JP2014178595A - 定着装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】定着装置のベルトと押圧部材の間にある摺動部材は断熱効果を有する中空フィラーを含有させて断熱性を向上させているが、摺動面の摩擦によって中空フィラーが破損し、断熱効果が失われてしまうため、断熱性に優れ且つ寿命の長い摺動部材を提供する。
【解決手段】摺動部材101Aは、中空ガラスフィラー120を含有する樹脂層110の一方の面に、中空ガラスフィラーを含有しないフッ素樹脂層112を有し、このフッ素樹脂層112が摺動面112aを構成する。
【選択図】図1(A)

Description

本発明は、定着装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置では、記録媒体に形成された未定着トナー像を定着装置によって定着して画像を形成する。
この定着装置として、加熱ロールと加熱ロールに接触して配置された加圧ベルトとを備えた構成、又は、加熱ベルトと加熱ベルトに接触して配置された加圧ロールとを備えた構成の、ベルト・ニップ方式と呼ばれる定着装置が知られている。
ベルト・ニップ方式の定着装置では、ベルトは、内周面側から押圧部材によりロールに押圧されて配置され、ベルトと押圧部材の間には、ベルトの回転に伴う摺動抵抗を低減する目的で摺動部材が配置されることがある。摺動部材が配置されない場合は、押圧部材の押圧面がベルトとの摺動面となる。
ベルト・ニップ方式の定着装置において、断熱性を向上する手段として、例えば以下の発明が開示されている。
特許文献1には、加熱部材の内面と摺動する摺動面を有する支持部材と、支持部材へ加わる加圧ロールの加圧力を受け止めるバックアップ部材と、を有し、これらの少なくとも一方が、断熱性の樹脂で形成された定着装置が開示されている。
特許文献2には、加熱ニップ部を形成するために加熱手段を付勢する付勢部材と、記録材を挟持搬送しつつ画像を加熱するニップ部を形成するためにバックアップ部材を付勢する付勢部材と、を有し、これら付勢部材のうち少なくとも一方が、ガラス転移温度が140℃以上の樹脂からなる像加熱装置が開示されている。
特許文献3には、少なくとも摺動面側が、フッ素樹脂組成物に耐熱性樹脂からなるフィラーを含有してなる摺動部材が開示されている。
特開2007−233010号公報 特開2012−048000号公報 特開2005−003969号公報
本発明は、断熱性に優れ且つ寿命の長い定着装置用摺動部材を提供することを課題とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
中空ガラスフィラーを含有する樹脂層の一方の面に、摺動面を構成する、中空ガラスフィラーを含有しないフッ素樹脂層を有する、定着装置用摺動部材。
請求項2に係る発明は、
前記樹脂層は、中空ガラスフィラーを1質量%以上50質量%以下含む、請求項1に記載の定着装置用摺動部材。
請求項3に係る発明は、
第1回転体と、
前記第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、
前記第2回転体の内部に配置され、前記第2回転体の内面から前記第2回転体を前記第1回転体へ押圧する押圧部材と、
前記第2回転体の内面と前記押圧部材との間に介在する摺動部材であって、請求項1又は請求項2に記載の定着装置用摺動部材と、
前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方を加熱する加熱源と、
を備える定着装置。
請求項4に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
前記トナー像を記録媒体に定着する請求項3に記載の定着装置と、
を備える画像形成装置。
請求項1に係る発明によれば、前記構成から外れる場合に比べ、断熱性に優れ且つ寿命の長い定着装置用摺動部材が提供される。
請求項2に係る発明によれば、前記樹脂層における中空ガラスフィラーの含有量が前記範囲から外れる場合に比べ、断熱性に優れ且つ寿命の長い定着装置用摺動部材が提供される。
請求項3に係る発明によれば、前記構成から外れる定着装置用摺動部材を備える場合に比べ、省エネルギーと長寿命が達成された定着装置が提供される。
請求項4に係る発明によれば、前記構成から外れる定着装置用摺動部材を備える場合に比べ、定着装置の省エネルギーと長寿命が達成された画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る定着装置用摺動部材の構成例を示す概略断面図である。 本実施形態に係る定着装置用摺動部材の別の構成例を示す概略断面図である。 第1実施形態に係る定着装置の構成例を示す概略図である。 第2実施形態に係る定着装置の構成例を示す概略図である。 本実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す概略図である。
以下、本実施形態に係る定着装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置について詳細に説明する。
<定着装置用摺動部材>
本実施形態に係る定着装置用摺動部材(「摺動部材」とも称する。)は、例えば、電子写真方式の画像形成装置における定着装置に備える摺動部材として用いられる。この定着装置において、本実施形態に係る摺動部材の摺動面には、例えば、摺動部材と被摺動部材との間の摺動抵抗を低減させる目的で潤滑剤(オイル)が供給される。
以下、本発明の一例である実施形態について図面を参照しつつ、説明する。
図1(A)は、本実施形態に係る摺動部材の構成例を示す概略断面図である。
図1(A)に示す摺動部材101Aは、樹脂層110と、樹脂層110の一方の面に設けられたフッ素樹脂層112とを備える。
そして、樹脂層110は、中空ガラスフィラー120を含有する。摺動面112aを構成するフッ素樹脂層112は、中空ガラスフィラーを含有しない。
図1(B)は、本実施形態に係る摺動部材の別の構成例を示す概略断面図である。
図1(B)に示す摺動部材101Bは、樹脂層110と、樹脂層110の一方の面に設けられたフッ素樹脂層112と、樹脂層110の他方の面に設けられた第2の樹脂層114とを備える。
そして、樹脂層110は、中空ガラスフィラー120を含有する。摺動面112aを構成するフッ素樹脂層112は、中空ガラスフィラー120を含有しない。第2の樹脂層114は、中空ガラスフィラー120を含有しない。
なお、図1(A)及び図1(B)では、樹脂層110とフッ素樹脂層112とを接着するための接着層、及び、樹脂層110と第2の樹脂層114とを接着するための接着層は図示していない。
本実施形態に係る摺動部材101A及び摺動部材101Bは、中空ガラスフィラー120を含有する樹脂層110の一方の面に、摺動面112aを構成する、中空ガラスフィラーを含有しないフッ素樹脂層112を有することにより、断熱性に優れ且つ寿命が長い。この理由は以下のように推測される。
ベルト・ニップ方式の定着装置では、例えば、ベルトがその内周面側から押圧部材によって、対向する回転体に押圧されて配置され、ベルト及び対向する回転体の少なくとも一方が、トナー像を加熱して記録媒体に定着させるための加熱部材として構成される。そして、ベルトと押圧部材の間には、ベルトの回転に伴う摺動抵抗を低減する目的で摺動部材が配置されることがある。この摺動部材としては、従来、摺動面をフッ素樹脂層で構成した摺動部材が知られている。
ところが、上記の構成の定着装置においては、加熱部材から押圧部材へと熱が移動することによって、定着装置のウォームアップに時間がかかったり、定着装置の稼働時において加熱部材の温度維持に電力がかかったりする場合があった。
上記の事象を抑制するためには、これまで、押圧部材又は摺動部材の断熱性を向上させる手段が採られており、例えば、摺動面を構成するフッ素樹脂層に断熱効果を有するフィラー(例えば、耐熱性樹脂からなるフィラー)を含有させて断熱性を向上させた摺動部材が知られている。
そこで、より断熱性に優れた摺動部材を提供する目的で、断熱効果に優れた中空ガラスフィラーを摺動部材に含有させることが考えられる。中空ガラスフィラーは、中空であること、及び、素材の熱伝導率が低いことによって、断熱効果に優れる。
しかし、中空ガラスフィラーを、摺動面を構成するフッ素樹脂層に含有させると、摺動による摩擦で摺動面が摩耗するのに伴って、摺動面に個々の中空ガラスフィラーの一部又は全部が露出し、露出した中空ガラスフィラーが破損する場合がある。そして、中空ガラスフィラーが破損すると、断熱効果が失われてしまう上に、摺動面の摩擦係数が上昇すると考えられ、また、中空ガラスフィラーの破損片によって摺動面の摩耗が進行し、その結果としても、摺動面の摩擦係数が上昇すると考えられる。
したがって、中空ガラスフィラーを、摺動面を構成するフッ素樹脂層に含有させると、摺動部材及び定着装置の寿命が短くなる。
これに対して、本実施形態に係る摺動部材101A及び摺動部材101Bは、中空ガラスフィラー120を含有する樹脂層110の一方の面に、中空ガラスフィラーを含有しないフッ素樹脂層112を有し、このフッ素樹脂層112が摺動面112aを構成する。これら摺動部材は、中空ガラスフィラーを含有する樹脂層を有することにより断熱性に優れると共に、当該樹脂層の一方の面に、中空ガラスフィラーを含有しないフッ素樹脂層を有し当該フッ素樹脂層を摺動面とするので、中空ガラスフィラーがかかわる前述の事象が発生せず、摺動部材の寿命が長く保たれると考えられる。
さらに、摺動部材101Bは、第2の樹脂層114を有することにより、樹脂層110に含有されている中空ガラスフィラー120が押圧部材による押圧で破損することを抑制し得ると考えられる。したがって、摺動部材101Bは、摺動部材101Aに比べて、断熱性に優れると考えられる。
また、摺動部材101Bは、第2の樹脂層114を有することにより、摺動部材101Aに比べて、摺動部材の強度に優れると考えられ、より長寿命であると考えられる。
以下、摺動部材101A及び摺動部材101Bを構成する各層の詳細を説明する。
以下において「主成分」とは、質量割合で50%以上であることを意味する。
〔フッ素樹脂層〕
フッ素樹脂層112は、主成分としてフッ素樹脂を含有する層である。フッ素樹脂層112は、中空ガラスフィラーを含有しない。
フッ素樹脂層112を構成するフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、またはこれらの変性体等が挙げられる。
フッ素樹脂層112は、摺動部材の耐久性の観点から、架橋されたフッ素樹脂を主成分として含む層が望ましく、特に、架橋されたポリテトラフルオロエチレン(以下「架橋PTFE」と称する。)を主成分として含む層であることが望ましい。
架橋PTFEとしては、例えば、未架橋PTFEに電離性放射線を照射して架橋させたPTFEが挙げられる。具体的には、架橋PTFEは、例えば、結晶融点よりも高い温度で加熱した状態の未架橋PTFEに、酸素不在の環境下で、照射線量1KGy以上10MGy以下の電離性放射線(例えば、γ線、電子線、X線、中性子線、又は高エネルギーイオン等)を照射して架橋させたPTFEである。
PTFEは、テトラフルオロエチレン以外の他の共重合成分、例えば、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、(パーフルオロアルキル)エチレン、クロロトリフルオロエチレン等を含んでいてもよい。
フッ素樹脂層112は、導電性の付与や耐久性の向上を目的に、充填材等の添加物を含んでいてもよい。導電性を付与する目的で使用する充填材としては、例えば、ケッチェンブラック、黒鉛、アセチレンブラック等が挙げられる。充填材の平均粒径は、0.01μm以上20μm以下が望ましい。充填材は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
充填材を用いる場合、その含有量は、フッ素樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上30質量部以下が望ましい。
フッ素樹脂層112は、摺動面112aに凹部が点在していてもよい。凹部は、潤滑剤(オイル)を保持し被摺動部材との接触領域に潤滑剤(オイル)を供給する目的や、接触領域の面積を減らし摩擦係数を低く抑える目的で設けられる。
凹部は、フッ素樹脂層112を貫通しない穴でもよく、フッ素樹脂層112を貫通する貫通穴でもよい。
凹部は、フッ素樹脂層112の摺動面112aに、周期的な配列で点在していることが望ましい。
周期的な配列としては、特に制限されるものではなく、例えば、格子や面心格子を単位とする配列パターンが挙げられる。格子は、正方形、長方形、菱形、その他の平行四辺形のいずれでもよい。面心格子とは、平行四辺形の頂点及び対角線の交点、合計5点を単位格子の格子点とする構造を意味する。
周期的な配列は、途切れたりズレがあったりしてもよいが、あらゆる方向に隙間無く連続して繰り返していることが望ましい。
凹部の形状は、潤滑剤(オイル)の保持と供給機能を発現し得れば、制限されない。
面方向の形状としては、例えば、円形、楕円形、三角形、四角形、その他の多角形、不定形が挙げられ、摺動面112aに凹部を設ける加工の容易性の観点から、円形が望ましい。
深さ方向の形状としては、例えば、柱状、錐状、テーパー状、逆テーパー状が挙げられる。
フッ素樹脂層112の厚さは、該層の形状や、該層の剛性、樹脂層110の性状に応じて設定されるが、20μm以上150μm以下が望ましく、30μm以上100μm以下がより望ましく、40μm以上80μm以下が更に望ましい。
〔樹脂層〕
樹脂層110は、樹脂及び中空ガラスフィラーを含む層である。
樹脂層110が中空ガラスフィラーを含むことにより、本実施形態に係る摺動部材を備えた定着装置は、定着装置のウォームアップ時間を短縮し得、また、定着装置の稼働時において加熱部材の温度維持にかかる電力を低減し得る。
樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの中で、耐熱性と機械的強度に優れる観点では、ポリイミド樹脂が望ましい。
ほかに樹脂としては、例えば、PTFE、PFA、FEP、ETFE、またはこれらの変性体等のフッ素樹脂が挙げられる。
樹脂層110の厚さは、例えば、50μm以上200μm以下が望ましく、60μm以上150μm以下がより望ましく、70μm以上120μm以下が更に望ましい。
−中空ガラスフィラー−
中空ガラスフィラーは、ガラスを主成分とする中空の粒子である。中空ガラスフィラーは、中空であること、及び、ガラスが主成分であるので熱伝導率が低いことにより、断熱効果に優れる。
中空ガラスフィラーとしては、例えば、シラックス社製のシラスバルーン、昭和化学工業社製のハードライト及びスーパーバルーン、ポッターズ・バロティーニ社製の中空ガラスビーズ等が挙げられる。
中空ガラスフィラーの粒径は、特に制限されるものではないが、0.01μm以上50μm以下が望ましく、0.1μm以上30μm以下がより望ましく、1μm以上15μm以下が更に望ましい。
なお、中空ガラスフィラーの粒径は、樹脂層を溶剤で溶解させて中空ガラスフィラーを抽出し、光学顕微鏡で拡大して100個の粒子の直径を測り、算術平均して求める。
樹脂層110の全質量に占める中空ガラスフィラーの質量割合は、断熱性により優れる観点で、5質量%以上が望ましく、10質量%以上がより望ましく、15質量%以上が更に望ましく、20質量%以上が更により望ましい。
一方、樹脂層110の全質量に占める中空ガラスフィラーの質量割合は、摺動部材101Aのように第2の樹脂層114を有しない場合は、樹脂層110の強度及び摺動部材の強度を確保する観点で、33質量%以下が望ましく、25質量%以下がより望ましく、20質量%以下が更に望ましい。摺動部材101Bのように第2の樹脂層114を有する場合は、該層によって摺動部材の強度が向上するので、樹脂層110の全質量に占める中空ガラスフィラーの質量割合は、樹脂層110の強度を確保する観点で、50質量%以下が望ましく、33質量%以下がより望ましく、25質量%以下が更に望ましい。
〔第2の樹脂層〕
第2の樹脂層114は、主成分として樹脂を含む層である。第2の樹脂層114は、中空ガラスフィラーを含有しない。
樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの中で、耐熱性と機械的強度に優れる観点では、ポリイミド樹脂が望ましい。
ほかに樹脂としては、例えば、PTFE、PFA、FEP、ETFE、またはこれらの変性体等のフッ素樹脂が挙げられる。
第2の樹脂層114は、耐久性の向上を目的に、充填材等の添加物を含んでいてもよい。充填材の平均粒径は、0.01μm以上20μm以下が望ましい。充填材は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
第2の樹脂層114は、20μm以上150μm以下が望ましく、30μm以上100μm以下がより望ましく、40μm以上80μm以下が更に望ましい。
〔接着層〕
摺動部材の厚さ方向に積層された各層間には、一つの層と別の層とを接着する接着層が存在していてよい。
接着層は、耐熱性シリコーン樹脂やエポキシ系樹脂等の公知の接着剤により形成された層でもよく、接着シートを用いて形成された層でもよい。
本実施形態に係る摺動部材が、フッ素樹脂層112に凹部として貫通穴が設けられた態様である場合、この貫通穴を埋めることのないよう、接着剤よりも接着シートを用いることが望ましく、この貫通穴と同じ形状の穴を有する接着シートを用いてもよい。
接着シートとしては、融点以上に加熱することで熱融着を起こし、積層された各層間を接着し得る接着シートが望ましい。加えて、潤滑剤(オイル)と反応せず、潤滑剤(オイル)による劣化及び潤滑剤(オイル)の劣化が起こり難い観点から、フッ素系接着シートが望ましい。具体的には、商品名シルキーボンド(潤工社製)が挙げられる。
接着シートの厚さは、10μm以上30μm以下が望ましい。
〔摺動部材の製造方法〕
図1(A)に示される摺動部材101Aは、例えば以下の製造方法で作製し得る。
まず、樹脂層110となる樹脂シート、即ち、中空ガラスフィラー120を含有する樹脂シートを作製する。例えば、樹脂パウダーと中空ガラスフィラーとを混合し、この混合物を金型に入れ圧縮成形し、次いで樹脂の融点以上に加熱焼成してシート材料を得る。そして、このシート材料を削って、目的とする厚さのガラスフィラー含有樹脂シートを得る。
次に、樹脂層110となるガラスフィラー含有樹脂シートと、フッ素樹脂層112となるフッ素樹脂シートとを、接着剤又はフッ素系接着シートを間に介して積層し、積層体(フッ素樹脂シート/接着剤又はフッ素系接着シート/ガラスフィラー含有樹脂シート)を作製する。
フッ素樹脂層112となるフッ素樹脂シートは、市販のシート材料でもよく、フッ素樹脂パウダーを材料にして成形したシート材料でもよい。
次に、上記の積層体の上下から圧力と熱を加えることにより、フッ素樹脂層112となるフッ素樹脂シートと、樹脂層110となるガラスフィラー含有樹脂シートとを貼り合せる。
フッ素系接着シートを使用する場合、貼り合せの際に積層体に印加される圧力は、例えば1.0MPa以上2.0MPa以下であり、加熱温度は、例えば320℃以上350℃以下である。
図1(A)に示される摺動部材101Aは、例えば以下の製造方法でも作製し得る。
まず、フッ素樹脂層112となるフッ素樹脂シートを用意する。
そして、樹脂溶液中に中空ガラスフィラーを分散させた分散液を用意し、この分散液をフッ素樹脂層112となるフッ素樹脂シートの一方の面に塗布し、加熱焼成して、中空ガラスフィラーを含有する樹脂層110を形成する。
図1(B)に示される摺動部材101Bは、摺動部材101Aの製造方法と同様にして、但し、樹脂層110となるガラスフィラー含有シートのもう一方の面に、さらに樹脂シートを貼り合せて製造される。
フッ素樹脂層112の摺動面に凹部を設ける場合は、下記の方法で凹部を形成し得る。
まず、押付面に凸部を有する金型を準備する。
そして、フッ素樹脂層112の露出面に前記金型を押し付けて、フッ素樹脂のガラス転移温度以上に加熱し、前記凸部に対応する凹部又は貫通穴を、フッ素樹脂層112に形成する。
フッ素樹脂層112の摺動面に凹部を設ける方法としては、フッ素樹脂層112となるフッ素樹脂シートに予め凹部を形成しておき、このフッ素樹脂シートを樹脂層110となるガラスフィラー含有樹脂シートに貼り合せてもよい。
<定着装置>
本実施形態に係る定着装置は、第1回転体と、前記第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、前記第2回転体の内部に配置され、前記第2回転体の内面から前記第2回転体を前記第1回転体へ押圧する押圧部材と、前記第2回転体の内面と前記押圧部材との間に介在する本実施形態に係る摺動部材と、前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方を加熱する加熱源と、を備える。
本実施形態に係る定着装置は、本実施形態に係る摺動部材を備えることにより、省エネルギーと長寿命が達成される。
本実施形態に係る定着装置としては、種々の構成があるが、下記の2つの実施形態を具体的に説明する。
第1実施形態として、加熱源を有する加熱ロールと、押圧パッドが押圧された加圧ベルトと、を備えた定着装置を説明する。
第2実施形態として、加熱源を有し押圧パッドが押圧された加熱ベルトと、加圧ロールと、を備えた定着装置を説明する。
これらの定着装置におけるシート状の摺動部材として、本実施形態に係る摺動部材が適用される。
〔第1実施形態に係る定着装置〕
図2を参照して、第1実施形態に係る定着装置60について説明する。
図2は、第1実施形態に係る定着装置60の構成を示す概略図である。
定着装置60は、加熱ロール61(第1回転体の一例)と、加圧ベルト62(第2回転体の一例)と、押圧パッド64(押圧部材の一例)と、摺動部材68(本実施形態に係る摺動部材の一例)と、ハロゲンランプ66(加熱源の一例)と、を備える。
加熱ロール61と加圧ベルト62とは、外周面で接触して印加し合う。加圧ベルト62が加熱ロール61に押圧していてもよく、加熱ロール61が加圧ベルト62に押圧していてもよい。加熱ロール61と加圧ベルト62とが接触した領域には、挟込領域N(ニップ部)が形成される。
加熱ロール61は、その内部にハロゲンランプ66(加熱源の一例)を備える。加熱源は、ハロゲンランプに限られず、発熱する他の発熱部材でもよい。
加熱ロール61の外周面には、感温素子69が接触して配置されている。感温素子69による温度計測値に基づいて、ハロゲンランプ66の点灯が制御され、加熱ロール61の表面温度が設定した温度(例えば150℃)に維持される。
加熱ロール61は、例えば金属製のコア(円筒状芯金)611の周囲に耐熱性弾性体層612及び離型層613をこの順に積層して構成される。
加圧ベルト62は、加熱ロール61の外周面に接して配置されている。
加圧ベルト62は、その内部に配置された押圧パッド64とベルト走行ガイド63とによって回転自在に支持されている。
押圧パッド64は、加圧ベルト62の内側に配置され、加圧ベルト62を介して加熱ロール61と印加し合う。
押圧パッド64は、挟込領域Nの入口側に前挟込部材64aを備え、挟込領域Nの出口側に剥離挟込部材64bを備える。
前挟込部材64aは、加熱ロール61の外周形状に沿う凹形状に構成されて、挟込領域Nの長さ(摺動方向の距離)を確保する。
剥離挟込部材64bは、加熱ロール61の外周面に対し突出する形状に構成されて、挟込領域Nの出口領域において加熱ロール61に局所的な歪みを生じさせ、定着後の記録媒体の加熱ロール61からの剥離を容易にする。
摺動部材68は、シート状に構成され、加圧ベルト62と押圧パッド64との間に、その摺動面が加圧ベルト62の内周面と接するように配置されている。
摺動部材68は、加圧ベルト62の内周面と押圧パッド64との摺動抵抗を小さくするために、前挟込部材64a及び剥離挟込部材64bを覆うように配置される。
保持部材65は、押圧パッド64と摺動部材68とを保持する。保持部材65は、例えば金属製である。
保持部材65には、ベルト走行ガイド63が取り付けられている。ベルト走行ガイド63に沿って加圧ベルト62が回転する。
ベルト走行ガイド63には、加圧ベルト62の内周面に潤滑剤(オイル)を供給する手段である潤滑剤供給装置67が取り付けられていてもよい。
挟込領域Nの下流側には、記録媒体の剥離の補助手段として、剥離部材70が備えられる。剥離部材70は、剥離爪71と、剥離爪71を保持する保持部材72と、を備える。剥離爪71は、加熱ロール61の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に加熱ロール61と近接する状態で配置されている。
加熱ロール61は、駆動装置(不図示)により矢印Cの方向に回転し、この回転に従動して加圧ベルト62は、加熱ロール61の回転方向と反対の方向に回転する。
未定着トナー像を有する用紙K(記録媒体)は、定着入口ガイド56によって導かれて、挟込領域Nに搬送される。そして、用紙Kが挟込領域Nを通過する際に、用紙K上のトナー像は挟込領域Nに作用する圧力と熱とによって定着される。
〔第2実施形態に係る定着装置〕
図3を参照して、第2実施形態に係る定着装置80について説明する。
図3は、第2実施形態に係る定着装置80の構成を示す概略図である。
定着装置80は、加圧ロール88(第1回転体の一例)と、加熱ベルト84(第2回転体の一例)と、押圧パッド87(押圧部材の一例)と、摺動部材82(本実施形態に係る摺動部材の一例)と、電磁誘導装置90(加熱源の一例)とを備えた、電磁誘導発熱方式の定着装置である。
加圧ロール88は、加熱ベルト84の外周面に押圧して配置され、加圧ロール88と加熱ベルト84とが接触する領域に挟込領域N(ニップ部)が形成されている。
加圧ロール88は、例えば、基材層88A、弾性層88B、及び離型層88Cを有する。
加熱ベルト84は、内周側から順に、例えば、基材層、電磁誘導によって発熱する発熱層、弾性層、及び離型層が積層されて、無端状に構成されている。
加熱ベルト84の内側には、加圧ロール88と対向する位置に押圧パッド87が配置されている。押圧パッド87は、支持体86によって支持されており、加熱ベルト84が巻き掛けられ、加熱ベルト84を加圧ロール88へ押圧する。押圧パッド87は、例えば、金属、耐熱樹脂、耐熱ゴム等からなる部材である。
例えば押圧パッド87の上流には、加熱ベルト84の内周面に潤滑剤(オイル)を供給する手段である潤滑剤供給装置(不図示)が取り付けられていてもよい。
摺動部材82は、シート状に構成され、加熱ベルト84と押圧パッド87との間に、その摺動面が加熱ベルト84の内周面と接するように配置されている。
電磁誘導装置90は、加熱ベルト84を挟んで加圧ロール88と対向する位置に配置され、加熱ベルト84の発熱層を電磁誘導によって発熱させる。
電磁誘導装置90は、電磁誘導コイル(励磁コイル)91を内蔵する。電磁誘導装置90は、電磁誘導コイル91に交流電流を印加し磁場を発生させ、この磁場を励磁回路で変化させ、加熱ベルト84の発熱層に渦電流を発生させる。この渦電流が発熱層の電気抵抗によって熱(ジュール熱)に変換され、加熱ベルト84の表面が発熱する。
加熱ベルト84は、駆動装置(不図示)により矢印Cの方向に回転し、この回転に従動して加圧ロール88は、加熱ベルト84の回転方向と反対の方向に回転する。
未定着トナー像Tを有する用紙K(記録媒体)は、定着装置80の挟込領域Nに搬送される。そして、用紙Kが挟込領域Nを通過する際に、用紙K上のトナー像は挟込領域Nに作用する圧力と熱とによって定着される。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記トナー像を記録媒体に定着する本実施形態に係る定着装置と、を備える。
以下に、本実施形態に係る画像形成装置について、一例である電子写真方式の画像形成装置を挙げて説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真方式の画像形成装置に限られず、電子写真方式以外の公知の画像形成装置(例えば、用紙搬送用の無端ベルトを備えたインクジェット記録装置など)であってよい。
図4を参照して、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す概略図である。画像形成装置100は、既述の第1実施形態の定着装置60を備える。画像形成装置100は、定着装置60に替えて、既述の第2実施形態に係る定着装置80を備えてもよい。
画像形成装置100は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置である。画像形成装置100は、電子写真方式により各色のトナー像が形成される画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、各色のトナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)する一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー像を記録媒体である用紙Kに一括転写(二次転写)する二次転写部20と、二次転写された画像を用紙K上に定着させる定着装置60と、各装置(各部)の動作を制御する制御部40と、を備える。
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、1Y(イエロー用ユニット)、1M(マゼンタ用ユニット)、1C(シアン用ユニット)、1K(ブラック用ユニット)の順に、略直線状に配置されている。
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kはそれぞれ、感光体11(像保持体の一例)を備える。感光体11は、矢印Aの方向に回転する。
感光体11の周囲には、帯電器12(帯電装置の一例)と、レーザー露光器13(潜像形成装置の一例)と、現像器14(現像装置の一例)と、一次転写ロール16と、感光体クリーナ17とが、感光体11の回転方向に沿って順次配設されている。
帯電器12は、感光体11の表面を帯電させる。
レーザー露光器13は、露光ビームBmを発して、感光体11上に静電潜像を形成する。
現像器14は、各色のトナーを収容しており、感光体11上の静電潜像をトナーにより可視像化する。
一次転写ロール16は、感光体11上に形成されたトナー像を、一次転写部10において、中間転写ベルト15に転写する。
感光体クリーナ17は、感光体11上の残留トナーを除去する。
中間転写ベルト15は、ポリイミド又はポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を添加した材料からなるベルトである。中間転写ベルト15は、体積抵抗率が例えば10Ωcm以上1014Ωcm以下であり、厚さが例えば0.1mmである。
中間転写ベルト15は、駆動ロール31、支持ロール32、張力付与ロール33、背面ロール25、及びクリーニング背面ロール34によって支持され、駆動ロール31の回転に従って矢印Bの方向に循環駆動(回転)される。
駆動ロール31は、定速性に優れたモータ(不図示)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる。
支持ロール32は、4個の感光体11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を、駆動ロール31と共に支持する。
張力付与ロール33は、中間転写ベルト15に一定の張力を与えると共に、中間転写ベルト15の蛇行を抑制する補正ロールとして機能する。
背面ロール25は、二次転写部20に設けられ、クリーニング背面ロール34は、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられる。
一次転写ロール16は、中間転写ベルト15を挟んで感光体11に圧接配置されて、一次転写部10を形成する。
一次転写ロール16には、トナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同じ。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加される。これにより、各感光体11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成される。
一次転写ロール16は、シャフト(例えば鉄、SUS等の金属の円柱棒)と、シャフトの周囲に固着した弾性層(例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合したブレンドゴムのスポンジ層)とで構成された円筒ロールである。一次転写ロール16は、体積抵抗率が例えば107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下である。
二次転写ロール22は、中間転写ベルト15を挟んで背面ロール25に圧接配置されて、二次転写部20を形成する。
二次転写ロール22は、背面ロール25との間に二次転写バイアスを形成し、二次転写部20に搬送される用紙K(記録媒体)上にトナー像を二次転写する。
二次転写ロール22は、シャフト(例えば鉄、SUS等の金属の円柱棒)と、シャフトの周囲に固着した弾性層(例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合したブレンドゴムのスポンジ層)とで構成された円筒ロールである。二次転写ロール22は、体積抵抗率が例えば107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下である。
背面ロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写ロール22との間に転写電界を形成する。
背面ロール25は、例えば、ゴム基材をカーボンを分散したブレンドゴムのチューブで被覆して構成される。背面ロール25は、表面抵抗率が例えば10Ω/□以上1010Ω/□以下であり、硬度が例えば70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同じ。)である。
背面ロール25には、金属製の給電ロール26が接触配置されている。給電ロール26は、トナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)を印加し、二次転写ロール22と背面ロール25との間に転写電界を形成させる。
中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、中間転写ベルトクリーナ35が、中間転写ベルト15に対し接離自在に設けられている。中間転写ベルトクリーナ35は、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去する。
画像形成ユニット1Yの上流側には、基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。基準センサ42は、各画像形成ユニットにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する。基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられたマークを認識して基準信号を発生し、この基準信号を認識した制御部40からの指示により、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは画像形成を開始する。
画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。
画像形成装置100は、用紙Kを搬送する搬送手段として、用紙収容部50と、給紙ロール51と、搬送ロール52と、搬送ガイド53と、搬送ベルト55と、定着入口ガイド56とを備える。
用紙収容部50は、画像形成前の用紙Kを収容する。
給紙ロール51は、用紙収容部50に収容されていた用紙Kを取り出す。
搬送ロール52は、給紙ロール51により取り出された用紙Kを搬送する。
搬送ガイド53は、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へ送り込む。
搬送ベルト55は、二次転写部20で画像が転写された用紙Kを定着装置60へ搬送する。
定着入口ガイド56は、用紙Kを定着装置60に導く。
次に、画像形成装置100による画像形成方法について説明する。
画像形成装置100では、画像読取装置(不図示)やコンピュータ(不図示)等から出力された画像データが画像処理装置(不図示)により画像処理され、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kによって作像作業が実行される。
画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザー露光器13に出力される。
レーザー露光器13は、入力された色材階調データに応じて、露光ビームBmを画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各感光体11に照射する。
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各感光体11は、帯電器12によって表面が帯電された後、レーザー露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。各感光体11上に形成された静電潜像は、各画像形成ユニットによって各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各感光体11上に形成されたトナー像は、各感光体11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。一次転写部10では、一次転写ロール16により中間転写ベルト15にトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加され、トナー像が中間転写ベルト15上に順次重ねて転写される。
中間転写ベルト15上に一次転写されたトナー像は、中間転写ベルト15が移動することによって、二次転写部20に搬送される。
トナー像が二次転写部20に到達するタイミングに合わせ、用紙収容部50に収容されていた用紙Kが、給紙ロール51、搬送ロール52及び搬送ガイド53によって搬送され、二次転写部20に供給され、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。
そして、転写電界が形成されている二次転写部20において、中間転写ベルト15上のトナー像が、用紙K上に静電転写(二次転写)される。
トナー像が静電転写された用紙Kは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離され、搬送ベルト55によって定着装置60まで搬送される。
定着装置60に搬送された用紙Kは、定着装置60によって加熱・加圧され、未定着トナー像が定着する。
以上の工程を経て、画像形成装置100によって記録媒体上に画像が形成される。
以下、実施例を挙げて本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態は以下に示す実施例にのみ限定されるものではない。
<実施例1>
〔中空ガラスフィラーを含有する樹脂シートの作製〕
PTFE樹脂(三井・デュポンフロロケミカル社製、テフロン(登録商標)PTFEモールディングパウダー)100質量部に、中空ガラスフィラー(シラックス社製シラスバルーン、SFB−082、粒径10μm)を10質量部添加し、PTFE樹脂と中空ガラスフィラーとを含む混合材料を得た。
この混合材料を金型に入れ圧縮成形し、次いでPTFE樹脂の融点以上に加熱焼成して、シート材料を得た。
このシート材料を削って、厚さ100μmのガラスフィラー含有フッ素樹脂シートを得た。
〔フッ素樹脂層の形成〕
前記PTFE樹脂で厚さ50μmのフッ素樹脂シートを作製し、このフッ素樹脂シートを前記ガラスフィラー含有フッ素樹脂シートの一方の面に接着剤で貼り合せ、二層構造の摺動部材を得た。
<実施例2>
前記中空ガラスフィラーの添加量を20質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、二層構造の摺動部材を得た。
<実施例3>
前記中空ガラスフィラーの添加量を50質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、二層構造の摺動部材を得た。
<実施例4>
前記中空ガラスフィラーの添加量を100質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、二層構造の摺動部材を得た。
<実施例5>
〔中空ガラスフィラーを含有する樹脂シートの作製〕
ポリイミド樹脂(宇部興産社製U−ワニスタイプS)100質量部に、前記中空ガラスフィラーを50質量部添加し、ポリイミド樹脂と中空ガラスフィラーとを含む混合材料を得た。
この混合材料を金型に入れ圧縮成形し、次いでポリイミド樹脂の融点以上に加熱焼成して、シート材料を得た。
このシート材料を削って、厚さ100μmのガラスフィラー含有ポリイミド樹脂シートを得た。
〔フッ素樹脂層の形成〕
前記PTFE樹脂で厚さ50μmのフッ素樹脂シートを作製し、このフッ素樹脂シートを前記ガラスフィラー含有ポリイミド樹脂シートの一方の面に接着剤で貼り合せ、二層構造の摺動部材を得た。
<実施例6>
〔中空ガラスフィラーを含有する樹脂シートの作製〕
前記中空ガラスフィラーの添加量を50質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ100μmのガラスフィラー含有フッ素樹脂シートを得た。
〔フッ素樹脂層の形成〕
前記PTFE樹脂で厚さ50μmのフッ素樹脂シートを作製し、このフッ素樹脂シートを前記ガラスフィラー含有フッ素樹脂シートの一方の面に接着剤で貼り合せた。
〔第2の樹脂層の形成〕
前記PTFE樹脂で厚さ50μmのフッ素樹脂シートを作製し、このフッ素樹脂シートを前記ガラスフィラー含有フッ素樹脂シートのもう一方の面に接着剤で貼り合せ、三層構造の摺動部材を得た。
<比較例1>
前記PTFE樹脂100質量部に、前記中空ガラスフィラーを10質量部添加し、PTFE樹脂と中空ガラスフィラーとを含む混合材料を得た。
この混合材料を金型に入れ圧縮成形し、次いでPTFE樹脂の融点以上に加熱焼成して、シート材料を得た。
このシート材料を削って、厚さ150μmのガラスフィラー含有フッ素樹脂シートを得た。このガラスフィラー含有フッ素樹脂シートを一層構造の摺動部材とした。
<比較例2>
前記中空ガラスフィラーの添加量を20質量部に変更した以外は比較例1と同様にして、一層構造の摺動部材を得た。
<比較例3>
前記中空ガラスフィラーの添加量を50質量部に変更した以外は比較例1と同様にして、一層構造の摺動部材を得た。
<比較例4>
前記中空ガラスフィラーを添加しない以外は比較例1と同様にして、一層構造の摺動部材を得た。
<比較例5>
前記中空ガラスフィラー10質量部を樹脂フィラー(宇部興産社製ポリイミドパウダーUIP−S、粒径10μm)50質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、二層構造の摺動部材を得た。
<評価>
評価用の画像形成装置として、図3に図示するような、加熱ロールと加圧ベルトとを備えた定着装置を有する富士ゼロックス社製AP−IV C5575を用意し、各実施例及び各比較例の摺動部材を、上記画像形成装置の定着装置に取り付けた。加圧ベルトの裏面と摺動部材の摺動面との間には、潤滑剤としてパーフルオロポリエーテルオイル(ダイキン工業社製S100)を介在させた。
〔ウォームアップ時間〕
画像形成装置を22℃/55RH%の環境下に24時間放置した後、前記環境下で定着装置を稼働させ、ニップの出口における加熱ロールの表面温度を、赤外放射温度計を用いて測定し、175℃に達するまでの時間を求めた。その結果を表1に示す。
〔摺動部材の摩擦係数〕
画像形成装置を、22℃/55RH%の環境下、プロセススピード194mm/秒で連続稼動させ、10枚通紙した時点(稼動初期)と200,000枚通紙した時点において、摩擦摩耗測定機(レスカ社製FRP−2000)を用いて摺動部材の摺動面の静止摩擦係数を測定した。その結果を表1に示す。

表1から分かるとおり、実施例1〜6の摺動部材は、比較例4及び5の摺動部材に比べて、ウォームアップ時間が短かった。
また、200,000枚の通紙により、比較例1〜3の摺動部材では、摺動面の静止摩擦係数の上昇が観察されたのに対し、実施例1〜6の摺動部材では、摺動面の静止摩擦係数の上昇が観察されなかった。
したがって、実施例1〜6の摺動部材は、断熱性に優れ且つ寿命が長い。
101A、101B 定着装置用摺動部材
110 樹脂層
112 フッ素樹脂層
112a 摺動面
114 第2の樹脂層
120 中空ガラスフィラー
60 定着装置
61 加熱ロール
62 加圧ベルト
63 ベルト走行ガイド
64 押圧パッド
65 保持部材
66 ハロゲンランプ
67 潤滑剤供給装置
68 摺動部材
80 定着装置
82 摺動部材
84 加熱ベルト
86 支持体
87 押圧パッド
88 加圧ロール
90 電磁誘導装置
91 電磁誘導コイル
100 画像形成装置
11 感光体(像保持体)
12 帯電器(帯電装置)
13 レーザー露光器(潜像形成装置)
14 現像器(現像装置)
15 中間転写ベルト
16 一次転写ロール(転写装置)
22 二次転写ロール(転写装置)

Claims (4)

  1. 中空ガラスフィラーを含有する樹脂層の一方の面に、摺動面を構成する、中空ガラスフィラーを含有しないフッ素樹脂層を有する、定着装置用摺動部材。
  2. 前記樹脂層は、前記中空ガラスフィラーを1質量%以上50質量%以下含む、請求項1に記載の定着装置用摺動部材。
  3. 第1回転体と、
    前記第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、
    前記第2回転体の内部に配置され、前記第2回転体の内面から前記第2回転体を前記第1回転体へ押圧する押圧部材と、
    前記第2回転体の内面と前記押圧部材との間に介在する摺動部材であって、請求項1又は請求項2に記載の定着装置用摺動部材と、
    前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方を加熱する加熱源と、
    を備える定着装置。
  4. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、
    帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
    前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
    前記トナー像を記録媒体に定着する請求項3に記載の定着装置と、
    を備える画像形成装置。
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