JP2006330405A - 樹脂製管状物と定着用ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】熱伝導率、引張強度、引裂強度が良好であり、このため印刷スピード、耐久性、画像形成能力等に優れた定着用ベルトあるいは定着用ベルト用の樹脂製管状物を提供する。
【解決手段】耐熱性樹脂を基材とする樹脂製管状物であって、熱伝導率が60W/mkを超える充填剤が、1〜25体積%配合されていることを特徴とする樹脂製管状物。前記熱伝導率が60W/mkを超える充填剤は、導電性物質であることを特徴とする樹脂製管状物。前記熱伝導率が60W/mkを超える充填剤は、直径が10μm以下の炭素系粒子であることを特徴とする樹脂製管状物。前記炭素系粒子が、黒鉛またはカーボンナノチューブであることを特徴とする樹脂製管状物。これらの樹脂製管状物を有する定着用ベルト。
【選択図】なし

Description

本発明は転写紙へ画像を定着させる樹脂製管状物と定着用ベルトに関し、特にポリイミド樹脂等の耐熱性樹脂に黒鉛等を配合した樹脂製管状物と内層にかかる樹脂製管状物を有する定着用ベルトに関する。
複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置における転写紙への画像の定着方法としては、応答性が良好であり、かつ消費電力も少ないため定着ベルト法が広く用いられている。この方法は、裏側にヒーターが設置された定着用ベルトとプレスローラーの間に、定着用ベルト側表面に感熱インクが仮着された転写紙を送込み、感熱インクを転写紙に溶融定着させ、併せて押圧により定着を強固にする方法である(特許文献1)。
この定着用ベルトは、ヒーターと接触する部分で変形を繰り返しながら回転するため、先ず耐熱性を要求され、さらに良好な引張強度、大きな引裂強度、良好な耐屈曲性が要求される。
また、起動時に良好な応答性を担保することと消費電力の低減の面から、熱伝導率が良好であることが要求される。
また、帯電等によるトナーの付着が生じないために、材料的にトナーが付着し難いだけでなく、導電性あるいは放電性が良好なことが要求される。
また、ヒーターの定着用ベルトと接触する部分には、ガラス等がコーティングされているため、ガラス等と摺動する時の耐磨耗性が良好であることが要求される。
これら各種の要求を充たすため、定着用ベルトを単に耐熱性、弾性率、機械的強度特に引張強度等の面から優れた性質を有する樹脂、例えばポリイミド樹脂で製造するだけでなく、種々の工夫が凝らされ、また様々な発明がなされている。
例えば、定着用ベルトを3層構造とし、ヒーター側となる内層の樹脂製管状物は、ポリイミド樹脂を基材として用いるだけでなく、さらに熱伝導率や耐磨耗性等を改善するためBN等の充填剤を配合する。
また、トナーに接する外層には、離型性に優れたフッ素樹脂に帯電防止に効果がある導電性フィラーを配合した樹脂組成物を用いる。
また、中間層には導電性フィラーを配合した樹脂組成物を用い、これにより内層と外層の接着を図り、併せて放電性を持たせて一層の帯電を防止する等である(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
特許第3351057号公報 特開平8−80580号公報 特開平5−163360号公報
しかしながら、近年のユーザによる印刷スピードの向上に対する要求、またそのために必要な熱伝導率、引張強度、引裂強度等の各種性質の向上や信頼性の増大への要求は益々厳しくなっている。このため、前記各文献に記載されている技術では、必ずしも充分とは言い難く成って来ている。具体的には、熱伝導率を改善するための充填剤として、BNが好ましい物質として挙げられるが、近年のユーザの熱伝導率に対する厳しい要求を充たすのに充分な熱伝導率、ユーザにもよるが、具体的には例えば0.5W/mkとなるだけの量を配合すれば、BNはポリイミド樹脂とのなじみがよくないため、樹脂製管状物の強度、特に引張強度が極端に低下する。
このため、近年のユーザの熱伝導率に対する厳しい要求を充たし、しかも強度が大きく、その結果従来以上に印刷スピードを初めとする各種の性能と信頼性が優れる定着用ベルトや定着用ベルトの内層用の耐熱性樹脂を基材とする樹脂製管状物、特にポリイミド樹脂を基材とする樹脂製管状物の開発が望まれていた。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としてなされたものであり、定着用ベルト用の、あるいは特にその内層用の耐熱性樹脂を基材とする樹脂製管状物において、その熱伝導率を高く保持しつつ機械的強度、特に引張強度を低下させない充填剤を見出し、さらにその充填剤の好ましい配合量等を見出したものである。
以下、各請求項の発明を説明する。
請求項1に記載の発明は、耐熱性樹脂を基材とする樹脂製管状物であって、
熱伝導率が60W/mkを超える充填剤が、1〜25体積%配合されていることを特徴とする樹脂製管状物である。
本請求項の発明は、ポリイミド樹脂等の耐熱性樹脂を基材とする樹脂製管状物に、熱伝導性を向上させるための充填剤として熱伝導率が60W/mkを超える充填剤を用いているため、少量であっても樹脂製管状物の熱伝導率が大きく向上する。
また、少量の充填剤でも充分な熱伝導性を確保することができるため、充填剤による強度低下への影響を小さくすることができる。
加工方法等にもよるが、一般的には220N/mmを超える引張強度を有しており、その他引裂強度等他の機械的性質も良好であるため、従来以上に印刷スピードを初めとする各種の性能と信頼性が優れた樹脂製管状物となる。
具体的には、熱伝導率が60W/mkを超える充填剤を25体積%以下配合しており、この範囲であれば熱伝導性の向上と強度低下の低減を充分両立させることができる。
なお、熱伝導率が60W/mkを超える充填剤が1体積%未満になると、熱伝導率が極めて良好な物質を配合しても、近年要求される印刷スピードに対する熱伝導性を充分確保することが困難になる。
このような充填剤の好ましい量は、充填剤の熱伝導率にもよるが、200W/mk程度であれば、7〜20体積%であり、8〜17体積%がより好ましく、10〜15体積%が最も好ましい。
熱伝導率を改善するために配合する物質の熱伝導率は、160〜180W/mk程度あるいはそれ以上あることが好ましく、200W/mk以上あることがさらに好ましい。
ここに、「基材とする」とは、本来の機能を発揮するあるいは外形、寸法、強度等を保持するための主材料という意味である。
請求項2に記載の発明は、前記の樹脂製管状物であって、
前記熱伝導率が60W/mkを超える充填剤は、導電性物質であることを特徴とする樹脂製管状物である。
本発明の樹脂製管状物が背景技術欄で説明した3層構造の定着用ベルトの内層として使用されたときには、たとえ通紙中に発生する静電気を放電するために設けてある外層、中間層が何らかの理由で機能不全になったとしても、内層の樹脂製管状物は導電性を有する充填剤が配合されているため導電性を有し、ひいては定着用ベルトは導電性を有していることとなるため、発生した静電気は適切に放電されることとなる。このため、画像形成が安定してなされる。
また、家庭用等の製品であり、画像形成速度が比較的低速である等、使用条件の如何によっては、コストとの兼ね合いで外層や中間層を設けなくて済む、あるいは外層と中間層に配合する導電性フィラーの量を少なくして、これら両層の機械的性質等を向上させることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、前記の樹脂製管状物であって、
前記熱伝導率が60W/mkを超える充填剤は、直径が10μm以下の炭素系粒子であることを特徴とする樹脂製管状物である。
本請求項の発明では、充填剤が炭素系粒子であるため、分子に極性基を持つことが多い耐熱性樹脂、例えばポリイミド樹脂との接着性あるいは密着性が優れる。このため、ポリイミド樹脂等を基材とする管状樹脂組成物の機械的強度に悪影響を及ぼすことがない。
また、定着用ベルトの内層としてのポリイミド樹脂等を基材とする管状樹脂組成物は、厚さが50μm程度であり、このため直径が10μmを超えると配合量にもよるが配合の分散、偏り等が生じる恐れがあり、また強度等に不都合を生じさせる恐れがあるが、直径が10μm以下であれば、それらの恐れもない。なお、直径(粒子径)は5.0μ以下が好ましく、3.3μm以下がより好ましい。
なお、ここに直径とは平均直径を指す。また、粒子径のバラツキであるが、平均直径が例えば3±1.5μmであれば、6μm以上の粒子の累積率は20%以下である。
請求項4に記載の発明は、前記の樹脂製管状物であって、
前記炭素系粒子が、黒鉛であることを特徴とする樹脂製管状物である。
本請求項の発明は、熱伝導率が60W/mkを超える優れた黒鉛(注、通常の黒鉛は、35W/mk程度)が配合されているため、熱伝導率が良好であるのみならず、ヒーターとの摩擦が少なくなり、この面からも高速の画像形成の特性が非常に優れた樹脂製管状物となる。
また、黒鉛は導電性を有するため、導電性を有しないBN等の粒子と異なり、極性基を持つことの多い耐熱性樹脂、例えばポリイミド樹脂との接触性が良好であるだけでなく、単なる炭素粉末に比較して強度もあるため、樹脂製管状物の強度の向上に寄与する。
なお、黒鉛は、外形が棒状のあるいは楕円体状のものを、長手方向がポリイミド樹脂組成物の膜厚さ方向を向くように配列させて充填すれば、良好な伝熱の面から一層好ましくなる。
請求項5に記載の発明は、前記の樹脂製管状物であって、
前記黒鉛が、2000℃以上の温度で処理されていることを特徴とする樹脂製管状物である。
本請求項の発明においては、黒鉛が2000℃以上、好ましくは2500℃以上、さらに好ましくは3000℃程度の高温に晒される処理がなされて製造された人造黒鉛の微粉末であるため、揮発分、灰分、硫黄分等の不純物が少なく、ポリイミド樹脂等とのなじみが一層良好になる。
請求項6に記載の発明は、前記の樹脂製管状物であって、
前記熱伝導率が60W/mkを超える充填剤は、カーボンナノチューブであることを特徴とする樹脂製管状物である。
本請求項の発明においては、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と記す)を充填剤としており、CNTの熱伝導率は1200W/mkと非常に高いため、1〜10%の配合量でも良好な熱伝導率を確保し、併せて充分な引張強度を得られる。
なお、配合量は、2〜15%が好ましく、2.5から10%がより好ましい。
また、熱伝導率が60W/mkを超える、特に200W/mk程度の優れた黒鉛と併用しても良いのはもちろんである。
請求項7に記載の発明は、前記の樹脂製管状物であって、
前記耐熱性樹脂が、ポリイミド樹脂であることを特徴とする樹脂製管状物である。
本請求項の発明においては、定着用ベルト用の樹脂製管状物の基材となる耐熱性樹脂に耐熱性、機械的性質等に優れたポリイミド樹脂を使用しているので、すぐれた定着用ベルトとなる。
また、前記した請求項の特徴をより生かすことができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の樹脂製管状物を有していることを特徴とする定着用ベルトである。
本請求項の発明においては、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の樹脂製管状物を有している定着用ベルトであるため、高速の画像形成、応答性、機械的強度等に優れた定着用ベルトが得られる。
なお、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の樹脂製管状物を有している定着用ベルトとしては、該管状の樹脂製組成物そのものを定着用ベルトとしている単層のもの、転写紙側に離型性に優れた樹脂に静電気の帯電防止に効果の高い導電性フィラー等を充填した外層を形成している2層構造のもの、さらに内層と外層の中間に両層の接着を図り併せて一層の帯電防止を図るために導電性物質を充填した厚さ4〜5μmの中間層を形成している3層構造のもの等がある。
なお、フッ素樹脂を充填した外層を設ける場合には、転写紙に接する外層のフッ素樹脂は、可とう性等の面から厚さは10μm程度とし、トナーが付着し難いという面からPTFEまたはPFAあるいはそれらをブレンドしたものが好ましい。
さらに、帯電防止のために、外層には導電性カーボンを1〜5重量%配合していてもよい。
また、外層等にも熱伝導性成分を配合していてもよい。
本発明の定着用ベルトあるいはその内層の樹脂製管状物は、熱伝導率が60W/mkを超える充填剤が、1〜25体積%配合されているので、強度低下の影響を抑えながら、充分な熱伝導性を確保することができる。
このため、特に印刷速度が向上する。
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
本発明の実施例も比較例も基本的な製造方法や材料において共通することが多い。このため、両方の製造方法と試験結果を同一の項目に記載する。
(ポリイミド樹脂を基材とする樹脂製管状物の製造)
本発明の樹脂製管状物を評価するために、実施例として基材のポリイミド樹脂中に熱伝導性成分としての黒鉛が配合された樹脂製管状物を、比較例としてポリイミド樹脂のみからなる樹脂製管状物と、基材のポリイミド樹脂中に熱伝導性成分としてBNが配合された樹脂製管状物を製造した。先ず、それらの製造方法について説明する。
ポリイミドワニス(宇部興産製UワニスS、繰返し単位を有する合成ポリイミドを形成する)に熱伝導性成分として粒子径が3.0±1.5μm、4.5±2.0μmおよび10.5±1.5μmの黒鉛(全て、昭和電工製人造黒鉛の乾式微粉末であり、その熱伝導率は200W/mkであり、真比重は2.2である。メーカの製品特定記号は、各UF―G5、UF―G10、UF―G30)を表1に示す体積%配合されたポリイミドワニス組成物、ポリイミドワニスに熱伝導性成分として150nm×5μmのCNT(熱伝導率は1200W/mk)を表1に示す体積%配合されたポリイミドワニス組成物、ポリイミドワニスのみの純ポリイミドワニス組成物、ポリイミドワニスに熱伝導性成分として粒子径が1μmの鱗片状かつグラファイト構造のBN(昭和電工製UHP−10。熱伝導率は、60W/mk)を表1に示す体積%配合したポリイミドワニス組成物、ポリイミドワニスに熱伝導性成分として粒子径が5μmのマイカ(熱伝導率は0.7W/mk)を5体積%配合したポリイミドワニス組成物および同じく粒子径が10μmのマイカを5体積%配合したポリイミドワニス組成物を製造した。
なお、黒鉛等の充填物のポリイミドワニス内への配合に際しては、3本ロールミル等にて充分に分散させた。ここに、分散に3本ロールを使用したのは、各粒子が大きく固まったりする(ダマになる)ことがないこと、黒鉛等に折損が生じる等の悪影響を与えないことによる。
これらのポリイミドワニス組成物を、外径24mm、全長500mmの円筒状のアルミニウム製金型の表面に、硬化後に60μmになるように平滑に塗装した。
その後、金型を120℃で40分、更に200℃で30分加熱し、溶剤のNMP(N―メチルー2−ピロリドン)を除去すると共に第1段階のイミド転化反応を進行させ、ポリイミド中間体とした。
次に、250℃で1時間、400℃で30分加熱することにより、ポリイミドのイミド転化を行い、金型から抜き取ることによって樹脂製管状物(定着用ベルトの内層)を作製した。
さらに、これらの樹脂製管状物を切り裂き、JIS規定のダンベル金型にて周方向に打ち抜くことにより、ポリイミド樹脂内に黒鉛等の充填剤が配合された樹脂製管状物、ポリイミド樹脂のみからなる樹脂製管状物の評価試験用サンプルを得た。
(評価試験)
以上の方法で製造した樹脂製管状物について、引張強度および熱伝導率を評価するための試験を行った。その結果を、表1に示す。
Figure 2006330405
表1から、直径が10.5μmの黒鉛を15体積%配合した実施例6を除き、各実施例とも引張強度は少なくとも250N/mmあり、非常に強靭であるのが判る。ちなみに、比較例で250N/mmの引張強度を有するのは、ポリイミド樹脂のみからなるため熱伝導率が低い比較例1とBNが10体積%しか配合されていないため同じく熱伝導率が低い比較例2のみである。
また、CNTを各2.5体積%、5体積%配合した実施例7、同8を除き、各実施例とも熱伝導率は0.5W/mk以上あり、非常に良好であるのが判る。ちなみに、比較例で0.5W/mkの熱伝導率を有するのは、BNが25体積%含まれているため引張強度が低い比較例3と直径が10.5μmの黒鉛粒子が25体積%配合されているため同じく引張強度がかなり少ない比較例4のみである。
各実施例の中でも、特に直径3μmの黒鉛を各10体積%、15体積%配合した実施例1と同2は、引張強度、熱伝導率ともに極めて良好であり、非常に優れているのが判る。さらに、表には示していないが、引裂強度等もポリイミド樹脂のみからなる比較例1に遜色がない。
また、直径3μmの黒鉛を25体積%配合した実施例3、および直径4.5μmの黒鉛を各15体積%、25体積%配合した実施例4と同5は、引張強度こそ実施例1と実施例2に多少劣るものの、熱伝導率はそれ以上であり、これらもまた優れた性質を有しているのが判る。
なお、実施例6は引張強度こそ240N/mmと他の実施例に比較して僅かに劣るが熱伝導率は0.8W/mkと高く、また実施例7と同8は熱伝導率こそ各0.3W/mk、0.4W/mkと他の実施例に比較して多少劣るが、引張強度は各280N/mm、270N/mmと高い。このためこれら3つの実施例も、携帯型の印字装置に使用する、特殊な紙の印字用装置に使用する等、各種の使用条件や用途によっては有効となり得る。
(定着用ベルトの製造)
前記各実施例、各比較例のポリイミド樹脂を基材とする樹脂製管状物を、各々内層に有する定着用ベルトを製造した。
即ち、前記各実施例、各比較例と同じ材料、同じ組成、同じ方法でポリイミドワニスに黒鉛あるいはCNTを配合したポリイミドワニス組成物、ポリイミドワニスのみの純ポリイミドワニス組成物、ポリイミドワニスにBN、マイカのいずれかを配合したポリイミドワニス組成物を製造し、さらにこれら各種のポリイミドワニス組成物を前記各実施例、各比較例と同じ方法でポリイミド中間体とした。
次に、中間層(接着層)を形成するために、前記ポリイミド中間体にフッ素樹脂用プライマ(デュポン製855−003)を焼成後に5μmとなるようにディッピング法にて塗装し、200℃の雰囲気中で30分間乾燥させた。
最後に、外層を形成するために、フッ素樹脂ディスパージョン(デュポン製855−510)に導電性カーボンを配合したものを焼成後に10ミクロンになるようにディッピング法にて塗装し、250℃で1時間、400℃で30分間加熱することにより、内層のポリイミド中間体のイミド転化を完了させると共にフッ素樹脂を焼成させた。
そして、金型から抜き取った後、所定の形状に切断して定着用ベルトを得た。
この定着用ベルトを対象に各種の性能評価試験を行ったが、この場合においても、前記各実施例の黒鉛またはCNTを配合した樹脂製管状物を使用した定着用ベルトが最も優れていた。

Claims (8)

  1. 耐熱性樹脂を基材とする樹脂製管状物であって、
    熱伝導率が60W/mkを超える充填剤が、1〜25体積%配合されていることを特徴とする樹脂製管状物。
  2. 前記熱伝導率が60W/mkを超える充填剤は、導電性物質であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製管状物。
  3. 前記熱伝導率が60W/mkを超える充填剤は、直径が10μm以下の炭素系粒子であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂製管状物。
  4. 前記炭素系粒子が、黒鉛であることを特徴とする請求項3に記載の樹脂製管状物。
  5. 前記黒鉛が、2000℃以上の温度で処理されていることを特徴とする請求項4に記載の樹脂製管状物。
  6. 前記熱伝導率が60W/mkを超える充填剤は、カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂製管状物。
  7. 前記耐熱性樹脂が、ポリイミド樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の樹脂製管状物。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の樹脂製管状物を有していることを特徴とする定着用ベルト。
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