JP5974701B2 - エンジンの燃焼室構造 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの燃焼室構造に関し、特に燃焼室の断熱構造に関する。
従来、エンジン部品のような高温ガスに晒される金属製品には、高温ガスからの熱伝達、すなわち冷却損失を抑制して燃費性能等を向上するために、その金属製母材の表面に断熱層を形成することが行われている。その一例として、エンジンの燃焼室の壁面をジルコニア等の低熱伝導性の無機酸化物を溶射法により被覆して断熱することが知られている。
また、特許文献1には、排気エミッションの低減及び燃費の向上を達成するために、ピストンのキャビティの内周壁面におけるインジェクタから噴射される燃料の当たる位置に、燃料の気化を促進するためのセラミック膜が周方向にほぼ等間隔に形成された構造が開示されている。具体的に、上記セラミック膜は、ピストンのキャビティと頂面とを結ぶオーバーハング状のリップ部よりも若干キャビティ内に入った部分に形成されている。通常、燃料は、キャビティ内に向かって噴霧され、当該キャビティ内で燃焼されるものであるから、このような構造は好ましいと考えられる。
ところで、キャビティのリップ部周辺において、ピストンが圧縮上死点(TDC)を過ぎて下降を始める際に流速が高い逆スキッシュ流が発生することが知られている。このような逆スキッシュ流が発生すると、燃焼ガスからピストン等への熱伝達が促進されることとなる。その結果、熱流量が大きくなり、冷却損失が増大してしまう。
近年、ピストンの頂面とキャビティの壁面とを結ぶ部分をオーバーハング状にせずに、緩やかな傾斜面とすることで、上記の問題を解決できることが報告されている。そのようにすると、逆スキッシュ流の流速を低減でき、燃焼ガスからピストン等への熱伝達を抑制することができる。すなわち、このようにすることで冷却損失を低減することが可能となる。
特開2000−8857号公報
しかしながら、上記のような構造を用いて逆スキッシュ流の流速を低減すると、当然に、ピストンがTDCに向かう際に生じる順方向のスキッシュ流の流速をも低減することとなる。その結果、スキッシュ流によるキャビティ内における燃料と空気との混合が十分になされずに、燃費の悪化及び排気エミッションの増加が起こる。すなわち、この構造を採用して冷却損失を抑制できたとしても、結局、燃費性能等の改善効果が少なくなってしまう。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ピストンの形状を変更することなく、燃料ガスからピストン等のエンジン部品への熱伝達を抑制して冷却損失を低減できるようにすることにある。
前記の目的を達成するために、本発明は、エンジンの燃焼室構造において、流速が高い逆スキッシュ流が生じる部位に、他の部位よりも断熱性が高い断熱層が形成された構成とした。
具体的に、本発明に係るエンジンの燃焼室構造は、ピストンの頂面にキャビティが形成されているエンジンの燃焼室構造を対象とし、ピストンの頂面に対向するシリンダヘッドの面、並びに吸気弁及び排気弁のそれぞれのバルブヘッド面における、ピストンのキャビティの開口縁を形成するリップ部に対応する部位には、前記シリンダヘッドの面、並びに前記吸気弁及び排気弁のそれぞれのバルブヘッド面における他の部位に形成された断熱層よりも断熱性が高い断熱層が、前記ピストンの往復動方向の軸線上で一致するように前記リップ部に対向して環状に形成されており、前記高断熱層は、無機酸化物の中空状粒子を含むことを特徴とする。
本発明に係るエンジンの燃焼室構造によると、ピストンの頂面に対向するシリンダヘッドの面、並びに吸気弁及び排気弁のそれぞれのバルブヘッド面には、流速が高い逆スキッシュ流が生じる領域であるキャビティの開口縁を形成するリップ部に対応する部位に前記シリンダヘッドの面、並びに前記吸気弁及び排気弁のそれぞれのバルブヘッド面における他の部位に形成された断熱層よりも断熱性が高い断熱層が前記ピストンの往復動方向の軸線上で一致するように前記リップ部に対向して環状に形成されているため、その部位における燃料ガスからシリンダヘッド、吸気弁及び排気弁への熱伝達を低減できる。その結果、逆スキッシュ流による冷却損失を低減することが可能となる。また、前記高断熱層は、無機酸化物の中空状粒子を含むことにより、熱伝導率が低く、断熱性が高い高断熱層を形成することができるため、冷却損失を低減することができる。
本発明に係るエンジンの燃焼室構造において、リップ部に前記高断熱層が形成されていることが好ましい。
このようにすると、燃焼室の天井面を構成するシリンダヘッドの下面、換言すると、ピストンの頂面に対向するシリンダヘッドの面、並びに吸気弁及び排気弁のバルブヘッド面だけでなく、燃焼室の底面を構成するピストンにおける流速が高い逆スキッシュ流が生じる部位であるリップ部にも、上記断熱層が形成されているため、燃料ガスからピストンへの熱伝達をも低減できる。その結果、逆スキッシュ流による冷却損失をさらに低減できる。
本発明に係るエンジンの燃焼室構造において、吸気弁及び排気弁のそれぞれのバルブヘッド面には、前記リップ部に対応する部位に加えてさらにその全面に前記高断熱層が形成されていてもよい。
吸気弁及び排気弁のバルブヘッド面の一部に上記の断熱性が高い断熱層を設ける場合、その工程が若干煩雑となるが、全面にその断熱層を設けることにより、その工程を簡便にすることができる。また、そのようにすることで、燃焼室の天井面の多くの割合を占める吸気弁及び排気弁のバルブヘッド面の断熱性を向上でき、冷却損失をより低減できる。
本発明に係るエンジンの燃焼室構造によると、逆スキッシュ流の流速を抑制することなく、燃料ガスからシリンダヘッド等のエンジン部品への熱伝達を抑制でき、冷却損失を低減できる。
本発明の実施形態に係るエンジン構造を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの燃焼室の天井面の構造を示す平面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの燃焼室構造を示す図2のIII−III線における断面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの燃焼室構造を示す図2のIV−IV線における断面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの燃焼室構造の変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの燃焼室構造の変形例を示す断面図である。 (a)〜(f)は、本発明の実施形態に係るエンジンの燃焼室構造に用いられる断熱層を形成する方法の一例を工程順に示す断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施形態に係るエンジンの燃焼室構造に用いられる断熱層を形成する方法の他の例を工程順に示す断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施形態に係るエンジンの燃焼室構造に用いられる断熱層を形成する方法の他の例を工程順に示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用方法或いはその用途を制限することを意図するものでない。
本実施形態は、本発明に係るエンジンの燃焼室構造を図1に示すエンジンに採用したものである。
<エンジンの特徴>
図1において、符号1はピストン、符号2はシリンダブロック、符号3はシリンダヘッド、符号4はシリンダヘッド3の吸気ポート5を開閉する吸気弁、符号6は排気ポート7を開閉する排気弁、符号8は燃料噴射弁である。エンジンの燃焼室は、ピストン1の頂面、シリンダブロック2、シリンダヘッド3、並びに吸気弁4及び排気弁6のバルブヘッド面(燃焼室に臨む面)で形成される。ピストン1の頂面には、キャビティ9が形成されている。なお、このエンジンは、ピストンが鉛直方向に往復動するものである。
ところで、エンジンの熱効率は、理論的に幾何学的圧縮比を高めるほど、また、作動ガスの空気過剰率を大きくするほど、高くなることが知られている。しかし、実際には、圧縮比を大きくするほど、また、空気過剰率を大きくするほど、冷却損失が大きくなるため、圧縮比及び空気過剰率の増大による熱効率の改善は頭打ちになる。
すなわち、冷却損失は、作動ガスからエンジン燃焼室壁への熱伝達率、その伝熱面積、及びガス温と壁温との温度差に依存する。このため、エンジン燃焼室を構成するエンジン部品の表面には、エンジン部品の金属製母材よりも熱伝導率が低い材料からなる断熱層が形成された断熱構造が採用される。さらに、上記の通り、キャビティ9の周縁部の近傍では、ピストン1が圧縮上死点(TDC)を過ぎて下降を始める際に逆スキッシュ流が発生して、これにより、冷却損失が増大するため、本実施形態では、特に、そのような逆スキッシュ流に起因する冷却損失を抑制するための断熱層が設けられた断熱構造を採用している。
<断熱構造>
そこで、次に、本実施形態に係るエンジンの燃焼室構造について、図2〜図4を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係るエンジンの燃焼室の天井面の断熱構造を示す平面図である。図3は、実施形態に係るエンジンの燃焼室の断熱構造を示す図2のIII−III線における断面図である。図4は、本発明の実施形態に係るエンジンの燃焼室の断熱構造を示す図2のIV−IV線における断面図である。なお、図2〜図4では、図の簡略化のために燃料噴射弁8を省略している。
図2〜図4に示すように、本実施形態のエンジンの燃焼室構造では、燃焼室の底面を構成するピストン1の頂面並びにキャビティ9の底面及び壁面と、燃焼室の天井面を構成するシリンダヘッド3の下面(ピストン1の頂面に対向するシリンダヘッド3の面)、並びに吸気弁4及び排気弁6のバルブヘッド面とに断熱層10aが設けられている。また、特に、シリンダヘッド3の下面並びに吸気弁4及び排気弁6のバルブヘッド面における、キャビティ9の周縁部、具体的にはキャビティ9の開口縁を形成するようにピストン1の頂面部において内方へ突出する環状のリップ部11に対応する部位は、シリンダヘッド3、吸気弁4及び排気弁6における他の部位に形成された断熱層10aよりも断熱性が高い断熱層10b(以下、高断熱層という。)がリップ部11に対応して環状に形成されている。ここで、図3及び図4に示すように、断熱層10bは、リップ部11に対応する部位だけでなく、さらにリップ部11の周辺部に対応する部位に形成されていてもよい。
通常、高断熱層10bが形成される上記の部位では、上記の通り、ピストン1が圧縮上死点(TDC)を過ぎて下降を始める際に流速が高い逆スキッシュ流が発生するため、この部位におけるエンジン部品への熱伝達が促進される。本実施形態では、その領域に高断熱層10bが設けられていることにより、上記の逆スキッシュ流による熱伝達を抑制することができるため、冷却損失を低減することが可能となる。
ここで、本実施形態の変形例について図5及び図6を参照しながら説明する。なお、図5及び図6は、それぞれ図3及び図4と同一の断面を示している。
本実施形態の変形例として、図5及び図6に示すように、キャビティ9の周縁部、具体的にはキャビティ9の開口縁を形成するようにピストン1の頂面部において内方へ突出する環状のリップ部11にも高断熱層10bを形成してもよい。言い換えると、シリンダヘッド3、吸気弁4及び排気弁6に設けられた高断熱層10bに対応するピストン1の部位に高断熱層10bを形成してもよい。
このようにすると、上記の逆スキッシュ流によるピストン側への熱伝達をも抑制できるため、冷却損失をより低減することが可能となる。
なお、図5及び図6に示すように、断熱層10bは、リップ部11だけでなく、さらにリップ部11の周辺部に形成されていてもよい。
また、高断熱層10bは、吸気弁4及び排気弁6のバルブヘッド面の全面に設けられていてもよい。このようにすると、吸気弁4及び排気弁6における高断熱層10bの形成工程が簡便となり、さらに、燃焼室における冷却損失をより低減できる。
なお、本実施形態において、流速が高い逆スキッシュ流が生じる上記の部位の断熱性を他の部位よりも高くするために、高断熱層10bが形成されていれば、他の部位に断熱層10aが形成されていなくてもよい。但し、エンジン燃焼室における冷却損失の低減の観点から、他の部位に断熱層10aが形成されていることが好ましい。
本実施形態における高断熱層10bは、他の断熱層10aよりも断熱性が高いが、他の断熱層10aよりも断熱性を高くするために、例えば、他の断熱層10aよりも熱伝導率が低い材料から形成されていてもよく、他の断熱層10aよりも厚く形成されていてもよい。
高断熱層10bは、熱伝導率を低減するために、無機酸化物粒子を含むことでき、例えば、ジルコニア、シリカ又はアルミナ等の無機酸化物粒子を含むことが好ましい。さらに、熱伝導率を低減するために、上記の無機酸化物からなる中空状粒子を用いることができる。具体的に、中空状粒子としては、アルミナバブル、フライアッシュバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、エアロゲルバルーン等のセラミック系中空粒子、その他の無機系中空粒子を用いることができる。なお、各々の材質及び粒径は表1の通りである。
Figure 0005974701
例えば、フライアッシュの化学組成は、SiO;40.1〜74.4%、Al;15.7〜35.2%、Fe;1.4〜17.5%、MgO;0.2〜7.4%、CaO;0.3〜10.1%(以上は質量%)である。シラスバルーンの化学組成は、SiO;75〜77%、Al;12〜14%、Fe;1〜2%、NaO;3〜4%、KO;2〜4%、IgLoss;2〜5%(以上は質量%)である。
次に、上記高断熱層10bと断熱層10aとを形成する方法について説明する。まず、高断熱層10bが断熱層10aよりも熱伝導率が低い材料からなる場合、すなわち、それぞれの材料が異なる場合について図7を参照しながら説明する。
この場合、図7(a)に示すように、例えばシリンダヘッド3の下面(図7では上側に示す)において、予め高断熱層10bを形成する部位に樹脂等からなるマスク層12を形成しておく。
次に、図7(b)に示すように、例えば溶射法により断熱層10aの材料をシリンダヘッド3の下面に溶射することにより、マスク層12が形成されておらず露出したシリンダヘッド3の下面に断熱層10aを形成する。このときマスク層12が形成された部位には、マスク層12の上に断熱層10aの材料が堆積する。
次に、図7(c)に示すように、マスク層12とその上に形成された断熱層10aの材料とをエッチング法等により除去する。これにより、後に高断熱層10bを形成する部位以外の部位に断熱層10aを設けることができる。
次に、図7(d)に示すように、形成された断熱層10aの上に、上記と同様にマスク層12を形成する。
次に、図7(e)に示すように、高断熱層10bの材料をシリンダヘッド3の下面に溶射することにより、マスク層12が形成されておらず露出したシリンダヘッド3の下面に高断熱層10bを形成する。このときマスク層12が形成された部位には、マスク層12の上に高断熱層10bの材料が堆積する。
次に、図7(f)に示すように、マスク層12とその上に形成された断熱層10bの材料とをエッチング法等により除去する。これにより、シリンダヘッド3の下面の上記の各部位に高断熱層10bと断熱層10aとを形成することができる。
次に、高断熱層10bがその他の断熱層10aと材料が同一で、厚さが異なる場合におけるそれぞれの形成方法について図8を参照しながら説明する。
この場合、図8(a)に示すように、例えばシリンダヘッド3の下面(図8では上側に示す)において、予め高断熱層10bを形成する部位に窪部13を形成し、断熱層10aを形成する部位にマスク層12を形成しておく。
次に、図8(b)に示すように、断熱材10cをシリンダヘッド3の下面に対して、窪部13が埋まり且つ断熱材10cがシリンダヘッド3の下面と面一になるまで溶射する。
次に、図8(c)に示すように、マスク層12をエッチング法等により除去する。
次に、図8(d)に示すように、シリンダヘッド3の下面に均一に断熱材10cを溶射することによって、高断熱層10bを断熱層10aよりも厚く形成することができる。
上記方法の他に、厚さが異なる高断熱層10b及び断熱層10aを形成する方法について図9を参照しながら説明する。
まず、図9(a)に示すように、予め高断熱層10bを形成する部位のシリンダヘッド3の下面(図9では上側に示す)に窪部13を形成しておく。
次に、図9(b)に示すように、シリンダヘッド3の下面に均一に断熱材10cを溶射する。このとき、断熱材10cの表面は、窪部13に対応して、凹部が形成される。
次に、図9(c)に示すように、断熱材10cの表面を研磨等をして、表面を平坦にすることにより、高断熱層10bを断熱層10aよりも厚く形成することができる。
これらの方法を用いることにより、高断熱層10b及び断熱層10aをシリンダヘッド3等のエンジン部品の所望の部位にそれぞれ形成することができる。
本実施形態では、ピストン1のキャビティ9の開口縁を形成するようにピストン1の頂面部において内方へ突出する環状のリップ部11が形成されているが、キャビティ9の開口縁は、このような形状でなくてもよい。例えば、ピストン1の頂面とキャビティ9の側壁面とは、略垂直であってもよく、90°以上の緩やかな角度であってもよい。このとき、高断熱層10bは、キャビティ9の周縁部、具体的に、ピストン1の頂面からキャビティ9の壁面に臨む部分及びその周辺部と対向するシリンダヘッド3の領域に形成される。
但し、その角度が90°よりも過剰に大きいと、上述の通り、ピストン1がTDCに向かう際に生じる順方向のスキッシュ流の流速を低減することとなるため、キャビティ内における燃料と空気との混合が十分になされず、燃費の悪化をし、排気エミッションが増加することとなる。このため、上記のようなリップ部11を形成する方が好ましい。
1 ピストン
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
4 吸気バルブ
5 吸気ポート
6 排気バルブ
7 排気ポート
8 燃料噴射弁
9 キャビティ
10a 断熱層
10b 高断熱層
10c 断熱材
11 リップ部
12 マスク層
13 窪部

Claims (3)

  1. ピストンの頂面にキャビティが形成されているエンジンの燃焼室構造であって、
    前記ピストンの頂面に対向するシリンダヘッドの面、並びに吸気弁及び排気弁のそれぞれのバルブヘッド面における、前記ピストンのキャビティの開口縁を形成するリップ部に対応する部位には、前記シリンダヘッドの面、並びに前記吸気弁及び排気弁のそれぞれのバルブヘッド面における他の部位に形成された断熱層よりも断熱性が高い断熱層が、前記ピストンの往復動方向の軸線上で一致するように前記リップ部に対向して環状に形成されており、
    前記高断熱層は、無機酸化物の中空状粒子を含む
    ことを特徴とするエンジンの燃焼室構造。
  2. 前記リップ部に、前記断熱層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの燃焼室構造。
  3. 前記吸気弁及び排気弁のそれぞれのバルブヘッド面には、前記リップ部に対応する部位に加えてさらにその全面に前記断熱層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの燃焼室構造。
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