JP2004195355A - 淡色系メタリック塗料の塗装方法 - Google Patents

淡色系メタリック塗料の塗装方法 Download PDF

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伴成 長瀬
Toshiharu Morita
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Abstract

【課題】従来、強い静電気を付与することで、メタリック塗料中のアルミ箔片の姿勢を制御することが提案されてきた。姿勢は制御できるが、磁力線にアルミ箔片が沿って整列し、筋模様が発生するという新たな不具合が認められた。
【解決手段】NV値を55〜65%の範囲に制御することにより、色むら並びに乾燥むらの発生を抑えることができ、高い品質の塗装面を得ることができる。
【表5】

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の上塗り塗装に好適な淡色系メタリック塗料の塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタリック塗料は、顔料に鋭いアルミ片を混ぜ、このアルミ片で金属感を発揮させる。アルミ片の姿勢によって、全体の明暗が変化するため、アルミ片の姿勢を制御することが重要であり、アルミ片の姿勢を調節する技術が提案されている(例えば、特許文献1。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−108109号公報(請求項1)
【0004】
特許文献1の請求項1に「被塗物にメタリック塗料が静電塗装された後、該メタリック塗料が乾燥固化する前に、・・・被塗物に第1電極を対峙させ、・・・静電誘導により前記被塗物表面を帯電させ、一方・・・被塗物表面に対峙させて第2電極を配設し、・・・前記メタリック塗料中のアルミ箔片の姿勢を変えることを特徴とするメタリック塗料の塗装後の表面処理方法。」と記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らが、特許文献1の方法を試したところ次の課題があることが分かった。
特許文献1での帯電電圧が数万ボルトであるため、強い磁力線(磁石であれば、N極とS極とに跨る弧状の線)が不可避的に形成される。
【0006】
一方、塗料は、基本的に溶剤を加えて流動性を高めることが、塗布作業の円滑化を図るために行われる。
溶剤を多く加えるほど流動性が増すが、流動性が高いと含まれるアルミ箔片が移動しやすくなり、前記強い磁力線に沿って整列する現象が発生する。
すなわち、アルミ片が筋状に整列することから、筋状のむらができる。
【0007】
また、磁力作用とは別に、流動性が高いと含まれるアルミ箔片が移動しやすいため、アルミ箔片同士が局部的に集まる現象も発生する。これは、色むらと称する不具合を引き起こす。
これら筋むら並びに色むらは、塗装面の品質を低下させることは言うまでもない。
そこで、本発明の目的は、メタリック塗装において、色むらの発生を抑えることのできる塗装方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1は、淡色系のメタリック塗料を回転霧化式塗装ガンで霧化するとともに高電圧で帯電させ、これと反対電位のワークに塗装するときに、下記のNV値で塗装作業を実施することを特徴とする。
55%≦NV値≦65%
ただし、NV値は、(固形分/塗料量)×100で定義される。
NV値は、吹付け後に一定時間経過したときの値である。
一定時間は、次の重ね塗りなどの次作業が可能になるまでの時間を指す。
【0009】
NV値が55%未満であると、塗料の流動性が過多であり、アルミ片が簡単に流動し、磁力線などにより色むらが発生する。
NV値が65%を超えると、塗料の流動性が過少となり、膜厚が均一になる前に固まるなどの理由により、乾燥むらが発生する。
NV値を55〜65%の範囲に制御することにより、色むら並びに乾燥むらの発生を抑えることができ、高い品質の塗装面を得ることができる。
【0010】
請求項2では、NV値は、塗装面と塗装ガンとの間の塗装距離を変更することで調整することを特徴とする。
塗装距離を大きくすると、塗粒の飛行時間が延びる。飛行時間に比例して塗粒に含まれる溶剤が蒸発する。従って、塗装距離を増大することでNV値を容易に高めることができる。
【0011】
請求項3では、NV値は、塗装ガンから噴射する塗粒の径を変更することで調整することを特徴とする。
塗粒を小径にし、その数を増やすことで、重量当りの塗粒の表面積を増加することができる。表面積が大きければ大気との接触面積が増し、塗粒に含まれる溶剤をより蒸発させることができる。従って、塗粒を細粒化することで、NV値を高めることができる。
【0012】
請求項4では、NV値は、塗装面と塗装ガンとの間の塗装距離を変更するとともに、塗装ガンから噴射する塗粒の径を変更することで調整することを特徴とする。
塗装距離を大きくすると、塗粒の飛行時間が延びる。飛行時間に比例して塗粒に含まれる溶剤が蒸発する。従って、塗装距離を増大することでNV値を容易に高めることができる。
加えて塗粒を小径にし、その数を増やすことで、重量当りの塗粒の表面積を増加することができる。表面積が大きければ大気との接触面積が増し、塗粒に含まれる溶剤をより蒸発させることができる。従って、塗粒を細粒化することで、NV値を高めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明で採用した回転霧化式塗装ガンの要部断面図であり、回転霧化式塗装ガン10は、毎分数万回転で回転させるベル11と、このベル11を囲うガン本体12と、このガン本体12に設けたエア通路13及びエアノズル14と、を備える。そして、回転霧化式塗装ガン10には−50000Vの静電気を帯電させる。
【0014】
白抜き矢印のごとく塗料をベル11に供給すると、塗料15は高速回転中のベル11に沿って広がり、ベル11の外縁から飛び出す。すなわち、ベル11により付与された遠心力により、飛び出すと共に微細粒になる。そこで、この様な形式の塗装ガンを回転霧化式塗装ガンと呼ぶ。
【0015】
なお、エアノズル14から吹出すエア15は塗粒16を囲う。そのため、エア15を増量すると塗粒16の広がりを抑えつつ塗粒16の飛行速度を高めることができる。逆に、減量すると塗粒16の広がりを促しつつ塗粒16の飛行速度を下げることができる。そこで、このエア15をシェーピングエアと呼ぶ。
【0016】
遠心力は、ベル11の径及び回転速度に正比例するため、径及び/又は回転速度を増加することで、塗粒16はより小径になる。
【0017】
図2は塗装ロボットの配置図であり、ワークとしての車両ボディ20の脇に塗装ロボット21を設置し、この塗装ロボット21のアーム22の先端に回転霧化式塗装ガン10を取付け、第1軌跡T1のごとく回転霧化式塗装ガン10を、車両ボディ20に沿って相対移動させる。第1軌跡T1はティーチングにより達成できる。
【0018】
なお、回転霧化式塗装ガン10の軸23が、車両ボディ20の曲面の法線24に合致するように塗装ロボット21を三次元立体形状追従制御させる。
【0019】
各種の塗装作業を実施したところ以下のことが判明した。すなわち、塗装直後のアルミ片の姿勢を図3で述べ、塗装直後から一定時間経過時点でのアルミ片の形態を表1で説明する。
【0020】
図3はアルミ片の姿勢とシェーピングエアの関係を調べたグラフであり、縦軸はシェーピングエアの量Nl(ノーマルリットル)/分を示す。なお、縦軸目盛りに添えた括弧内数値は流速を示す。
シェーピングエアの量が650Nl/分を超えるとアルミ片が好ましく寝る(倒れる)ことが分かった。また、シェーピングエアの量が450Nl/分を切ると立ったアルミ片が含まれることが分かった。
【0021】
塗装直後から一定時間経過時点でのアルミ片の形態を、NV値で整理したものが表1である。このNV値は、塗料に占める固形分の割合(%)を意味し、NV=100×固形分/塗料で計算することができる指標である。
ただし、NV値は、塗装ガンから塗布した後に一定時間(60〜80秒)経過した時点での値である。
この一定時間は、次作業(次の重ね塗りなどの作業)が可能になるまでの時間を指す。
【0022】
【表1】
Figure 2004195355
【0023】
NV値が55%未満であると、塗料の流動性が過多であり、寝ていたアルミ片が起きる可能性がある。この結果、色差が発生する。また、磁力線などにより筋むらが発生する。
【0024】
NV値が65%を超えると、塗料の流動性が過少となり、膜厚が均一になる前に固まるなどの理由により、乾燥むらが発生する。
【0025】
この点、NV値が55〜65%の範囲にあれば、流動性が適度であり、色差が発生せず、筋むらが発生せず、且つ乾燥むら発生しない。
従って、NV値が55〜65%の範囲になるように制御する技術が必要となる。
【0026】
図4はベルの回転速度とNV値の関係を調べたグラフであり、通常の速度である3×10rpmでは、NV値(80秒)は50%より遙かに小さかった。
回転速度を増加して4×10rpmにすると、NV値(80秒)は50%程度であった。
回転速度をさらに増加して5×10rpmにすると、NV値(80秒)は53%程度まで増加した。
【0027】
回転速度を増加すると、塗料の粒子が小径化するとともに粒の数が増加する。すると、塗粒の表面積総和が増加し、そこに含まれる溶剤がより蒸発する。その結果、回転速度に比例してNV値が増加する。
【0028】
しかし、目標とするNV値には至らないため、更なる工夫が必要となる。本発明者らは、塗粒の飛行時間が長ければ、この時間に比例して溶剤の蒸発が進むのではないかと考え、塗装距離(塗装面と塗装ガンとの間の距離)を増加することを試した。その結果を、次図で示す。
【0029】
図5は塗装距離とNV値の関係を調べたグラフであり、ベルの回転速度は、一律、4×10rpmとした。
通常の塗装距離である200mmでは、NV値(80秒)は55%より遙かに小さかった。
塗装距離を増加して250mmにすると、NV値(80秒)は54%程度であった。
【0030】
塗装距離をさらに増加して300mmにすると、NV値(80秒)は58%程度まで増加した。
従って、塗装距離を増加すれば、NV値を高めることができることが確認できた。
【0031】
ところで、メタリック塗料は、顔料に鋭いアルミ片を混ぜ、溶剤で薄めたものであるから、顔料の濃さによりアルミ片の目立ち方が大きく異なる。これを表2にまとめる。
【0032】
【表2】
Figure 2004195355
【0033】
濃色であれば、アルミ片は比較的目立たなくなり、アルミ片の姿勢は気にする必要がないため、NV値はそれほど重要ではない。
逆に、淡色は、アルミ片が目立つため、NV値は極めて重要となる。
中間色は、それらの中間であって、NV値の管理はやや重要になる。
【0034】
上記のことから、色別に制御パラメータを決めることができる。その一例を表3で説明する。
【0035】
【表3】
Figure 2004195355
【0036】
表の最も右欄に淡色の制御パラメータを示すが、NV値を55〜65に管理する必要があり、そのためにはシェーピングエアを700Nl/分とし、塗装距離を300mmとし、ベル回転速度を5×10rpmとすればよい。
【0037】
濃色はNV値を殆ど管理する必要がないので、シェーピングエアを450Nl/分とし、塗装距離を200mmとし、ベル回転速度を3×10rpmとする。
【0038】
中間色は、両者の中間であるから、シェーピングエアを600Nl/分とし、塗装距離を250mmとし、ベル回転速度を4×10rpmとすればよい。
【0039】
以上の塗装制御を前提とした本発明の作用を次に説明する。
図6は側面から見た塗装要領図であり、ワークとしての車両ボディ20に塗装ロボット21で塗装するときに、塗料が濃色であれば、第1軌跡T1(塗装距離=200mm)に沿って塗装ガン10を相対移動させる。
塗料が中間色であれば、第2軌跡T2(塗装距離=250mm)に沿って塗装ガン10を相対移動させる。塗料が淡色であれば、第3軌跡T3(塗装距離=300mm)に沿って塗装ガン10を相対移動させる。
【0040】
図7は背面から見た塗装要領図であり、ワークとしての車両ボディ20に塗装ロボット21で塗装するときに、塗料が濃色であれば、第1軌跡T1(塗装距離=200mm)に沿って塗装ガン10を相対移動させる。
塗料が中間色であれば、第2軌跡T2(塗装距離=250mm)に沿って塗装ガン10を相対移動させる。塗料が淡色であれば、第3軌跡T3(塗装距離=300mm)に沿って塗装ガン10を相対移動させる。
【0041】
図6、図7を実施する際に、前記の表3で述べた制御ファクターを選択することは勿論のこと、塗装ガン10の軸23を常に曲面(塗装面)の法線24に沿わせることが重要である。
【0042】
次に、本発明に係る2回塗り塗装方法について説明する。
従来は、厚塗りを達成するためなどを目的として2回塗りを実施してきたが、本発明方法によれば、別の目的を達成することができる。
【0043】
図8は2回塗り塗装ラインの平面図であり、塗装ライン30は、1回目の上塗り塗装を行う第1ステージ31と、その上に2回目の上塗り塗装を行う第2ステージ32とからなる。
【0044】
第1ステージ31には、左側面塗り用の1番塗装ロボット21A(位置を区別するためにAを添えたが、図2の塗装ロボット21と同一物である。以下、同じ)と、右側面塗り用の2番塗装ロボット21Bと、右上面塗り用の3番塗装ロボット21Cと、左上面塗り用の4番塗装ロボット21Dとを備える。
【0045】
同様に第2ステージ31にも、左側面塗り用の1番塗装ロボット21Eと、右側面塗り用の2番塗装ロボット21Fと、右上面塗り用の3番塗装ロボット21Gと、左上面塗り用の4番塗装ロボット21Hとを備える。
【0046】
本発明では、第1ステージ31の塗装ロボット21A〜21Dによる1回目の上塗り条件と、第2ステージ32の塗装ロボット21E〜21Hによる2回目の上塗り条件とに、大きく差を付けたことを特徴とする。条件の一例を次表に示す。
【0047】
【表4】
Figure 2004195355
【0048】
濃色の場合、1回目は、シェーピングエアを450Nl/分とし、塗装距離を200mmとし、ベル回転速度を3×10rpmとした。
ベルの回転速度が比較的低速であるため、得られる塗粒の径は比較的大径となる。そして、シェーピングエアの量が比較的少量であるため塗粒の噴射角は比較的大きくなる。
この結果、大径の塗粒を効率よく塗装面に付着させることができ、塗着効率を高めることができる。
【0049】
濃色の場合の2回目は、シェーピングエアを600Nl/分とし、塗装距離を250mmとし、ベル回転速度を5×10rpmとした。
ベルの回転速度が高速であるため、得られる塗粒の径は小径になる。この小径化によりNV値が高まる。
そして、シェーピングエアの量が多量であるためアルミ片を寝かせることができると共に塗粒の噴射角は比較的小さくなる。加えて、塗装距離が長くなったために塗粒の飛行時間が増し、これに比例して溶剤が蒸発してNV値が高まる。
この結果、色差や色むらのない光沢のある上塗り塗膜を得ることができる。
【0050】
すなわち、本発明の2回塗り方法では、1回目は塗着効率を重視し、2回目は仕上がり品質を重視した。この結果、生産性と品質の双方を達成することができた。
【0051】
淡色の場合、1回目は、シェーピングエアを350Nl/分とし、塗装距離を300mmとし、ベル回転速度を4×10rpmとた。
ベルの回転速度が比較的低速であるため、得られる塗粒の径は比較的大径となる。そして、シェーピングエアの量が比較的少量であるため塗粒の噴射角は比較的大きくなる。
この結果、大径の塗粒を効率よく塗装面に付着させることができ、塗着効率を高めることができる。
【0052】
淡色の場合の2回目は、シェーピングエアを700Nl/分とし、塗装距離を300mmとし、ベル回転速度を5×10rpmとた。
ベルの回転速度が高速であるため、得られる塗粒の径は小径になる。この小径化によりNV値が高まる。
そして、シェーピングエアの量が多量であるためアルミ片を寝かせることができると共に塗粒の噴射角は比較的小さくなる。
この結果、色差や色むらのない光沢のある上塗り塗膜を得ることができる。
【0053】
すなわち、本発明の2回塗り方法では、1回目は塗着効率を重視し、2回目は仕上がり品質を重視した。この結果、生産性と品質の双方を達成することができた。
【0054】
濃色の塗装条件と淡色の塗装条件とを比較すると、濃色に対して淡色は、シェーピングエアを増量し、且つベル回転速度を大きく設定する。
これは、NV値の管理などを厳しく行う必要がある淡色と、NV値の管理などを厳しく行う必要がない濃色とに差を付けたことを意味する。
【0055】
中間色については、濃色を淡色の中間であるため、説明は省略する。
【0056】
表4の条件で塗装を実施したところ、目的とする塗装品質を得ることができた。そこで、表4を考察すると、1回目より2回目に、シェーピングエアを増量したのでアルミ片をより寝かせることことができ、塗装距離及びベル回転速度を増加したのでNV値を高めることができたと考えられる。
【0057】
従って、塗装品質を高める上では、シェービングエアの増量、塗装距離の増加、ベル回転速度の増加の3つが有効である。しかし、塗装距離とベル回転速度との一方を増加することでもNV値を高めることができることなどを考慮すれば、少なくとも、シェービングエアの増量、塗装距離の増加の3つのうち2つが達成できれば塗装品質を高めることができると言える。
【0058】
例えば、機構的にベル回転速度を高めることに限界があるときには、ベル回転速度は据え置き、シェービングエアを増量し塗装距離を増加させるとよい。また、設備的に塗装距離を増加することに制約がある場合には、塗装距離は据え置き、シェービングエアを増量し、ベル回転速度を増加させるとよい。
【0059】
尚、本実施例では、ワークは車両ボディとしたが、ワークはこれに限定するものではなく、筐体、平板、曲板などの塗装に、本発明を適用することは差し支えない。
【0060】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1によれば、NV値を55〜65%の範囲に制御することにより、色むら並びに乾燥むらの発生を抑えることができ、高い品質の塗装面を得ることができる。
【0061】
請求項2では、NV値は、塗装面と塗装ガンとの間の塗装距離を変更することで調整することを特徴とする。
塗装距離を大きくすると、塗粒の飛行時間が延びる。飛行時間に比例して塗粒に含まれる溶剤が蒸発する。従って、塗装距離を増大することでNV値を容易に高めることができる。
【0062】
請求項3では、NV値は、塗装ガンから噴射する塗粒の径を変更することで調整することを特徴とする。
塗粒を小径にし、その数を増やすことで、重量当りの塗粒の表面積を増加することができる。表面積が大きければ大気との接触面積が増し、塗粒に含まれる溶剤をより蒸発させることができる。従って、塗粒を細粒化することで、NV値を高めることができる。
【0063】
請求項4では、NV値は、塗装面と塗装ガンとの間の塗装距離を変更するとともに、塗装ガンから噴射する塗粒の径を変更することで調整することを特徴とする。
塗装距離を大きくすると、塗粒の飛行時間が延びる。飛行時間に比例して塗粒に含まれる溶剤が蒸発する。従って、塗装距離を増大することでNV値を容易に高めることができる。
加えて塗粒を小径にし、その数を増やすことで、重量当りの塗粒の表面積を増加することができる。表面積が大きければ大気との接触面積が増し、塗粒に含まれる溶剤をより蒸発させることができる。従って、塗粒を細粒化することで、NV値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で採用した回転霧化式塗装ガンの要部断面図
【図2】塗装ロボットの配置図
【図3】アルミ片の姿勢とシェーピングエアの関係を調べたグラフ
【図4】ベルの回転速度とNV値の関係を調べたグラフ
【図5】塗装距離とNV値の関係を調べたグラフ
【図6】側面から見た塗装要領図
【図7】背面から見た塗装要領図
【図8】2回塗り塗装ラインの平面図
【符号の説明】
10…回転霧化式塗装ガン、20…ワークとしての車両ボディ。

Claims (4)

  1. 淡色系メタリック塗料を回転霧化式塗装ガンで霧化するとともに高電圧で帯電させ、これと反対電位のワークに塗装するときに、下記のNV値で塗装作業を実施することを特徴とする淡色系メタリック塗料の塗装方法。
    55%≦NV値≦65%
    ただし、NV値は、(固形分/塗料量)×100で定義される。
    NV値は、吹付け後に一定時間経過したときの値である。
    一定時間は、次の重ね塗りなどの次作業が可能になるまでの時間を指す。
  2. 前記NV値は、塗装面と塗装ガンとの間の塗装距離を変更することで調整することを特徴とする請求項1記載の淡色系メタリック塗料の塗装方法。
  3. 前記NV値は、塗装ガンから噴射する塗粒の径を変更することで調整することを特徴とする請求項1記載の淡色系メタリック塗料の塗装方法。
  4. 前記NV値は、塗装面と塗装ガンとの間の塗装距離を変更するとともに、塗装ガンから噴射する塗粒の径を変更することで調整することを特徴とする請求項1記載の淡色系メタリック塗料の塗装方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015175285A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 マツダ株式会社 断熱層の形成方法

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