JP6111929B2 - 定着部材、定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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基材と、
前記基材上に設けられた弾性層であって、平均長さ100μm以上のカーボンナノチューブと、前記カーボンナノチューブ以外の他の充填剤との比率(前記カーボンナノチューブ/前記他の充填剤)を1/8以上1/4以下として、前記カーボンナノチューブと前記他の充填剤とを総量で45体積%以下含有し、且つ、熱伝導率が1.6W/m・K以上の弾性層と、
前記弾性層上に設けられた表面層と、
を有する定着部材である。
前記弾性層が、前記カーボンナノチューブ及び前記他の充填剤の混合物を添加した弾性層形成用塗布液の塗膜からなる弾性層である請求項1に記載の定着部材である。
前記他の充填剤が、酸化亜鉛粒子、金属ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子、銀粒子、シリカ粒子、及びアルミナ粒子よりなる群から選択される少なくとも1種の粒子を含んでいる請求項1又は請求項2に記載の定着部材である。
第1回転体と、前記第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備え、
前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方が、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の定着部材である定着装置である。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記トナー像を前記記録媒体に定着する定着手段であって、請求項4に記載の定着装置である定着手段と、
を備える画像形成装置である。
請求項2に係る発明によれば、カーボンナノチューブ及び他の充填剤を各々添加後に混合した弾性層形成用塗布液を用いて形成されている弾性層を有する場合に比べ、機械的特性を維持しつつ、高い熱伝導率を持つ弾性層を有する定着部材が得られる。
請求項3に係る発明によれば、他の充填剤として、酸化亜鉛粒子、金属ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子、銀粒子、シリカ粒子、及びアルミナ粒子よりなる群から選択される粒子を含む弾性層を有する請求項1に記載の定着部材が得られる。
請求項5に係る発明によれば、平均長さ100μm未満のカーボンナノチューブと、カーボンナノチューブ以外の他の充填剤と、を総量で50体積%以下含有する弾性層を有する定着部材を備えた場合に比べ、機械的特性を維持しつつ、高い熱伝導率を持つ弾性層を有する定着部材を備えた画像形成装置が得られる。
なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
本実施形態に係る定着部材について説明する。
図1は、本実施形態に係る定着部材の一例を示す概略断面図である。
そして、弾性層110Bは、充填剤として、平均長さ100μm以上のカーボンナノチューブ(以下、「長尺CNT」と称する)と、カーボンナノチューブ以外の他の充填剤(以下、単に「他の充填剤」と称する場合がある)と、を総量で50体積%以下含有し、且つ、熱伝導率が1.6W/m・K以上である。
具体的には、1)充填剤の充填率を上げる技術、2)熱伝導率の高い充填剤を用いる技術、3)アスペクト比の高い針状又は繊維状の充填剤を用いる技術が一般的に知られている。
しかしながら、1)の技術では、例えば、基材110Aや弾性層110Bが脆くなる等の機械的特性が損なわれることがある。また、2)の技術では、熱伝導率の向上効果が小さいのが現状である。また、3)の技術では、少量の充填剤の添加で熱伝導率の向上効果が図れるが、大幅な向上には至っていないのが現状である。
一方で、基材に含まれる樹脂や弾性層110Bの弾性材料中での熱伝導はフォノン伝導が支配的であるため、フォノン散乱による損失が大きい。したがって、基材110Aや弾性層110Bの機械的特性を損なわずに一層の高熱伝導化を図るためには、少量の充填剤で熱伝導経路を形成することが重要となる。
本実施形態に係る定着部材110は、上記構成の弾性層110Bを有することにより、機械的特性を維持しつつ、高い熱伝導率を実現する。
この理由は定かではないが、例えば、長尺CNTと、他の充填剤と、を併用すると、少ない充填量で弾性層110B中に熱伝導経路が形成され易くなり、熱伝導率が高くなると考えられる。
具体的には、まず、弾性層110Bに長尺CNTを配合すると、各長尺CNTの先端部は種々の方向を向いて存在しており、各先端が接触又は近づく確率は少ないと考えられる。一方で、長尺CNTと他の充填剤とを共に存在させると、長尺CNTの先端は、他の充填剤の表面に対しては接触又は近づく確率が高まると考えられる。このため、種々の方向に向いている各長尺CNTの先端同士は、他の充填剤を介して、三次元的な熱伝導経路を形成し易いと考えられる。なお、他の充填剤としては長尺CNTとの役割が異なることから、針状以外の形状を有していることが好ましい。
つまり、弾性層110Bは、充填剤の充填量が少ない場合あっても高い熱伝導率を得ることとなり、さらに、充填剤の充填量が少ないため機械的特性が損なわれることが抑制される。
基材としては、例えば、金属(アルミ、SUS、鉄、銅等)、合金、セラミックス、FRM(繊維強化メタル)等で構成された円筒体、金属ベルト(例えばニッケル、アルミニウム、ステンレス等の金属ベルト)が挙げられる。この場合、定着部材がベルト状、ロール状のいずれであってもよい。
これら充填剤としては、周知の充填剤が挙げられ、例えば、弾性層と同様に、長尺CNTや、他の充填剤等であってもよい。
基材に充填剤を含ませる場合、基材としては、樹脂ベルト(例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール等の樹脂ベルト)が挙げられる。この場合、定着部材はベルト状である。
一方、定着部材がロール状の場合、基材の外径及び肉厚は、例えば、外径10mm以上50mm以下であることがよく、例えば、アルミニウム製の場合は厚さ0.5mm以上4mm以下、SUS(ステンレス鋼)製又は鉄製の場合は厚さ0.1mm以上2mm以下である。
弾性層は、充填剤(長尺CNT及び他の充填剤)と、耐熱性弾性材料と、を含んで構成される。また、弾性層は、目的に応じて各種添加剤を含んでいてもよい。
弾性層110Bに含ませる充填剤について説明する。
長尺CNTは、平均長さが100μm以上のカーボンナノチューブである。
長尺CNTは炭素で構成される筒状の中空繊維であり、長尺CNTの平均長さは、長手方向の平均長さを示す。
長尺CNTの平均長さは、弾性層における機械的特性を維持しつつ高い熱伝導率を持つこととする観点から、長いほど望ましい。具体的には、長尺CNTの平均長さは、120μm以上が望ましく、140μm以上がより望ましい。
なお、長尺CNTの平均長さは、実質的に、弾性層の膜厚以下が望ましい。
走査型電子顕微鏡観察にて長尺CNT30本の各長さを測定し、その平均値を、平均長さとする。
透過型電子顕微鏡観察にて長尺CNT30本の各外径を測定し、その平均値を、外径とする。
これらの中でも、熱CVD法において、長尺CNTの原料となる炭化水素を供給する時間(成長時間)を調整して作製する方法がよい。
他の充填剤としては、例えば、酸化亜鉛、金属ケイ素、窒化ホウ素、銀、シリカ、アルミナ、硫化カドニウム、炭化物(例えばカーボンブラック、カーボンファイバ等)、酸化チタン、炭化ケイ素、タルク、マイカ、カオリン、酸化鉄、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、黒鉛、窒化ケイ素、酸化鉄、酸化セリウム、炭酸マグネシウム等の周知の粒子(粒状物)が挙げられる。
これらのなかでも、熱伝導率と補強効果、加工性などの観点から、酸化亜鉛、金属ケイ素、窒化ホウ素、銀、シリカ、及びアルミナの粒子が望ましく、その中でも特に、金属ケイ素、シリカ、アルミナの粒子がさらに望ましい。
弾性層における、長尺CNTと、他の充填剤と、の総量は、50体積%以下である。
長尺CNTと、他の充填剤と、の総量は、機械的特性を維持する観点から、45体積%以下が望ましく、40体積%以下がより望ましい。
なお、長尺CNTと、他の充填剤と、の総量は、熱伝導性を得る観点から実質的に、20体積%以上が望ましい。
長尺CNTの充填量は、成膜性の低下を起因とする弾性層の表面性の低下を抑制し、また、弾性層の強度の低下を抑制する観点から、15体積%以下が望ましい。
耐熱性弾性材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴム、液状シリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)等が挙げられる。
フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン/プロピレン系ゴム、四フッ化エチレン/パーフルオロメチルビニルエーテルゴム、フォスファゼン系ゴム、フルオロポリエーテル等が挙げられる。
なお、「耐熱性」とは、定着装置の昇温温度(例えば定着温度)に達しても、溶けたり分解したりしない特性を意味する。以下、同様である。
弾性層の熱伝導率は、1.6W/m・K以上である。
熱伝導率は、1.7W/m・K以上が望ましく、1.8W/m・K以上がより望ましい。
熱伝導率は、定着部材から弾性層を採取し、アイフェイズ社製ai−phaseを用いて測定した熱拡散率に、比熱(JIS K 7123)と密度(JIS K 7112A)を積算し、算出した。
表面層は、例えば、耐熱性離型材料を含んで構成される。
耐熱性離型材料としては、フッ素ゴム、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性離型材料としては、フッ素樹脂がよい。フッ素樹脂として具体的には、例えば、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
次に、定着部材の製造方法について説明する。
具体例として、基材と、基材上に設けられた弾性層であって、長尺CNT及び他の充填剤を含有する弾性層と、弾性層上に設けられた表面層と、を有する定着部材の製造方法を挙げて、本実施形態に係る定着部材の製造方法を説明する。但し、本実施形態に係る定着部材の製造方法はこれに限られるわけではない。
次に、弾性層を、上記基材上に、例えば、長尺CNT、他の充填剤、及び上記耐熱性弾性材料を含む弾性層形成用塗布液を塗布して塗膜を形成し、その後、加熱して形成する。
ここで、弾性層は、三次元的な熱伝導経路を形成し易くして高い熱伝導率を持つこととする観点から、例えば、長尺CNT及び他の充填剤の混合物を添加した弾性層形成用塗布液を用いて形成することが望ましい。
弾性層形成用塗布液として具体的には、長尺CNT及び他の充填剤を溶剤(例えば、nヘプタン、酢酸ブチル等)中で混合して混合物を含む溶液を予め調製し、その溶液を上記耐熱性弾性材料を含む溶液に添加した弾性層形成用塗布液を用いることが望ましい。
表面層は、例えば、フッ素系化合物を含む塗布液をスプレー法等の周知の塗布法により塗布し、焼成して形成してもよい。
また、表面層は、例えば、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA))のチューブを基材の幅に応じた長さに切断し、弾性層の外周面に被覆して形成してもよい。
本実施形態に係る定着部材は、例えば、加熱ベルト、加圧ベルトのいずれにも適用される。なお、加熱ベルトとしては、電磁誘導方式により加熱する加熱ベルト、外部の熱源から加熱する加熱ベルトのいずれであってもよい。
但し、本実施形態に係る定着部材を電磁誘導方式により加熱する加熱ベルトに適用する場合、基材と弾性層との間に、電磁誘導により発熱する金属層(発熱層)を設けることがよい。
本実施形態に係る定着装置としては、種々の構成があり、例えば、第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備える。そして、第1回転体及び第2回転体の少なくとも一方として、本実施形態に係る定着部材が適用される。
なお、本実施形態に係る定着装置は、第1及び第2実施形態に限られず、加熱ロール又は加熱ベルトと加圧ベルトとを備えた定着装置であってよい。そして、本実施形態に係る定着部材は、加熱ロール、加熱ベルト及び加圧ベルトのいずれにも適用され得る。
また、本実施形態に係る定着装置は、第1及び第2実施形態に限られず、電磁誘導加熱方式の定着装置であってもよい。
第1実施形態に係る定着装置について説明する。図2は、第1実施形態に係る定着装置の一例を示す概略概略図である。
なお、押圧パッド64は、例えば、加圧ベルト62と加熱ロール61とが相対的に加圧されていればよい。従って、加圧ベルト62側が加熱ロール61に加圧されてもよく、加熱ロール61側が加熱ロール61に加圧されてもよい。
押圧パッド64は、例えば、幅の広い挟込領域Nを確保するための前挟込部材64aを挟込領域Nの入口側に配置し、加熱ロール61に歪みを与えるための剥離挟込部材64bを挟込領域Nの出口側に配置している。
なお、摺動部材68は、例えば、その摺動面が加圧ベルト62の内周面と接するように設けられており、加圧ベルト62との間に存在するオイルの保持・供給に関与する。
第2実施形態に係る定着装置について説明する。図3は、第2実施形態に係る定着装置の一例を示す概略概略図である。
定着ベルトモジュール86は、例えば、加熱ベルト84の外側に配置されてその周回経路を規定する支持ロール92と、加熱押圧ロール89から支持ロール90までの加熱ベルト84の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール94と、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88とが接触する領域である挟込領域Nの下流側において加熱ベルト84を内周面から張力を付与する支持ロール98とが設けられている。
摺動部材82は、例えば、その摺動面が加熱ベルト84の内周面と接するように設けられており、加熱ベルト84との間に存在するオイルの保持・供給に関与する。
ここで、摺動部材82は、例えば、その両端が支持部材96により支持された状態で設けられている。
支持ロール90の両端部には、例えば、加熱ベルト84を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配設されている。
支持ロール92の離型層は、例えば、加熱ベルト84の外周面からのトナーや紙粉が支持ロール92に堆積するのを防止するために形成されるものである。
支持ロール92の内部には、例えば、ハロゲンヒータ92A(加熱源の一例)が配設されており、加熱ベルト84を外周面側から加熱するようになっている。
姿勢矯正ロール94には、例えば、端部位置測定機構の測定結果に応じて加熱ベルト84の軸方向における当り位置を変位させる軸変位機構(不図示)が配設され、加熱ベルト84の蛇行を制御するように構成されている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着する定着手段と、を備える。そして、定着手段として、本実施形態に係る定着装置が適用される。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
(長尺CNT−1)
長尺CNTは、シリコンウエハ上に鉄等の金属薄膜(触媒)を形成し、窒素雰囲気下で加熱(ベーク)した後、炭化水素を1000℃で目的とする時間供給して成長させる、熱CVD(thermal Chemical Vapor Deposition)法により作製した。
長尺CNT−1は、成長時間(上記炭化水素を供給する時間)を2時間とした。
長尺CNT−1を既述の方法で測定したところ、平均長さが100μmであり、外径がが0.02μmであった。
表1に従って成長時間を変更した以外は、長尺CNT−1と同様にして作製した。作製した長尺CNT−2、3は、既述の方法で、平均長さ及び外径を測定した。外径は長尺CNT−1と同じであった。
(定着ベルトの作製)
−基体の作製−
NMP(N−メチルピロリドン)を溶媒とした固形分濃度18%のポリアミック酸溶液を準備し、アルミニウム製円筒である遠心成形型にポリアミック酸溶液を注入し、遠心成形型を軸線周りに回転させて塗布膜を形成し、145℃30分間加熱乾燥させ、乾燥皮膜を得た。乾燥皮膜を遠心成形型から外してイミド化型にセットし、200℃で20分間、380℃で20分間加熱し、無端ベルト状で、内径168mm、膜厚80μmのポリイミド(PI)基材を得た。
まず、表1に従って、長尺CNT−1と、他の充填剤として商品名Aerosil200(日本アエロジル社製)と、を30mlの酢酸ブチルに添加して撹拌し、溶液中に長尺CNTと他の充填剤との混合物を分散させた(「充填剤混合物作製工程」と称する)。なお、長尺CNT−1及びシリカは、表1に記載の体積%となるように量を調整して添加する。
次に、弾性層まで形成したPI基材の外径より2%小径である膜厚20μmのPFAチューブを準備し、内径が当該ポリイミド基材の外径より0.8%大径である外型の内周にPFAチューブをセットした。そして、PFAチューブの内側に、弾性層まで形成したPI基材を挿入した状態で、PFAチューブを外型から外し弾性層の外周に被覆し、200℃、4時間で2次焼成し、膜厚20μmの表面層を形成した。
熱伝導率の測定と、弾性層の機械的特性の確認として、耐折れ強度についての評価を行った。
結果を表1に示す。
各例で得られた定着ベルトから弾性層を採取し、既述の方法で熱伝導率を測定した。
加熱ベルトとして、得られた定着ベルトを富士ゼロックス社製の画像形成装置:Color1000Press用の定着装置に装着し、定着装置を画像形成装置に組み込んだ。但し、この画像形成装置は、定着速度を増速改造して、1分間当たり120枚まで定着できるように改造した。この画像形成装置を用いて、画像濃度30%のハーフトーンの定着画像をA4用紙に出力し、定着性を評価した。評価基準は、以下の通りである。
A:ネイルスクラッチにて350gsm紙まで定着画像の剥がれなし
B:ネイルスクラッチにて256gsm紙まで定着画像の剥がれなし
C:ネイルスクラッチにて256gsm紙の定着画像で剥がれあり
得られた定着ベルトから、耐折れ強度試験片(試験部長さ100mm、幅15mm)を作製した。
作製した試験片を用い、試験機MIT−DA(TOYOSEIKI社製)にて、屈曲R1、荷重1.25kg、両振り、振り角度135°、速度175回/分の条件にて、規定回数屈曲ストレスを印加した。各サンプルの弾性層を光学顕微鏡にて観察し、亀裂の発生有無を確認した。評価基準は、以下の通りである。
A:100万回で弾性層に亀裂なし。
B:10万回で弾性層に亀裂なし。
C:10万回で弾性層に亀裂発生。
表1に従って、長尺CNT及び他の充填剤における種類や充填量を変更した以外は、実施例1と同様にして定着ベルトを作製し、評価した。
長尺CNT−1及び他の充填剤を、付加硬化型の液状ジメチルシリコーンゴムに対してそれぞれ添加し、付加硬化型の液状ジメチルシリコーンゴム中で撹拌して弾性層形成用塗布液を作製したことと、他の充填剤の種類を変更した以外は、実施例1と同様にして定着ベルトを作製して評価した。
・金属ケイ素「商品名M−Si#600」:キンセイマテック社製、体積平均粒径6μm
・アルミナ「商品名DAW−05」:デンカ社製、体積平均粒径5μm
・酸化亜鉛「商品名パナテトラ」:パナソニック社製、体積平均粒径20μm
・窒化ホウ素「商品名PT−110」:モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、体積平均粒径45μm
・カーボンファイバー「商品名100−05M」:日本グラファイトファイバー社製、体積平均繊維粒径9μm、平均繊維長50μm
61 加熱ロール
62 加圧ベルト
63 ベルト走行ガイド
64 押圧パッド
64a 前挟込部材
64b 剥離挟込部材
65 保持部材
66 ハロゲンランプ
68、82 摺動部材
69 感温素子
70 剥離部材
71 剥離爪
72 保持部材
80 定着装置
84 加熱ベルト
86 定着ベルトモジュール
88 加圧ロール
89A ハロゲンヒータ
89 加熱押圧ロール
90A ハロゲンヒータ
90 支持ロール
92A ハロゲンヒータ
92 支持ロール
94 姿勢矯正ロール
96 支持部材
98 支持ロール
100 画像形成装置
110 定着部材
110A 基材
110B 弾性層
110C 表面層
Claims (5)
- 基材と、
前記基材上に設けられた弾性層であって、平均長さ100μm以上のカーボンナノチューブと、前記カーボンナノチューブ以外の他の充填剤との比率(前記カーボンナノチューブ/前記他の充填剤)を1/8以上1/4以下として、前記カーボンナノチューブと前記他の充填剤とを総量で45体積%以下含有し、且つ、熱伝導率が1.6W/m・K以上の弾性層と、
前記弾性層上に設けられた表面層と、
を有する定着部材。 - 前記弾性層が、前記カーボンナノチューブ及び前記他の充填剤の混合物を添加した弾性層形成用塗布液の塗膜からなる弾性層である請求項1に記載の定着部材。
- 前記他の充填剤が、酸化亜鉛粒子、金属ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子、銀粒子、シリカ粒子、及びアルミナ粒子よりなる群から選択される少なくとも1種の粒子を含んでいる請求項1又は請求項2に記載の定着部材。
- 第1回転体と、前記第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備え、
前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方が、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の定着部材である定着装置。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記トナー像を前記記録媒体に定着する定着手段であって、請求項4に記載の定着装置である定着手段と、
を備える画像形成装置。
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