JP2001212479A - 静電塗装装置及び静電塗装方法 - Google Patents

静電塗装装置及び静電塗装方法

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JP2001212479A
JP2001212479A JP2000028196A JP2000028196A JP2001212479A JP 2001212479 A JP2001212479 A JP 2001212479A JP 2000028196 A JP2000028196 A JP 2000028196A JP 2000028196 A JP2000028196 A JP 2000028196A JP 2001212479 A JP2001212479 A JP 2001212479A
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coated
electrostatic
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Shinichi Otsubo
進一 大坪
Kenji Sato
賢治 佐藤
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Tokai Rika Co Ltd
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Tokai Rika Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスク部材と被塗装物の境界及びマスク部材
の外表面に塗料が塗着することを大幅に減らすことがで
きる静電塗装装置、及び容易に被塗装領域に塗装をする
ことができる静電塗装方法を提供する。 【解決手段】 アース板21を介して0電位にされた金
属板20の非塗装面20bに、銅板26を内包した絶縁
性のマスク部材24を配置して、前記銅板26を負に帯
電させる。そして、高電圧発生器13における負の高電
圧の印加により負に帯電された静電塗装ガン11から同
静電塗装ガン11により負の電荷が与えられた塗料粒子
22を金属板20、マスク部材24及び静電塗装ガン1
1にて形成される静電界に噴霧させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電塗装装置及び
静電塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属材料等に対する塗装方法の一
つとして静電塗装方法が知られている。前記静電塗装方
法は、図6に示すように、被塗装物50を陽極、静電塗
装装置における静電塗装ガン57を陰極としてこれに負
の直流高電圧を印加し、静電気を帯電させた噴霧状の塗
料を被塗装物50に電気的に引きつけて同被塗装物50
に塗料を塗布する。そして、被塗装物50に対して塗料
を塗布する塗装面51と塗料を塗布しない非塗装面52
とに区分して塗装処理を施す場合においては、前記非塗
装面52にウレタン等で形成されたマスク部材53にて
マスキング処理を施して塗装をする。その後、塗料を乾
燥させ、マスク部材53を取り外すことにより、塗装面
51のみに塗装膜54が形成されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来、マス
ク部材53が施された状態で静電塗装ガン57から被塗
装物50に塗料が塗布される際には、塗料はその塗着量
がマスク部材53を含む表面全体に亘ってほぼ均一な状
態で塗布される。その結果、塗料はマスク部材53と被
塗装物50との境界bにも塗布され、同部分に塗料が溜
まってしまう。そして、前記塗料を乾燥させると、図7
に示すように、その境界bに溜まった塗料によりいわゆ
るブリッジ55を形成してしまうことになる。そしてこ
の後、図8に示すように、マスク部材53を取り外す
と、塗装面51側の塗装膜54がめくれ上がって、塗装
膜54によるめくれバリ56ができてしまうという問題
があった。
【0004】さらに、マスク部材53の表面に塗布され
た塗装膜54をマスク部材53の再利用のため剥離させ
る際においても、マスク部材53の表面に形成された塗
装膜54の剥離作業が非常に面倒であるという問題があ
った。
【0005】本発明は上記各問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的は、マスク部材と被塗装物
との境界及びマスク部材の外表面に塗料が塗着すること
を大幅に減らすことができる静電塗装装置、及びマスク
部材と被塗装領域の境界及びマスク部材の外表面に塗料
が塗着することを大幅に減らして、容易に被塗装領域に
塗装をすることができる静電塗装方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、被塗装物を第1電極と
し、被塗装物に向かい合った塗料噴霧手段側を第2電極
として両電極間に静電界を形成し、塗料噴霧手段にて噴
霧した塗料粒子を帯電させて前記被塗装物に対して静電
力にて付着させる静電塗装装置において、前記被塗装物
が塗装される被塗装領域以外のマスク領域に配置され、
塗料粒子と同じ電荷に帯電されるマスク部材を備えたこ
とを要旨とする。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記マスク部材には、マスク部材を塗料粒子と同じ
電荷に帯電する帯電付与手段を設けたことを要旨とす
る。請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記
マスク部材は、絶縁物にて形成したことを要旨とする。
【0008】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3のうちいずれか1項において、前記マスク部材
は、フッ素樹脂にて形成したことを要旨とする。請求項
5に記載の発明は、被塗装物を第1電極とし、被塗装物
に向かい合った塗料噴霧手段側を第2電極として両電極
間に静電界を形成し、塗料噴霧手段にて噴霧した塗料粒
子を帯電させて前記被塗装物に対して静電力にて付着さ
せる静電塗装方法において、前記被塗装物が塗装される
被塗装領域以外のマスク領域に配置され、塗料粒子と同
じ電荷に帯電されるマスク部材を配置して、静電塗装を
行うことを要旨とする。
【0009】(作用)請求項1の発明によれば、被塗装
物に備えられるマスク部材の外表面は塗料粒子と同じ電
荷に帯電されるため、噴霧手段から噴霧された塗料粒子
はマスク部材に対して反発力が作用して引きつけられ
ず、被塗装物に引きつけられる。従って、マスク部材の
外表面及びその周りの被塗装領域に塗着する塗料は従来
と比較して大幅に低減される。
【0010】請求項2の発明によれば、帯電付与手段に
よりマスク部材の外表面には塗料粒子と同じ電荷が帯電
される。請求項3の発明によれば、マスク部材は絶縁物
にて形成されているため、マスク部材と被塗装物とが短
絡することはない。
【0011】請求項4の発明によれば、フッ素樹脂は表
面摩擦抵抗が小さいため、塗料が付着しても容易に除去
される。請求項5の発明によれば、被塗装物と塗装噴霧
手段とマスク部材との間の静電界に塗料粒子を噴霧させ
ることにより、塗料粒子に帯電した電荷とマスク部材に
帯電した電荷とは反発し合うため、マスク部材の外表面
及びその周りの部分に塗着する塗料は、従来と比較して
大幅に低減される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図5に従って説明する。図1は本実施形態
における静電塗装装置を示す概略図である。静電塗装装
置は塗装噴霧手段としての静電塗装ガン11及び同静電
塗装ガン11を可動支持するための塗装ロボット12並
びに高電圧発生器13等から構成されている。前記塗装
ロボット12は多自由度の直列に繋がったリンク機構と
されており、同塗装ロボット12の先端部に備えられて
いる静電塗装ガン11を上下移動及び前後移動並びに回
転移動等を可能に支持している。前記静電塗装ガン11
は公知の回転霧化式とされており、静電塗装ガン11の
先端部に設けられている噴霧部11aは静電塗装ガン1
1の軸心を中心に回転可能になっている。
【0013】前記静電塗装ガン11には塗料ホース14
の一端部が接続されており、同塗料ホース14の他端部
はコントロールバルブ15及びギアポンプ16を介して
塗料タンク17に設置されている。前記ギアポンプ16
は塗料タンク17に貯留されているシンナー系の溶剤が
含まれた塗料を汲み上げるためのポンプであり、前記コ
ントロールバルブ15は静電塗装ガン11に供給する塗
料を制御するためのバルブである。そして、前記静電塗
装ガン11に設けられている電極部(図示しない)には
高電圧発生器13が電気的に接続されており、静電塗装
ガン11が第2電極としての陰極となるように負の高電
圧が印加されるようになっている。
【0014】前記静電塗装ガン11と対峙するように架
台18、保持機構19、被塗装物としての金属板20、
アース板21及びマスク部材24等が設けられている。
前記架台18の上面には金属板20を保持するための保
持機構19が載置されており、同保持機構19には上下
方向に延びるように金属板20が支持されている。前記
金属板20の反静電塗装ガン11側にはアース板21が
設けられている。そして、アース板21は前記金属板2
0に接触した状態で保持機構19に支持されている。前
記アース板21は接地されており、同アース板21に接
触している金属板20は0電位にされている。この結
果、前記金属板は静電塗装ガンに負の高電圧が印加され
ることにより、第1電極としての陽極にされるようにな
っている。そして、図2に示すように、金属板20の静
電塗装ガン11側表面は被塗装領域としての塗装面20
aとマスク領域としての非塗装面20bを有している。
【0015】ここで、非塗装面20bに配置されるマス
ク部材24について詳しく説明する。マスク部材24は
本実施形態においては、図2〜図4に示すように、略直
方体形状に形成されている。そして、前記マスク部材2
4は全体が絶縁物及びフッ素樹脂としてのポリテトラフ
ルオルエチレンにて形成されており、その金属板20側
には長溝25が設けられている。
【0016】長溝25は、図3に示すように、平断面小
判形状に形成されており、その内頂面には、前記長溝2
5と平断面形状が同形の銅板26が設けられている。図
4に示すように、マスク部材24には前記長溝25に側
方から貫通するように中空孔27が設けられており、同
中空孔27には高電圧発生器13からの電流を導くため
のリード線28が挿通されている。前記リード線28の
先端部にはネジ孔29aを備える端子29が設けられて
いる。同端子29と銅板26とは、それぞれに設けられ
たネジ孔29a及び貫通孔26aを貫通したネジ30に
より長溝25の内頂面に対して共締めされ、固定されて
いる。この結果、前記銅板26は高電圧発生器13によ
ってリード線28を介して負の電荷を有するように帯電
されるようになっている(以下、「負に帯電」とい
う。)。尚、前記銅板26にて帯電付与手段が構成され
ている。又、このマスク部材24は金属板20の非塗装
面20bに接して配置され、保持機構19に対して適宜
の着脱手段、例えばクランプ、或いはネジ止め等により
着脱可能に取着されている。
【0017】次に、上記のように構成された静電塗装装
置の静電塗装方法を説明する。まず、保持機構19に金
属板20を支持させ、予め保持機構19に固定支持され
ているアース板21に金属板20を接触させる。そし
て、金属板20の所定位置、即ち、非塗装面20bとな
る部位にマスク部材24を長溝25が金属板20側に向
くように配置し、適宜の着脱手段にて保持機構19に取
着する。その後、マスク部材24の銅板26及び静電塗
装ガン11を陰極とするように高電圧発生器13から負
の高電圧を印加する。すると、アース板21にて0電位
にされている金属板20は陽極とされ、前記静電塗装ガ
ン11と金属板20及びマスク部材24の間には静電界
が形成される。
【0018】次いで、ギアポンプ16を作動させて、塗
料タンク17から塗料を吸引し、コントロールバルブ1
5へ塗料ホース14を介して供給させる。そして、コン
トロールバルブ15にて静電塗装ガン11への塗料の流
量を調整し、再び塗料ホース14を介して前記静電塗装
ガン11に塗料を供給する。そして、塗装ロボット12
にて塗布する位置を調整しながら、図5に示すように、
静電塗装ガン11で金属板20に塗料を塗布する。即
ち、回転霧化式である静電塗装ガン11の噴霧部11a
が高速で回転され、その回転力によりコントロールバル
ブ15から液状で供給される塗料が塗料粒子22として
霧状に飛散する。すると、負の高電圧が印加されている
噴霧部11aから噴霧される塗料粒子22は負に帯電さ
れて、金属板20を取り巻く静電場内に放出される。そ
して、前記塗料粒子22は静電力にて金属板20側へ向
かっていく。
【0019】このとき、マスク部材24の銅板26は負
に帯電しており、マスク部材24の外表面には負の電荷
が存在しているため、負電荷が与えられた塗料粒子22
とマスク部材24の外表面側の負電荷との間には反発力
が発生し、塗料粒子22はマスク部材24には向かって
行かずに陽極である金属板20に引きつけられていく。
この結果、塗装面20aには塗装膜23が形成され、マ
スク部材24の外表面にはほとんど塗料が付着されない
ようになる。また、マスク部材24の外表面に帯電する
負電荷と塗料粒子22の負電荷の反発力のため、同マス
ク部材24と塗料粒子22にて形成される塗装膜23と
の間には未塗着幅dが形成されることになる。
【0020】そして、十分に塗装膜23を形成した後、
コントロールバルブ15を閉成して塗料の供給を停止す
る。この後、マスク部材24を取り外し、前記塗装膜2
3を乾燥する。尚、マスク部材24を金属板20から外
す際には、マスク部材24と塗装面20aにおける塗装
膜23の間には、図2に示すように、未塗着幅dが形成
されているため、従来と異なり、塗装面20aの塗装膜
23がめくれ上がって、バリが発生することはない。
【0021】又、前記塗料粒子22は高速で噴霧部11
aから噴霧されているため、マスク部材24表面の負電
荷と塗料粒子22の負電荷との反発力以上の加速度を有
する塗料粒子22は慣性の力が作用する。この結果、マ
スク部材24に向かった一部の塗料粒子22はその慣性
力によりマスク部材24の外表面に塗着することにな
る。しかし、前記マスク部材24は表面摩擦抵抗が小さ
いポリテトラフルオルエチレンにて形成されているた
め、マスク部材24に形成された微量の塗装膜(図示し
ない)はシンナー系の有機溶剤にて容易に拭き取られ、
除去することが可能である。そして、再び前記マスク部
材24は他の塗装作業に再利用される。
【0022】従って、上記実施形態によれば、以下のよ
うな効果を得ることができる。 (1)上記実施形態では、マスク部材24の内部に設け
られた銅板26が負に帯電されているため、静電塗装ガ
ン11から負に帯電して噴霧される塗料粒子22はマス
ク部材24を避けて陽極である金属板20の塗装面20
aに向かって塗着する。従って、マスク部材24への塗
料付着は従来と比較して大幅に減らすことができる。
【0023】(2)上記実施形態では、マスク部材24
の内部に設けられた銅板26が負に帯電されているた
め、前記マスク部材24の外表面には負電荷が帯電し、
マスク部材24に対して塗料粒子22の塗着が少なくな
ることに加えて、塗装面20aにおける塗装膜23とマ
スク部材24の間には未塗着幅dが形成される。従っ
て、マスク部材24と金属板20との境界に塗料が付着
することを大幅に低減でき、従来と異なり、マスク部材
24を取り外すときに、塗装膜23のめくれバリができ
ることはない。
【0024】(3)上記実施形態では、静電塗装ガン1
1から噴霧される塗料粒子22に作用する慣性の力によ
り微量の塗装膜(図示しない)がマスク部材24の外表
面には形成されるが、前記マスク部材24は表面摩擦抵
抗が小さいポリテトラフルオルエチレンにて形成されて
いるため、付着した塗装膜をシンナー系の有機溶剤にて
容易に剥離することができる。
【0025】(4)上記実施形態では、マスク部材24
は絶縁材であるポリテトラフルオルエチレンにて形成さ
れているため、銅板26に負の高電圧を印加した際にマ
スク部材24を介して銅板26と金属板20とが短絡す
ることはない。
【0026】(5)上記実施形態では、マスク部材24
と塗装面20aにおける塗装膜23との間には未塗着幅
dが形成されるため、マスク部材24と塗装面20aと
の間にある程度の隙間の必要性がある場合については特
に効果的に用いることができる。
【0027】(6)上記実施形態では、マスク部材24
の外表面に負電荷を帯電させるための銅板26及びリー
ド線28はマスク部材24の内部に形成されているた
め、前記銅板26及びリード線28に塗料が付着するこ
とはない。
【0028】(7)上記実施形態では、マスク部材24
には長溝25が形成されており、同長溝25は一側方が
開口しているため、前記銅板26をマスク部材24内に
容易に設置させることができる。
【0029】なお、上記実施形態は以下のように変更し
てもよい。 ・上記実施形態では、マスク部材24をポリテトラフル
オルエチレンにて形成していたが、ポリクロルトリフル
オルエチレン等の他のフッ素樹脂にて形成してもよい。
また、木材やゴム等のフッ素樹脂以外の他の絶縁物にて
形成してもよい。
【0030】・上記実施形態では、マスク部材24に塗
着した微量の塗装膜(図示しない)をシンナー系の有機
溶剤にて拭き取り除去したが、塗料が水溶性であれば水
等で剥離作業を行ってもよい。
【0031】・上記実施形態では、マスク部材24に備
えられるリード線28及び銅板26をマスクの内部に設
けたが、マスク部材24の外面に備え付けてもよい。 ・上記実施形態では、マスク部材24に長溝25を形成
して、同溝25の内頂面に銅板26を備え付けたが、長
溝25を設けずに、マスク部材24を中空構造にして、
リード線28及び銅板26を内包させてもよい。このよ
うにすれば、マスキングする際に、マスク部材24の方
向を気にすることなくマスク部材24を配置させること
ができる。
【0032】・上記実施形態では、マスク部材24の形
状は略直方体形状に形成されていたが、これは説明の簡
略化のために上記形状にしただけであって、マスキング
をする非塗装面20bの表面形状に合わせて、立方体形
状や平板形状や他の形状等でもよい。
【0033】・上記実施形態では、マスク部材24に配
設される銅板26は平断面小判形状に形成されていた
が、長方形状や円形状等どのような形状にしてもよい。
又、銅板26でなくても、ブロック形状の銅片でもよ
い。さらに、例えば鉄やアルミニウム等の他の導電部材
を用いてもよい。
【0034】・上記実施形態では、静電塗装ガン11は
回転霧化式にしたが、圧縮空気の力によって塗料粒子2
2に電荷を与えるエア霧化式の静電塗装ガンを用いても
よい。
【0035】・上記実施形態では、マスク部材24は絶
縁物であるポリテトラフルオルエチレンにて形成した
が、導電性の材料にてマスク部材24を形成して、その
外面を絶縁性材料にて被覆してもよい。このようにした
場合、前記材料の厚みはマスク部材24と金属板20と
が短絡しない程度に形成する必要がある。
【0036】・上記実施形態では金属板20を陽極と
し、静電塗装ガン11の電極部(図示しない)を陰極と
して、マスク部材24を負に帯電させたが、金属板20
を陰極とし、静電塗装ガン11の電極部(図示しない)
を陽極として、マスク部材24を正の電荷を有するよう
に帯電させてもよい。このようにした場合、陰極が第1
電極となり、陽極が第2電極となる。
【0037】次に、上記実施形態及び各別例から把握で
きる請求項に記載した発明以外の技術的思想について、
それらの効果と共に以下に記載する。 (1) 請求項3に記載の静電塗装装置において、前記
帯電付与手段はマスク部材24の内部に備えられている
ことを特徴とする静電塗装装置。このようにすれば、帯
電付与手段に対して塗料が付着することはない。
【0038】(2) 請求項1乃至請求項4又は技術的
思想(1)のうちいずれか1項に記載の静電塗装装置に
おいて、前記第1電極は陽極であり、前記第2電極は陰
極であり、同陰極には負の高電圧が印加されることを特
徴とする静電塗装装置。このようにすれば、負の電荷を
有するように帯電させた塗料粒子を、陽極である被塗装
領域に塗着させることができる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、マスク部材の外表面及び同マスク部材と被塗装
物の境界に塗料が塗着することを大幅に減らすことがで
きる。
【0040】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、帯電付与手段を帯電させることにより
マスク部材の外表面に塗料粒子の帯電電荷と同じ電荷を
容易に帯電させることができる。
【0041】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
の効果に加えて、マスク部材は絶縁物にて形成されてい
るため、マスク部材と被塗装物とが短絡することはな
い。請求項4の発明によれば、請求項1乃至請求項3の
うちいずれか1項の発明の効果に加えて、フッ素樹脂は
表面摩擦抵抗が小さいため、マスク部材の表面に塗料が
塗着しても容易に同塗料による塗装膜を剥離させること
ができる。
【0042】請求項5の発明によれば、マスク部材の外
表面及び同マスク部材と被塗装領域の境界に塗料が塗着
することを大幅に減らして、容易に被塗装領域に塗装を
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における静電塗装装置を示す概略
図。
【図2】同じく塗装膜が施された金属板を示す要部拡大
断面図。
【図3】同じくマスク部材を示す背面図。
【図4】同じくマスク部材を示す側断面図。
【図5】同じく塗装状態を示す要部拡大断面図。
【図6】従来における静電塗装にて塗装されている金属
材料を示す要部拡大断面図。
【図7】同じく塗装膜が施された金属材料を示す要部拡
大断面図。
【図8】同じくマスク部材を取り外した金属材料を示す
要部拡大断面図。
【符号の説明】
11…静電塗装ガン(塗料噴霧手段)、20a…塗装面
(被塗装領域)、20b…非塗装面(マスク領域)、2
0…金属板(被塗装物)、22…塗料粒子、24…マス
ク部材、26…銅板(帯電付与手段)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗装物を第1電極とし、被塗装物に向
    かい合った塗料噴霧手段側を第2電極として両電極間に
    静電界を形成し、塗料噴霧手段にて噴霧した塗料粒子を
    帯電させて前記被塗装物に対して静電力にて付着させる
    静電塗装装置において、 前記被塗装物が塗装される被塗装領域以外のマスク領域
    に配置され、塗料粒子と同じ電荷に帯電されるマスク部
    材を備えたことを特徴とする静電塗装装置。
  2. 【請求項2】 前記マスク部材には、マスク部材を塗料
    粒子の帯電電荷と同じ電荷に帯電する帯電付与手段を設
    けたことを特徴とする請求項1に記載の静電塗装装置。
  3. 【請求項3】 前記マスク部材は、絶縁物にて形成した
    ことを特徴とする請求項2に記載の静電塗装装置。
  4. 【請求項4】 前記マスク部材は、フッ素樹脂にて形成
    したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいず
    れか1項に記載の静電塗装装置。
  5. 【請求項5】 被塗装物を第1電極とし、被塗装物に向
    かい合った塗料噴霧手段側を第2電極として両電極間に
    静電界を形成し、塗料噴霧手段にて噴霧した塗料粒子を
    帯電させて前記被塗装物に対して静電力にて付着させる
    静電塗装方法において、 前記被塗装物が塗装される被塗装領域以外のマスク領域
    に配置され、塗料粒子と同じ電荷に帯電されるマスク部
    材を配置して、静電塗装を行うことを特徴とする静電塗
    装方法。
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