、酸化膜を形成後、この酸化膜を除去してから、アルミニウム合金で焼結体を鋳ぐるんだ点である。
実施例3と同じようにして複合材を作成した。実施例3と異なる点は、酸化膜を形成後、この酸化膜を除去してから、アルミニウム合金で焼結体を鋳ぐるんだ点である。
比較例3及び4の複合材は、実施例2から実施例5に比べて昇温速度が小さく、界面接合率が高かった。
(評価2)
上記結果から、酸化膜の膜厚の増加に伴い、昇温速度も増加していることから、酸化膜の膜厚が大きいほど、チタン合金からアルミニウム合金への断熱性が向上すると考えられる。そして、この断熱性を向上させるためには、酸化膜の膜厚を10mmから200mmに形成することが好ましく、膜厚が10mmよりも小さいと効率的な断熱効果を得ることができず、200mm以上の膜厚の酸化膜を加熱により形成することは難しいと考えられる。
上記結果から、酸化膜の膜厚の増加に伴い、昇温速度も増加していることから、酸化膜の膜厚が大きいほど、チタン合金からアルミニウム合金への断熱性が向上すると考えられる。そして、この断熱性を向上させるためには、酸化膜の膜厚を10mmから200mmに形成することが好ましく、膜厚が10mmよりも小さいと効率的な断熱効果を得ることができず、200mm以上の膜厚の酸化膜を加熱により形成することは難しいと考えられる。
さらに、この酸化膜の膜厚の増加に伴い界面接合率が低下することから、チタン合金とアルミニウム合金との密着強度(接合強度)が低下すると考えられる。しかし、界面に形成する酸化膜の占める割合及び膜厚を調整することにより、所望の密着強度を得ることができると考えられる。尚、酸化膜の形成処理を行っていない比較例3の複合材に酸化膜が形成された理由としては、焼結時に加熱したことにより、焼結体の表面に酸化膜が形成されたと推測される。
本発明に係る複合材は、例えば内燃機関などの燃料を燃焼するような過酷な熱環境下において、断熱性を要する機械部材に特に有効である。
1:複合材、10:焼結体、12:酸化膜、14:酸化膜除去部、20:アルミニウム合金鋳造体
Claims (4)
- チタン又はチタン合金の焼結体の少なくとも一部がアルミニウム合金材で覆われた複合材であって、
前記複合材は、前記アルミニウム合金材で覆われた前記焼結体の少なくとも一部の界面に、膜厚が10μmから200μmの前記焼結体の酸化膜を形成していることを特徴とする複合材。 - チタン又はチタン合金の焼結体の表面の少なくとも一部に膜厚が10μmから200μmの酸化膜を形成し、少なくとも該酸化膜が形成された前記焼結体の表面を、鋳込んだアルミニウム合金により覆うことを特徴とする複合材の製造方法。
- 前記酸化膜を形成するために、大気中において、750℃から900℃の温度条件で、前記焼結体を、30分間加熱保持することを特徴とする請求項2に記載の複合材の製造方法。
- 請求項1に記載の複合材を内燃機関の燃焼室の壁面に用いることを特徴とする内燃機関。
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