JP6201726B2 - 樹脂基材、無端ベルト、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

樹脂基材、無端ベルト、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂基材、無端ベルト、定着装置及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、記録紙に形成されたトナー像を定着装置によって定着して画像形成している。
例えば、特許文献1には、耐熱性樹脂中に長形状とされた第1の熱伝導性無機粉末と非長形状とされた第2の熱伝導性無機粉末とを分散含有してなる耐熱樹脂製管状物からなる画像形成用の加熱定着ベルトが開示されている。
また、特許文献2には、耐熱性樹脂を基材とする樹脂製管状物であって、熱伝導率が60W/mkを超える充填剤が、1〜25体積%配合されていることを特徴とする樹脂製管状物が開示されている。
また、特許文献3には、輻射光を吸収して発熱する発熱層を有する、フィルムもしくはベルト状の、回動可能な加熱部材と、前記加熱部材の内部に備えた輻射発熱源と、前記加熱部材の内面と摺動する摺動面を有する保持部材と、前記保持部材の前記摺動面との間に前記加熱部材を挟んでニップ部を形成する加圧部材と、を具備しており、前記ニップ部を形成する前記保持部材の前記摺動面が前記加圧部材の軸線に対しクラウン形状を有し、前記加圧部材を回転駆動させることで前記ニップ部において前記加熱部材を前記保持部材の摺動面に内面を摺動させながら回転させ、前記ニップ部の前記加熱部材と前記加圧部材との間に被加熱材を挟持搬送しつつ前記加熱部材の熱で被加熱材を加熱する事を特徴とする加熱装置が開示されている。
特開平09−328610号公報 特開2006−330405号公報 特開2004−62053号公報
本発明は、厚さ方向及び面内方向の両方向に熱伝導率が高く、かつ、充填剤による可撓性の低下が抑制される樹脂基材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
請求項1の発明は、樹脂と、アスペクト比が2以上であり、前記樹脂中で基材の面内方向に配向して分散している第1の充填剤と、アスペクト比が2以上であり、長径が前記第1の充填剤の長径よりも短く、熱伝導率が前記第1の充填剤の熱伝導率よりも高く、前記樹脂中で基材の厚さ方向に配向して分散している第2の充填剤と、を含む樹脂基材である。
請求項2の発明は、前記第1の充填剤が非磁性体であり、第2の充填剤が磁性体である請求項1に記載の樹脂基材である。
求項の発明は、請求項1又は請求項2に記載の樹脂基材を備えた無端ベルトである。
請求項の発明は、加熱部材と、前記加熱部材と接して配設される加圧部材と、とを備え、前記加熱部材及び前記加圧部材の少なくとも一方が、請求項に記載の無端ベルトを備える定着装置である。
請求項の発明は、像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段である請求項に記載の定着装置と、を備えた画像形成装置である。
請求項1の発明によれば、第2の充填剤が基材の厚さ方向に配向していない場合に比べ、厚さ方向及び面内方向の両方向に熱伝導率が高く、かつ、充填剤による可撓性の低下が抑制される樹脂基材が提供される。
請求項2の発明によれば、第2の充填剤が基材の厚さ方向に配向していない場合に比べ、厚さ方向及び面内方向の両方向に熱伝導率が高く、かつ、充填剤による可撓性の低下が抑制される樹脂基材が提供される。
請求項の発明によれば、第2の充填剤の熱伝導率が、第1の充填剤の熱伝導率よりも低い場合に比べ、厚さ方向の熱伝導率が大きく増加する樹脂基材が提供される。
請求項の発明によれば、第2の充填剤が基材の厚さ方向に配向していない場合に比べ、厚さ方向及び面内方向の両方向に熱伝導率が高く、かつ、充填剤による可撓性の低下が抑制される無端ベルトが提供される。
請求項の発明によれば、定着ベルトとして、第2の充填剤が厚さ方向に配向していない無端ベルトを適用した場合に比べ、定着ベルトの温度ムラに起因した定着不良が抑制される定着装置が提供される。
請求項の発明によれば、定着ベルトとして、第2の充填剤が厚さ方向に配向していない無端ベルトを適用した場合に比べ、定着ベルトの温度ムラに起因した定着不良が抑制される画像形成装置が提供される。
第1の充填剤と第2の充填剤の配向状態の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る定着装置の構成を示す概略図である。 本実施形態に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。
以下、実施形態について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
[樹脂基材]
本実施形態に係る樹脂基材は 樹脂と、アスペクト比(長径/短径)が2以上であり、樹脂中で基材の面内方向に配向して分散している第1の充填剤と、アスペクト比が2以上であり、長径が前記第1の充填剤の長径よりも短く、樹脂中で基材の厚さ方向に配向して分散している第2の充填剤と、を含んで構成されている。
図1は、本実施形態に係る樹脂基材における第1の充填剤6と第2の充填剤8の配向状態の一例を概略的に示している。図1に示す樹脂基材2は、樹脂4中に、第1の充填剤6が基材2の面内方向に配向して分散し、第2の充填剤8が基材2の厚さ方向に配向して分散している。
<樹脂>
樹脂基材2の母材となり、各種充填剤6,8が分散する樹脂としては特に制限は無いが、機械的強度の点から、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトンなどが挙げられ、耐熱性、機械的強度、製造容易性等の観点から、好ましくはポリイミドである。
<充填剤>
樹脂基材に含まれる充填剤(「フィラー」とも呼ばれる)は、樹脂基材の熱伝導率の向上を目的として添加され、樹脂よりも熱伝導率が高い材料が用いられる。
アスペクト比が2以上の充填剤の形状としては、例えば、針形状、鱗片形状、板形状等が挙げられ、「長径」とは、各形状の充填剤において最大の長さを意味する。
また、「基材の面内方向に配向」しているとは、基材の面内方向を0°、厚さ方向を90°としたときに、充填剤の長径方向と面内方向との成す角度(鋭角)が45°未満であることを意味し、「基材の厚さ方向に配向」しているとは、充填剤の長径方向と面内方向との成す角度(鋭角)が45°超であることを意味する。
なお、各種充填剤の長径方向の角度は、樹脂基材の厚さ方向の切断面を観察し、無作為に選んだ各種充填剤100個について面内方向を0°としたときの長径方向の角度を測定し、その平均値として求めた値とする。
本実施形態に係る樹脂基材は、樹脂層4内で第1の充填剤が面内方向に、第2の充填剤が厚さ方向にそれぞれ配向して分散していることで、充填剤を大量に添加しなくても面内方向の熱伝達経路と厚さ方向の熱伝達経路がそれぞれ効率的に形成され、面内方向と膜厚方向の両方向における熱伝導性が向上すると考えられる。
(第1の充填剤)
第1の充填剤6はアスペクト比が2以上であり、樹脂4中で樹脂基材2の面内方向に配向して分散している。
面内方向の熱伝導率を向上させる観点から、面内方向に対する第1の充填剤の長径方向の角度(鋭角)は40°以下であることが望ましく、30°以下であることが更に望ましい。
第1の充填剤としては、アスペクト比が2以上であり、長径が第2の充填剤の長径より長ければよいが、第1の充填剤の長径は、3μm以上100μm以下であることが好適であり、第1の充填剤のアスペクト比は2以上500以下であることが望ましい。
また、後述する製造の観点から、第1の充填剤は、第2の充填剤よりも磁性が弱いことが望ましく、非磁性体であることがより望ましい。
第1の充填剤としては、例えば針形状、鱗片形状又は板形状を有する、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、ホウ酸アルミニウム等の酸化物、窒化ホウ素などの窒化物、炭化ケイ素などの炭化物、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等、及びこれらの混合物が挙げられる。熱伝導性に優れる観点から、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等が好適である。
(第2の充填剤)
一方、第2の充填剤8は、アスペクト比が2以上であり、長径が第1の充填剤6の長径よりも短く、樹脂4中で樹脂基材2の厚さ方向に配向して分散している。
厚さ方向の熱伝導率を向上させる観点から、面内方向に対する第2の充填剤の長径方向の角度(鋭角)は50°以上であることが望ましく、60°以上であることが更に望ましい。
第2の充填剤の長径は第1の充填剤の長径より短ければよいが、第2の充填剤が長いほど樹脂基材の厚さ方向に配向し難くなる。基材の厚み等にもよるが、第2の充填剤の長径は0.01μm以上10μm以下であることが好適であり、第2の充填剤のアスペクト比は、2以上300以下であることが望ましい。
また、後述する製造の観点から、第2の充填剤は、第1の充填剤よりも磁性が強い磁性体であることが望ましい。
また、第2の充填剤は、第1の充填剤よりも熱伝導率が大きいことが望ましい。樹脂基材の厚さ方向に配向する第2の充填剤の含有量が多いほど樹脂基材の強度が低下し易いが、第1の充填剤よりも熱伝導率が高い第2の充填剤を用いることで、第2の充填剤の含有量を低く抑えて厚さ方向の熱伝導率の向上が図られ、基材強度の低下が抑制される。
第2の充填剤として、具体的には、例えば針形状、鱗片形状又は板形状を有する、酸化鉄、酸化クロム、MnZnフェライト、バリウムフェライト等のフェライト材料、鉄、ニッケルなどが挙げられる。
(充填剤の含有量)
樹脂基材における熱伝導フィラー(第1の充填剤及び第2の充填剤)の含有量は、各種充填剤の熱伝導率にもよるが、第1の充填剤と第2の充填剤を合わせて0.3体積%以上30体積%以下が望ましい。この範囲内の含有量であれば高い熱伝導性が得られ、かつ、機械的強度の低下が抑制される。かかる観点から、樹脂基材に含有される熱伝導フィラーの含有量は第1の充填剤と第2の充填剤を合わせて、1体積%以上25体積%以下がより望ましく、2体積%以上20体積%以下が更に望ましい。
また、第2の充填剤は、第1の充填剤に対して50体積%以上150体積%以下の量で樹脂基材中に含まれていることが望ましい。この範囲の含有比率であれば、樹脂基材の面内方向と厚さ方向の両方向で熱伝導性の向上が図られる。かかる観点から、樹脂基材中、第2の充填剤は、第1の充填剤に対して80体積%以上120体積%以下の量で含まれていることが更に望ましい。
本実施形態に係る樹脂基材の厚みは用途に応じて設定すればよい。例えば、定着ベルトとして使用する場合は、30μm以上200μm以下の範囲が挙げられる。
<その他の添加剤>
本実施形態に係る樹脂基材は、母材となる樹脂、第1の充填剤、及び第2の充填剤を含んで構成されるが、樹脂基材の用途に応じて他の添加剤を含んでもよい。
[無端ベルトの製造方法]
次に、本実施形態に係る樹脂基材を適用した無端ベルトの製造方法について説明する。
以下、一例として、樹脂材料としてはポリイミド前駆体溶液を用い、第1の充填剤として非磁性体(以下、「非磁性体フィラー」と称する)、第2の充填剤として磁性体(以下、「磁性体フィラー」と称する)を用いる場合を説明する。
なお、樹脂材料はポリイミドに限定されず、他の樹脂材料を用いてもよい。また、第1の充填剤として、第2の充填剤よりも磁性が弱い磁性体を用いてもよい。
<塗布液準備工程>
まず、非磁性体フィラーと磁性体フィラーを分散させたポリイミド前駆体溶液を準備する。
ポリイミド前駆体溶液は、少なくともジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物により得られる。
有機溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、有機極性溶媒が好適である。有機極性溶媒としては、その官能基がテトラカルボン酸二無水物又はジアミンと反応しない双極子を有するものが挙げられる。有機極性溶媒として具体的には、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒などが挙げられる。
準備したポリイミド前駆体溶液に非磁性体フィラーと磁性体フィラーを分散させ、2種の熱伝導フィラーが分散したポリイミド前駆体溶液を準備する。この溶液を用いて2種の熱伝導フィラーを含むポリイミド樹脂製の無端ベルトを形成する。
<塗布工程>
2種の熱伝導フィラー(非磁性体フィラー及び磁性体フィラー)を分散させたポリイミド前駆体溶液であるポリアミド酸溶液(以下、「塗布液」と称する)を円筒状の芯体の外周面に塗布して塗膜を形成する。
円筒状の芯体の材質は、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼等の金属が好適である。なかでも熱膨張率が大きいという観点から、アルミニウムが特に好ましい。
芯体の外周面は、クロムやニッケルによるめっき処理や、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離型剤で被覆してもよい。
芯体の外周面は、表面粗さRaが0.2μm以上2μm以下程度に粗面化することが望ましい。粗面化方法としては、ブラスト、切削、サンドペーパーがけ等の方法が挙げられる。ポリイミド樹脂製の無端ベルトの内面を、摺動性のよい球形面状の微小な凸形を含む凹凸が形成された状態とするために、芯体の外周面は、球状の粒子を用いてブラスト処理を施すことが好ましい。
芯体の外周面にポリアミド酸溶液を塗布する方法としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
円筒状の芯体をその中心軸を水平にした状態で回転させながら外周面に溶液を吐出することによって芯体の外周面にらせん状に塗布する方法、円筒状の芯体をその中心軸を水平にした状態で回転させながら外周面に溶液を吐出することによってらせん状に塗布し、ブレードによって塗膜を平滑化させる方法、ハケ、ブレードなどの塗布手段を芯体の中心軸方向に往復させながら芯体の外周面に塗布する方法、円筒状の芯体とその外周面に形成する膜厚分の大きさ及び形状を有する開口部を設けた容器に溶液を収容し、芯体を容器の開口部を通じて容器内外を移動させることで平滑な塗膜を形成する方法などが挙げられる。これらの塗布方法は状況等に応じて適宜選択される。
<乾燥工程>
次に、芯体の外周面に形成した塗膜を、磁場を膜厚方向に印加した環境下で乾燥させて乾燥皮膜とする。芯体の外周面に形成された塗膜の膜厚方向に磁場を印加することにより、磁性体フィラーが磁場の印加方向に配向する。
ここで、磁性体フィラーよりも非磁性体フィラーの方が短いと、磁性体フィラーを基材の厚さ方向に配向させるときに非磁性体フィラーが障害となり、磁性体フィラーの配向が妨げられる。しかし、本実施形態では、磁性体フィラーは非磁性体フィラーよりも短いため、非磁性体フィラーによって阻害され難く、厚さ方向に配向し易い。かかる観点から、非磁性体フィラーの長径が磁性体フィラーの長径の1.2倍以上であることが望ましく、2倍以上であることが更に望ましい。
塗膜に磁場を印加する方法としては、塗膜の膜厚方向に磁界が発生して磁性体フィラーが塗膜の膜厚方向に配向すれば特に制限は無い。例えば、永久磁石を円筒状に配置し、円筒状に配置された永久磁石の内側に塗膜を形成した芯体を設置する方法が挙げられる。
磁場の強度および磁場の印加時間は、熱伝導性フィラーの配向度に応じて設定すればよい。磁性体フィラーを膜厚方向に配向させ、かつ、磁性体フィラーが膜内から析出することを抑制する観点から、磁場の強度は、0.5T以上2T以下が好ましく、1T以上1.5T以下がより好ましい。
なお、第1のフィラーとして第2のフィラー(第2の磁性体フィラー)よりも磁性が小さい磁性体フィラー(第1の磁性体フィラー)を用いる場合は、磁場の印加によって第2の磁性体フィラーは塗膜の厚さ方向に配向し、第1の磁性体フィラーは塗膜の厚さ方向に配向しない磁場強度とすればよい。
磁場を印加して磁性体フィラーを磁場の印加方向(膜厚方向)に配向させた状態で塗膜を乾燥させる。塗膜に含まれる溶媒のうち、例えば30質量%以上を揮発させることで塗膜の流動性が低下し、各種フィラーの配向方向が固定される。
<加熱焼成工程>
次いで、例えば、350℃以上450℃以下の温度で、20分以上60分以下の間、皮膜を加熱する。その際、皮膜中に溶剤が残留していると、皮膜に膨れを生じることがあるため、上記範囲内の温度に達するまでに残留溶剤を除去することが望ましい。この工程では、温度を段階的に上昇させる、またはゆっくりと上昇させることが望ましい。
加熱焼成の後、芯体を常温に冷やすと、芯体の外周面に無端ベルトが形成され、芯体から取り出す。
上記工程を経て作製した無端ベルトを例えば画像形成装置における定着ベルトとして使用する場合は、必要に応じて、無端ベルトの端部を切断して端部の長さを揃える切断加工、表面の粗さを調整する研磨加工等を施す。
本実施形態に係る樹脂基材及び無端ベルトは単層体に限らず、用途に応じて他の層を積層した積層体としてもよい。
例えば、本実施形態に係る無端ベルトを定着ベルトとして使用する場合は、樹脂基材上に弾性層及び離型層を形成することが望ましい。
弾性層を形成する材料としては、耐熱性の弾性体であればよく、シリコーンゴムなどが好適である。
離型層を形成する材料としては、トナーに対して離型性を有するものであれば特に制限は無く、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素樹脂が好適である。
[定着装置]
以下、本実施形態に係る定着装置の一例について説明する。
本実施形態に係る定着装置としては、種々の構成があり、以下に、加熱源が押圧された加熱ベルトと加圧ロールを備えた定着装置について説明する。
これらの定着装置における加熱ベルトとして上記本実施形態に係る無端ベルトが適用される。
本実施形態に係る定着装置90について説明する。図2は、本実施形態に係る定着装置90の構成を示す概略図である。
本実施形態に係る定着装置90は、図2に示すように、加熱ベルト92と、加圧ロール91とを備えて構成されている。
加熱ベルト92は、内部に配置されたベルト走行ガイド63と、両端部に配置されたエッジガイドによって回転自在に支持されている。そして、挟込領域Nにおいて加圧ロール91に対して圧接されて配置されている。
そして、加熱ベルト92が用紙Kのトナー像保持面側に配置されるとともに、加熱ベルト92の内側には、加熱手段の一例としての抵抗発熱体であるセラミックヒータ82が配設され、セラミックヒータ82から挟込領域Nに熱を供給するように構成している。
セラミックヒータ82は、加圧ロール91側の面がほぼフラットに形成されている。そして、加熱ベルト92を介して加圧ロール91に加圧される状態で配置され、挟込領域Nを形成している。したがって、セラミックヒータ82は圧力部材としても機能している。挟込領域Nを通過した用紙Kは、挟込領域Nの出口領域(剥離挟込部)において加熱ベルト92の曲率の変化によって加熱ベルト92から剥離される。
さらに、加熱ベルト92内周面とセラミックヒータ82との間には、加熱ベルト92の内周面とセラミックヒータ82との摺動抵抗を小さくするため、摺動シート68が配設されている。この摺動シート68は、セラミックヒータ82と別体に構成しても、セラミックヒータ82と一体的に構成してもよい。
セラミックヒータ82と摺動シート68は、金属製の保持部材65に保持されている。
さらに、保持部材65にはベルト走行ガイド63が取り付けられ、加熱ベルト62が回転する構成となっている。
また、ベルト走行ガイド63には、定着装置90の長手方向に亘って、潤滑剤塗布部材67が配設されている。
一方、加圧ロール91は加熱ベルト92に対向するように配置され、図示しない駆動モータにより矢印D方向に回転し、この回転に従動して加熱ベルト92が回転するように構成されている。加圧ロール91は、コア (円柱状芯金)911と、コア911の外周面に被覆した耐熱性弾性体層912と、さらに耐熱性樹脂被覆又は耐熱性ゴム被覆による離型層913とが積層されて構成され、必要に応じて各層はトナーのオフセット対策としてカーボンブラックなどの添加により半導電性化されている。
また、剥離の補助手段として、加熱ベルト92の挟込領域Nの下流側に、剥離部材70を配設してもよい。剥離部材70は、剥離爪71が加熱ベルト92の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に加熱ベルト92と近接する状態で保持部材72によって保持されている。
加えて、保持部材72の両端部にはエッジガイド(不図示)が配設されている。エッジガイドは、保持部材72の両端部において対向するように配置された両エッジガイドの内側面が、加熱ベルト92の幅と略一致する間隔を持つように配置されている。そして、加熱ベルト92が回転する際には、加熱ベルト92の端部が両エッジガイドの内側面に接触することによって、加熱ベルト92の幅方向への移動(ベルトウォーク)が規制されている。このように、加熱ベルト92は、エッジガイドによって片寄りが規制されるように設定されている。
そして、未定着トナー像を有する用紙Kは、定着入口ガイドによって定着装置90の挟込領域Nに導かれる。用紙Kが挟込領域Nを通過する際には、用紙K上のトナー像は、挟込領域Nに作用する圧力と、加熱ベルト92側のセラミックヒータから供給される熱とによって定着される。
[画像形成装置]
次に、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置では、上記実施形態に係る定着装置が適用される。また、中間転写ベルトや搬送ベルトとして、上記本実施形態に係る電子写真用部材を適用してもよい。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図3に示すように、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー像を記録媒体である用紙Kに一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を用紙K上に定着させる定着装置90とを備えている。また、画像形成装置100は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
この定着装置90が既述の実施形態に係る定着装置であり、当該定着装置は既述の本実施形態に係る加熱ベルト92を有してなる。
画像形成装置100の各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、表面に形成されるトナー像を保持する像保持体の一例として、矢印A方向に回転する感光体11を備えている。
感光体11の周囲には、前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段の一例として、感光体11を帯電させる帯電器12が設けられ、前記帯電手段により帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段の一例として、感光体11上に静電潜像を書込むレーザー露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)が設けられている。
また、感光体11の周囲には、前記潜像形成手段により前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段の一例として、各色成分トナーが収容されて感光体11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14が設けられ、感光体11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。
さらに、感光体11の周囲には、感光体11上の残留トナーが除去される感光体クリーナ17が設けられ、帯電器12、レーザー露光器13、現像器14、一次転写ロール16及び感光体クリーナ17の電子写真用デバイスが感光体11の回転方向に沿って順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂をベース層としてカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の加圧ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は10〜1014Ωcmとなるように形成されており、その厚みは、例えば、0.1mm程度に構成されている。
中間転写ベルト15は、各種ロールによって図3に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能する張力付与ロール33、二次転写部20に設けられる背面ロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニング背面ロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは、鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。
そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、背面ロール25と、前記現像手段により形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段の一例としての、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、を備えて構成されている。
背面ロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10〜1010Ω/□となるように形成され、硬度は、例えば、70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。この背面ロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触配置されている。
一方、二次転写ロール22は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。
そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んで背面ロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されて背面ロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙K上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。
一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
更に、本実施形態に係る画像形成装置では、用紙Kを搬送する搬送手段として、用紙Kを収容する用紙収容部50、この用紙収容部50に集積された用紙Kを所定のタイミングで取り出して搬送する給紙ロール51、給紙ロール51により繰り出された用紙Kを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へと送り込む搬送ガイド53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Kを定着装置90へと搬送する搬送ベルト55、用紙Kを定着装置90に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。
本実施形態に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザー露光器13に出力される。
レーザー露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザーから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザー露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体11上に形成されたトナー像は、各感光体11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、搬送手段では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせて給紙ロール51が回転し、用紙収容部50から所定サイズの用紙Kが供給される。給紙ロール51により供給された用紙Kは、搬送ロール52により搬送され、搬送ガイド53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Kは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Kの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22が背面ロール25に加圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Kは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22と背面ロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール22と背面ロール25とによって加圧される二次転写部20において、用紙K上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Kは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置90における最適な搬送速度に合わせて、用紙Kを定着装置90まで搬送する。定着装置90に搬送された用紙K上の未定着トナー像は、定着装置90によって熱及び圧力で定着処理を受けることで用紙K上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Kは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙収容部(不図示)に搬送される。
一方、用紙Kへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニング背面ロール34及び中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定的に解釈されるものではなく、種々の変形、変更、改良が可能であり、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であることは言うまでもない。
なお、本実施形態に係る画像形成装置では、電子写真方式の画像形成装置について説明したが、これに限られず、電子写真方式以外の公知の画像形成装置(例えば、用紙搬送用の無端ベルトを備えたインクジェット記録装置など)であってもよい。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
まず、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンが、N−メチルピロリドン中で合成された、固形分濃度18質量%、粘度約120Pa・sのポリアミック酸溶液を用意した。このポリアミック酸溶液に第1の充填剤としてカーボンナノチューブ(平均繊維径:6μm×0.15μm、VGCF−H(登録商標)、昭和電工社製)を固形分体積比率で8体積%、第2の充填剤としてニッケル微粉(ニッケル粒子、NFP201X、平均粒径0.2μm、JFEミネラル社製)をφ0.5mmのジルコニアビーズを用いて、乾式ビーズミルを行った扁平ニッケル粒子(平均粒径:0.1μm×0.8μm、SEM観察による粒子100個の平均値))を7体積%それぞれ添加して分散させた。
この得られた溶液を、内径30mm、長さ450mmの円筒状アルミニウム製金型(芯体)の表面に塗布した。なお、この円筒状芯体には、表面にシリコーン系の離型剤を予め塗布することで、ベルト成形後の剥離性を向上させた。溶液の塗布方法としては、金型をその中心軸に対して水平方向に回転させながら金型の表面に溶液を吐出することによってらせん状に塗布し、ブレードによって塗膜を平滑化させる方法を用いた。
次に、乾燥工程において、100℃の乾燥炉に、芯体を20rpmで回転させながら、円筒状に永久磁石を配置した円筒部中央に入れた。60分後に取り出すと、約150μm厚のポリイミド前駆体皮膜が形成され、残留溶媒は約40%(質量比)であった。
次いで、加熱焼成工程として、150℃で20分間、220℃で20分間、及び380℃で30分間加熱して、ポリイミド樹脂皮膜を形成した。室温に冷えた後、芯体から皮膜を取り外し、75μm厚のポリイミド樹脂製の無端ベルトを得た。
−熱伝導率の測定−
得られた無端ベルトの面内方向と厚さ方向の各熱伝導率を測定した。具体的には、サーモウェーブアナライザTA3(ベテル社製)を用いて熱拡散率を測定し、別途、密度と比熱容量を測定して、熱伝導率を算出した。
得られた無端ベルトの熱伝導率を測定した結果、膜厚方向は2.9W/mkであり、面内方向は3.2W/mkであった。
−耐折れ性試験−
得られた無端ベルトから、耐折れ強度試験片(試験部長さ100mm、幅15mm)を作製した。
作製した試験片を用い、試験機MIT−DA(TOYOSEIKI社製)にて、屈曲R1、荷重1.25kg、両振り、振り角度135°、速度175回/分の条件にて、規定回数屈曲ストレスを印加した。各サンプルを光学顕微鏡にて観察し、亀裂の発生有無を確認した。評価基準は、以下の通りである。
A:5万回で亀裂なし。
B:1万回で亀裂なし。
C:1万回で亀裂発生。
−フィラーの長径方向の角度測定−
無端ベルトの厚さ方向に切断し、切断面をSEMで観察して無作為に選んだ各種フィラー100個について長径方向の角度を測定し、その平均値を求めた。ベルト基材の面内方向を0°としたときのカーボンナノチューブの長径方向の角度は15°であり、扁平ニッケル粒子の長径方向の角度は80°であった。
<比較例1>
実施例1と同様に材料溶液を作製し、実施例1と同様に芯体の表面に塗布し、塗膜形成した。
形成した塗膜を乾燥工程において磁場印加しない環境下で実施例1と同様に乾燥させた。それ以外は実施例1と同様の方法で無端ベルトを作製した。
得られた無端ベルトの熱伝導率を測定した結果、膜厚方向は0.6W/mkであり、面内方向は4.1W/mkであった。
実施例1と同様にして、耐折れ性試験を行った。ベルトを厚さ方向に切断し、切断面をSEMで観察して、ベルト基材の面内方向を0°としたときの各種フィラーの長径方向の角度を求めたところ、カーボンナノチューブの長径方向の角度は12°であり、扁平ニッケル粒子の長径方向の角度は17°であった。
<比較例2>
添加する熱伝導フィラーとして、コバルト粉末(コバルト粉末、400メッシュ、平均粒径3.5〜5.0μm、ニッコーシ社製)をφ0.5mmのジルコニアビーズを用いて、乾式ビーズミルを行った扁平コバルト粒子(平均粒径:2μm×10μm、SEM観察による粒子100個の平均値)と鱗状黒鉛(平均長径5μm、J−CPB,日本黒鉛工業社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、無端ベルトを作製した。
得られた無端ベルトの熱伝導率を測定した結果、膜厚方向は1.3W/mkであり、面内方向は3.6W/mkであった。
実施例1と同様にして、耐折れ性試験を行った。ベルトを厚さ方向に切断し、切断面をSEMで観察して、ベルト基材の面内方向を0°としたときの各種フィラーの長径方向の角度を求めたところ、扁平コバルト粒子の長径方向の角度は25°であり、鱗状黒鉛の長径方向の角度は10°であった。
<実施例2>
添加する熱伝導フィラーとして、ニッケル微粉(ニッケル粒子、NFP201X、平均粒径0.2μm、JFEミネラル社製)をφ0.5mmのジルコニアビーズを用いて、乾式ビーズミルを行った扁平ニッケル粒子(平均粒径:0.1μm×0.8μm、SEM観察による粒子100個の平均値)とコバルト粉末(コバルト粉末、400メッシュ、平均粒径3.5〜5.0μm、ニッコーシ社製)をφ0.5mmのジルコニアビーズを用いて、乾式ビーズミルを行った扁平コバルト粒子(平均粒径:2μm×10μm、SEM観察による粒子100個の平均値)を用いた以外は実施例1と同様にして、無端ベルトを作製した。
得られた無端ベルトの熱伝導率を測定した結果、膜厚方向は3.0W/mkであり、面内方向は3.1W/mkであった。
実施例1と同様にして、耐折れ性試験を行った。ベルトを厚さ方向に切断し、切断面をSEMで観察して、ベルト基材の面内方向を0°としたときの各種フィラーの長径方向の角度を求めたところ、扁平ニッケル粒子の長径方向の角度は82°であり、扁平コバルト粒子の長径方向の角度は35°であった。
<実施例3>
添加する熱伝導フィラーとして、ニッケル微粉(ニッケル粒子、NFP201X、平均粒径0.2μm、JFEミネラル社製)をφ0.5mmのジルコニアビーズを用いて、乾式ビーズミルを行った扁平ニッケル粒子(平均粒径:0.1μm×0.8μm、SEM観察による粒子100個の平均値)と板状アルミナ(セラフ10030、平均粒径10μm×0.3μm、キンセイマテック社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、無端ベルトを作製した。
得られた無端ベルトの熱伝導率を測定した結果、膜厚方向は2.7W/mkであり、面内方向は2.2W/mkであった。
実施例1と同様にして、耐折れ性試験を行った。ベルトを厚さ方向に切断し、切断面をSEMで観察して、ベルト基材の面内方向を0°としたときの各種フィラーの長径方向の角度を求めたところ、扁平ニッケル粒子の長径方向の角度は77°であり、板状アルミナ粒子の長径方向の角度は11°であった。
<実施例4>
添加する熱伝導フィラーとして、ニッケル微粉(ニッケル粒子、NFP201X、平均粒径0.2μm、JFEミネラル社製)をφ0.5mmのジルコニアビーズを用いて、乾式ビーズミルを行った扁平ニッケル粒子(平均粒径:0.1μm×0.8μm、SEM観察による粒子100個の平均値)と板状アルミナ(セラフ02025、平均粒径2.0μm×0.08μm、キンセイマテック社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、無端ベルトを作製した。
得られた無端ベルトの熱伝導率を測定した結果、膜厚方向は3.0W/mkであり、面内方向は2.2W/mkであった。
実施例1と同様にして、耐折れ性試験を行った。ベルトを厚さ方向に切断し、切断面をSEMで観察して、ベルト基材の面内方向を0°としたときの各種フィラーの長径方向の角度を求めたところ、扁平ニッケル粒子の長径方向の角度は84°であり、板状アルミナ粒子の長径方向の角度は9°であった。
実施例及び比較例で作製したベルト基材の評価結果を表1に示す。
Figure 0006201726
1Y,1M,1C,1K 画像形成ユニット
2 樹脂基材
4 樹脂
6 第1の充填剤
8 第2の充填剤
10 一次転写部
11 感光体
12 帯電器
13 レーザー露光器
14 現像器
15 中間転写ベルト
16 一次転写ロール
17 感光体クリーナ
20 二次転写部
22 二次転写ロール
25 背面ロール
26 給電ロール
31 駆動ロール
32 支持ロール
33 張力付与ロール
34 クリーニング背面ロール
35 中間転写ベルトクリーナ
40 制御部
42 基準センサ
43 画像濃度センサ
50 用紙収容部
51 給紙ロール
52 搬送ロール
53 搬送ガイド
55 搬送ベルト
56 定着入口ガイド
63 ベルト走行ガイド
65 保持部材
67 潤滑剤塗布部材
68 摺動シート
80 エッジガイド
82 セラミックヒータ
90 定着装置
91 加圧ロール
911 コア
912 耐熱性弾性体層
913 離型層
92 加熱ベルト
100 画像形成装置

Claims (5)

  1. 樹脂と、
    アスペクト比が2以上であり、前記樹脂中で基材の面内方向に配向して分散している第1の充填剤と、
    アスペクト比が2以上であり、長径が前記第1の充填剤の長径よりも短く、熱伝導率が前記第1の充填剤の熱伝導率よりも高く、前記樹脂中で基材の厚さ方向に配向して分散している第2の充填剤と、
    を含む樹脂基材。
  2. 前記第1の充填剤が非磁性体であり、第2の充填剤が磁性体である請求項1に記載の樹脂基材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の樹脂基材を備えた無端ベルト。
  4. 加熱部材と、前記加熱部材と接して配設される加圧部材と、とを備え、
    前記加熱部材及び前記加圧部材の少なくとも一方が、請求項に記載の無端ベルトを備える定着装置。
  5. 像保持体と、
    前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段である請求項に記載の定着装置と、
    を備えた画像形成装置。
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