JP2013200527A - 定着部材、定着装置、および画像形成装置 - Google Patents

定着部材、定着装置、および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】表面層の表面における凹凸が抑制された定着部材の提供。
【解決手段】基材71と、基材71上にフッ素樹脂粒子73および耐熱性樹脂74を含む表面層72と、を有し、フッ素樹脂粒子73は、表面層72の厚さ方向から観察した際の平均粒子径が5μm以上200μm以下であり、表面層72の厚さ方向への断面を観察した際の最長部分長さ(T1)と厚さ(T2)との比率(T1/T2)の平均値が3以上20以下の偏平形状であり、且つ前記断面を観察した際の前記最長部分の方向が基材71の表面に対して配向してなる定着部材。
【選択図】図4

Description

本発明は、定着部材、定着装置、および画像形成装置に関する。
加熱定着ロールに定着ベルトを接触面が形成されるように接触させ、加熱定着ロールと定着ベルトとの間にシートを通過させることで未定着トナー像を加熱定着する画像定着装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、定着ベルトおよび加熱ロールの表面層において、無機充填剤粒子を配合したテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体(PFA)からなるフッ素樹脂からなる、互いに粒径の異なる2種以上のPFA粒子が混合された構成が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
また、メルトフローレート(溶融時粘度)の互いに異なる複数種類のフッ素樹脂からなる最外層を有する定着ベルトにおいて、これら複数種類のフッ素樹脂が、分子鎖中の酸素原子数/炭素原子数の比率が1/60以上のPFAであり、372℃、5kgf荷重におけるメルトフローレートが7[g/10min]以上のフッ素樹脂と、3[g/10min]以下のフッ素樹脂からなり、粒子径が互いに異なる複数のフッ素樹脂からなる構成が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
また、平均粒径が0.5μm以上2μm以下の小粒子フッ素樹脂群と、平均粒径が5μm以上30μm以下の大粒子フッ素樹脂群が混合された塗料を塗布することで設けられた最外層を有する定着用回転体が知られている(例えば、特許文献4参照。)。
さらに、メルトフローレートが1g/分以上5g/分以下の第1のフッ素樹脂粒子とメルトフローレートが10g/分以上22g/分以下の第2のフッ素樹脂粒子と、ガラス粒子を含む塗料であって、第2のフッ素樹脂粒子の含量が、第1および第2のフッ素樹脂の合計量の10質量%以上55質量%以下、ガラス粒子の含量がフッ素樹脂合計量の0.5質量%以上30質量%以下である塗料を塗布することで設けられたフッ素樹脂層を有する定着回転体が知られている(例えば、特許文献5参照。)。
さらに、平均粒径0.01μm以上1.0μm以下の小粒子と3.0μm以上80μm以下の大粒子とからなる双峰性の粒子径分布を有するフッ素樹脂分散液中に基材を浸漬し、フッ素樹脂分散液中で少なくとも基材表面に接触するフッ素樹脂分散液のチキソトロピー係数を低下させながらフッ素樹脂分散液を塗布し乾燥、焼成したフッ素樹脂被膜形成物が知られている(例えば、特許文献6参照。)。
特許第3298354号明細書 特許第4251031号明細書 特許第4312669号明細書 特開2007−264542号公報 特開2008−33086号公報 特開2009−45577号公報
本発明は、表面層の表面における凹凸が抑制された定着部材を提供することを目的とする。
上記課題は以下の本発明によって解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
基材と、該基材上にフッ素樹脂粒子および耐熱性樹脂を含む表面層と、を有し、
前記フッ素樹脂粒子は、前記表面層の厚さ方向から観察した際の平均粒子径が5μm以上200μm以下であり、前記表面層の厚さ方向への断面を観察した際の最長部分長さ(T1)と厚さ(T2)との比率(T1/T2)の平均値が3以上20以下の偏平形状であり、且つ前記断面を観察した際の前記最長部分の方向が前記基材の表面に対して配向してなる定着部材である。
請求項2に係る発明は、
前記フッ素樹脂粒子が導電性を有する請求項1に記載の定着部材である。
請求項3に係る発明は、
前記表面層における前記フッ素樹脂粒子の含有率が40質量%以上80質量%以下である請求項1または請求項2に記載の定着部材である。
請求項4に係る発明は、
円筒形状を有し外周面の周回移動が自在な第1の周回移動体と、
請求項1に記載の定着部材が適用され、前記第1の周回移動体との間に、トナー像が表面に形成された記録媒体を挟んで周回移動し、前記トナー像に圧力を付与して該トナー像を定着する第2の周回移動体と、を備える定着装置である。
請求項5に係る発明は、
トナー像を形成し、記録媒体上に該トナー像を転写する画像形成部と、
前記請求項4に記載の定着装置と、
を備える画像形成装置である。
請求項1に係る定着部材は、表面層に含まれるフッ素樹脂粒子が、表面層の厚さ方向から観察した際の平均粒子径が5μm以上200μm以下であり、表面層の厚さ方向への断面を観察した際の最長部分長さ(T1)と厚さ(T2)との比率(T1/T2)の平均値が3以上20以下の扁平形状であり、且つ前記断面を観察した際の前記最長部分の方向が前記基材の表面に対して配向してなるとの要件を満たさない場合に比べ、表面層の表面における凹凸が抑制された定着部材が提供される。
請求項2に係る定着部材は、フッ素樹脂粒子が導電性を有さない場合に比べ、画像定着の際の帯電が抑制された定着部材が提供される。
請求項3に係る定着部材は、表面層におけるフッ素樹脂粒子の含有率が40質量%以上80質量%以下でない場合に比べ、表面層の表面における凹凸が抑制された定着部材が提供される。
請求項4に係る定着装置は、表面層に含まれるフッ素樹脂粒子が、表面層の厚さ方向から観察した際の平均粒子径が5μm以上200μm以下であり、表面層の厚さ方向への断面を観察した際の最長部分長さ(T1)と厚さ(T2)との比率(T1/T2)の平均値が3以上20以下の扁平形状であり、且つ前記断面を観察した際の前記最長部分の方向が前記基材の表面に対して配向してなるとの要件を満たす定着部材を第2の周回移動体として適用しない場合に比べ、光沢ムラの発生が抑制された画像が得られる定着装置が提供される。
請求項5に係る画像形成装置は、表面層に含まれるフッ素樹脂粒子が、表面層の厚さ方向から観察した際の平均粒子径が5μm以上200μm以下であり、表面層の厚さ方向への断面を観察した際の最長部分長さ(T1)と厚さ(T2)との比率(T1/T2)の平均値が3以上20以下の扁平形状であり、且つ前記断面を観察した際の前記最長部分の方向が前記基材の表面に対して配向してなるとの要件を満たす定着部材を第2の周回移動体として適用した定着装置を備えない場合に比べ、光沢ムラの発生が抑制された画像が得られる画像形成装置が提供される。
本実施形態の一実施形態である画像形成装置を示す概略構成図である。 図1に示す定着装置の構成を示す断面図である。 図2に示す定着装置を、用紙が搬送される方向から見た断面図である。 図2に示す定着ベルトの一部を切り取って示した拡大斜視図である。 第2実施形態の定着装置の構成を示す断面図である。 従来の定着部材ベルトの一部を切り取って示した拡大斜視図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る定着部材は、基材と、該基材上にフッ素樹脂粒子および耐熱性樹脂を含む表面層と、を有し、前記フッ素樹脂粒子は、前記表面層の厚さ方向から観察した際の平均粒子径が5μm以上200μm以下であり、前記表面層の厚さ方向への断面を観察した際の最長部分長さ(T1)と厚さ(T2)との比率(T1/T2)の平均値が3以上20以下の扁平形状であり、且つ前記断面を観察した際の前記最長部分の方向が前記基材の表面に対して配向してなる。
画像形成装置の定着装置に用いられる定着ベルトや定着ロールの表面層(離型層)においては、長寿命化の観点からより膜厚を厚膜化することが求められる。厚膜化する際には、図6に示すごとく、含有される離型成分であるフッ素樹脂粒子として、平均粒子径が5μm以上の粒子径の大きなフッ素樹脂粒子173を含有させることがあるが、表面層172に上記平均粒子径範囲の大粒径のフッ素樹脂粒子173を含有させると表面に凹凸が生じ表面粗さが大きくなることがあった。また、この定着部材を用いて得られる画像においては、光沢ムラが発生することがあった。
これに対し、本実施形態に係る定着部材では、表面層に該表面層の厚さ方向から観察した際の平均粒子径、および前記表面層の厚さ方向への断面を観察した際の最長部分長さ(T1)と厚さ(T2)との比率(T1/T2)の平均値が上記範囲の扁平形状であり、且つ前記断面を観察した際の前記最長部分の方向が基材の表面に対して配向してなるフッ素樹脂粒子が含有される。扁平形状のフッ素樹脂粒子が基材の表面に対して配向して含有されることにより、表面層の表面における凹凸の発生が抑制され、表面粗さが大きくなることが抑制される。その結果、本実施形態に係る定着部材を用いて得られる画像においては、光沢ムラの発生が抑制される。
また、表面粗さが大きくなることが抑制されるため、定着部材の表面における偏摩耗の発生も抑制される。
更に、比率(T1/T2)の平均値が上記範囲である扁平形状のフッ素樹脂粒子を含有する本実施形態に係る定着部材であっても、扁平形状でないフッ素樹脂粒子を含有する場合に比べ、同等の優れた離型性が得られる。
また、表面層の形成工程では、フッ素樹脂粒子が分散した塗布液を基材上に塗布し乾燥して分散媒を蒸発させた後に焼成し、フッ素樹脂粒子の少なくとも一部を溶融させる方法等により表面層が形成される。しかし、乾燥の際には塗布膜面に沿った面方向の収縮によって塗膜表面にひび割れ(クラック)が発生することがあり、特に前記耐熱性樹脂としてフッ素樹脂以外の後述の樹脂を用いた場合には、該ひび割れ(クラック)の発生がより顕著となる。
また、上記ひび割れは、表面層が厚いほど顕著となる傾向にある。
本実施形態における表面層は、比率(T1/T2)の平均値が上記範囲の扁平形状のフッ素樹脂粒子が含有され、乾燥時において塗膜面に垂直方向の収縮に比べ塗膜面に沿った面方向の収縮が小さくなるため、塗膜表面のひび割れの発生が抑えられるものと考えられる。
ここで、比率(T1/T2)の平均値が上記範囲の扁平形状のフッ素樹脂粒子の割合が高いほど、また該フッ素樹脂粒子の平均粒径が大きいほど、乾燥時に塗膜面に垂直方向の収縮に比べた塗布膜面に沿った面方向の収縮は小さくなるものと考えられる。そのため、ひび割れの発生がより効率的に抑制され、更なる膜厚化が容易に達成される。
尚、本実施形態においてフッ素樹脂粒子が「扁平形状」であるとは、前述の通り表面層の厚さ方向への断面を観察した際の最長部分長さ(T1)と厚さ(T2)との比率(T1/T2)の平均値が3以上20以下であることを表す。
また、比率(T1/T2)の平均値が上記範囲である扁平形状のフッ素樹脂粒子は、前記の通り塗布液として基材上に塗布されることで最長部分の方向が基材の表面に対して配向するよう配置され、その後乾燥等の工程を経ることで硬化され、扁平形状のフッ素樹脂粒子が基材の表面に対して配向した表面層が得られる。
以下図面を参照して本実施形態を説明する。
[画像形成装置]
図1は、本実施形態の一実施態様にかかる画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置100は、中間転写方式のプリンタである。画像形成装置100は、電子写真方式により各色成分のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(1次転写)させる1次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録媒体である用紙Pに一括転写(2次転写)させる2次転写部20と、2次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置と、を備えている。画像形成装置100には、各装置各部の動作を制御する制御部40も備えられている。ここで、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、中間転写ベルト15、1次転写部10、および2次転写部20の組合せが、本実施形態にいう画像形成部の一例に相当する。
画像形成装置100は、いわゆるタンデム型のプリンタであり、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)が並列的に配置されている。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、使用するトナーの色が異なる以外は互いに等しい構成を有している。
イエローを担当する画像形成ユニット1Yに代表させて符号を付して説明すると、画像形成ユニット1Yは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11と、感光体ドラム11を帯電する帯電器12と、感光体ドラム11上に露光ビームBmを照射して静電潜像を書き込むレーザ露光器13と、イエローのトナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより現像する現像器14と、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルトに転写する1次転写部10と、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ17とを有する。
中間転写ベルト15は、例えば、樹脂に帯電防止剤を含有させた材料であるフィルム状の無端のベルトである。中間転写ベルト15は、複数のロールに架け渡されており、図1に示すB方向に周回移動している。中間転写ベルト15が架け渡されるロールは、中間転写ベルトを駆動する駆動ロール31と、中間転写ベルト15が感光体ドラムの配列に沿って延びた領域の両端を支持する支持ロール32と、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与える張力ロール33と、2次転写部に設けられる背面ロール25と、クリーニング部に設けられたクリーニング部背面ロール34である。駆動ロールは、モータ(図示せず)により駆動されて、中間転写ベルト15を予め定められた速度で周回移動させる。張力ロールは、中間転写ベルトの蛇行を防止する補正ロールとしても機能する。
1次転写部は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置された1次転写ロール16を有する。1次転写ロール16は、感光体ドラム11との間に中間転写ベルト15を挟み付けている。1次転写ロール16には、トナーの帯電極性(本例では、マイナス極性。以下同じ。)とは逆極性の電圧(1次転写バイアス)が印加される。
2次転写部は、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される2次転写ロール22と、背面ロール25と、背面ロール25に2次転写バイアスを印加する給電ロール26とを備えている。背面ロール25は、中間転写ベルト15の内周面側、すなわち、中間転写ベルト15を挟んで2次転写ロール22の反対側に配置されており、2次転写ロール22の対向電極をなしている。また、黒の画像形成ユニット1Kよりも下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。
また、中間転写ベルト15の2次転写部20よりも下流側には、2次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去することで、中間転写ベルト表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット1Yよりも上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。
さらに、画像形成装置100は、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙収容部50と、この用紙収容部50に集積された用紙Pを繰り出す取り出しロール51と、用紙Pを搬送する搬送ロール52と、搬送ロール52により搬送された用紙Pを2次転写部へと案内する案内部材53と、2次転写ロール22により2次転写された後の用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55と、用紙Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56と、を備えている。
定着装置60は、図2に示すごとく、定着ロール61と定着ベルト62とを有している。定着ロール61は加熱されるとともに回転する。定着ベルト62は、定着ロール61に従動して周回移動する。定着ロール61および定着ベルト62は、用紙Pを間に挟んで加熱および加圧することによって、未定着トナー像を用紙P上に定着する。定着装置60のより詳細な構成については、後に説明する。
次に、画像形成装置100の基本的なプロセスについて説明する。
画像形成装置100は、図示しない画像読取装置やパーソナルコンピュータ(PC)から出力された画像データに画像処理を施した後、画像データをY、M、C、Kの4色の色材階調データに変換し、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kのレーザ露光器13に供給する。レーザ露光器13は、供給された色材階調データに応じて、例えば、半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射する。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11は、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの現像器14によって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、1次転写部10において、中間転写ベルト15上の表面に順次重ね合わせて転写される。トナー像は、中間転写ベルト15の表面に順次転写された後、中間転写ベルト15の移動に伴って2次転写部に搬送される。この一方で、用紙搬送系では、トナー像が2次転写部20に搬送されるタイミングに合わせて取り出しロール51が用紙収容部に収容された用紙Pを繰り出す。取り出しロール51によって繰り出された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせて2次転写部20に到達する。
2次転写部20は、中間転写ベルト15上に保持されたトナー像を、中間転写ベルト15と2次転写ロール22との間に挟み込まれた用紙P上に転写する。トナー像が静電転写された用紙Pは、搬送ベルト55によって定着装置60まで搬送される。定着装置60は、用紙P上のトナー像に熱および圧力を加え、用紙P上にトナー像を定着する。定着画像が形成された用紙Pは排紙部(図示しない)に排出される。
一方、2次転写部20で中間転写ベルト15から用紙Pに転写しきれず中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
[定着装置]
ここで、図1に示す画像形成装置を構成する定着装置について説明する。定着装置は、本実施形態の定着装置の一実施形態である。
図2は、図1に示す定着装置の構成を示す断面図である。また、図3は、図2に示す定着装置を、用紙が搬送される方向から見た断面図である。
図2および図3に示す定着装置は、定着ロール61と、定着ベルト62と、定着ベルト62を定着ロール61に押し付ける圧力パッド64と、シート状の低摩擦シート68を備えている。また、定着装置60の接触領域Nより下流には、用紙Pを定着ロール61から剥離する補助手段として剥離補助部材70が配設されている。剥離補助部材70は、定着ロール61と接近する状態で配置される剥離バッフル71と、剥離バッフル71を保持するバッフルホルダ72を備えている。
ここで、定着ロール61が、本実施形態にいう第1の周回移動体の一例に相当し、定着ベルト62が、本実施形態にいう第2の周回移動体の一例に相当する。定着ベルト62はまた、本実施形態にいう定着部材の一実施形態でもある。
定着ロール61は、例えば、金属製のコア(円筒状芯金)611の周囲に耐熱性弾性体層612、および離型層613が積層された円筒状ロールである。
コアの材料は、例えばアルミニウム、SUS(ステンレス鋼)、または鉄製である。コアの外径は、通常20mm以上40mm以下であり、肉厚は、例えば、コアがアルミニウム製の場合は1mm以上3mm以下、SUSまたは鉄製の場合は0.15mm以上1.5mm以下である。
耐熱性の弾性体層の材料は、例えば、硬度が15°以上45°以下(JIS−A)のシリコーンゴム、フッ素ゴムである。
離型層の材料は、例えばフッ素樹脂である。離型層の材料は、より具体的には、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、または、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)である。また、それら樹脂の複合材料や、それらの樹脂に例えばカーボン、アルミニウムナ、硫酸バリウムに代表される充填剤を配合した材料も採用され得る。離型層の厚みは、望ましくは5μm以上50μm以下、より望ましくは10μm以上40μm以下である。本実施形態では、厚さ30μmのPFAチューブを被覆している。
定着ロール61は、定着装置60本体に回転自在に支持されており、定着ロール61の外周面は、定着ロール61の回転に伴い周回移動する。外周面の移動速度は、例えば、194mm/secである。
定着ロール61の内部には、発熱源として、例えばハロゲンヒータ66が配設されている。一方、定着ロール61の外側には温度センサ69が接触して配置されている。画像形成装置の制御部(図1参照)は、温度センサ69による温度計測値に基づいてハロゲンヒータ66の点灯を制御し、定着ロール61の外周温度を、予め定められた温度(例えば、170℃)に維持している。
定着ベルト62は、周回移動の方向に無端な帯状のベルトである。定着ベルト62は、定着ベルトの内部に配置された圧力パッド64とベルト走行ガイド63と、さらに図3に示すように、両端部に配置された蛇行防止部材80に、周回移動が自在に支持されている。定着ベルト62の構造については後述する。ベルト走行ガイド63は低摩擦材料で形成されており、定着ベルト62の内周面との摺擦抵抗が低減されている。また、ベルト走行ガイド63は低熱伝導性材料で形成され、定着ベルト62からの熱伝導を抑制している。
定着ベルト62は、接触領域Nにおいて定着ロール61と外周面同士が接触しており、定着ロール61の回転方向Cへの回転に伴い、周回移動方向Dに周回移動する。定着ベルト62は、定着ロール61に対して相対的に加圧して配置されている。接触領域Nには、定着入口ガイド56を介し用紙Pが供給される。なお、接触領域Nに供給する記録媒体は、用紙Pに限られず、例えば樹脂フィルム等のシートであってもよい。
圧力パッド64は、定着ベルト62の内側に配置されており、定着ベルト62を介して定着ロール61に押し付けられている。定着ベルト62が定着ロール61に押し付けられることで接触領域Nが形成されている。圧力パッド64は、ホルダ65に支持されている。
圧力パッド64は、プレニップ用の弾性圧力パッド64aおよび高剛性パッド64bを有する。弾性圧力パッド64aは、接触領域Nの入口側(用紙の搬送方向における上流側)で定着ロール61に押し付けており、幅の広い接触領域Nを確保している。高剛性パッド64bは、定着ベルト62を接触領域Nの出口側(下流側)で定着ロール61に押し付けて、定着ロール61に歪みを与えている。
弾性圧力パッド64aは、例えばシリコーンゴム、フッ素ゴムに代表される弾性体であり、板バネも採用され得る。また、弾性圧力パッド64aの定着ロール61に向いた面は、定着ロール61の外周面形状に沿った凹面状を有している。
高剛性パッド64bの材料は、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミドに代表される耐熱性樹脂であるが、それらの樹脂に例えばガラスファイバーを添加し強化した材料も採用され得る。また、材料には鉄、アルミニウム、SUSに代表される金属も採用され得る。
弾性圧力パッド64aおよび高剛性パッド64bのうちの、定着ベルト62と接する面には、低摩擦シート68が設けられている。低摩擦シート68は、定着ベルト62の内周面と圧力パッド64との摺動抵抗を低減している。低摩擦シート68の材料は、例えば、焼結成型したPTFE樹脂シート、フッ素樹脂を含浸させたガラス繊維シート、または、ガラス繊維にフッ素樹脂のフィルムシートを加熱融着して挟み込んだ積層シートである。圧力パッド64と定着ロール61との間には、バネ等の部材(図示せず)によって荷重が負荷され、その荷重は、例えば、A4サイズ対応(A4SEF通紙幅対応)の装置で100N以上350N以下、A3サイズ対応(A4LEF通紙幅対応)の装置で150N以上450N以下である。
また、ホルダ65の下には、潤滑剤塗布部材67が配置されている。潤滑剤塗布部材67は、図3に示す、定着ベルト62の周回移動の方向と交わる幅方向Wに延びた形状を有し、定着ベルト62の内周面に接している。潤滑剤塗布部材67は、例えばアミノ変性シリコーンオイルからなる潤滑剤を定着ベルト62の内周面に供給する。これにより、定着ベルト62と低摩擦シート68の間に潤滑剤を供給し、低摩擦シート68を介した定着ベルト62と圧力パッド64との摩擦抵抗がさらに低減される。
また、図3に示すように、定着装置60には、定着ベルト62の端面に接触し、その蛇行を防止する一対の蛇行防止部材80が備えられている。蛇行防止部材80は、支持部801と、フランジ部802と、挿入部803とを有する。一対の蛇行防止部材80は、挿入部803が定着ベルト62の両端部から挿入されており、フランジ部802が、定着ベルト62の蛇行の際にその端面と突き当たる距離で互いに離間させた状態で配置される。
定着ベルト62はベルト走行ガイド63の外周面に沿って周回移動する。また、定着ベルト62は圧力パッド64よって定着ロール61に押され、その力による定着ロール61からの摩擦力で従動して周回移動する際に、部品寸法のバラツキや接触領域Nを通過する用紙Pの影響を受ける。そして、定着ロール61からの摩擦力が幅方向Wで不均一になると、定着ベルト62には、軸の方向幅すなわち方向Wに移動する力が働き、いずれかの端部に片寄る、いわゆるベルトウォークが発生する。蛇行防止部材80を備えることにより定着ベルト62の蛇行が抑制される。蛇行防止部材80の材料には、例えばPPS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、液晶ポリマー(LCP)に代表される耐熱性樹脂や、更にこの耐熱性樹脂に、耐久性や摩擦係数を下げるための充填剤を加えた材料が採用され得る。
図2および図3に示す定着装置60では、未定着のトナー像を有する用紙Pが、定着ロール61と定着ベルト62とが接触する領域Nを通過する時に、未定着のトナー像を有する面は定着ロール61に、反対側の面は定着ベルト62にそれぞれ接触して加圧されるとともに、ハロゲンヒータ66によって定着ロール61を介して用紙P上の未定着のトナー像が加熱されて用紙Pに定着される。
[定着ベルト]
図4は、図2に示す定着ベルトの一部を切り取って示した拡大斜視図である。
本実施形態の定着ベルト62は、図2を参照して説明したように無端のベルトであり、全体形状は筒状となっている。定着ベルト62は、図4に示すように、複数の層からなる層構造を有している。定着ベルト62は、内周層となる基材層71と、この基材層71上に積層された、外周層となる表面層72とを有する。
<基材層>
基材層を構成する材料は、例えば公知の樹脂材料または金属材料が採用され得る。樹脂材料は、例えばエンジニアリングプラスチックである。エンジニアリングプラスチックは、例えば、フッ素樹脂、ポリイミド(PI)(熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド)、フッ化ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルフォン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、全芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)等が挙げられる。これらの中でも、ポリイミド、弗化ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等が望ましい。また、金属材料としては、例えば、SUS、ニッケル、銅、およびアルミニウムに代表される各種金属が採用され得る。また、基材層には、前述した各種樹脂材料と各種金属材料とを積層した構造も採用され得る。
定着ベルトにおける強度を確保するとともに柔軟性も確保するため、基材層の厚さは20μm以上200μm以下が好ましく、より望ましくは40μm以上100μm以下の範囲である。
また、基材層には、表面の全面または一部にゴム材料を積層した構造も採用され得る。ゴム材料は、例えば、ウレタンゴム、エチレン・プロピレンゴム(EPM)、シリコーンゴム、およびフッ素ゴム(FKM)である。特に、シリコーンゴムが望ましい。ゴム材料の積層構造を採用する場合における、ゴム材料の厚さは、例えば30μm以上500μm以下が好ましく、100μm以上300μm以下がより好ましい。
<表面層>
表面層は、基材層の外周に積層した層であり、全体形状は管状である。
図4に示す通り、表面層は、少なくともフッ素樹脂粒子73および耐熱性樹脂74を含む。該フッ素樹脂粒子73は、表面層の厚さ方向から観察した際の平均粒子径が5μm以上200μm以下であり、表面層の厚さ方向への断面を観察した際の最長部分長さ(T1)と厚さ(T2)との比率(T1/T2)の平均値が3以上20以下の扁平形状であり、且つ前記断面を観察した際の前記最長部分の方向が基材層71の表面に対して配向してなる。
表面層の厚さは15μm以上100μm以下であることが好ましい。
表面層は、基材層の上に比率(T1/T2)の平均値が上記範囲である扁平形状且つ平均粒子径が上記範囲である大粒径フッ素樹脂粒子(扁平大粒径フッ素樹脂粒子)を含み、該扁平大粒径フッ素樹脂粒子の隙間を埋め且つ該隙間に対して十分に小さい小粒径のフッ素樹脂粒子(小粒径フッ素樹脂粒子)あるいはフッ素樹脂以外の耐熱性樹脂を含む混合物層である。また前記扁平大粒径フッ素樹脂粒子や、層内の扁平大粒径フッ素樹脂粒子の隙間を埋める小粒径フッ素樹脂粒子あるいはフッ素樹脂以外の耐熱性樹脂は、互いに隣接するもの同士が融着あるいは接着しており、表面層全体として一体化している。
・扁平大粒径フッ素樹脂粒子
本実施形態に係る表面層を構成する、前記扁平大粒径フッ素樹脂粒子に使用されるフッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。これらの中でも特に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)または偏性PTFEなどを始めとするこれらの変性体あるいは架橋PTFEが好適であり、中でも特に、耐熱性および耐久性に優れたPFAや架橋PTFEが好ましい。
尚、扁平大粒径フッ素樹脂粒子としては、導電性を有するものも好適に用いられる。ここで「導電性」とは、フッ素樹脂粒子内にカーボンブラックやグラファイトなどの導電性無機粒子を含み、絶縁性基材上に20μm以上100μm以下で薄層に成型した際の表面抵抗値が10Ω/□以上10Ω/□以下の表面抵抗となるものをさす。
例えば、カーボンブラックやグラファイトなどの導電性無機粒子を、PFAディスパージョン(例えば平均粒径0.2μm)に分散させたものを噴霧熔融させて粒子化(例えば平均粒径15μm以上20μm以下)させたフッ素樹脂粒子が挙げられ、市販品としては三井デュポンフロロケミカル社製のMP−620、MP−621、MP−622、MP−623等が挙げられる。
扁平大粒径フッ素樹脂粒子が導電性を有することにより、定着ベルトにおいて定着の際に発生する静電気が良好に除去され、定着ベルトの帯電が抑制される。
本実施形態に係る表面層を構成する扁平大粒径フッ素樹脂粒子は、表面層の厚さ方向から観察した際の平均粒子径が5μm以上200μm以下であり、更には10μm以上100μm以下が好ましく、15μm以上50μm以下がより好ましい。
尚、上記表面層の厚さ方向から観察した際の平均粒子径は、具体的には以下の方法により測定される。SEMまたは光学顕微鏡による観察により、扁平大粒径フッ素樹脂粒子を100倍から1000倍で撮影したのち(粒子が扁平であるため軽く押して圧をかけることで粒子は横に倒れる)、粒子の大きさを撮影画像上から読み取り、平均値(100個)を算出して求められる。
また、表面層の厚さ方向への断面を観察した際の最長部分長さ(T1)と厚さ(T2)との比率(T1/T2)の平均値は3以上20以下であり、更には5以上15以下が好ましく、5以上7以下がより好ましい。
尚、上記表面層の厚さ方向への断面を観察した際の最長部分長さ(T1)と厚さ(T2)との比率(T1/T2)の平均値は、具体的には以下の方法により測定される。まず厚さ(T2)は、SEM断面観察用に一般的に使用されている樹脂に包埋したのちミクロトームで薄片に切り出し、SEMで撮影し、扁平大粒径フッ素樹脂粒子の厚さを撮影画像上から読み取り平均値(100個)を求める。先にもとめた平均粒子径を(T1)とし、この両者の比率を計算することで求められる。
−扁平化−
扁平大粒径フッ素樹脂粒子の製造方法は、市販されている例えば球形状のフッ素樹脂粉末に圧力を加えて押しつぶすことによって扁平形状のフッ素樹脂粉末が得られる。例えば、定められた圧力で相対させて回転する2本の金属ロールをフッ素樹脂粉末の溶融温度以下に加熱し、フッ素樹脂粉末をフィルム上に載せつつ2本の金属ロールの間を通過させることによって作製し得る。
また、プレス機によってプレスする方法や、フッ素樹脂系界面活性剤を添加した水溶液または有機溶剤にフッ素樹脂粉末を分散したのち、連続的に分散液を加圧した2本の金属ロールまたは噛み合いギア(ギアポンプ)の間に循環通過させる方法等によっても作製し得る。
表面層における扁平大粒径フッ素樹脂粒子の含有率(固形分比率)は40質量%以上80質量%以下であることが好ましく、更には50質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。
・耐熱性樹脂
扁平大粒径フッ素樹脂粒子の隙間を埋める耐熱性樹脂としては、体積平均粒子径が5μm未満の小粒径のフッ素樹脂や、フッ素樹脂以外の耐熱性樹脂が挙げられる。尚、耐熱性樹脂における「耐熱性」とは、200℃以上の高温での長期連続使用を行い得る樹脂をさす。
小粒径フッ素樹脂粒子としては、材質は前記扁平大粒径フッ素樹脂粒子において列挙したものが挙げられるが、平均粒子径は1μm以下のものが好ましい。
またフッ素樹脂以外の耐熱性樹脂としては例えば、(弗化)ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、全芳香族ポリエステル系樹脂などが好ましい。
また、扁平大粒径フッ素樹脂粒子100質量部に対して、前記隙間を埋める耐熱性樹脂は10質量部以上80質量部以下であることが好ましい。
小粒径フッ素樹脂粒子あるいはフッ素樹脂以外の耐熱性樹脂が少なくとも10質量部以上含まれることで、扁平大粒径フッ素樹脂粒子のみからなる場合に比べて、塗膜の均一性や作製する際の塗布性が向上する。
・充填剤
また、表面層として、トナーに対する離型性を損なわない範囲で充填剤を添加した構成も採用され得る。充填剤は、例えば公知の無機粉末材料、および耐熱樹脂粉末であるが、これらに限られず各種の材料が採用され得る。
充填剤の粒径は、平均粒径1μm以上20μm以下が望ましく、2μm以上10μm以下の範囲がより望ましい。また、充填剤の形状は特に限定されず、不定形、燐片状、針状、繊維状等のものが使用され得るが、不定形がより望ましい。
上記の無機粉末材料としては、例えば、二硫化モリブデン、六方晶窒化硼素、マイカ、グラファイト、タルク、黒鉛等の層状構造を有する潤滑性充填材;酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化セリウム、複合金属酸化物等の金属酸化物;炭化珪素、炭化ホウ素等の炭化物;立方晶窒化硼素、窒化珪素等の窒化物;さらに、ガラス粉末、珪酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、金属粉末、炭素繊維、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、ケイ酸塩化合物が挙げられる。また、上記の耐熱性樹脂粉末を形成する耐熱性樹脂としては、例えば、(弗化)ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、全芳香族ポリエステル系樹脂が挙げられる。無機粉末材料および耐熱性樹脂は、フッ素系のカップリング剤で表面処理されたものも採用され得る。
また、表面層に含まれる耐熱性樹脂中には、各種導電剤を添加した構成も採用され得る。導電剤には、例えば、電子伝導性導電剤およびイオン伝導性導電剤が挙げられる。電子伝導性導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、ニッケル、銅合金に代表される金属または合金;酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、酸化錫−酸化インジウムや酸化錫−酸化アンチモン複合酸化物に代表される金属酸化物が挙げられる。また、イオン伝電性導電剤としては、スルホン酸塩、アンモニア塩、および、カチオン系、アニオン系、ノニオン系に代表される各種の界面活性剤等が挙げられる。
表面層の耐熱性樹脂を補強する補強材部として使用する材料としては、公知の各種樹脂材料から選択されるが、基材層を構成する材料として示したものが挙げられる。
また、表面層には、各種フィラーや導電化剤を添加した構成も採用され得る。
また、定着ベルトの表面層以外の層、例えば基材層においても、充填剤を添加してもよい。各種添加剤としては表面層に添加されるものを使用してもよい。
[第2実施形態]
これまで説明した実施形態では、定着ベルトが、用紙のトナー像が形成された側とは反対側に接触する定着装置を説明したが、次に、定着ベルトが、用紙のトナー像が形成された側に接触する、本実施形態の第2実施形態について説明する。
図5は、第2実施形態の定着装置の構成を示す断面図である。
図5に示す定着装置200は、定着ロール111と、定着ベルト110と、定着ベルト110を定着ロール111に押し付ける圧力パッド113Bおよびホルダ113Aと、加熱装置112とを有している。
定着装置200では、加熱装置112が定着ベルト110を外周面から加熱する。定着ベルト110は用紙115のトナー像114が形成された側に接触してトナー像114を加熱する。
定着ベルト110は、図4に示す第1実施形態の定着ベルトと同じ構成を有している。
上述した実施形態では、本実施形態にいう定着部材の例として定着ベルトを示したが、本実施形態にいう定着部材はこれに限られるものではなく、例えば、定着ロールであってもよい。
また、上述した実施形態では、本実施形態にいう第2の周回移動体の例として、圧力パッドよって定着ロールに押される定着ベルトを示したが、本実施形態はこれに限られるものではなく、第2の周回移動体と第1の周回移動体とは相対的に加圧されればよく、定着ロールが定着ベルトを押す構造であってもよい。
また、上述した実施形態では、本実施形態にいう定着部材の例として、基材の上に表面層が積層した構造の定着ベルトを示したが、本実施形態にいう定着部材はこれに限られるものではなく、例えば、基層と表面層との間に接着層などの他の層が介在してもよい。
また、上述した実施形態では、用紙を挟む定着ロールと定着ベルトの例を示したが、本実施形態にいう第1の周回移動体および第2の周回移動体の間に挟まれるものは、用紙に限られず、種々の用途のシートが用いられる。また、その枚数としては、1枚でもよいし、ラミネートシートを作製する場合のように複数枚であってもよい。
また、上述した実施形態では、本実施形態にいう画像形成装置の例としてタンデム型のカラープリンタを示したが、本実施形態にいう画像形成装置はこれに限られず、例えば、中間転写ベルトを有しないモノクロ専用プリンタであってもよい。
また、上述した実施形態では、本実施形態にいう画像形成装置の例としてプリンタを示したが、本実施形態にいう画像形成装置はプリンタに限られず、例えば、画像読取装置で読み取られたデータに基づいて画像を形成する複写機やファクシミリであってもよい。
以下、実施例および比較例により本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
−無端ベルトの作製−
以下の操作に従い、無端ベルトを作製した。
・金型の準備
まず、外径30mm、長さ500mmのアルミニウム製の円筒管の表面をブラスト処理により粗面化し、さらにシリコーン系離型剤(信越シリコーン社製:商品名KS−700)を塗布し、200℃で60分間乾燥した。その後、さらに340℃で30分間加熱して焼き付け、表面粗さRaが0.8μmで、表面にシリコーン系離型剤を焼き付けた金型を用意した。
次に、該金型の外周表面の軸方向中央部分470mm幅の領域に、フローコーティング(螺旋巻き塗布)法により、粘度120Pa・sに調整したポリイミド前駆体のN−メチルピロリドン溶液(宇部興産株式会社製、商品名:UワニスS)を塗布した。次いで、金型を100℃で50分間回転しながら塗布液を乾燥し、塗布したポリイミド前駆体を均した。
・フッ素樹脂粒子の扁平化
以下の方法により、平均粒径15μm以上20μm以下のPFA粉末(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製:商品名MP103)に対し、扁平率5以上10以下にまで扁平化処理を行った。
前記PFA粉末を、フッ素樹脂系界面活性剤(DIC株式会社製:商品名メガファックF−444)を添加した水中に分散したのち、連続的に分散液を加圧した2本の金属ロールの間に循環通過させる方法によって作製した。
・表面層の形成
一方、界面活性剤(DIC株式会社製:商品名メガファックF−444)を0.1質量%添加した水中に、扁平化処理を行った前記扁平PFA粒子(扁平率5以上10以下)を固形分濃度で60質量%となるよう分散した。その後、平均粒径0.2μmの小粒径PFA分散液(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製:商品名945HP−Plus、小粒径PFA粒子の濃度50質量%)を固形分濃度で27.9質量%となるよう加えて混合した。更に、充填材として平均粒径2μmの硫酸バリウム(堺化学株式会社製:商品名BMH)を固形分濃度で10質量%となるよう配合し、導電剤としてカーボンブラック(ライオン株式会社製:ケッチェンブラック分散溶液)を固形分濃度で2.1質量%となるよう配合した。尚、カーボンブラックの添加量は予備実験での確認に基づき作製後の無端ベルトの表面抵抗率が5.5Log・Ω/□となる添加量とした。更に、水および増粘剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)により溶液の粘度を調整し、表面層形成用塗布液を得た。
この塗布液中の全固形分濃度は55質量%で粘度は290mP・sであった。
尚、上記粘度は、東機産業(株)製B型粘度計RB−80L型、M−2ロータを使用し、30rpm、25℃の条件で測定した値であり、以降の実施例および比較例での粘度測定も該測定条件で実施した。
続いて、前記表面層形成用塗布液を塗液圧送供給容器に入れ、予め表面にポリイミド前駆体を塗布した前述の金型(アルミニウム製円筒管)に対し、上記塗液圧送供給容器を塗液吐出口がポリイミド前駆体の表面に配置されるよう装着した。次に、前記金型を回転させ、金型の軸方向に沿って塗液圧送供給容器を移動しつつ、塗液吐出口から表面層形成用塗布液を吐出させて、前記ポリイミド前駆体の表面に表面層形成用塗布液を塗布した。前記金型をさらに回転し、表面層形成用塗布液を80℃で10分間乾燥させた。次いで、更に380℃で60分間焼成を行いポリイミド前駆体を硬化させた。
次いで、金型の表面に形成された被膜を金型表面から取り外し、更に両端部を切断して無端ベルトを得た。得られた無端ベルトは、ポリイミド樹脂からなる厚さ70μmの基材層と、ポリイミド基材層の外周に積層された厚さ40μmの表面層と、を有していた。また、無端ベルトは内径30mm、全長249mmであり、表面粗さ(Ra)は0.49μmであった。
表面層の厚さ方向(即ち無端ベルトの径方向)から観察した際の前記扁平PFA粒子の平均粒子径を、前述の方法により測定した測定結果を下記表1に示す。
また、無端ベルトを厚さ方向に切断して厚さ方向への断面を観察し、この断面の表面層に含有される扁平PFA粒子100個について、前述の方法により比率(T1/T2)の平均値を算出した。測定結果を下記表1に示す。
更にこの断面を観察したところ、扁平PFA粒子は図4に示すごとく前記最長部分の方向が基材の表面に対して配向していた。
(実施例2)
実施例1に記載の方法によりアルミニウム製の円筒管の金型表面にポリイミド前駆体を塗布し均した。
・表面層の形成
実施例1において、表面層形成用塗布液の組成を下記表1に記載の組成に変更し、水溶性ポリアミド(水溶性PAI、日立化成工業社製:商品名HPC−1000)を含有する表面層形成用塗布液を得た。この表面層形成用塗布液中の全固形分濃度は55質量%で粘度は290mP・sであった。
続いて、実施例1に記載の方法により、表面層形成用塗布液を金型におけるポリイミド前駆体の表面に塗布し、金型を回転しつつ表面層形成用塗布液を80℃で10分間乾燥させた、さらに380℃で60分間焼成を行い、ポリイミド前駆体を硬化させた。
次いで、金型の表面に形成された被膜を金型表面から取り外し、更に両端部を切断して無端ベルトを得た。得られた無端ベルトは、ポリイミド樹脂からなる厚さ70μmの基材層と、ポリイミド基材層の外周に形成された厚さ40μmの表面層と、を有していた。また、無端ベルトは内径30mm、全長249mmであり、表面粗さ(Ra)は0.43μmであった。
扁平PFA粒子の平均粒子径、比率(T1/T2)の平均値を下記表1に示す。
また、無端ベルトの厚さ方向への断面を観察したところ、扁平PFA粒子は図4に示すごとく前記最長部分の方向が基材の表面に対して配向していた。
(実施例3)
実施例1に記載の方法によりアルミニウム製の円筒管の金型表面にポリイミド前駆体を塗布し均した。
・フッ素樹脂粒子の扁平化
実施例1のフッ素樹脂粒子の扁平化において、用いたPFA粉末を、平均粒径15μm以上20μm以下の導電性を有するPFA粉末(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製:商品名MP610、カタログ記載の表面抵抗率:10Ω/□以上10Ω/□以下)に変更した以外は、実施例1に記載の方法により扁平率5以上10以下にまで扁平化処理を行った。
・表面層の形成
実施例1において、表面層形成用塗布液の組成を下記表1に記載の組成に変更し、扁平PFA粒子として扁平化処理を行った上記のPFA粉末(MP610)を含有する表面層形成用塗布液を得た。この表面層形成用塗布液中の全固形分濃度は55質量%で粘度は290mP・sであった。
続いて、実施例1に記載の方法により、表面層形成用塗布液を金型におけるポリイミド前駆体の表面に塗布し、金型を回転しつつ表面層形成用塗布液を80℃で10分間乾燥させた、さらに380℃で60分間焼成を行い、ポリイミド前駆体を硬化させた。
次いで、金型の表面に形成された被膜を金型表面から取り外し、更に両端部を切断して無端ベルトを得た。得られた無端ベルトは、ポリイミド樹脂からなる厚さ70μmの基材層と、ポリイミド基材層の外周に形成された厚さ40μmの表面層と、を有していた。また、無端ベルトは内径30mm、全長249mmであり、表面粗さ(Ra)は0.36μmであった。
扁平PFA粒子の平均粒子径、比率(T1/T2)の平均値を下記表1に示す。
また、無端ベルトの厚さ方向への断面を観察したところ、扁平PFA粒子は図4に示すごとく前記最長部分の方向が基材の表面に対して配向していた。
(実施例4)
実施例1に記載の方法によりアルミニウム製の円筒管の金型表面にポリイミド前駆体を塗布し均した。
・表面層の形成
実施例3において、表面層形成用塗布液の組成を下記表1に記載の組成に変更し、水溶性ポリアミド(水溶性PAI、日立化成工業社製:商品名HPC−1000)を含有する表面層形成用塗布液を得た。この表面層形成用塗布液中の全固形分濃度は55質量%で粘度は290mP・sであった。
続いて、実施例1に記載の方法により、表面層形成用塗布液を金型におけるポリイミド前駆体の表面に塗布し、金型を回転しつつ表面層形成用塗布液を80℃で10分間乾燥させた、さらに380℃で60分間焼成を行い、ポリイミド前駆体を硬化させた。
次いで、金型の表面に形成された被膜を金型表面から取り外し、更に両端部を切断して無端ベルトを得た。得られた無端ベルトは、ポリイミド樹脂からなる厚さ70μmの基材層と、ポリイミド基材層の外周に形成された厚さ40μmの表面層と、を有していた。また、無端ベルトは内径30mm、全長249mmであり、表面粗さ(Ra)は0.31μmであった。
扁平PFA粒子の平均粒子径、比率(T1/T2)の平均値を下記表1に示す。
また、無端ベルトの厚さ方向への断面を観察したところ、扁平PFA粒子は図4に示すごとく前記最長部分の方向が基材の表面に対して配向していた。
(比較例1)
実施例1において、扁平化処理を行ったPFA粒子に替えて扁平化処理を施していないそのままのPFA粉末(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製:商品名MP103)を用い、且つ表面層形成用塗布液の組成を下記表1に記載の組成に変更した以外は、実施例1に記載の方法により表面層形成用塗布液を調製し、無端ベルトを得た。
得られた無端ベルトは、ポリイミド樹脂からなる厚さ70μmの基材層と、ポリイミド基材層の外周に形成された厚さ40μmの表面層と、を有していた。また、無端ベルトは内径30mm、全長249mmであり、表面粗さ(Ra)は2.9μmであった。
(比較例2)
実施例2において、扁平化処理を行ったPFA粒子に替えて扁平化処理を施していないそのままのPFA粉末(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製:商品名MP103)を用い、且つ表面層形成用塗布液の組成を下記表1に記載の組成に変更した以外は、実施例2に記載の方法により表面層形成用塗布液を調製し、無端ベルトを得た。
得られた無端ベルトは、ポリイミド樹脂からなる厚さ70μmの基材層と、ポリイミド基材層の外周に形成された厚さ40μmの表面層と、を有していた。また、無端ベルトは内径30mm、全長249mmであり、表面粗さ(Ra)は3.7μmであった。
尚、形成された表面層には、表面に割れ(クラック)の発生が確認された。
(比較例3)
実施例3において、扁平化処理を行ったPFA粒子に替えて扁平化処理を施していないそのままのPFA粉末(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製:商品名MP610)を用い、且つ表面層形成用塗布液の組成を下記表1に記載の組成に変更した以外は、実施例3に記載の方法により表面層形成用塗布液を調製し、無端ベルトを得た。
得られた無端ベルトは、ポリイミド樹脂からなる厚さ70μmの基材層と、ポリイミド基材層の外周に形成された厚さ40μmの表面層と、を有していた。また、無端ベルトは内径30mm、全長249mmであり、表面粗さ(Ra)は3.3μmであった。
(比較例4)
実施例4において、扁平化処理を行ったPFA粒子に替えて扁平化処理を施していないそのままのPFA粉末(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製:商品名MP610)を用い、且つ表面層形成用塗布液の組成を下記表1に記載の組成に変更した以外は、実施例4に記載の方法により表面層形成用塗布液を調製し、無端ベルトを得た。
得られた無端ベルトは、ポリイミド樹脂からなる厚さ70μmの基材層と、ポリイミド基材層の外周に形成された厚さ40μmの表面層と、を有していた。また、無端ベルトは内径30mm、全長249mmであり、表面粗さ(Ra)は3.9μmであった。
尚、形成された表面層には、表面に割れ(クラック)の発生が確認された。
<表面粗さの計測>
尚、前述の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)としてJIS−B0633(2001年)に準拠して測定を行った。また測定は定着ベルトの軸方向に対し平行方向に行い、測定箇所は画像形成前の無端ベルトの軸方向(幅方向)に沿って両端部から50mm箇所と中央部の3箇所について周方向をそれぞれ90°おきの4箇所の合計12箇所とし、12箇所の算術平均粗さ(Ra)を測定し、更にその平均を求めた。尚、測定は(株)東京精密製の表面粗さ測定器サーフコム1400Dを使用して行った。
<表面抵抗率の計測>
表面抵抗率の測定はJIS−K6911(1995年)に準拠して行なった。具体的な測定装置としては、三菱化学アナリティック社製ハイレスタUP MCP−HT450型およびUR−SS(リングプローブ)を使用した。
<画像形成装置による試験>
・光沢ムラの発生
前記実施例および比較例で作製した無端ベルトを、図2に示す定着装置に定着ベルトとして装着し、さらに、この定着装置を図1に示す画像形成装置(富士ゼロックス社製:商品名DocuPrint C3350)に取り付けた。
また、定着装置中の定着ロールは、肉厚0.5mm、外径25mmの炭素鋼管の表面上に、シリコーンゴム(信越化学工業株式会社製LSR)を厚さ0.6mm、最外表面層として厚さ30μmのPFAチューブが一体に被覆されるよう、内径26.2mmの金型にPFAチューブおよび炭素鋼管を挿入したのちPFAチューブおよび炭素鋼管の隙間にシリコーンゴムを注入成型することにより成形したものを用いた。尚、PFAチューブは、PFA(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製950HP−Plus)を押し出し成型し、内面をエキシマレーザーにより処理したものを用いた。
用紙は富士ゼロックス製C2紙を使用し、画像密度を全面黒ベタ画像の両面印字として画像を形成し、初期(10枚目)の画像について欠陥(光沢ムラ)の有無の評価を目視確認により行った。
○:光沢ムラは目視で確認できず
×:光沢ムラが目視で確認される
・摩耗量
さらに初期の画像欠陥(光沢ムラ)の評価で問題なかったものに関して、摩耗耐久性を確認するために以下の条件で、用紙を通過させる通紙試験を行った。用紙は富士ゼロックス製C2紙を使用し、画像密度は文字画像で5%とした。画像形成装置により50000枚の画像形成を実施し、走行終了後の定着ベルト(無端ベルト)の表面層の摩耗量を測定した。
尚、摩耗耐久性を評価する際の通紙試験に際し、定着ロールと定着ベルトとの接触域の圧力(ニップ圧力)を通常の1.5倍に増大し、また定着ベルトの内側に供給するオイル潤滑剤の量を通常の25%として、評価条件を厳しい条件とし定着ベルトの耐摩耗性を評価した。
画像形成前の定着ベルトの厚さと50000枚の画像形成後の厚さをそれぞれ測定し、画像形成前後での厚さ変化量から摩耗量を算出した。尚、測定箇所については、定着ベルトの軸方向に沿って定着ベルトの全長5mm間隔で測定し、また周方向の測定箇所は90°おきの4箇所とし、これらの測定値の中の最大値を表面層の最大摩耗量とした。尚、摩耗量の測定は(株)フィッシャー・インストルメンツ製の渦電流式膜厚計ISOSCOPE MP30を使用して基材層も含めた総膜厚の測定を行った。
<離型性の評価>
前記実施例および比較例で作製した無端ベルトについて、以下の方法により離型性の評価を行なった。
前記光沢ムラの評価試験と同様に、前記実施例および比較例で作製した無端ベルトを、図2に示す定着装置に定着ベルトとして装着し、さらに、この定着装置を図1に示す画像形成装置(富士ゼロックス社製:商品名DocuPrint C3350)に取り付けた。
用紙は富士ゼロックス製C2紙を使用し、画像密度を全面黒ベタ画像の両面印字として2000枚の画像を形成し、初期およびベルト表面の摩耗に伴い離型性不足によるトナーオフセットおよび用紙のベルトへの巻きつきの有無の評価を行った。
○:トナーオフセットおよび用紙巻きつき無し
×:トナーオフセットまたは用紙巻きつきの少なくとも一方が発生
表2に示す通り、実施例1から4の無端ベルトでは比較例1から4の無端ベルトと比べ、表面層の割れ(クラック)が発生せずに40μmの表面層が形成され厚膜化が達成された。また、実施例1から4の無端ベルトでは比較例1から4の無端ベルトと比べ、表面粗さ(Ra)が小さく表面が滑らかな表面層が形成され、また光沢ムラの画像欠陥が発生しないことが分かる。
また、実施例1から4の中においても、非導電性の扁平PFA粒子を使用した実施例1,2と導電性の扁平PFA粒子を使用した実施例3,4とでは、少ないカーボンブラックの添加量で同等の表面抵抗率を確保され、表面粗さ(Ra)がより小さく表面が滑らかな表面層が形成され、実施例1と3、実施例2と4との対比では耐摩耗性も向上することが分かる。
1Y,1M,1C,1K 画像形成ユニット
10 1次転写部
11 感光体ドラム
12 帯電器
13 レーザ露光器
14 現像器
15 中間転写ベルト
16 1次転写ロール
17 ドラムクリーナ
20 2次転写部
22 2次転写ロール
25 背面ロール
26 給電ロール
31 駆動ロール
32 支持ロール
33 張力ロール
34 クリーニング部背面ロール
35 中間転写ベルトクリーナ
40 制御部
43 画像濃度センサ
50 用紙収容部
51 取り出しロール
52 搬送ロール
53 案内部材
55 搬送ベルト
56 定着入口ガイド
60 定着装置
61 定着ロール
62 定着ベルト
63 ベルト走行ガイド
64 圧力パッド
64b 高剛性パッド
64a 弾性圧力パッド
65 ホルダ
66 ハロゲンヒータ
67 潤滑剤塗布部材
68 低摩擦シート
69 温度センサ
70 剥離補助部材
71 基材層
72 表面層
73 フッ素樹脂粒子
74 耐熱性樹脂
80 蛇行防止部材
100 画像形成装置
110 定着ベルト
111 定着ロール
112 加熱装置
113A ホルダ
113B 圧力パッド
114 トナー像
115 用紙
172 表面層
173 フッ素樹脂粒子
174 耐熱性樹脂
200 定着装置
801 支持部
802 フランジ部
803 挿入部

Claims (5)

  1. 基材と、該基材上にフッ素樹脂粒子および耐熱性樹脂を含む表面層と、を有し、
    前記フッ素樹脂粒子は、前記表面層の厚さ方向から観察した際の平均粒子径が5μm以上200μm以下であり、前記表面層の厚さ方向への断面を観察した際の最長部分長さ(T1)と厚さ(T2)との比率(T1/T2)の平均値が3以上20以下の偏平形状であり、且つ前記断面を観察した際の前記最長部分の方向が前記基材の表面に対して配向してなる定着部材。
  2. 前記フッ素樹脂粒子が導電性を有する請求項1に記載の定着部材。
  3. 前記表面層における前記フッ素樹脂粒子の含有率が40質量%以上80質量%以下である請求項1または請求項2に記載の定着部材。
  4. 円筒形状を有し外周面の周回移動が自在な第1の周回移動体と、
    請求項1に記載の定着部材が適用され、前記第1の周回移動体との間に、トナー像が表面に形成された記録媒体を挟んで周回移動し、前記トナー像に圧力を付与して該トナー像を定着する第2の周回移動体と、を備える定着装置。
  5. トナー像を形成し、記録媒体上に該トナー像を転写する画像形成部と、
    前記請求項4に記載の定着装置と、
    を備える画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018194681A (ja) * 2017-05-17 2018-12-06 コニカミノルタ株式会社 定着部材、定着装置および異形粒子

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