JP2002355582A - 静電塗装装置 - Google Patents

静電塗装装置

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JP2002355582A
JP2002355582A JP2001165145A JP2001165145A JP2002355582A JP 2002355582 A JP2002355582 A JP 2002355582A JP 2001165145 A JP2001165145 A JP 2001165145A JP 2001165145 A JP2001165145 A JP 2001165145A JP 2002355582 A JP2002355582 A JP 2002355582A
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coating apparatus
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voltage
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Shigenori Kazama
重徳 風間
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗装パターンの偏りが防止でき、膜厚均一性お
よび被塗物端部における塗着効率に優れた静電塗装装置
を提供する。 【解決手段】塗装装置本体11に対して回転可能に設け
られ先端外周縁が塗料放出端縁142とされた回転霧化
頭14と、回転霧化頭の周囲に設けられ回転霧化頭の塗
料放出端縁から放出された塗料粒子を帯電すべく外部か
ら高電圧が印加される複数の外部電極19とを有する静
電塗装装置1であって、外部電極に対する印加電圧を独
立して制御する制御手段22と、外部電極に流れる電流
値を検出する電流計21を有し、外部電極に流れる電流
値に基づいて、各外部電極に対する印加電圧を独立して
制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に限定はされな
いが水希釈型塗料(以下単に水系塗料ともいう。)やメ
タリック系塗料のような低電気抵抗塗料に用いて好適な
間接帯電式静電塗装装置に関し、特に塗装パターンの偏
りが防止でき、膜厚均一性および被塗物端部における塗
着効率に優れた静電塗装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】水系塗料やメタリック系塗料のような低
電気抵抗塗料(高導電性塗料)を静電塗装する場合に
は、塗装機先端に印加した高電圧が塗料供給経路を伝っ
てリークしないようにボルテージブロックが必要とされ
る。
【0003】従来のボルテージブロック技術としては、
塗料供給経路を電気的に遮断してからベルカップに高電
圧を印加する直接印加式静電塗装装置と、塗料供給経路
をアースしたまま回転霧化頭(以下、ベルカップともい
う。)先端から塗料を放出させ、ベルカップから離間し
て設けられた高電圧印加電極(外部電極)により、この
放出された塗料粒子を帯電させる間接印加式静電塗装装
置とが知られている。
【0004】直接印加式静電塗装装置は、間接印加式静
電塗装装置に比べて5〜15%程度塗着効率が高いの
で、塗着効率を重視する場合には直接印加式静電塗装装
置を採択することが好ましいが、塗料供給経路を電気的
に遮断する機構が複雑で高価であることに加え、機械的
耐久性の問題が指摘されている。このため、間接印加式
静電塗装装置の塗着効率の向上が望まれている。
【0005】ちなみに、従来の間接印加式静電塗装装置
としては、たとえば特開2000−317356号公報
に開示されたものが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、間接印加式
静電塗装装置が直接印加式静電塗装装置に比べて塗着効
率が低くなる原因としては、間接印加式では、ベルカッ
プから放出された塗料粒子が外部電極による誘導帯電に
より一旦外部電極と逆極性の電荷に帯電し、その後コロ
ナ放電により外部電極と同極性の電荷に帯電するといっ
た原理に基づくものと考えられていた。
【0007】すなわち、外部電極によるコロナ放電電流
は、その大部分がアースされたベルカップに流れ込み、
残りの電流が被塗物に向かって流れている。このため、
ベルカップから放出される直前の塗料粒子は、たとえば
マイナスの高電圧が印加された外部電極に誘起され、外
部電極とは逆極性のプラス電荷に帯電する。これによ
り、この塗料粒子は外部電極に向かって飛行する力を受
けるが、同時に外部電極のコロナ放電による多量のマイ
ナスイオンを受け取ることになるため、飛行中において
それまでのプラス電荷がマイナス電荷に変化する。
【0008】その結果、ベルカップから放出された塗料
粒子は、アースされた被塗物に電気的に引き寄せられる
と同時に、同じくアースされたベルカップ自身に向かっ
ても電気的に引き寄せられることになり、こうした複雑
な力を受けながら被塗物に向かうので、塗着効率が低い
と考えられていた。
【0009】これに対して直接印加式では、塗料粒子は
最初からベルカップと同極性に帯電し、そのままアース
された被塗物に電気的に引き寄せられるので帯電効率が
高く、その結果、塗着効率が高いと考えられていた。
【0010】しかしながら、本発明者が、充分に大きな
平板状の被塗物をサンプルにして直接印加式と間接印加
式の塗着効率を比較したところ、塗着効率がほぼ同等と
なった。すなわち、本発明者の知見によれば、間接印加
式静電塗装装置の塗着効率が低いのは、塗料粒子の帯電
極性が飛行中に逆転するといった原理に起因するよりは
むしろ、被塗物と各電極との相対距離が異なることによ
る影響の方が大きい。
【0011】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、塗装パターンの偏りが防止
でき、膜厚均一性および被塗物端部における塗着効率に
優れた静電塗装装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、請求項1記載の発明によれば、塗装装置本体
に対して回転可能に設けられ先端外周縁が塗料放出端縁
とされた回転霧化頭と、前記回転霧化頭の周囲に設けら
れ前記回転霧化頭の塗料放出端縁から放出された塗料粒
子を帯電すべく外部から高電圧が印加される複数の外部
電極とを有する静電塗装装置であって、前記外部電極に
対する印加電圧を独立して制御する制御手段を有する静
電塗装装置が提供される。
【0013】間接印加式静電塗装装置で被塗物パネルの
端部付近を塗装する際には、パネル上に一部の電極が相
対峙しベルカップと他の電極がパネルから離れた状態が
発生するが、この場合にはパネルに最も近い電極から優
先的にコロナ放電が行われることになる。そして、こう
した状態では、霧化した塗料粒子のうち当該電極に近い
部分のみが被塗物パネルに向かい、その他の部分の塗料
は被塗物パネルの外に広がることが観察される。これが
原因で、間接印加式静電塗装装置を用いて被塗物パネル
の端部付近を塗装すると、その塗着効率が著しく低下す
る。
【0014】これに対して、直接印加式静電塗装装置で
同様の塗装を行うと、ベルカップと電極位置が一致して
いるため、パネルの一般面よりは塗着効率は低いもの
の、塗着効率の極端な低下は観察されない。これはベル
カップから放出された塗料粒子がベルカップと同じ極性
に帯電しているため被塗物に向かう割合が高いことが原
因である。
【0015】本発明では、かかる知見に基づいて、外部
電極に対する印加電圧を独立して制御する制御手段を有
する。これにより、たとえば被塗物パネルの端部におい
て、被塗物パネルとの相対距離が大きい外部電極に対す
る印加電圧を、被塗物パネルとの相対距離が小さい外部
電極に対する印加電圧よりも高くすることができる。そ
の結果、被塗物パネルから離れた位置にあるために被塗
物パネルには向かおうとしない、回転霧化頭の塗料放出
端縁から放出された塗料粒子に対しても同じ電荷の帯電
を行うことができ、この塗料粒子を被塗物パネルに向か
わせることができる。このようにして、被塗物パネルに
近い位置で放出された塗料粒子に加え、被塗物パネルか
ら離れた位置で放出された塗料粒子も被塗物パネルに向
かって飛行するため、塗着効率が高くなる。
【0016】また、こうして塗着効率が向上すると、被
塗物パネルの一般面でも端部でも、全体にわたって塗着
塗料が均一になるので、被塗物に形成される塗装膜厚が
均一になる。
【0017】(2)上記発明において、制御手段により
独立制御される外部電極は、グループ単位で独立制御さ
れても良いし、請求項2記載のように外部電極のそれぞ
れに対する印加電圧を独立して制御しても良い。何れも
上記発明の範囲内である。特に外部電極のそれぞれに対
する印加電圧を独立して制御するように構成すること
で、複雑な形状を有する被塗物に対しても、塗着効率の
向上と膜厚の均一化がより期待できる。
【0018】(3)上記発明において、制御手段により
独立制御される外部電極に対する印加電圧は、請求項3
記載のように外部電極と被塗物との相対位置情報を制御
要因としても、あるいは請求項4記載のように外部電極
に流れる電流値を制御要因としても良い。
【0019】外部電極に対する印加電圧V、当該外部電
極に流れる電流をA、外部電極と被塗物との間の電気抵
抗をRとすると、V=I・Rの関係が成立する。ここ
で、外部電極と被塗物との間の電気抵抗は、外部電極と
被塗物との相対距離に比例する。したがって、回転霧化
頭の塗料放出端縁から放出された塗料粒子を同じ電荷に
帯電させるため、すなわち各外部電極に流れる電流Iを
等しくすべく、外部電極と被塗物とが近い場合、つまり
上記関係式の電気抵抗Rが小さい場合には当該外部電極
に対する印加電圧Vも小さくし、逆に外部電極と被塗物
とが遠い場合、つまり電気抵抗Rが大きい場合には当該
外部電極に対する印加電圧Vも大きくする。
【0020】このように各外部電極に対する印加電圧を
外部電極と被塗物との相対位置情報に基づいて制御する
ことにより、回転霧化頭から放出された塗料粒子に等し
い電荷を帯電させることができ、これにより被塗物パネ
ルから離れた位置で放出された塗料粒子も被塗物パネル
に向かって飛行することとなって、塗着効率が高くな
る。また、こうして塗着効率が向上すると、被塗物パネ
ルの一般面でも端部でも、全体にわたって塗着塗料が均
一になるので、被塗物に形成される塗装膜厚が均一にな
る。
【0021】なお、本発明に係る相対位置情報は、外部
電極と被塗物との距離を距離センサなどを用いて直接的
に測定するほか、塗装ロボットなどに教示された塗装軌
跡データから外部電極と被塗物との距離を抽出すること
も含む趣旨である。
【0022】また、本発明の直接的な制御要因は各外部
電極に流れる電流であることから、外部電極と被塗物と
の相対位置情報に代えて(あるいはこれに加えて)、各
外部電極に流れる電流Aに基づいて制御しても良い。こ
の場合には、請求項5記載のように、電流値検出手段に
より検出された各外部電極に流れる電流値が略等しくな
るように各外部電極に対する印加電圧を独立して制御す
ることが好ましい。
【0023】既述したように、各外部電極に流れる電流
Aを等しくすることで塗料粒子の帯電偏向がなくなり、
被塗物パネルから離れた位置で放出された塗料粒子も被
塗物パネルに向かって飛行することとなって、塗着効率
が高くなるとともに膜厚が均一となるからである。
【0024】(4)上記発明においては特に限定されな
いが、請求項6記載のように、前記制御手段は、前記各
外部電極に流れる電流値が予め決められた電流値を維持
するように各外部電極に対する印加電圧を制御し、何れ
かの外部電極の電圧値が予め決められた電圧値を超える
と他の外部電極に対する印加電圧を低くする制御を付加
することもできる。
【0025】このように、何れかの外部電極の電圧値が
上限値を超えた場合には他の外部電極に対する印加電圧
を低くし、電流供給能力の制限を設けることにより、外
部電極に設けられる高圧発生器などの高圧印加機器を小
型化することができ、設備費用を抑制することができ
る。
【0026】(5)上記発明の静電塗装装置は、高導電
性塗料である水系塗料および低導電性塗料である溶剤系
塗料の何れにも適用することができるが、請求項7記載
のように水系塗料の塗装用に適用すると、ボルテージブ
ロック効果に加え、塗着効率の向上および膜厚の均一化
を達成することができる。
【0027】
【発明の効果】請求項1乃至7記載の発明によれば、ボ
ルテージブロック効果に加えて、塗着効率の向上が図ら
れ、また塗装パターンの偏りが防止されて膜厚の均一化
も達成できる。
【0028】これに加えて、請求項2記載の発明によれ
ば、外部電極のそれぞれに対する印加電圧を独立して制
御するように構成することで、複雑な形状を有する被塗
物に対しても、塗着効率の向上と膜厚の均一化がより期
待できる。
【0029】また、請求項6記載の発明によれば、外部
電極に設けられる高圧発生器などの高圧印加機器を小型
化することができ、設備費用を抑制することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の静電塗装装置の実施
形態を示す構成図であり、本発明を回転霧化頭型静電塗
装装置に適用した例である。この塗装装置1にあって
は、筐体11内にエアモータ12が内蔵され、このエア
モータ12は、筒状に形成されたモータ本体121と当
該モータ本体121内に収容されたエアタービン122
と回転軸13を回転可能に支持する静圧エアベアリング
123とにより構成されている。そして、このエアモー
タ12はエアタービン122に高圧エアを供給すること
で回転軸13を高速回転させる。
【0031】回転軸13の先端には回転霧化頭14が取
り付けられ、この回転霧化頭14の内周面にはフィード
チューブ15から供給される塗料を平滑化する平滑面1
41が形成され、外周縁には平滑面から供給された塗料
を放出させるための塗料放出端縁142が形成されてい
る。なお、フィードチューブ15は回転軸13に貫通さ
れ、その先端が回転霧化頭14の中心に臨んで設けられ
て、図外の塗料供給源及びシンナー供給源から塗料やシ
ンナーが供給される。
【0032】筐体11の先端には、シェーピングエアリ
ング16が装着され、この先端面に形成された多数のエ
ア噴出口161から回転霧化頭14の背面143に向か
ってシェーピングエアを供給する。このシェーピングエ
アにより回転霧化頭14の塗料放出端縁142から放出
された塗料パターンが調節される。
【0033】本例の静電塗装装置1では、筐体11に電
極取付リング17が装着され、この電極取付リング17
に、複数の電極支持棒18が設けられている。図1には
4本の電極支持棒18のみを示すが、本例の静電塗装装
置1では、筐体11の周りに等間隔で6本の電極支持棒
18が設けられ、各電極支持棒18の先端に外部電極1
9(図3及び図4に図示するものを便宜的に19A〜1
9Dとする。)が設けられている。
【0034】特に本例の静電塗装装置1では、6本の外
部電極19のそれぞれに、高圧発生器20と電流計21
が設けられている。また、各電流計21により検出され
た電流値に基づいて高圧発生器20に対する印加電圧の
指令値を演算するコントローラ22が設けられている。
これにより、6本の外部電極19は互いに独立して印加
電圧が制御可能とされている。さらに、各コントローラ
22は、これら全てのコントローラ22を総合的に監視
する監視装置23に接続され、監視装置23からもコン
トローラ22に対して印加電圧指示を与えることができ
るようになっている。
【0035】具体的には、監視装置23から各コントロ
ーラ22に対し、各高圧発生器20の目標電流値を決定
するとともに、上限となる電圧値(図5において電流上
限値に相当する電圧をいう。)も決定し、これにより最
終的には高圧発生器20を制御する。たとえば、監視装
置23からコントローラ22に対して、各外部電極19
に流れる電流値がnアンペア(図5において設定電流値
という。)となるように高圧発生器20を制御せよとの
指令を出力すると、各コントローラ22は、電流計21
により検出された実際の電流値を監視しながらこの電流
値がnアンペアとなるように高圧発生器20による印加
電圧を調節する。
【0036】こうした本実施形態の静電塗装装置1は、
図2に示すように塗装ロボットRのハンドHに装着され
る。塗装ロボットRは、制御装置R1に予め教示された
塗装軌跡にしたがって車体Bに塗料を吹き付ける。な
お、塗装ロボットRの制御装置R1に上述した高圧発生
器20、電流計21、コントローラ22および監視装置
23を設けることができる。
【0037】本例の制御内容をさらに具体的に説明す
る。図3に示すように、被塗物パネルPの一般面を塗装
しているときのように、6本の外部電極19A〜19D
(実際は6本であるが便宜的に図に表された4本のもの
で説明する。)と被塗物パネルPとのそれぞれの距離が
ほぼ等しいときは、図5に示す時間t0〜t1のとお
り、6本の各外部電極19A〜19Dに流れる電流値
は、設定電流値にほぼ等しくなり、これにより回転霧化
頭14の塗料放出端縁142から放出される塗料粒子は
一様な電荷に帯電して、塗装パターンに偏りがなく均一
な膜厚で塗装することができる。そしてこうした場合、
直接印加式静電塗装装置に比べてもほぼ同等のと着効率
を実現することができる。
【0038】これに対し、図3に示す状態から塗装装置
1が下降して図4に示すように外部電極19の一つ19
Dが被塗物パネルPの端部に近づくと、その外部電極1
9Dと被塗物パネルPとの距離LDがその他の外部電極
19A〜19Cの距離LAに比べて大きくなることか
ら、既述したように当該外部電極19Dに流れる電流値
が低下する(図5の時間t1参照)。このとき本例の静
電塗装装置1では、図5に示すように、その外部電極1
9Dに対する印加電圧を増加させ、低下した電流値が当
初の設定電流値に戻るように高圧発生器20を制御する
(図5の時間t2参照)。
【0039】さらに、この外部電極19Dが、図4に示
す被塗物パネルPから遠ざかると、その外部電極19D
に接続されたコントローラ22はさらに印加電圧を増加
させ、電流計21で検出される電流値が設定電流値を維
持するように高圧発生器20を制御する。そして、この
高圧発生器20による印加電圧が、図5の時間t3〜t
4に示すように予め監視装置23から入力された電流上
限値に達したら、それ以上の印加電圧にならないように
高圧発生器20による印加電圧を規制する。印加電圧の
上限値は、装置仕様によっても異なるが、たとえば−6
0kV〜−90kVである。この時間t3〜t4におい
ては、外部電極19Dに対する印加電圧が電流上限値に
相当する電圧値に規制されるので、当該外部電極19D
を流れる電流値は一時的に低下する。
【0040】この外部電極19Dに対する印加電圧の規
制情報は、コントローラ22から監視装置23へ送出さ
れ、これを受けた監視装置23は、この外部電極19D
以外の外部電極、たとえば19Aのコントローラ22へ
印加電圧を減少させるように指令を送る。同図下のタイ
ムチャートは同図上に示すタイムチャートの外部電極1
9D以外の一つの外部電極19Aの電圧、電流を示すも
のであり、時間t3〜t4の間にこうした制御が実行さ
れる。
【0041】同図の時間t4以降は、同図上に示す外部
電極19Dが再び上昇して被塗物パネルPに近づく過程
を表したものであり、当該外部電極19Dに流れる電流
が設定電流値に復帰したら、その設定電流値を維持する
ように、コントローラ22は高圧発生器20による印加
電圧を制御する。この場合は、外部電極19Dが被塗物
パネルPに近づいているので高圧発生器20による印加
電圧は徐々に減少し、時間t5のところで図3に示す被
塗物パネルPの一般面に対峙することになって通常の印
加電圧に戻ることになる。
【0042】このように、本例の静電塗装装置1では、
6本の外部電極19A〜19Dと被塗物パネルPとの距
離が等しいときは各外部電極19A〜19Dに対する印
加電圧は等しく制御するが、回転霧化頭14が被塗物パ
ネルPの端部近傍に対峙したときのように、何れかの外
部電極19Dが他の外部電極19A〜19Cに比べて被
塗物パネルから遠ざかったときはその外部電極19Dに
対する印加電圧を増加させ、全ての外部電極19A〜1
9Dに流れる電流が等しくなるように制御する。これに
より、被塗物パネルPの端部に位置して飛散しようとす
る塗料粒子に対して高電荷の帯電を行うことができ、被
塗物パネルPに向かって塗料粒子を飛行させることがで
きる。その結果、塗着効率が向上すると同時に、被塗物
パネルPの一般面と端部とにおける塗装膜厚が均一とな
る。
【0043】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【0044】たとえば、上述した実施形態では、各外部
電極19に流れる電流値が設定電流値になるように外部
電極19に対する印加電圧を制御したが、各外部電極1
9と被塗物パネルPとの距離に基づいて外部電極19に
対する印加電圧を制御しても良い。特に本発明の静電塗
装装置1を塗装ロボットRに装着させる場合には、塗装
ロボットRには塗装軌跡データが格納されているので、
このデータの中からガン距離(これが外部電極と被塗物
パネルとの距離にほぼ等しい。)データを抽出し、これ
を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電塗装装置の実施形態を示す構成図
である。
【図2】本発明の静電塗装装置を塗装ロボットに装着し
た実施形態を示す構成図である。
【図3】本発明の静電塗装装置の作用を説明するための
側面図(パネル一般面の塗装時)である。
【図4】本発明の静電塗装装置の作用を説明するための
側面図(パネル端部の塗装時)である。
【図5】本発明の静電塗装装置の外部電極の制御内容を
説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…静電塗装装置 11…筐体(塗装装置本体) 12…エアモータ 13…回転軸 14…回転霧化頭 141…平滑面 142…塗料放出端縁 19…外部電極 20…高圧発生器 21…電流計 22…コントローラ(制御手段) 23…監視装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗装装置本体に対して回転可能に設けられ
    先端外周縁が塗料放出端縁とされた回転霧化頭と、前記
    回転霧化頭の周囲に設けられ前記回転霧化頭の塗料放出
    端縁から放出された塗料粒子を帯電すべく外部から高電
    圧が印加される複数の外部電極とを有する静電塗装装置
    であって、 前記外部電極に対する印加電圧を独立して制御する制御
    手段を有する静電塗装装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、前記外部電極のそれぞれ
    に対する印加電圧を独立して制御する請求項1記載の静
    電塗装装置。
  3. 【請求項3】前記外部電極と被塗物との相対位置情報を
    取得する相対位置情報取得手段を有し、前記制御手段
    は、前記相対位置情報取得手段により得られた前記外部
    電極と被塗物との相対位置情報に基づいて、前記各外部
    電極に対する印加電圧を独立して制御する請求項1また
    は2記載の静電塗装装置。
  4. 【請求項4】前記外部電極に流れる電流値を検出する電
    流値検出手段を有し、前記制御手段は、前記電流値検出
    手段により検出された前記外部電極に流れる電流値に基
    づいて、前記各外部電極に対する印加電圧を独立して制
    御する請求項1または2記載の静電塗装装置。
  5. 【請求項5】前記制御手段は、前記電流値検出手段によ
    り検出された各外部電極に流れる電流値が略等しくなる
    ように、前記各外部電極に対する印加電圧を独立して制
    御する請求項4記載の静電塗装装置。
  6. 【請求項6】前記制御手段は、前記各外部電極に流れる
    電流値が予め決められた電流値を維持するように各外部
    電極に対する印加電圧を制御し、何れかの外部電極の電
    圧値が予め決められた電圧値を超えると他の外部電極に
    対する印加電圧を低くする請求項1〜5の何れかに記載
    の静電塗装装置。
  7. 【請求項7】前記回転霧化頭に供給される塗料が、水系
    塗料である請求項1〜6の何れかに記載の静電塗装装
    置。
JP2001165145A 2001-05-31 2001-05-31 静電塗装装置 Pending JP2002355582A (ja)

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