JP2019143497A - 圧縮自着火式内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】単位体積当たりの熱容量と熱伝導率が低い遮熱膜がピストンの頂面に設けられる圧縮自着火式内燃機関において、筒内のガス温度が下がり難くなることを抑制する。【解決手段】側面20bの全域には遮熱膜M1が形成されている。一方、頂面12aおよび底面20cの全域には、遮熱膜M2が形成されている。遮熱膜M1およびM2は、多孔質アルミナから主に構成されている。遮熱膜M1と遮熱膜M2の違いは、膜厚にある。遮熱膜M1の膜厚は20〜60μmであり、遮熱膜M2の膜厚は60〜150μmである。【選択図】図1

Description

この発明は、圧縮自着火式内燃機関に関する。
特開2017−155639号公報には、ピストンの頂面に遮熱膜が形成された圧縮自着火式内燃機関が開示されている。この遮熱膜は、表面に無数の開口部を有する多孔質膜である。この多孔質膜は、単位体積当たりの熱容量と熱伝導率がピストンの母材よりも低いという熱特性を有している。この多孔質膜の表面の一部の領域には、シリカ膜が設けられている。このシリカ膜が設けられる領域は、燃料噴射弁からの燃料が直接衝突する領域を含んでいる。
この燃料噴射弁からの燃料が直接衝突する領域は、燃料噴霧から生じた初期火炎が接触する領域でもある。この初期火炎が接触する領域は、ピストンの頂面のうちで最も高温化する領域といえる。そして、このような高温化領域では、表面と内部の温度差に起因して多孔質膜が劣化し易い。この点、上記シリカ膜によれば、多孔質膜を補強することができる。したがって、多孔質膜の劣化を抑えることができる。
特開2017−155639号公報 特開2015−094292号公報
しかし、シリカ膜付きの多孔質膜は、シリカ膜を設けた分だけ膜全体の熱容量が増加する。熱容量が増加すると、内燃機関の排気行程において筒内のガス温度が下がり難くなる。筒内のガス温度が下がり難くなると、筒内圧や排気温度が高くなる。そして、筒内圧や排気温度には上限制約が存在することから、これらが上昇し過ぎると、内燃機関の出力の低下に繋がるおそれがある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものである。すなわち、単位体積当たりの熱容量と熱伝導率が低い遮熱膜がピストンの頂面に設けられる圧縮自着火式内燃機関において、筒内のガス温度が下がり難くなることを抑制する技術を提供することを目的とする。
第1の発明は、上述した課題を解決するための圧縮自着火式内燃機関であり、次の特徴を有する。
前記圧縮自着火式内燃機関は、ピストンと、前記ピストンの頂面に向けて燃料を噴射するインジェクタと、を備えている。
前記頂面の全域には、遮熱膜が形成されている。
前記遮熱膜の単位体積当たりの熱容量は、前記ピストンの母材の単位体積当たりの熱容量よりも低く、前記遮熱膜の熱伝導率は、前記ピストンの母材の熱伝導率よりも低い。
前記頂面は、前記インジェクタからの燃料の噴射範囲を少なくとも含む第1領域と、前記第1領域以外の第2領域と、を備えている。
前記第1領域に形成された遮熱膜は、前記第2領域に形成された遮熱膜よりも薄い。
また、第2の発明は、第1の発明において、次の特徴を有する。
前記頂面の中央部には、キャビティが形成されている。
前記キャビティは、開口縁から前記キャビティの最深部までを占める側面と、前記最深部から前記キャビティの中央部までを占める底面と、を備える。
前記第1領域は、前記側面の全域である。
前記第1領域に形成された遮熱膜の膜厚は、均一である。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、次の特徴を有する。
前記遮熱膜は、開口部を有する多孔質アルミナと、前記開口部を封じるシリカと、から構成される。
前記第1領域に形成された遮熱膜の膜厚は、20〜60μmである。
前記第2領域に形成された遮熱膜の膜厚は、60〜150μmである。
第1の発明によれば、インジェクタからの燃料の噴射範囲を少なくとも含む第1領域の遮熱膜が、第2領域の遮熱膜よりも薄く形成される。第1領域の遮熱膜が第2領域の遮熱膜よりも薄ければ、第1領域に厚い遮熱膜を設ける場合に比べて膜全体の熱容量を小さくすることができる。よって、第1領域と第2領域の両方に厚い遮熱膜を設ける場合に比べて、筒内のガス温度が下がり難くなることを抑えることができる。
第2の発明によれば、キャビティの側面の全域に、膜厚が均一の薄い遮熱膜が形成される。したがって、キャビティの側面の一部の領域に薄い遮熱膜が形成され、当該側面の残りの領域に厚い遮熱膜が形成される場合に比べて、当該側面における膜の強度を確保することが可能となる。
第3の発明によれば、開口部を有する陽極酸化膜と、開口部を封じる封孔膜と、から遮熱膜が構成される場合において、筒内のガス温度が下がり難くなることを良好に抑えることができる。
本発明の実施の形態に係る圧縮自着火式内燃機関の縦断面模式図である。 図1に示したピストンの斜視図である。 図1に示した遮熱膜の縦断面模式図である。 遮熱膜の膜厚と燃費改善率の関係の一例を示す図である。 遮熱膜の膜厚の測定箇所の一例を説明する図である。 遮熱膜の膜厚と表面温度の関係の一例を示す図である。 本発明の別の実施の形態に係る圧縮自着火式内燃機関の縦断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
1.内燃機関の構成の説明
図1は、本発明の実施の形態に係る圧縮自着火式内燃機関(以下、「ディーゼルエンジン」ともいう。)の縦断面模式図である。図1に示すディーゼルエンジン10は、車両に搭載される4ストローク型のレシプロエンジンである。図1に示すように、ディーゼルエンジン10は、ピストン12と、シリンダブロック14と、ガスケット16と、シリンダヘッド18と、を備えている。ディーゼルエンジン10の燃焼室は、少なくともピストン12の頂面12aと、シリンダブロック14のボア面14aと、シリンダヘッド18の底面18aと、によって画定される。
頂面12aの中央部には、キャビティ20が設けられている。キャビティ20もディーゼルエンジン10の燃焼室の一部を構成する。キャビティ20は、開口縁20aと、側面20bと、底面20cと、を備えている。側面20bは、開口縁20aからキャビティ20の最深部までを占めている。底面20cは、この最深部からキャビティ20の中央部までを占めている。
シリンダヘッド18には、キャビティ20に向けて燃料を直接噴射するインジェクタ22が取り付けられている。インジェクタ22の先端部には、複数の噴孔が放射状に形成されている。図1には、それらの噴孔のうちの2つから噴射される燃料の噴射範囲IRが描かれている。図1において、ピストン12は圧縮上死点に位置している。噴射範囲IRは、この圧縮上死点を基準として定義される。
より具体的に、噴射範囲IRは、圧縮上死点付近において噴射された燃料が拡散する範囲として定義される。噴射範囲IRの外周の延長線は、キャビティ20の表面上に描かれる。図1に点線で描かれる4本の延長線は、シリンダ軸方向における延長線に相当するものである。底面18a側の2本の延長線は、それぞれ、開口縁20a上の点と、噴孔の中心点と、を通る。底面20c側の2本の延長線は、それぞれ、側面20bと底面20cの境界上の点と、噴孔の中心点と、を通る。このように、噴射範囲IRは、側面20bの領域内に設定されている。
図2は、図1に示したピストン12の斜視図である。図2に示すように、側面20bの全域には、遮熱膜M1が形成されている。一方、頂面12aおよび底面20cの全域には、遮熱膜M2が形成されている。遮熱膜M1およびM2は、多孔質アルミナから主に構成されている。ピストン12の母材は、アルミニウム合金である。多孔質アルミナは、この母材の陽極酸化処理により形成されるいわゆる陽極酸化膜である。
2.遮熱膜の構成の説明
図3は、遮熱膜M1およびM2の構成を説明する図である。図3に示すように、遮熱膜M1およびM2は、アルミニウム合金との境界面から表面に向かう多数の細孔を有している。これらの細孔の開口部は、シリカによって封じられている。シリカは、ケイ素系ポリマー溶液(ポリシラザン、ポリシロキサンなどのシリカ成分を含有する溶液)を用いた封孔処理によって形成される。封孔処理では、多孔質アルミナの表面に塗布されたケイ素系ポリマー溶液の一部が開口部の内側に進入して固化する。そのため、シリカと多孔質アルミナは一体化しており、両者の境界は必ずしも明確とはならない。
図3に示した遮熱膜M1およびM2は、ピストンの母材(つまり、アルミニウム合金)や従来タイプの遮熱膜に比べて、熱伝導率と単位体積当たりの熱容量において低い熱特性を示す。そのため、遮熱膜M1およびM2が形成されたディーゼルエンジンによれば、燃焼室内のガス温度にこれらの遮熱膜の表面温度を追従させることができる。すなわち、ディーゼルエンジンのあるサイクルの膨張行程では、表面温度をガス温度に追従させて、冷却損失を低減することができる。また、その次のサイクルの吸気行程では、燃焼室内に流入するガス温度に表面温度を追従させて、異常燃焼の発生を抑制することもできる。
遮熱膜M1と遮熱膜M2の違いは、膜厚にある。遮熱膜M1の膜厚は、遮熱膜M2の膜厚よりも小さい。より具体的に、遮熱膜M1の膜厚は20〜60μmであり、遮熱膜M2の膜厚は60〜150μmである。遮熱膜M1およびM2の膜厚は、それぞれ均一であることが好ましい。遮熱膜の膜厚が均一であれば、遮熱膜の表面温度の分布に偏りが生じるのを抑えることができる。また、遮熱膜の膜厚が均一であれば、遮熱膜の膜厚が不均一である場合に比べて遮熱膜の強度を高めることもできる。
遮熱膜M1と遮熱膜M2の膜厚の範囲は、図4に示す燃費改善率に基づいて設定されている。図4は、ディーゼルエンジンの燃費改善率と遮熱膜の膜厚の関係を示した図である。図4の縦軸(燃費改善率)は、多孔質アルミナとシリカから構成される遮熱膜をエンジンに適用したときの燃料消費率を、遮熱膜を形成していないエンジンの燃料消費率を基準として求めたものである。
図4に示すように、燃費改善率は、膜厚が20μm以上60μm以下の領域では、膜厚が大きくなるにつれて高くなる。一方、膜厚が60μm以上の領域では、膜厚が大きくなるにつれて燃費改善率が低くなる。膜厚が150μmよりも大きくなると、燃費改善率が20μmのときのそれを下回る。そこで、本実施の形態では、20μmを膜厚の下限値に設定し、150μmを膜厚の上限値に設定している。
3.遮熱膜の形成例
膜厚の異なる遮熱膜M1およびM2は、例えば、陽極酸化処理の時間に差を設けることで形成できる。一般的に、陽極酸化処理の実施時間を長くすると、多孔質アルミナの膜厚が大きくなる。そのため、先ず、側面20bをマスキングしながら陽極酸化処理を行う。これにより、側面20b以外の領域に多孔質アルミナを形成させる。続いて、このマスキングを取り外し、頂面12aの全域を陽極酸化処理する。これにより、側面20bに、周囲に比べて膜厚の小さい多孔質アルミナを形成させる。続いて、平滑化処理を行って多孔質アルミナの高さを揃え、更に、開口部の封孔処理を行う。以上の工程を経ることで、膜厚の異なる遮熱膜M1およびM2を形成できる。
遮熱膜M1およびM2の膜厚は、過電流式膜厚計を用いて測定される。図5は、膜厚の測定箇所の一例を説明する図である。図5には、フロント(Fr)側の3点(頂面12a上の点(i)、側面20b上の点(ii)および底面20c上の点(iii))が測定点として描かれている。膜厚の測定は3〜5回行い、各測定点の平均値を膜厚とする。好ましくは、フロント側の3点だけでなく、リア(Rr)側、吸気(In)側および排気(Ex)側においても同様に膜厚を測定する。これらの箇所での測定をすることで、膜厚が均一であることを確認することができる。
4.遮熱膜M1およびM2による作用・効果
既に説明したように、遮熱膜M1およびM2の熱特性によれば、燃焼室内のガス温度にこれらの遮熱膜の表面温度を追従させることができる。しかし、遮熱膜の膜厚が大き過ぎると、燃費改善率が目標値を下回るケースが出てくる(図4参照)。発明者はこの点に着目して、遮熱膜の表面温度の推移と、遮熱膜の膜厚との関係を調査した。この調査結果が図6である。図6の膨張行程のクランク角(0〜180ATDC)に示すように、遮熱膜の膜厚が大きくなるにつれて、遮熱膜の表面温度の最高値が上昇する。
しかし、排気行程のクランク角(180〜360ATDC)に示すように、遮熱膜の膜厚が大きくなると、排気行程において遮熱膜の表面温度が下がり難くなる。そのため、排気行程に続く吸気行程において低温のガス(新気)が燃焼室内に流入したときに、遮熱膜の表面温度を十分に下げることが難しくなる。このような結果から、本発明者らは、膜厚が60μm以上の領域において燃費改善率が低くなる原因が、膜厚の増加に伴う膜全体の熱容量の増加にあると推測している。
この問題に関し、遮熱膜M1が形成される側面20bには、インジェクタ22からの噴射燃料から生じた初期火炎が衝突する。そのため、側面20bの表面温度の最高値は、高温に到達することが予想される。この点、本実施の形態では、遮熱膜M1の膜厚を20〜60μmにすることで、遮熱膜M1の熱容量を小さくすることができる。したがって、遮熱膜M1では表面温度の最高値が上がり過ぎるのを抑えることができる。ただし、遮熱膜M1と同様に遮熱膜M2を薄くすると、比較的低温と予想される遮熱膜M2の表面温度の最高値も下がってしまう。この点、本実施の形態では、遮熱膜M2の膜厚を60〜150μmにすることで、遮熱膜全体での遮熱性を高めることができる。したがって、エンジンの出力の向上を図ることが可能になる。
なお、上述した実施の形態では、側面20bの領域が第1の発明の「第1領域」に相当し、側面20bを除いた頂面12aの領域が同発明の「第2領域」に相当している。
5.その他の実施の形態
ところで、上述した実施の形態では、側面20bの全域に遮熱膜M1が形成された。しかし、遮熱膜M1の形成箇所は、側面20bの全域でなくてもよい。図7は、側面20bの一部に遮熱膜M1が形成されたピストン24の斜視図である。図7に示すように、遮熱膜M1は、側面20bのうちの円形領域(合計10箇所)に形成されている。ピストン24の頂面24aと、底面20cとには、遮熱膜M2が形成されている。これらの円形領域は何れも、噴射範囲IRに対応する領域である。
また、上述した実施の形態では、多孔質アルミナとシリカから構成される遮熱膜が形成された。しかし、ジルコニア(ZrO)、シリカ(SiO)、窒化珪素(Si)、イットリア(Y)、酸化チタン(TiO)などのセラミックスの溶射により得られる膜を、遮熱膜に使用してもよい。これらの溶射膜は、多孔質アルミナと同等の熱特性を有する。そのため、図4で説明した関係は、これらの溶射膜においても成立することが予測される。
従って、溶射膜を使用する場合は、例えば以下の手法によって、側面20bの全域(または、噴射範囲IRに対応する領域)に形成する膜厚と、側面20b以外の領域に形成する膜厚と、を設定できる。具体的には、先ず、各溶射膜について、図4の関係を求めて燃費改善率の最高値を特定する。そして、この最高値に対応する膜厚よりも薄膜側の範囲を、側面20bの全域に形成する膜厚に設定する。また、この最高値に対応する膜厚よりも厚膜側の範囲では、目標とする燃費改善率に基づいて、膜厚の上限値を設定する。その上で、この最高値に対応する膜厚から上限値までの範囲を、側面20b以外の領域に形成する膜厚に設定する。
10 圧縮自着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)
12、24 ピストン
12a、24a 頂面
20 キャビティ
20a 開口縁
20b 側面
20c 底面
22 インジェクタ
IR 噴射範囲
M1、M2 遮熱膜

Claims (3)

  1. ピストンと、前記ピストンの頂面に向けて燃料を噴射するインジェクタと、を備える圧縮自着火式内燃機関であって、
    前記頂面の全域には、遮熱膜が形成され、
    前記遮熱膜の単位体積当たりの熱容量は前記ピストンの母材の単位体積当たりの熱容量よりも低く、前記遮熱膜の熱伝導率は前記ピストンの母材の熱伝導率よりも低く、
    前記頂面は、前記インジェクタからの燃料の噴射範囲を少なくとも含む第1領域と、前記第1領域以外の第2領域と、を備え、
    前記第1領域に形成された遮熱膜が、前記第2領域に形成された遮熱膜よりも薄い
    ことを特徴とする圧縮自着火式内燃機関。
  2. 前記頂面の中央部には、キャビティが形成され、
    前記キャビティは、開口縁から前記キャビティの最深部までを占める側面と、前記最深部から前記キャビティの中央部までを占める底面と、を備え、
    前記第1領域は、前記側面の全域であり、
    前記第1領域に形成された遮熱膜の膜厚が均一である
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮自着火式内燃機関。
  3. 前記遮熱膜は、開口部を有する多孔質アルミナと、前記開口部を封じるシリカと、から構成され、
    前記第1領域に形成された遮熱膜の膜厚が20〜60μmであり、
    前記第2領域に形成された遮熱膜の膜厚が60〜150μmである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮自着火式内燃機関。
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