JP6920826B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に関し、より特定的には直接噴射式ディーゼルエンジンに関するものである。
従来の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造は、たとえば、特開平6−221162号公報(特許文献1)に開示されている。
特許文献1の燃焼室構造は、ピストン頂面に凹設されるキャビティの開口部を絞り、そのキャビティの中央部に突起(中央突起部)を設けた、所謂、リエントラント型となっている。
特開平6−221162号公報
特許文献1のような従来の燃焼室構造では、内燃機関が高負荷となって燃料噴射量が多くなると、燃焼室内に噴射された燃料(燃料噴霧)は燃焼室壁面に沿って流れて中央突起部の周囲にまで到達する。中央突起部まで到達した燃料噴霧は、周囲の酸素が初期の燃焼で減量していることに加え燃料噴霧自体の流動が低下していることから、酸素との混合が促進されずに当量比の高い状態(燃料の濃度が高い状態)で燃焼してスートを生成してしまうという問題があった。
そこで、この発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、スートの発生を抑制することが可能な内燃機関を提供することを目的とする。
この発明に従った内燃機関は、ピストン頂面に頂面側に開口する燃焼室が設けられたピストンと、燃焼室に燃料を噴射するインジェクタとを備える。ピストンは、燃焼室の中央部に設けられた突起部と、燃焼室の開口縁を構成するリップ部と、突起部の周囲を取り囲むように設けられるとともにインジェクタからリップ部に向けて噴射された燃料噴霧を突起部に向かって案内する湾曲部とを含む。突起部の湾曲部との接続部には、インジェクタから噴射されて湾曲部に沿って突起部へ向かって流れる燃料噴霧を突起部の壁面から剥離させて突起部と燃料噴霧との間に空気層を形成するための剥離用段部が設けられている。
このように構成された内燃機関では、インジェクタから噴射されて燃焼室内を湾曲部に沿って流動する燃料噴霧は、燃焼室中央の突起部に到達すると、突起部に形成された剥離用段部によって燃焼室の壁面から離間した状態となる。このため、剥離用段部に残っている酸素および燃焼室内の酸素を燃料噴霧に十分に取り込ませることができ、燃料の流動が低下した燃焼の後半においても、当量比の低い状態で燃料を燃焼させることができる。その結果、スートの発生を抑制することができる。
好ましくは、剥離用段部の湾曲部側には、湾曲部に沿って流れる燃料噴霧の流れ方向に突出する微小凸部が設けられている。この場合、剥離用段部に形成した微小凸部によって、燃焼室壁面に沿って流れる燃料噴霧を、突起部において燃焼室の壁面から確実に剥離させることができる。
好ましくは、剥離用段部の底面はピストンの中心軸に近づくにつれてピストンの頂面から遠ざかるように傾斜している。この場合、傾斜する剥離用段部の底面によって、燃焼室壁面に沿って流れる燃料噴霧を、突起部において燃焼室の壁面から確実に剥離させることができる。
好ましくは、突起部は、インジェクタの複数の噴口に対応する複数の剥離用段部と、ピストンの周方向に沿って隣りあう剥離用段部の間を仕切る壁部とを有する。この場合、インジェクタの各噴口から噴射されて突起部に到達した燃料噴霧は、それぞれ、流動が低下した状態となる。燃焼室内にスワール流が発生している場合には燃料噴霧は燃焼室内のスワール流に流される。突起部には複数の剥離用段部の間を仕切る壁部が設けられているので、燃料噴霧同士の突起部周辺における干渉が抑制される。その結果、各燃料噴霧について酸素を多くとりこんだ状態で燃焼させることができ、スートの発生を効果的に抑制することができる。
この発明に従えば、スートの発生を抑制できる内燃機関を提供することができる。
実施の形態1に従った内燃機関の断面図である。 実施の形態1における上死点後クランク角14°での燃焼室10a内の燃料噴霧21の様子を示す図である。 実施の形態1における上死点後クランク角22°での燃焼室10a内の燃料噴霧21の様子を示す図である。 比較例における上死点後クランク角14°での燃焼室10a内の燃料噴霧21の様子を示す図である。 比較例における上死点後クランク角22°での燃焼室10a内の燃料噴霧21の様子を示す図である。 剥離用段部19が設けられたピストンおよび剥離用段部19が設けられていないピストンの噴射時期とスートの割合との関係を示すグラフである。 剥離用段部19が設けられたピストンおよび剥離用段部19が設けられていないピストンの噴射時期と燃料消費率との関係を示すグラフである。 剥離用段部19が設けられたピストンおよび剥離用段部19が設けられていないピストンのクランク角と熱発生率(Rate of Heart Release)との関係を示すグラフである。 実施の形態2に従った内燃機関の断面図である。 実施の形態3に従った内燃機関の断面図である。 実施の形態4に従ったピストンの突起部の斜視図である。 図11中の矢印XIIで示す方向から見た平面図である。 実施の形態4に従ったピストンの変形例に従った突起部の斜視図である。
以下、本発明の各実施形態に係る内燃機関について図を参照して説明する。以下の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に従った内燃機関の断面図である。図1で示すように、内燃機関1は、シリンダ壁3と、シリンダ壁3内に配置されるピストン10と、シリンダ壁3の上部に設けられるシリンダヘッド2と、シリンダヘッド2に設けられるインジェクタ4とを備える。内燃機関1は圧縮自着火機関である。圧縮された空気に燃料を噴射することで燃料を燃焼させることができる。
シリンダ壁3に取り囲まれる空間がボア3aである。ボア3a内にピストン10が嵌合する。ボア3aは円筒形状である。
ピストン10はボア3a内を往復運動する。ピストン10には環状のリング溝11aが設けられる。リング溝11aにピストンリング(図示せず)が嵌め合わせられる。
ピストン10の頂面11(ピストン頂面)がシリンダヘッド2に向かい合うように配置される。ピストン10の頂面11には、頂面11側に開口するように燃焼室10aが凹設される。ピストン10は燃焼室10aの中央部に設けられた突起部9と、燃焼室の開口縁13を構成するリップ部8と、突起部9とリップ部8との間に設けられて燃焼室10aの壁面を構成する湾曲部7とを含み、突起部9に少なくとも1つの剥離用段部19が設けられている。リップ部8の頂面11側には、頂面11との間に微小な段差を形成するスキッシュ部12が設けられる。ピストン10の上昇に伴って、頂面11とシリンダヘッド2との間に存在する空気が、スキッシュ部12によって乱れを生じながら燃焼室10aの中央側へと流れる。なお、スキッシュ部12が設けられていなくてもよい。
突起部9はピストン10の中心軸6を含むように設けられている。突起部9はインジェクタ4に対向するように配置されている。
突起部9には剥離用段部19が設けられている。剥離用段部19は底面16と側面17とを有する。剥離用段部19が設けられない場合の側面30を点線で示している。剥離用段部19は突起部9の円周方向に延在して突起部9を取り囲むように環状に設けられる。すなわち、剥離用段部19は突起部9の円周方向に連続するように設けられる。
湾曲部7は、図1で示す中心軸6に平行な断面において弧状に設けられている。湾曲部7の壁面14は滑らかな曲面により構成される。湾曲部7と突起部9との境界部15は、壁面14と、剥離用段部19の底面16との境界である。ここで、突起部9に剥離用段部19が設けられない比較例の燃焼室を点線で示す。点線の壁面14aおよび側面30は、比較例の燃焼室のものである。なお、剥離用段部19が設けられない点線の比較例の壁面14aおよび側面30の形状で構成される燃焼室は、剥離用段部19を設けた燃焼室10aと同じ体積を有するように、湾曲部を若干深く形成している。
インジェクタ4の噴口4hからリップ部8に向かって燃料4aが噴射される。噴射された燃料4a、即ち、燃料噴霧21の一部は矢印4bで示すように、リップ部8の上側に位置するスキッシュ部12側へ流れる。燃料噴霧21の残りの部分は矢印4cで示すように湾曲部7の壁面14に沿って流れる。湾曲部7の壁面に沿って流れる燃料噴霧21は、突起部9に到達すると、剥離用段部19の底面16および側面17から剥離した流れとなる。即ち、燃料噴霧21は突起部9の剥離用段部19において、燃焼室10aの壁面から剥離する。突起部9周辺において燃料噴霧21が壁面から剥離した流れとなることで、燃料噴霧21と周辺の酸素との接触面積が大きくなる。そのため、流動の低下した状態の燃焼後半の燃料噴霧21に剥離用段部19に残っている酸素および突起部9の周辺に残っている酸素を十分に取り込ませることができ、当量比を低下させた状態で燃料4aを燃焼させることができる。その結果、スートの発生を抑制することができる。
すなわち、リップ部8に向かってインジェクタ4から噴射された燃料噴霧21の一部は、リップ部8から湾曲部7を経由して突起部9へ向かって流れ、突起部9の剥離用段部19に達すると、剥離用段部19の底面16の少なくとも一部分から離れた状態で流動することとなる。これにより、突起部9に到達した燃焼後半の燃料噴霧21を燃焼室10a内の酸素と十分に反応させて燃焼させることができる。
図2と図3に、実施の形態1に従った内燃機関の燃焼室10a内における燃料噴霧21の流動の様子を模式的に示す。また、図4と図5に、図1で点線にて示される壁面14aおよび側面30を有する比較例に従った内燃機関の燃焼室内における燃料噴霧21の流動の様子を模式的に示す。
図2は、実施の形態1における上死点後クランク角14°での燃焼室10a内の燃料噴霧21の様子を示す図である。図2で示すように、主噴射時期が上死点前クランク角度6°で、インジェクタ4の噴口4hからリップ部8に向けて噴射された燃料噴霧21は、一部がリップ部8の頂面11側に沿った流れとなり、残りの部分は、湾曲部7の壁面14に沿った流れとなる。インジェクタ4から噴射された燃焼初期の燃料噴霧21は、流速が速く噴射による運動エネルギーによって流動が高い状態にあるため、周囲の酸素を取り込みながら燃焼を進行させる。
図3は、実施の形態1における上死点後クランク角22°での燃焼室10a内の燃料噴霧21の様子を示す図である。図3で示すように、湾曲部7の壁面14に沿って流れる燃料噴霧21は、突起部9に到達すると剥離用段部19によって燃焼室10aの壁面から剥離した流れとなる。即ち、突起部9の周辺において、燃料噴霧21の先端21aは剥離用段部19の底面16および側面17から離間する。即ち、湾曲部7の壁面14に沿って流れて突起部9に到達した燃料噴霧21は、噴射による運動エネルギーを消費して燃焼初期よりも流動が低下した状態である。しかし、燃焼室10aの壁面から離間した流れとなることによって、先端21aと周囲の空気22との接触面積が増えるので、剥離用段部19に残っている酸素および燃焼室10a内に残っている酸素を十分に取り込みながら燃焼を進行させる。言い換えると、剥離用段部19によって、突起部9に到達した後の燃焼後半の燃料噴霧21に十分な酸素を取り込んだ状態で当量比の低い状態で燃焼させることができ、スートの生成を低減することができる。
図4は、比較例における上死点後クランク角14°での燃焼室10a内の燃料噴霧21の様子を示す図である。図4で示すように、比較例に従った内燃機関1のピストン10の燃焼室10aには剥離用段部19が設けられていない。その結果、湾曲部7aと突起部9aとの境界部15aから中心軸6へ向かう突起部9aの側面30の傾斜は緩やかに変化している。
比較例に従った内燃機関1においても、インジェクタ4の噴口4hからリップ部8aに向かって燃料が噴射されて燃料噴霧21を形成する。燃料噴霧21の一部は、リップ部8の上側に位置するスキッシュ部12a側へ流れる。燃料噴霧21の残りの部分は湾曲部7aの壁面14aに沿って流れる。
図5は、比較例における上死点後クランク角22°での燃焼室10a内の燃料噴霧21の様子を示す図である。図5で示すように、湾曲部7aの壁面14aに沿って流れて突起部9aに到達した燃料噴霧21は、突起部9aに剥離用段部が設けられていないので、そのまま突起部9aの側面30に沿った流れとなる。即ち、突起部9a周辺に到達した流動の低下した燃焼後半の燃料噴霧21は、燃焼室10aの側面30から剥離せずに側面30に沿って流れるので、周囲の酸素を十分に取り込むことができず、当量比が高いままで燃焼が進行する。その結果、スートを生成してしまう。
図6は、剥離用段部19が設けられた実施の形態1に従ったピストン10および剥離用段部19が設けられていない図1で点線で示す壁面14aおよび側面30を有する比較例のピストン10における、燃料の噴射時期と燃焼行程全体におけるスートの生成割合との関係を示すグラフである。図6で示すように、剥離用段部19が設けられた実施の形態1に従ったピストン10(図2、図3)では、剥離用段部19が設けられていない比較例のピストン10(図4、図5)と比較して、燃焼行程全体におけるスートの生成割合が少ない。これは、剥離用段部19を設けたことによって、燃焼後半の燃料噴霧に十分な酸素を取り込ませることができ、燃料が当量比の低い状態で燃焼することに起因する。
また、図7は剥離用段部19が設けられた実施の形態1に従ったピストン10および剥離用段部19が設けられていない図1で点線で示す比較例のピストン10における、燃料の噴射時期と燃料消費率との関係を示すグラフである。図7で示すように、剥離用段部19が設けられた実施の形態1に従ったピストン10(図2、図3)では、剥離用段部19が設けられていない比較例のピストン10(図4、図5)と比較して、燃料消費率(単位仕事をするのに必要な燃料の量)が小さい。これは燃費が良いことを示している。その原因は、主として以下の2つの理由と考えられる。
理由1:剥離用段部19近傍において流動性が低下した燃料に十分に酸素が供給されて燃料が当量比の小さい状態で燃焼して燃料の燃え残り(スート)が無いため、無駄なく燃料を燃焼させることができる。燃料からの入熱量をQ1、排熱量をQ2、仕事量をWとするとQ1−Q2=Wであり、無駄なく燃料を燃焼させることで入熱量Q1を大きくすることができ、仕事量Wが大きくなる。その結果、燃料消費率が小さくなる。
理由2:燃焼時の火炎が燃焼室10aの壁面から剥離する。熱伝導性の低い気体(空気22)が火炎と燃焼室10aの壁面との間に存在するため燃焼で生じた熱量Q1がピストン10へ伝わることを抑制できる。その結果、排熱量Q2を減少させることができ、仕事量Wが大きくなる。これにより、燃料消費率が小さくなる。
以上より、図6と図7と合わせてみると、本発明の構成では、噴射タイミングを燃費が良くなる進角側に振った時に、スートの生成割合が小さくなることが分かる。
図8は、剥離用段部19が設けられた実施の形態1に従ったピストン10および剥離用段部19が設けられていない図1で点線で示す比較例のピストンにおける、クランク角と熱発生率(Rate of Heart Release)との関係を示すグラフである。図8で示すように、剥離用段部19が設けられた実施の形態1に従ったピストン10(図2、図3)では、剥離用段部19が設けられていない比較例のピストン10(図4、図5)と比較して、クランク角が10°前後において、熱発生率が大きくなっていることが分かる。これは突起部9に剥離用段部19が設けられたピストン10では、比較例のピストン10よりも燃焼室10aの中央部における容積が大きくなるので、スワール流れが強化されて、インジェクタ4から噴射されてリップ部8に到達するまでの燃料噴霧に十分に空気を取り込ませることができるためである。そのため燃焼初期における燃焼が改善している。さらに、クランク角が20°以降においても、剥離用段部19が設けられた実施の形態1に従ったピストン10(図2、図3)では、剥離用段部19が設けられていない比較例のピストン10(図4、図5)と比較して、熱発生率が大きくなっていることが分かる。これは、剥離用段部19を設けることで燃焼後半において燃料噴霧21に十分な量の酸素を取り込ませて燃焼させることで、発熱量が大きくなっているためである。
以上のような内燃機関1では、燃焼室10a中央まで進行した燃焼後半の燃料噴霧21を燃焼室10aの中央の突起部9壁面から剥離させる。これにより突起部9近傍において燃料に供給される空気を確保し当量比を低下させた状態で燃焼を進行させることができる。その結果、スートを低減することができる。
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2に従った内燃機関の断面図である。図9で示すように実施の形態2に従ったピストン10は、剥離用段部19の燃料流れの上流側に剥離用段部19に隣接するように設けられた微小凸部18をさらに含む。微小凸部18は、剥離用段部19の湾曲部7側に、湾曲部7に沿って流れる燃料噴霧21の流れ方向に突出するように設けられている。
微小凸部18は環状に設けられている。微小凸部18は湾曲部7と突起部9との境界部15に設けられている。
微小凸部18が設けられることで、湾曲部7から微小凸部18に向かって矢印4cで示す方向に燃料噴霧が流れる。そのため、燃料噴霧は側面17および底面16から大きく離れることになる。燃焼後半の燃料噴霧21を燃焼室10a内の酸素と十分に反応させて燃焼させることができる。その結果、スートの発生を抑制できる。
(実施の形態3)
図10は、実施の形態3に従った内燃機関の断面図である。図10で示すように実施の形態3に従ったピストン10の剥離用段部19の底面16はピストン10の中心軸6に近づくにつれてピストン10の頂面11から遠ざかるように傾斜している。傾斜角はθで示される。
湾曲部7から境界部15に向かって矢印4cで示す方向に噴霧が流れる。そのため、噴霧は底面16から大きく離れることになる。噴霧に酸素が供給されやすくなり、スートの発生を抑制できる。
(実施の形態4)
図11は、実施の形態4に従ったピストンの突起部の斜視図である。図12は、図11中の矢印XIIで示す方向から見た平面図である。図11および図12で示すように、実施の形態4に従ったピストン10の突起部9には複数の剥離用段部19が設けられている。剥離用段部19の各々は、底面16、第一側面17aおよび第二側面17bによって囲まれる。インジェクタ4は複数の噴口4hを有し、噴口4hの数と同じ数の複数の剥離用段部19が設けられており、突起部9は複数の凹19部の間を仕切る壁部9wを有する。
矢印31で示すスワール方向に吸気が流れているため、噴口4hから噴射された燃料の噴霧は矢印32で示すようにスワール方向に流れる。そして剥離用段部19に向かって噴霧が流れ、剥離用段部19の底面、第一側面17aおよび第二側面17bから剥離した位置で酸素と反応して燃焼する。
図12の点線9dは、実施の形態1から3における剥離用段部19と剥離用段部19でない部分との境界を示している。実施の形態1から3では点線9dで囲まれた円から外側は全て剥離用段部19であるのに対して、実施の形態4では点線9dで囲まれた円から外側に壁部9wが存在する。そのため、実施の形態4では実施の形態1から3と比較して剥離用段部19の体積が小さくなる。
このように構成された実施の形態4に従った内燃機関1では実施の形態1と同様の効果を奏することができる。また、実施の形態1と比較して剥離用段部19の体積が小さくなるので、燃焼室10aの総体積を実施の形態1と等しくしようとすると、剥離用段部19の余剰体積(実施の形態1の剥離用段部19の体積−実施の形態4に従った剥離用段部19の体積)分だけスキッシュ部12(図1参照)の体積を増やすことができる。その結果、スキッシュ部12での燃焼を改善することができる。
また、剥離用段部19の余剰体積分だけ燃焼室10aの総体積を減少させれば圧縮比が上がり、低温時の着火性が向上する。
また、各噴口4hから噴射された燃料噴霧は、それぞれ、矢印31で示す方向のスワール流に流されながら流動が低下した状態となって突起部9に到達する。突起部9には複数の剥離用段部19の間を仕切る壁部9wが設けられているので、燃料噴霧同士の突起部9周辺における干渉が抑制される。その結果、各燃料噴霧について酸素を多くとりこんだ状態で燃焼させることができ、スートの発生を効果的に抑制することができる。
図13は、実施の形態4に従ったピストンの変形例に従った突起部の斜視図である。図13では側面が図11のように第一側面17aおよび第二側面17bに分かれておらず、曲面状側面17Uが側面を構成している。このように構成しても、図11で示すピストンと同様の効果がある。
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、内燃機関において用いることができる。
1 内燃機関、2 シリンダヘッド、3 シリンダ壁、3a ボア、4 インジェクタ、4a 燃料、4h 噴口、6 中心軸、7 湾曲部、8,8a リップ部、9,9a 突起部、9w 壁部、10 ピストン、10a 燃焼室、11 頂面、11a リング溝、12,12a スキッシュ部、13,13a 開口縁、14,14a 壁面、15,15a 境界部、16 底面、17,30 側面、17a 第一側面、17b 第二側面、18 微小凸部、19 剥離用段部、21 高濃度領域、21a 先端、22 空気。

Claims (3)

  1. ピストン頂面に頂面側に開口する燃焼室が設けられたピストンと、
    前記燃焼室に燃料を噴射するインジェクタとを備え、
    前記ピストンは、前記燃焼室の中央部に設けられた突起部と、前記燃焼室の開口縁を構成するリップ部と、前記突起部の周囲を取り囲むように設けられるとともに前記インジェクタから前記リップ部に向けて噴射された燃料噴霧を前記突起部に向かって案内する湾曲部とを含み、
    前記突起部の前記湾曲部との接続部には、前記インジェクタから噴射されて前記湾曲部に沿って前記突起部へ向かって流れる燃料噴霧を前記突起部の壁面から剥離させて前記突起部と燃料噴霧との間に空気層を形成するための剥離用段部が設けられており、
    前記剥離用段部は、底面と側面とからなり、
    前記剥離用段部の前記湾曲部側には、前記湾曲部に沿って流れる燃料噴霧の流れ方向に突出する環状の微小凸部が設けられており、前記微小凸部は前記底面からシリンダヘッドに向かって突出する、内燃機関。
  2. 前記剥離用段部の前記底面は前記ピストンの中心軸に近づくにつれて前記ピストンの頂面から遠ざかるように傾斜している、請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記突起部は、前記インジェクタの複数の噴口に対応する複数の前記剥離用段部と、前記ピストンの周方向に沿って隣りあう前記剥離用段部の間を仕切る壁部とを有する、請求項1または2に記載の内燃機関。
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