JP2013194561A - 圧縮自己着火エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮自己着火エンジンにおいて、冷却損失を低減する。
【解決手段】シリンダヘッド13は、その下面に内壁が径方向の中央から外方に向かって下方に傾斜するヘッド側凹部13aが形成されている。ピストン14は、その冠面の中央部にピストン側凹部14aが、その冠面におけるピストン側凹部14aの径方向の外方にピストン側凹部14aに連続しかつ、圧縮行程後期にヘッド側凹部13aの内壁に沿って径方向の外方から中央に向かって流れるスキッシュ流Sをヘッド側凹部13aの内壁と共に発生させるスキッシュ発生部14cが形成されている。燃料噴射弁17は、燃料噴霧をピストン側凹部14a内に噴射する。
【選択図】図1

Description

本発明は、気筒内に供給された燃料を圧縮自己着火により燃焼させる圧縮自己着火エンジンに関するものである。
従来から、エンジンにおける希薄混合気の燃焼改善のために、様々な方法が提案されている。例えば特許文献1には、圧縮行程終期に吸気側及び排気側のスキッシュエリアからそれぞれ燃焼室天井面及びピストン冠面に沿って流れるスキッシュ流を発生させ、混合気を燃焼室中央部に集合させることで、燃料の着火性を改善すると共に、希薄燃焼を実現した火花点火式エンジンが記載されている。
また、希薄混合気の燃焼改善を図る目的で、燃焼期間を短縮させて燃焼させる圧縮自己着火燃焼を行うことが既に知られている。この圧縮自己着火燃焼によれば、有効膨張比を高めることで、排気損失を低減して、機関運転効率を向上させることができる。圧縮自己着火燃焼においては、着火時期に筒内温度を高めることが必要であるため、高温の既燃ガスを燃焼室内に残す残留ガス量を制御したり、吸入ガスの温度を高めたり、幾何学的圧縮比を高めたりしている。ここで、幾何学的圧縮比を高めると、機関運転効率を向上させることができる反面、圧縮上死点における燃焼室の容積が小さくなる。
実開平5−83328号公報
ところで、圧縮自己着火エンジンにおいて、高負荷運転時や高回転運転時に過早着火や燃焼騒音を抑制するために、圧縮行程後期に燃焼噴射弁から燃料を噴射することがある。
しかしながら、圧縮行程後期に燃焼室の容積が小さくなる高圧縮比の圧縮自己着火エンジンにおいて、圧縮行程後期に燃料を噴射すると、噴射された燃料が燃焼室の壁面に到達し、燃焼室壁面付近でも混合気濃度が高まり、高温の燃焼ガスが燃焼室壁面に接触して、冷却損失が大きくなるという課題がある。特に、幾何学的圧縮比が高くなるほど、気筒内の混合気が圧縮されて燃焼ガス温度が高くなるため、燃焼室壁面を通じて放出される熱放出量が大きくなる。従って、従来よりも高圧縮化したものにおいて、前記課題はとりわけて顕著になる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、気筒内に供給された燃料を圧縮自己着火により燃焼させる圧縮自己着火エンジンにおいて、冷却損失を低減することにある。
前記の課題を解決するため、本発明は、圧縮行程後期にシリンダヘッドの下面に形成されたヘッド側凹部の内壁に沿って径方向の外方から中央に向かって流れるスキッシュ流を発生させるようにしたことを特徴とする。
具体的には、本発明は、内部に気筒が形成されたシリンダブロックと、該シリンダブロック上に配置されたシリンダヘッドと、前記気筒内に嵌挿されたピストンと、前記シリンダブロックと該シリンダヘッドと前記ピストンとによって区画される燃焼室内に燃料噴霧を噴射する燃料噴射弁と、を備え、前記燃料噴射弁により燃料噴霧を噴射する期間を圧縮行程後期に設定すると共に、前記燃焼室内に噴射した燃料噴霧を自己着火させるようした圧縮自己着火エンジンを対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記シリンダヘッドは、その下面に内壁が径方向の中央から外方に向かって下方に傾斜するヘッド側凹部が形成されており、前記ピストンは、その冠面の中央部にピストン側凹部が形成されていると共に、その冠面における前記ピストン側凹部の径方向の外方に該ピストン側凹部に連続しかつ、圧縮行程後期に前記ヘッド側凹部の内壁に沿って径方向の外方から中央に向かって流れるスキッシュ流を前記ヘッド側凹部の内壁と共に発生させるスキッシュ発生部が形成されており、前記燃料噴射弁は、前記シリンダヘッドに前記気筒の軸心に沿って配置されかつ、燃料噴霧を前記ピストン側凹部内に噴射することを特徴とするものである。
これによれば、スキッシュ流を、圧縮行程後期にシリンダヘッドの下面に形成されたヘッド側凹部の内壁に沿って径方向の外方から中央に向かって流すため、ヘッド側凹部の内壁と圧縮行程後期に噴射された燃料噴霧との間に空気層(エアーカーテン)を形成することができ、燃料噴霧がシリンダヘッドの下面(ヘッド側凹部の内壁)に到達(衝突)することを抑制することができる。その結果、燃焼ガスがシリンダヘッドの下面に接触することを抑制することができ、冷却損失を低減することができる。
尚、冷却損失は、冷却損失=熱伝達率×伝熱面積×(ガス温度−燃焼室の区画面の温度)によって決定されるため、前述したように、エアーカーテンを形成すると、熱伝達率が大きくなってしまうが、従来のように、圧縮行程後期に噴射された燃料が燃焼室の区画面に到達して燃焼ガスの熱が燃焼室区画面を通じて放出される場合よりも、冷却損失が低減する。
第2の発明は、前記第1の発明において、前記ピストン側凹部は、その底壁に径方向の外方から中央に向かって隆起する隆起部が形成されており、前記燃料噴射弁は、燃料噴霧を前記ピストン側凹部の側壁に向かって噴射することを特徴とするものである。
これによれば、ピストン側凹部の底壁に径方向の外方から中央に向かって隆起する隆起部を形成しているため、ピストンの上昇に伴って燃料噴霧内の中央空間を隆起部によって圧縮することができ、燃料噴霧がピストンの冠面に到達することを抑制することができる。その結果、燃焼ガスがピストンの冠面に接触することを抑制することができ、冷却損失をより低減することができる。
また、隆起部をピストン側凹部の底壁に形成しているため、燃焼室の容積を小さくすることができる。
第3の発明は、前記第1又は第2の発明において、前記燃焼室を区画する区画面のうち少なくとも前記ピストン側凹部の内壁には断熱層が設けられていることを特徴とするものである。
これによれば、燃焼室を区画する区画面のうち少なくともピストン側凹部の内壁に断熱層を設けているため、燃焼室を断熱化することができ、冷却損失をより低減することができる。
本発明によれば、スキッシュ流を、圧縮行程後期にシリンダヘッドの下面に形成されたヘッド側凹部の内壁に沿って径方向の外方から中央に向かって流すため、ヘッド側凹部の内壁と圧縮行程後期に噴射された燃料噴霧との間に空気層を形成することができ、燃料噴霧がシリンダヘッドの下面に到達することを抑制することができ、その結果、圧縮行程後期に燃焼室内に燃料噴霧を噴射しかつ、圧縮行程後期に燃焼室の容積が小さくなる高圧縮比の圧縮自己着火エンジンにおいて、燃焼ガスがシリンダヘッドの下面に接触することを抑制することができ、冷却損失を低減することができる。
本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの構成を概略的に示す図であり、(a)は、圧縮行程後期でかつ、燃料噴霧の噴射直後における状態を示す図、(b)は、圧縮行程後期でかつ、(a)よりも後における状態を示す図、(c)は、圧縮行程後期でかつ、(b)よりも後における状態を示す図、(d)は、上死点における状態を示す図である。 燃料噴射弁の構成を示す図であり、(a)は、燃料噴射弁の下部の構成を示す部分断面図であり、(b)は、燃料噴射弁の要部の構成を示す断面図である。 スキッシュ流速とクランク角との関係を示すグラフである。 ディーゼルエンジンの変形例の構成を概略的に示す図である。
以下、実施形態に係るディーゼルエンジンを図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。図1は、実施形態に係るエンジン1の概略構成を示す。このエンジン1は、自動車等の車両に搭載されると共に、軽油を主成分とした燃料が供給される圧縮自己着火式内燃機関であって、図例では一つのみ図示するが、複数のシリンダ(気筒)11を有する。エンジン1は、その出力軸は、図示しないが、変速機を介して駆動輪に連結されている。エンジン1の出力が駆動輪に伝達されることによって、車両が推進する。エンジン1は、シリンダブロック12と、その上に載置されるシリンダヘッド13とを備えており、シリンダブロック12の内部にシリンダ11が形成されている。各シリンダ11内には、ピストン14が摺動可能に嵌挿されており、ピストン14は、シリンダ11及びシリンダヘッド13と共に燃焼室15を区画している。
シリンダヘッド13の下面(燃焼室15の上面を区画する天井面)には、内壁(内面)が径方向の中央から外方に向かって下方に傾斜する円錐状のヘッド側凹部13aが凹嵌して形成されている。ヘッド側凹部13aは、その中心軸がシリンダ11の軸心Xに一致して配置されている。ピストン14の冠面には、その中央部にシリンダ11の軸心X方向から見ると円状のピストン側凹部14aが凹嵌して形成されている。ピストン側凹部14aは、その中心軸がシリンダ11の軸心Xに一致して配置され、この例では、その底壁(底面)に径方向の外方から中央に向かって隆起する略円錐台状の隆起部14bが形成されている。隆起部14bは、その中心軸がシリンダ11の軸心Xに一致して配置され、その側壁(側面)が後述する燃料噴射弁17により噴射される燃料噴霧Fに対応した形状でかつ、燃料噴霧Fに沿った形状に形成されている。さらに、隆起部14bは、隆起部14b頂部が径方向の外方から中央に向かって沈下するように、その頂壁が、シリンダ11の軸心Xに直交する方向に対して傾斜している。また、ピストン側凹部14a底部からピストン側凹部14a開口に向かって、ピストン側凹部14aが拡径するように、ピストン側凹部14aの側壁が、シリンダ11の軸心X方向に対して傾斜している。ピストン14の冠面には、ピストン側凹部14aの径方向の外方にピストン側凹部14aの側壁に連続する、シリンダ11の軸心X方向から見ると円環状のスキッシュ発生部14cが形成されている。スキッシュ発生部14cは、その中心軸がシリンダ11の軸心Xに一致して配置され、ヘッド側凹部13aの内壁(傾斜面)に対応して、ヘッド側凹部13aの内壁と平行に延びている。
こうして、このエンジン1では、ヘッド側凹部13aと、ピストン側凹部14aと、隆起部14bと、ヘッド側凹部13aの内壁とスキッシュ発生部14cとにより区画されるスキッシュエリア16とによって、高い幾何学的圧縮比を実現している。幾何学的圧縮比は、本実施形態では、好ましくは20以上、より好ましくは25以上40以下である。
シリンダヘッド13には、各シリンダ11毎に吸気ポート及び排気ポート(図示省略)が2つずつ形成されていると共に、これら吸気ポート及び排気ポートの燃焼室15側の開口を開閉する吸気弁及び排気弁(図示省略)がそれぞれ配設されている。
シリンダヘッド13には、各シリンダ11毎に燃料噴射弁17が設けられている。燃料噴射弁17は、シリンダ11の軸心Xに沿って配置され、例えばブラケットを使用する等の周知の構造でシリンダヘッド13に取り付けられている。燃料噴射弁17の先端は、燃焼室15の天井面(ヘッド側凹部13aの内壁)の中心に臨んでいる。
図2に示すように、燃料噴射弁17は、燃焼室15内に燃料噴霧Fを噴射するノズル口18を開閉する外開弁19を有する、外開弁式のインジェクタである。ノズル口18は、シリンダ11の軸心Xに沿って延びる燃料管20の先端部において、先端側ほど径が大きくなるテーパ状に形成されている。燃料管20の基端側の端部は、内部にピエゾ素子(図示省略)が配設されたケース21に接続されている。外開弁19は、弁本体19aと、弁本体19aから燃料管20内を通ってピエゾ素子に接続された連結部19bとを有している。弁本体19aの連結部19b側の部分が、ノズル口18と略同じ形状を有しており、該部分がノズル口18に当接(着座)しているときには、ノズル口18が閉状態となる。このとき、弁本体19aの先端側の部分は、燃料管20の外側に突出した状態となっている。
ピエゾ素子は、電圧の印加による変形により、外開弁19をシリンダ11の軸心X方向の燃焼室15側に押圧することで、その外開弁19を、ノズル口18を閉じた状態からリフトさせてノズル口18を開放する。このとき、ノズル口18から燃焼室15内(詳しくはピストン側凹部14a内)に燃料噴霧Fが、シリンダ11の軸心Xを中心とするコーン状(詳しくはホローコーン状)に噴射される。そして、ピエゾ素子への電圧の印加が停止すると、ピエゾ素子が元の状態に復帰することで、外開弁19がノズル口18を再び閉状態とする。
そうして、このエンジン1では、燃料噴射弁17により燃料噴霧Fを噴射する噴射期間を、圧縮行程後期でかつ、スキッシュエリア16によって発生させる(生成する)スキッシュ流Sの発生期間の範囲内、例えばエンジン回転数が2000rpmのときにおいてBTDC20°〜30°CA(圧縮行程上死点付近)に設定する。スキッシュ流Sの発生期間は、例えば図3に示すように、BTDC50°〜60°CAから上死点の範囲である。この例では、スキッシュ流速は、徐々に速くなって、BTDC5°CA付近で最大となり、その後、徐々に遅くなって、上死点で0となる(図1の(a)〜(d)も参照)。尚、図3のスキッシュ流速は、燃焼室15の、スキッシュ発生部14cとピストン側凹部14aとの境界部におけるスキッシュ流Sの平均流速を示している。また、膨張行程では、逆スキッシュ流が発生する。
ここで、図中の符号Yは、ノズル口18の中心軸線(燃料噴霧Fの噴霧軸線)であり、この中心軸線Yは、断面視においてノズル口18のコーン状開放部分(図2の(b)を参照)の中心を通る、各位置における直線を示している。
また、燃焼室15は、図1に示すように、シリンダ11の壁面と、ピストン14の冠面と、シリンダヘッド13の下面と、吸気弁及び排気弁それぞれのバルブヘッドの面と、によって区画形成されており、ピストン14の冠面に、後述する構成を有する断熱層22が設けられることによって、燃焼室15が断熱化されている。断熱層22は、これらの区画面の全てに設けてもよいし、少なくともピストン側凹部14aの内壁(隆起部14bの側壁及び頂壁も含む)を含む、これらの区画面の一部に設けてもよい。尚、図1に図示する断熱層22の厚みは実際の厚みを示すものではなく単なる例示である。
燃焼室15の断熱構造について、さらに詳細に説明する。燃焼室15の断熱構造は、前述したように、燃焼室15を区画する各区画面のうちピストン14の冠面に設けた断熱層22によって構成されるが、この断熱層22は、燃焼室15内の燃焼ガスの熱が、区画面を通じて放出されることを抑制するため、燃焼室15を構成する金属製の母材よりも熱伝導率が低く設定される。ここで、ピストン14の冠面に設けた断熱層22についてはピストン14が母材である。従って、母材の材質は、ピストン14については、アルミニウム合金や鋳鉄となる。
また、断熱層22は、冷却損失を低減する上で、母材よりも容積比熱が小さいことが好ましい。つまり、燃焼室15内のガス温度は燃焼サイクルの進行によって変動するが、燃焼室の断熱構造を有しない従来のエンジンは、シリンダヘッドやシリンダブロック内に形成したウォータージャケット内を冷却水が流れることにより、燃焼室を区画する面の温度は、燃焼サイクルの進行にかかわらず、概略一定に維持される。
一方で、冷却損失は、冷却損失=熱伝達率×伝熱面積×(ガス温度−区画面の温度)によって決定されることから、ガス温度と壁面の温度との差温が大きくなればなるほど冷却損失は大きくなってしまう。冷却損失を抑制するためには、ガス温度と区画面の温度との差温は小さくすることが望ましいが、前述したように、燃焼室15の区画面の温度を概略一定に維持した場合、ガス温度の変動に伴い差温が大きくなることは避けられない。
そこで、前記の断熱層22は熱容量を小さくし、燃焼室15の区画面の温度が、燃焼室15内のガス温度の変動に追従して変化することが好ましい。
断熱層22の例示として、この断熱層22は、ピストン14の冠面に、例えばプラズマ溶射により形成した、ジルコニア(ZrO)、又は、部分安定化ジルコニア(PSZ)の皮膜によって構成してもよい。ジルコニア又は部分安定化ジルコニアは、熱伝導率が比較的低くかつ、容積比熱も比較的小さいため、母材よりも熱伝導率が低くかつ、容積比熱が母材と同じか、それよりも小さい断熱層22が構成される。
ここで、エンジン1は、前述したように、シリンダヘッド13内に形成したウォータージャケット内を冷却水が流れることにより、シリンダヘッド13は、ピストン14よりも冷却損失が大きくなる。
圧縮行程後期における燃焼室15内の状態について説明する。圧縮行程後期に、ピストン14の上昇に伴って、径方向の外方から中央に向かって上方に傾斜するヘッド側凹部13aの内壁及びスキッシュ発生部14cに挟まれた部分の空気が径方向の中央側のより広い空間へと押し出されることによって、スキッシュエリア16からヘッド側凹部13aの内壁に沿って径方向の外方から中央に向かって流れるスキッシュ流Sが発生する。そして、圧縮行程上死点付近で、燃料噴射弁17のノズル口18から燃焼室15内に燃料噴霧Fが、シリンダ11の軸心X位置から径方向の外方にかつ、ピストン側凹部14aの側壁に向かって、コーン状に噴射される。
燃料噴霧Fの噴射に伴って燃料噴射弁17の先端付近に負圧が発生することによって、燃料噴霧Fの上方側及び下方側(径方向の外方側及び内方側)それぞれに、燃料噴霧Fから離れる方向に流れた後に燃料噴射弁17の先端に向かって(燃料噴霧Fの噴霧方向とは逆方向に)流れる噴霧渦流Rが発生する。燃料噴霧F上方側(シリンダヘッド13側)の噴霧渦流Rは、燃料噴霧F下方側(ピストン14側)の噴霧渦流Rよりも大きさが大きい。また、燃焼室15の中央部に、燃料噴射弁17の先端に向かって上方に流れるファンネルフロー(図示省略)も発生する。
ここで、前述したように、スキッシュ流Sを、圧縮行程後期にヘッド側凹部13aの内壁に沿って径方向の外方から中央に向かって流すことによって、ヘッド側凹部13aの内壁と圧縮行程上死点付近で噴射された燃料噴霧Fとの間に空気層(エアーカーテン)を形成することができ、燃料噴霧F、特に燃料噴霧F上方側の噴霧渦流Rに含まれる燃料噴霧Fが、冷却損失が大きいシリンダヘッド13の下面(ヘッド側凹部13aの内壁)に到達(衝突)することを抑制することができる。その結果、燃焼ガスがシリンダヘッド13の下面に接触することを抑制することができ、冷却損失を低減することができる。
また、燃料噴霧Fをピストン側凹部14a内に噴射することによって、燃料噴霧Fがシリンダヘッド13の下面に到達することをより抑制することができる。その結果、燃焼ガスがシリンダヘッド13の下面に接触することをより抑制することができ、冷却損失をより低減することができる。
さらに、燃料噴霧Fをピストン側凹部14aの内壁に到達しないようにすることによって、ピストン側凹部14aの内壁と燃料噴霧Fとの間に空気層を介在させることができる。その結果、燃焼ガスがピストン14の冠面に接触することを抑制することができ、冷却損失をより低減することができる。
また、ピストン側凹部14aの底壁に径方向の外方から中央に向かって隆起する隆起部14bを形成していることによって、ピストン14の上昇に伴ってコーン状に噴射された燃料噴霧F内の中央空間を隆起部14bによって圧縮することができ、燃料噴霧Fがピストン14の冠面に到達することを抑制することができる。その結果、燃焼ガスがピストン14の冠面に接触することをより抑制することができ、冷却損失をより低減することができる。
さらに、隆起部14bをピストン側凹部14aの底壁に形成していることによって、燃料噴霧Fが径方向の外方に広がるのに伴って燃料噴霧F下方側の噴霧渦流Rが径方向の外方に広がっていくことを隆起部14bによって抑制することができ、燃料噴霧F下方側の噴霧渦流Rを燃焼室15の中央部に集中させることができる。
また、隆起部14bを、その側壁が燃料噴霧Fに対応した形状でかつ、燃料噴霧Fに沿った形状に形成していることによって、燃料噴霧Fの形状を維持することができる。
さらに、隆起部14b頂部が径方向の外方から中央に向かって沈下するように、隆起部14bの頂壁を、シリンダ11の軸心Xに直交する方向に対して傾斜させていることによって、隆起部14bの頂壁を燃料噴霧F下方側の噴霧渦流Rに対応した形状にすることができ、燃料噴霧F下方側の噴霧渦流Rを隆起部14bの頂壁によって、確実に燃料噴射弁17の先端に向かって上方に流すことができる。
(その他の実施形態)
尚、ピストン側凹部14aの底壁には、隆起部14bが形成されているが、例えば図4に示すように、隆起部を形成しなくてもよい。つまり、ピストン側凹部14aの底壁は、シリンダ11の軸心Xに対して垂直な面で構成されている。このとき、スキッシュ流Sがヘッド側凹部13aの内壁に沿って径方向の外方から中央に向かって流れ、これによって、ヘッド側凹部13aの内壁と燃料噴霧Fとの間に空気層を形成することができ、燃料噴霧Fがシリンダヘッド13の下面に到達することを抑制することができる。その結果、燃焼ガスがシリンダヘッド13の下面に接触することを抑制することができ、冷却損失を低減することができる。
また、隆起部14bは、その頂壁がシリンダ11の軸心Xに直交する方向に対して傾斜しているが、隆起部は、その頂壁がシリンダ11の軸心Xに対して垂直な面で構成されてもよい。
さらに、ヘッド側凹部13aの内壁の、シリンダ11の軸心Xに対する傾斜の大きさは、全周に亘って同一であるが、その大きさは、0にならない限り、変化してもよい。同様に、ピストン側凹部14aの側壁、隆起部14bの側壁及びスキッシュ発生部14cの、傾斜の大きさも、変化してもよい。
また、スキッシュ発生部14cは、ヘッド側凹部13aの内壁と平行に延びているが、スキッシュ発生部は、スキッシュ流Sがヘッド側凹部13aの内壁に沿って径方向の外方から中央に向かって流れる限り、ヘッド側凹部13aの内壁に対して傾斜してもよい。
さらに、燃料噴射期間は、圧縮行程上死点付近に設定されているが、燃料噴射期間は、圧縮行程後期でかつ、スキッシュ流Sの発生期間の範囲内で、適宜設定すればよい。
また、断熱層22は、ジルコニア又は部分安定化ジルコニアの皮膜によって構成しているが、断熱層は、例えば、ジルコニア以外のセラミック系、非セラミック系、又は、シリコン系樹脂の皮膜によって構成してもよい。
さらに、エンジン1は、ディーゼルエンジンによって構成しているが、エンジンは、例えば、ガソリンエンジンによって構成してもよい。このとき、エンジンは、例えば、HCCIモードで運転される。
また、燃料噴射弁17は、アクチュエータとしてピエゾ素子を採用しているが、燃料噴射弁は、例えば、アクチュエータとしてソレノイドを採用してもよい。
以上説明したように、本発明に係る圧縮自己着火エンジンは、冷却損失を低減することが必要な用途等に適用することができる。
1 エンジン
11 シリンダ(気筒)
12 シリンダブロック
13 シリンダヘッド
13a ヘッド側凹部
14 ピストン
14a ピストン側凹部
14b 隆起部
14c スキッシュ発生部
15 燃焼室
16 スキッシュエリア
17 燃料噴射弁
18 ノズル口
22 断熱層
F 燃料噴霧
R 噴霧渦流
S スキッシュ流
X シリンダの軸心
Y ノズル口の中心軸線

Claims (3)

  1. 内部に気筒が形成されたシリンダブロックと、該シリンダブロック上に配置されたシリンダヘッドと、前記気筒内に嵌挿されたピストンと、前記シリンダブロックと該シリンダヘッドと前記ピストンとによって区画される燃焼室内に燃料噴霧を噴射する燃料噴射弁と、を備え、前記燃料噴射弁により燃料噴霧を噴射する期間を圧縮行程後期に設定すると共に、前記燃焼室内に噴射した燃料噴霧を自己着火させるようした圧縮自己着火エンジンであって、
    前記シリンダヘッドは、その下面に内壁が径方向の中央から外方に向かって下方に傾斜するヘッド側凹部が形成されており、
    前記ピストンは、その冠面の中央部にピストン側凹部が形成されていると共に、その冠面における前記ピストン側凹部の径方向の外方に該ピストン側凹部に連続しかつ、圧縮行程後期に前記ヘッド側凹部の内壁に沿って径方向の外方から中央に向かって流れるスキッシュ流を前記ヘッド側凹部の内壁と共に発生させるスキッシュ発生部が形成されており、
    前記燃料噴射弁は、前記シリンダヘッドに前記気筒の軸心に沿って配置されかつ、燃料噴霧を前記ピストン側凹部内に噴射することを特徴とする圧縮自己着火エンジン。
  2. 請求項1に記載の圧縮自己着火エンジンにおいて、
    前記ピストン側凹部は、その底壁に径方向の外方から中央に向かって隆起する隆起部が形成されており、
    前記燃料噴射弁は、燃料噴霧を前記ピストン側凹部の側壁に向かって噴射することを特徴とする圧縮自己着火エンジン。
  3. 請求項1又は2に記載の圧縮自己着火エンジンにおいて、
    前記燃焼室を区画する区画面のうち少なくとも前記ピストン側凹部の内壁には断熱層が設けられていることを特徴とする圧縮自己着火エンジン。
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