JP5888195B2 - 定着装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
この定着装置として、加熱ロールと加熱ロールに接触して配置された加圧ベルトとを備えた構成、又は、加熱ベルトと加熱ベルトに接触して配置された加圧ロールとを備えた構成の、ベルト・ニップ方式と呼ばれる定着装置が知られている。
ベルト・ニップ方式の定着装置では、ベルトは、内周面側から押圧部材によりロールに押圧されて配置され、ベルトと押圧部材の間には、ベルトの回転に伴う摺動抵抗を低減する目的で摺動部材が配置されている。
この摺動部材としては、摺動面に凹凸部、凹部又は溝を有する摺動部材が開発されている(例えば、特許文献1〜3)。
請求項1に係る発明は、
凹部が点在した摺動面を有するフッ素樹脂層を備え、前記摺動面において前記凹部が平行六辺形を単位格子とする配列のパターンを示す、定着装置用摺動部材。
前記平行六辺形を単位格子とする配列は、正六角形を単位格子とする配列であり、任意の隣接する2個の正六角形の中心点間を結ぶ直線を引いた際に、前記直線と摺動方向とがなす角度が、0°、30°、60°、90°、120°及び150°のいずれでもない、請求項1に記載の定着装置用摺動部材。
前記摺動面の幅を構成する全ての直線上に少なくとも1個の前記凹部が存在している、請求項1又は請求項2に記載の定着装置用摺動部材。
前記平行六辺形を単位格子とする配列の周期が0.2mm以上2.0mm以下であり、且つ、前記凹部の1個当たりの開口の面積が7×10−3mm2以上3.2mm2以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の定着装置用摺動部材。
前記摺動面に占める前記凹部の開口の総面積の割合が10%以上60%以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の定着装置用摺動部材。
第1回転体と、
前記第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、
前記第2回転体の内部に配置され、前記第2回転体の内面から前記第2回転体を前記第1回転体へ押圧する押圧部材と、
前記第2回転体の内面と前記押圧部材との間に介在する摺動部材であって、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の定着装置用摺動部材と、
を備える定着装置。
前記第2回転体の内面の表面粗さRaが0.1μm以上2.0μm以下である、請求項6に記載の定着装置。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
前記トナー像を記録媒体に定着する請求項6又は請求項7に記載の定着装置と、
を備える画像形成装置。
請求項2に係る発明によれば、前記構成から外れる場合に比べ、摺動面の摩耗の偏りや潤滑剤(オイル)の保持・供給機能の偏りが起こりにくく、且つ、潤滑剤(オイル)の供給機能に優れる定着装置用摺動部材が提供される。
請求項3に係る発明によれば、前記構成から外れる場合に比べ、潤滑剤(オイル)の供給機能に優れる定着装置用摺動部材が提供される。
請求項5に係る発明によれば、摺動面に占める凹部の開口の総面積の割合が前記範囲から外れる場合に比べ、潤滑剤(オイル)の保持・供給機能を確保しつつ、摺動面の耐摩耗性に優れる定着装置用摺動部材が提供される。
請求項7に係る発明によれば、第2回転体の内面の表面粗さRaが前記範囲から外れる場合に比べ、第2回転体と摺動部材との間の潤滑剤(オイル)保持性が向上した定着装置が提供される。
請求項8に係る発明によれば、定着装置用摺動部材の摺動面における凹部の配列が平行六辺形を単位格子とする配列でない場合に比べ、定着装置の長寿命化が達成された画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る定着装置用摺動部材(以下「摺動部材」とも称する。)は、凹部が点在した摺動面を有するフッ素樹脂層を備える。そして、前記凹部は、平行六辺形を単位格子とする配列(「ハニカム配列」と称する。)をなして、前記摺動面に点在している。
本実施形態に係る摺動部材は、例えば、電子写真方式の画像形成装置における定着装置に備える摺動部材として用いられる。この定着装置において、本実施形態に係る摺動部材の摺動面には、例えば、摺動部材と被摺動部材との間の摺動抵抗を低減させる目的で潤滑剤(オイル)が供給される。
摺動部材として、従来、摺動面に凹部が点在した摺動部材が知られている。摺動部材の凹部は、潤滑剤(オイル)を保持し被摺動部材との接触領域に潤滑剤(オイル)を供給する目的や、接触領域の面積を減らし摩擦係数を低く抑える目的で設けられている。摺動面における凹部の配列パターンとしては、格子や面心格子が知られている。(本明細書において、面心格子とは、正方形又は長方形の頂点及び対角線の交点、合計5点を単位格子の格子点とする構造を意味する。)
本実施形態に係る摺動部材は、摺動面における凹部の配列パターンが前記ハニカム配列であるので、凹部の配列パターンが格子や面心格子である摺動部材に比べて、被摺動部材と摺動した際にひずみ難く面圧にムラが生じ難いと考えられ、その結果、摺動面が摩耗し難く、耐摩耗性に優れると考えられる。それにより、摺動部材及び定着装置の長寿命化が達成されると考えられる。
本実施形態に係る摺動部材では、摺動面に点在する凹部の配列パターンが、平行六辺形を単位格子とするハニカム配列である。
換言すると、前記凹部は、平行六辺形を単位格子とするハニカム配列の格子点、即ち平行六辺形の頂点に位置する。前記凹部は、ハニカム配列を構成する平行六辺形の内部には存在しない。
前記凹部は、その開口の中心点が、前記ハニカム配列の格子点、即ち平行六辺形の頂点に位置することが望ましい。
前記ハニカム配列の単位格子である平行六辺形の形は制限されないが、中でも正六角形が望ましい。
前記ハニカム配列が該構造であることにより、本実施形態に係る摺動部材は、摺動面の摩耗の偏りが起こり難い。
また、前記ハニカム配列が該構造であることにより、本実施形態に係る摺動部材は、摺動面全体に亘って偏りなく潤滑剤(オイル)の保持機能や供給機能を確保し易く、摺動部材と被摺動部材との摺動抵抗を抑制し易い。
換言すると、摺動面において、摺動方向に平行な直線を、摺動方向に直交する方向に任意の位置で引いた際に、前記直線の上に必ず凹部が存在することが望ましい。
さらに換言すると、摺動面を摺動方向に沿って視た際に、凹部が摺動面の幅(摺動方向に直交する方向)の全体に亘って1個以上配置されていることが望ましい。
このように凹部を摺動面に配置すると、被摺動部材と摺動部材とが摺動した際に、被摺動部材の被摺動面に、凹部の開口と出会わない領域が存在しないことになる。即ち、被摺動部材と摺動部材とが摺動した際に、被摺動部材の被摺動面は全領域が必ず凹部の開口と出会うことになる。そのため、被摺動面全体に凹部から潤滑剤(オイル)が供給され得る。その結果、摺動面(被摺動面)全体に亘って摺動部材と被摺動部材との摺動抵抗を抑制し得る。
条件(1):前記ハニカム配列は、任意の1個の格子点と、該格子点を含んでなる3個の平行六辺形上に存在する格子点であって該格子点から1辺分又は2辺分はなれた合計9個の格子点と、を結ぶ9本の直線群を引いた際に、前記直線群のいずれもが摺動方向と一致しない。
条件(2):前記ハニカム配列は、任意の1個の格子点と、該格子点を含んでなる3個の平行六辺形上に存在する該格子点以外の12個の格子点と、を結ぶ12本の直線群を引いた際に、前記直線群のいずれもが摺動方向と一致しない。
条件(2)を満足すると、同じハニカム配列でも摺動方向によりランダムに凹部が点在することになり、潤滑剤(オイル)の保持・供給機能の偏りが起こりにくい。
条件(3):前記ハニカム配列は、任意の隣接する2個の正六角形の中心点間を結ぶ直線を引いた際に、前記直線と摺動方向とがなす角度が、0°、30°、60°、90°、120°及び150°のいずれでもなく、それ以外の角度である。
これに対し、本実施形態に係る摺動部材は、前記条件(1)〜(3)のいずれかを満足するように前記ハニカム配列を構成して凹部を摺動面に配置すれば、個々の凹部の開口の面積を大きくすることを必要とせず、したがって、摺動面に占める凹部の開口の総面積の割合を大きくしないで済む。
これにより、本実施形態に係る摺動部材は、摺動面の耐摩耗性に優れつつ、潤滑剤(オイル)の供給機能が向上し得る。したがって、本実施形態に係る摺動部材は、摺動面の耐摩耗性に優れつつ、摺動部材と被摺動部材との摺動抵抗を抑制し得る。
ここで、前記ハニカム配列の周期(配列ピッチ)とは、前記ハニカム配列を構成する任意の隣接する2個の平行六辺形の中心点間の距離を言い、下記の通りである。
(i)正六角形を単位格子とするハニカム配列の場合、前記ハニカム配列を構成する任意の隣接する2個の正六角形の中心点間の距離は1つであり、この距離が周期(配列ピッチ)である。
(ii)正六角形以外の平行六辺形を単位格子とするハニカム配列の場合、前記ハニカム配列を構成する任意の隣接する2個の平行六辺形の中心点間の距離は、平行六辺形の形状によって3つか2つであり、これらの距離が周期(配列ピッチ)である。
前記(ii)の場合は、複数の周期(配列ピッチ)のいずれもが、前記範囲であることが望ましい。
前記ハニカム配列が単位格子を正六角形とする場合、正六角形の一辺は、0.3mm以上1.0mm以下が望ましく、0.4mm以上0.8mm以下がより望ましい。
凹部の形状は、潤滑剤(オイル)の保持・供給機能を発現し得れば、制限されない。
面方向の形状としては、例えば、円形、楕円形、三角形、四角形、その他の多角形、不定形が挙げられ、摺動面に凹部を設ける加工の容易性の観点から、円形が望ましい。
深さ方向の形状としては、例えば、柱状、錐状、テーパー状、逆テーパー状が挙げられる。
具体的には、凹部の面方向の形状が円形である場合、その開口の直径は100μm以上2mm以下が望ましく、150μm以上1mm以下がより望ましい。
潤滑剤(オイル)の保持・供給機能を確保しつつ、押圧ムラの発生を抑制する観点から、前記ハニカム配列の周期が前記範囲で、且つ、凹部の1個当たりの開口の面積が上記範囲であることが望ましい。
摺動部材は、摺動面において、前記ハニカム配列の格子点のすべてに凹部が存在することが望ましいが、発明の効果を損なわない範囲において、一部の凹部が欠落していても構わない。
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る摺動部材の摺動面の構成を説明する。
図1及び図2は、本実施形態に係る摺動部材の摺動面における凹部の配列パターンの例を示す概略平面図であって、摺動面を平面視した図面である。
摺動面114aには、凹部116aが点在する。凹部116aは、開口の形状が例えば円形である。
この状態を実現するためには、例えば、前記条件(1)又は条件(2)を満足するように前記ハニカム配列を構成する。
前記条件(1)及び条件(2)は、図1を参照して説明すると、下記の条件(1’)及び条件(2’)である。
条件(1’):前記ハニカム配列は、任意に選んだ格子点eと、格子点eから平行六辺形の1辺分又は2辺分はなれた格子点fと、を結ぶ9本の直線群を引いた際に、前記直線群のいずれもが摺動方向と一致しない。
条件(2’):前記ハニカム配列は、任意に選んだ格子点eと、格子点eと共に平行六辺形を構成する格子点f及び格子点gと、を結ぶ12本の直線群を引いた際に、前記直線群のいずれもが摺動方向と一致しない。
摺動面114bには、凹部116bが点在する。凹部116bは、開口の形状が例えば円形である。
この状態を実現するためには、例えば、前記条件(3)を満足するように前記ハニカム配列を構成する。
前記条件(3)は、図2を参照して説明すると、下記の条件(3’)である。
条件(3’):任意に選んだ隣り合う2個の正六角形の中心点pと中心点qとを結ぶ直線Lを引いた際に、直線Lと摺動方向とがなす角度が、0°、30°、60°、90°、120°及び150°のいずれでもなく、それ以外の角度である。
条件(3’)を換言すると、任意に選んだ正六角形の中心点pと、該正六角形と隣り合う6個の正六角形の中心点qと、を結ぶ6本(3本に収まる。以下同じ。)の直線Lを引き、さらに、6本の直線Lと30°の角度をなす6本の直線Mを引いた際に、中心点pを通り摺動方向に平行な直線は、直線L及び直線Mと重ならない。
以下、図3を参照して、本実施形態に係る摺動部材の層構成について説明する。
図3(a)、(b)、(c)は、本実施形態に係る定着装置用摺動部材の層構成の例を示す概略断面図である。
図3(a)、(b)に示される摺動部材101a、101bは、シート状の基体110と、基体110上に設けられたフッ素樹脂層112と、で構成されている。なお、基体110とフッ素樹脂層112とを接着するための接着層は図示していない。
図3(c)に示される摺動部材101cは、フッ素樹脂層112単独で構成されている。
摺動部材101cは、フッ素樹脂層112の単層体である。フッ素樹脂層112は、被摺動部材との摺動に伴うフッ素樹脂層112の変形を抑制するに十分な厚さを有する。
摺動部材101bでは、フッ素樹脂層112に設けられた、該層を厚さ方向に貫通する貫通穴と、基体110の表面とにより、凹部116が形成されている。
以下、図3(a)、(b)、(c)に示される摺動部材101a、101b、101cを構成する各層の詳細を説明する。
以下において「主成分」とは、質量比で50%以上であることを意味する。
フッ素樹脂層112は、摺動面を構成する。フッ素樹脂層112は、主成分としてフッ素樹脂を含む層であり、必要に応じて、充填材等の添加物を含んでもよい。
中でも、フッ素樹脂層112は、摺動部材の耐久性の観点から、架橋されたフッ素樹脂を主成分として含む層が望ましく、特に、架橋されたポリテトラフルオロエチレン(以下、「架橋PTFE」と称する。)からなる層であることが望ましい。
PTFEは、テトラフルオロエチレン以外の他の共重合成分、例えば、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、(パーフルオロアルキル)エチレン、或いはクロロトリフルオロエチレン等を含んでいてもよい。
充填材としては、金属酸化物粒子、ケイ酸塩鉱物、カーボンブラック、及び窒素化合物から選ばれる少なくとも1種が望ましい。
中でも、ケッチェンブラック、黒鉛、アセチレンブラックは、導電性を付与するのに望ましく、黒鉛、銅、銀、窒化アルミ、窒化硼素、アルミナ等は、熱伝導性を付与するのに望ましい。充填材料は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
充填材の平均粒径は、0.01μm以上20μm以下が望ましい。
本実施形態に係る摺動部材が、基体110を備えず、フッ素樹脂層112の単層体である場合、形状保持性や耐久性などの観点から、フッ素樹脂層112の厚さは、200μm以上400μm以下が望ましい。
基体110は、シート状であり、例えば、樹脂材料と必要に応じて充填材等の添加剤とを含む。
樹脂材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、補強材を添加してなるポリエステル樹脂等が挙げられる。中でも、耐熱性、機械的強度が高いポリイミド樹脂が望ましい。
基体110とフッ素樹脂層112との間には、両者を接着する接着層が存在する。
接着層は、耐熱性シリコーン樹脂やエポキシ系樹脂等の公知の接着剤により形成された層でもよく、接着シートを用いて形成された層でもよい。
接着シートの厚さは、10μm以上30μm以下が望ましい。
図3(a)、(b)に示される摺動部材101a、101bは、例えば、以下の工程を経て製造される。
まず、基体110となるシートと、フッ素樹脂層112となるシート状のフッ素樹脂と、を準備する。
ほかに、Ni電鋳で作製してもよく、Ni電鋳とフォトリソグラフィーとを組み合わせた方法(エレクトロフォーミング法)で作製してもよい。これらは、精度の高さや、複製の容易さの点で、有利な方法である。
穴径が比較的大きい場合(例えば、径0.3mm超の場合)は、金型を用いた打ち抜き加工が好適であり、穴径が比較的小さい場合(例えば、径0.5mm未満の場合)は、レーザーによる加工が好適である。
この張り合わせの際に積層体に印加される圧力は、例えば1.0MPa以上2.0MPa以下であり、加熱温度は、例えば320℃以上350℃以下である。
本実施形態に係る定着装置は、第1回転体と、前記第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、前記第2回転体の内部に配置され、前記第2回転体の内面から前記第2回転体を前記第1回転体へ押圧する押圧部材と、前記第2回転体の内面と前記押圧部材との間に介在する本実施形態に係る摺動部材と、を備える。
本実施形態に係る定着装置は、更に、前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方を加熱する加熱源を備えることが望ましい。
ここで、表面粗さRaの測定は、表面粗さ計サーフコム1400A(東京精密社製)を用いて、JIS B0601−1994に準拠し、評価長さLnを4mm、基準長さLを0.8mm、カットオフ値を0.8mmとした測定条件で行う。
第1実施形態として、加熱源を有する加熱ロールと、押圧パッドが押圧された加圧ベルトと、を備えた定着装置を説明する。
第2実施形態として、加熱源を有し押圧パッドが押圧された加熱ベルトと、加圧ロールと、を備えた定着装置を説明する。
これらの定着装置におけるシート状の摺動部材として、本実施形態に係る摺動部材が適用される。
図4を参照して、第1実施形態に係る定着装置60について説明する。
図4は、第1実施形態に係る定着装置60の構成を示す概略図である。
加熱ロール61の外周面には、感温素子69が接触して配置されている。感温素子69による温度計測値に基づいて、ハロゲンランプ66の点灯が制御され、加熱ロール61の表面温度が設定した温度(例えば150℃)に維持される。
加熱ロール61は、例えば金属製のコア(円筒状芯金)611の周囲に耐熱性弾性体層612及び離型層613をこの順に積層して構成される。
加圧ベルト62は、その内部に配置された押圧パッド64とベルト走行ガイド63とによって回転自在に支持されている。
押圧パッド64は、挟込領域Nの入口側に前挟込部材64aを備え、挟込領域Nの出口側に剥離挟込部材64bを備える。
前挟込部材64aは、加熱ロール61の外周形状に沿う凹形状に構成されて、挟込領域Nの長さ(摺動方向の距離)を確保する。
剥離挟込部材64bは、加熱ロール61の外周面に対し突出する形状に構成されて、挟込領域Nの出口領域において加熱ロール61に局所的な歪みを生じさせ、定着後の記録媒体の加熱ロール61からの剥離を容易にする。
摺動部材68は、その摺動面と加圧ベルト62の内周面との間に存在する潤滑剤(オイル)の保持・供給に関与する。摺動部材68は、耐摩耗性に優れており、定着装置60の長寿命化が達成される。
摺動部材68は、加圧ベルト62の内周面と押圧パッド64との摺動抵抗を小さくするために、前挟込部材64a及び剥離挟込部材64bを覆うように配置される。
保持部材65には、ベルト走行ガイド63が取り付けられている。ベルト走行ガイド63に沿って加圧ベルト62が回転する。
ベルト走行ガイド63には、加圧ベルト62の内周面に潤滑剤(オイル)を供給する手段である潤滑剤供給装置67が取り付けられていてもよい。
図5を参照して、第2実施形態に係る定着装置80について説明する。
図5は、第2実施形態に係る定着装置80の構成を示す概略図である。
定着ベルトモジュール86は、加熱ベルト84(第2回転体の一例)と、押圧パッド87(押圧部材の一例)と、摺動部材82(本実施形態に係る摺動部材の一例)と、押圧パッド87の近傍に配設されたハロゲンヒータ89A(加熱源の一例)と、を備える。
さらに、定着ベルトモジュール86は、支持ロール90と、支持ロール92と、姿勢矯正ロール94と、支持ロール98と、を備える。
押圧パッド87は、前挟込部材87aと、剥離挟込部材87bとを備え、保持部材89によって支持されている。
前挟込部材87aは、加圧ロール88の外周形状に沿う凹形状に構成されて、挟込領域Nの入口側に配置され、挟込領域Nの長さ(摺動方向の距離)を確保する。
剥離挟込部材87bは、加圧ロール88の外周面に対し突出する形状に構成されて、挟込領域Nの出口側に配置され、挟込領域Nの出口領域において加圧ロール88に局所的な歪みを生じさせ、定着後の記録媒体の加圧ロール88からの剥離を容易にする。
押圧パッド87は、その近傍(例えば保持部材89の内部)にハロゲンヒータ89A(加熱源の一例)を備え、加熱ベルト84を内周面側から加熱する。
例えば保持部材89の前挟込部材87aの上流には、加熱ベルト84の内周面に潤滑剤(オイル)を供給する手段である潤滑剤供給装置(不図示)が取り付けられていてもよい。
摺動部材82は、その摺動面と加熱ベルト84の内周面との間に存在する潤滑剤(オイル)の保持・供給に関与する。摺動部材82は、耐摩耗性に優れており、定着装置80の長寿命化が達成される。
支持ロール90は、その内部にハロゲンヒータ90A(加熱源の一例)を備え、加熱ベルト84を内周面側から加熱する。
支持ロール90は、例えばアルミニウムの円筒状ロールの外周表面に、例えば厚さ20μmのフッ素樹脂からなる離型層が形成されたロールである。
支持ロール92は、その内部にハロゲンヒータ92A(加熱源の一例)を備え、加熱ベルト84を外周面側から加熱する。
支持ロール92は、例えばアルミニウムの円筒状ロールの外周表面に、例えば厚さ20μmのフッ素樹脂からなる離型層が形成されたロールである。
姿勢矯正ロール94の近傍には、加熱ベルト84の端部位置を測定する端部位置測定機構(不図示)が配置され、姿勢矯正ロール94には、端部位置測定機構の測定結果に応じて加熱ベルト84の軸方向における当り位置を変位させる軸変位機構(不図示)が配設され、これらの機構が加熱ベルト84の姿勢を矯正する。
姿勢矯正ロール94は、例えばアルミニウムの円柱状ロールである。
支持ロール98は、例えばアルミニウムの円筒状ロールの外周表面に、例えば厚さ20μmのフッ素樹脂からなる離型層が形成されたロールである。
加圧ロール88は、回転自在に設けられており、加熱ベルト84が矢印Eの方向に回転移動するのに伴って、加熱ベルト84に従動して、矢印Fの方向に回転する。
加圧ロール88は、例えばアルミニウムの円柱状ロール88Aの外周表面に、例えばシリコーンゴムからなる弾性層88Bと、例えば厚さ100μmのフッ素樹脂からなる剥離層(不図示)をこの順に積層して構成される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記トナー像を記録媒体に定着する本実施形態に係る定着装置と、を備える。
図6は、本実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す概略図である。画像形成装置100は、既述の第1実施形態の定着装置60を備える。画像形成装置100は、定着装置60に替えて、既述の第2実施形態に係る定着装置80を備えてもよい。
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kはそれぞれ、感光体11(像保持体の一例)を備える。感光体11は、矢印Aの方向に回転する。
レーザー露光器13は、露光ビームBmを発して、感光体11上に静電潜像を形成する。
現像器14は、各色のトナーを収容しており、感光体11上の静電潜像をトナーにより可視像化する。
一次転写ロール16は、感光体11上に形成されたトナー像を、一次転写部10において、中間転写ベルト15に転写する。
感光体クリーナ17は、感光体11上の残留トナーを除去する。
駆動ロール31は、定速性に優れたモータ(不図示)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる。
支持ロール32は、4個の感光体11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を、駆動ロール31と共に支持する。
張力付与ロール33は、中間転写ベルト15に一定の張力を与えると共に、中間転写ベルト15の蛇行を抑制する補正ロールとして機能する。
背面ロール25は、二次転写部20に設けられ、クリーニング背面ロール34は、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられる。
一次転写ロール16には、トナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同じ。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加される。これにより、各感光体11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成される。
一次転写ロール16は、シャフト(例えば鉄、SUS等の金属の円柱棒)と、シャフトの周囲に固着した弾性層(例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合したブレンドゴムのスポンジ層)とで構成された円筒ロールである。一次転写ロール16は、体積抵抗率が例えば107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下である。
二次転写ロール22は、背面ロール25との間に二次転写バイアスを形成し、二次転写部20に搬送される用紙K(記録媒体)上にトナー像を二次転写する。
二次転写ロール22は、シャフト(例えば鉄、SUS等の金属の円柱棒)と、シャフトの周囲に固着した弾性層(例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合したブレンドゴムのスポンジ層)とで構成された円筒ロールである。二次転写ロール22は、体積抵抗率が例えば107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下である。
背面ロール25は、例えば、ゴム基材をカーボンを分散したブレンドゴムのチューブで被覆して構成される。背面ロール25は、表面抵抗率が例えば107Ω/□以上1010Ω/□以下であり、硬度が例えば70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同じ。)である。
背面ロール25には、金属製の給電ロール26が接触配置されている。給電ロール26は、トナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)を印加し、二次転写ロール22と背面ロール25との間に転写電界を形成させる。
画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。
用紙収容部50は、画像形成前の用紙Kを収容する。
給紙ロール51は、用紙収容部50に収容されていた用紙Kを取り出す。
搬送ロール52は、給紙ロール51により取り出された用紙Kを搬送する。
搬送ガイド53は、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へ送り込む。
搬送ベルト55は、二次転写部20で画像が転写された用紙Kを定着装置60へ搬送する。
定着入口ガイド56は、用紙Kを定着装置60に導く。
画像形成装置100では、画像読取装置(不図示)やコンピュータ(不図示)等から出力された画像データが画像処理装置(不図示)により画像処理され、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kによって作像作業が実行される。
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各感光体11は、帯電器12によって表面が帯電された後、レーザー露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。各感光体11上に形成された静電潜像は、各画像形成ユニットによって各色のトナー像として現像される。
トナー像が二次転写部20に到達するタイミングに合わせ、用紙収容部50に収容されていた用紙Kが、給紙ロール51、搬送ロール52及び搬送ガイド53によって搬送され、二次転写部20に供給され、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。
そして、転写電界が形成されている二次転写部20において、中間転写ベルト15上のトナー像が、用紙K上に静電転写(二次転写)される。
定着装置60に搬送された用紙Kは、定着装置60によって加熱・加圧され、未定着トナー像が定着する。
以上の工程を経て、画像形成装置100によって記録媒体上に画像が形成される。
ガラスクロスに厚さ0.025mmのPTFEシートをラミネートしたシート(中興化成工業製HGF−500−6)(80mm×400mm)を準備した。このシートは、ガラスクロスの凹凸を反映した凹凸を表面に有していた。
(金型の用意)
金型として、長方形(50mm×400mm)のステンレス製メッシュ(30メッシュ、線径0.22mm)を準備した。メッシュを構成するステンレス線の行列は、長方形の長さ方向・幅方向に一致させた。
基体となる厚さ75μmのポリイミド樹脂シートと、フッ素樹脂層となる厚さ0.1mmの架橋PTFEシート(日立電線社製エクセロンXF−1B)とを貼り合わせた積層シート(80mm×400mm)を準備した。
この積層シートの架橋PTFEシート側にメッシュを重ねた。このとき、積層シートの400mm辺の方向とメッシュの400mm辺の方向とを一致させ、積層シートの80mm辺の中央にメッシュの50mm辺を重ねた。そして、金型を180℃に加熱しながらプレス機で加圧することで凹部を形成した。
十字型は、線幅が5μm乃至30μmと不規則で、十字の交点ほど線幅が太かった。また、十字型どうしが一部連続していた。
(金型の用意)
底面および上底面の直径が0.2mm、高さが0.1mmの直円柱状の凸部が点在する領域(50mm×400mm)を押付面に有するNi電鋳製金型を、エレクトロファインフォーミングで作製した。
直円柱状の凸部は、面心格子の格子点に、直円柱の底面および上底面の中心が位置するように点在させた。
面心格子の単位格子の寸法は、0.6mm×0.4mmとした。また、面心格子は、単位格子の長い方の辺(0.6mm辺)を上記領域の50mm辺の方向に一致させて構成した。
基体となる厚さ75μmのポリイミド樹脂シートと、フッ素樹脂層となる厚さ0.1mmの架橋PTFEシート(日立電線社製エクセロンXF−1B)とを貼り合わせた積層シート(80mm×400mm)を準備した。
この積層シートの架橋PTFEシート側に金型を重ねた。このとき、積層シートの400mm辺の方向と金型の400mm辺の方向とを一致させ、積層シートの80mm辺の中央に金型の50mm辺を重ねた。そして、金型を180℃に加熱しながらプレス機で加圧することで凹部を形成した。
凹部は直径0.2mm、深さ0.1mmの直円柱状であり、摺動面に占める凹部の開口の総面積の割合は約26%であった。
(金型の用意)
底面および上底面の直径が0.33mm、高さが0.1mmの直円柱状の凸部が点在する領域(50mm×400mm)を押付面に有するNi電鋳製金型を、エレクトロファインフォーミングで作製した。
直円柱状の凸部は、正六角形を最密充填してなるハニカム配列の格子点に、直円柱の底面および上底面の中心が位置するように点在させた。
ハニカム配列は、正六角形の一辺を0.5mm(即ち、配列ピッチ√3/2mm)とした。また、ハニカム配列は、図2の直線Lの1つを、上記領域の50mm辺の方向に一致させて構成した。
基体となる厚さ75μmのポリイミド樹脂シートと、フッ素樹脂層となる厚さ0.1mmの架橋PTFEシート(日立電線社製エクセロンXF−1B)とを貼り合わせた積層シート(80mm×400mm)を準備した。
この積層シートの架橋PTFEシート側に金型を重ねた。このとき、積層シートの400mm辺の方向と金型の400mm辺の方向とを一致させ、積層シートの80mm辺の中央に金型の50mm辺を重ねた。そして、金型を180℃に加熱しながらプレス機で加圧することで凹部を形成した。
凹部は、直径0.33mm、深さ0.1mmの直円柱状であり、正六角形(一辺0.5mm、配列ピッチ√3/2mm)を単位格子とするハニカム配列状に点在していた。
ハニカム配列は、図2の直線Lの1つが、摺動方向(50mm辺の方向)に一致して構成されていた。
摺動面に占める凹部の開口の総面積の割合は約26%であった。
(金型の用意)
底面および上底面の直径が0.25mm、高さが0.1mmの直円柱状の凸部が点在する領域(50mm×400mm)を押付面に有するNi電鋳製金型を、エレクトロファインフォーミングで作製した。
直円柱状の凸部は、正六角形を最密充填してなるハニカム配列の格子点に、直円柱の底面および上底面の中心が位置するように点在させた。
ハニカム配列は、正六角形の一辺を0.5mm(即ち、配列ピッチ√3/2mm)とした。また、ハニカム配列は、図2の直線Lの1つが、上記領域の50mm辺の方向に対して反時計回りに15°の角度をなすように構成した。
基体となる厚さ75μmのポリイミド樹脂シートと、フッ素樹脂層となる厚さ0.1mmの架橋PTFEシート(日立電線社製エクセロンXF−1B)とを貼り合わせた積層シート(80mm×400mm)を準備した。
この積層シートの架橋PTFEシート側に金型を重ねた。このとき、積層シートの400mm辺の方向と金型の400mm辺の方向とを一致させ、積層シートの80mm辺の中央に金型の50mm辺を重ねた。そして、金型を180℃に加熱しながらプレス機で加圧することで凹部を形成した。
凹部は、直径0.25mm、深さ0.1mmの直円柱状であり、正六角形(一辺0.5mm、配列ピッチ√3/2mm)を単位格子とするハニカム配列状に点在していた。
ハニカム配列は、図2の直線Lの1つが、摺動方向(50mm辺の方向)に対し時計回りに15°の角度をなすように構成されていた。
摺動面に占める凹部の開口の総面積の割合は約15%であった。
(金型の用意)
実施例2と同じ金型を用意した。
フッ素樹脂層となる厚さ0.3mmの架橋PTFEシート(日立電線社製エクセロンXF−1B)(80mm×400mm)を準備し、このシートに金型を重ねた。このとき、シートの400mm辺の方向と金型の400mm辺の方向とを一致させ、シートの80mm辺の中央に金型の50mm辺を重ねた。そして、金型を180℃に加熱しながらプレス機で加圧することで凹部を形成した。
凹部は、直径0.25mm、深さ0.1mmの直円柱状であり、正六角形(格子点間の距離0.5mm、配列ピッチ√3/2mm)を単位格子とするハニカム配列状に点在していた。
ハニカム配列は、図2の直線Lの1つが、摺動方向(50mm辺の方向)に対し時計回りに15°の角度をなすように構成されていた。
摺動面に占める凹部の開口の総面積の割合は約15%であった。
(金型の用意)
底面および上底面の直径が0.2mm、高さが0.1mmの直円柱状の凸部が点在する領域(50mm×400mm)を押付面に有するNi電鋳製金型を、エレクトロファインフォーミングで作製した。
直円柱状の凸部は、正六角形を最密充填してなるハニカム配列の格子点に、直円柱の底面および上底面の中心が位置するように点在させた。
ハニカム配列は、正六角形の一辺を0.4mm(即ち、配列ピッチ2√3/5mm)とした。また、ハニカム配列は、図2の直線Lの1つが、上記領域の50mm辺の方向に対して反時計回りに15°の角度をなすように構成した。
基体となる厚さ75μmのポリイミド樹脂シートと、フッ素樹脂層となる厚さ0.1mmの架橋PTFEシート(日立電線社製エクセロンXF−1B)とを貼り合わせた積層シート(80mm×400mm)を準備した。
この積層シートの架橋PTFEシート側に金型を重ねた。このとき、積層シートの400mm辺の方向と金型の400mm辺の方向とを一致させ、積層シートの80mm辺の中央に金型の50mm辺を重ねた。そして、金型を180℃に加熱しながらプレス機で加圧することで凹部を形成した。
凹部は、直径0.2mm、深さ0.1mmの直円柱状であり、正六角形(格子点間の距離0.4mm、配列ピッチ2√3/5mm)を単位格子とするハニカム配列状に点在していた。
ハニカム配列は、図2の直線Lの1つが、摺動方向(50mm辺の方向)に対し時計回りに15°の角度をなすように構成されていた。
摺動面に占める凹部の開口の総面積の割合は約15%であった。
評価機として、ベルト・ロールニップ方式の定着装置を備えた富士ゼロックス社製Color 1000 Pressを用意した。
この評価機の定着装置は、図5に示す定着装置80のように構成されており、加熱ベルト(図5における加熱ベルト84)の内周面の表面粗さRaが0.6μmであった。
各実施例および比較例の摺動部材を、評価機の定着装置に取り付け、22℃/55RH%の環境下、プロセススピード800mm/秒で連続稼動させた。
500,000枚(500kpv)通紙した時点で、摺動部材を定着装置から外し、その厚さを、渦電流式膜厚測定装置(フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて測定した。
測定は摺動面(50mm×400mm)の平坦部で任意に5点行った。この5点の平均値と、予め測定しておいた使用前の摺動部材の厚さとの差(μm)を求め、摩耗量とした。結果を表1に示す。
なお、比較例1は、PTFE層が摩耗しガラスクロスが露出していた。
摺動部材と、被摺動部材である加熱ベルトとの間の、稼動開始時点の摩擦係数(初期摩擦係数)と、所定枚数を通紙した時点の摩擦係数とを下記の方法で測定した。
測定には常時モニター可能なトルクモニターを使用し、システムトルクを測定してシステム摩擦係数を求め摩擦係数の代用とした。そして、下記の評価基準にしたがって評価した。結果を表1に示す。
A:初期摩擦係数が1.0以下であり、且つ、3,000,000枚(3Mpv)通紙した時点の摩擦係数が1.2以下である。
B:初期摩擦係数が1.0以下であり、且つ、1,000,000枚(1Mpv)通紙した時点の摩擦係数が1.5以下である。
C:初期摩擦係数が1.0以下であり、且つ、400,000枚(400kpv)通紙した時点の摩擦係数が1.5以下である。
D:初期摩擦係数が1.0を超える、又は、400,000枚(400kpv)通紙した時点の摩擦係数が1.5を超える。
110 基体
112 フッ素樹脂層
114 摺動面
114a 摺動面
114b 摺動面
116 凹部
116a 凹部
116b 凹部
12 帯電器(帯電装置)
13 レーザー露光器(潜像形成装置)
14 現像器(現像装置)
15 中間転写ベルト
16 一次転写ロール(転写装置)
22 二次転写ロール(転写装置)
61 加熱ロール
62 加圧ベルト
63 ベルト走行ガイド
64 押圧パッド
64a 前挟込部材
64b 剥離挟込部材
65 保持部材
66 ハロゲンランプ
67 潤滑剤供給装置
68 摺動部材
69 感温素子
70 剥離部材
71 剥離爪
72 保持部材
82 摺動部材
84 加熱ベルト
86 定着ベルトモジュール
88 加圧ロール
88A 円柱状ロール
88B 弾性層
87 押圧パッド
87a 前挟込部材
87b 剥離挟込部材
89 保持部材
89A ハロゲンヒータ
90 支持ロール
90A ハロゲンヒータ
92 支持ロール
92A ハロゲンヒータ
94 姿勢矯正ロール
98 支持ロール
100 画像形成装置
Claims (8)
- 凹部が点在した摺動面を有するフッ素樹脂層を備え、前記摺動面において前記凹部が平行六辺形を単位格子とする配列のパターンを示す、定着装置用摺動部材。
- 前記平行六辺形を単位格子とする配列は、正六角形を単位格子とする配列であり、任意の隣接する2個の正六角形の中心点間を結ぶ直線を引いた際に、前記直線と摺動方向とがなす角度が、0°、30°、60°、90°、120°及び150°のいずれでもない、請求項1に記載の定着装置用摺動部材。
- 前記摺動面の幅を構成する全ての直線上に少なくとも1個の前記凹部が存在している、請求項1又は請求項2に記載の定着装置用摺動部材。
- 前記平行六辺形を単位格子とする配列の周期が0.2mm以上2.0mm以下であり、且つ、前記凹部の1個当たりの開口の面積が7×10−3mm2以上3.2mm2以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の定着装置用摺動部材。
- 前記摺動面に占める前記凹部の開口の総面積の割合が10%以上60%以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の定着装置用摺動部材。
- 第1回転体と、
前記第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、
前記第2回転体の内部に配置され、前記第2回転体の内面から前記第2回転体を前記第1回転体へ押圧する押圧部材と、
前記第2回転体の内面と前記押圧部材との間に介在する摺動部材であって、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の定着装置用摺動部材と、
を備える定着装置。 - 前記第2回転体の内面の表面粗さRaが0.1μm以上2.0μm以下である、請求項6に記載の定着装置。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
前記トナー像を記録媒体に定着する請求項6又は請求項7に記載の定着装置と、
を備える画像形成装置。
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