JP2017008835A - エンジンバルブ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
傘裏面の傘裾部とは、傘裏面の傘裾から軸部に向かう所定の領域である。傘裾とは、傘表面側の傘裏面の端部である。
傘裏面の傘裾部以外の部分とは、該傘裾部の軸部側の端部からエンジンバルブの軸部までの傘裏面である。
本発明においては、エンジンバルブの傘裏面の傘裾部以外の部分には、ガラスコート層が形成されているので、エンジンバルブの断熱性を高めることができる。
本発明のエンジンバルブをエンジンに用いる際、本発明のエンジンバルブは、吸気側のエンジンバルブとしても、排気側のエンジンバルブとしても用いることができる。
本発明のエンジンバルブを吸気側のエンジンバルブとして用いる場合、本発明のエンジンバルブは断熱性が高いので、エンジンバルブの熱が吸気に伝わりにくい。そのため、吸気効率を低下させることなくエンジンを作動させることができる。
また、本発明のエンジンバルブを排気側のエンジンバルブとして用いる場合、本発明のエンジンバルブは断熱性が高いので、排気の熱がエンジンバルブに伝達されにくい。そのため、排ガスの温度が低下しにくい。エンジンからの排ガスは、エンジンの下流に設置された排ガス浄化装置に設置された担体により浄化されることになるが、排ガスの温度が低下していない場合、排ガスは速やかに担体の温度を上昇させ、担体の排ガス浄化機能を好適に発揮させることができる。つまり、本発明のエンジンバルブを排気側のエンジンバルブとして用いると、排ガス浄化効率が向上する。
セラミック部材が気孔を有すると、エンジンバルブの断熱性能がより向上する。また、ガラスコート層を形成する際の焼結工程において、ガラスコート層とセラミック部材との間に熱膨張差による応力が発生しても、気孔によりその応力が緩和される。このため、ガラスコート層の靱性が低い場合であっても、焼結の際にガラスコート層が割れる等して破損することがより防止される。
また、上記セラミック部材の気孔中にガラスコート層の成分が浸透していることが好ましい。焼結工程においてガラスコート層の原料が気孔に拡散してアンカー効果を発揮することで、ガラスコート層とセラミック部材のより強い密着が可能となる。
ガラスコート層が気孔を有すると、エンジンバルブの断熱性能がより向上する。また、ガラスコート層を形成する際の焼結工程において、ガラスコート層とセラミック部材との間に熱膨張差による応力が発生しても、気孔によりその応力が緩和される。このため、ガラスコート層の靱性が低い場合であっても、焼結工程においてガラスコート層が割れる等して破損することがより防止される。
ガラスコート層の厚さが1μm未満であると、エンジンバルブの断熱性が充分に向上しにくい場合がある。ガラスコート層の厚さが1000μmを超えると、ガラスコート層に熱衝撃等が加わった際に、クラックが発生しやすくなることがある。
傘裾面の幅が上記範囲であると、本発明のエンジンバルブがエンジンに用いられた際に、シリンダーと接触するエンジンバルブの部分を充分に大きくすることができ、エンジンバルブと、シリンダーとが繰り返し衝突することにより生じる衝撃によりエンジンバルブが破壊されることを防ぐことができる。また、ガラスコート層で被覆される傘裏面の割合を充分に大きくすることができるので、充分な断熱効果を得ることができる。
なお、本明細書において、「傘裏面の傘裾からエンジンバルブの軸部に向かう方向」とは、傘裾のある一点から軸部までを最短距離となるように結ぶ直線の方向のことを意味する。
傘裾部の面積が、傘裏面の面積の5%未満であると、本発明のエンジンバルブがエンジンに用いられた際に、シリンダーと接触するエンジンバルブの部分が小さくなる。エンジンバルブと、シリンダーとは繰り返し衝突することになるので、傘裾部が小さくなると、傘裾部における単位面積当たりにかかる衝撃が強くなる。従って、傘裾部の面積が、傘裏面の面積の5%未満であると、エンジンバルブが破壊されやすくなる。
傘裾部の面積が、傘裏面の面積の50%を超えると、ガラスコート層で被覆される傘裏面の割合が小さくなる。従って、充分な断熱効果を得られにくくなる。
非晶質無機材はエンジンバルブを被覆するガラス層として機能する。また、結晶性無機材が耐熱性を向上させる部材としての役割を担う。さらにガラスコート層に非晶質無機材と結晶性無機材が存在することでガラスコート層の強度が高くなる。
非晶質無機材が上記低軟化点ガラスであると、軟化点を超える温度で加熱することにより非晶質無機材が軟化溶融しエンジンバルブの表面に広がってガラスコート層となる。
これらの耐熱性能に優れた結晶性無機材を含むガラスコート層は、耐熱性が向上する。また、断熱性能も向上する。
ジルコニアからなるセラミック部材は、耐熱性に優れるため好ましい。また、ジルコニアは、ガラスコート層との密着性が良好であるため好ましい。
本発明のエンジンバルブが上記のように構成されていると、ガラスコート層を形成するための焼成の際に、金属基材がセラミック部材よりも大きく膨張することにより、室温に戻した際に強い嵌合状態になる、いわゆる「焼き嵌め」が起こり、セラミック部材の金属基材への密着力が向上する。
上記凹部の断面形状は、円弧形状であるか、直角V字形状であることが望ましい。
上記エンジンバルブの製造方法であって、
軸部と傘部とからなる金属基材の傘部の側面である傘裏面の、傘裾部以外の部分にガラスペーストを塗布してガラスペースト層を形成する工程、
上記ガラスペースト層の表面の一部に、上記ガラスペースト層の傘裾部側の端部を覆うようにセラミック部材を配置する工程、及び、
上記ガラスペースト層を焼結することにより、ガラスコート層を形成するとともに、上記セラミック部材と上記金属基材とをガラスコート層を介して接着する工程を含むことを特徴とする。
このため、上記セラミック部材が用いられたエンジンバルブは、高い断熱性能を発揮することができる。
本発明のエンジンバルブは、
傘部と軸部とからなるエンジンバルブであって、
上記エンジンバルブを構成する金属基材と、上記金属基材の傘部の側面である傘裏面の傘裾部以外の部分に形成されたガラスコート層と、上記ガラスコート層の表面の一部に、上記ガラスコート層の傘裾部側の端部を覆うように配置されたセラミック部材とからなることを特徴とする。
すなわち、本発明のエンジンバルブの一例であるエンジンバルブは、棒状の軸部と略円錐形上の傘部とからなり、軸部は、金属基材からなる。一方、傘部においては、金属基材の傘部の側面である傘裏面の傘裾部以外の部分にガラスコート層が形成されている。また、傘裏面の傘裾部に隣接する部分には、切削加工により凹部(座ぐり部)が形成されており、ガラスコート層の端部は、凹部の内部に入り込んでいる。そして、その断面が略直角三角形で、立体的形状がリング状のセラミック部材が、凹部内に収容され、ガラスコート層の傘裾部側の端部を覆うように配置されており、ガラスコート層の端部とセラミック部材とが接着されている。
図1(a)は、本発明のエンジンバルブの一例を示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示すエンジンバルブのA−A線断面図である。
例えば、ステンレス鋼、耐熱鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、インコネル、ハステロイ、インバー等が挙げられる。また、各種鋳造品(例えば、鋳鉄、鋳鋼、炭素鋼等)等が挙げられる。
本発明のエンジンバルブを構成する金属基材の傘部の材質としては、耐熱鋼(SUH)が挙げられる。具体的には、マルテンサイト系耐熱鋼(SUH3、SUH11等)、オーステナイト系耐熱鋼(SUH35等)、フェライト系耐熱鋼(SUH446等)等が挙げられる。また、インコネル(NCF751等)のNi基耐熱合金も挙げられる。
金属基材の傘裏面の表面粗さRzJISが0.3μm未満であると、金属基材の傘裏面の表面積が小さくなるため、金属基材の傘裏面とガラスコート層との密着性が充分に得られにくくなる。一方、金属基材の傘裏面の表面粗さRzJISが20μmを超えると、金属基材の傘裏面にガラスコート層が形成されにくくなる。これは、金属基材の傘裏面の表面粗さRzJISが大きすぎると、金属基材の傘裏面に形成された凹凸の谷の部分にスラリー(ガラスコート層を形成するための組成物)が入り込まず、この部分に空隙が形成されるためであると考えられる。
なお、金属基材の傘裏面の表面粗さRzJISは、東京精密製、ハンディサーフE−35Bを用いてJIS B 0601(2001)に準拠して測定することができる。
測定は、25℃、大気圧で行うこととする。
本発明のエンジンバルブが上記のように構成されていると、ガラスコート層を形成するための焼成の際に、金属基材がセラミック部材よりも大きく膨張することにより、室温に戻した際に強い嵌合状態になる、いわゆる「焼き嵌め」が起こり、セラミック部材の金属基材への密着力が向上する。
図7に示すエンジンバルブ10において、傘裾部の幅(w1)は、傘裏面の傘裾からエンジンバルブの軸部に向かう方向における傘裏面の幅(wH)の3〜20%であることが好ましい。なお、傘表の直径をD1、凹部220aの最も短い部分の直径をD2、凹部の幅をd1、凹部の深さをd2とすると、傘表の直径D1は、20〜40mmが望ましく、D2/D1は、0.35〜0.85が望ましい。また、凹部の幅d1は、2.0〜4.0mmが望ましく、d2/d1は、0.5〜2.0が望ましい。
上記結晶性無機材は、アルミナ、ジルコニア、イットリア、カルシア、マグネシア、セリア、及び、ハフニアからなる群から選択される少なくとも一種からなることが好ましい。これらのなかでは、ジルコニアがより好ましい。
セラミック部材の形状としては、例えば、リング形状、スカート形状等が挙げられる。これらのなかでは、リング形状が好ましい。セラミック部材の断面の形状は、図1に示した三角形状に限定されず、四角、円、半円、楕円等が挙げられ、好ましくは、三角形状である。
まず、前処理として、気孔率測定の対象となる試料を、イオン交換水及びアセトンを用いて超音波で洗浄を行った後、100℃で乾燥する。
次に、前処理を終了した資料をイオン交換水とともに3時間煮沸して飽水試料を作製する。続いて、飽水試料を水中にて糸で吊るして飽水試料の浮力(W1)を電子天秤で測定する。また、飽水試料の質量(W2)を電子天秤で測定し、120℃、60分間乾燥した後、乾燥資料の質量(W3)を測定する。
上記方法により得られた結果を用い、以下の計算式により、気孔率を算出する。
{[飽水試料の質量(W2)−乾燥資料の質量(W3)]/飽水試料の浮力(W1)}×100(%)
また、セラミック部材が配置されるガラスコート層の面積は、金属基材の傘裏面に形成されたガラスコート層の面積の5〜50%であることが好ましい。
上記非晶質無機材は、ガラスからなることが好ましく、軟化点が300〜1000℃である低軟化点ガラスであることがより好ましい。
軟化点が300〜1000℃の低軟化点ガラスとしては、例えば、SiO2−B2O3−ZnO系ガラス、SiO2−B2O3−Bi2O3系ガラス、SiO2−PbO系ガラス、SiO2−PbO−B2O3系ガラス、SiO2−B2O3−PbO系ガラス、B2O3−ZnO−PbO系ガラス、B2O3−ZnO−Bi2O3系ガラス、B2O3−Bi2O3系ガラス、B2O3−ZnO系ガラス、BaO−SiO2系ガラス、SiO2−B2O3−RO系ガラス、SiO2−B2O3−R2O系ガラス(Rは遷移金属)等が挙げられる。
なお、軟化点は、JIS R 3103−1:2001に規定される方法に基づいて、例えば、有限会社オプト企業製の硝子自動軟化点・歪点測定装置(SSPM−31)を用いて測定することができる。測定は、大気圧で行うこととする。
また、結晶性無機材は、マンガン、鉄、コバルト、銅、クロム、及び、ニッケルのうち少なくとも一種の金属の酸化物であることも好ましい。
ガラスコート層の厚さの測定には、株式会社フィッシャーインストルメンツ社製、デュアルスコープMP40を用いることができる。ガラスコート層の任意の30点において、デュアルスコープMP40の膜厚測定における膜厚補正を実施したのち、膜厚測定をガラスコート層の任意の10点に対して行い、その測定値の平均をとることによりガラスコート層の厚さを測定することができる。膜厚測定を10点に対して行う場合、測定領域内で測定部位の偏りがないようにすることが望ましく、例えば、測定を1mmの等間隔おきに行う等の方法が挙げられる。
ガラスコート層の厚さが上記範囲であると、インバルブの熱が吸気に伝わることなく吸気効率の低下を防止することができる。また、排気の熱がエキバルブに伝達されにくく、その分排ガスの温度が低下しにくいので、排ガスが担体に到達した際に充分に担体を暖めて排ガスを浄化することが可能となる。ガラスコート層の厚さが1μm未満であると、例えばガラスコート層に気孔を形成しようとする場合に、気泡がガラスコート層外に抜けやすくなり、その結果ガラスコート層表面の表面粗さが大きくなる。傘裏面は気流と接するので表面粗さが大きくなると気流とガラスコート層の熱伝達が上がり、ガラスコート層の断熱性能が低下するという問題がある。一方、ガラスコート層の厚さが1000μmを超えると、ガラスコート層に熱衝撃等が加わった際に、ガラスコート層にクラックが発生しやすくなることがある。また吸気又は排気経路が狭くなるという問題もある。
平均気孔径は、より好ましくは3〜13μmであり、さらに好ましくは5〜10μmである。
気孔の平均気孔径が0.5〜15μmであれば、気孔がガラスコート層の中に独立気孔として存在し、断熱性を高める構造として有効に機能する。
気孔率は、より好ましくは15〜50%であり、さらに好ましくは20〜40%である。
気孔率が10〜60%であると、気孔による充分な断熱性が保持される。
具体的には、SEM画像をガラスコート層の厚さ方向の全域が入るように撮影して、全ての気孔についての気孔径を測定し、平均値を求めることにより平均気孔径が得られる。気孔の形状が略球状でない場合、その気孔の直径は、投影面積円に相当する直径(ヘイウッド径)とする。
SEMの測定倍率は、ガラスコート層の厚さが1μm以上5μm未満の場合は3000倍、5μm以上50μm未満の場合は2000倍、50μm以上100μm未満の場合は1000倍、100μm以上300μm未満の場合は500倍、300μm以上500μm未満の場合は200倍、500μm以上1000μm以下の場合は150倍とする。
熱伝導率が0.1W/m・K未満であると、上記熱伝導率を達成するために必要な気孔率が高くなるため、形成されたガラスコート層の機械的強度が低下しすぎることがある。一方、熱伝導率が1.0W/m・Kを超えると、充分な断熱の効果が得られないという問題がある。所望の断熱効果を得るためには、ガラスコート層の厚さを厚くする必要があるため、ガラスコート層の熱容量が大きくなってしまう。
なお、ガラスコート層等の熱伝導率の測定が必要な部材の25℃における熱伝導率は、レーザーフラッシュ法によって測定することができる。以下においては、ガラスコート層の熱伝導率を測定する場合について説明する。
熱拡散係数の測定は下記条件で行うことができる。
測定装置:NETZSCH製 LFA467
表面処理:グラファイトスプレー
測定温度:25℃
測定雰囲気:N2
サンプルサイズ:φ10mm、厚さ=2mm
ガラスコート層の熱拡散係数を測定する際は、基材と一体の状態で測定し、多層解析によりガラスコート層のみの熱拡散係数を算出する。また、ガラスコート層の熱拡散係数を測定する時は、ガラスコート層に垂直にレーザーが照射されるようにサンプルを設置する。
k=ρ・Cp・α[W/mK]
<かさ密度(ρ)の測定>
ガラスコート層のかさ密度を求める場合、まずは基材の重量を測定し、その後に基材の上にガラスコート層を形成してガラスコート層付き基材の重量の測定から、引き算でガラスコート層の重量(=A)を測定する。その後、ガラスコート層の膜厚から、ガラスコート層の体積(=B)を算出し、A/Bをかさ密度とする。
<比熱容量(Cp)の測定>
比熱容量の測定は下記条件で行うことができる。
測定装置:セイコー電子工業製 DSC210型
測定温度:25℃
測定方法:DSC法
測定雰囲気:Ar
ガラスコート層の比熱容量を測定する際は、ガラスコート層をφ4mm、厚さ1mmのバルク体に成形して測定を実施することができる。
熱抵抗が1mm2・K/W未満であると断熱性が充分でなく、熱抵抗が10000mm2・K/Wを超えるガラスコート層を作製することは技術的に難しい。
ガラスコート層の熱抵抗は、「熱抵抗=ガラスコート層の厚さ/ガラスコート層の熱伝導率」の式により算出することができる。
皮膜強度は、以下の方法で測定することができる。
図8は、コート層強度測定用試料の模式的な断面図である。
ガラスコート層付きエンジンバルブ300のガラスコート層320の表面に、クリップを用いてスタッドピン330を取り付け、150℃で1時間加熱して固着させることにより、測定用試料を作製する。スタッドピン330としては、QUAD GROUP社製 P/N901106(2.7mmエポキシ接着剤Al製スタッドピン)を使用することができる。
引張試験機1000を使用して、ガラスコート層320と固着したスタッドピン330を引っ張る。スタッドピン330と接しているガラスコート層320がエンジンバルブ300を構成する基材310から剥離するまでに加わった力の最大値とスタッドピン330の断面積とからコート層強度を算出する。引張試験機1000としては、(株)島津製作所製 オートグラフAGS50Aを使用することができる。測定は、25℃、大気圧で行うこととする。
比熱はDSC(示差走査熱量測定)により測定することができる。
また、ガラスコート層の熱容量(単位面積当たりの熱容量)は、200〜2500[J/m2・K]であることが好ましい。ガラスコート層の熱容量は、ガラスコート層の比熱と密度と膜厚を乗ずることによって算出することができる。
ガラスコート層の表面粗さRzJISが0.05μm未満のガラスコート層を作製することは技術的に難しい。一方、ガラスコート層の表面粗さRzJISが5μmを超えると、吸気又は排気とガラスコート層の熱伝達係数が上がり、断熱性能が低下するという問題がある。
すなわち、本発明のエンジンバルブの別の一例であるエンジンバルブでは、棒状の軸部と略円錐形上の傘部とからなり、軸部は、金属基材からなる。一方、傘部においては、金属基材の傘部の側面である傘裏面の傘裾部以外の部分にガラスコート層が形成されている。また、傘裏面の傘裾部に隣接する部分には、その断面が矩形で、立体的形状がリング状のセラミック部材が、ガラスコート層の傘裾部側の端部を覆うように配置されており、ガラスコート層の端部にセラミック部材が接着されている。
図2(a)は、本発明のエンジンバルブの他の一例を示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)に示すエンジンバルブのB−B線断面図である。本発明のエンジンバルブを構成する部材の材料やその特性等については、図1に示すエンジンバルブの項において説明したので、以下においては、その説明を省略する。
上記エンジンバルブにおいて、このエンジンバルブの軸部は、棒状で、金属基材からなる。
このエンジンバルブの傘部では、金属基材の傘部の側面である傘裏面の傘裾部以外の部分にガラスコート層が形成されている。また、傘裏面の傘裾部に隣接する部分には、切削加工により凹部が形成されており、ガラスコート層の端部は、凹部の内部に入り込んでいる。そして、その断面が矩形で、立体的形状がリング状のセラミック部材が、凹部内に収容され、ガラスコート層の傘裾部側の端部を覆うように配置されており、ガラスコート層の端部にセラミック部材が接着されている。また、凹部の形状は、直角V字形状である。
図3は、本発明のエンジンバルブのさらに他の一例を示す縦断面図である。図3に示す縦断面図は、図2(b)に示したエンジンバルブのB−B線断面図と同じ断面を示す断面図である。
図3に示すように、このエンジンバルブ50の傘部52においては、金属基材の傘部62の側面である傘裏面62aの傘裾部620以外の部分にガラスコート層53が形成されている。また、傘裏面62aの傘裾部620に隣接する部分には、切削加工により凹部620aが形成されており、ガラスコート層53の端部は、凹部620aの内部に入り込んでいる。そして、その断面が矩形(図3参照)で、立体的形状がリング状のセラミック部材55が、凹部620a内に収容され、ガラスコート層53の傘裾部620側の端部を覆うように配置されており、ガラスコート層53の端部にセラミック部材55が接着されている。また、凹部620aの形状は、直角V字形状である。
図4に示すように、このエンジンバルブ70の傘部72においては、金属基材の傘部82の側面である傘裏面82aの傘裾部820以外の部分にガラスコート層73が形成されている。また、傘裏面82aの傘裾部820に隣接する部分には、切削加工により凹部820aが形成されており、ガラスコート層73の端部は、凹部820aの内部に入り込んでいる。そして、その断面が円形(図4参照)で、立体的形状がリング状のセラミック部材75が、凹部820a内に収容され、ガラスコート層73の傘裾部820側の端部を覆うように配置されており、ガラスコート層73の端部にセラミック部材75が接着されている。
このエンジンバルブの軸部は、棒状で、金属基材からなる。このエンジンバルブの傘部においては、金属基材の傘部の側面である傘裏面の傘裾部以外の部分にガラスコート層が形成されている。また、傘裏面の傘裾部に隣接する部分には、切削加工により凹部が形成されており、ガラスコート層の端部は、凹部の内部に入り込んでいる。そして、その断面が円形で、立体的形状がリング状のセラミック部材が、凹部内に収容され、ガラスコート層の傘裾部側の端部を覆うように配置されており、ガラスコート層の端部にセラミック部材が接着されている。また、凹部の形状は、円弧形状である。
図4は、本発明のエンジンバルブのさらに他の一例を示す縦断面図である。図4に示す縦断面図は、図2(b)に示したエンジンバルブのB−B線断面図と同じ断面を示す断面図である。
図4に示すように、このエンジンバルブ70の傘部72においては、金属基材の傘部82の側面である傘裏面82aの傘裾部820以外の部分にガラスコート層73が形成されている。また、傘裏面82aの傘裾部820に隣接する部分には、切削加工により凹部820aが形成されており、ガラスコート層73の端部は、凹部820aの内部に入り込んでいる。そして、その断面が円形(図4参照)で、立体的形状がリング状のセラミック部材75が、凹部820a内に収容され、ガラスコート層73の傘裾部820側の端部を覆うように配置されており、ガラスコート層73の端部にセラミック部材75が接着されている。また、凹部820aの形状は、円弧形状である。
このエンジンバルブの軸部は、このエンジンバルブの軸部は、棒状で、金属基材からなる。このエンジンバルブの傘部においては、金属基材の傘部の側面である傘裏面の傘裾部以外の部分にガラスコート層が形成されている。また、傘裏面の傘裾部に隣接する部分には、切削加工により凹部が形成されており、ガラスコート層の端部は、凹部の内部に入り込んでいる。そして、その断面が半円形で、立体的形状がリング状のセラミック部材が、凹部内に収容され、ガラスコート層の傘裾部側の端部を覆うように配置されており、ガラスコート層の端部にセラミック部材が接着されている。また、凹部の形状は、円弧形状である。
図5は、本発明のエンジンバルブのさらに他の一例を示す縦断面図である。図5に示す縦断面図は、図2(b)に示したエンジンバルブのB−B線断面図と同じ断面を示す断面図である。
図5に示すように、このエンジンバルブ90の傘部92においては、金属基材の傘部102の側面である傘裏面102aの傘裾部1020以外の部分にガラスコート層93が形成されている。また、傘裏面102aの傘裾部1020に隣接する部分には、切削加工により凹部1020aが形成されており、ガラスコート層93の端部は、凹部1020aの内部に入り込んでいる。そして、その断面が半円形(図5参照)で、立体的形状がリング状のセラミック部材95が、凹部1020a内に収容され、ガラスコート層93の傘裾部1020側の端部を覆うように配置されており、ガラスコート層93の端部にセラミック部材95が接着されている。また、凹部1020aの形状は、円弧形状である。
ここで、エンジンバルブが用いられたエンジンの構造の一例について説明する。
エンジン燃焼室においては、筒状のシリンダーの上部に、吸気用のエンジンバルブ及び排気用のエンジンバルブ(エキバルブ)が配置されている。また、シリンダーの上部の頂点に、点火プラグが設けられており、シリンダーの内部にピストンが設けられている。
なお、エンジンバルブの傘裏面とは、エンジンバルブの傘部の側面のことであり、エンジンバルブの傘部において、エンジン燃焼室に臨まない方の面を意味する。また、ガラスコート層が形成されていない傘裏面の傘裾部は、シリンダーと接触する部分である。
インバルブは断熱性が高いので、インバルブの熱は、吸気される燃料に伝わりにくい。そのため、吸気効率を低下させることなくエンジンを駆動させることができる。
また、エキバルブは断熱性が高いので、排ガスの熱は、エキバルブに伝達されにくい。そのため、排ガスの温度が低下しにくい。排ガスは、エンジンの下流に設置された排ガス浄化装置に設置された担体により浄化されることになるが、排ガスの温度が低下していない場合、排ガスは速やかに担体の温度を上昇させ、担体の排ガス浄化機能を好適に発揮させることができる。つまり、排ガス浄化効率が向上する。
本発明のエンジンバルブにおいては、ガラスコート層を焼結により形成する際に、金属基材とガラスコート層との間及びガラスコート層とセラミック部材との間に強い密着力が発現する。このためエンジンバルブが使用される過酷な環境下においても、エンジンバルブの傘裏面に形成されたガラスコート層が金属基材から剥離しにくく、高い断熱性能を発揮できることになる。
図6は、本発明のエンジンバルブが用いられたエンジン燃焼室の構造の一例を模式的に示す断面図である。
本発明のエンジンバルブは、このような構成のエンジン燃焼室に最適である。
なお、エンジンバルブ160の傘裏面166a、166bとは、エンジンバルブ160の傘部166の側面のことであり、エンジンバルブ160の傘部166において、エンジン燃焼室150に臨まない方の面を意味する。また、ガラスコート層が形成されていない傘裏面の傘裾部1660は、シリンダー170と接触する部分である。なお、ガラスコート層の位置等については、図1〜図5に示すエンジンバルブで示しているので、ここでは、図示していない。
インバルブ160aは断熱性が高いので、インバルブ160aの熱は、吸気される燃料に伝わりにくい。そのため、吸気効率を低下させることなくエンジンを駆動させることができる。
また、エキバルブ160bは断熱性が高いので、排ガスの熱は、エキバルブ160bに伝達されにくい。そのため、排ガスの温度が低下しにくい。排ガスは、エンジンの下流に設置された排ガス浄化装置に設置された担体により浄化されることになるが、排ガスの温度が低下していない場合、排ガスは速やかに担体の温度を上昇させ、担体の排ガス浄化機能を好適に発揮させることができる。つまり、排ガス浄化効率が向上する。
本発明のエンジンバルブにおいては、ガラスコート層を焼結により形成する際に、金属基材とガラスコート層との間及びガラスコート層とセラミック部材との間に強い密着力が発現する。このためエンジンバルブが使用される過酷な環境下においても、エンジンバルブの傘裏面に形成されたガラスコート層が金属基材から剥離しにくく、高い断熱性能を発揮できることになる。
本発明のエンジンバルブを製造する方法としては、
傘部と軸部とからなる金属基材の傘部の側面である傘裏面の、傘裾部以外の部分にガラスペーストを塗布してガラスペースト層を形成する工程、
上記ガラスペースト層の表面の一部に、上記ガラスペースト層の傘裾部側の端部を覆うようにセラミック部材を配置する工程、及び、
上記ガラスペースト層を焼結することにより、ガラスコート層を形成するとともに、上記セラミック部材と上記金属基材とをガラスコート層を介して接着する工程を含むことを特徴とする製造方法が挙げられる。
上記のエンジンバルブの製造方法も、本発明に包含される。
本発明のエンジンバルブの製造方法では、まず、エンジンバルブを構成する金属基材を準備する。
上記洗浄処理としては特に限定されず、従来公知の洗浄処理法を用いることができ、具体的には、例えば、アルコール溶媒中で超音波洗浄を行う方法等を用いることができる。
なお、粗化処理は、後述するガラスペースト層を形成する工程よりも先に行うことが好ましい。
(b−1)ガラスペースト調製工程
本発明のエンジンバルブの製造方法におけるガラスペースト調製工程では、上記工程に続いて、ガラスペースト層を形成するためのガラスペーストを調製する。
ガラスペーストは、ガラス原料を混合することにより得られる。ガラスペーストに気孔を形成するためのカーボン粒子を添加する場合には、ガラス原料及びカーボン粒子を混合する。
また、カーボン粒子の平均粒子径は0.1〜30μmであることが好ましい。
上記有機結合剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、分散媒と有機結合剤とを併用してもよい。
カーボン粒子の含有量は0.005〜8重量部であることがより好ましく、0.008〜5重量部であることがさらに好ましい。
カーボン粒子の含有量をこのような範囲とすることにより、機械的強度及び断熱性能を有するガラスコート層を形成させることができる。
ガラスペーストに結晶性無機材を加える場合、結晶性無機材を添加するタイミングは特に限定されないが、例えば、上述したガラス原料と水と所望により添加されるカーボン粒子とを混合する前に、ガラス原料と結晶性無機材を混合する工程を有していてもよい。
結晶性無機材は、本発明のエンジンバルブの説明において説明したものと同様であるので、ここでは、その説明を省略する。
なお、ガラスペーストとしてさらに結晶性無機材を加える場合、上述したガラス原料と水と所望により添加されるカーボン粒子とを混合する前に、ガラス原料と結晶性無機材を混合する工程を有していてもよい。
本発明のエンジンバルブの製造方法における塗布工程として、金属基材の傘裏面の傘裾部以外の部分に、ガラスペースト層を形成するためのガラスペーストを塗布することによりガラスペースト層を形成する。
ガラスペースト層の厚さが2μm未満であると、例えばガラスコート層に気孔を形成しようとする場合に、気泡がガラスコート層外に抜けやすくなり、その結果ガラスコート層表面の表面粗さが大きくなる。傘裏面は気流と接するので表面粗さが大きくなると気流とガラスコート層の熱伝達が上がり、断熱性能が低下するという問題がある。一方、形成されるガラスペースト層の厚さが2000μmを超えると、形成されるガラスコート層に熱衝撃等が加わった際に、クラックが発生しやすくなることがある。また吸気又は排気経路が狭くなるという問題もある。
本発明のエンジンバルブの製造方法におけるセラミック部材を配置する工程において、ガラスペースト層の表面の一部に、ガラスペースト層の傘裾部側の端部を覆うようにセラミック部材を配置する。
例えばリング状のセラミック部材を用いる場合であれば、ガラスペースト層の傘裾部側の端部を覆うように、金属基材の傘部にセラミック部材を嵌め込めばよい。傘裏面の傘裾部に隣接する部分に、凹部が形成されている場合には、凹部にセラミック部材が収容されるようにセラミック部材を嵌め込む。このとき、凹部の少なくとも一部には、セラミック部材と接着された状態のガラスペースト層が形成されている。
本発明のエンジンバルブの製造方法における焼結工程において、ガラスペースト層を焼結することにより、ガラスコート層を形成するとともに、セラミック部材と上記金属基材とをガラスコート層を介して接着する。
例えばガラスペーストにカーボン粒子が含まれる場合には、焼結工程により、ガラスペースト層内でカーボン粒子を気化、消失させて、ガラスコート層内に気孔を形成することができる。
焼結のための加熱処理の条件は、エンジンバルブの材質等を考慮して任意に設定することができるが、エンジンバルブの材質がステンレス鋼である場合は400〜900℃、耐熱鋼である場合は400〜1000℃で加熱処理することが好ましい。加熱時間は3〜120分間とすることが好ましい。
また、焼結のための加熱処理温度は、ガラス原料の軟化点以上とすることが好ましい。加熱温度をガラス原料の軟化点以上の温度とすることにより、塗布されたガラス原料が軟化、溶融し、形成されたガラスコート層と金属基材のエンジンバルブの傘裏面とが強固に密着する。
(1)本発明のエンジンバルブでは、金属基材の傘裏面に形成されたガラスコート層の傘裾部側の端部を覆うようにセラミック部材が配置されていることにより、製造時にガラスコート層を形成するための焼結工程を経ても、傘裏面においてガラスコート層の傘裾部側の端部に引けが発生しない。このため、傘裏面のガラスコート層の厚みが傘裾部側の端部で薄くなるという問題が発生せず、その結果エンジンバルブが高い断熱性能を発揮できる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(a)エンジンバルブ用基材準備工程
まず。傘部及び軸部からなるエンジンバルブ用金属基材を準備した。エンジンバルブ用基材の構成材料は、ステンレス鋼(SUS430)であった。
エンジンバルブ用基材の軸部の形状は、直径60mm、全長110mmである棒状の形状であった。
エンジンバルブ用基材の傘部の形状は、底面(傘表面)の直径D1が30mmの円であり、高さが7mmである円錐状の形状であった(図7参照)。
(b−1)原料混合物調製工程
次に、セラミック原料としてバリウムシリケートガラス(軟化点770℃)100重量部と、水100重量部と、有機結合材としてメチルセルロース1重量部と、造孔材として黒鉛化したカーボン粒子を0.23重量部とをボールミル等によって湿式混合することにより、原料混合物を調製した。
次に、エンジンバルブ用金属基材の傘裏面の凹部を含む部分であって、傘裾部以外の部分に、原料混合物を塗布することにより、ガラスコート層形成用の塗布層を形成した。塗布層の厚さは、50μmであった。
続いて、形成した凹部の内部に収容されるように、ジルコニア焼結体からなるセラミック部材を凹部に嵌め込んだ。セラミック部材は、断面形状が三角形のリング状であり、最も内側の部分の直径は、15.8mmで、その幅は、3mmであった。また、ジルコニア焼結体からなるセラミック部材の気孔率を上記したアルキメデス法により測定したところ、16%であった。
次に、乾燥機内において70℃で20分乾燥した。
さらに、空気中、焼成炉内で800℃、90分間加熱処理することにより、その厚さが40μmのガラスコート層を形成し、エンジンバルブの製造を終了した。
ガラスコート層は、上から見た上面図において、円環状に形成されており、直径5〜30mmまでの部分にガラスコート層が形成されていた。
製造されたガラスコート層には気孔が形成されており、気孔率は25%、平均気孔径は4μmであった。ガラスコート層の厚さは膜厚計(デュアルスコープ)で決定し、平均気孔径は、SEMによりガラスコート層を撮影して得た写真を用いて決定した。
また、ガラスコート層の気孔率は、ガラスコート層の重量と膜厚計(デュアルスコープ)で測定したガラスコート層の厚さから嵩密度を算出し、ピクノメータで算出した真密度との比を算出し、その値を1から引いて、百分率とした値を気孔率として算出した。
真密度をピクノメータで算出する具体的な方法としては、ガラスコート層を粉末状にし、連続自動粉粒体真密度測定器[(株)セイシン企業製 オートトゥルーデンサー MAT−7000]で測定する。測定溶媒は測定対象となる拡散部材と反応しないものであれば特に限定されないが、本実施例1では、n−ブタノールを使用した。
(a)エンジンバルブ用基材準備工程において、凹部にセラミック部材を配置しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例1に係るエンジンバルブを製造した。
製造された実施例1に係るエンンジンバルブ及び比較例1に係るエンジンバルブに関し、軸部に近い部分で軸部に平行に切断し、断面におけるガラスコート層の厚さを顕微鏡により観察した。その結果、実施例1に係るエンジンバルブでは、ガラスコート層に引けはなく、ガラスコート層は、ほぼ均一な厚さであったのに対し、比較例1に係るエンジンバルブでは、引けが発生しており、5mmの幅で、ガラスコート層に厚さの薄い部分又はガラスコート層が形成されていない部分が観察された。
11、31、51、71、91 軸部(エンジンバルブ)
12、32、52、72、92 傘部(エンジンバルブ)
13、33、53、73、93 ガラスコート層
15、35、55、75、95 セラミック部材
22、42、62、82、102 傘部(金属基材)
22a、42a、62a、82a、102a 傘裏面
220a、420a、620a、820a、1020a 凹部
220、420、620、820、1020 傘裾部
Claims (15)
- 傘部と軸部とからなるエンジンバルブであって、
前記エンジンバルブを構成する金属基材と、
前記金属基材の傘部の側面である傘裏面の傘裾部以外の部分に形成され、その一部が露出した状態のガラスコート層と、
前記ガラスコート層の表面の一部に、前記ガラスコート層の傘裾部側の端部を覆うように配置されたセラミック部材とからなることを特徴とするエンジンバルブ。 - 前記セラミック部材は、気孔を有する請求項1に記載のエンジンバルブ。
- 前記セラミック部材の気孔中にガラスコート層の成分が浸透している請求項2に記載のエンジンバルブ。
- 前記ガラスコート層は、気孔を有する請求項1〜3のいずれかに記載のエンジンバルブ。
- 前記ガラスコート層の厚さは、1〜1000μmである請求項1〜4のいずれかに記載のエンジンバルブ。
- 前記傘裾部の幅は、前記傘裏面の傘裾からエンジンバルブの軸部に向かう方向において、前記傘裏面の幅の3〜20%である請求項1〜5のいずれかに記載のエンジンバルブ。
- 前記ガラスコート層は、非晶質無機材と結晶性無機材とからなる請求項1〜6のいずれかに記載のエンジンバルブ。
- 前記非晶質無機材は、軟化点が300〜1000℃である低軟化点ガラスである請求項7に記載のエンジンバルブ。
- 前記結晶性無機材は、アルミナ、ジルコニア、イットリア、カルシア、マグネシア、セリア及びハフニアからなる群から選択される少なくとも一種からなる請求項7に記載のエンジンバルブ。
- 前記セラミック部材は、ジルコニアからなる請求項1〜9のいずれかに記載のエンジンバルブ。
- 前記セラミック部材は、リング状であり、
前記傘裏面の傘裾部に隣接する部分には、凹部が形成され、
前記凹部には、ガラスコート層の端部が入り込んでおり、
前記リング状のセラミック部材は、前記ガラスコート層が形成された凹部に嵌合されてなる請求項1〜10のいずれかに記載のエンジンバルブ。 - 前記凹部の断面形状は円弧形状である請求項11に記載のエンジンバルブ。
- 前記凹部の断面形状は直角V字形状である請求項11に記載のエンジンバルブ。
- 請求項1〜13のいずれかに記載のエンジンバルブの製造方法であって、
傘部と軸部とからなる金属基材の傘部の側面である傘裏面の、傘裾部以外の部分にガラスペーストを塗布してガラスペースト層を形成する工程、
前記ガラスペースト層の表面の一部に、前記ガラスペースト層の傘裾部側の端部を覆うようにセラミック部材を配置する工程、及び、
前記ガラスペースト層を焼結することにより、ガラスコート層を形成するとともに、前記セラミック部材と前記金属基材とをガラスコート層を介して接着する工程を含むことを特徴とするエンジンバルブの製造方法。 - エンジンバルブに用いられるセラミック部材であって、
前記エンジンバルブは、請求項1〜13に記載のエンジンバルブであることを特徴とするセラミック部材。
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