JP6281551B2 - エンジン燃焼室の断熱構造 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン燃焼室の断熱構造に関するものである。
従来、エンジン部品のような高温ガスに晒される金属製品では、高温ガスからの熱伝達、すなわち冷却損失を抑制するために、その金属製母材の表面に断熱層を形成することが行われている。その一例として、エンジンの燃焼室を区画するピストン本体の頂面に、ジルコニア等の無機酸化物や、中空粒子を含有する有機系材料からなる断熱層を形成することが知られている。
ところで、燃焼室を区画するピストン本体の頂面とシリンダヘッドの下面との間隙部にスキッシュエリアが形成されることがある。このようなピストン本体の頂面のうち、スキッシュエリアを形成する面(スキッシュエリア面)に断熱層が設けられている場合、当該断熱層の温度は高温となり、延いてはスキッシュエリア面自体が高温となる。このため、燃焼工程において、スキッシュエリアに高温高圧のエンドガス(点火プラグから遠い場所にある未燃焼の混合気)が流れ込んだ際に、高温のスキッシュエリア面により、エンドガスからスキッシュエリア面への放熱が妨げられて、ノッキングが発生し得る。そして、スキッシュエリア面に形成された断熱層にクラックが生じ、断熱層の損傷・剥離が引き起こされ、断熱性能が失われる。
そこで、ピストン本体の頂面のうち、スキッシュエリア面上には断熱層を形成せず、それ以外の部分にのみ断熱層を形成した内燃機関が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の内燃機関によれば、スキッシュエリア面上には断熱層を形成していないので、エンドガスからのスキッシュエリア面への放熱が促進され、ノッキングの発生が抑制される。
特開2011−169232号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、スキッシュエリアにおけるノッキング発生を抑制できるものの、冷却損失の低減という観点からは、スキッシュエリア面も含めたピストン本体の頂面全体に断熱層を形成することが望ましい。
そこで、本発明では、スキッシュエリア面に断熱層を形成しつつ、ノッキングの発生によって当該断熱層に大きなクラックが生じるのを防止し、断熱層の損傷・剥離を抑えることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明では、ピストン本体の頂面におけるスキッシュエリア面の断熱層をキャビティ面の断熱層よりも薄くするようにした。
すなわち、ここに開示するエンジン燃焼室の断熱構造は、エンジンの燃焼室を区画するピストン本体の頂面に断熱層が設けられたものであって、上記ピストン本体の頂面は、上記燃焼室のキャビティを形成するキャビティ面と、上記燃焼室のスキッシュエリアを形成するスキッシュエリア面とを備えており、上記スキッシュエリア面に設けられた断熱層の厚さは、上記キャビティ面に設けられた断熱層の厚さの5%以上50%以下であり、上記スキッシュエリア面は、上記燃焼室外縁側方向の端部である外縁側端部と、上記燃焼室内側方向の端部である内縁側端部と、を有しており、上記スキッシュエリア面に設けられた断熱層の厚さは、上記スキッシュエリア面における上記燃焼室外縁側の上記外縁側端部に向かうにつれて漸次薄くなっていることを特徴とする。
本来、断熱層は、その厚さが厚い程、断熱性能が高くなる。しかし、スキッシュエリア面上に形成された断熱層に、ノッキングの影響によりクラックが生じた場合、断熱層の厚さが厚い程、クラックの深さが深くなり、延いてはクラックの大きさが大きくなる。
そして、このようにクラックの大きさが大きくなる程、断熱層の損傷は大きくなるとともに、断熱層は、その損傷部分から剥離しやすくなる。
本発明によれば、高い断熱性能を要するキャビティ面には、十分な厚さの断熱層を形成するとともに、スキッシュエリア面には、キャビティ面の断熱層に比べて半分以下の厚さの断熱層を形成することにより、ピストン本体の頂面全体で優れた断熱性能を得つつ、スキッシュエリア面の断熱層に発生するクラックの成長を抑制し、当該断熱層の損傷・剥離を抑えることができる。そして、上記スキッシュエリア面に設けられた断熱層の厚さは、上記スキッシュエリア面における上記燃焼室外縁側の上記外縁側端部に向かうにつれて漸次薄くなっている。これにより、ピストン本体の頂面全体で優れた断熱性能を得つつ、断熱層の損傷・剥離を効果的に抑えることができる。
好ましい態様では、上記断熱層は、多数の球状の中空粒子と、上記中空粒子を上記ピストン本体の頂面に保持するとともに、上記中空粒子間を埋めて上記断熱層の母材を形成するバインダとを含む。これにより、断熱層の断熱性能を効果的に向上させることができる。
好ましい態様では、上記バインダは、シリコーン系樹脂である。これにより、断熱層の熱伝導性を低下させることができるとともに、ピストン本体の頂面と断熱層との優れた密着性を得ることができる。
好ましい態様では、上記中空粒子は、ガラスバルーンである。これにより、断熱層の熱伝導性を低くすることができるとともに、その強度も向上させることができる。
好ましい態様では、上記キャビティ面に設けられた断熱層の厚さは、60μm以上100μm以下であり、上記スキッシュエリア面に設けられた断熱層の厚さは、30μm以上50μm以下である。これにより、ピストン本体の頂面全体で優れた断熱性能を得つつ、断熱層の損傷・剥離を効果的に抑えることができる。
以上述べたように、本発明によると、ピストン本体の頂面全体で優れた断熱性能を得つつ、スキッシュエリア面の断熱層に発生するクラックの成長を抑制し、当該断熱層の損傷・剥離を抑えることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジンを模式的に示す断面図である。 図2は、図1の実施形態に係るピストンの冠面を示す平面図である。 図3は、図2のピストンの縦断面図である。 図4は、図3の断熱層の拡大断面図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係るピストン本体の頂面のスキッシュエリア面に設けられた断熱層を示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
<エンジンの構成>
図1に示す直噴エンジンEは、ピストン1、シリンダブロック2、シリンダヘッド3、シリンダヘッド3の吸気ポート5を開閉する吸気バルブ4、排気ポート7を開閉する排気バルブ6、インジェクタ8、点火プラグ9を備える。ピストン1がシリンダブロック2のシリンダボア内を往復動する。
エンジンの燃焼室は、ピストン1の冠面10、シリンダブロック2、シリンダヘッド3、吸排気バルブ4,6の傘部前面(燃焼室に臨む面)で形成される。図1、図2に示すように、ピストン1の冠面10の略中央部には、燃焼室のキャビティを形成する凹陥状のキャビティ部11が設けられている。また、冠面10の外縁側には、燃焼室のキャビティから離れた外縁側にスキッシュエリアを形成するスキッシュエリア部12が存在する。本実施形態に係るピストン1の冠面10において、スキッシュエリア部12はスキッシュエリア部12a,12b,12c,12dからなっている。
<断熱層>
図3に示すように、ピストン1は、該ピストン1の基材であるピストン本体19と、エンジンEの燃焼室の冷却損失低減の観点からピストン本体19の頂面に設けられた断熱層21とを備えている。
ピストン本体19はT7処理又はT6処理を施してなるアルミニウム合金製である。ピストン本体19の頂面は、上記キャビティ部11を構成するキャビティ面11’と、上記スキッシュエリア部12を構成するスキッシュエリア面12’とを備えている。
断熱層21は、図4に示すように、中空粒子31と、バインダ材(バインダ)32とを含む層である。
すなわち、断熱層21は、バインダ材32と、その中に分散された多数の中空粒子31とを含む。バインダ材32は、中空粒子31をピストン本体19の頂面に保持するとともに、中空粒子31間を埋めて断熱層21の母材を形成する。バインダ材32は例えばシリコーン系樹脂などの低熱伝導性材料であるとともに、中空粒子31は、その内部空間に熱伝導性の低い空気を含有する。このため、断熱層21は低熱伝導性の層になっている。
中空粒子31としては、シリカバルーン、ガラスバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン、エアロゲルバルーン等のSi系酸化物成分(例えば、シリカ(SiO))又はAl系酸化物成分(例えば、アルミナ(Al))を含有するセラミック系中空粒子を採用することが好ましく、特にガラスバルーンを採用することが好ましい。これにより、断熱層21の熱伝導性を低くすることができるとともに、その強度も向上させることができる。
なお、中空粒子31は好ましくは球状である。中空粒子31の平均粒径は、断熱層21の断熱性向上の観点から、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上45μm以下、特に好ましくは15μm以上40μm以下である。断熱層21中における中空粒子31の含有量は、断熱層21の断熱性向上の観点から、好ましくは5質量%以上50質量%以下、より好ましくは10質量%以上45質量%以下、特に好ましくは15質量%以上40質量%以下である。
バインダ材32としては、低熱伝導性材料であるシリコーン系樹脂を用いることができ、例えば、メチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂に代表される、分岐度の高い3次元ポリマーからなるシリコーン系樹脂を好ましく用いることができる。シリコーン系樹脂の具体例としては、例えばポリアルキルフェニルシロキサンを挙げることができる。これにより、断熱層21の熱伝導性を低下させることができるとともに、ピストン本体19の頂面と断熱層21との優れた密着性を得ることができる。
ここで、本実施形態に係る断熱層21は、上記スキッシュエリア面12’に設けられた断熱層21bの厚さが、上記キャビティ面11’に設けられた断熱層21aの厚さよりも薄いことを特徴とする。具体的には例えば、スキッシュエリア面12’の断熱層21bの厚さが、キャビティ面11’の断熱層21aの厚さの、好ましくは20%以上60%以下、より好ましくは25%以上55%以下、特に好ましくは30%以上50%以下である。
優れた断熱性能を得る観点から、断熱層21は厚いことが望ましいが、スキッシュエリアでは、上述のごとくノッキングが生じて断熱層21にクラックが入り得る。このクラックは、断熱層21の厚さが厚い程深く進行し、これにより断熱層21の表面近傍の亀裂部分は広がり得る。そして、大きく成長したクラック部分から断熱層21の剥離が生じ、断熱性能が失われる。
本構成によれば、高い断熱性能を得たいキャビティ面11’には、十分な厚さの断熱層21aを形成するとともに、スキッシュエリア面12’には、キャビティ面11’の断熱層21aに比べて半分程度又はそれ以下の厚さの断熱層21bを形成することにより、ピストン本体19の頂面全体で優れた断熱性能を得つつ、スキッシュエリア面12’の断熱層21bに発生するクラックを小さなものとし、当該断熱層21bの損傷・剥離を抑えることができる。
キャビティ面11’の断熱層21aの厚さは、優れた断熱性能を得る観点から、好ましくは40μm以上150μm以下、より好ましくは50μm以上120μm以下、特に好ましくは60μm以上100μm以下である。
また、スキッシュエリア面12’の断熱層21bの厚さは、高い断熱性能を維持しつつ断熱層21bの破損・剥離を防止する観点から、好ましくは15μm以上100μm以下、より好ましくは25μm以上75μm以下、特に好ましくは30μm以上50μm以下である。
なお、キャビティ面11’及びスキッシュエリア面12’以外の頂面上に設けられた断熱層21の厚さは、キャビティ面11’上の断熱層21aと同じか、又はキャビティ面11’上の断熱層21aよりも薄くスキッシュエリア面12’上の断熱層21bよりも厚い構成とすることができる。例えば、図3に示すように、スキッシュエリア面12’に近づくにつれて漸次薄くなるように構成されていてもよい。これにより、ピストン本体19の頂面全体で優れた断熱性能を得ることができる。
また、図5に示すように、スキッシュエリア面12’に設けられた断熱層21bの厚さは、スキッシュエリア面12’における燃焼室外縁側の端部に向かうにつれて漸次薄くなるように構成されていてもよい。これにより、ピストン本体19の頂面全体で優れた断熱性能を得つつ、断熱層21の損傷・剥離を効果的に抑えることができる。
<断熱層の形成方法>
ピストン本体19と断熱層21を形成するための断熱材料とを準備する。
ピストン本体19については、その頂面にキャビティ形成用の凹部を形成しておき、脱脂処理により、ピストン本体19の頂面に付着している油脂や指紋等の汚れを除去する。
また、バインダ材32としての液状シリコーン樹脂と中空粒子31としてのガラスバルーンとを攪拌・混合した断熱材料を準備する。必要に応じて、増粘剤や希釈溶剤を添加して断熱材料の粘度を調整する。
ピストン本体19と断熱材料、特にシリコーン樹脂との付着力を高めるべく、ピストン本体19の頂面に粗面化処理を施すことが好ましい。粗面化処理としては、例えばサンドブラスト等のブラスト処理を行うことが好ましい。例えば、ブラスト処理は、エアーブラスト装置を使用し、研削材として粒度#30のアルミナを用い、圧力0.39MPa、時間45秒、距離100mmの処理条件で行うことができる。なお、これに限らず、ピストン本体19がAl合金からなる場合、アルマイト処理によってピストン本体19の頂面に微小凹凸を形成するようにしてもよい。例えば、アルマイト処理は、シュウ酸浴を用い、浴温20℃、電流密度2A/dm、時間20分の処理条件で行うことができる。
しかる後、断熱材料をピストン本体19の頂面にスプレーや刷毛等を用いて塗布する。続いて、熱風乾燥、赤外線ヒータ等により、塗布された断熱材料の予備乾燥を行う。
そして、必要に応じて、当該塗布と予備乾燥を繰り返し(重ね塗り)、所望の塗布厚さにする。
本実施形態においては、ピストン本体19のキャビティ面11’とスキッシュエリア面12’とでは、断熱層21の厚さが異なる。これは、キャビティ面11’のみ上記断熱材料の重ね塗り回数をスキッシュエリア面12’の重ね塗り回数よりも多くすることにより実現される。
具体的には例えば、まずピストン本体19の頂面全体に必要回数の重ね塗りを行った後に、スキッシュエリア面12’のみにマスキングを行い、スキッシュエリア面12’以外のキャビティ面11’等に、更に必要回数の重ね塗りを行うことにより行われる。なお、上記マスキングは、マスキングテープ又は、樹脂系のマスキング膜を用いて行うことができる。また、上記マスキングは、後述する焼成処理において焼失させることができる。
また、スキッシュエリア面12’の断熱層21bの厚さを、燃焼室外縁側の端部に向かうにつれて漸次薄くする場合は、スプレーの方向を制御するようにすればよい。具体的には例えば、キャビティ面11’側からスキッシュエリア面12’側に向けて断熱材料が放出されるようにスプレーのノズル位置・方向を設定する。これにより、スキッシュエリア面12’のうち、ノズルにより近いキャビティ面11’側の位置では、断熱材料の付着量が多くなる一方、ノズルから遠い燃焼室外縁側の端部には、断熱材料の付着量が少なくなる。そうして、スキッシュエリア面12’において端部に向かうにつれて漸次薄く構成された断熱層21bが得られる。
次に、ピストン本体19の頂面に塗布された断熱材料に対して、例えば、180℃前後の温度で数時間ないし数十時間の加熱処理を行う。これにより、シリコーン樹脂(バインダ)が硬化して、多数の中空粒子31が密に充填され、それら粒子間がバインダ材32で埋まった断熱層21が得られる。
また、断熱材料の塗布方法の一形態として、ピストン本体19の頂面に断熱材料を載せ、ピストン本体19の頂面形状に倣った成形面を有する成形型によって断熱材料をピストン頂面に押し付けて頂面全体に拡げてもよい。本実施形態においては、スキッシュエリア面12’の断熱層21bの厚さがキャビティ面の断熱層21aの厚さよりも薄くなるように成形型の成形面を形成することができる。また、図5に示すように、スキッシュエリア面12’のうち端部に向かうにつれて漸次薄くなるように断熱層21bを形成するには、成形型のスキッシュエリア面12’に対応する部分に傾斜を付けるようにすればよい。なお、この方法によれば、成形中に成形型を加熱することにより、断熱層21の焼成も同時に行うことができる。これにより、断熱層21の製造工程を簡略化することができる。また、断熱層21の焼成を同時に行う場合には、ピストン本体19を、例えばピストンスカートの内側から水冷又は空冷する等の方法によって冷却する構成とすることができる。これにより、断熱層21とピストン本体19の頂面との密着性を向上させることができる。
本発明は、ピストン本体頂面のスキッシュエリア面に断熱層を形成しつつ、当該断熱層に大きなクラックが発生するのを防止し、断熱層の損傷・剥離を抑えることができるので、極めて有用である。
1 ピストン
11’ キャビティ面
12’ スキッシュエリア面
19 ピストン本体
21,21a,21b 断熱層
31 中空粒子
32 バインダ材(バインダ)
E エンジン

Claims (5)

  1. エンジンの燃焼室を区画するピストン本体の頂面に断熱層が設けられたエンジン燃焼室の断熱構造であって、
    上記ピストン本体の頂面は、上記燃焼室のキャビティを形成するキャビティ面と、上記燃焼室のスキッシュエリアを形成するスキッシュエリア面とを備えており、
    上記スキッシュエリア面に設けられた断熱層の厚さは、上記キャビティ面に設けられた断熱層の厚さの5%以上50%以下であり、
    上記スキッシュエリア面は、上記燃焼室外縁側方向の端部である外縁側端部と、上記燃焼室内側方向の端部である内縁側端部と、を有しており、
    上記スキッシュエリア面に設けられた断熱層の厚さは、上記スキッシュエリア面における上記燃焼室外縁側の上記外縁側端部に向かうにつれて漸次薄くなっている
    ことを特徴とするエンジン燃焼室の断熱構造。
  2. 請求項1において、
    上記断熱層は、
    多数の中空粒子と、
    上記中空粒子を上記ピストン本体の頂面に保持するとともに、上記中空粒子間を埋めて上記断熱層の母材を形成するバインダとを含む
    ことを特徴とするエンジン燃焼室の断熱構造。
  3. 請求項2において、
    上記バインダは、シリコーン系樹脂である
    ことを特徴とするエンジン燃焼室の断熱構造。
  4. 請求項2又は請求項3のいずれか一において、
    上記中空粒子は、ガラスバルーンである
    ことを特徴とするエンジン燃焼室の断熱構造。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    上記キャビティ面に設けられた断熱層の厚さは、60μm以上100μm以下であり、
    上記スキッシュエリア面に設けられた断熱層の厚さは、30μm以上50μm以下である
    ことを特徴とするエンジン燃焼室の断熱構造。
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