JP2005003969A - 摺動部材、定着装置、および摺動部材の製造方法 - Google Patents

摺動部材、定着装置、および摺動部材の製造方法 Download PDF

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Kenji Nakatogawa
健司 中戸川
Yosuke Tsutsumi
洋介 堤
Jun Kimura
潤 木村
Keitarou Sonoguchi
慶太郎 薗口
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

【課題】所定の駆動部材に従動する中空回転体との摩擦係数を長期にわたって比較的低く維持することができる摺動部材、その摺動部材を備えた定着装置、およびその摺動部材の製造方法を提供する。
【解決手段】エンドレスベルト20と押圧部材30との間に、エンドレスベルト20内面に接する摺動面側がフッ素樹脂組成物からなるとともにその摺動面が格子形状の凹凸を有する低摩擦シート40を備え、未定着のトナー像を担持した記録媒体100をニップ部60で挟持して加熱定着ロール10で加熱および加圧することによりそのトナー像を記録媒体100に定着させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の駆動部材に従動する中空回転体の内面に接しその中空回転体の従動に対し摺動する摺動部材、その摺動部材を備えた定着装置、およびその摺動部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の複写機やプリンタあるいはファクシミリなどに用いられる画像形成装置には、用紙等の記録媒体上に転写された未定着のトナー像を加熱および加圧することによりそのトナー像を記録媒体に定着させる定着装置が備えられている。このような定着装置において、所定の駆動部材である定着ロール(あるいは加圧ロール)に従動する中空回転体である耐熱性プラスチック製のフィルム管状体(ベルト管状体と称する)を用いたベルトニップ方式を採用した定着装置が知られている。
【0003】
このベルトニップ方式を採用した定着装置の1つに、定着ロールにベルト管状体を外接させるとともに、そのベルト管状体の、外接される部分に対応する部分に押圧部材を内接させ、さらにベルト管状体の内面に潤滑剤を塗布し、定着ロールと上記ベルト管状体との間に形成されたニップ部に記録媒体を通過させることによりトナー像を定着させるものがある。また、ベルト管状体と押圧部材との間に摺動部材を設置し、その摺動部材の表面に潤滑剤を塗布し、定着ロールと上記ベルト管状体との間に形成されたニップ部に記録紙を通過させることによりトナー像を定着させるものもある。
【0004】
このようなベルトニップ方式を採用した定着装置において、記録媒体に対して、優れた定着画像や定着性を保証するためには、定着ロールと記録媒体との間でのスリップ、および記録媒体とベルト管状体との間でのスリップを防止することが不可欠である。ここで、定着ロールと記録媒体との間の摩擦係数をμa、記録媒体とベルト管状体との摩擦係数をμb、ベルト管状体と押圧部材との摩擦係数をμcとすると、少なくとも、μa>μc、μb>μcの関係を満たす必要がある。
【0005】
ここで、摩擦係数μcを低減するために、フッ素樹脂を塗布して焼成したガラス繊維シートよりなる被覆層(低摩擦シートと称する)を上記押圧部材上に被覆し、かつその低摩擦シートとベルト管状体との間に潤滑剤として種々の変性シリコーンオイルを介在させた技術が提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
【0006】
また、ベルト内面に接する押圧部材表面に横溝形状や穴を設けた技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−213984号公報
【特許文献2】
特開2001−249558号公報
【特許文献3】
特開2002−299007号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1,特許文献2に提案された、フッ素樹脂を塗布して焼成したガラス繊維シートよりなる低摩擦シートは、潤滑剤を保持させるために、その低摩擦シートの、少なくともベルト管状体内面との摺動面は、多孔質状或いは微小な凹みをもったもので構成されている。しかし、低摩擦シートの摺動面が、多孔質状で構成されているが故に、以下に示すような問題がある。
【0009】
長期にわたる使用において、低摩擦シートの、コーティングされた最表層のフッ素樹脂層が磨耗し、補強基材であるガラス繊維シートが剥き出しになる場合がある。すると、そのガラス繊維シートでベルト管状体の内面が磨耗されてしまうという現象が発生し、ベルト管状体の信頼性が損なわれるという問題がある。また、ベルト管状体からの磨耗紛の蓄積や、ガラス繊維シートとベルト管状体内面との直接接触により、ベルト管状体内周面と低摩擦シート表面との間の摩擦係数が増大して、定着ロールの駆動トルクが大きくなる。すると、薄肉の定着ロールコアのギア受け部に働く応力が大きくなり、ギアやコアの破損を引き起こす恐れがある。また、当然のことながら、定着ロールを駆動するモータへの負担も大きくなるという問題がある。
【0010】
また、特許文献3に提案された、ベルト内面に接する押圧部材表面に横溝形状や穴を設ける技術では、その押圧部材表面における、潤滑剤を保持するための凹みの深さは比較的浅く、その面積も比較的小さく且つ断続的な形状であるため、長期にわたる使用において潤滑性能、即ち低摩擦を得るための潤滑剤保持機能を充分に維持することは困難である。従って、前述したと同様に、駆動トルクが大きくなり、ギアやコアの破損を引き起こす恐れやモータへの負担が大きくなるという問題がある。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑み、所定の駆動部材に従動する中空回転体との摩擦係数を長期にわたって比較的低く維持することができる摺動部材、その摺動部材を備えた定着装置、およびその摺動部材の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の摺動部材のうちの第1の摺動部材は、所定の駆動部材に従動する中空回転体の内面に接しその中空回転体の従動に対し摺動する摺動部材において、
少なくとも、上記中空回転体内面に接する摺動面側がフッ素樹脂組成物からなるとともに、その摺動面が、上記中空回転体の少なくとも従動方向に繰り返す凹凸を有することを特徴とする。
【0013】
従来の、特許文献1,特許文献2に提案された技術では、長期にわたる使用において、コーティングされた最表層のフッ素樹脂層が磨耗してガラス繊維シートが剥き出しになる場合があり、その場合、中空回転体であるベルト管状体の信頼性が損なわれる等の問題がある。また、特許文献3に提案された技術では、長期にわたる使用において、低摩擦を得るための潤滑剤保持機能を充分に維持することは困難であるという問題がある。
【0014】
そこで、本発明者らは、上記の問題を解決すべく、中空回転体内面に接する摺動部材の信頼性向上に焦点を向け、この摺動部材を構成する材料特性(強度、弾性、塑性、低摩擦性、耐熱性、熱伝導性、反応性、幾何学的特性、フィラー粒径、フィラー形状、フィラー添加量、フィラー種類など)に関して鋭意研究を重ねた結果、摺動面側をフッ素樹脂組成物で構成するとともに、この摺動面が中空回転体の少なくとも従動方向に繰り返す凹凸を有することで、長期の使用において信頼性を高めることができるということを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の摺動部材は、フッ素樹脂組成物の表面に上記凹凸を有するものであるため、フッ素樹脂組成物による、上記中空回転体内面との摩擦係数の低減効果に加え、上記凹凸による、上記中空回転体との接触面積の低減、および上記中空回転体内面に付与される潤滑剤の保持量の増加とともにその潤滑剤の循環機能付与が発現する。例えば、潤滑剤としてグリースを用いた場合には、そのグリースが上記凹凸のうちの凹部(溝中)に埋まりこむ。これにより、グリースの低せん断層が凹凸上に配置されることとなり、例えばOHPへの画像定着等における低速処理時に、いわゆるビビリ音を生じさせるスティックスリップの発生が抑えられて、記録媒体に定着される画像の乱れが防止される。また、上記グリースにはオイルが含まれているため、溝中に存在するグリースから凸部への潤滑用のオイル供給が効果的になされることとなる。従って、中空回転体との摩擦係数を長期にわたって比較的低く維持することができる。
【0015】
ここで、上記摺動面が、格子形状の凹凸を有することが効果的である。
【0016】
摺動部材の摺動面が格子形状の凹凸を有すると、その凹凸を構成する凹部全体にオイルが行きわたることとなり、従ってその凹凸を構成する凸部へのオイル供給を十分に行なうことができ、中空回転体との摩擦係数を長期にわたって一層低く維持することができる。
【0017】
また、上記凹凸が、ワイヤ径0.14mm〜0.05mmであって60〜200メッシュの範囲内のメッシュサイズを有する金属メッシュによるものであることが好ましい。
【0018】
ワイヤ径が0.14mmであってメッシュサイズが60未満のものであると、摺動部材の摺動面が有する凹凸のうちの凹部の深さは浅くなり、このため潤滑剤保持効果が低下することとなる。一方、ワイヤ径が0.05mmであってメッシュサイズが200を超えるものであると、凹凸のうちの凸部の単位面積当たりに占める割合は大きくなり、このため摩擦係数の増加をもたらすこととなる。従って、上記60〜200メッシュの範囲内のメッシュサイズを有する金属メッシュによるものが好ましい。
【0019】
さらに、上記凹凸の表面粗さ深度Rtが20μm〜100μmの範囲内にあることも好ましい態様である。
【0020】
表面粗さ深度Rtが20.0μm未満であると、その表面における潤滑剤保持効果は弱く、このため摩擦係数が増大することとなる。一方、表面粗さ深度Rtが100μmを超えると凹凸が激しすぎて画像欠陥が発生しやすくなる。従って、凹凸の表面粗さ深度Rtが20μm〜100μmの範囲内にあることが好ましい。
【0021】
また、上記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフロオロエチレン(PTFE)及びこの変性体から選択されることが好ましい。
【0022】
フッ素樹脂が、上記材質のものから選択されたものであると、摺動部材の摺動面の耐久性を高めることができる。
【0023】
さらに、上記フッ素樹脂が、架橋した改質ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)からなる、或いは改質ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)を含有するポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)或いはテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)からなるものであることも好ましい。
【0024】
フッ素樹脂が、上記のような材質のものからなると、摺動部材の摺動面の耐久性をさらに高めることができる。
【0025】
また、フッ素樹脂組成物からなる、少なくとも、上記中空回転体内面に接する摺動面側が、そのフッ素樹脂組成物にフィラーを含有してなるものであってもよい。
【0026】
フッ素樹脂組成物にフィラーを含有すると、摺動面の補強および潤滑付与効果を高めることができる。
【0027】
さらに、上記フィラーが、層状構造を持った潤滑性フィラーであってもよい。
【0028】
フィラーが層状構造を持った潤滑性フィラーであると、層間剥離されるため、潤滑付与効果をさらに高めることができる。
【0029】
また、上記フィラーが、導電性を有するフィラーであってもよい。
【0030】
導電性を有するフィラーであると、摺動部材と中空回転体との間に発生する摩擦帯電による電荷を除去することができる。
【0031】
さらに、上記フィラーが、耐熱性樹脂を含んで構成され、その耐熱性樹脂がイミド系樹脂、アミド系樹脂、及び芳香族ポリエステル系樹脂から選択される樹脂からなるフィラーであってもよい。
【0032】
このようなフィラーを用いると、本発明の摺動部材を、未定着のトナー像を担持した記録媒体を加熱することによりそのトナー像を記録媒体に定着させる定着装置に好適に用いることができる。
【0033】
また、上記フィラーが、針状、繊維状、又はテトラポット状構造を持った補強性フィラーであってもよく、さらに、上記フィラーとして、複数種類のフィラーを含有するものであってもよい。
【0034】
このようなフィラーで、摺動面の補強および潤滑付与効果を高めてもよい。
【0035】
また、上記フィラーの添加量が、上記フッ素樹脂100質量部に対して1.0質量部〜30質量部の範囲内にあることが好ましい。
【0036】
フィラーの添加量が上記の範囲内にあると、摺動部材の摩擦係数を比較的低く維持したまま、摺動面の補強および潤滑付与効果を高めることができる。
【0037】
また、上記目的を達成する本発明の定着装置は、
所定の駆動部材と、
上記駆動部材に押圧されて従動する中空回転体と、
上記中空回転体内側に配置され、その中空回転体を、上記駆動部材に向けて押圧する押圧部材と、
上記中空回転体と上記押圧部材との間に介在するシート状の摺動部材と、
上記中空回転体と上記摺動部材との間に介在する潤滑剤と、
上記駆動部材と上記中空回転体とが相互に押圧されたニップ部を加熱する加熱源とを備え、
未定着のトナー像を担持した記録媒体を上記ニップ部で挟持して加熱および加圧することによりそのトナー像を記録媒体に定着させる定着装置において、
上記摺動部材が、少なくとも、上記中空回転体内面に接する摺動面側がフッ素樹脂組成物からなるとともに、その摺動面が、上記中空回転体の少なくとも従動方向に繰り返す凹凸を有することを特徴とする。
【0038】
本発明の定着装置は、中空回転体内面に接する摺動面側がフッ素樹脂組成物からなるとともに、その摺動面が、上記中空回転体の少なくとも従動方向に繰り返す凹凸を有する摺動部材を備えたものであるため、未定着のトナー像を担持した記録媒体を加熱および加圧することによりそのトナー像を記録媒体に定着させるにあたり、フッ素樹脂組成物による、上記中空回転体内面との摩擦係数の低減効果に加え、上記凹凸による、上記中空回転体との接触面積の低減、および上記中空回転体内面に付与される潤滑剤の保持量の増加とともにその潤滑剤の循環機能付与が発現する。従って、中空回転体との摩擦係数を長期にわたって比較的低く維持することができる。
【0039】
ここで、上記駆動部材が上記加熱源からの熱を上記ニップ部に伝達するとともに上記中空回転体を押圧しながら回転する定着ロールであることが好ましい。
【0040】
上記駆動部材が、このような定着ロールであると、装置の簡素化が図られる。
【0041】
また、上記潤滑剤が、合成潤滑油グリース、ジメチルシリコーンオイル、有機金属塩添加ジメチルシリコーンオイル、ヒンダードアミン添加ジメチルシリコーンオイル、有機金属塩及びヒンダードアミン添加ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、有機金属塩添加アミノ変性シリコーンオイル、ヒンダードアミン添加アミノ変性シリコーンオイル、パーフルオロポリエーテルオイル、変性パーフルオロポリエーテルオイルの中から少なくとも一つ選ばれたものであることも好ましい態様である。
【0042】
潤滑剤として、上記の中から少なくとも一つ選択すると、摺動部材の摺動面と中空回転体の内面との摩擦係数を長期にわたって比較的低く維持したまま、加熱源からの熱にも十分に耐えることができる。
【0043】
さらに、上記目的を達成する本発明の摺動部材の製造方法は、所定の駆動部材に従動する中空回転体の内面に接しその中空回転体の従動に対し摺動する摺動部材の製造方法において、
少なくとも、上記中空回転体内面に接する摺動面側にフッ素樹脂組成物が広がる摺動部材材料のそのフッ素樹脂組成物が広がる面に金属メッシュを重ね合わせ、加熱雰囲気下において加圧することによりその金属メッシュ表面の凹凸形状をそのフッ素樹脂組成物表面に転写することを特徴とする。
【0044】
本発明の摺動部材の製造方法は、加熱雰囲気下において加圧することにより金属メッシュ表面の凹凸形状をフッ素樹脂組成物表面に転写する方法であり、この方法によれば、フッ素樹脂組成物の表面が十分軟化した状態で、金属メッシュ表面の凹凸形状が転写される。このように、製造時において、金属メッシュ表面の凹凸形状がフッ素樹脂組成物表面に熱と圧力をかけて転写されるため、その凹凸形状に対して、時間的なストレスおよび熱付加的なストレスが与えられても、その凹凸形状が変化することが防止される。また、剛体である金属メッシュと熱可塑性であるフッ素樹脂組成物を組み合わせて熱を付加しプレスして製造することにより、製造工程において、形状を転写する金属メッシュを長期にわたって繰り返し使用することができる。従って、製造コストの低減に繋がる。
【0045】
ここで、上記本発明の摺動部材の製造方法において、上記金属メッシュが、ワイヤ径0.14mm〜0.05mmを有するとともに、60〜200メッシュの範囲内のメッシュサイズを有する金属メッシュであることが好ましい。
【0046】
このような金属メッシュを使用すると、凹凸が60〜200メッシュサイズの摺動部材を得ることができるため、前述したように、潤滑剤保持効果を高めたまま摩擦係数の低減化が図られる。
【0047】
また、上記目的を達成する本発明の摺動部材のうちの第2の摺動部材は、所定の駆動部材に従動する中空回転体の内面に接しその中空回転体の従動に対し摺動する摺動部材において、
少なくとも、上記中空回転体内面に接する摺動面側にフッ素樹脂組成物が広がる摺動部材材料の、そのフッ素樹脂組成物が広がる面に、金属メッシュを重ね合わせ、加熱雰囲気下において加圧することによりその金属メッシュ表面の凹凸形状をそのフッ素樹脂組成物表面に転写することにより、上記中空回転体の内面に接する摺動面がその金属メッシュの凹凸形状が転写された凹凸形状に形成されてなることを特徴とする。
【0048】
本発明の第2の摺動部材は、上記本発明の摺動部材の製造方法により製造されたものであるため、中空回転体との摩擦係数を長期にわたって比較的低く維持することができるとともに、凹凸形状に対して、時間的なストレスおよび熱付加的なストレスを与えられてもその形状が失われることが防止され、且つ製造コストの低減化が図られる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0050】
図1は、本発明の一実施形態の定着装置の断面図である。
【0051】
尚、本実施形態の定着装置には、本発明の一実施形態の摺動部材も備えられている。
【0052】
図1に示す本実施形態の定着装置1には、所定の駆動部材であり矢印A方向に回転する加熱定着ロール10と、その加熱定着ロール10に押圧されて矢印B方向に従動する中空回転体である薄膜状のエンドレスベルト20が備えられている。
【0053】
また、この定着装置1には、エンドレスベルト20内側に配置され、そのエンドレスベルト20を、加熱定着ロール10に向けて押圧する押圧部材30が備えられている。
【0054】
さらに、定着装置1には、エンドレスベルト20と押圧部材30との間に介在するシート状の摺動部材(本発明の一実施形態の摺動部材であり、ここでは低摩擦シートと称する)40が備えられている。
【0055】
また、定着装置1には、エンドレスベルト20と低摩擦シート40との間に介在する潤滑剤50と、加熱定着ロール10とエンドレスベルト20とが相互に押圧されたニップ部60を加熱する加熱源であるハロゲンランプ70と、エンドレスベルト20がスムーズに回転するように設けられたベルト走行ガイド80と、感温素子90とが備えられている。この定着装置1は、矢印C方向から送られる、未定着のトナー像を担持した記録媒体100を、ニップ部60で挟持して加熱および加圧することによりそのトナー像を記録媒体100に定着させる装置である。
【0056】
本発明の摺動部材の一実施形態である低摩擦シート40は、少なくとも、エンドレスベルト20内面に接する摺動面側がフッ素樹脂組成物からなるとともに、その摺動面が、エンドレスベルト20の少なくとも従動方向に繰り返す凹凸を有するものである。具体的には、この低摩擦シート40は、シート状に加工されて金属メッシュの凹凸が転写された低摩擦シートである。尚、本発明にいう摺動部材の形態は、シートやフィルムあるいはブロック体等でよく、中空回転体の内面に接しその中空回転体の従動に対し摺動する形態のものであれば特に限定されることはなく、また摺動部材そのものが発熱するものであってもよい。
【0057】
本実施形態の定着装置1には、加熱定着ロール10,エンドレスベルト20,押圧部材30,低摩擦シート40等が備えられているが、必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば離型剤供給手段等を備えてもよい。また、駆動部材である加熱定着ロール10としての形状,構造,大きさ等に関しては、特に制限はなく、目的に応じてそれ自体公知のものの中から適宜選択して使用することができる。
【0058】
加熱定着ロール10には、円筒状のコア11と、そのコア11の外周面に形成された弾性層12と、その弾性層12の表面に形成された離型層13とが備えられている。また、コア11の内部には、加熱源としてのハロゲンランプ70が配設されている。
【0059】
上記コア11の材質は、機械的強度に優れて伝熱性が良好である材質ならばよく、例えば、アルミ、SUS、鉄、銅等の金属、合金、セラミックス、FRMなどが挙げられる。
【0060】
また、上記弾性層12の材質は、公知の材質のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。本実施形態においては、これらの材質の中でも、表面張力が小さく弾性に優れた点からしてシリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)などが挙げられる。
【0061】
弾性層12の厚みとしては、通常、3mm以下であり、好ましくは0.5〜1.5mmである。上記弾性層12を上記コア11の表面に形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、それ自体公知のコーティング法などが採用できる。上記コーティング法としては、例えば、ニーダーコーティング、バーコーティング、カーテンコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング等が挙げられる。本実施形態においては、これらの中でもディップコーティングが好適に採用できる。
【0062】
また、本実施形態においては、上記弾性層12の表面に離型層13が形成される。離型層13が形成されていると、トナー像のオフセットを好適に防止することができ、安定した状態で定着装置1を運転することができる点で有利である。離型層13の材質としては、トナー像に対し、適度な離型性を示すものであれば特に制限はなく、例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの材質の中でもフッ素樹脂が好適に挙げられる。上記フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられ、特に耐熱性、機械特性等の面からポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、およびテトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル(EFA)共重合体が好適に用いられる。
【0063】
上記離型層13の厚みとしては、通常、10μm〜100μmであり、好ましくは20μm〜30μmである。上記離型層13を上記コア11の表面に形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、上述したコーティング法などが挙げられる。また、押出し成型によって形成されたチューブを被覆する方法が挙げられる。
【0064】
上記エンドレスベルト20としては、その形状、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じてそれ自体公知のものの中から適宜選択して使用することができる。上記エンドレスベルト20としては、帯状かつ無端に形成されたベルトが一般的である。上記エンドレスベルト20の構造としては、基材21と、その基材21の外周面に形成された離型層22とからなる多層構造であるが、単層構造であってもよい。エンドレスベルト20の材質としては、例えば、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、耐磨耗性、耐薬品性等に優れる点で熱硬化性ポリイミドが好ましい。ここで、基材21中には、導電性、熱伝導性、絶縁性、補強等の目的に応じて、適宜、無機粒子、金属粉、金属酸化物、有機金属酸化物等の機能性フィラーを添加することができる。
【0065】
エンドレスベルト20の離型層22としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられ、特に耐熱性、機械特性等の面からポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル(EFA)共重合体が好適に用いられる。
【0066】
押圧部材30には、支持体31と、その支持体31の上に配置された弾性体32およびアルミニウム部材33が備えられている。この押圧部材30は、エンドレスベルト20の内側に配置され、かつそのエンドレスベルト20と加熱定着ロール10との間に、未定着トナー像を保持する記録媒体100が通過可能なニップ部60が形成されるように、エンドレスベルト20を介して加熱定着ロール10を押圧する。この押圧部材30は、エンドレスベルト20の内側に配置されてそのエンドレスベルト20を介して加熱定着ロール10を押圧し、エンドレスベルト20と加熱定着ロール10との間に、未定着トナー像を保持する記録媒体100が通過可能なニップ部60を形成することができる機能を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜公知のものの中から選択できる。特に硬度の点からJIS−A硬度10°〜40°のシリコーンゴムが好適に用いられる。押圧部材30の形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。本実施形態における押圧部材30は、互いに異なる機能を有する支持体31,弾性体32,アルミニウム部材33を備えた複数の部材からなる構造のものであるが、単一の部材からなる構造のものであってもよい。
【0067】
上記押圧部材30の表面には、本発明の摺動部材の一実施形態である低摩擦シート40が被覆されており、この低摩擦シート40は、フッ素樹脂からなる組成物で構成されている。フッ素樹脂としては加工性、摩擦特性の観点からポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、パーフルオロポリビニルエーテル樹脂(PFA)、PTFE樹脂にエネルギー線を照射することによって改質された改質ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、および改質された改質ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)を含有したポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)或いはテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を用いることが好ましい。
【0068】
低摩擦シート40は、前述したように、その摺動面側がフッ素樹脂組成物からなるとともに、その摺動面が格子形状の凹凸を有する。
【0069】
図2は、図1に示す低摩擦シートの摺動面が有する格子形状の凹凸を示す図である。
【0070】
低摩擦シート40の摺動面が有する格子形状の凹凸は、この図2の縦方向および横方向に形成された凹部41と、その凹部41で取り囲まれて形成された凸部42から構成されている。格子形状の凹凸は、ワイヤ径0.14mm〜0.05mmであって60〜200メッシュの範囲内のメッシュサイズを有する金属メッシュ(ステンレス網)を用いて形成される。ここで、メッシュサイズが上記60未満のものであると、低摩擦シート40の摺動面が有する凹凸のうちの凹部41の深さが浅くなり、このため潤滑剤保持効果が低下することとなる。一方、メッシュサイズが上記200を超えるものであると、凹凸のうちの凸部42の単位面積当たりに占める割合が大きくなり、このため摩擦係数の増加をもたらすこととなる。
【0071】
また、JIS表面粗さ規定における表面粗さ深度Rtが20.0μm〜100μmであることが好ましく、表面粗さ深度Rtが20.0μm未満であると表面における潤滑剤保持効果が弱くなり摩擦係数が増大することとなる。一方、表面粗さ深度Rtが100μmを超えると凹凸が激しすぎて画像ディフェクトが発生しやすくなる。
【0072】
さらに、フィラーを添加する場合には、その添加量は1.0質量部〜30.0質量部の範囲が好ましく、1.0質量部未満であると補強・潤滑付与効果が弱く、30質量部を超えるとフッ素樹脂の特性である潤滑特性の低下および表面汚染性の増加が顕著になる。
【0073】
次に、本発明の摺動部材の製造方法の一実施形態である低摩擦シート40の製造方法について、図3を参照して説明する。
【0074】
図3は、本発明の摺動部材の製造方法の一実施形態である低摩擦シートの製造方法を説明するための図である。
【0075】
低摩擦シート40を製造するには、先ず、加熱源101aを有する上プレス板101および加熱源102aを有する下プレス板102を用意する。
【0076】
次に、下プレス板102の表面にポリイミドシート103を載置し、そのポリイミドシート103の上にゴムシート104を載置する。
【0077】
さらに、ゴムシート104の上に、低摩擦シート40の基となる低摩擦シート材料105を載置する。この低摩擦シート材料105は、エンドレスベルト20内面に接する摺動面側にフッ素樹脂組成物が広がるシート材料である。
【0078】
次に、低摩擦シート材料105の、フッ素樹脂組成物が広がる面に、格子形状の凹凸を有する金属メッシュ106を重ね合わせ、さらに金属メッシュ106の上にポリイミドシート107を載置する。詳細には、金属メッシュ106は、ワイヤ径0.14mm〜0.05mmを有するとともに、60〜200メッシュの範囲内のメッシュサイズを有するステンレス網である。
【0079】
次に、加熱雰囲気下において、上プレス板101を矢印A方向に且つ下プレス板102を矢印B方向に加圧することにより、金属メッシュ106表面の凹凸形状を、低摩擦シート材料105のフッ素樹脂組成物表面に転写する。このようにして、低摩擦シート40を製造する。
【0080】
本実施形態では、このような金属メッシュ106を使用することにより、摺動面が格子形状の凹凸を有する低摩擦シート40を得ることができる。従って、潤滑剤保持効果を高めたまま摩擦係数の低減化が図られる。
【0081】
ここで、金属メッシュ106の凹凸を、低摩擦シート40の摺動面に転写させるにあたり、100℃以上の熱をかけることが好ましい。その理由としては、定着装置1の使用時に、未定着トナーを記録媒体100に定着させるにあたり、低摩擦シート40に熱が付加された時に、変形時に残存した上記100℃以上の熱による残留応力で、凹凸が変化してしまうことを防止することができるためである。本実施形態の低摩擦シート40は、このような製造方法により製造されたものであるため、低摩擦シート60に対して、未定着のトナー像を担持した記録媒体100をニップ部60で挟持して加熱および加圧することによる、時間的なストレスおよび熱付加的なストレスを与えても、その凹凸の形状が失われることが防止される。また、製造工程において、金属メッシュ106は繰り返し使用することができるため、製造コストの低減化が図られる。
【0082】
尚、上述した本実施形態では、本発明にいう摺動部材として、格子形状の凹凸を有する摺動面を持つ低摩擦シート40の例で説明したが、本発明にいう摺動部材は、摺動面が、中空回転体の少なくとも従動方向に繰り返す凹凸を有するものであればよく、例えば以下に説明するように、中空回転体であるエンドレスベルト20の従動方向に凹部と凸部が交互に形成された凹凸を有する摺動面を持つ低摩擦シートであってもよい。
【0083】
図4は、凹部と凸部が交互に繰り返し形成された凹凸を有する摺動面を持つ低摩擦シートの一部を示す図である。
【0084】
低摩擦シート140の摺動面は、エンドレスベルト20の従動方向(図4の縦方向)に、凹部141と凸部142が交互に繰り返し形成された凹凸を有する。このような凹凸を有する摺動面を持つ低摩擦シート140で、エンドレスベルト20に対する潤滑剤保持効果および摩擦係数の低下を図ってもよい。
【0085】
また、前述した図3に示す低摩擦シートの製造方法は、いわゆるバッチ処理による製造方法であるが、低摩擦シートの製造効率を高めるために、このバッチ処理による製造方法に代えて、以下に説明する連続処理による製造方法で低摩擦シート40を製造してもよい。
【0086】
図5は、連続処理による低摩擦シートの製造方法を説明するための図である。
【0087】
先ず、加熱源201aを有する上プレスロール201および加熱源202aを有する下プレスロール202を用意する。
【0088】
次に、下プレスロール202の外周面にポリイミドシート203を巻き付け、そのポリイミドシート203上にゴムシート204を巻き付ける。
【0089】
さらに、上プレスロール201の外周面にポリイミドシート207を巻き付け、そのポリイミドシート207上に金属メッシュ206を巻き付ける。
【0090】
次に、加熱雰囲気下において、上プレスロール201を矢印A方向に回転させるとともに、下プレスロール202を矢印A方向に回転させながら、フッ素樹脂組成物が広がる長尺の低摩擦シート材料205の、フッ素樹脂組成物が広がる面に、金属メッシュ106表面の凹凸形状が、そのフッ素樹脂組成物表面に転写するように、長尺の低摩擦シート材料205を矢印C方向から送る。このようにして、加熱雰囲気下において、上プレスロール201と下プレスロール202で長尺の低摩擦シート材料205を連続的に加圧することにより金属メッシュ206表面の凹凸形状をそのフッ素樹脂組成物表面に連続転写する。その後、所望の長さに切断する。このようにして、低摩擦シート40を製造してもよい。
【0091】
以上説明したように、本実施形態によれば、長期の使用にも耐え得る耐熱安定性及び低摩擦性に優れた凹凸が形成されたフッ素樹脂組成物からなる低摩擦シート40が得られ、そのような低摩擦シート40を採用することで、信頼性の高い中空回転体であるエンドレスベルト20の走行を実現する定着装置1、およびその定着装置1を用いた電子写真装置を提供することができる。
【0092】
即ち、本実施形態によれば、いわゆるフリー回転体方式、特にはベルト回転体方式を用いた定着装置において、低摩擦シートとして金属メッシュの凹凸転写されたフッ素樹脂組成物からなる低摩擦摺動部材を用いることにより、凹凸による接触面積の低減、凹み部分の潤滑剤保持効果及びその連続性による循環機能発現、潤滑剤内部浸透による表面膨潤などによる化学的変質を招来させず、ニップ形状のばらつきによる定着画像乱れなどの画質欠陥を防止することができる。
【0093】
また、フィラーを好適量添加した場合には補強効果と潤滑性を同時に実現できるため、機器の長期使用において、従来よりも信頼性の高い定着装置の提供を実現することができる。
【0094】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1においては、シート形状に加工され、凹凸が転写されたフッ素樹脂組成物からなる低摩擦摺動シートを用いた。これを評価装置であるプリンター(C2220富士ゼロックス(株)製)の定着部(前述した図1に示す定着装置1)に組み込み、フルカラーのパターン画像にてJ紙(富士ゼロックス(株)製)に出力した。
【0095】
前述した図1に示す定着装置1を構成する加熱定着ロール10には、外径30mm、肉厚1.8mm、長さ360mmの円筒状アルミ製コア11を用いた。また、コア11の外周面に、シリコーンHTVゴム(ゴム硬度35度:JIS−A)を600μmの厚みに被覆して弾性層12を形成した。さらに、その弾性層12の表面に、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を30μmの厚みにチューブ被覆して鏡面状態に近い表面に仕上げて離型層13を形成した。コア11の内部には、加熱源として600wのハロゲンランプ70を配設した。
【0096】
加熱定着ロール10の表面温度は、その加熱定着ロール10の表面に当接した状態で配置された感温素子90の温度センサと、図示しない温度コントロールとにより175℃に制御した。
【0097】
エンドレスベルト20は、周長94mm、肉厚75μm、長さ320mmの熱硬化性ポリイミドである基材21の外周面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を30μmの厚みにコーティングして離型層22を形成した。
【0098】
押圧部材30は、支持体31と、その支持体31の上に配置された弾性体32およびアルミニウム部材33から構成されている。弾性体32は、幅10mm、肉厚5mm、長さ320mmのシリコーンゴムでありベルト走行ガイド80の表面には、エンドレスベルト20の内周面との接触面積を少なくするためにリブ(図示せず)を設けた。また、ベルト走行ガイド80の両端に、エンドレスベルト20の寄りを規制する鍔(つば)状の部材を設けた。支持体31は、耐熱性の金属台座であり、弾性体32を固定する機能を有する。この支持体31は、薄膜状のエンドレスベルト20を介して圧縮コイルスプリング(図示せず)により加熱定着ロール10を35kgの荷重で押圧している。
【0099】
エンドレスベルト20の、加熱定着ロール10への巻き付け角度は、約40°であり、この時ニップ部60の幅は、約10mmであった。図示しない駆動モータからの駆動力は加熱定着ロール10に伝達され、加熱定着ロール10およびエンドレスベルト20は、194mm/secの速度で回転した。
【0100】
低摩擦フィルム40は、押圧部材30を構成する弾性体32およびアルミニウム部材33と、エンドレスベルト20を構成する基材21との間に配備されている。この低摩擦フィルム40は、PTFE樹脂(三井デュポンフロロケミカル社製PTFE樹脂:テフロン(登録商標)モールディングパウダー)を圧縮成型させ、150μmの厚みのシート状にスカイブし、この表面にメッシュサイズが100メッシュである金属メッシュを用いて温度150℃において充分に圧力を付与し、凹凸を転写させたものを所定の形状に加工したものを被覆させることにより形成した。このときのシート表面粗さRtは60μmであった。また、低摩擦フィルム40とエンドレスベルト20の内面との間には、潤滑剤50としてパーフルオロポリエーテルオイル(ダイキン工業社製、商品名:S100)を介在させた。
【0101】
この状態で定着装置1を稼動させ、初期と経時(200,000枚プリント後)でプリントした際の駆動トルクとプリントの画質とを確認した。その結果、初期と経時で駆動トルクにほとんど変動がなく、画質も極めて良好であった。
(実施例2)
実施例2においては、金属メッシュとして、60メッシュのメッシュサイズを有するものを用いて凹凸を転写させて作製したこと以外は、実施例1と同様の条件で定着装置を構成して稼動させて、初期と経時でプリントした際のプリントの画質と駆動トルクを確認した。このときの表面粗さRtは90μmであった。その結果、初期と経時で駆動トルクにほとんど変動がなく、画質も極めて良好であった。
(実施例3)
実施例3においては、金属メッシュとして、200メッシュのメッシュサイズを有するものを用いて凹凸を転写させて作製したこと以外は、実施例1と同様の条件で定着装置を構成して稼動させて、初期と経時でプリントした際のプリントの画質と駆動トルクを確認した。このときの表面粗さRtは24μmであった。その結果、初期と経時で駆動トルクにほとんど変動がなく、画質も極めて良好であった。
(実施例4)
実施例4においては、低摩擦シートとして、実施例1と同様の、PTFE樹脂中に層状構造からなる潤滑フィラーである窒化硼素(昭和電工社製窒化硼素パウダー:ショウビーエヌUHP)を5質量部添加させ、金属メッシュとして、100メッシュのメッシュサイズを有するものを用い、実施例1と同様の方法で加工したフィラー含有の凹凸転写フッ素樹脂シートを用いた。さらに、実施例1と同様の条件で定着装置を構成して稼動させて、初期と経時でプリントした際のプリントの画質と駆動トルクを確認した。このときの表面粗さRtは63μmであった。その結果、初期と経時で駆動トルクにほとんど変動がなく、画質も極めて良好であった。
(実施例5)
実施例5においては、低摩擦シートとして、実施例1と同様の、PTFE樹脂中に耐熱性樹脂であるポリイミド樹脂(宇部興産社製ポリイミドパウダーUIP−S)を10質量部添加させ、金属メッシュとして、100メッシュのメッシュサイズを有するものを用い、実施例1と同様の方法で加工したフィラー含有の凹凸転写フッ素樹脂シートを用いた。さらに、実施例1と同様の条件で定着装置を構成して稼動させて、初期と経時でプリントした際のプリントの画質と駆動トルクを確認した。このときの表面粗さRtは74μmであった。その結果、初期と経時で駆動トルクにほとんど変動がなく、画質も極めて良好であった
(実施例6)
実施例6においては、低摩擦シートとして実施例1と同様の、PTFE樹脂中に導電性フィラーであるグラファイト(日本黒鉛社製黒鉛粉末:ACP)を15質量部添加させ、金属メッシュとして、100メッシュのメッシュサイズを有するものを用い、実施例1と同様の方法で加工したフィラー含有の凹凸転写フッ素樹脂シートを用いた。さらに、実施例1と同様の条件で定着装置を構成して稼動させて、初期と経時でプリントした際のプリントの画質と駆動トルクを確認した。このときの表面粗さRtは79μmであった。その結果、初期と経時で駆動トルクにほとんど変動がなく、画質も極めて良好であった
(実施例7)
実施例7においては、低摩擦シートとして、実施例1と同様の、PTFE樹脂中に補強性フィラーである酸化亜鉛ウイスカ(松下アムテック社製酸化亜鉛粉末:パナテトラWZ−0501)を10質量部添加させ、金属メッシュとして、100メッシュのメッシュサイズを有するものを用い、実施例1と同様の方法で加工したフィラー含有の凹凸転写フッ素樹脂シートを用いた。さらに、実施例1と同様の条件で定着装置を構成して稼動させて、初期と経時でプリントした際のプリントの画質と駆動トルクを確認した。このときの表面粗さRtは70μmであった。その結果、初期と経時で駆動トルクにほとんど変動がなく、画質も極めて良好であった。
(実施例8)
実施例8においては、金属メッシュとして、60メッシュのメッシュサイズを有するものを用いて凹凸を転写させて作製したこととパーフルオロポリエーテルオイル含有のグリース(ダイキン工業社製フッ素グリース:L100)を用いたこと以外は実施例1と同様の条件であり、この条件で定着装置を構成して稼動させ、初期と経時でプリントした際のプリントの画質と駆動トルクを確認した。このときの表面粗さRtは90μmであった。その結果、初期と経時で駆動トルクにほとんど変動がなく、画質も極めて良好であった。
(比較例)
比較例においては、低摩擦シートとしてガラス繊維にフッ素樹脂を含浸させたシートを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で定着装置を構成して稼動させ、初期と経時でプリントした際の、プリントの画質と駆動トルクを確認した。その結果、画質は初期においては良好であったが、経時では、大きな画像乱れが認められ、記録媒体である記録シートの紙しわも発生した。また、駆動トルクは、初期では低いものの、時間の経過と共に駆動トルクが上昇する結果となった。このときの表面粗さRtは7.3μmであった。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、所定の駆動部材に従動する中空回転体との摩擦係数を長期にわたって比較的低く維持することができる摺動部材、その摺動部材を備えた定着装置、およびその摺動部材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の定着装置の断面図である。
【図2】図1に示す低摩擦シートの摺動面が有する格子形状の凹凸を示す図である。
【図3】本発明の摺動部材の製造方法の一実施形態である低摩擦シートの製造方法を説明するための図である。
【図4】凹部と凸部が交互に繰り返し形成された凹凸を有する摺動面を持つ低摩擦シートの一部を示す図である。
【図5】連続処理による低摩擦シートの製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 定着装置
10 加熱定着ロール
11 コア
12 弾性層
13,22 離型層
20 エンドレスベルト
21 基材
30 押圧部材
31 支持体
32 弾性体
33 アルミニウム部材
40,140 摺動部材(低摩擦シート)
41,141 凹部
42,142 凸部
50 潤滑剤
60 ニップ部
70 ハロゲンランプ
80 ベルト走行ガイド
90 感温素子
100 記録媒体
101a 加熱源
101 上プレス板
102a,201a 加熱源
102 下プレス板
103,107,203,207 ポリイミドシート
104,204 ゴムシート
105,205 低摩擦シート材料
106,206 金属メッシュ
201 上プレスロール
202 下プレスロール

Claims (19)

  1. 所定の駆動部材に従動する中空回転体の内面に接し該中空回転体の従動に対し摺動する摺動部材において、
    少なくとも、前記中空回転体内面に接する摺動面側がフッ素樹脂組成物からなるとともに、該摺動面が、前記中空回転体の少なくとも従動方向に繰り返す凹凸を有することを特徴とする摺動部材。
  2. 前記摺動面が、格子形状の凹凸を有することを特徴とする請求項1記載の摺動部材。
  3. 前記凹凸が、ワイヤ径0.14mm〜0.05mmであって60〜200メッシュの範囲内のメッシュサイズを有する金属メッシュによるものであることを特徴とする請求項2記載の摺動部材。
  4. 前記凹凸の表面粗さ深度Rtが20μm〜100μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の摺動部材。
  5. 前記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフロオロエチレン(PTFE)及びこの変性体から選択されることを特徴とする請求項1記載の摺動部材。
  6. 前記フッ素樹脂が、架橋した改質ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)からなる、或いは改質ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)を含有するポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)或いはテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)からなることを特徴とする請求項1記載の摺動部材。
  7. フッ素樹脂組成物からなる、少なくとも、前記中空回転体内面に接する摺動面側が、該フッ素樹脂組成物にフィラーを含有してなるものであることを特徴とする請求項1記載の摺動部材。
  8. 前記フィラーが、層状構造を持った潤滑性フィラーであることを特徴とする請求項7記載の摺動部材。
  9. 前記フィラーが、導電性を有するフィラーであることを特徴とする請求項7記載の摺動部材。
  10. 前記フィラーが、耐熱性樹脂を含んで構成され、該耐熱性樹脂がイミド系樹脂、アミド系樹脂、及び芳香族ポリエステル系樹脂から選択される樹脂からなるフィラーであることを特徴とする請求項7記載の摺動部材。
  11. 前記フィラーが、針状、繊維状、又はテトラポット状構造を持った補強性フィラーであることを特徴とする請求項7記載の摺動部材。
  12. 前記フィラーとして、複数種類のフィラーを含有することを特徴とする請求項7記載の摺動部材。
  13. 前記フィラーの添加量が、前記フッ素樹脂100質量部に対して1.0質量部〜30質量部の範囲内にあることを特徴とする請求項7から12のいずれかに記載の摺動部材。
  14. 所定の駆動部材と、
    前記駆動部材に押圧されて従動する中空回転体と、
    前記中空回転体内側に配置され、該中空回転体を、前記駆動部材に向けて押圧する押圧部材と、
    前記中空回転体と前記押圧部材との間に介在するシート状の摺動部材と、
    前記中空回転体と前記摺動部材との間に介在する潤滑剤と、
    前記駆動部材と前記中空回転体とが相互に押圧されたニップ部を加熱する加熱源とを備え、
    未定着のトナー像を担持した記録媒体を前記ニップ部で挟持して加熱および加圧することにより該トナー像を記録媒体に定着させる定着装置において、
    前記摺動部材が、少なくとも、前記中空回転体内面に接する摺動面側がフッ素樹脂組成物からなるとともに、該摺動面が、前記中空回転体の少なくとも従動方向に繰り返す凹凸を有することを特徴とする定着装置。
  15. 前記駆動部材が前記加熱源からの熱を前記ニップ部に伝達するとともに前記中空回転体を押圧しながら回転する定着ロールであることを特徴とする請求項14記載の定着装置。
  16. 前記潤滑剤が、合成潤滑油グリース、ジメチルシリコーンオイル、有機金属塩添加ジメチルシリコーンオイル、ヒンダードアミン添加ジメチルシリコーンオイル、有機金属塩及びヒンダードアミン添加ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、有機金属塩添加アミノ変性シリコーンオイル、ヒンダードアミン添加アミノ変性シリコーンオイル、パーフルオロポリエーテルオイル、変性パーフルオロポリエーテルオイルの中から少なくとも一つ選ばれたものであることを特徴とする請求項14記載の定着装置。
  17. 所定の駆動部材に従動する中空回転体の内面に接し該中空回転体の従動に対し摺動する摺動部材の製造方法において、
    少なくとも、前記中空回転体内面に接する摺動面側にフッ素樹脂組成物が広がる摺動部材材料の該フッ素樹脂組成物が広がる面に金属メッシュを重ね合わせ、加熱雰囲気下において加圧することにより該金属メッシュ表面の凹凸形状を該フッ素樹脂組成物表面に転写することを特徴とする摺動部材の製造方法。
  18. 前記金属メッシュが、ワイヤ径0.14mm〜0.05mmを有するとともに、60〜200メッシュの範囲内のメッシュサイズを有する金属メッシュであることを特徴とする請求項17記載の摺動部材の製造方法。
  19. 所定の駆動部材に従動する中空回転体の内面に接し該中空回転体の従動に対し摺動する摺動部材において、
    少なくとも、前記中空回転体内面に接する摺動面側にフッ素樹脂組成物が広がる摺動部材材料の、該フッ素樹脂組成物が広がる面に、金属メッシュを重ね合わせ、加熱雰囲気下において加圧することにより該金属メッシュ表面の凹凸形状を該フッ素樹脂組成物表面に転写することにより、前記中空回転体の内面に接する摺動面が該金属メッシュの凹凸形状が転写された凹凸形状に形成されてなることを特徴とする摺動部材。
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