JP2020012413A - 内燃機関用ピストンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能性焼結材料の紛体をピストンの冠面に均質に分布させて良好な機能性層を形成することができる内燃機関用ピストンの製造法を提供することにある。【解決手段】機能性紛体焼結材を保持し、樹脂、接着剤、または蝋の1つ以上を含む保持剤からなる第1状態の機能性層31を、ピストン冠面に設置する第1状態の機能性層の設置工程S14と、第1状態の機能性層の設置工程の後に実施され、第1状態の機能性層を加熱(S15)して保持剤の体積が第1状態の機能性層よりも減少し、しかも、機能性紛体焼結材が焼結されて機能性焼結体となる第2状態の機能性層を生成する焼結工程S16、S17とを実行してピストン冠面に機能性層を形成する。【選択図】図7

Description

本発明は可燃性燃料を用いて駆動される内燃機関に係り、特に内燃機関用ピストンの製造方法に関するものである。
一般に、内燃機関は、燃焼室に供給されて燃焼される燃料の発熱量の30%〜40%が動力に変換され、残りの50%〜60%は廃熱として外部に放出されるものである。火花点火式内燃機関の場合、その理論サイクルはオットーサイクルであって理論熱効率は60%を超えることが知られている。しかしながら、実際の燃焼サイクルでは様々な損失があり、その熱効率は30%〜40%に留まるものである。
この損失の大きな原因の一つに燃焼室の冷却に伴う損失が挙げられる。この損失は一般的に冷却損失といわれ、内燃機関に供給される燃料の発熱量に対して20%〜30%を占め、これが内燃機関の廃熱の大きな部分を占める。
したがって、内燃機関の燃焼室を理想的に断熱化できれば、つまり、この冷却損失を無くすことができれば、実際の燃焼サイクルをオットーサイクルの理論効率に近づけることができる。このため、燃焼室の断熱性を向上する開発が鋭意行われており、燃焼室の断熱性を向上するには、ピストン冠部の表面(以下、ピストン冠面と表記する)を含む燃焼室内の燃焼ガスからの熱伝達を抑制することが重要である。
例えば、特開2017−101269号公報(特許文献1)においては、ピストン冠面に低熱伝導薄膜を形成して、ピストン冠部からピストンを構成するアルミニウム合金からなる基体の内部に熱が漏れ出すのを極力少なくする試みがなされている。このように、ピストン冠面に低熱伝導薄膜を形成することは、冷却損失を少なくするうえで有効な方法である。尚、この特許文献1においては、低熱伝導薄膜は摩擦撹拌接合や、放電パルス焼結によって形成されている。この低熱伝導薄膜は、アルミニウム紛、マグネシウム紛、鉄紛等の混合紛体を焼結処理して焼結体を形成し、この焼結体をピストン冠面のアルミニウム合金に摩擦撹拌接合、或いは放電パルス焼結によって接合することで形成され、強固な接合を実現できると述べている。
特開2017−101269号公報
ところで、特許文献1にも示されているように、放電プラズマ焼結法(SPS: Spark Plasma Sintering)によって低熱伝導薄膜を形成することが提案されている。放電プラズマ焼結法は、ピストン冠面に低熱伝導薄膜を形成するための金属紛体を載置し、加圧電極によって金属紛体を機械的な加圧とパルス通電による加熱を行い、金属紛体を焼結してピストン冠面に低熱伝導性の焼結薄膜を形成するものである。
このような放電プラズマ焼結法は、金属紛体に対する機械的な加圧と、パルス通電による電磁エネルギーによる自己発熱、及び金属粒子間に発生する放電プラズマエネルギーを焼結の駆動力としている。このような放電プラズマ焼結法によれば、ピストン冠面に100μm程度の低熱伝導性の焼結薄膜を形成することが可能となる。
ここで、良好な低熱伝導性の焼結薄膜を形成するためには、放電プラズマ焼結法を実施する前に、焼結材料である金属紛体をピストン冠面に均質に分布させることが重要である。
そして、最近の内燃機関は直噴式が主流であり、例えば燃焼室に吸入される空気にタンブル流を形成するため、ピストン冠面は凹凸を含む複雑な表面形状に形成されている。このため、焼結材料である金属紛体だけをピストン冠面に薄く均質に分布させることが難しく、ピストン冠面に一様な焼結薄膜を形成する技術が求められている。
尚、上述の例では焼結薄膜の機能として低熱伝導性の焼結薄膜について説明しているが、これ以外に、ピストン冠面の温度の上昇速度を早める機能を有する輻射吸収性の焼結薄膜といった、低熱伝導性以外の機能を有する焼結薄膜を形成することもできるので、以下ではこのような断熱機能、温度上昇機能等を実現する機能性焼結薄膜(以下では、「機能性層」と表記する)として説明を行なう。もちろん、断熱機能、温度上昇機能等の複数の機能を備える機能性層とすることも可能である。
本発明の目的は、機能性焼結材料の紛体をピストン冠面に均質に分布させて良好な機能性層を形成することができる内燃機関用ピストンの製造法を提供することにある。ここで、均質とは完全な均質状態を意味するものではなく、製造上で許容できる薄膜が一様に形成されれば良いものである。
本発明の特徴は、
ピストン本体部が金属材料で形成されており、このピストン本体部がピストン冠部とスカート部を備えたピストンの製造方法であって、
少なくとも、紛体からなる機能性焼結紛体を保持した、樹脂、接着剤、または蝋の1つ以上を含む保持剤からなる第1状態の機能性層を、ピストン冠部の表面であるピストン冠面に形成する機能性層の設置工程と、
機能性層の形成工程の後に実施され、第1状態の機能性層を加熱して保持剤の体積を第1状態の機能性層よりも減少し、且つ機能性焼結紛体を焼結してピストン冠面に第2状態の機能性層を形成する焼結工程とからなる、
内燃機関用ピストンの製造方法にある。
本発明によれば、保持剤により機能性焼結紛体をピストン冠面に均質に保持させることで、ピストン冠面の形状に倣った機能性層の形成を容易にすることができる。
ピストン本体部の一般的な構成を示す断面図である。 放電プラズマ焼結装置の構成を示す構成図である。 本発明のピストンの製造方法における、「第1状態の機能性層」を形成する工程を説明する説明図である。 本発明のピストンの製造方法における、「第1状態の機能性層」から「第2状態の機能性層」に移行する過程を説明する説明図である。 本発明のピストンの製造方法における、図4に続く「第1状態の機能性層」から「第2状態の機能性層」に移行する過程を説明する説明図である。 本発明のピストンの製造方法における、「第2状態の機能性層」が形成された状態を説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態になるピストンの製造方法の製造工程を説明する工程図である。 図7に示す機能性焼結紛体を分散した保持剤の生成処理工程を説明する説明図である。 図7に示すピストン本体の設置処理工程を説明する説明図である。 図7に示す機能性焼結紛体を分散した保持剤の投入処理工程を説明する説明図である。 図7に示す所定沈降時間を経過した後の保持剤の加熱処理工程を説明する説明図である。 図7に示す機能性焼結紛体の加圧処理工程、及び機能性焼結紛体の通電処理工程を説明する説明図である。 図7に示すピストンを取り出す完成工程を説明する説明図である。 本発明の第2の実施形態になるピストンの製造方法を説明する説明図である。 本発明の第2の実施形態の第1の変形例を説明する説明図である。 本発明の第2の実施形態の第2の変形例を説明する説明図である。 本発明の第2の実施形態の第3の変形例を説明する説明図である。 本発明の第2の実施形態の第4の変形例を説明する説明図である。 本発明の第3の実施形態になるピストンの製造方法を説明する説明図である。 図19に示す実施形態の機能性焼結紛体の加圧処理工程、及び機能性焼結紛体の通電処理工程を説明する説明図である。 本発明の第4の実施形態になるピストンの製造方法で、保持剤を塗布する工程を説明する説明図である。 図21に続き、機能性焼結紛体を塗布する工程を説明する説明図である。 図22に示す機能性焼結紛体の加圧処理工程、及び機能性焼結紛体の通電処理工程を説明する説明図である。 本発明の第5の実施形態になるピストンの製造方法で、上型電極金型の電極面に保持剤をディップによって塗布する工程を説明する説明図である。 図24に続き、上型電極金型の電極面の保持剤にディップによって機能性焼結紛体を塗布する工程を説明する説明図である。 図25に示す機能性焼結紛体の加圧処理工程、及び機能性焼結紛体の通電処理工程を説明する説明図である。 本発明の第5の実施形態の第1の変形例を説明する説明図である。 本発明の第5の実施形態の第2の変形例を説明する説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
先ず、内燃機関に使用される一般的なピストン本体部の構成について、図1に基づき説明する。尚、図1に示すピストン本体部の冠面は平坦状に形成されている。
ピストン本体10は、アルミニウム合金からなる鋳造品であり、全体が一体に形成されている。このピストン本体部10は、図示しないシリンダブロックに形成されたシリンダ(図示せず)に摺動可能に収容される。ピストン本体部10は、比較的に厚肉に形成された円盤状の冠部11と、冠部11の裏面側に一体に設けられ、シリンダ壁面に対して摺動可能なスカート部12が形成されている。このスカート部12は一対のスカート部12a、12bを有している。また、スカート部12a、12bの間には、クランクシャフトに係合されたコネクティングロッドと連結するピストンピンが挿通されるピストンピン孔13が形成されている。
ピストン本体10の冠部11は、表面側に内燃機関の燃焼室(図示せず)の一部を構成するピストン冠面14を有するとともに、外周にピストンリング(図示せず)が装着される環状の3つのリング溝15が形成されている。3つのリング溝15のうち、ピストン冠面14側の第1リング溝15a及び第2リング溝15bには、それぞれコンプレッションリング(図示せず)が装着される。3つのリング溝15のうち、冠部11の裏面側の第3リング溝15cには、オイルリング(図示せず)が装着される。
ピストン本体10の冠部11のピストン冠面14とは反対側に位置する各スカート部12a、12bは、図1に示すように、ピストン中心軸を中心とした左右の対称位置に配置されている。スカート部12a、12bは、略全体が比較的薄肉に形成された壁部であり、全体の外周面は円弧状に形成されている。スカート部12は、ピストン周方向に沿った幅がピストン軸方向で下方側に向かって、徐々に幅狭となるように形成されている。
以上のような構成を有するピストンにおいては、ピストンの冠部11のピストン冠面14には機能性焼結層が形成される。この機能性焼結層は上述したように断熱機能や温度上昇機能を備えた薄膜として形成される。そして、この薄膜は放電プラズマ焼結法によって形成され、良好な機能性焼結層を形成するためには、放電プラズマ焼結法を実施する前に、機能性焼結層を生成する機能性焼結紛体をピストン冠面14に均質に分布させることが重要である。
ところで、上述したように最近の内燃機関は直噴式が主流であり、例えば、燃焼室に吸入される空気にタンブル流を形成するため、ピストン冠面14は凹凸を含む複雑な表面形状に形成されている。このため、機能性焼結紛体だけをピストン冠面14に均質に分布させることが難しいという課題がある。
更に、上述した課題の他に、ピストン冠面14が鋳肌の場合には、ピストン冠面14と組み合わされる上型電極金型の電極面の形状精度に誤差が生じ、薄膜レベルの膜厚では上型電極金型の電極面が機能性焼結紛体に接触しない場所が存在し、これも良好な焼結薄膜を得る上で課題となる場合もある。
以上のようなことから、少なくとも、ピストン冠面14が凹凸を含む複雑な表面形状に形成されている場合においては、機能性焼結紛体をピストン冠面14に均質に分布させることが要請されている。
そこで、本発明の本実施形態では、少なくとも、紛体からなる機能性焼結紛体を保持した保持剤をピストン冠部の表面であるピストン冠面に載置し、機能性焼結紛体がピストン冠面に堆積するように保持剤を加熱して除去し、且つ堆積した機能性焼結紛体を焼結してピストン冠面に機能性焼結層を形成する処理工程を実行するようにした。以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
先ず、本実施形態の基本的な考え方について、図2〜図6を用いて説明する。ここで、図2は放電プラズマ焼結を実行するための放電プラズマ焼結装置の構成を示し、図3は、焼結される前の機能性未焼結層(請求項でいう第1状態の機能性層)を示し、図4、図5は、機能性未焼結層から焼結処理された機能性焼結層(請求項でいう第2状態の機能性層)に移行する過程の機能性未焼結層を示し、図6は、焼結処理された機能性焼結層を示している。
図2に示すように、放電プラズマ焼結装置20は、機能性未焼結層(焼結紛体)を収容する収容部21と、収容部21を収容する真空チャンバ22と、収容部21に収容された機能性未焼結層(焼結紛体)を加圧すると共に、加圧された機能性未焼結層(焼結紛体)を焼結するためのエネルギーを供給する通電加圧焼結部23とを備えている。
収容部21は、ピストン本体部10、上型電極金型24、及び機能性未焼結層(焼結紛体)を収納するダイ25を備えている。上型電極金型24は、ダイ25の貫通孔の一端からダイ25の内部に挿入され、ピストン本体部10は、ダイ25の貫通孔の他端からダイ25の内部に挿入されている。ダイ25の貫通孔内に収容された機能性未焼結層(焼結紛体)は、上型電極金型24を図中の下方向に移動させることにより、加圧される。本実施形態では、通電加圧焼結部23によって、上型電極金型24が加圧されて図中下方向に移動される。
通電加圧焼結部23は、上型電極金型24の上方に配される上部電極26と、ピストン本体部10の下方に配される下部電極27と、上部電極26を図中上下方向に移動させ、上部電極26が上型電極金型24と当接したときに、上部電極26に加圧動作を行わせる加圧部28と、上部電極26と下部電極27との間にパルス電流を流すパルス電源ユニット29と、加圧部28およびパルス電源ユニット29を制御する制御ユニット30とを備えている。
次に、本実施形態の製造工程について説明する。まず、ダイ25の貫通孔内にピストン本体部10を収容し、ピストン冠面14の上に機能性未焼結層(焼結紛体)を配置して上型電極金型24を収納する。そして、上型電極金型24を用いて、機能性未焼結層(焼結紛体)を加圧する。次に、上型電極金型24及びピストン冠面14で機能性未焼結層(焼結紛体)を挟持した状態で、ピストン本体部10を下部電極27に当接させた後、真空チャンバ22内を所定の圧力以下となるように排気する。尚、排気の代わりに不活性ガスを充填することも可能である。
次に、上部電極26を図中下方に移動させて上部電極26と上型電極金型24とを当接させ、加圧部28により上部電極26を加圧しながら、パルス電源ユニット29を駆動し、上部電極26と下部電極27との間にパルス電流を通電する。パルス電流の通電に伴って、機能性未焼結層(焼結紛体)の温度は上昇する。機能性未焼結層(焼結紛体)の温度が所定温度以上になったら、加圧部28により上部電極26を加圧する圧力を小さく変更し、機能性未焼結層(焼結紛体)の温度が更に高い所定温度となるように、引き続き上部電極26と下部電極27との間にパルス電流の通電を継続する。
機能性未焼結層(焼結紛体)にパルス通電を行うことにより、機能性未焼結層(焼結紛体)の金属粒子同士が接触する接触部にパルス電流が流れ、この接触部にジュール熱が発生することにより、接触部で接触する粒子同士が融着される。尚、パルス電流の値は、制御ユニット30によって、目標とする温度となるような値に調整されている。
このような方法によって、ピストン冠面14に、機能性未焼結層から機能性焼結層が形成される。したがって、これからわかるように、機能性焼結紛体をピストン冠面14に均質に分布させることが重要である。
次に、機能性焼結紛体をピストン冠面14に均質に分布させて機能性焼結層を形成する本発明の基本的な考え方について説明する。尚、以下の説明は、ピストン本体部10をダイ25に収納した状態からの製造工程を示している。
図3において、ピストン冠部11のピストン冠面14と、上型電極金型24の電極面32の間には、機能性未焼結層31が収納、設置されている。ここで、上型電極金型24は、機能性未焼結層31にパルス通電して放電プラズマ焼結を行なうものであるが、上型電極金型24を上型金型と電極金型に分離し、上型金型で第1状態の機能性層である、機能性未焼結層の形成を行い、その後に上型金型を電極金型に置き換えて放電プラズマ焼結を行なうことも可能である。
本実施形態は、図3に示すように、ピストン冠面14と上型電極金型24の電極面32の間に、機能性未焼結層31が収納、設置される。ピストン冠面14と上型電極金型24の電極面32の形状は、相補的な形状とされ、ピストン冠面14と電極面32を突き合せた場合は、相互に密着できる形状に形成されている。したがって、この相補的な形状に倣って、機能性焼結紛体が分布されることになる。これについては後述する。
機能性未焼結層31は、保持剤33の内部に機能性焼結紛体34が分散されて存在している。保持剤33は常温、或いは加熱状態で流動性または粘性(液状化、ペースト状を含む)を有しており、ピストン冠面14の形状に沿って存在することができる。このため、ピストン冠面14が凹凸を有する複雑な形状であっても、ピストン冠面14の形状に倣って保持剤33は流動することができる。
また、保持剤33と機能性焼結紛体34は所定の混合比で混合されており、この混合比と、ピストン冠面14と電極面32の間の間隔によって機能性焼結紛体34の量が概ね決められる。機能性焼結紛体34の混合割合が大きいほど多くの機能性焼結紛体34が存在し、同様にピストン冠面14と電極面32の間の間隔が大きいほど多くの機能性焼結紛体34が存在する。したがって、機能性焼結紛体34によって形成される機能性焼結層の厚さは、保持剤33と機能性焼結紛体34の混合比、及び/又はピストン冠面14と電極面32の間の間隔によって、概ね決めることができる。
ここで、保持剤33は上述したように、常温、或いは加熱状態で流動する流動特性を備えると共に、熱によって蒸発、或いは熱分解、或いは燃焼の1つ以上の状態変化を経て体積が減少する特性を備えている。したがって、後述する焼結工程の前での加熱、或いは焼結工程による加熱によって、保持剤33の体積を減少させ、ピストンが内燃機関に搭載されるときの保持剤33の残存量を少なくすることができる。
例えば、保持剤33が残ったまま、内燃機関に搭載されて運転されると、内燃機関の燃焼工程において、保持剤33が燃焼して煤の発生や、排ガス性能の低下を招く恐れがある。尚、保持剤33の全てが熱分解、或いは燃焼、或いは蒸発する必要はなく、一部が残存しても良いことはいうまでもない。
このような物理的特性を備える保持剤33としては、樹脂、ワックス(蝋)、粘性液体、接着剤等を使用することができる。例えば、樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアセタール(POM)、カルボキシ変性ポリオレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩酢ビ共重合樹脂、ビニルアルコール樹脂、ブチラール樹脂、フッ化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、アクリロニトリル樹脂、ニトロセルロース樹脂等を使用することができ、またワックス(蝋)としては、パラフィンワックス(以下、パラフィンと表記する)、ポリエチレンワックス、ワックス、タール、にかわ、ウルシ、松脂、ミツロウ等を使用することができる。粘性液体としてはアルコール類、グリセリン、導電ポリマー等を使用することが出来る.尚、本実施形態では、パラフィンとして固形パラフィンを使用する。
また、機能性焼結紛体34は、必要とされる機能を得ることができる材料が使用されるが、機能性焼結材料として単一の金属紛に限らず、複数種類の金属紛やセラミック紛、或いは金属紛とセラミック紛の混合紛体を使用することができる。
例えば、アルミニウム合金(AL−Mg系)の紛体、ジルコニア、チタン、シリコン、セラミック等の紛体等を単一、或いは混合して使用することができる。また、場合によっては上述した紛体を接合する補助剤を混合することもできる。
したがって、機能性焼結紛体34は、ピストン本体部10の金属材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する機能性材料を添加することで、より低い熱伝導率を有する機能性焼結層を得ることができる。よって、内燃機関の運転時における冷却損失を低減することができる。
本実施形態では、保持剤33として固形パラフィンを使用し、機能性焼結紛体34として、AL−Mg系のアルミニウム合金の紛体を使用している。AL−Mg系のアルミニウム合金の紛体を使用するのは、ピストン冠面14の断熱性を向上する目的のためである。もちろん、これ以外の機能を得るために他の材料を選択することもできることはいうまでもない。
そして、固形パラフィンを融点以上の所定温度に加熱し、固定パラフィンを溶融して流動化、或いは液状化している。ここで、固形パラフィンは100℃以下で溶融するので、取り扱いが容易であるという長所を有している。
このように、保持剤である溶融パラフィン33は、後述する焼結工程における加熱温度より低い温度で溶融するため、溶融パラフィン33の流動性を向上させ、ピストン冠面14に倣った機能性未焼結層31を形成することができる。そして、この溶融したパラフィン33に、AL−Mg系のアルミニウム合金の紛体34を混合して、溶融パラフィン33にアルミニウム合金の紛体34が分散、望ましくは均質に分散するように撹拌する。
尚、本実施例では、固定パラフィンを加熱することにより流動化、或いは液状化しているが、固定パラフィンの配合量を調整、または保持剤33を別の材料に変更することにより、常温状態において、流動性または粘性を有する保持剤33を用いるようにしてもよい。
次に、図3に示すように、このアルミニウム合金の紛体34を保持した溶融パラフィン33を、ピストン冠面14の表面に流しこむことで、ピストン冠面14の形状に倣って溶融パラフィン33が充填される。更に、溶融パラフィン33の充填が完了すると、上型電極金型24が溶融パラフィン33の上面に載置される。尚、この図3の状態では、ピストン冠面14、上型電極金型20、溶融パラフィン33は、固形パラフィンの融点以上の所定温度(90〜100℃)に維持され、溶融パラフィン33は流動性を保持しているので、アルミニウム合金の紛体34は自由に移動可能な状態に維持されている。
図3に示すように、この状態で所定の沈降時間だけ放置しておくと、アルミニウム合金の紛体34は、溶融パラフィン33の中を重力によってピストン冠面14の側に沈降していき、図4に示すように、ピストン冠面14の全体に亘って均質に所定の膜厚になるように堆積される。これによって、溶融パラフィン33とアルミニウム合金の紛体34とが分離される。尚、紛体の粒子は所定時間内に重力によって沈降することができる大きさに決められている。
このように、ピストン冠面14の形状に倣って、アルミニウム合金の紛体34がピストン冠面14の全体に亘って膜状に均質に分布される。したがって、ピストン冠面14が複雑な形状であっても、アルミニウム合金の紛体34を均質に分布させることができる。
次に図4の状態においては、溶融したパラフィン33は電気絶縁性を有しているので、このままの状態ではパルス通電ができない。このため、図4に示す状態で、外部加熱によって溶融パラフィン33の温度を更に高くする工程を実行する。一般的にパラフィンは320℃付近の温度が沸点となっているので、外部加熱によって320℃以上に加熱して、溶融したパラフィン33を蒸発させれば、溶融パラフィン33の体積を減少することができる。つまり、溶融パラフィン33を蒸発させて消失、除去することができ、結果的にピストン冠面14の表面に、アルミニウム合金の紛体34が残留することになる。
したがって、溶融パラフィン33を蒸発させて、上型電極金型24を下降させれば、図5に示すように、上型電極金型24とアルミニウム合金の紛体34を接触することができる。これによって、上型電極金型24、アルミニウム合金の紛体34、及びピストン冠面14の間で電気的な回路が形成されることになる。この状態で、上型電極金型24を加圧しながら、上型電極金型24とピストン本体部10の間にパルス電流を通電する。
パルス電流の通電に伴って、アルミニウム合金の紛体34の夫々が接触する接触部にパルス電流が流れ、この接触部にジュール熱や放電プラズマによる熱が発生することにより、アルミニウム合金の紛体34の温度は上昇し、接触部で接触する紛体同士が融着されて焼結層が形成される。このような方法によって、ピストン冠面14に機能性未焼結層(第1状態の機能性層)から機能性焼結層(第2状態の機能性層)が形成される。
このような放電プラズマ焼結によって、ピストン冠面に100μm程度の低熱伝導性の焼結薄膜を均質に形成することができる。尚、放電プラズマ焼結による焼結工程で生じる温度は極めて高いので、残存していた溶融パラフィン33は、容易に揮発されてほとんど残存することはない。
そして、図5に示すパルス電流の通電によって、アルミニウム合金の紛体34が焼結されると、図6に示すように、ピストン冠面14上に機能性焼結層35が形成される。この機能性焼結層35は、図3〜図5に示してある均質な機能性未焼結層31から形成されているので、機能性焼結層35も均質な焼結薄膜とすることができる。機能性焼結層35が形成されると、上型電極金型24を上昇させてピストン本体部10を取り出せば、本実施形態のピストンが得られることになる。
機能性焼結層35は、溶融パラフィン33を蒸発させて焼結されているため、空隙、或いは空孔が形成されており、この空隙や空孔によって機能性焼結層35は熱伝導率が減少されるので、内燃機関の運転時における冷却損失を低減することができる。
以上述べたように、本発明の実施形態によれば、少なくとも、紛体からなる機能性焼結紛体を保持した保持剤をピストン冠部の表面であるピストン冠面に配置し、機能性焼結紛体がピストン冠面に堆積した状態で機能性焼結紛体を保持した保持剤を加熱して保持剤を除去し、且つ堆積した機能性焼結紛体を焼結してピストン冠面に機能性焼結層を形成する処理工程を実行するようにしている。
これによれば、複雑な表面形状を有するピストン冠面であっても、機能性焼結紛体をピストン冠面に均質に保持させることで、ピストン冠面の形状に沿った焼結薄膜を形成することができる。
尚、上述した実施例においては、図3及び図4に示すように、所定の沈降時間を設定することで、アルミニウム合金の紛体34をピストン冠面14に堆積させ、このアルミニウム合金の紛体34が堆積された状態で溶融パラフィン33を蒸発させて、アルミニウム合金の紛体34の未焼結層を形成している。
一方、沈降時間を設定しないで行うことも可能である。つまり、図3に示す状態で、溶融パラフィン33を加熱して蒸発させながら、上型電極金型24を下降して加圧していくと、残留しているアルミニウム合金の紛体34が上型電極金型24の下降に合せて徐々にピストン冠面14に堆積していく。
そして、所定の膜厚に達すると、パルス通電を行なってアルミニウム合金の紛体34を加熱して焼結することで、ピストン冠面14に機能性焼結層35を形成することができる。この方法によれば、溶融パラフィン33の除去とアルミニウム合金の紛体34の堆積を同時に行えるので、製造時間を短縮できる効果が得られる。
ここで、溶融パラフィン33は絶縁性を備えているが、これに導電性の紛体を混入することで、放電プラズマ焼結のためのパルス通電を容易にすることができる。この導電性の紛体は、マグネシウムとアルミニウムの合金化合物である「マグナリウム」の紛体を使用することができる。マグナリウムの紛体は低い温度で溶融するので、早期にパルス通電の導通を図ることができる。例えば、500℃付近の温度にすると溶融パラフィン33は既に蒸発し、マグナリウムも溶融してアルミニウム合金の紛体34の隙間に浸入していくので、容易にパルス通電のための導通を得ることができる。
更に、より好ましい導電性の紛体として、有機物を蒸し焼きして炭化させた、いわゆる「炭」の粉体を使用することができる。例えば、木材、竹材、椰子殻等の植物由来の炭を紛体にしてパラフィンに混合することで、パラフィンが蒸発した後、或いは蒸発する前に早期に電気導通が得られ、また、パルス通電で発生する高温で焼却されてしまうので、良好な機能性焼結層35を得ることができる。尚、マグナリウムや炭を予め混入し、溶融パラフィン33の蒸発過程でパルス通電を行い、この過程の途中で電気的な導通が成立した時点から焼結を開始することも可能である。
次に、本実施形態の具体的なピストンの製造工程について、図7〜図13を用いて説明する。図7は製造工程の全体を示しており、図8〜図13はこの製造工程の詳細を示している。以下、図7の全体の製造工程の説明に合せて、夫々の製造工程を図8〜図13を用いて補足しながら説明する。
≪処理工程S10、S11≫
先ず、図7の処理工程S10においては、ピストン本体を鋳造処理によって形成する。次に、処理工程S11においては、ピストン冠面14、冠部11、スカート部12の一次機械加工を実施する。尚、精密なバイキャストによる鋳造ができれば、この一次機械加工処理を省略することができる。
≪処理工程S12≫
上述の処理と並行して、処理工程S12においては、機能性焼結紛体34を保持剤33に混入して撹拌し、機能性焼結紛体33が分散した保持剤33を生成する。ここで、上述したように、保持剤33は固形パラフィンであり、機能性焼結紛体34はアルミニウム合金の紛体である。
図8にあるように、容器40には固形パラフィンが投入され、ほぼ100℃の温度に保たれているので、固定パラフィンは溶融して溶融パラフィン33となっている。この溶融パラフィン33に、アルミニウム合金の紛体34を所定の割合で投入、撹拌して、アルミニウム合金の紛体34を溶融パラフィン33に分散させる。次に、このアルミニウム合金の紛体34が分散された溶融パラフィンを、放電プラズマ焼結に適した形状に調整する。
例えば、液状のまま使用するのであれば、ほぼ100℃の恒温容器41に、アルミニウム合金の紛体34が分散された溶融パラフィン33を移し替えることで使用することができる。
また、アルミニウム合金の紛体34が分散された溶融パラフィン33の温度を低下させて、液状から流動性を有するように柔らかくし、これを薄く延ばしてピストン冠面14の表面形状に沿った形状に打ち抜き、更に温度を低下させて固形パラフィンのシート42の形態にして使用することができる。更には、アルミニウム合金の紛体34が分散された溶融パラフィン33の温度を低下させて、柔らかくしたブロック43の形態にして使用することができる。更に、溶融パラフィン33が粘性を有するペースト状となるように固定パラフィンの配合量、または溶融パラフィンの温度を調整したものを用いることもできる。
このように固形状にすると、シート42、或いはブロック43の形状の保持剤33をピストン冠面14に載置することで、ピストン冠面14の上に機能性未焼結層31を設置することができ、作業性が良いという効果がある。尚、シート42を使用する例を実施例2で説明し、ブロック43を使用する例を実施例3で説明する。
≪処理工程S13≫
図7に戻り、処理工程10〜S12の処理が完了すると処理工程S13の処理が実施される。処理工程S13においては、図2に示す放電プラズマ焼結装置に、一次機械加工処理が終了したピストン本体部11の設置処理を行なう。図9に示すように、ダイ25の収納部25Hに、ピストン本体部10のピストン冠面14が上側になるようにしてピストン本体部10を収納する。尚、ダイ25の上端側は内径が大きい径大部25Bが形成されており、後述する上型電極金型24の外周との間で隙間が形成される構成とされている。
≪処理工程S14≫
処理工程S13で、放電プラズマ焼結装置にピストン本体部11の設置処理が終了すると、処理工程S14において、図10に示しているように、アルミニウム合金の紛体34が分散された溶融パラフィン33を恒温容器41から、ピストン冠面14の表面に移し替える投入処理を行なう。ここで、投入される溶融パラフィン33は、恒温容器41に貯留されている液状のものである。尚、図8に示したシート42、ブロック43を使用する場合は、この処理工程で溶融パラフィン33とする必要がある。
いずれにしても、ピストン冠面14の表面に存在するパラフィン33は溶融状態にすることが必要であり、このため、固形パラフィンの融点温度以上(ほぼ100℃)の温度に保持されている。これによって、複雑な形状のピストン冠面14に均質な機能性未焼結層31を形成する準備をおこなう。
アルミニウム合金の紛体34が分散された溶融パラフィン33を、ピストン冠面14の表面に移し替える投入処理を終了すると、図11に示す上型電極金型24を下降させて、所定の厚さの溶融パラフィン33の層となるように設定する。この場合、ピストン冠面14と上型電極金型24の電極面32は、相補的な形状となっているので、溶融パラフィン33の層もこれに倣った形状となっている。尚、余剰の溶融パラフィン33は、ダイ25の径大部25Bの内周と上型電極金型24の外周の隙間から排出される。
そして、所定の沈降時間が経過するまでこの状態を維持する。所定の沈降時間が経過すると、アルミニウム合金の紛体34は、溶融パラフィン33の中を重力によってピストン冠面14の側に沈降していき、図4に示すように、所定の膜厚になるように堆積される。
これによって、溶融パラフィン33とアルミニウム合金の紛体34とが分離され、ピストン冠面14の形状に倣って、アルミニウム合金の紛体34が膜状に均質に分布される。したがって、ピストン冠面14が複雑な形状であっても、アルミニウム合金の紛体34を均質に分布させることができる。
≪処理工程S15、S16≫
所定の沈降時間が経過すると、処理工程S15においては、アルミニウム合金の紛体34が分散された溶融パラフィン33を蒸発させるために、パラフィンの沸点温度付近より高い温度で加熱する。本実施形態では、外部加熱によって溶融パラフィン33の温度を更に高くしている。
一般的に、パラフィンは320℃付近の温度が沸点となっているので、外部加熱によって320℃以上に加熱して、溶融したパラフィン33を蒸発させて除去している。尚、蒸発した溶融パラフィン33のガスは、ダイ25の径大部25Bの内周と上型電極金型24の外周の隙間から排出される。
パラフィン33が蒸発すると、上型電極金型24によって堆積されたアルミニウム合金の紛体34を加圧して、放電パルス焼結を実施できる状態とする。尚、上述したように、加圧しながらパラフィンを蒸発させることができるので、上述した沈降時間を設定せずに、処理工程S15、S16を実行することも可能である。
≪処理工程S17≫
処理工程S16では、図12に示すように、堆積されたアルミニウム合金の紛体34を加圧した状態を維持しながら、上型電極金型24からピストン本体部10に向かって、パルス通電を実施して焼結処理を実行する。パルス電流の通電に伴って、アルミニウム合金の紛体34の夫々が接触する接触部にパルス電流が流れ、この接触部にジュール熱や放電プラズマによる熱が発生することにより、アルミニウム合金の紛体34の温度は上昇し、接触部で接触する紛体同士が融着されて低熱伝導性の機能性焼結層35が形成される。
ここで、処理工程17においては、堆積されたアルミニウム合金の紛体34を加圧した状態を維持しながら、上型電極金型24からピストン本体部10に向かって、パルス通電を実施して焼結処理を実行している。このため、焼結時における加圧力は比較的大きな力を必要としない。
よって、アルミニウム合金の紛体34とは別の機能性紛体を添加する場合、この別の機能性紛体の変形を抑制することができる。例えば、別の機能性紛体として、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の中空構造を形成した材料では、内部の空孔を維持することができ、機能性を保持できる。また、パラフィン33(保持剤)の減少した後に形成される焼結層の空隙をより多く残すことができる。
≪処理工程S18≫
パルス通電によって機能性焼結層35が形成されると、図13に示しているように、上型電極金型24を上側に移動させて、ピストン本体10を取り出せば、100μm程度の低熱伝導性の焼結薄膜を均質に形成されたピストン冠面を備えるピストンを得ることができる。
ここで、処理工程14〜処理工程17を実施すると、機能性焼結層35に機械加工を施さなくても、充分な機械寸法精度を得ることができる。これによって、機能性焼結層35に対し、仕上げ加工となる二次機械加工を施さないことで、ピストンの製造工程の簡素化を図ることができる。
また。機能性焼結層35の平均厚さは、ピストン本体部10の製造寸法誤差よりも大きく設定されている。つまり、ピストン本体部10は、鋳造によって形成され、製造寸法誤差を含む。場合によっては、所望の寸法、形状を得るために、ピストン本体部10に二次機械加工を施す必要がある。したがって、機能性焼結層35の平均厚さを、ピスト本体部10の製造寸法誤差よりも大きくすれば、機能性焼結層35の厚さの調整により、ピストン本体部10の製造寸法誤差を吸収することができる。よって、ピストン本体部10に二次機械加工を施すことなく、所望の寸法で形成された最終製品としてのピストンを得ることができる。
以上述べたように、本実施形態によれば、紛体からなる機能性焼結紛体を保持した保持剤をピストン冠部の表面であるピストン冠面に載置し、機能性焼結紛体がピストン冠面に堆積するように保持剤を加熱して除去し、且つ堆積した機能性焼結紛体を焼結してピストン冠面に機能性焼結層を形成する処理工程を実行するようにした。
これによれば、保持剤により機能性焼結紛体をピストン冠面に均質に保持させることで、ピストン冠面の形状に沿った良好な機能性層の形成を容易にすることができる。
また、本実施形態によれば、保持剤は、加熱工程、及び又は焼結工程において、熱分解、燃焼、または蒸発する材料であることを特徴としている。加熱工程、及び又は焼結工程における加熱によって、保持剤の体積を減少させ、ピストンが内燃機関に搭載されて運転されているときの保持剤の残存量を少なくすることができる。
また、本実施形態によれば、焼結工程は、第1状態の機能性層(機能性未焼結層)に上型電極金型を当接させ、パルス通電することで機能性焼結紛体を焼結させる工程であることを特徴としている。これによれば、パルス通電によって第2状態の機能性層(機能性焼結層)を形成するため、焼結時において、第1状態の機能性層の加圧に比較的大きな力を必要としない。よって、第1状態の機能性層に別の機能性材料を添加する場合、この別の機能性材料の変形を抑制することができる。例えば、別の機能性材料として中空構造を備える材料を用いる場合、中空構造を維持することができる。また、保持剤の体積が減少した後に形成される機能性焼結層の空隙をより多く残すことができる。
また、本実施形態によれば、機能性焼結層は、保持剤の体積の減少に伴う空隙を有することを特徴としている。空隙が機能性焼結層の熱伝導率を低下させ、内燃機関の運転時における冷却損失を低減することができる。
また、本実施形態によれば、保持剤は、融点が摂氏100℃以下の材料であることを特徴としている。保持剤は、焼結工程における焼結温度より低い温度で溶融するため、保持剤の加熱時において保持剤の流動性を向上させ、ピストン冠面に倣った機能性未焼結層を形成することができる。
また、本実施形態によれば、保持剤は、パラフィンワックスであることを特徴としている。パラフィンワックスは加熱工程、及び又は焼結工程における加熱により、容易に揮発させることができる。
また、本実施形態によれば、焼結工程の後に、第2状態の機能性層に対して機械加工を施さないことを特徴としている。これによれば、第2状態の機能性層に対し、仕上げ加工となる機械加工を施さないことで、ピストンの製造工程の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、ピストン本体部は、鋳造によって形成されており、第2状態の機能性層の平均厚さは、ピストン本体部の製造寸法誤差よりも大きいことを特徴としている。第2の状態の機能性層の平均厚さは、ピストン本体部の製造寸法誤差よりも大きいため、第2状態の機能性層の厚さの調整により、ピストン本体部の製造寸法誤差を吸収することができる。よって、ピストン本体部に機械加工を施すことなく、所望の寸法で形成された最終製品としてのピストンを得ることができる。
次ぎに、本発明の第2の実施形態について、図14〜図16を用いて詳細に説明する。第1の実施形態では、アルミニウム合金の紛体34を混入した液状の溶融パラフィン33を使用しているが、第2の実施形態では、図8に示しているアルミニウム合金の紛体34を混入した固形状のパラフィンのシート42を使用している点で異なっている。
図14において、ピストン冠面14には、図8で示したアルミニウム合金の紛体34を混入した固形状のパラフィンのシート42が載置されている。この固形状のシート42は、ピストン冠面14に載置されて100℃程度の温度まで加熱される。そして、図10に示すように、アルミニウム合金の紛体34が均質に混入した溶融パラフィン33となる。これの後の処理工程は図11〜図13に示した処理工程と同じであるので、説明は省略する。
このように、機能性焼結紛体であるアルミニウム合金の紛体34を分散させた、固形状のパラフィンのシート42を形成してピストン冠面14に載置することで、第1状態の機能性層の設置工程を行うことができるため、作業性が良いという効果がある。また、アルミニウム合金の紛体(機能性焼結紛体)34をパラフィン(保持剤)33に保持させる工程が、ピストン冠面14の上で行われないため、アルミニウム合金の紛体(機能性焼結紛体)34が均質に分布したシート42の形成が容易となる効果がある。
また、図15に示しているように、機能性焼結層35(図6参照)の膜厚を調整するためにシート42を必要な枚数(複数)を重ね合せて用いることもできる。これによれは、シート42の枚数を適切に選ぶことで、簡単に膜厚調整が可能となる。
また、図16に示すように、ピストン冠面14の特定の領域に対して膜厚を厚くするため、部分的にシート42を複数枚だけ重ね合せることができる。この場合、シート42のピストン冠面14における分布等を自由に設定することができる。
更に、図17に示すように、異なった機能を備えるシート、例えば、断熱性に優れたシート42Aを用いて断熱性焼結層を形成し、輻射吸収性に優れたシート42Bを並べて配置して輻射吸収性層を形成することもできる。このように異なった機能性焼結層を形成できるので、新たな作用、効果が期待できる。例えば、低温始動時に、燃焼によって輻射吸収性層によって温度が高くなるのが促進でき、この部分に燃料を噴射して燃料の揮発性を向上することができる。
また、図18に示すように、例えば、断熱性に優れたシート42Aを用いて断熱性焼結層を形成し、このシート42Aに輻射吸収性に優れたシート42Bを重ね合せて輻射吸収性層を形成することもできる。このように異なった機能性焼結層を重ねて形成できるので、新たな作用、効果が期待できる。例えば、燃焼によって輻射吸収性層によって温度が高くなるのを促進でき、更に輻射吸収性層からの熱を断熱性焼結層で断熱することで、冷却損失を更に少なくすることができる。
また、本実施形態によれば、シートの形成工程を含み、このシートの形成工程は、第1状態の機能性層の設置工程の前に行われる工程であって、保持剤をシート形状に成形することでシートを形成し、シートは、機能性焼結紛体を保持しており、第1状態の機能性層の設置工程は、シートをピストン冠面に設置する工程であることを特徴としている。
機能性焼結粉体が保持されたシートをピストン冠面に乗せることで、機能性層の設置工程を行うことができるため、作業性が良く、また、機能性焼結紛体を保持剤に保持させる工程が、ピストン冠面上で行われないため、機能性焼結紛体が均一に分布したシートの形成が容易となる。
次に、本発明の第3の実施形態について、図19〜図20を用いて詳細に説明する。第1の実施形態では、アルミニウム合金の紛体34を混入した液状の溶融パラフィン33を使用しているが、第2の実施形態では、図19に示しているアルミニウム合金の紛体34を混入した、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような熱可塑性樹脂35(保持剤)をブロック43として使用している点で異なっている。熱可塑性樹脂は液状とはならず、形状安定性を備えた柔らかいブロック43として用いられる。
図19において、ピストン冠面14には、アルミニウム合金の紛体34を混入した熱可塑性樹脂のブロック43が載置されている。このブロック43は、ピストン冠面14に載置されて所定の温度まで加熱される。そして、図20に示すように、アルミニウム合金の紛体34が均質に混入した熱可塑性樹脂のブロック43は、上型電極金型24、及びピストン冠面14の形状に沿って変形され、その形状を保持することになる。
尚、この状態では、アルミニウム合金の紛体34は、溶融パラフィン33の場合と異なり、熱可塑性樹脂は液状とはならず、形状安定性を備えた柔らかい状態に維持されている。このため、アルミニウム合金の紛体34は、ピストン冠面14に堆積しない。
したがって、図20に示す状態で、熱可塑性樹脂を加熱して熱分解させながら、上型電極金型24を下降して加圧していくと、残留しているアルミニウム合金の紛体34が上型電極金型24の下降に合せて徐々にピストン冠面14に堆積していく。そして、所定の膜厚に達すると、パルス通電を行なってアルミニウム合金の紛体34を加熱して焼結することで、ピストン冠面14に機能性焼結層35を形成することができる。
このように、ピストン冠面14の形状に倣った、上型電極金型24の電極面32をブロック43に押し付けることで、ピストン冠面14の形状に沿って、図5に示すような機能性未焼結層31を形成することができる。そして、この状態でパルス通電することによって、ピストン冠面14に機能性焼結層35を形成することができるので、機能性焼結層31の形成と焼結作業の効率化を図ることができる。尚、本実施形態では、熱可塑性樹脂を使用しているが、パラフィンを用いて同様の形態で実施することも可能である。
本実施形態によれば、第1状態の機能性層の保持剤は、柔らかく流動性を有することを特徴としている。これによれば、ピストン冠面の形状に沿った上型電極金型の電極面を第1状態の機能性層を形成するブロックをピストン冠面に押し付けることで、ピストン冠面の形状に沿った第1状態の機能性層を形成することができる。
また、本実施形態によれば、第1状態の機能性層を形成する保持剤は、熱可塑性樹脂であることを特徴としている。これによれば、加熱によって保持剤がピストン冠面の形状に沿うように形状を変化させ易くなる。
また、本実施形態によれば、第1状態の機能性層を形成する保持剤の融点は、第1状態の機能性層を形成する機能性焼結紛体の融点より低いことを特徴としている。加熱の際に、早期に保持剤が流動し、第1状態の機能性層をピストン冠面の形状に沿った形状とすることができる。
次に、本発明の第4の実施形態について、図21〜図23を用いて詳細に説明する。第1の実施形態では、アルミニウム合金の紛体34を混入した液状の溶融パラフィン33を使用しているが、第4の実施形態では、上型電極金具24の電極面32に接着性を備える保持剤を塗布し、その後にアルミニウム合金の紛体34を保持剤に保持させる点で異なっている。
図21に示しているように、接着剤、或いは粘着剤のような粘着性を有する保持剤44を、スプレーガン45によって均質に上型電極金型24の電極面32に吹き付けて保持剤44を形成する。尚、この吹き付けは常温で実施しても良いものである。また、接着剤、或いは粘着剤は熱によって、蒸発、或いは熱分解する特性を備えているものがよく、好ましくは、植物由来の粘着剤をすることができる。
次に、図22に示しているように、スプレーガン46に変更してアルミニウム合金の紛体34を保持剤44に吹き付けて、アルミニウム合金の紛体34からなる機能性未焼結層31 (図4に対応) を形成する。尚、この実施形態においては、上型電極金型24の電極面32に保持されたアルミニウム合金の紛体34は、ピストン冠面14に直接的に接触する形態となる。
したがって、図23に示す状態で、接着剤、或いは粘着剤を加熱して熱分解させながら、上型電極金型24を下降して加圧していき、所定の膜厚に達すると、パルス通電を行なってアルミニウム合金の紛体34を加熱して焼結することで、ピストン冠面14に機能性焼結層35を形成することができる。このように、ピストン冠面14が複雑な形状であっても、均質な機能性焼結層35を形成することができる。
また、スプレーガン45による塗布工程とスプレーガン46による塗布工程を組み合わせた工程を複数回に亘って行うこともできる。これによって、機能性焼結層35の膜厚の調整が容易となる。尚、保持剤の塗布工程は、ピストン冠面14の全域において、複数回に亘って繰り返して塗布して均一な機能性焼結層35をも良いし、部分的に保持剤と機能性焼結紛体の塗布を繰り返すことで、部分的に膜厚の異なる機能性焼結層35を形成しても良い。
また、アルミニウム合金の紛体34のような機能性焼結紛体の塗布工程は、少なくとも最初の保持剤の塗布工程の後に行われれば良く、複数回行われる保持剤の塗布工程の全てが完了した後で、機能性焼結紛体の設置工程を行うことを意味するものではない。例えば、保持剤の塗布工程と機能性焼結紛体の塗布工程を、交互に実施するようにしても良い。
尚、上述した説明では、上型電極金型24の電極面32に保持剤44とアルミニウム合金の紛体34のような機能性焼結紛体を塗布しているが、場合によっては、ピストン冠面14に保持剤44とアルミニウム合金の紛体34のような機能性焼結紛体を塗布することも可能である。
本実施形態によれば、第1状態の機能性層の設置工程は、保持剤の塗布工程と、機能性焼結紛体の設置工程を含み、保持剤の塗布工程は、保持剤を上型電極金型の電極面、或いはピストン冠面に塗布する工程であり、機能性焼結紛体の設置工程は、保持剤の塗布工程の後に行われ、上型電極金型の電極面、或いはピストン冠面に塗布された保持剤に、機能性焼結紛体を設置する工程であることを特徴としている。これによれば、より均一な第1状態の機能性層を形成することができる。
また、本実施形態によれば、保持剤も呼び機能性焼結紛体の塗布工程は、複数回に亘って繰り返し行われることを特徴としている。これによれば、第1状態の機能性層の厚みの調整が可能となる。
また、本実施形態によれば、第1状態の機能性層の設置工程は、機能性焼結紛体の設置工程と、他の機能性焼結紛体の設置工程を含み、機能性焼結紛体の設置工程は、上型電極金型の電極面、或いはピストン冠面に機能性焼結紛体を設置する工程であり、他の機能性焼結紛体の設置工程は、上型電極金型の電極面、或いはピストン冠面に別の機能性焼結紛体を設置する工程であり、夫々の設置工程は異なった工程で実施され、別の機能性焼結紛体は、ピストン本体部の金属材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する材料であることを特徴としている。
これによれば、異なった機能性焼結紛体を別々の工程において設置することにより、夫々の機能性焼結紛体の量、ピストン冠面における分布等を自由に設定することができる。
また、本実施形態によれば、第1状態の機能性層の設置工程は、第1の第1状態の機能性層の設置工程と、第2の第1状態の機能性層設置工程を含み、第1の第1状態の機能性層の設置工程におけるピストン冠面の第1状態の機能性層の設置領域と、第2の第1状態の機能性層の設置工程におけるピストン冠面の第1状態の機能性層の設置領域は、互いに異なることを特徴としている。
これによれば、第1状態の機能性層の設置工程を複数回に亘って繰り返す場合、夫々の設置領域を異ならせることで、ピストン冠面に部分的に膜厚を変える変更が可能となる。
次に、本発明の第5の実施形態について、図24〜図26を用いて詳細に説明する。第4の実施形態では、上型電極金型24の電極面32に接着性を備える保持剤を塗布し、その後にアルミニウム合金の紛体34(機能性焼結紛体)を保持剤に保持させているが、第5の実施形態では、ディップによって、上型電極金型24の電極面32に保持剤(溶融パラフィン33)を塗布し、その後に、ディップによって機能性焼結紛体(アルミニウム合金の紛体34)を保持剤(溶融パラフィン33)に保持させている点で異なっている。ここで、ディップとは液体に漬すことだけではなく、紛体に漬すことも含むものである。
図24においては、上型電極金型24の電極面32を、溶融パラフィン33が貯留された恒温容器41にディップして、電極面32に溶融パラフィン33を付着させる。これによって、次の工程のアルミニウム合金の紛体34の保持工程に進むことができる。
図25においては、上型電極金型24の電極面32に付着された溶融パラフィン33を紛体容器47に貯留したアルミニウム合金の紛体34を付着させる。これによって、
溶融パラフィン33に膜状のアルミニウム合金の紛体34の層を形成できる。
更に、図26に示すように、上型電極金型24をピストン冠面14の上に載置して加圧、加熱しながらパルス通電を実行する。これによって、ピストン冠面14に機能性焼結層35を形成することができる。このように、ピストン冠面14が複雑な形状であっても、均質な機能性焼結層35を形成することができる。また、シート42やブロック43を事前に形成する等の作業を省くことができ、製造工程の簡素化を図ることができる。
また、図27に示しているように、アルミニウム合金の紛体34を保持した溶融パラフィン33が固化した後に、アルミニウム合金の紛体34の上から再び溶融パラフィン33をディップし、またアルミニウム合金の紛体34もディップして、複数の層を形成することで、機能性焼結層35(図6参照)の膜厚を調整することもできる。これによれは、ディップの回数を適切に選ぶことで、簡単に膜厚調整が可能となる。
また、図16に示すように、ピストン冠面14の特定の領域に対して膜厚を厚くするため、部分的にマスクを施して必要な領域だけディップの回数を増やせば膜厚を調整することができる。この場合、マスクによってピストン冠面14における分布等を自由に設定することができる。
更に、図17示すように、異なった機能を備える機能性焼結粉末、例えば、断熱性に優れた機能性焼結粉末を用いて断熱性焼結層を形成し、輻射吸収性に優れた機能性焼結粉末を用いて輻射吸収性層を形成することもできる。また、図18に示すように、断熱性に優れた機能性焼結粉末を用いて断熱性焼結層を形成し、この機能性焼結粉末に輻射吸収性に優れた機能性焼結粉末を重ね合せて輻射吸収性層を形成することもできる。
尚、上述した説明では、上型電極金型24の電極面32に保持剤44とアルミニウム合金の紛体34をディップして塗布しているが、場合によっては、ピストン冠面14に保持剤44とアルミニウム合金の紛体34をディップして塗布することも可能である。
本実施形態によれば、第1状態の機能性層の設置工程は、保持剤の塗布工程と、機能性焼結紛体の設置工程を含み、保持剤の塗布工程は、保持剤を上型電極金型の電極面、或いはピストン冠面にディップによって塗布する工程であり、機能性焼結紛体の設置工程は、保持剤の塗布工程の後に行われ、上型電極金型の電極面、或いはピストン冠面に塗布された保持剤に、ディップによって焼結材を設置する工程であることを特徴としている。
これによれば、ピストン冠面が複雑な形状であっても、均質な機能性焼結層35を形成することができる。また、シートやブロックを事前に形成する等の作業を省くことができ、製造工程の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、第1状態の機能性層の設置工程は、機能性焼結紛体の設置工程と、他の機能性焼結紛体の設置工程を含み、機能性焼結紛体の設置工程は、上型電極金型の電極面、或いはピストン冠面に機能性焼結紛体を設置する工程であり、他の機能性焼結紛体の設置工程は、上型電極金型の電極面、或いはピストン冠面に別の機能性焼結紛体を設置する工程であり、夫々の設置工程は異なった工程で実施され、別の機能性焼結紛体は、ピストン本体部の金属材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する材料であることを特徴としている。
これによれば、異なった機能性焼結紛体を別々の工程において設置することにより、夫々の機能性焼結紛体の量、ピストン冠面における分布等を自由に設定することができる。
また、本実施形態によれば、第1状態の機能性層の設置工程は、第1の第1状態の機能性層の設置工程と、第2の第1状態の機能性層設置工程を含み、第1の第1状態の機能性層の設置工程におけるピストン冠面の第1状態の機能性層の設置領域と、第2の第1状態の機能性層の設置工程におけるピストン冠面の第1状態の機能性層の設置領域は、互いに異なることを特徴としている。
これによれば、第1状態の機能性層の設置工程を複数回に亘って繰り返す場合、夫々の設置領域を異ならせることで、ピストン冠面に部分的に膜厚を変える変更が可能となる。
以上述べたように、本発明によれば、ピストン本体部が金属材料で形成されており、このピストン本体部がピストン冠部とスカート部を備えたピストンの製造方法であって、少なくとも、機能性焼結紛体を保持した、樹脂、接着剤、または蝋の1つ以上を含む保持剤からなる第1状態の機能性層を、ピストン冠部の表面であるピストン冠面に設置する機能性層の設置工程と、機能性層の設置工程の後に実施され、第1状態の機能性層を加熱して保持剤の体積を第1状態の機能性層よりも減少し、且つ機能性焼結紛体を焼結してピストン冠面に第2状態の機能性層を形成する焼結工程とからなる内燃機関用ピストンの製造方法を提案するものである。
これによれば、保持剤により機能性焼結紛体をピストン冠面に均質に保持させることで、ピストン冠面の形状に倣った機能性層の形成を容易にすることができる。
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
11…ピストンの冠部、14…ピストン冠面、24…上型電極金型、31…機能性未焼結層(第1状態の機能性層)、32…電極面、33…機能性焼結紛体(アルミ合金の粉末)、34…保持体(パラフィンワックス)、35…機能性焼結層(第2状態の機能性層)、S12…保持剤生成工程、S13…ピストン設置工程、S14…保持剤投入工程、S15…保持剤加熱工程、S16…保持剤加圧工程、S17…機能性焼結紛体通電工程。

Claims (26)

  1. 内燃機関用ピストンの製造方法であって、
    ピストン本体部は金属材料で形成されており、ピストンヘッド部と、ピストンスカート部を備えており、
    第1状態の機能性層の設置工程であって、前記ピストンヘッド部の表面であるピストン冠面に第1状態の機能性層を設置する工程を含み、
    前記第1状態の機能性層は、機能性焼結材と保持剤を含み、前記機能性焼結材は粉体(以下、機能性焼結紛体と表記する)であって、前記保持剤は、樹脂、粘性液体、接着剤、またはワックス(蝋)を含み、前記ピストン冠面に前記機能性焼結紛体を保持可能である、前記第1状態の機能性層の設置工程と、
    焼結工程であって、前記第1状態の機能性層の設置工程の後に行われ、前記第1状態の機能性層を加熱することで、第2状態の機能性層に変化させる工程であって、
    前記第2状態の機能性層は、前記保持剤の体積が前記第1状態の機能性層よりも減少しており、前記機能性焼結紛体は焼結体となっている、前記焼結工程と、を有する
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  2. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記保持剤は、前記第1状態の機能性層の設置工程の後の加熱工程、及び又は前記焼結工程において、熱分解、燃焼、または蒸発する材料である
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  3. 請求項2に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記第2状態の機能性層の前記焼結体は、前記保持剤の体積の減少に伴う空隙を有する
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  4. 請求項2に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記保持剤は、融点が摂氏100℃以下の材料である
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  5. 請求項4に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記保持剤は、パラフィンワックスである
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  6. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記第1状態の機能性層の前記保持剤は、シート形状を有する
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  7. 請求項6に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    シート材の形成工程を含み、
    前記シート材の形成工程は、前記第1状態の機能性層の設置工程の前に行われる工程であって、前記保持剤をシート形状に成形することで前記シート材を形成し、
    前記シート材は、前記機能性焼結紛体を保持しており、
    前記第1状態の機能性層の設置工程は、前記シート材を前記ピストン冠面に設置する工程である
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  8. 請求項7に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記保持剤は、パラフィンワックスである
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  9. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記第1状態の機能性層の設置工程は、保持剤塗布工程と、前記機能性焼結紛体の設置工程を含み、
    前記保持剤塗布工程は、前記保持剤を前記ピストン冠面に塗布する工程であって、
    前記機能性焼結紛体の設置工程は、前記保持剤塗布工程の後に行われ、前記ピストン冠面に塗布された前記保持剤に、前記機能性焼結紛体を設置する工程である
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  10. 請求項9に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記保持剤塗布工程は、前記保持剤を前記ピストン冠面にスプレーにより塗布する工程である
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  11. 請求項9に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記保持剤塗布工程は、複数回に亘って繰り返し行われる
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  12. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記第1状態の機能性層の前記保持剤は、柔らかく流動性を有する
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  13. 請求項12に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記第1状態の機能性層の前記保持剤は、熱可塑性樹脂である
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  14. 請求項12に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記第1状態の機能性層の前記保持剤の融点は、前記第1状態の機能性層の前記機能性焼結紛体の融点より低い
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  15. 請求項14に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記保持剤は、パラフィンワックスである
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  16. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記第1状態の機能性層の設置工程は、前記保持剤を前記ピストン冠面にディップにより塗布する工程を含む
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  17. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記焼結工程の後に、前記第2状態の機能性層に対し機械加工を施さない
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  18. 請求項17に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記ピストン本体部は、鋳造によって形成されており、
    前記第2状態の機能性層の平均厚さは、前記ピストン本体部の製造寸法誤差よりも大きい
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  19. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記第1状態の機能性層の設置工程は、前記機能性焼結紛体の設置工程と、これとは別の機能性焼結紛体の設置工程を含み、
    前記機能性焼結紛体の設置工程は、前記ピストン冠面に前記機能性焼結紛体を設置する工程であって、
    前記別の機能性焼結紛体の設置工程は、前記ピストン冠面に前記別の機能性焼結紛体を設置する工程であって、前記機能性焼結紛体の設置工程とは別の行程で実施され、
    前記別の機能性焼結紛体は、前記ピストン本体部の金属材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する材料である
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  20. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記第1状態の機能性層の設置工程は、第1の第1状態の機能性層の設置工程と、第2の第1状態の機能性層の設置工程を含み、
    前記第1の第1状態の機能性層の設置工程における前記ピストン冠面の前記第1状態の機能性層の設置領域と、前記第2の第1状態の機能性層の設置工程における前記ピストン冠面の前記第1状態の機能性層の設置領域とは互いに異なる領域である
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  21. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記焼結工程は、前記第1状態の機能性層に電極を当接させて通電することで前記機能性焼結紛体を焼結させる工程である
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  22. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記第1状態の機能性層は、別の機能性焼結紛体を含み、
    前記別の機能性焼結紛体は、前記ピストン本体部の金属材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する材料である
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  23. 金属材料で形成され、ピストン冠部とスカート部を備えたピストン本体部からなるピストンの製造方法であって、少なくとも、
    加熱することで消失する保持剤に機能性焼結紛体を分散して保持した機能性未焼結層を、前記ピストン冠部のピストン冠面に形成する形成行程と、
    前記機能性未焼結層の形成工程の後に実施され、前記機能性未焼結層を加熱して前記保持剤を消失し、残留した前記機能性焼結紛体を焼結して前記ピストン冠面に機能性焼結層を形成する焼結工程とからなる
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  24. 請求項23に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記形成行程と前記焼結工程の間であって、前記保持剤の沸点より高い温度で前記機能性未焼結層を加熱して前記保持剤を消失させる加熱工程を含む
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  25. 請求項24に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記機能性未焼結層には導電性材料の紛体が添加されている
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  26. 請求項25に記載の内燃機関用ピストンの製造方法において、
    前記機能性焼結紛体はアルミニウム合金の紛体であり、前記保持剤はパラフィンワックスであり、前記導電性材料は植物由来の炭の紛体である
    ことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
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