JP6326880B2 - 断熱層の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、断熱層の形成方法に関し、特に中空粒子を含む断熱層の形成方法に関する。
従来から、エンジンの熱効率を向上するために熱損失を低減することが重要視されており、この熱損失の低減のためにエンジンの燃焼室を形成するシリンダヘッド、ピストン、バルブ等に断熱層を設けることが検討されている。特に、近年、断熱層の熱伝導率をより低減できるようにするために、中空粒子を含む断熱層も提案されている。
例えば、特許文献1には、エンジン燃焼室を構成する部品の基材表面にシリコーン樹脂と中空粒子とを含む層が形成され、その上にSiOを含む層が形成されてなる断熱構造体が開示されている。また、特許文献2には、エンジン燃焼室を構成する部品の基材表面に、中空粒子が含有されたZrO等の低熱伝導性の無機酸化物層からなる断熱層が形成された構成について開示されている。
特許文献1及び2の断熱層によると、断熱層内に空気を含む中空粒子が含有されており、さらに、それら中空粒子同士を結合させるバインダ材としてシリコーン樹脂やZrO等の低熱伝導性材料が用いられているため、エンジン燃焼室の熱損失を低減することが可能となる。
特開2014−1718号公報 特開2013−209920号公報
エンジン燃焼室に設けられる断熱層は、その表面粗さが大きいと、断熱層の表面における局所的な温度上昇が生じるおそれがあって、良好な断熱性能が得られないので好ましくない。また、近年、実用化のために研究されている予混合圧縮着火(Homogeneous Charge Compression Ignition:HCCI)燃焼と火花点火(Spark Ignition:SI)燃焼とを切り替え可能なエンジンでは、SI燃焼時は燃料と空気との混合気が点火プラグの周辺に流れるようにすることが求められるが、そのようなエンジンに設けられた断熱層の表面粗さが大きいと、キャビティ形状に沿って混合気が点火プラグ周りに流れるように指向せず、期待される火炎伝播が得られない。
このため、エンジン燃焼室を構成する部品の基材表面に設けられる断熱層の表面粗さは、極力小さい方が好ましいが、上記特許文献1及び2では、断熱層の表面粗さを小さくするような具体的な方法については開示されていない。特許文献1及び2のような中空粒子を含む断熱層では、中空粒子に起因して断熱層の表面粗さが大きくなることが考えられる。
断熱層の表面粗さを低減するために、例えば、特許文献1のようにシリコーン樹脂をバインダ材として用いた断熱層では、シリコーン樹脂の柔らかさを利用して、所定形状を成した押圧部材で断熱層表面を押圧して、断熱層の表面粗さを低減することが考えられる。しかしながら、押圧部材によって断熱層表面を押圧した後に、押圧部材とシリコーン樹脂とを良好に分離することができないおそれがある。また、特許文献2のようにセラミック系のバインダ材を用いた断熱層では、断熱層表面が硬いので機械研削により表面粗さを低減することが考えられる。しかしながら、そのようにするとセラミックに微細なクラックや剥離が生じたり、破砕された中空粒子が露出したりするおそれがある。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジン燃焼室に設けられる中空粒子を含む断熱層の表面粗さを低減できて、断熱層の局所的な温度上昇を防止でき、及び燃焼室内の混合気が断熱層に影響されることなく所望の指向性を示すようにすることにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、中空粒子、バインダ材及び溶剤を含む断熱層材料である混合液の粘度が小さくなるように調整した後に、該断熱層材料を基材表面に塗布するようにした。
具体的に、本発明に係る断熱層の形成方法は、基材上に断熱層を形成する方法であって、断熱層が形成される基材と、平均粒子径が35μm以下の中空粒子と、該中空粒子同士及び該中空粒子と基材とを結合するためのバインダ材と、溶剤とを準備するステップと、中空粒子とバインダ材との合計量に対する中空粒子の配合割合が40vol%以上となり、且つ、室温でのB型粘度計による測定で0.05Pa・s以下の粘度となるように前記溶剤の量を調整しつつ、中空粒子、バインダ材及び溶剤を混合して混合液を得るステップと、基材に混合液を塗布するステップと、基材に塗布された混合液に対して熱処理をすることにより、乾燥及び焼成するステップとを備え、前記基材として、エンジンの燃焼室又は吸排気通路を構成する部品を用い、前記断熱層の表面粗さは8.5μm以下であることを特徴とする。
本発明に係る断熱層の形成方法によると、断熱層の材料となる上記混合液の粘度が0.05Pa・s以下と低いため、基材への塗布後に一時的に中空粒子が局所的に堆積したとしても、下方に流動して略均一に堆積されるため、得られる断熱層の表面粗さを低減することができる。その結果、断熱層の局所的な温度上昇を防止することができる。従って、エンジンの燃焼室又は吸排気通路を構成する部品に対して上記方法を適用することで、表面粗さが低く且つ熱伝導率が低い断熱層を形成することができるので、エンジンの燃焼室及び吸排気通路における熱損失を低減でき、燃費を向上することができる。また、HCCI燃焼が可能なエンジンの燃焼室を構成する部材に適用する場合は、燃焼室内の混合気が断熱層に影響されることなく所望の指向性が得られる。
本発明に係る断熱層の形成方法では、基材に混合液を塗布するステップにおいて、スプレー塗布を用い、スプレーの吐出口から基材までの距離を175mm以上350mm以下として塗布をすることが好ましい。
このようにすると、スプレー塗布するためのスプレーガン等から混合液が吐出されてから基材に付着するまでの間の時間が小さくなるため、混合液中の溶剤の揮発量を小さくできて混合液の粘度の増大を防止することができる。その結果、得られる断熱層の表面粗さの増大を防ぐことができる。また、スプレーの吐出口から基材までの距離が過度に小さくないため、塗布斑が生じることを防止できる。
本発明に係る断熱層の形成方法では、バインダ材として、シリコーン系樹脂又はケイ酸ガラスを用いることができ、また、中空粒子として、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン又はアルミナバルーンを用いることができる。
上記の材料は熱伝導率が低いため、これらを用いることで熱伝導率が低い断熱層を得ることができる。また、前記混合液を得るステップで、前記中空粒子の前記配合割合が65vol%、及び/又は、前記粘度が0.05Pa・s若しくは0.036Pa・sである構成とすることができる。
本発明に係る断熱層の形成方法によると、エンジン燃焼室に設けられる中空粒子を含む断熱層の表面粗さを低減できて、断熱層の局所的な温度上昇を防止でき、及び燃焼室内の混合気が断熱層に影響されることなく所望の指向性を得ることができる。
本発明の実施形態に係る断熱層を示す断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の実施形態に係る断熱層の効果を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用方法或いはその用途を制限することを意図するものでない。
<断熱層の構成>
まず、本発明の実施形態に係る断熱層の構成について図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、金属製の基材10の上に形成された本実施形態に係る断熱層20は、無機酸化物等からなる中空粒子21と、中空粒子21同士及び基材10と中空粒子21とを結合するバインダ材22とを含む。断熱層20は、バインダ材22が中空粒子21を覆うと共にそれらを結合することで層構造を成している。断熱層20は、内部に空気を含む中空粒子21を含有するため、断熱層20の熱伝導率は低く、高い断熱性能を有する。
本実施形態において、無機酸化物の中空粒子21としては、ガラスバルーン、ガラスバブル、フライアッシュバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、エアロゲルバルーン等のSi系酸化物成分(例えば、シリカ(SiO))又はAl系酸化物成分(例えば、アルミナ(Al))を含有するセラミック系中空粒子を採用することが好ましい。
例えば、フライアッシュバルーンの化学組成は、SiO;40.1〜74.4%、Al;15.7〜35.2%、Fe;1.4〜17.5%、MgO;0.2〜7.4%、CaO;0.3〜10.1%(以上は質量%)である。シラスバルーンの化学組成は、SiO;75〜77%、Al;12〜14%、Fe;1〜2%、NaO;3〜4%、KO;2〜4%、IgLoss;2〜5%(以上は質量%)である。また、ガラスバルーンは、ソーダ石灰ホウケイ酸ガラスからなる。
中空粒子21としては、その平均粒子径(メディアン径)が35μm以下のものが用いられる。中空粒子21の径が大きすぎると、断熱層の表面粗さが大きくなって、断熱層の表面温度の局所的な上昇等の問題が生じるおそれがあるため、中空粒子21の平均粒子径は35μm以下とする。また、断熱層の表面粗さに関しては中空粒子21の粒径が過度に小さいことに問題はないが、粒径が過度に小さいと、含有される空気量も小さくなって断熱層の熱伝導率が大きくなるため、5μm以上の粒径を有する中空粒子を用いることが好ましい。
バインダ材22は、中空粒子21同士及び中空粒子21と基材10とを結合して断熱層20を構成するために用いられており、例えばシリコーン系樹脂やケイ酸ガラス等の熱伝導率が低い材料を用いることができる。シリコーン系樹脂としては、例えばメチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂に代表される、分岐度の高い3次元ポリマーからなるシリコーン樹脂を好適に用いることができ、具体例としては、例えばポリアルキルフェニルシロキサンを挙げることができる。
断熱層20における中空粒子21とバインダ材22との配合割合について、中空粒子21の配合割合が小さいと断熱層20の熱伝導率が大きくなるため、中空粒子21とバインダ材22との合計量に対する中空粒子21の配合割合は40vol%以上とすることが好ましい。
<断熱層の形成方法>
次に、上記の断熱層を基材上に形成する方法について説明する。なお、以下では、基材としてエンジン燃焼室を構成する部品であるピストン本体の頂面に断熱層を形成する方法を説明するが、シリンダヘッド等のエンジン燃焼室を構成する他の部品や、エンジンの吸排気通路を構成する部品等を基材として用いた場合も、ピストン本体に断熱層を形成する場合と同様の方法で断熱層を形成することができる。
まず、予めT6処理されたエンジン部材であるアルミ合金製のピストン本体(基材)を準備する。このピストン本体に対して、脱脂処理を行うことにより、その断熱層を形成すべき表面に付着している油脂や指紋等の汚れを除去する。ここで、ピストン本体と断熱層との付着力を高めるべく、ピストン本体の頂面に粗面化処理(下地処理)を施すことが好ましい。下地処理としては、例えばサンドブラスト等のブラスト処理を行うことが好ましい。例えば、ブラスト処理は、エアーブラスト装置を使用し、投射材として粒度#30のアルミナを用い、圧力0.39MPa、時間45秒、距離100mmの処理条件で行うことができる。この他に、アルマイト処理を行うことでピストン本体と断熱層との付着力を向上させてもよい。例えば、アルマイト処理は、シュウ酸浴を用い、浴温20℃、電流密度2A/dm、時間20分の処理条件で行うことができる。なお、下地処理として、これらに限らず、例えば化成処理等を行ってもよい。
次に、断熱層材料として中空粒子とバインダ材と溶剤とを準備し、これらを混合して混合液を得る。例えば、中空粒子としては、上述の通り、平均粒子径(メディアン径)が35μm以下の上記のガラスバルーンやシラスバルーンやシリカバルーン等を用いることができる。また、バインダ材は上記のようなシリコーン系樹脂やケイ酸ガラス等を用いることができる。溶剤は、塗装、焼成時に揮発する材料を採用することができ、例えばキシレンやアルコール系等を用いることができる。また、中空粒子とバインダ材との合計量に対する中空粒子の配合割合が40vol%以上となるように調整し、且つ、得られる混合液の粘度が室温下におけるB型粘度計による測定で0.05Pa・s以下となるように溶剤量を調整する。
上記材料が混合された混合液を調製した後に、その混合液を上記ピストン本体の頂面上に、手動スプレーガン又は自動スプレーガン等を用いてスプレー塗布する。ここで、スプレー塗布の条件としては、スプレーの吐出口から基材までの距離であるワークディスタンスを175mm以上350mm以下とする。これにより、スプレーガンから発射されてから基材に付着するまでの間に揮発する溶剤の量を低減できて、基材に塗布された時点での上記混合液の粘度が増大することを抑制することができると共に、ワークディスタンスが過度に小さいことによる塗布斑の生成を防止できる。塗布回数は、所望の断熱層の厚さ等により適宜選択することができる。また、スプレーからの上記混合液の吐出量(mL/min)も塗布斑の発生や、塗布時の溶剤の揮発量の増大を抑制できる範囲で適宜決定でき、例えば60mL/min以上100mL/min以下に設定することができる。
その後、塗布された混合液に対して、熱処理を施すことにより乾燥及び焼成する。乾燥工程では、混合液中の溶剤の揮発を促進できる温度条件及び時間条件で熱処理を行うことが好ましく、例えば上記キシレンを溶剤とし、シリコーン樹脂材をバインダとして用いた場合、120℃で60分間の熱処理を行うことが好ましい。また、焼成工程では、シリコーン樹脂材の硬化を促進できる温度条件及び時間条件で熱処理を行うことが好ましく、例えば上記キシレンを溶剤とし、シリコーン樹脂材をバインダ材として用いた場合、180℃で30分行うことが好ましい。この温度条件及び時間条件は、用いる材料により適宜変更することが可能である。但し、本実施形態のように基材としてアルミ合金製のピストン本体を用いている場合、アルミ合金製ピストンは、通常、180℃程度で熱処理を行うT6処理等が施されており、このようなアルミ合金製ピストンに対して180℃を超える熱処理を行うと、ピストンの硬さや強度が低下するおそれがある。このため、基材としてアルミ合金製のピストン本体を用いている場合は、180℃以下で上記熱処理を行うことが好ましい。
以上のようにして、ピストン本体の頂面に、中空粒子及びシリコーン樹脂であるバインダ材を含む断熱層を形成することができる。本実施形態に係る断熱層の形成方法では、基材への塗布時の中空粒子とシリコーン樹脂材と溶剤との混合液の粘度を0.05Pa・s以下と低い値に調整するため、断熱層の表面粗さを低減することができる。
この効果について具体的に説明する。まず、混合液の粘度が大きい場合、図2(a)に示すように、塗布時に中空粒子が局所的に堆積する部分が生じると、中空粒子は移動することなく堆積した状態で堆積した状態で熱処理により乾燥及び硬化される。その結果、表面粗さが大きい断熱層が得られる。
一方、本実施形態のように中空粒子、バインダ材及び溶剤を含む混合液の粘度を0.05Pa・s以下と小さくすることにより、図2(b)に示すように、基材への混合液の塗布時に、中空粒子が局所的に堆積しても、混合液の粘度が低いため次第に堆積した中空粒子が下方に流動して略均一に堆積することとなる。その後、混合液が熱処理により乾燥及び硬化されることで表面粗さが小さい断熱層が得られる。また、上記のようにワークディスタンスを175mm以上350mm以下と小さくすることにより、スプレーガンから発射されて基材に塗布されるまでの間における溶剤の揮発量を低減することができて、基材に付着するまでの間の粘度上昇を抑制することができる。このため、得られる断熱層の表面粗さの増大を抑制できる。
以上の通り、本実施形態に係る断熱層の形成方法によると、中空粒子を含み、表面粗さが小さい断熱層を得ることができるため、熱伝導率が低い断熱層を得ることができ、該断熱層の局所的な温度上昇を防止することができ、また、HCCI燃焼が可能なエンジンの燃焼室を構成する部材に適用する場合は、燃焼室内の混合気が断熱層に影響されることなく所望の指向性が得られる。
以下に、本発明に係る断熱層の形成方法を詳細に説明するための実施例を示す。
本実施例では、基材としてアルミ合金製のテストピースを用い、中空粒子として平均粒子径(メディアン径)が28μmであるガラスバルーンを用い、バインダ材としてシリコーン樹脂(ポリアルキルフェニルシロキサン)を用い、溶剤としてキシレンを用い、上記断熱層の形成方法に従って、中空粒子とバインダ材と溶剤との混合液の粘度、混合液(塗料)の吐出量及びワークディスタンスを変えて、それぞれの条件により形成された断熱層の表面粗さ(Ra)を測定し、それらの差異について検討した。特に、実施例1〜8では混合液の粘度を0.05Pa・s以下とし、比較例1〜10では混合液の粘度を0.09Pa・s以上とした。
なお、中空粒子、バインダ材及び溶剤の粘度は、室温下でB型粘度計(ブルックフィールド製LV DV-E)を用いてJIS Z8803:2011に準じて測定し、断熱層の表面粗さ(Ra)は、ミツトヨ製SV-C4000CNC(検出器S-3000)を用いて測定した。また、全ての実施例及び比較例において、中空粒子とバインダ材との合計量に対する中空粒子の配合量は65vol%に統一し、塗装回数は6回に統一した。塗布後の熱処理では、混合液に対して120℃で60分間の乾燥を行った後に、180℃で30分間の焼成を行った。以下の表1に実施例1〜8及び比較例1〜10における上記配合量、粘度、塗布条件及び得られた断熱層の表面粗さを示す。
表1に示すように、B型粘度計により測定された粘度が0.05Pa・s以下の混合液を用いた実施例1〜8の断熱層は、表面粗さが8.5μm以下であり、一方、粘度が0.09Pa・s以上の混合液を用いた比較例1〜10の断熱層は、表面粗さが14.6μm以上であり、粘度が小さい混合液を用いた実施例1〜8の断熱層の方が、表面粗さが小さいことがわかる。これは、上述の通り、混合液の粘度が0.05Pa・s以下と低いため、基材にその混合液が塗布された際に、中空粒子が局所的に堆積することなく、下方に流動して略均一に堆積するためであると考えられる。また、表1に示すようにワークディスタンスを小さくすることにより表面粗さが小さくなる結果も得られた(例えば、実施例5と7の比較等。)。これは、ワークディスタンスが小さいほど、スプレーガンから混合液が吐出されてから基材に付着するまでの間における混合液中の溶剤の揮発量を小さくできて、混合液の粘度の増大を防止できるためであると考えられる。
以上の通り、本発明に係る断念層の形成方法は、中空粒子、バインダ材及び溶剤の粘度を小さくすることにより、中空粒子の局所的な堆積を防止できて、得られる断熱層の表面粗さを低減することができる。
10 基材
20 断熱層
21 中空粒子
22 バインダ材

Claims (5)

  1. 基材上に断熱層を形成する方法であって、
    前記断熱層が形成される基材と、平均粒子径が35μm以下の中空粒子と、該中空粒子同士及び該中空粒子と基材とを結合するためのバインダ材と、溶剤とを準備するステップと、
    前記中空粒子と前記バインダ材との合計量に対する前記中空粒子の配合割合が40vol%以上となり、且つ、室温でのB型粘度計による測定で0.05Pa・s以下の粘度となるように前記溶剤の量を調整しつつ、前記中空粒子、バインダ材及び溶剤を混合して混合液を得るステップと、
    前記基材に前記混合液を塗布するステップと、
    前記基材に塗布された前記混合液に対して熱処理をすることにより、乾燥及び焼成するステップとを備え、
    前記基材として、エンジンの燃焼室又は吸排気通路を構成する部品を用い
    前記断熱層の表面粗さは8.5μm以下である
    ことを特徴とする断熱層の形成方法。
  2. 前記基材に前記混合液を塗布するステップにおいて、スプレー塗布を用い、スプレーの吐出口から基材までの距離を175mm以上350mm以下として前記塗布をすることを特徴とする請求項1に記載の断熱層の形成方法。
  3. 前記バインダ材として、シリコーン系樹脂又はケイ酸ガラスを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の断熱層の形成方法。
  4. 前記中空粒子として、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン又はアルミナバルーンを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の断熱層の形成方法。
  5. 前記混合液を得るステップで、前記中空粒子の前記配合割合が65vol%、及び/又は、前記粘度が0.05Pa・s若しくは0.036Pa・sである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の断熱層の形成方法。
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