JP6003668B2 - 定着装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
この定着装置として、加熱ロールと加熱ロールに接触して配置された加圧ベルトとを備えた構成、又は、加熱ベルトと加熱ベルトに接触して配置された加圧ロールとを備えた構成の、ベルト・ニップ方式と呼ばれる定着装置が知られている。
ベルト・ニップ方式の定着装置では、ベルトは、内周面側から押圧部材によりロールに押圧されて配置され、ベルトと押圧部材の間には、ベルトの回転に伴う摺動抵抗を低減する目的で摺動部材が配置されている。
摺動部材としては、摺動面に格子形状の凹凸を有するフッ素樹脂組成物からなる摺動部材(例えば、特許文献1)や、厚い部分と薄い部分を繰り返し有する摺動シート(例えば、特許文献2)が知られている。
ほかに、摺動部材としては、表層と基層との間にカールを防止する中間層を有するシート状部材(例えば、特許文献3)が知られている。
請求項1に係る発明は、
凹部が点在した摺動面を有する第一のフッ素樹脂層と、基体と、第二のフッ素樹脂層と、をこの順に有し、
前記第一のフッ素樹脂層において、摺動面に点在する凹部が下記の(1)及び(2)を満たす、定着装置用摺動部材。
(1):凹部が、4つの格子点で構成され且つ一辺が摺動方向と平行である基本格子とその中央部の点とからなる基本配列が連続してなる格子配列から、該格子配列中の前記中央部の点の一部又は全部をずらしてなる配列パターンを示す。
(2):摺動面の幅を構成する全ての直線上に少なくとも1個の凹部が存在している。
前記(1)中の前記基本格子は、その形状が平行四辺形であり、摺動方向と平行な二辺間の距離であって摺動方向に直交する方向の距離が、摺動方向と直交する方向における凹部の開口の径の3倍以下である、請求項1に記載の定着装置用摺動部材。
請求項3に係る発明は、
前記(1)中の前記基本格子は、その形状が正方形である、請求項1又は請求項2に記載の定着装置用摺動部材。
前記凹部の配列パターンの周期が0.2mm以上2.0mm以下であり、且つ、前記凹部の1個当たりの開口の面積が7×10−3mm2以上3.2mm2以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の定着装置用摺動部材。
前記摺動面に占める前記凹部の開口の総面積の割合が10%以上60%以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の定着装置用摺動部材。
第1回転体と、前記第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、前記第2回転体の内部に配置され、前記第2回転体の内面から前記第2回転体を前記第1回転体へ押圧する押圧部材と、前記第2回転体の内面と前記押圧部材との間に介在する摺動部材であって、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の定着装置用摺動部材と、を備える定着装置。
前記第2回転体の内面の表面粗さRaが0.1μm以上2.0μm以下である、請求項6に記載の定着装置。
像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記トナー像を記録媒体に定着する請求項6又は請求項7に記載の定着装置と、を備える画像形成装置。
請求項7に係る発明によれば、第2回転体の内面の表面粗さRaが前記範囲から外れる場合に比べ、第2回転体と摺動部材との間の潤滑剤(オイル)保持性が向上した定着装置が提供される。
請求項8に係る発明によれば、第二のフッ素樹脂層を有しない定着装置用摺動部材を備える場合に比べ、定着装置への摺動部材の取り付けが容易な画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る定着装置用摺動部材(「摺動部材」とも称する。)は、例えば、電子写真方式の画像形成装置における定着装置に備える摺動部材として用いられる。この定着装置において、本実施形態に係る摺動部材の摺動面には、例えば、摺動部材と被摺動部材との間の摺動抵抗を低減させる目的で潤滑剤(オイル)が供給される。
以下、本発明の一例である実施形態について図面を参照しつつ、説明する。
図1(A)に示す摺動部材101Aは、基体110と、基体110の一方の面に設けられた第一のフッ素樹脂層112と、基体110の他方の面に設けられた第二のフッ素樹脂層114とを備える。そして、第一のフッ素樹脂層112は、凹部112Bが点在した摺動面112Aを有し、凹部112Bは、第一のフッ素樹脂層112に該層を貫通しない穴として設けられている。
図1(B)に示す摺動部材101Bは、基体110と、基体110の一方の面に設けられた第一のフッ素樹脂層112と、基体110の他方の面に設けられた第二のフッ素樹脂層114とを備える。そして、第一のフッ素樹脂層112は、凹部112Bが点在した摺動面112Aを有し、凹部112Bは、第一のフッ素樹脂層112に貫通穴として設けられている。
なお、基体110と第一のフッ素樹脂層112とを接着するための接着層、及び、基体110と第二のフッ素樹脂層114とを接着するための接着層は図示していない。
基体は、例えば、摺動部材の耐熱性や強度を向上させる目的で、ポリイミド等の樹脂を含んで構成される。
フッ素樹脂層は、摺動部材の摺動面を構成し、その摺動面には、潤滑剤を保持し被摺動部材との接触領域に潤滑剤を供給する目的や、接触領域の面積を減らし摩擦係数を低く抑える目的で、点在する凹部が設けられることがある。
前記積層シートを作製する方法としては、例えば、接着シートを介してフッ素樹脂層と基体とを積層した積層体に圧力と熱を加え、接着シートを熱融着させることでフッ素樹脂層と基体とを貼り合せる方法がある。
また、凹部をフッ素樹脂層に形成する方法としては、例えば、押付面に凸部を有する金型をフッ素樹脂層となるフッ素樹脂シートに押し付けて、フッ素樹脂のガラス転移温度以上に加熱し、凹部又は貫通穴をフッ素樹脂シートに形成する方法がある。
上記の変形は、フッ素樹脂層が、基体に比べて、加熱加圧された際に面方向に熱膨張し易く、さらに、冷却された際にもとの寸法に戻り難いことにより発生すると考えられる。
したがって、本実施形態に係る摺動部材101A及び摺動部材101Bは下記の態様である場合、本願発明の構成とすることによる効果が顕著である。
即ち、第一のフッ素樹脂層となるシートと、基体となるシートと、第二のフッ素樹脂層となるシートとを、熱融着する接着シートを介して積層して積層体を作製し、前記積層体を加熱加圧して貼り合わせた定着装置用摺動部材である。
また、第一のフッ素樹脂層と基体と第二のフッ素樹脂層とをこの順に有する積層シートの前記第一のフッ素樹脂層の表面に、押付面に凸部を有する金型を押し付けて加熱して、摺動面に点在する凹部を形成した定着装置用摺動部材である。
以下において「主成分」とは、質量比で50%以上であることを意味する。
基体110は、シート状であり、例えば、樹脂材料を含み、充填材等の添加剤を含んでもよい。
樹脂材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、補強材を添加してなるポリエステル樹脂等が挙げられる。中でも、耐熱性と機械的強度が高いポリイミド樹脂が望ましい。
第一のフッ素樹脂層112は、主成分としてフッ素樹脂を含む層であり、充填材等の添加物を含んでもよい。
第一のフッ素樹脂層112は、摺動部材の耐久性の観点から、架橋されたフッ素樹脂を主成分として含む層が望ましく、特に、架橋されたポリテトラフルオロエチレン(以下「架橋PTFE」と称する。)を主成分として含む層であることが望ましい。
PTFEは、テトラフルオロエチレン以外の他の共重合成分、例えば、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、(パーフルオロアルキル)エチレン、クロロトリフルオロエチレン等を含んでいてもよい。
充填材としては、金属酸化物粒子、ケイ酸塩鉱物、カーボンブラック、及び窒素化合物から選ばれる少なくとも1種が望ましい。
中でも、ケッチェンブラック、黒鉛、アセチレンブラックは、導電性を付与するのに望ましく、黒鉛、銅、銀、窒化アルミ、窒化硼素、アルミナは、熱伝導性を付与するのに望ましい。
充填材料は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
充填材の平均粒径は、0.01μm以上20μm以下が望ましい。
第二のフッ素樹脂層114は、主成分としてフッ素樹脂を含む層であり、充填材等の添加物を含んでもよい。
第一のフッ素樹脂層112と第二のフッ素樹脂層114とは、どちらも主成分としてフッ素樹脂を含む層であるので、両層の熱膨張率が近似しており、加熱加圧された際に、両層の変形の度合いが同じ程度と考えられる。
摺動部材の耐久性の観点からは、架橋されたフッ素樹脂を主成分として含む層が望ましく、架橋PTFEを主成分として含む層であることがより望ましい。
摺動部材の耐久性と製造コストの両立の観点からは、架橋されていないフッ素樹脂を主成分として含む層が望ましく、架橋されていないPTFEを主成分として含むフッ素樹脂層であることがより望ましい。
摺動部材の厚さ方向に積層された各層間には、一つの層と別の層とを接着する接着層が存在する。
接着層は、耐熱性シリコーン樹脂やエポキシ系樹脂等の公知の接着剤により形成された層でもよく、接着シートを用いて形成された層でもよい。
接着シートの厚さは、10μm以上30μm以下が望ましい。
凹部112Bは、潤滑剤(オイル)を保持し被摺動部材との接触領域に潤滑剤(オイル)を供給する目的や、接触領域の面積を減らし摩擦係数を低く抑える目的で、摺動面に設けられる。
凹部112Bは、摺動面に、周期的な配列で点在していることが望ましい。
周期的な配列としては、特に制限されるものではなく、例えば、格子や面心状の格子を単位とする配列パターンが挙げられる。格子は、正方形、長方形、菱形、その他の平行四辺形のいずれでもよい。面心状の格子とは、平行四辺形の頂点及び対角線の交点、合計5点を単位格子の格子点とする構造を意味する。平行四辺形には、言うまでもないが、正方形、長方形、菱形が含まれる。
周期的な配列は、途切れたりズレがあったりしてもよいが、あらゆる方向に隙間無く連続して繰り返していることが望ましい。
ここで、配列周期(配列ピッチ)とは、隣接する2個の単位格子の中心点間の距離を言う。中心点とは、単位格子が四角形の場合、対角線の交点である。
なお、配列周期(配列ピッチ)は、単位格子の形に応じて複数ある場合がある。(例えば単位格子の形が長方形の場合、縦方向と横方向の2つある。)配列周期(配列ピッチ)が複数ある場合、そのいずれも上記の範囲であることが望ましい。
図3は、本実施形態に係る摺動部材の摺動面における凹部の配列パターンの別例を示す概略平面図であって、摺動面を平面視した図面である。
図2及び図3は、面心状の格子の中心格子点をずらしたパターンの例である。
・(1):4つの格子点で構成され且つ一辺が摺動方向と平行である基本格子とその中央部の点とからなる基本配列が連続してなる格子配列から、該格子配列中の前記中央部の点の一部又は全部をずらしてなる配列パターンを示す。
・(2):摺動面の幅(摺動方向に直交する方向)を構成する全ての直線上に少なくとも1個の凹部が存在している。ここで「直線上に凹部が存在」には、直線に凹部が接する場合も含む。
前記(1)において、「基本格子の中央部の点」とは、基本格子の対角線の交点を意味する。
前記(1)を換言すると、凹部112Bは、一辺が摺動方向と平行である面心状の格子が連続してなる格子配列から、前記面心状の格子の中心格子点(対角線の交点)の一部又は全部をずらしてなる配列パターンを示す。
前記凹部は、その開口の中心点が、前記格子点及び(一部又は全部をずらした)前記中央部の点に位置することが望ましい。さらに、前記凹部は、その開口の形状が、前記格子点及び(一部又は全部をずらした)前記中央部の点を中心にした円であることが望ましい。
なお、摺動部材は、幅方向の端部に被摺動部材に接触しない領域を有する場合がある。その場合、被摺動部材に接触しない領域である端部は「摺動面」には該当せず、該端部には凹部が形成されていなくてもよい。
そうすると、摺動面に占める凹部の開口の総面積の割合が大きくなり、摺動面の平坦部の面積の割合が少なくなるので、耐摩耗性が低下し易い。その結果、摺動部材の寿命が短くなる傾向がある。
また、個々の凹部の開口の面積を大きくすると、摺動面における潤滑剤の保持・供給機能に偏りがでることもあり、摩耗係数が上昇してしまうこともあった。
これにより、摺動部材101a及び摺動部材101bは、摺動面の耐摩耗性に優れつつ、潤滑剤(オイル)の供給機能が向上し得る。したがって、摺動部材101a及び摺動部材101bは、摺動面の耐摩耗性に優れつつ、摺動部材と被摺動部材との摺動抵抗を抑制し得る。その結果、摺動部材101a及び摺動部材101bは、使用に伴う摩擦係数の上昇が起こり難い。摺動部材101a及び摺動部材101bは、長期に亘って使用し得る。
図2には、「黒点4つで示される一辺が摺動方向と平行である基本格子と、この基本格子の中央部の点(破線で示される)と、からなる基本配列」が連続してなる格子配列が示されている。摺動部材101aは、この格子配列を構成している(破線で示される)中央部の点を摺動方向と直交する方向(矢印方向)にずらした配列パターンを有している。
この配列パターンは、摺動方向と平行な直線上に並んだ(破線で示される)中央部の点を左・右に交互にずらして、点線間において摺動方向に平行な任意の直線上に凹部を1つ以上配置したパターンである。これにより、凹部112Bの配置は、前記(2)の条件を満たす。
図3においても、「黒点4つで示される一辺が摺動方向と平行である基本格子と、この基本格子の中央部の点(破線で示される)と、からなる基本配列」が連続してなる格子配列が示されている。摺動部材101bは、この格子配列を構成している(破線で示される)中央部の点を摺動方向に対し斜め方向(矢印方向)にずらした配列パターンを有している。
この配列パターンは、摺動方向と平行な直線上に並んだ(破線で示される)中央部の点を斜め左上・斜め右上(斜め左下・斜め右下)に交互にずらして、点線間において摺動方向に平行な任意の直線上に凹部を1つ以上配置したパターンである。これにより、凹部112Bの配置は、前記(2)の条件を満たす。
なお、摺動部材101a及び摺動部材101bでは、摺動面内に規則的な配列パターンが形成されているが、発明の効果を損なわない範囲において、一部が欠落している形態であってもよい。
例えば、基本格子が平行四辺形の場合、中央部の点(破線で示される)の移動距離は、摺動方向と平行な二辺間の距離であって摺動方向に直交する方向の距離と、凹部の開口の径とに応じて決定されればよい。ここで、「凹部の開口の径」は、摺動方向と直交する方向における、開口の最大径を意味する。
摺動部材101a及び摺動部材101bでは、基本格子の格子点を中心にした同じ形状の円形の凹部が点在しており、凹部の開口の径が、摺動方向と平行な二辺間の前記距離の1/3であるが、凹部の開口の径がこれ以上であれば、前記(2)の条件を満たすための中央部の点の移動距離は小さくてよい。
このように、基本格子の格子点及び中央部の点を中心にして同じ形状の円形の凹部が点在しており、摺動方向と平行な二辺間の前記距離が凹部の開口の径の3倍以下であれば、摺動部材101aや摺動部材101bのように、中央部の点のずらし方を単純化し得ることから、簡素な配列パターンとすることが可能となる。また、その結果、製造性も向上し得ると考えられる。
凹部112Bの形状は、潤滑剤(オイル)の保持・供給機能を発現し得れば、制限されない。
面方向の形状としては、例えば、円形、楕円形、三角形、四角形、その他の多角形、不定形が挙げられ、摺動面に凹部を設ける加工の容易性の観点から、円形が望ましい。
深さ方向の形状としては、例えば、柱状、錐状、テーパー状、逆テーパー状が挙げられる。
具体的には、凹部112Bの面方向の形状が円形である場合、その開口の直径は100μm以上2mm以下が望ましく、150μm以上1mm以下がより望ましい。
凹部の配列パターンが、格子状や面心状の格子状である場合は、10%以上60%以下が望ましく、15%以上40%以下がより望ましく、20%以上30%以下がより望ましい。
図2及び図3に示す摺動部材101a及び摺動部材101bのように、凹部の配列パターンが、面心状の格子の中心格子点をずらしたパターンである場合は、10%以上60%以下が望ましく、12%以上40%以下がより望ましく、15%以上30%以下がより望ましい。
摺動部材は、摺動面に凹部が周期的に配列していることが望ましいが、一部の凹部が欠落していても構わない。
図1(A)及び(B)に示される摺動部材101A及び摺動部材101Bの製造方法の例を説明する。
上記の各シートを、フッ素系接着シートを間に介して積層し、五層の積層体(第一のフッ素樹脂層112となるフッ素樹脂シート/フッ素系接着シート/基体110となるシート/フッ素系接着シート/第二のフッ素樹脂層114となるフッ素樹脂シート)を作製する。
そして、この積層体の上下から圧力と熱を加えることにより、第一のフッ素樹脂層112となるフッ素樹脂シートと基体110となるシートとを貼り合せ、また、基体110となるシートと第二のフッ素樹脂層114となるフッ素樹脂シートとを貼り合せる。この貼り合せの際に積層体に印加される圧力は、例えば1.0MPa以上2.0MPa以下であり、加熱温度は、例えば320℃以上350℃以下である。
まず、押付面に凸部を有する金型を準備する。
そして、第一のフッ素樹脂層112となるフッ素樹脂シートに前記金型を押し付けて、フッ素樹脂のガラス転移温度以上に加熱し、前記凸部に対応する凹部又は貫通穴を、第一のフッ素樹脂層112となるフッ素樹脂シートに形成する。
ほかに、Ni電鋳で作製してもよく、Ni電鋳とフォトリソグラフィーとを組み合わせた方法(エレクトロフォーミング法)で作製してもよい。これらは、精度の高さや、複製の容易さの点で、有利な方法である。
本実施形態に係る定着装置は、第1回転体と、前記第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、前記第2回転体の内部に配置され、前記第2回転体の内面から前記第2回転体を前記第1回転体へ押圧する押圧部材と、前記第2回転体の内面と前記押圧部材との間に介在する本実施形態に係る摺動部材と、を備える。
本実施形態に係る定着装置は、更に、前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方を加熱する加熱源を備えることが望ましい。
ここで、表面粗さRaの測定は、表面粗さ計サーフコム1400A(東京精密社製)を用いて、JIS B0601−1994に準拠し、評価長さLnを4mm、基準長さLを0.8mm、カットオフ値を0.8mmとした測定条件で行う。
第1実施形態として、加熱源を有する加熱ロールと、押圧パッドが押圧された加圧ベルトと、を備えた定着装置を説明する。
第2実施形態として、加熱源を有し押圧パッドが押圧された加熱ベルトと、加圧ロールと、を備えた定着装置を説明する。
これらの定着装置におけるシート状の摺動部材として、本実施形態に係る摺動部材が適用される。
図4を参照して、第1実施形態に係る定着装置60について説明する。
図4は、第1実施形態に係る定着装置60の構成を示す概略図である。
加熱ロール61の外周面には、感温素子69が接触して配置されている。感温素子69による温度計測値に基づいて、ハロゲンランプ66の点灯が制御され、加熱ロール61の表面温度が設定した温度(例えば150℃)に維持される。
加熱ロール61は、例えば金属製のコア(円筒状芯金)611の周囲に耐熱性弾性体層612及び離型層613をこの順に積層して構成される。
加圧ベルト62は、その内部に配置された押圧パッド64とベルト走行ガイド63とによって回転自在に支持されている。
押圧パッド64は、挟込領域Nの入口側に前挟込部材64aを備え、挟込領域Nの出口側に剥離挟込部材64bを備える。
前挟込部材64aは、加熱ロール61の外周形状に沿う凹形状に構成されて、挟込領域Nの長さ(摺動方向の距離)を確保する。
剥離挟込部材64bは、加熱ロール61の外周面に対し突出する形状に構成されて、挟込領域Nの出口領域において加熱ロール61に局所的な歪みを生じさせ、定着後の記録媒体の加熱ロール61からの剥離を容易にする。
摺動部材68は、その摺動面と加圧ベルト62の内周面との間に存在する潤滑剤(オイル)の保持・供給に関与する。摺動部材68は、耐摩耗性に優れており、定着装置60の長寿命化が達成される。
摺動部材68は、加圧ベルト62の内周面と押圧パッド64との摺動抵抗を小さくするために、前挟込部材64a及び剥離挟込部材64bを覆うように配置される。
保持部材65には、ベルト走行ガイド63が取り付けられている。ベルト走行ガイド63に沿って加圧ベルト62が回転する。
ベルト走行ガイド63には、加圧ベルト62の内周面に潤滑剤(オイル)を供給する手段である潤滑剤供給装置67が取り付けられていてもよい。
図5を参照して、第2実施形態に係る定着装置80について説明する。
図5は、第2実施形態に係る定着装置80の構成を示す概略図である。
定着ベルトモジュール86は、加熱ベルト84(第2回転体の一例)と、押圧パッド87(押圧部材の一例)と、摺動部材82(本実施形態に係る摺動部材の一例)と、押圧パッド87の近傍に配設されたハロゲンヒータ89A(加熱源の一例)と、を備える。
さらに、定着ベルトモジュール86は、支持ロール90と、支持ロール92と、姿勢矯正ロール94と、支持ロール98と、を備える。
押圧パッド87は、前挟込部材87aと、剥離挟込部材87bとを備え、保持部材89によって支持されている。
前挟込部材87aは、加圧ロール88の外周形状に沿う凹形状に構成されて、挟込領域Nの入口側に配置され、挟込領域Nの長さ(摺動方向の距離)を確保する。
剥離挟込部材87bは、加圧ロール88の外周面に対し突出する形状に構成されて、挟込領域Nの出口側に配置され、挟込領域Nの出口領域において加圧ロール88に局所的な歪みを生じさせ、定着後の記録媒体の加圧ロール88からの剥離を容易にする。
押圧パッド87は、その近傍(例えば保持部材89の内部)にハロゲンヒータ89A(加熱源の一例)を備え、加熱ベルト84を内周面側から加熱する。
例えば保持部材89の前挟込部材87aの上流には、加熱ベルト84の内周面に潤滑剤(オイル)を供給する手段である潤滑剤供給装置(不図示)が取り付けられていてもよい。
摺動部材82は、その摺動面と加熱ベルト84の内周面との間に存在する潤滑剤(オイル)の保持・供給に関与する。摺動部材82は、耐摩耗性に優れており、定着装置80の長寿命化が達成される。
支持ロール90は、その内部にハロゲンヒータ90A(加熱源の一例)を備え、加熱ベルト84を内周面側から加熱する。
支持ロール90は、例えばアルミニウムの円筒状ロールの外周表面に、例えば厚さ20μmのフッ素樹脂からなる離型層が形成されたロールである。
支持ロール92は、その内部にハロゲンヒータ92A(加熱源の一例)を備え、加熱ベルト84を外周面側から加熱する。
支持ロール92は、例えばアルミニウムの円筒状ロールの外周表面に、例えば厚さ20μmのフッ素樹脂からなる離型層が形成されたロールである。
姿勢矯正ロール94の近傍には、加熱ベルト84の端部位置を測定する端部位置測定機構(不図示)が配置され、姿勢矯正ロール94には、端部位置測定機構の測定結果に応じて加熱ベルト84の軸方向における当り位置を変位させる軸変位機構(不図示)が配設され、これらの機構が加熱ベルト84の姿勢を矯正する。
姿勢矯正ロール94は、例えばアルミニウムの円柱状ロールである。
支持ロール98は、例えばアルミニウムの円筒状ロールの外周表面に、例えば厚さ20μmのフッ素樹脂からなる離型層が形成されたロールである。
加圧ロール88は、回転自在に設けられており、加熱ベルト84が矢印Eの方向に回転移動するのに伴って、加熱ベルト84に従動して、矢印Fの方向に回転する。
加圧ロール88は、例えばアルミニウムの円柱状ロール88Aの外周表面に、例えばシリコーンゴムからなる弾性層88Bと、例えば厚さ100μmのフッ素樹脂からなる剥離層(不図示)をこの順に積層して構成される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記トナー像を記録媒体に定着する本実施形態に係る定着装置と、を備える。
図6は、本実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す概略図である。画像形成装置100は、既述の第1実施形態の定着装置60を備える。画像形成装置100は、定着装置60に替えて、既述の第2実施形態に係る定着装置80を備えてもよい。
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kはそれぞれ、感光体11(像保持体の一例)を備える。感光体11は、矢印Aの方向に回転する。
レーザー露光器13は、露光ビームBmを発して、感光体11上に静電潜像を形成する。
現像器14は、各色のトナーを収容しており、感光体11上の静電潜像をトナーにより可視像化する。
一次転写ロール16は、感光体11上に形成されたトナー像を、一次転写部10において、中間転写ベルト15に転写する。
感光体クリーナ17は、感光体11上の残留トナーを除去する。
駆動ロール31は、定速性に優れたモータ(不図示)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる。
支持ロール32は、4個の感光体11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を、駆動ロール31と共に支持する。
張力付与ロール33は、中間転写ベルト15に一定の張力を与えると共に、中間転写ベルト15の蛇行を抑制する補正ロールとして機能する。
背面ロール25は、二次転写部20に設けられ、クリーニング背面ロール34は、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられる。
一次転写ロール16には、トナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同じ。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加される。これにより、各感光体11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成される。
一次転写ロール16は、シャフト(例えば鉄、SUS等の金属の円柱棒)と、シャフトの周囲に固着した弾性層(例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合したブレンドゴムのスポンジ層)とで構成された円筒ロールである。一次転写ロール16は、体積抵抗率が例えば107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下である。
二次転写ロール22は、背面ロール25との間に二次転写バイアスを形成し、二次転写部20に搬送される用紙K(記録媒体)上にトナー像を二次転写する。
二次転写ロール22は、シャフト(例えば鉄、SUS等の金属の円柱棒)と、シャフトの周囲に固着した弾性層(例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合したブレンドゴムのスポンジ層)とで構成された円筒ロールである。二次転写ロール22は、体積抵抗率が例えば107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下である。
背面ロール25は、例えば、ゴム基材をカーボンを分散したブレンドゴムのチューブで被覆して構成される。背面ロール25は、表面抵抗率が例えば107Ω/□以上1010Ω/□以下であり、硬度が例えば70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同じ。)である。
背面ロール25には、金属製の給電ロール26が接触配置されている。給電ロール26は、トナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)を印加し、二次転写ロール22と背面ロール25との間に転写電界を形成させる。
画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。
用紙収容部50は、画像形成前の用紙Kを収容する。
給紙ロール51は、用紙収容部50に収容されていた用紙Kを取り出す。
搬送ロール52は、給紙ロール51により取り出された用紙Kを搬送する。
搬送ガイド53は、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へ送り込む。
搬送ベルト55は、二次転写部20で画像が転写された用紙Kを定着装置60へ搬送する。
定着入口ガイド56は、用紙Kを定着装置60に導く。
画像形成装置100では、画像読取装置(不図示)やコンピュータ(不図示)等から出力された画像データが画像処理装置(不図示)により画像処理され、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kによって作像作業が実行される。
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各感光体11は、帯電器12によって表面が帯電された後、レーザー露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。各感光体11上に形成された静電潜像は、各画像形成ユニットによって各色のトナー像として現像される。
トナー像が二次転写部20に到達するタイミングに合わせ、用紙収容部50に収容されていた用紙Kが、給紙ロール51、搬送ロール52及び搬送ガイド53によって搬送され、二次転写部20に供給され、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。
そして、転写電界が形成されている二次転写部20において、中間転写ベルト15上のトナー像が、用紙K上に静電転写(二次転写)される。
定着装置60に搬送された用紙Kは、定着装置60によって加熱・加圧され、未定着トナー像が定着する。
以上の工程を経て、画像形成装置100によって記録媒体上に画像が形成される。
直円柱状の凸部が点在する領域(50mm×400mm)を押付面に有するNi電鋳製円柱付きの金型(日立マクセル社製SUS板)を、エレクトロファインフォーミングで作製した。
金型は、金型(1)〜(5)の5種類を作製した。表1に、各金型の凸部の形状及び配列パターンを示す。
金型(4)の配列パターンは、正方形の面心状の格子(配列ピッチ0.75mm)の中心格子点を摺動方向に直交する方向に0.125mmずらしたパターンとした。
金型(5)の配列パターンは、正方形の面心状の格子(配列ピッチ0.75mm)の中心格子点を摺動方向に対し斜め方向に0.125mm(摺動方向と直交した方向での距離)ずらしたパターンとした。
ただし、凹部を摺動面に形成する際に、凹部の直径は金型の凸部の直径よりも大きくなったため、実際に摺動面に形成された凹部の面積割合は、金型(1):13%、金型(2):19%、金型(3)乃至(5):25%であった。
(積層シートの作製)
以下の材料を用意した。
・ポリイミド樹脂シート:厚さ75μm、80mm×400mm
・架橋PTFEシート(日立電線社製エクセロンXF−1B):厚さ100μm、80mm×400mm
・未架橋PTFEシート(ニチアス社製ナフロンシート(登録商標)):厚さ100μm、80mm×400mm
・接着性フッ素樹脂シート(潤工社製シルキーボンド):厚さ20μm
積層シートの架橋PTFEシート側に金型(1)を重ねた。この際、シートの400mm辺の方向と金型(1)の400mm辺の方向とを一致させ、シートの80mm辺の中央に金型(1)の50mm辺を重ねた。
そして、金型(1)を180℃に加熱しながらプレス機で加圧することで凹部を形成した。
上記加工により、摺動面に凹部が格子状に点在した、三層構造の摺動部材を得た。
(積層シートの作製)
実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(凹部の形成)
積層シートの架橋PTFEシート側に、金型(2)を用いて、実施例1と同様にして凹部を形成した。
上記加工により、摺動面に凹部が格子状に点在した、三層構造の摺動部材を得た。
(積層シートの作製)
厚さ100μmの未架橋PTFEシートの代わりに厚さ50μmの未架橋PTFEシート(ニチアス社製ナフロンシート(登録商標))を使用した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(凹部の形成)
積層シートの架橋PTFEシート側に、金型(2)を用いて、実施例1と同様にして凹部を形成した。
上記加工により、摺動面に凹部が格子状に点在した、三層構造の摺動部材を得た。
(積層シートの作製)
厚さ100μmの未架橋PTFEシートの代わりに厚さ200μmの未架橋PTFEシート(ニチアス社製ナフロンシート(登録商標))を使用した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(凹部の形成)
積層シートの架橋PTFEシート側に、金型(2)を用いて、実施例1と同様にして凹部を形成した。
上記加工により、摺動面に凹部が格子状に点在した、三層構造の摺動部材を得た。
(積層シートの作製)
未架橋PTFEシートを使用しない以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(凹部の形成)
積層シートの架橋PTFEシート側に、金型(2)を用いて、実施例1と同様にして凹部を形成した。
上記加工により、摺動面に凹部が格子状に点在した、二層構造の摺動部材を得た。
(積層シートの作製)
未架橋PTFEシートの代わりにポリイミド樹脂シート(東レ・デュポン社製カプトンシート(登録商標)、厚さ100μm、80mm×400mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(凹部の形成)
積層シートの架橋PTFEシート側に、金型(2)を用いて、実施例1と同様にして凹部を形成した。
上記加工により、摺動面に凹部が格子状に点在した、三層構造の摺動部材を得た。
(積層シートの作製)
実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(凹部の形成)
積層シートの架橋PTFEシート側に、金型(3)を用いて、実施例1と同様にして凹部を形成した。
上記加工により、摺動面に凹部が面心状の格子状に点在した、三層構造の摺動部材を得た。
(積層シートの作製)
実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(凹部の形成)
積層シートの架橋PTFEシート側に、金型(4)を用いて、実施例1と同様にして凹部を形成した。
上記加工により、摺動面に凹部が、面心状の格子の中心格子点をずらしたパターンに点在した、三層構造の摺動部材を得た。
(積層シートの作製)
実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(凹部の形成)
積層シートの架橋PTFEシート側に、金型(5)を用いて、実施例1と同様にして凹部を形成した。
上記加工により、摺動面に凹部が、面心状の格子の中心格子点をずらしたパターンに点在した、三層構造の摺動部材を得た。
(摺動部材の変形)
比較例1及び比較例2の摺動部材は、摺動面を内側にして筒状に巻いてしまった。そのため、比較例1及び比較例2の摺動部材は、定着装置への取り付けが容易ではなかった。
実施例1、2、5〜7の摺動部材は、目視による観察では、反り、湾曲、巻き等の変形が認められなかった。
実施例3の摺動部材は、摺動面を内側にして僅かに反りが認められたが、定着装置への取り付けに困難は生じなかった。
実施例4の摺動部材は、摺動面を外側にして僅かに反りが認められたが、定着装置への取り付けに困難は生じなかった。
評価機として、ベルト・ロールニップ方式の定着装置を備えた富士ゼロックス社製Color1000 Pressを用意した。
この評価機の定着装置は、図5に示す定着装置80のように構成されており、加熱ベルト(被摺動部材。図5における加熱ベルト84)の内周面の表面粗さRaが0.8μmであった。
各実施例及び比較例の摺動部材を、評価機の定着装置に取り付け、22℃/55RH%の環境下、プロセススピード800mm/秒で連続稼動させた。
摺動部材と加熱ベルトとの間の、稼動開始時点の摩擦係数(初期摩擦係数)と、1,200,000枚(1200kpv)通紙した時点の摩擦係数(通紙後摩擦係数)とを測定した。測定には常時モニター可能なトルクモニターを使用し、システムトルクを測定してシステム摩擦係数を求め摩擦係数の代用とした。測定結果を表2に示す。
上記の評価を行った後の摺動部材(1200kpv通紙した時点の摺動部材)を定着装置から外し、その厚さを、渦電流式膜厚測定装置(フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて測定した。
測定は、ニップ領域の平坦部で任意に5点行った。この5点の平均値と、予め測定しておいた使用前の厚さとの差(μm)を求め、摩耗量とした。測定結果を表2に示す。
110 基体
112 第一のフッ素樹脂層
112A 摺動面
112B 凹部
114 第二のフッ素樹脂層
61 加熱ロール
62 加圧ベルト
63 ベルト走行ガイド
64 押圧パッド
65 保持部材
66 ハロゲンランプ
67 潤滑剤供給装置
68 摺動部材
69 感温素子
70 剥離部材
71 剥離爪
72 保持部材
82 摺動部材
84 加熱ベルト
86 定着ベルトモジュール
87 押圧パッド
88 加圧ロール
88A 円柱状ロール
88B 弾性層
89 保持部材
89A ハロゲンヒータ
90 支持ロール
90A ハロゲンヒータ
92 支持ロール
92A ハロゲンヒータ
94 姿勢矯正ロール
98 支持ロール
11 感光体(像保持体)
12 帯電器(帯電装置)
13 レーザー露光器(潜像形成装置)
14 現像器(現像装置)
15 中間転写ベルト
16 一次転写ロール(転写装置)
22 二次転写ロール(転写装置)
Claims (8)
- 凹部が点在した摺動面を有する第一のフッ素樹脂層と、基体と、第二のフッ素樹脂層と、をこの順に有し、
前記第一のフッ素樹脂層において、摺動面に点在する凹部が下記の(1)及び(2)を満たす、定着装置用摺動部材。
(1):凹部が、4つの格子点で構成され且つ一辺が摺動方向と平行である基本格子とその中央部の点とからなる基本配列が連続してなる格子配列から、該格子配列中の前記中央部の点の一部又は全部をずらしてなる配列パターンを示す。
(2):摺動面の幅を構成する全ての直線上に少なくとも1個の凹部が存在している。 - 前記(1)中の前記基本格子は、その形状が平行四辺形であり、摺動方向と平行な二辺間の距離であって摺動方向に直交する方向の距離が、摺動方向と直交する方向における凹部の開口の径の3倍以下である、請求項1に記載の定着装置用摺動部材。
- 前記(1)中の前記基本格子は、その形状が正方形である、請求項1又は請求項2に記載の定着装置用摺動部材。
- 前記凹部の配列パターンの周期が0.2mm以上2.0mm以下であり、且つ、前記凹部の1個当たりの開口の面積が7×10−3mm2以上3.2mm2以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の定着装置用摺動部材。
- 前記摺動面に占める前記凹部の開口の総面積の割合が10%以上60%以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の定着装置用摺動部材。
- 第1回転体と、
前記第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、
前記第2回転体の内部に配置され、前記第2回転体の内面から前記第2回転体を前記第1回転体へ押圧する押圧部材と、
前記第2回転体の内面と前記押圧部材との間に介在する摺動部材であって、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の定着装置用摺動部材と、
を備える定着装置。 - 前記第2回転体の内面の表面粗さRaが0.1μm以上2.0μm以下である、請求項6に記載の定着装置。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
前記トナー像を記録媒体に定着する請求項6又は請求項7に記載の定着装置と、
を備える画像形成装置。
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