JP6384493B2 - シリンダヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明はシリンダヘッドの製造方法に関し、より詳細には、表面に遮熱膜(断熱膜)が形成されるシリンダヘッドの製造方法に関する。
エンジンの燃焼室は一般に、シリンダヘッドとシリンダブロックを合わせたときに、当該シリンダブロックのボア面と、当該ボア面に収容されるピストンの頂面と、当該シリンダヘッドの底面と、当該シリンダヘッドに形成される吸気ポートおよび排気ポートにそれぞれ配設される吸気バルブおよび排気バルブの傘部の底面と、によって囲まれる空間として定義される。このような燃焼室の内壁を構成するピストンの頂面等には、エンジンでの冷却損失の低減を目的として、遮熱膜が成膜されることがある。
例えば特開2012−159059号公報には、火花点火式エンジンの燃焼室の内壁を構成するシリンダヘッドの底面に、遮熱膜としての陽極酸化膜(具体的にはアルマイト膜)を形成する技術が開示されている。この底面には、吸気ポートおよび排気ポートに相当する孔や、スパークプラグ用の孔が形成されており、同公報には、当該底面の陽極酸化処理に際し、これらの孔をマスキングしておくのがよいと記載されている。
特開2012−159059号公報
上記底面の孔のマスキングは、例えば、適当なマスキング部材を当該孔のそれぞれに挿入することにより行われる。このようなマスキング部材の挿入は、上記底面の酸化により遮熱膜を成長させる陽極酸化のような成膜法に限られず、溶射法やコールドスプレー法といった、上記底面への膜材料粒子の噴射により当該膜材料粒子を堆積させる成膜法においても行われる。
ところで、上記燃焼室には、上記吸気バルブ等に加えてエンジン関連部品が設けられる場合がある。このようなエンジン関連部品をシリンダヘッドに配設するときには、専用の孔が上記底面に形成されることになる。このような専用孔は、シリンダヘッド内のスペースの制約上、シリンダヘッドのシリンダブロックとの合わせ面に対して垂直な方向ではなく、当該方向から傾斜して形成されることがある。
上記陽極酸化処理では電解液が使用され、この電解液が上記底面と接触している限り当該底面が酸化され得ることから、当該底面の孔に挿入されるマスキング部材の形状に対する制約は少ない。そのため、陽極酸化処理による成膜法では、垂直孔用および傾斜孔用の両者ともに、幅広い形状のマスキング部材が使用できる。これに対し、上記膜材料粒子の噴射は、上記シリンダブロック合わせ面に対向する方向から行われる。そのため、上記膜材料粒子の噴射による成膜法では、傾斜孔用のマスキング部材の形状に対する制約が多くなるという難点がある。
具体的に、傾斜孔用のマスキング部材は、当該傾斜孔に挿入されて位置決めする位置決め部と、当該傾斜孔からの抜去に必要な握り部と、を備えていなければならない。また、マスキング部材の位置決めを確実にするためには、この位置決め部をある程度傾斜孔の内部まで挿入する必要があるが、そうするとマスキング部材をシリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向に引き抜こうとしても傾斜孔の開口に位置決め部が引っ掛かってしまい、引き抜くことができない。このように、上記膜材料粒子の噴射による成膜法では、上記傾斜孔用のマスキング部材に難点があり、改善の余地がある。
本発明は、上述した課題の少なくとも1つに鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジン関連部品配設用の孔がシリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向から傾斜して形成されたシリンダヘッドの表面に対向する方向から膜材料粒子を噴射して成膜する際に有用なマスキング手法を提供することにある。
本発明に係るシリンダヘッドの製造方法は、準備工程と、取り付け工程と、成膜工程と、取り外し工程と、を備えている。前記準備工程は、シリンダブロック合わせ面と、エンジン燃焼室の内壁構成面とを同一表面に有するシリンダヘッド素材であって、吸気ポートおよび排気ポートに相当するポート孔と、前記ポート孔とは異なるエンジン関連部品配設用の孔であって前記シリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向から傾斜する傾斜孔と、が前記内壁構成面に形成されたシリンダヘッド素材を準備する工程である。前記取り付け工程は、前記内壁構成面のうちの非成膜領域と、前記シリンダブロック合わせ面とをマスクするマスキング部材を、前記シリンダヘッド素材に取り付ける工程である。前記成膜工程は、前記マスキング部材の取り付け後、前記シリンダブロック合わせ面に対向する方向から膜材料粒子を噴射して、遮熱膜を成膜する工程である。前記取り外し工程は、前記遮熱膜の成膜後、前記シリンダヘッド素材から前記マスキング部材を取り外す工程である。
前記マスキング部材は、合わせ面マスク部と、ポート孔マスク部と、傾斜孔マスク部と、を備えている。前記合わせ面マスク部は、前記シリンダブロック合わせ面をマスクする。前記ポート孔マスク部は、前記合わせ面マスク部に直接的に繋がって前記ポート孔の開口のそれぞれをマスクするものである。前記傾斜孔マスク部は、前記ポート孔マスク部のうちの何れかに直接的に繋がって前記傾斜孔の開口をマスクする。
本発明に係るシリンダヘッドの製造方法において、前記傾斜孔の開口中心が、前記ポート孔のうちの隣り合う2つのポート孔の開口間、且つ、当該2つのポート孔の開口の一方の近くに位置している場合、前記傾斜孔マスク部は、前記2つのポート孔の開口のうちの前記開口中心に近いポート孔の開口をマスクするポート孔マスク部に直接的に繋がっており、前記2つのポート孔の開口のうちの前記開口中心から遠いポート孔の開口をマスクするポート孔マスク部には直接的に繋がっていないことが好ましい。
本発明に係るシリンダヘッドの製造方法において、前記吸気ポートがタンジェンシャルポートとヘリカルポートの2つであり、前記傾斜孔の開口中心が、前記タンジェンシャルポートと前記ヘリカルポートの開口間に位置している場合、前記傾斜孔マスク部は、前記ポート孔マスク部のうちの前記タンジェンシャルポートの開口をマスクするポート孔マスク部に直接的に繋がっており、前記ポート孔マスク部のうちの前記ヘリカルポートの開口をマスクするポート孔マスク部には直接的に繋がっていないことが好ましい。
本発明に係るシリンダヘッドの製造方法において、前記吸気ポートがタンジェンシャルポートとヘリカルポートの2つであり、前記傾斜孔の開口中心が、前記傾斜孔の開口中心が、前記タンジェンシャルポートと前記ヘリカルポートの開口間に位置している場合、前記傾斜孔マスク部は、前記ポート孔マスク部のうちの前記ヘリカルポートの開口をマスクするポート孔マスク部に直接的に繋がっており、前記ポート孔マスク部のうちの前記タンジェンシャルポートの開口をマスクするポート孔マスク部には直接的に繋がっていないことが好ましい。
本発明によれば、上記取り付け工程において使用されるマスキング部材の傾斜孔マスク部がポート孔マスク部のうちの何れかに直接的に繋がっているので、上述した位置決め部を備えるマスキング部材を使用せずに済む。また、マスキング部材の取り外しの際に遮熱膜の縁に作用する力を、この取り外し方向の力だけに抑えることができる。従って、マスキング部材の取り外しの際に遮熱膜が剥がれるのを抑えて、高品質な遮熱膜を得ることができる。
本発明の実施の形態に係るシリンダヘッドの製造方法の流れを説明するための図である。 図1のステップS2の機械加工の後のシリンダヘッドの鋳造製品の表面のうちの燃焼室の内壁構成面に相当する領域を模式的に示した図である。 図1のステップS5を説明するための図である。 図1のステップS5を説明するための図である。 シリンダヘッドの鋳造製品に取り付けられた状態のマスキング部材の一部を示した図である。 図1のステップS5を説明するための図である。 図1のステップS6を説明するための図である。 図1のステップS7を説明するための図である。 従来の問題点を説明するための図である。 従来の問題点を説明するための図である。 従来の問題点を説明するための図である。 グロープラグ一体型の筒内圧センサを収容するための孔の位置の他の例を説明するための図である。 スワール生成ポートが形成されたシリンダヘッドの上面側から燃焼室を透視した図である。 図13のシリンダヘッドの鋳造製品に取り付けられた状態のマスキング部材の一部を示した図である。 図13のシリンダヘッドの鋳造製品に取り付けられた状態のマスキング部材の一部を示した図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[シリンダヘッドの製造方法]
図1は、本発明の実施の形態に係るシリンダヘッド(具体的には、圧縮自着火式エンジンのシリンダヘッド)の製造方法の流れを説明するための図である。本実施の形態では、先ず、シリンダヘッドの鋳造が行われる(ステップS1)。本ステップS1では具体的に、シリンダヘッドの外形を形成するための複数の金型の所定位置に、吸気バルブを取り付けるための吸気ポート、排気バルブを取り付けるための排気ポート、冷却水通路であるウォータージャケットといった、シリンダヘッドの内部空間を形成するための複数の中子が組み付けられる。続いて、当該金型内にシリンダヘッドの母材(例えばアルミニウム合金)の浴湯が流し込まれて成型される。続いて、金型からシリンダヘッドの鋳造製品(以下単に「シリンダヘッド素材」と称す。)が取り外され、併せて、中子が粉砕等により除去される。
ステップS1に続いて、シリンダヘッド素材の機械加工が行われる(ステップS2)。具体的に本ステップS2では、ドリル等を用いてシリンダヘッド素材の所定の位置に、インジェクタを収容するための孔(以下「インジェクタ孔」と称す。)、シリンダヘッドをシリンダブロックに組み付けるためのボルトを収容する孔(以下「ボルト孔」と称す。)、グロープラグ一体型の筒内圧センサ(Cylinder Pressure Sensor)を収容するための孔(以下「CPS孔」と称す。)、上記吸気バルブや上記排気バルブのステム部を支持するためのバルブガイド等が開設される。ここで、インジェクタ孔とボルト孔は、シリンダブロック合わせ面に対して垂直に形成される。一方、CPS孔はこのシリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向から傾斜して形成される。
図2は、ステップS2の機械加工の後のシリンダヘッド素材の表面のうちの燃焼室の内壁構成面に相当する領域を模式的に示した図である。図2に示すように、シリンダヘッド素材10の表面の中央部(より正確には、シリンダヘッド素材10の表面のうちの燃焼室の内壁構成面10aの中央部)に、インジェクタ孔20が形成されている。このインジェクタ孔20を取り囲むように吸気ポート12,14と、排気ポート16,18とが形成されている。吸気ポート12と吸気ポート14の間には、CPS孔22が形成されている。なお、ボルト孔は、図2に示した内壁構成面10aの外側に位置するシリンダブロック合わせ面に形成されている。
ステップS2に続いて、機械加工後のシリンダヘッド素材の洗浄が行われる(ステップS3)。洗浄を行う理由は、ステップS1で粉砕した中子の砂や、ステップS2の機械加工により発生した切削屑などの異物がシリンダヘッド素材の内部に残っていると、最終製品であるエンジンの品質を低下させるおそれがあるためである。また、後述するステップS6での成膜に影響を及ぼすおそれもあるためである。本ステップS3では、具体的に、図2に示した吸気ポート12、インジェクタ孔20等に洗浄液が噴射され、これらの孔から異物が除去される。
ステップS3に続いて、シリンダヘッド素材の表面(下地表面)のうちの所定領域が粗面化(例えば、ウォータージェット、サンドブラスト、レーザー加工等)される(ステップS4)。粗面化処理を行う理由は、この所定領域の表面粗度を意図的に悪化させて、ここに形成する遮熱膜の密着力をアンカー効果によって向上させるためである。なお、この所定領域は、成膜領域に相当する領域であり、具体的には図2に示した内壁構成面10aの全領域である。なお、成膜領域が内壁構成面10aの一部の領域(例えば、インジェクタ孔20の周囲の一部の領域)であるような場合には、これに対応させて所定領域が縮小される。
ステップS4に続いて、マスキング部材の取り付けが行われる(ステップS5)。本ステップS5について、図3乃至図6を参照して説明する。なお、説明の便宜上、図3には簡略化したシリンダヘッド素材とマスキング部材が描かれている。図3に示すように、本ステップS5では、シリンダヘッド素材10に板状のマスキング部材30が取り付けられる。図4は、シリンダヘッド素材10にマスキング部材30が取り付けられた状態を示した図である。図4に示す複数のノックピン32は、マスキング部材30を貫通してボルト孔に挿入される位置決めピンであり、この位置決めピンによりマスキング部材30がシリンダヘッド素材10の表面(より正確には、図3に示したシリンダブロック合わせ面10b)の所定位置に位置決めされ、尚且つ、この表面に密着させられる。
図5は、シリンダヘッド素材に取り付けられた状態のマスキング部材の一部を示した図であり、この図には、図4に示したノックピン32のうちの4つに囲まれた正方形領域が描かれている。図5に示すように、マスキング部材30は、シリンダブロック合わせ面をマスクするマスク部30aと、吸気ポートおよび排気ポートの開口をそれぞれマスクするマスク部30b,30c,30d,30eと、CPS孔の開口をマスクするマスク部30fと、を備えている。
マスク部30aはマスク部30b,30c,30d,30eと段差なく直接的に繋がっており、マスク部30cはマスク部30fと段差なく直接的に繋がっている。ここで、「直接的に繋がる」とは、2つのマスク部が他のマスク部を介さずに繋がっていることを意味する。例えばマスク部30aは、マスク部30cを介してマスク部30fと繋がっているが、マスク部30aがマスク部30fと「直接的に繋がる」と言うことはできない。なお、図5においてはインジェクタ孔20が露出しているが、後述するステップS6の処理の前に、マスキング部材30から独立した専用のマスキング部材がここに挿入される。
図6は、図5に示したA−A線でシリンダヘッド素材とマスキング部材を切断したときの断面を示した図である。図6に示すように、マスク部30d,30eの縁は面取り加工がなされており、マスク部30d,30eの底面の縁が排気ポート16,18の開口縁とそれぞれ接触している。実際には、マスク部30d(またはマスク部30e)の底面の縁は、排気ポート16(または排気ポート18)の開口縁に沿うように接触している。また、図は省略するが、マスク部30b,30c,30fの縁も、マスク部30d,30eの縁と同様に面取り加工がなされている。また、マスク部30b,30cの底面の縁は吸気ポート12,14の開口縁とそれぞれ接触し、マスク部30fの底面の縁はCPS孔22の開口縁と接触している。
ステップS5に続いて、遮熱膜の成膜が行われる(ステップS6)。本ステップS6について、図7を参照して説明する。なお、説明の便宜上、図7には簡略化したシリンダヘッド素材とマスキング部材が描かれている。図7に示すように、本ステップS6では、キャリア(例えば、プラズマジェット、圧縮空気、燃料ガス、不活性ガス等)に乗せた膜材料粒子36(例えば、ニッケルクロム系のセラミックス粒子、ジルコニア粒子等)がノズル34から噴射される。ノズル34からの噴射に際しては、ノズル34の先端がマスキング部材30の表面(つまり、図3に示したシリンダブロック合わせ面10b)に対して垂直となる状態が保持され、シリンダヘッド素材10の長手方向にノズル34を往復させる。これにより、熱物性に応じた所望の膜厚(例えば、50〜200μm)の遮熱膜が内壁構成面10aに成膜される。但し、ノズル34の先端がマスキング部材30の表面に対して厳密に垂直である必要はなく、多少傾いていてもよい。なお、ノズル34の先端を多少傾ける場合には、膜材料粒子36の噴射方向が成膜領域に対して垂直となる状態が保持されることが好ましい。
ステップS6に続いて、マスキング部材30の取り外しが行われる(ステップS7)。本ステップS7について、図8を参照して説明する。なお、説明の便宜上、図8には簡略化したシリンダヘッド素材とマスキング部材が描かれている。図8に示すように、本ステップS7では、遮熱膜38が成膜されたシリンダヘッド素材10からマスキング部材30が取り外される。マスキング部材30の取り外しは、シリンダブロック合わせ面10bに対して垂直な方向にマスキング部材30を移動させることにより行われる。但し、この移動方向は厳密に垂直である必要はなく、遮熱膜38の剥がれが生じない範囲内において傾斜させてもよい。例えば、CPS孔22の傾斜方向にマスキング部材30を移動させてマスキング部材30を取り外してもよい。なお、この取り外しの前に、図4に示したノックピン32がボルト孔から抜き去られる。また、マスキング部材30の取り外しの前または後に、上述した専用のマスキング部材がインジェクタ孔から抜き去られる。
ここで、図9乃至図11を参照して、上述した従来の問題点を具体的に説明する。図9には、CPS孔22の開口をマスクするマスキング部材40が当該開口に位置決めされている状態が描かれている。このマスキング部材40は、CPS孔22の開口の形状に対応した形状を有する位置決め部40aと、位置決め部40aの当該開口部への挿入および当該開口部からの抜去に必要な握り部40bと、を備えている。図9に示すように、位置決め部40aは、内壁構成面10aの外側に位置するシリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向から傾斜している。一方、握り部40bは、このシリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向に延びている。また、握り部40bのうちの位置決め部40aに近い部分は、位置決め部40aに近づくほど径が縮小するテーパ形状とされている。
図10および図11は、図9の破線Bで囲まれた部分の拡大図である。図9に示した姿勢のマスキング部材40を、内壁構成面10aの外側に位置するシリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向に持ち上げた場合が図10に相当する。また、図9に示した姿勢のマスキング部材40を、挿入方向とは真逆の方向に持ち上げた場合が図11に相当する。図10に示した場合では、遮熱膜38の縁にシリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向の力F(引張力)が作用する。一方、図11に示した場合には、遮熱膜38の縁にシリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向の力F(引張力)と、持ち上げ方向の力F(せん断力)の合力が作用する。従って、両者を比べると、シリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向の力Fのみが遮熱膜38の縁に作用する図10の手法の方が、遮熱膜の剥がれを抑制できると言える。
しかし、挿入時の姿勢がシリンダブロック合わせ面に対して垂直となるインジェクタ孔用のマスキング部材と異なり、挿入時の姿勢がシリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向から傾斜する位置決め部40aを、シリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向に移動させる図10の手法は現実的に困難である。即ち、図9から分かるように、しっかりと位置決めをするためには位置決め部40aをある程度CPS孔22の内部まで挿入する必要があるが、そうすると位置決め部40aをシリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向に引き抜こうとしてもCPS孔22の開口に引っ掛かってしまい、引き抜くことができない。従って、CPS孔22の傾斜に合わせて、挿入方向とは逆方向に移動させる図11の手法を選択せざるを得ない。これに加え、CPS孔22の開口縁と、吸気ポート12または吸気ポート14の開口縁との距離が短いことから、CPS孔22の開口の周囲における成膜領域の面積が狭くなる。故に、図11の手法では、CPS孔22の開口の周囲の遮熱膜38の縁に、内壁構成面10aとの密着力を上回る力が作用することで遮熱膜38が剥がれてしまうおそれがある。
また、図9に示したマスキング部材40は、成膜時に握り部40bが位置決め部40aの軸A40aを中心として回転することがある。この場合は、マスキング部材40が浮き上がってしまいCPS孔22の開口縁のマスクが不十分になるという問題もある。更にこの成膜時には、握り部40bの表面に図7で説明した膜材料粒子36が付着する。マスキング部材40の再利用のためにはこの付着粒子を除去する必要があるが、マスキング部材40自体のサイズが小さいことから除去作業が困難であるという問題もある。
この点、図5等で説明したマスキング部材30によれば、マスク部30fがマスク部30cと直接的に繋がっているので、図9に示した位置決め部40aと握り部40bを備えるマスキング部材40を使用せずに済む。加えて、マスク部30fがマスク部30aと段差なく直接的に繋がっているので、ステップS6でのマスキング部材30の取り外しの際に遮熱膜の縁に作用する力を、この取り外し方向の力だけに抑えることができる。従って、当該遮熱膜が剥がれるのを抑えて高品質な遮熱膜を得ることができる。
また、このマスキング部材30によれば、マスク部30a〜30fが繋がって一体化されていることから、ステップS4での取り付けや、ステップS6での取り外しを簡略化することもできる。また、マスク部30a〜30fが一体化されていることで、マスク部30fがマスク部30a等と別体である場合に比べ、マスキング部材30の表面に付着した膜材料粒子を除去する際の手間を軽減できる。従って、マスキング部材30の再利用を促進することができ、シリンダヘッドの生産性を向上することもできる。
図1に戻り、ステップS7に続いて、遮熱膜の表面の仕上げ加工が行われる(ステップS8)。本ステップS8では、例えば、エンドミル等を用いた切削加工、または、砥石を用いた平面研削により、膜表面の平滑化や膜厚の調整が行われる。また、この仕上げ加工と平行して、ステップS2の機械加工において行わなかった吸気ポート等の機械加工、例えば、上記吸気バルブ等の傘部を着座させるためバルブ着座面の形成が行われる。
ステップS8に続いて、仕上げ加工後のシリンダヘッド素材の最終洗浄が行われる(ステップS9)。本ステップS9では具体的に、図2に示した吸気ポート12、インジェクタ孔20や、成膜面に洗浄液が噴射されて、ステップS6での仕上げ加工や機械加工により発生した切削屑などの異物が除去される。
ステップS9に続いて、シリンダヘッド素材の検査が行われる(ステップS10)。本ステップS10では、例えば、成膜面の検査や、吸気ポートや排気ポートの形状検査が行われる。ステップS10を経ることで、図2に示した内壁構成面10aに遮熱膜が成膜されたシリンダヘッドを得ることができる。
なお、上記実施の形態では、図2に示した吸気ポート12,14および排気ポート16,18が本発明の「ポート孔」に、図2に示したCPS孔22が本発明の「傾斜孔」に、マスク部30aが本発明の「合わせ面マスク部」に、マスク部30b〜30eが本発明の「ポート孔マスク部」に、マスク部30fが本発明の「傾斜孔マスク部」に、それぞれ相当している。
また、上記実施の形態では、図1のステップS1〜S4の一連の工程が本発明の「準備工程」に、図1のステップS5の工程が本発明の「取り付け工程」に、図1のステップS6の工程が本発明の「成膜工程」に、図1のステップS7の工程が本発明の「取り外し工程」に、それぞれ相当している。
[その他のシリンダヘッドの製造方法]
ところで、上記実施の形態では、2つの吸気ポートの中間に位置するCPS孔を例として説明した。しかしCPS孔は、必ずしもこの位置に形成されている必要はない。図12は、CPS孔の位置の他の例を説明するための図である。図12に示す内壁構成面10aでは、CPS孔22の中心C22が、吸気ポート12と吸気ポート14の中間線L12−14よりも吸気ポート14の近くに位置している。この場合は、CPS孔22の開口をマスクするマスク部を、吸気ポート14の開口をマスクするマスク部(図5のマスク部30c参照)と直接的に繋げる。これにより、CPS孔22の開口をマスクするマスク部の面積を、図5に示したマスク部30fの面積よりも狭くできる。
上記実施の形態ではマスク部30fがマスク部30cと直接的に繋がっていることから、マスク部30fに相当するマスク部を設けない場合に比べて成膜領域の面積が減少する。この点、図12に示したCPS孔22によれば、このCPS孔22の開口をマスクするマスク部の面積を図5に示したマスク部30fの面積よりも狭くできることから、成膜領域の面積の減少を最小限に抑えることができる。従って、上記実施の形態により得られる遮熱膜に比べて、最終製品であるエンジンの燃焼室の遮熱性を向上することができる。
また、図2や図12に示した位置に限定されず、CPS孔の位置は適宜変更できる。例えば、2つの排気ポートの中間にCPS孔を形成してもよいし、吸気ポートと排気ポートの間にCPS孔を形成してもよい。但しこれらの場合においては、マスク部30fとマスク部30b〜30eの何れかを直接的に繋げる必要があり、そうすると上述した成膜領域の面積の減少の問題が避けられないことから、マスク部30fに直接的に繋げるマスク部(例えば、CPS孔の最寄りのポートをマスクするマスク部)の縁からの距離が出来る限り小さくなるようにCPS孔の位置を変更してマスキング部材を設計することが望ましい。
また、上記実施の形態ではマスク部30fをマスク部30cと直接的に繋げたが、マスク部30cだけでなくマスク部30bとマスク部30fを直接的に繋げてもよい。マスク部30fの両側に位置するマスク部30b,30cとマスク部30fを直接的に繋げた場合には、マスク部30b,30cのうちの一方とマスク部30fを直接的に繋げた場合に比べて成膜領域の面積が減少するものの、シリンダヘッド素材からのマスキング部材の取り外しに伴うマスク部30fの周辺の遮熱膜の剥がれを抑制できる。
また、上記実施の形態では、吸気ポート12,14の形状を特に限定しなかったが、吸気ポート12,14をスワール生成ポートで構成した場合においては、CPS孔の周囲における成膜領域と、スワール方向との関係において、各種の効果が期待できる。この効果について、図13乃至図15を参照して説明する。図13は、シリンダヘッドの上面側から燃焼室を透視した図であり、この図では、吸気ポート12が燃焼室内にスワールを生成するためのタンジェンシャルポートとして形成され、吸気ポート14が燃焼室内に流入する吸気の流量を確保するためのヘリカルポートとして形成されている。燃焼室内に生成するスワールは、図13に示す方向(時計回りの方向)に流れる。そのため、スワール方向で見た場合、吸気ポート12は当該スワール方向の下流に位置し、吸気ポート14は当該スワール方向の上流に位置することになる。
図14乃至図15は、シリンダヘッド素材に取り付けられた状態のマスキング部材の一部を示した図である。上記実施の形態と同様に、マスク部30cにマスク部30fを直接的に繋げたマスキング部材30を使用した場合には(図14参照)、図13に示した吸気ポート14の開口と、CPS孔22の開口との間に遮熱膜が成膜されないことになる。つまり、スワール方向の上流に遮熱膜が成膜されないことになる。そのため、図13に示した吸気ポート14の開口と、CPS孔22の開口との間に遮熱膜を形成する場合に比べて、遮熱膜による熱の影響を小さくして筒内圧センサによる計測精度を向上することができる。
反対に、マスク部30bにマスク部30fを直接的に繋げたマスキング部材30を使用した場合には(図15参照)、図13に示した吸気ポート14の開口とCPS孔22の開口との間に遮熱膜が成膜されることになる。つまり、スワール方向の上流に遮熱膜が成膜されることになる。そのため、図13に示した吸気ポート14の開口と、CPS孔22の開口との間に遮熱膜を形成しない場合に比べて、CPS孔22の周囲の温度を上げることができるので、CPS孔22の周囲に未燃燃料や煤に由来するデポジットが堆積するのを抑えることができる。また、図13に示した吸気ポート14の開口と、CPS孔22の開口との間に遮熱膜を形成しない場合に比べて、CPS孔22の付近を通過する直前に混合ガスの温度が低下するのを防止することもできるので、グロープラグによる着火性を向上させることもできる。
また、上記実施の形態では、グロープラグ一体型の筒内圧センサを例として説明したが、筒内圧センサとグロープラグが別々にシリンダヘッドに配設されていてもよい。この場合は、当該シリンダヘッドの表面のうちの燃焼室の内壁構成面に、筒内圧センサを収容するための孔と、グロープラグを収容するための孔が、別々に形成されることになる。
また、上記実施の形態では、圧縮自着火式エンジンのシリンダヘッドを例として説明したが、シリンダヘッドが火花点火式エンジンのシリンダヘッドであってもよい。火花点火式エンジンでは、グロープラグの代わりにスパークプラグがシリンダヘッドに配設され、このスパークプラグは通常、燃焼室の内壁構成面の中央部(図2のインジェクタ孔20の位置)に配設される。しかし、スパークプラグを2つ配設する場合には、上記実施の形態で説明した筒内圧センサのように、2つの吸気ポートの間に形成された孔に当該スパークプラグのうちの1つが収容されることがある。この場合は、図13に示したCPS孔22の位置に、上記スパークプラグのうちの1つが収容される。
そして、図13で説明したスワール生成ポートを火花点火式エンジンに適用した場合には、このスワール生成ポートの間に形成されて上記スパークプラグのうちの1つを収容するための孔(以下「スパークプラグ孔」と称す。)の周囲における成膜領域と、スワール方向との関係において、各種の効果が期待できる。なお、以下の説明においては、インジェクタ孔が図13のCPS孔22の位置にあるものとする。
具体的に、マスク部30cにマスク部30fを直接的に繋げたマスキング部材30を使用した場合には(図14参照)、図13に示した吸気ポート14の開口と、スパークプラグ孔の開口との間に遮熱膜が成膜されないことになる。つまり、スワール方向の上流に遮熱膜が成膜されないことになる。そのため、図13に示した吸気ポート14の開口と、スパークプラグ孔の開口との間に遮熱膜を形成する場合に比べて、スパークプラグ孔を通過する混合ガスの温度を下げることができ、ノッキングの発生を抑えることができる。また、図13に示した吸気ポート12の開口と、スパークプラグ孔の開口との間に遮熱膜が成膜されることになる。つまり、スワール方向の下流に遮熱膜が成膜されることになる。そのため、図13に示した吸気ポート12の開口と、スパークプラグ孔の開口との間に遮熱膜を形成しない場合に比べて、スパークプラグによって着火してスワールによって流された火炎の温度が低下するのを抑えることもできる。
反対に、マスク部30bにマスク部30fを直接的に繋げたマスキング部材30を使用した場合には(図15参照)、図13に示した吸気ポート14の開口とスパークプラグ孔の開口との間に遮熱膜が成膜されることになる。つまり、スワール方向の上流に遮熱膜が成膜されることになる。そのため、図13に示した吸気ポート14の開口と、スパークプラグ孔の開口との間に遮熱膜を形成しない場合に比べて、当該スパークプラグ孔の付近を通過する直前に混合ガスの温度が低下するのを防止することもできるので、スパークプラグによる着火性を向上させることもできる。
上述した内容をまとめると、どの様なエンジン関連部品を収容するための孔であったとしても、シリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向から傾斜していれば図9乃至図11を参照して説明した剥がれの問題が発生する。仮に上記実施の形態において、インジェクタ孔がシリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向から傾斜している場合も当然、この剥がれの問題が発生する。故に、この剥がれの問題を解決することのできる本発明は、シリンダヘッドに配設されるエンジン関連部品(但し、吸気バルブおよび排気バルブを除く。)を収容するための孔であって、シリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向から傾斜する孔が燃焼室の内壁構成面に形成されているシリンダヘッドの製造方法に広く適用することができる。
10 シリンダヘッドの鋳造製品(シリンダヘッド素材)
10a 燃焼室の内壁構成面
10b シリンダブロック合わせ面
12,14 吸気ポート
16,18 排気ポート
20 インジェクタ孔
22 CPS孔
30,40 マスキング部材
30a〜30f マスク部
34 ノズル
36 膜材料粒子
38 遮熱膜
40a 位置決め部
40b 握り部

Claims (4)

  1. シリンダブロック合わせ面と、エンジン燃焼室の内壁構成面とを同一表面に有するシリンダヘッド素材であって、吸気ポートおよび排気ポートに相当するポート孔と、前記ポート孔とは異なるエンジン関連部品配設用の孔であって前記シリンダブロック合わせ面に対して垂直な方向から傾斜する傾斜孔と、が前記内壁構成面に形成されたシリンダヘッド素材を準備する準備工程と、
    前記内壁構成面のうちの非成膜領域と、前記シリンダブロック合わせ面とをマスクするマスキング部材を、前記シリンダヘッド素材に取り付ける取り付け工程と、
    前記マスキング部材の取り付け後、前記シリンダブロック合わせ面に対向する方向から膜材料粒子を噴射して、遮熱膜を成膜する成膜工程と、
    前記遮熱膜の成膜後、前記シリンダヘッド素材から前記マスキング部材を取り外す取り外し工程と、を備え、
    前記マスキング部材が、前記シリンダブロック合わせ面をマスクする合わせ面マスク部と、前記合わせ面マスク部に直接的に繋がって前記ポート孔の開口のそれぞれをマスクするポート孔マスク部と、前記ポート孔マスク部のうちの何れかに直接的に繋がって前記傾斜孔の開口をマスクする傾斜孔マスク部と、を備えることを特徴とするシリンダヘッドの製造方法。
  2. 前記傾斜孔の開口中心が、前記ポート孔のうちの隣り合う2つのポート孔の開口間、且つ、当該2つのポート孔の開口の一方の近くに位置しており、
    前記傾斜孔マスク部が、前記2つのポート孔の開口のうちの前記開口中心に近いポート孔の開口をマスクするポート孔マスク部に直接的に繋がっており、前記2つのポート孔の開口のうちの前記開口中心から遠いポート孔の開口をマスクするポート孔マスク部には直接的に繋がっていないことを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッドの製造方法。
  3. 前記吸気ポートがタンジェンシャルポートとヘリカルポートの2つであり、
    前記傾斜孔の開口中心が、前記タンジェンシャルポートと前記ヘリカルポートの開口間に位置し、
    前記傾斜孔マスク部が、前記ポート孔マスク部のうちの前記タンジェンシャルポートの開口をマスクするポート孔マスク部に直接的に繋がっており、前記ポート孔マスク部のうちの前記ヘリカルポートの開口をマスクするポート孔マスク部には直接的に繋がっていないことを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッドの製造方法。
  4. 前記吸気ポートがタンジェンシャルポートとヘリカルポートの2つであり、
    前記傾斜孔の開口中心が、前記タンジェンシャルポートと前記ヘリカルポートの開口間に位置し、
    前記傾斜孔マスク部が、前記ポート孔マスク部のうちの前記ヘリカルポートの開口をマスクするポート孔マスク部に直接的に繋がっており、前記ポート孔マスク部のうちの前記タンジェンシャルポートの開口をマスクするポート孔マスク部には直接的に繋がっていないことを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッドの製造方法。
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