JP2006267410A - 定着装置、シート部材、および画像形成装置 - Google Patents

定着装置、シート部材、および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転する回転体に向けて相対的に押し付けられ所定の厚みをもった熱伝導層を有する面状部材を備え、その面状部材とその回転体との間に未定着トナー像を担持した記録用シートを通過させることで未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、その未定着トナー像をその記録用シートに定着させる定着装置等に関し、装置の小型化や高速化を妨げずに非通紙領域における著しい温度上昇を低コストで抑制する。
【解決手段】面状部材120,131と回転体110との間を通過する記録用シートPに担持された未定着トナー像Tに熱を加える加熱手段114を備え、熱伝導層1315は、厚さ方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率よりもこの熱伝導層1315が広がる面方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率の方が高い熱伝導異方性材料からなる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、回転する回転体に向けて相対的に押し付けられ所定の厚みをもった熱伝導層を有する面状部材を備え、その面状部材とその回転体との間に未定着トナー像を担持した記録用シートを通過させることで未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、その未定着トナー像をその記録用シートに定着させる定着装置、その定着装置に配備されるシート部材、および、その定着装置を備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式を採用した複写機やプリンタあるいはファクシミリ等の画像形成装置の中には、用紙等の記録用シート上に転写された未定着のトナー像を記録用シートに定着させる定着装置が備えられており、この定着装置の一つとして、回転可能な一対の回転体の周面を互いに接触させることでニップ領域を形成し、このニップ領域に未定着のトナー像を担持した記録用シートを通過させることで、未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、未定着トナー像を記録用シートに定着させるものが知られている。例えば、回転可能な一対の回転体として、内部に熱源を有する加熱ロールと弾性層が設けられた圧力ロールを用いた、いわゆるロール−ロール型の定着装置が知られている。ところが、このロール−ロール型の定着装置では、所定長以上のニップ領域を形成するため、加熱ロールにも厚めの弾性層を設けている。このため、加熱ロールの熱容量が増大し、加熱ロールを室温から定着可能な温度に上昇させるまでの時間(以下「ウォームアップタイム」と称する)が長くなってしまうという問題がある。そこで、圧力ロールを無端ベルトに代えた、いわゆるロール−ベルト型の定着装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図1は、従来のロール−ベルト型の定着装置の一例を示す概略構成図である。
図1に示す定着装置300は、加熱源を内蔵した加熱ロール310と、3つの支持ロール321,322,323に張架された無端状の定着ベルト320と、この定着ベルト320の内周面側に当接され、加熱ロール310の表面に沿って定着ベルト320を押圧する圧力付与部材330とで主要部が構成されている。
加熱ロール310は、内部に円筒状のコア311を有しており、不図示のモータによって図中の矢印方向に回転駆動されるものである。このコア311の表面には弾性層312が形成され、その弾性層312の表面は離型層313によって覆われている。すなわち、この加熱ロール310の表面は離型層313によって形成されている。コア311の内部には、加熱源としてハロゲンランプ314が配置されている。また、この加熱ロール310の周辺には、離型剤オイルを塗布するための離型剤塗布装置340が設けられている。この離型剤供給装置340は、オイルパイプ341から滴下される離型剤342が、オイルウイック343を介してピックアップロール344に供給され、ピックアップロール344に供給された余剰な離型剤342は、メタリングブレード345で掻き取られ、オイルパン346から図示しないオイルタンクへ戻される。また、ピックアップロール344の表面に供給された離型剤342は、ドナーロール347を介して加熱ロール310の表面に塗布されるようになっている。なお、ピックアップロール344の表面は、クリーニングブレード348によって付着物が除去される。また、加熱ロール310の表面には、加熱ロール310の表面に接してその表面を所定のタイミングで外部から加熱する外部加熱ロール350が設けられている。さらに、加熱ロール310の表面には、加熱ロール310表面の温度を制御するために温度センサ380も設けられている。
定着ベルト320は、表面が加熱ロール310に押し付けられ、加熱ロール310の回転に追従して循環するものである。この定着ベルト320を張架する3つの支持ロール321,322,323のうちの一つの支持ロール321の内部には、ヒーターランプ3211が配備されている。
圧力付与部材330は、金属製のベースプレート331の表面に、合成樹脂からなるシム332を介して、金属製の支持プレート333上に積層されたシリコーンゴムの発泡体からなる弾性体層334を配置して構成されている。また、圧力付与部材330の表面は、シート状部材としての低摩擦シート335によって全周が被覆されている。この低摩擦シート335は、圧力付与部材330と定着ベルト320の摺動抵抗を軽減するために設けられたものであり、耐熱性および耐磨耗性を有する材料からなり、表面に大きな凹凸が形成されている。圧力付与部材330は、ベースプレート331側に配置された図示しない圧縮コイルスプリングによって、加熱ロール310に向けて例えば50kgfの押圧力で付勢されている。ここで、圧力付与部材330に弾性体層334を設けることにより、低摩擦シート335の、定着ベルト320と接触する接触面は、加熱ロール310の表面と整合可能になっている。すなわち、一定以上の荷重によって圧力付与部材330を加熱ロール310に向けて押圧すれば、弾性体層334が変形し、低摩擦シート335の接触面が加熱ロール310の外周面に沿って変形する。したがって、圧力付与部材330が図示しない圧縮コイルスプリングによって加熱ロール310に押圧されると、定着ベルト320の内周面がこの圧力付与部材330に支持されて定着ベルト320の外周面が加熱ロール310の表面に隙間なく圧接される。定着ベルト320の外周面は、圧力付与部材330とその圧力付与部材330の近傍に配置された支持ロール323により加熱ロール310に押し付けられニップ領域Nが形成されている。
定着べルト320の内周面には、シリコンオイルが、フェルト等からなる潤滑剤塗布部材360によって塗布されるようになっており、これによって定着ベルト320と低摩擦シート335との間の摺動抵抗が小さくなるようになされている。そして、シリコンオイルを塗布した状態では、定着ベルト320は、加熱ロール310の回転に伴って、低摩擦シート335上を滑りながら、加熱ロール310の回転速度とほぼ等しい速度で走行することが可能となっている。
この図1では、図中の左側において、図示しない転写装置により用紙Pの上にトナー像Tが転写され、図1に示す定着装置300のニップ領域Nに向けて未定着のトナー像Tを担持した用紙Pが搬送されてくる。用紙Pが、ニップ領域Nに侵入しニップ領域Nを通過することで、未定着トナー像Tは加熱されるとともに加圧され、未定着トナー像Tが用紙Pに定着する。
図1に示すロール−ベルト型の定着装置300では、定着ベルト320の、加熱ロール310の周面に圧接された部分は、加熱ロール310の周面に沿った形状になるため、所定長以上のニップ領域Nが、ロール−ロール型の定着装置よりも容易に形成される。このため、図1に示す加熱ロール210では、ロール−ロール型の定着装置に備えられた加熱ロールよりも、弾性層212の厚みが薄く抑えられ、ウォームアップタイムを短くすることができる。
ところで、定着装置のニップ領域Nには、複数のサイズの用紙が送り込まれてくる。図1に示すように、加熱ロール210の弾性層212の厚みを薄く抑え熱容量を小さくした定着装置では、最大通紙幅に対して小サイズ幅の用紙を通紙するとき、例えばA3サイズの用紙を通紙可能な定着装置でA4サイズの用紙を縦通紙するときやB5サイズの用紙を通紙するときには、ニップ領域Nの幅方向(図1においては紙面に対して垂直な方向)両端部は、用紙が通らない領域(以下、この領域を非通紙領域という)になり、用紙による熱吸収が行われず、この非通紙領域では著しい温度上昇が生じる。著しい温度上昇が生じると、定着ベルトが熱によって劣化したり、周辺部材が損傷してしまうなどの問題が引き起こされる。また、図1に示す低摩擦シート335の熱劣化や低摩擦シート335のおもて面に付与されるシリコンオイルの熱劣化も引き起こされ、これらの要因により定着ベルトの摺動抵抗が増大し、定着装置の負荷トルクの増大や、用紙搬送不良による紙しわの発生や画像ズレの発生が生じてしまう。加えて、圧力付与部材330の熱膨張量の不均一化によりニップ圧力分布が通常使用状態から変化してしまい、それによっても紙しわや用紙カールや定着性不均一などの問題が引き起こされる。さらに、非通紙領域が著しく温度上昇している状態で、A3サイズの用紙が通紙されると、著しく温度上昇した非通紙領域にA3サイズの用紙が接触し、過加熱により、トナーのホットオフセットが生じたり用紙のカール量が増大してしまったりする。
これらの問題に対して、従来からいくつかのアプローチが考えられており、これらのアプローチの中には、図1に示すようなロール−ベルト型の定着装置にも適用可能なアプローチもある。
例えば、アプローチの1つとして、ニップ領域を加熱する加熱源を用紙サイズに分けて加熱ロールの内部に複数配置し、通紙する用紙サイズに応じて、加熱源への電力供給を切り替えることが考えられる。
しかしながら、最近は、装置の小型化の要求から加熱ロールが小径化しており、このことから複数の加熱源を加熱ロールの内部に配置することが難しくなっていることや、加熱源の数が増えコストが上昇することや、複数の加熱源の切り替えを行う必要があることから制御が複雑化することなどの問題があり、これらの問題からしてみると、総ての用紙サイズに対応した加熱源を配備することは難しく、現実的には、2つ又は3つ程度の配備に留まり、非通紙領域における著しい温度上昇を解決するには不十分である。
また、他のアプローチとして、加熱ロールと定着ベルトとを相対的に引き離したり、用紙の通過速度を減速させたりして、非通紙部の温昇を抑制することも考えられるが、これらのアプローチでは、時間あたりの定着可能枚数が低下し、装置の高速化が妨げられてしまう。
また、機構的にこの問題を解決するアプローチも従来のロール−ロール型の定着装置においていくつか提案されている(例えば、特許文献2〜4参照)。特許文献2には、加熱ロールの表面に外部から良熱伝導部材を接触させておき、非通紙領域における著しい温度上昇を低減する技術が提案されている。しかしながら、この提案の場合、良熱伝導部材の接触により加熱ロール表面が傷つきやすく好ましくない。そこで、特許文献3では、良熱伝導部材を定着部材の表面に対して接離自在に配備させることが提案されているが、良熱伝導部材を接離自在に配備させるための機構が余分に必要になり、その分、コストが上昇したり、装置が大型化してしまう。また、特許文献4には、加熱ロールに対向して配置された圧力ロールの金属製のコア内にヒートパイプを配置し、非通紙部の温昇を低減する技術が提案されているが、ヒートパイプを設けることでコストが上昇してしまう。また、小径化や薄肉化が進んでいる最近の圧力ロールには、スペース的にコアの厚み部分にヒートパイプを組み込むことが困難である。さらに、圧力ロールを定着ベルトに代えた図1に示すような定着装置では、そもそも、定着ベルトにはヒートパイプのようなものを配置することができないため、ヒートパイプを配置するのであれば、加熱ロールに配置することになり、これでは加熱ロールとしての機能が十分に発揮されず、問題の解決に至らない。
特開平9−34291号公報 特開平8−87191号公報 特開2004−53674号公報 特開平8−286555号公報
本発明は上記事情に鑑み、装置の小型化や高速化を妨げずに非通紙領域における著しい温度上昇を低コストで抑制することができる定着装置、その定着装置に配備されるシート部材、および、その定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を解決する本発明の定着装置は、回転する回転体に向けて相対的に押し付けられ所定の厚みをもった熱伝導層を有する面状部材を備え、その面状部材とその回転体との間に未定着トナー像を担持した記録用シートを通過させることでその未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、その未定着トナー像をその記録用シートに定着させる定着装置であって、
上記面状部材と上記回転体との間を通過する記録用シートに担持された未定着トナー像に熱を加える加熱手段を備え、
上記熱伝導層は、厚さ方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率よりもこの熱伝導層が広がる面方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率の方が高い熱伝導異方性材料からなるものであることを特徴とする。
ここにいう面状部材は、上記回転体に向けて押し付けられるものであっても、上記回転体がこの面状部材に向けて押し付けられることでその回転体に向けて相対的に押し付けられることになるものであってもよく、具体的には、上記回転体に外周面が相対的に押し付けられその回転体との間に記録用シートを挟み込むニップ領域を形成して循環する無端ベルトであってもよいし、あるいは、
この定着装置が、上記無端ベルトと、その無端ベルトの内周面側に配備され、その内周面側からその無端ベルトの外周面を支持し上記ニップ領域に相対的な押し付け力を作用させる支持体とを備えたものである場合には、
上記面状部材は、おもて面が上記無端ベルトの内周面に接し裏面が上記支持体に接した、その支持体よりも摩擦抵抗が小さいシート部材であってもよい。
また、ここにいう回転体は、ロール状であってもベルト状であってもよい。
本発明の定着装置によれば、上記熱伝導層が相対的に面方向へ熱を伝えやすいものであるため、上記面状部材と上記回転体との間に受けた熱は面方向に拡がりやすい。このため、上記ニップ領域挟み込まれた記録用シートと非接触になる、ニップ領域のうちの、上記無端ベルト循環方向に直交する幅方向両端部(非通紙領域)が著しく温度上昇することが抑えられる。また、このシート部材は、材料的なアプローチによって非通紙領域における著しい温度上昇を抑えるため、装置の小型化や高速化を妨げることはなく、コストアップも抑えられる。
ここで、上記面状部材は、上記熱伝導層が、上記加熱手段からの熱を受けても所定の強度を維持する耐熱材料からなる耐熱材料層によって厚み方向に挟み込まれたものであってもよく、さらには、
上記耐熱材料層が、樹脂材料からなるものであっても金属材料からなるものであってもよい。
また、本発明の定着装置において、上記熱伝導層は、上記面方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率が、上記無端ベルトの熱伝導率よりも高いものであることが好ましい。
すなわち、上記熱伝導層は、上記面方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率が高熱伝導率であることが好ましい。
ここで、上記無端ベルトが、上記内周面を構成するベース層と、上記トナー像を構成するトナーおよび上記記録用シートの双方との離型性が上記ベース層を構成する材料よりも優れた、上記加熱手段からの熱を受けても所定の強度を維持する耐熱材料からなる、上記外周面を構成する表面層とを少なくとも含む複層構造のものであってもよく、さらには、
上記ベース層と上記表面層との間に、そのベース層よりも弾性変形しやすく上記加熱手段からの熱を受けても所定の強度を維持する耐熱弾性体層を有するものであってもよい。
また、本発明の定着装置において、上記無端ベルトの内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段を備えたことも好ましく、さらには、
上記面状部材は、上記無端ベルトの内周面に接したおもて面に凹凸が形成されてなるものであることがより好ましい。
上記潤滑剤供給手段を設けることで、上記無端ベルトと上記面状部材との間の摺動抵抗が低減され、無端ベルトは、上記回転体の回転に伴って、上記面状部材上を滑りながら、その回転体の回転速度とほぼ等しい速度で走行することができる。また、上記面状部材のおもて面に凹凸が形成されていることで、上記無端ベルトの内周面と上記面状部材のおもて面との接触面積が減り、上記無端ベルトと上記面状部材との間の摺動抵抗がより低減する。また、上記潤滑剤を凹部に保持することができ、上記無端ベルトと上記面状部材との間の摺動抵抗がより確実に低減する。
また、上記面状部材は、上記無端ベルトの内周面に接したおもて面がフッ素樹脂を含浸したガラス繊維材料からなるものであることもより好ましい。
こうすることで、フッ素樹脂の低摩擦特性と、ガラス繊維材料における凹凸構造での潤滑剤保持能力により、上記無端ベルトと上記面状部材との間の摺動抵抗がより確実に一段と低減する。
また、上記面状部材は、上記無端ベルトの内周面に接したおもて面が上記加熱手段からの熱を受けても所定の強度を維持する耐熱性の多孔質樹脂材料からなる態様であることもより好ましい。
この態様では、潤滑剤が多孔質樹脂材料の多孔質の孔の中に保持されるため、上記無端ベルトと上記面状部材との間の摺動抵抗がより確実に低減する。
上記目的を解決する本発明のシート部材は、回転する回転体と、その回転体に外周面が相対的に押し付けられその回転体との間に記録用シートを挟み込むニップ領域を形成する無端ベルトと、そのニップ領域に挟み込まれた記録用シートに担持された未定着トナー像に熱を加える加熱手段と、その無端ベルトの内周面側に配備されその内周面側からその無端ベルトの外周面を支持しそのニップ領域に相対的な押し付け力を作用させる支持体とを備えた定着装置に配備され、おもて面がその無端ベルトの内周面に接し裏面がその支持体に接した、その支持体よりも摩擦抵抗が小さいシート部材であって、
厚さ方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率よりもこのシート部材が広がる面方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率の方が高い熱伝導異方性材料からなる熱伝導層を有することを特徴とする。
本発明のシート部材によれば、上記熱伝導層が材料的に面方向へ熱を伝えやすいものであるため、装置の小型化や高速化を妨げずに非通紙領域における著しい温度上昇を低コストで抑制することができる。
上記目的を解決する本発明の画像形成装置は、トナー像が形成されるトナー像担持体に形成されたトナー像を、最終的に記録用シート上に転写し、記録用シートに転写された未定着のトナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、その未定着のトナー像をその記録用シートに定着させることによりその記録用シートに画像を形成する画像形成装置であって、
回転する回転体に向けて相対的に押し付けられ所定の厚みをもった熱伝導層を有する面状部材を備え、その面状部材とその回転体との間に未定着トナー像を担持した記録用シートを通過させることでその未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、その未定着トナー像をその記録用シートに定着させる定着装置を具備し、
上記定着装置が、
上記面状部材と上記回転体との間を通過する記録用シートに担持された未定着トナー像に熱を加える加熱手段を有し、
上記熱伝導層は、厚さ方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率よりもこの熱伝導層が広がる面方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率の方が高い熱伝導異方性材料からなるものであることを特徴とする。
本発明の画像形成装置によれば、上記面状部材が有する上記熱伝導層が材料的に面方向へ熱を伝えやすいものであるため、装置の小型化や高速化を妨げずに非通紙領域における著しい温度上昇を低コストで抑制することができる。
本発明によれば、装置の小型化や高速化を妨げずに非通紙領域における著しい温度上昇を低コストで抑制することができる定着装置、その定着装置に配備されるシート部材、および、その定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図2は、本発明の画像形成装置の一実施形態に相当するフルカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。
図2に示す画像形成装置1には、本発明の定着装置の一実施形態に相当するロール−ベルト型の定着装置100が組み込まれている。また、この画像形成装置1は、感光体ドラム10および中間転写ベルト20も備えている。感光体ドラム10は、時計回りに回転するものである。中間転写ベルト20は、複数の支持ロールに張架されて感光体ドラム10の表面に接触するように配置されている。また、この画像形成装置1では、中間転写ベルト20を挟んで感光体ドラム10と対向する位置に、1次転写ロール40が配設されている。感光体ドラム10と中間転写ベルト20とが接する部分が1次転写位置である。
感光体ドラム10の周囲には、1次転写位置の上流側に現像ロータリー50が配設されている。現像ロータリー50には、ブラック(BK)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各有色トナーを収容した現像器(不図示)が配設されている。また、感光体ドラム10の周囲には、いずれも図示省略したが帯電器、光書き込みユニット、クリーニング装置、および除電装置が配設されている。
中間転写ベルト20の周囲には、1次転写位置の下流側に、2次転写部材としてのバイアスロール60が設けられ、さらに、中間転写ベルト20を挟んでバイアスロール60と対向する位置には、バックアップロール70が設けられている。この画像形成装置1では、バイアスロール60とバックアップロール70とで挟まれた位置が2次転写位置になり、この2次転写位置には、例えば、A3サイズ、B4サイズ、A4サイズ、B5サイズといった様々なサイズの用紙をサイズ別に収容した給紙トレイ群80から供給される用紙、あるいは手差し台81に置かれた用紙やOHPシート等が送り込まれる。
以下、図2とともに図3も用いて、図2に示す画像形成装置1において実施される画像形成方法についての説明を加えながら、図2に示す画像形成装置1についてさらに詳細に説明する。
図3は、図2に示す画像形成装置において実施される画像形成方法を表すフローチャートである。
図2に示す画像形成装置1には、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色の各画像信号が入力される。これらの画像信号が入力されると、この画像形成装置1では、感光体ドラム10の表面を、帯電器により一様に帯電した後、入力された画像情報のうち、シアンの画像信号に応じたレーザ光を光書き込みユニットから感光体ドラム10に向けて照射することで感光体ドラム10の表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム10の表面に形成された静電潜像を、現像ロータリー50に備えられたシアントナーを収納した現像器により現像し、感光体ドラム10の表面にシアントナー像を形成する(図3に示すシアントナー像形成工程S1)。次いで、1次転写位置において感光体ドラム10上のシアントナー像を中間転写ベルトに1次転写する(図3に示すシアントナー像1次転写工程S2)。シアントナー像が中間転写ベルト20に1次転写された後の感光体ドラム10の表面からは、クリーニング装置によって残存トナーが除去され、除電装置によって残存電荷が除去される。
続いて今度は、感光体ドラム10の表面に、同様にしてマゼンタトナー像を形成し(図3に示すマゼンタトナー像形成工程S3)、1次転写位置において、このマゼンタトナー像を、中間転写ベルト20に先に1次転写されたシアントナー像と重なるように中間転写ベルト20に1次転写する(図3に示すマゼンタトナー像1次転写工程S4)。
以降、イエロートナー像およびブラックトナー像を順次形成し(図3に示すイエロートナー像形成工程S5,ブラックトナー像形成工程S7)、1次転写位置において、中間転写ベルト20に先に1次転写されたトナー像と重なるように順次1次転写する(図3に示すイエロートナー像1次転写工程S6,ブラックトナー像1次転写工程S8)。こうすることにより、中間転写ベルト20は、ベルト表面側からシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの順で1つに重なり合ったトナー像を担持する。
続いて、この1つに重なり合ったトナー像を、バイアスロール60とバックアップロール70とで挟まれた2次転写位置において用紙に2次転写する(図3に示す2次転写工程S9)。こうして、トナー像が用紙に転写され、トナー像が転写された用紙は定着装置100に送られる。定着装置100では、未定着トナー像を担持した用紙を所定のニップ領域を通過させることでその未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、未定着トナー像を用紙に定着させる(図3に示す定着工程S10)。トナー像が定着した用紙は、この画像形成装置1に備えられた排出トレイ90に排出される。
図4は、図2に示す画像形成装置に組み込まれた定着装置の概略構成を示す図である。
この図4では、未定着トナー像Tを担持した記録用紙Pが図中の右側から左側に向けて搬送されてくる。図4に示す定着装置100には、図1に示す定着装置300とは異なり定着ベルトを張架しない、いわゆるフリーベルトニップ方式が採用されている。図3に示す定着装置100は、加熱源を内蔵した加熱ロール110と、無端状の定着ベルト120と、この定着ベルト120の内面側に当接され、加熱ロール110の表面に沿って定着ベルト120を押圧する押圧部材130とで主要部が構成されており、加熱ロール110と定着ベルト120との間に、未定着トナー像Tを担持した記録用紙Pを挟み込むニップ領域Nが形成される。
加熱ロール110は、内部に円筒状のコア111を有しており、不図示のモータによって図中の矢印B方向に回転駆動されるものである。このコア111の表面には弾性層112が形成され、その弾性層112の表面は離型層113によって覆われている。すなわち、この加熱ロール110の表面は離型層113によって形成されている。
コア111としては鉄、アルミニウムやステンレス等熱伝導率の高い金属製の円筒体を使用することができる。コア111の外径および肉厚は、使用する材質により強度や熱伝導率が異なるため、最適な寸法は適宜決定すればよい。本実施形態におけるコア111は、厚さ0.5mm、外径25mmの鉄製の円筒体である。
弾性層112の材料としては、弾性を有する耐熱性の高い材料が好ましい。特に、ゴム硬度25〜40°(JIS−A硬度)程度のゴム、エラストマー等の弾性体材料を用いることが好ましく、具体的にはシリコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。この弾性層3の厚みとしては、用いる材料のゴム硬度にもよるが、0.3〜1.0mm程度が好ましい。本実施形態における弾性層112は、厚さが0.6mmであり、ゴム硬度30°(JIS−A硬度)のシリコーンゴムからなるものである。
離型層113としては、離型性や耐摩耗性を考慮すれば、特にフッ素樹脂を用いることが好ましい。フッ素樹脂としては、PFA(パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)、PTFE(ポリテトラフフルオロエチレン)、FEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合樹脂)等のフッ素樹脂が使用できるが、中でも耐熱性と加工性の観点よりPFAが好適である。この離型層113の厚みとしては、好ましくは5〜50μmである。離型層113の厚みが5μm未満であると、用紙Pの、搬送方向に直交する幅方向の端部と加熱ロール110との摩擦により、離型層113の摩滅が発生する可能性があり、また、50μmを超えると離型層113の表面硬度が高くなり、光沢ムラ等の画質欠陥が現れる可能性があり、共に好ましくない。離型層113の形成方法としては、従来公知の如何なる方法も採用することができ、例えば、チューブを被せる方法であってもよいし、形成しようとする樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散させた液状体を、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法、スピンコート法等により塗布する塗布法であってもよい。本実施形態における離型層113は、コア111の表面に形成された弾性層112に、厚さ30μmでチューブ状のPFAを被せることで形成されたものである。
コア111の内部には、加熱源としてハロゲンランプ114が配置されている。なお、加熱源は、ニップ領域Nを加熱するもの、すなわちニップ領域Nを通過する用紙Pに担持された未定着トナー像Tに熱を加えるものであれば、例えば、図1に示すような、加熱ロール310を外部加熱する外部加熱ロール350や、同じく図1に示すような、支持ロール321に内蔵され、定着ベルト320を加熱するヒーターランプ3211であってもよい。また、電磁誘導加熱等によって定着ベルト120自体が加熱源を兼ねてもよい。また、加熱ロール110の表面には温度センサ180が配置され、この表面の温度を計測する。そして、温度センサ180の計測信号により、図示しない温度コントローラによってハロゲンランプ114がフィードバック制御されて、加熱ロール110の表面温度が略一定になるように調整される。
定着ベルト120は、表面が加熱ロール110に押し付けられ、加熱ロール110の回転に追従して循環するものである。この定着ベルト120は、加熱ロール110に対し所定の角度で巻き付けられるように接触しており、定着ベルト120と加熱ロール110の間にニップ領域Nが形成されている。定着ベルト120の加熱ロール110への巻き付け角度としては、加熱ロール110の回転速度にもよるが、ニップ領域を十分に広く(長く)確保できるよう、15〜45°程度とすることが好ましい。図4に示す定着ベルト120においては、巻き付け角度が27°になるように、押圧部材130の形状や大きさが設計されている。また、この定着ベルト120は、複数の層が厚さ方向に積層された積層構造のものである。ここで一旦、図4から離れて図5を用いて説明する。
図5は、図4に示す定着ベルトの断面を模式的に示した図である。
図5に示す定着ベルト120は、ベース層1201と耐熱弾性体層1202と表面層1203がこの記載順に積層してなるものである。
図5に示すベース層1201は、薄膜金属物からなる層であっても、図4に示すハロゲンランプ114からの熱を受けても所定の強度を維持する耐熱樹脂からなる層であってもよい。この耐熱樹脂としては、高温下での強度と寸法安定性の観点から、ポリイミド樹脂やポリアミド樹脂があげられ、成膜性などの観点を加えるとポリイミド樹脂がより好適である。このポリイミドからなるベース層1201は、ポリイミド前駆体溶液を使用して製造される。その製造方法としては、例えば、円筒体の内面にポリイミド前駆体溶液を塗布し、回転しながら乾燥させる遠心成形法や、円筒体内面にポリイミド前駆体溶液を展開する内面塗布法、特開2002−91027号公報に示されるような芯体外面に溶液を塗布する外面塗布法などがある。
ベース層1201の厚さは、使用上での必要強度(ベルト破壊/しわ/座屈に対して)の観点から20μm以上必要であり、可とう性や熱容量の観点から200μm以下が好ましく、更にいうと、50μm以上100μm以下がより好ましい。
ベース層1201が薄膜金属物からなる層である場合には、厚さは150μm以下が好ましく、より好ましくは、20μm以上80μm以下である。薄膜金属物からなるベース層1201としては、例えば、ステンレスベルトや、電鋳法により形成された無端状ニッケルベルトがあげられる。電鋳法では、導電性を有する母型(電型、鋳型)に電気メッキまたは無電解メッキにより金属を析出させた後、この金属を母型から剥離して製品とする。母型が金属の場合には、剥離のための表面処理を施し、非金属の場合には、メッキを行なうための導電性処理を施す。この電鋳法によれば、母型の形状を忠実かつ正確に複写することができ、精度の高い製品を得ることができる。無端状電鋳ニッケルベルトの幅、内径などは、用途に応じて適宜定めることができ、特に限定されない。
耐熱弾性体層1202は、ベース層1201よりも弾性変形しやすく図4に示すハロゲンランプ114からの熱を受けても所定の強度を維持する層である。この耐熱弾性体層1202に用いられる材料としては、耐熱性の観点から、シリコンゴムやフッ素ゴムを用いることが好ましく、材料硬度と反発弾性を両立できることや成膜性の観点などから、シリコンゴム、それも液状シリコンゴム(Liquid Silicone Rubber:L.S.R)を用いることがより好ましい。耐熱弾性体層1292の厚さは、2mm以下が好ましく、より好ましくは0.5mm以下である。これは、ロールに代えて定着ベルトを用いる目的が省エネルギー化(ウォームアップタイムの短縮)であり、シリコンゴムなどのゴムは熱伝導率が非常に悪く、厚くすることで熱効率が悪くなってしまうためである。
表面層1203は、この定着ベルト120の表面を構成する層であり、フッ素系樹脂やシリコンゴムなどの耐熱ゴムからなる。この表面層1203は、用紙および定着後のトナー像の双方との離型性がベース層1201を構成する材料よりも優れ、図4に示すハロゲンランプ114からの熱を受けても所定の強度を維持する耐熱材料からなる層にすることが好ましい。このような離型性を有する耐熱材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)や、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、「PFA」という)、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体(以下、「FEP」という)等があげられる。表面層1203にフッ素系樹脂を用いる場合には、厚さを10μm以上100μm以下にすることが好ましく、15μm以上50μm以下にすることがより好ましい。これは、通紙による磨耗を考慮すると10μmは必要であり、表面層に用いられるフッ素樹脂の材料は高価である上、層を形成するための塗布作業も厚膜になるほど2度塗りが必要になるなどの問題点があり、100μm以下に抑えることが好ましい。
なお、図1に示す、離型剤オイルを塗布するための離型剤塗布装置340を備えることで、より高い剥離性を確保することができる。
再び、図4を用いて説明を行う。図4に示す押圧部材130は、低摩擦シート131と、弾性部材132と、支持体133と、フレーム135とを備えている。
図4に示す低摩擦シート131は、定着ベルト120の内周面に接するおもて面が、弾性部材132よりも摩擦抵抗が小さく、硬質でかつ可撓性を有する低摩擦材料からなるものである。この低摩擦シート131は、複数のシートが厚さ方向に重ね合わされたものであり、これら複数のシートの中には、厚さ方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率よりもこのシート部材が広がる面方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率の方が高い熱伝導異方性材料からなる熱伝導シートが含まれる。低摩擦シート131は、弾性部材132を覆うように設けられており、定着ベルト120の循環方向上流側の一端131aが、支持体133に固着されており、他端131bは自由端になっている。なお、この他端131bは、フレーム135に固定されていてもよく、あるいは低摩擦シート131自体を筒状に形成して、押圧部材130の全周を覆った状態で押圧部材130に一部を固定しても良い。低摩擦シート131ついてのさらに詳しい説明は後述する。
弾性部材132は、支持体133から加圧ロール110に向けて僅かに突出するように、支持体133に設けられた凹部1331に収容されている。この弾性部材132は、長ソリッドのシート材、異型ソリッド品、異型チューブ品、発泡ゴムシート等を用いることができ、その材質としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタン、天然ゴム、SBR、IR等をあげることができる。なお、弾性部材132として、ゴム材料からなるものに代えて複数のスプリングを用いてもよい。この弾性部材132としては、十分な柔軟性を有することが要求される。具体的に要求される弾性部材132の硬度としては、JIS−A硬度で、およそ10〜70°程度の範囲であり、20〜50°程度の範囲が好ましく、特に30〜50°程度の範囲が好ましい。10°未満であると、ゴムの変形量が大きくなり過ぎて、ニップの位置が安定しなくなり、70°を超えると、硬度が高すぎて十分な柔軟性が確保できない。また、弾性部材132の厚さとしては、特に限定されないが、平均厚さとして2〜6mm程度の範囲が好ましく、3〜5mm程度の範囲がより好ましい。特に、支持体133の凹部1331からの突出部分の厚さとしては、平均で0.3〜1.2mm程度の範囲が好ましく、0.5〜1.0mm程度の範囲がより好ましい。
支持体133には、弾性部材132を収容する凹部1331の他に、凸部1332も設けられている。この支持体133はアルミニウム等の金属材料からなるものである。
支持フレーム135は、不図示のスプリングからの荷重により、押圧部材130全体を加熱ロール110の軸心に向けて付勢するものであり、定着ベルト120の外周面は押圧部材130に支持されて加熱ロール110の表面に押し付けられる。この支持フレーム133には、定着ベルト120の循環方向の弛みを規制し、スムーズに回転するように設けられたベルト走行ガイド134が取り付けられている。
また、図4に示す定着装置100は、定着べルト320の内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段160を備えている。この潤滑剤供給手段160は、定着べルト320の内周面に接したフェルト161を備えている。フェルト161には、潤滑剤としてのヒンダードアミンオイルが含浸されており、このフェルト161が、定着べルト320の内周面に潤滑剤を塗布する。
さらに、図4に示す定着装置100には、より高い用紙剥離性を確保するため、ニップ領域Nよりも加熱ロール110の回転方向下流側に剥離手段170が設けられている。図3に示す剥離手段170では、剥離シート171が、加熱ロール110の表面と僅かに空隙を設けた状態で、加熱ロール110の回転方向と対向する向き(リバース)に、保持部材172により保持されている。
未定着トナー像Tを担持した用紙Pは、定着装置100のニップ領域Nに向けて搬送されてくる。用紙Pが、ニップ領域Nに侵入しニップ領域Nを通過することで、未定着トナー像Tにはハロゲンランプ114からの熱が加えられるとともにニップ領域Nに作用する圧力も加えられ、未定着トナー像Tが用紙Pに定着する。
続いて、図4に示す低摩擦シート131について詳述する。
低摩擦シート131は、弾性部材132によって加熱ロール110に向けて押し付けられたものであり、本発明の定着装置にいう面状部材の一例に相当するものである。また、この低摩擦シート131は、本発明のシート部材の一実施形態に相当するものでもある。
低摩擦シート131は、上述のごとく、面方向への熱伝導率が相対的に高い熱伝導異方性材料からなる熱伝導異方性シートを有する。この熱伝導異方性材料としては、図6に示す結晶構造を持つグラファイトがあげられる。
図6は、図4に示す低摩擦シートが有する熱伝導層に用いられる熱伝導異方性材料の一例を示す図である。
図6には、炭素原子の縮合六員環層面1311がab面で平面状に広がり、この層面1311がc軸方向に幾重にも積み重なった、いわゆるグラファイト型結晶構造を持ったグラファイト1310が示されている。ここで、ab面が、低摩擦シート131が拡がる面方向になり、c軸方向が厚さ方向になる。図6に示すグラファイト1310は、層面1311が広がる方向(ab面の面方向)にも、層面1311が積み重なった方向(C軸方向)にも、高い熱伝導率を有するものであるが、両方向それぞれでの熱伝導率を比較すると、相対的に、層面1311が広がる方向のほうが、層面1311が積み重なった方向よりも熱伝導率が高い。これは、連続性がある層面1311内では熱が伝導しやすいのに対し、層面1311が積み重なった方向では、層面1311に見られる連続性が断たれているため、層面1311内に比べて熱が伝導しにくいことによる。
ただし、図6に示すグラファイト1310は、その構造上、引張りや引き裂き強度が低く、もろく、耐磨耗性に劣るため、硬質でかつ可撓性を有し、摩擦係数が低いことが要求される低摩擦シート131には適用しにくい。そこで、少なくとも定着ベルト120の内周面と摺動する低摩擦シート131のおもて面には、ポリイミド樹脂やフッ素樹脂などの耐熱性樹脂やSUS等の金属薄膜を積層または重ね合わせて用いる。更に、低摩擦シート131の裏面になる押圧部材130側も耐熱性樹脂や耐熱性ゴムで覆うことがより好ましい。図4に示す低摩擦シート131は、図6に示すグラファイト1310からなるシートを、耐熱性樹脂シートで厚さ方向に挟み込んでシートどうしを接着したものであり、図6に示すグラファイト1310からなるシートが、本発明にいう熱伝導層の一例に相当する。
図7は、図4に示す低摩擦シートの断面を模式的に示す図である。
図7に示す低摩擦シート131は、図6に示すグラファイト1310からなる本発明にいう熱伝導層の一例に相当する熱伝導異方性シート1315を厚さ方向からポリイミド樹脂シート1316,1317によって挟み込んだものである。熱伝導異方性シート1315の厚さは0.1μmであり、この熱伝導異方性シート1315は、厚さ方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率よりもこのシート1315が広がる面方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率の方が高いシートである。
図4に示す定着装置100のニップ領域Nには、A3サイズ、B4サイズ、A4サイズ、B5サイズといった様々なサイズの用紙をサイズ別に収容した給紙トレイ群80(図2参照)から、複数のサイズの用紙が送り込まれてくる。したがって、図4に示す定着装置100の最大通紙幅はA3サイズの用紙に対応したものになり、A3サイズよりも小サイズの用紙を通紙するとき(例えば4サイズの用紙を縦通紙するときやB5サイズの用紙を通紙するとき)には、ニップ領域Nの幅方向(図4においては紙面に対して垂直な方向)両端部は、用紙が通らない領域(以下、この領域を非通紙領域という)になる。図7に示す低摩擦シート131は相対的に面方向へ熱を伝えやすいことから、図4に示すニップ領域Nに受けた熱は面方向に拡がりやすい。このため、ニップ領域Nに挟み込まれた用紙Pと非接触になる非通紙領域が著しく温度上昇することが抑えられる。また、この低摩擦シート131は、材料的なアプローチによって非通紙領域における著しい温度上昇を抑えるため、装置の小型化や高速化を妨げることはなく、コストアップも抑えられる。
図7に示す低摩擦シート131は、上方が図4に示す定着ベルト120の内周面に接するおもて面になり、下方が、図4に示す押圧部材130に接する裏面になる。低摩擦シート131の裏面を構成するポリイミド樹脂シート1317の厚さは50μmであり、おもて面を構成するポリイミド樹脂シート1316の厚さは75μmである。いずれのポリイミド樹脂シート1316,1317も、図4に示すハロゲンランプ114からの熱を受けても所定の強度を維持するシートである。また、おもて面を構成するポリイミド樹脂シート1316には、20μmの高低差がある凹凸1316aが形成されている。この凹凸1316aは、特殊なエンボス加工や、サンディング加工を施すことによって形成される。低摩擦シート131のおもて面に、このような凹凸を形成しておくことで、定着ベルト120の内周面と低摩擦シート131のおもて面との接触面積が減り、定着ベルト120と低摩擦シート131との間の摺動抵抗が低減する。また、潤滑剤を凹部に保持することができ、定着ベルト120と低摩擦シート131との間の摺動抵抗がより確実に低減する。
低摩擦シート131の厚みは、50μm〜4mm、好ましくは80μm〜500μmであり、厚さが50μm未満では、十分な強度が得られず、厚さが4mmを超えると、加熱ロール110に対し十分な圧力を均一に与えられない。
また、低摩擦シート131の表面の実硬度としては、加熱ロール110の弾性層112を変形させ離型性を良くするため、加熱ロール110表面の実硬度よりも高くしておく必要があり、JIS−A硬度で、80゜以上であることが好ましく、95゜以上であることがより好ましい。
さらに、低摩擦シート131に要求される可撓性としては、定着設定温度近傍において、加熱ロール110の撓みに対して反力をほとんど持たずに倣うレベルの可撓性であることが必要である。材料物性としては、使用温度における曲げ弾性率において、5GPa以下であることが好ましい。ただし、この値のみに限定されるものではなく、厚さや側面のスリット等の機械的剛性を考慮する必要があり、すなわち、部品全体として考える必要がある。
続いて、図2に示す画像形成装置1に備えられた図4に示す定着装置100の代わりとして用いることができる定着装置について説明する。図4に示す定着装置100の代わりとしては、図1に示す定着装置300等の様々な定着装置が用いることができるが、ここでは、無端状の定着ベルトの内側に加熱源を配備した定着装置について説明する。
図8は、ロールーベルト型であって、無端状の定着ベルトの内側に加熱源を配備した定着装置の概略構成を示す図である。
図8に示す定着装置200は、本発明の定着装置の一実施形態に相当するものである。この定着装置200は、ハロゲンランプ221と、平面部2301が設けられ、ハロゲンランプ221を取り囲むように配備された押圧支持体230と、押圧支持体230の外周を取り巻くように周回した定着ベルト220と、押圧支持体230の平面部2301の位置で、定着ベルト220に向けて押し付けられた加圧ロール290とを有する。この図8に示す定着装置200では、定着ベルト220の内周面は押圧支持体230によって支持されている。このため、加圧ロール290が定着ベルト220に向けて押し付けられることで定着ベルト220は加圧ロール290に向けて相対的に押し付けられることになり、定着ベルト220と加圧ロール290の間にニップ領域Nが形成される。
押圧支持体230は、鉄、アルミなどの耐久性、耐熱性の良い材料からなるものであり、平面部2301とは反対側が開口した状態となっている。ハロゲンランプ221は、定着ベルト220の軸中心位置から、ニップ領域Nに近い方向に偏移した位置に配置されており、ニップ領域Nを図の左側から右側に向かって通過する用紙Pに担持された未定着トナー像Tに熱を加えるものである。このハロゲンランプ221の、ニップ領域Nとは反対側のランプ管外側には、白色セラミックスコーティング部(熱半遮蔽部材)が形成されている。このことから、押圧支持体230が開口しているニップ領域Nの反対側で、ハロゲンランプ221からの輻射熱により、定着ベルト220を直接加熱することができ、また、押圧支持体230を介して熱伝導により間接的に加熱することができる。すなわち、定着ベルト220を、熱が奪われるニップ領域Nでは、押圧支持体230からの熱伝導により加熱することができ、そこで熱を奪われた定着ベルト220は、ニップ領域Nから離れた場所でハロゲンランプ221からの輻射熱により加熱される。したがって、定着ベルト220は全体として効率的に加熱され、定着ベルト220および押圧支持体230のニップ領域Nにおける温度を、所定の温度に容易かつ適切にコントロールすることができる。さらに、効率的に加熱がなされることから、ウォームアップの短縮化を達成することができる。なお、押圧支持体230の平面部2301の、ハロゲンランプ221に対向する面には、ハロゲンランプ221からの輻射熱を吸収しやすいように黒色処理が施されている。
定着ベルト220は、離型層および熱吸収性層により構成されている。離型層は、厚さ1〜30μm程度の離型性かつ耐久性の良い材料(例えば、シリコンゴムやフッ素樹脂)からなる。また、熱吸収性層は、厚さ40μm〜100μm程度のポリイミド樹脂にカーボンブラックを0.5〜15wt%混ぜ合わせたものである。このように、図8に示す定着装置200では、定着ベルトとして、ハロゲンランプ230からの輻射熱を定着ベルト220に吸収させやすくするべく、熱吸収性を向上させる処理が為された熱吸収性層を含むものであることが好ましい。なお、別の例として、PFAにカーボンブラックを混ぜて熱吸収性層としてもよい。この場合、当該熱吸収性層のみの単層構造でも、離型性と熱吸収性とを兼ね備える定着ベルトとすることができる。
加圧ロール290は、金属製のコア291に耐熱性ゴムや発泡体等の弾性の高い材料からなる弾性層292を形成してなる、いわゆるソフトロールである。この加圧ロール290は、不図示の押し付け機構によって定着ベルト220に向けて押し付けられる。
押圧支持体230の平面部2301は略平面状であり、加圧ロール290によって十分な加圧力が定着ベルト220に加えられるため、加圧ロール290が回転することにより、定着ベルト220が循環するとともに用紙Pが搬送され、そのときニップ領域Nも略平面状に形作られているため、両者の搬送速度(線速度)が略同一となり、紙しわやカールの発生が低減される。ニップ領域Nでは、通過する用紙Pに未定着トナー像Tが加熱加圧定着される。
また、図8に示す定着装置200では、押圧支持体230の平面部2301と定着ベルト220との間に、押圧支持体230の平面部2301を覆うように低摩擦シート231が配備されている。この低摩擦シート231は、押圧支持体230によって加熱ロール110に向けて相対的に押し付けられたものであり、本発明の定着装置にいう面状部材の一例に相当するものである。また、この低摩擦シート231は、本発明のシート部材の一実施形態に相当するものでもある。
図9は、図8に示す低摩擦シートの断面を模式的に示す図である。
図9に示す低摩擦シート231は、上方が図8に示す定着ベルト220の内周面に接するおもて面になり、下方が、図8に示す押圧支持体230の平面部2301に接する裏面になる。図9に示す低摩擦シート231は、定着ベルト220の内周面に接するおもて面を構成するガラス繊維シート2311と、押圧支持体230の平面部2301に接する裏面を構成するポリイミド樹脂シート2313と、これらのシート2311,2313の間に挟み込まれた図6に示すグラファイト1310からなる熱伝導異方性シート2312からなるものである。ガラス繊維シート2311は、フッ素樹脂を含浸したガラス繊維材料からなる厚さが100μmのシートである。このようなガラス繊維シート2311によって、低摩擦シート231のおもて面が構成されることで、フッ素樹脂の低摩擦特性により、定着ベルト220と低摩擦シート231との間の摺動抵抗が低減する。また、ガラス繊維シート2311に予め潤滑剤を塗布しておけば、ガラス繊維材料における凹凸構造での潤滑剤保持能力により、定着ベルト220と低摩擦シート231との間の摺動抵抗がより確実に低減する。
また、ポリイミド樹脂シート2313は、図8に示すハロゲンランプ221からの熱を受けても所定の強度を維持する耐熱性の厚さ50μmのシートである。この図9に示す熱伝導異方性シート2312は、図7に示す熱伝導異方性シート1315と同じく、面方向への熱伝導率が相対的に高いシートであり、本発明にいう熱伝導層の一例に相当する。したがって、図8に示す定着装置200を用いても、図9に示す低摩擦シート231が材料的に面方向へ熱を伝えやすいものであるため、装置の小型化や高速化を妨げずに非通紙領域における著しい温度上昇を抑制することが、コストアップを抑えながら実現される。
続いて、図7および図9それぞれに示す低摩擦シートに代えて使用することができる、おもて面が多孔質シートからなる低摩擦シートについて説明する。
図10は、おもて面が多孔質シートからなる低摩擦シートの断面を模式的に示す図である。
図10に示す低摩擦シート431は、上方が定着ベルトの内周面に接するおもて面になり、下方が、図4に示す押圧部材130や図8に示す押圧支持体230等の定着ベルトの内周面を支持する支持体に接する裏面になる。図10に示す低摩擦シート431は、定着ベルト220の内周面に接するおもて面を構成する多孔質シート4311と、支持体に接する裏面を構成するポリイミド樹脂シート4313と、これらのシート4311,4313の間に挟み込まれた図6に示すグラファイト1310からなる熱伝導異方性シート4312を有するものである。多孔質シート4311は、PTFE(ボリテトラフルオロエチレン)多孔質樹脂繊維織布及びPTFE多孔質樹脂フイルムを貼り合わせたシートである。このような多孔質シート4311をおもて面に設けることで、潤滑剤が多孔質の孔の中に保持されるため、定着ベルトと低摩擦シート431との間の摺動抵抗がより確実に低減する。
なお、ポリイミド樹脂シート4313および熱伝導異方性シート4312は、これまで説明したものと同じものなのでここでは説明を省略する。
続いて、本発明の定着装置にいう面状部材の一例として、図4に示す定着ベルト120や図8に示す定着ベルト220、さらには図1に示す定着ベルト330に、図6に示すグラファイト1310からなる熱伝導異方性シートを内在させた例を説明する。
図6に示すグラファイト1310は、上述のごとく、その構造上、もろく、耐磨耗性に劣るため、図6に示すグラファイト1310からなる熱伝導異方性シートをそのまま定着ベルト220に適用することは困難である。ここでは、図6に示すグラファイト1310からなる熱伝導異方性シートを筒状にし、端部と端部を突き合わせた状態で、無端状の薄膜金属ベルトと無端状の弾性ベルトで挟み込む。薄膜金属ベルトは内周面側に配置し、弾性ベルトは外周面側に配置する。なお、薄膜金属ベルトに代えて無端状の耐熱性樹脂ベルトを用いてもよい。さらに、無端状の弾性ベルトを無端状のフッ素系樹脂ベルトで覆い、プレス加工で一体成型する。こうすることで、、図6に示すグラファイト1310からなる熱伝導異方性シートを内在した定着ベルトを得ることができる。なお、ここで用いた薄膜金属ベルトは、図5に示すベース層1201の代わりになるものであり、弾性ベルトは、図5に示す耐熱弾性体層1202の代わりになるものであり、フッ素系樹脂ベルトは図5に示す表面層1203の代わりになるものである。このようにすることで、定着ベルトに、ベルト厚み方向よりもベルト面方向に熱を伝えやすい熱伝導異方性を付与することができ、装置の小型化や高速化を妨げずに非通紙領域における著しい温度上昇を抑制することが、コストアップを抑えながら実現される。
(実施例)
以下、本発明の実施の形態についてより具体的に実施例を用いて詳述する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
図1に示す示す定着装置300の構成と同じ構成の定着装置を用いた。加熱ロール310には、外径62mm、内径55mm、長さ350mmの円筒状に形成されたA5052のアルミ合金からなるコア311の表面を、液状シリコーンゴム(JIS−Aのゴム硬度33度、熱伝導率 0.42W/m・K(熱線プローブ法により測定))で1mmの厚さに被覆することで弾性層312を形成し、この弾性層312の表面を、フッ素ゴムで50μmの厚さにコートすることで離型層313を形成したものを用いた。また、加熱ロール310のコア311の内部には、加熱源として出力1250Wのハロゲンランプヒーターを配置した。さらに、外部加熱ロール350として、出力400Wのハロゲンランプヒーターを内蔵したものを用いた。ここでは、この加熱ロール310を260mm/secの速度で回転させた。
離型剤塗布装置340によって、加熱ロール310の表面に塗布する離型剤は、粘度300csのアミン変性シリコンオイルを用いた。
定着ベルト310には、厚さ75μm、幅340mm、周長214mmのポリイミドフィルムからなるものを用い、3つの支持ロール321,322,323によって約5kgfの張力にてこの定着ベルト310を張架した。3つの支持ロール321,322,323のうち内部にヒータランプが配備された支持ロール(インレットロール)321には、出力350Wのハロゲンランプヒーターを内蔵し、ステンレスによってクラウン形状に形成された直径18mmのロールを用いた。また、圧力付与部材330の近傍に配置された支持ロール323には、ステンレスによってクラウン形状に形成された直径23mmのロールを用いた。この直径23mmの支持ロールは、ニップ領域Nの出口において、60kgfの圧力で加熱ロール310の表面に圧接するように配置した。さらに、残りの一つの支持ロール322には、表面にシリコンゴムのコートが施されたステンレスからなる直径18mmのロールを用いた。
潤滑剤塗布部材360によって、定着ベルト320の内周面に塗布する離型剤にも、粘度300csのアミン変性シリコンオイルを用いた。
圧力付与部材330を用いて、定着ベルト320を介して図1には不図示の圧縮コイルスプリングにより加熱ロール310を50kgの総荷重で押圧した。この圧力付与部材330を構成するベースプレート331として、幅(定着ベルトの循環方向)20mm、長さ(図1の紙面に対して垂直な方向)360mm、厚さ7.5mmのステンレス鋼製のものを用いた。また、弾性体層334には、ゴム硬度20°のシリコーンゴムからなる厚さ5mmのものを用いた。なお、ここにいうゴム硬度は、高分子科学社製のアスカーCタイプのゴム硬度計により、荷重300gfを付加して計測した結果である。
また、低摩擦シート335には、図7に示す、熱伝導異方性シート1315を厚さ方向からポリイミド樹脂シート1316,1317によって挟み込み、おもて面に凹凸を持たせたものを用いた。熱伝導異方性シート1315としては、0.1mm厚の松下電器(株)製、商品名パナソニックグラファイトシート(商標登録)、品名PGSグラファイトシート、型番EYGS184610を必要な大きさにカットしたものを用いた。この熱伝導異方性シート1315の面方向の熱伝導率は、700W/m・K(光交流熱伝導率測定法により測定)であり、厚み方向の熱伝導率は10W/m・K(周期加熱測定法により測定)である。
このような構成の定着装置300を用いて、加熱ロール310の温度を175℃、外部加熱ロール350の温度を190℃、インレットロール321の温度を120℃に制御し、坪量200gsmのA4用紙を60枚/分の速度でA4用紙の短辺が用紙搬送方向と直角になるように200枚連続での印字定着と引き続きA3サイズで坪量200gsmの用紙を30枚連続走行したところ、A4を200枚連続後の加熱ロール310の非通紙部の温度は最大で通紙部と28℃の温度差となり、紙しわや定着不良は未発生であり、用紙のカール量も15mm以下となり、その後A3を30枚連続走行した際も、A4サイズより外側のA3用紙部にホットオフセットは見られなかった。
その後、この条件でトータル10万枚通紙したが、加熱ロール310や定着ベルト320の各層間の剥がれや、各ロールの軸受け部や周辺部材の損傷もなく、ベルト摺動トルクの増大による紙しわや画像ズレも未発生であった。
(実施例2)
図4に示す示す定着装置100の構成と同じ構成の定着装置を用いた。加熱ロール110には、外径24mm、肉厚1.66mm、長さ400mmの円筒状でアルミニウム製のコア111の表面を、シリコーンゴム(JIS−Aのゴム硬度33度、熱伝導率 0.42W/m・K(熱線プローブ法により測定))によって、厚さが600μm,長さが330mmとなるように被覆することで弾性層112を形成し、この弾性層112の表面に、厚さ30μmのPFAチュープを被覆すること離型層313を形成したものを用いた。また、加熱ロール110のコア111の内部には、加熱源として960W(通常時600W)のハロゲンランプを配置した。ここでは、この加熱ロール110を192mm/secの速度で回転させた。
定着ベルト110には、厚さ75μm、幅344mm、周長94mmの熱硬化性ポリイミドからなるベース層の外周面にパーフルオロアルコキシフツ素樹脂(PFA)を30μmの厚みにコーティングして耐熱性樹脂皮膜が形成されてなるものを用いた。
押圧部材130は、圧力付与部材330は、加熱ロール310に向けて50kgfの押圧力で圧接されている。この圧力付与部材330を構成するベースプレート331として、幅(定着ベルトの循環方向)20mm、長さ(図1の紙面に対して垂直な方向)360mm、厚さ7.5mmのステンレス鋼製のものを用いた。また、弾性体層334には、ゴム硬度20°のシリコーンゴムからなる厚さ5mmのものを用いた。なお、ここにいうゴム硬度は、高分子科学社製のアスカーCタイプのゴム硬度計により、荷重300gfを付加して計測した結果である。
押圧部材130を用いて、定着ベルト120を介して図4には不図示の圧縮コイルスプリングにより加熱ロール110を33kgの総荷重で押圧した。このときのニップ長は、約6mmであった。この押圧部材130を構成する弾性部材132には、幅4mm、肉厚4mm、長さ340mmで、硬度17°(Asker−C)のシリコーンゴムからなるものを用いた。支持体133には、幅3mm、長さ348mmでA6063のアルミ合金で形成されたものを用いた。
またここでは、低摩擦シート131に、図7に示すものではなく、図9に示す、おもて面にガラス繊維シートが配備されたものを用いた。この低摩擦シート131は、図9に示す厚さ100μmのガラス繊維シート2311と、厚さ50μmのポリイミド樹脂シート2313と、これらのシート2311,2313の間に挟み込まれた図6に示すグラファイト1310からなる熱伝導異方性シート2312をプレス加工で一体成型することによって得られたものである。熱伝導異方性シート2312としては、実施例1で用いたものと同じものを用いた。
また、定着べルト320の内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段160には、幅10mm、厚さ5mm、長さ300mmのフェルト161に、潤滑剤としてヒンダードアミンオイルを2g含浸させたものを用いた。
なお、低摩擦シート131のガラス繊維シート2311にも、予め上記のオイルを保持させておいた。
このような構成の定着装置100を用いて、加熱ロール110の温度を165℃に制御し、坪量90gsmのA4用紙を35枚/分の速度で、A4用紙の短辺が用紙搬送方向と直角になるように200枚連続での印字定着し、引き続きA3サイズで坪量90gsmの用紙を30枚連続走行したところ、A4を200枚連続後の加熱ロール110の非通紙部の温度は最大で通紙部と33℃の温度差となり、その間、紙しわや定着不良は未発生であり、用紙のカール量も10mm以下となり、続けてA3を30枚連続走行した際も、A4サイズより外側のA3用紙部にホットオフセットは見られなかった。
その後、この条件でトータル10万枚通紙したが、加熱ロール110や定着ベルト120の各層間の剥がれや、加熱ロール110の軸受け部や周辺部材の損傷もなく、ベルト摺動トルクの増大による紙しわや画像ズレも未発生であった。
(実施例3)
図8に示す定着装置200の構成と同じ構成の定着装置を用いた。
定着ベルト220の内側に配備されたハロゲンランプ221としては、出力900Wのものを用いた。このハロゲンランプは、定着ベルト220の軸中心位置から、ニップ領域Nに近い方向に7mmだけ偏移した位置に配備させた。
押圧支持体230は、ハロゲンランプ221の周りを中心角240°取り囲んだ状態で配置させた。この押圧支持体230には、A6063のアルミ合金からなるものを使用した。また、押圧支持体230の平面部231の長さは10mmとした。
定着ベルト220としては、厚さ78μm、幅254mm、周長94mmのエンドレスベルト形状に、ポリイミド樹脂中にカーボンブラック(デグサ・ヒュルス社製Special Black4(一次粒子径25mμ))を4wt%配合した熱吸収性層を公知の方法で形成し、その熱吸収性層の上に、離型層としてPFAを30μm被覆したものを用いた。
加圧ロール290のコア291としては、SUS製のφ12mmの金属シャフトを用いた。このコア291を、肉厚8mmの発泡シリコ−ンゴムで長さ235mmになるように被覆し、その外面に30μmのPFAチューブを被覆して、外径28mmの加圧ロールとした。
また、低摩擦シート231には、実施例2と同じく、図9に示す、おもて面にガラス繊維シートが配備されたものを用いた。この低摩擦シート231は、図9に示す厚さ100μmのガラス繊維シート2311と、厚さ40μmのポリイミド樹脂シート2313と、これらのシート2311,2313の間に挟み込まれた図6に示すグラファイト1310からなる熱伝導異方性シート2312をプレス加工で一体成型することによって得られたものである。熱伝導異方性シート2312としては、実施例1で用いたものと同じものを用いた。
このような構成の定着装置200を用いて、用紙突入側の押圧支持体230近傍の定着ベルト220内周面に付けた温度制御素子(不図示)により、定着ベルト220表面の温度を175℃に制御し、坪量90gsmのB5用紙を30枚/分の速度で、B5用紙の短辺が用紙搬送方向と直角になるように200枚連続での印字定着し、引き続きA4サイズでA4用紙の短辺が用紙搬送方向と直角になるように、坪量90gsmの用紙を30枚連続走行したところ、B5を200枚連続後の定着ベルト220の非通紙部の温度は最大で通紙部と35℃の温度差となり、その間、紙しわや定着不良は未発生であり、用紙のカール量も15mm以下となり、続けてA4を30枚連続走行した際も、B5サイズより外側のA4用紙部にホットオフセットは見られなかった。
その後、この条件でトータル10万枚通紙したが、加圧ロール290や定着ベルト220の各層間の剥がれや、加圧ロール290の軸受け部や周辺部材の損傷もなく、ベルト摺動トルクの増大による紙しわや画像ズレも未発生であった。
(実施例4)
図4に示す押圧部材130の弾性部材132を覆う低摩擦シート131を、図10に示す、おもて面に多孔質シートが配備されたものに代えた以外は、実施例2と同様の構成、設定とした。
このような構成の定着装置100を用いて、加熱ロール110の温度を165℃に制御し、坪量90gsmのA4用紙を35枚/分の速度で、A4用紙の短辺が用紙搬送方向と直角になるように200枚連続での印字定着し、引き続きA3サイズで坪量90gsmの用紙を30枚連続走行したところ、A4を200枚連続後の加熱ロール110の非通紙部の温度は最大で通紙部と33℃の温度差となり、その間、紙しわや定着不良は未発生であり、用紙のカール量も15mm以下となり、続けてA3を30枚連続走行した際も、A4サイズより外側のA3用紙部にホットオフセットは見られなかった。
その後、この条件でトータル10万枚通紙したが、加熱ロール110や定着ベルト120の各層間の剥がれや、加熱ロール110の軸受け部や周辺部材の損傷もなく、ベルト摺動トルクの増大による紙しわや画像ズレも未発生であった。
(比較例1)
図1に示す圧力付与部材330の全周を覆う低摩擦シート335を、シート厚みが75μmのポリイミド樹脂からなるシート表面に、エンボス加工を施すことにより凹凸を形成した単層のシートに代えた以外は、実施例1と同様の構成、設定とした。すなわち、この比較例1では、熱伝導異方性シートを含まない低摩擦シートを用いた。
このような構成の定着装置300を用いて、加熱ロール310の温度を175℃、外部加熱ロール350の温度を190℃、インレットロール321の温度を120℃に制御し、坪量200gsmのA4用紙を60枚/分の速度でA4用紙の短辺が用紙搬送方向と直角になるように200枚連続での印字定着と引き続きA3サイズで坪量200gsmの用紙を30枚連続走行したところ、A4を200枚連続後の加熱ロール310の非通紙部の温度は最大で通紙部と41℃の温度差となり、その間、紙しわが2%発生し、用紙のカール量も最大33mmとなり、A3を30枚連続走行した際、A4サイズより外側のA3用紙部に、30枚のうち最初から8枚に渡りホットオフセットが発生した。
その後、この条件で通紙したところ、4万枚通紙したところで、加熱ロール310の金属製のコア311と弾性層312との間で剥がれが発生し、各ロールの軸受け部の損傷と、潤滑剤の熱劣化により、ベルト摺動トルクの増大が起き、それによる紙しわや画像ズレが発生した。
(比較例2)
図4に示す押圧部材130の弾性部材132を覆う低摩擦シート131を、PTFE( ボリテトラフルオロエチレン)多孔質樹脂繊維織布及びPTFE多孔質樹脂フイルムを貼り合わせた多孔質材料でできた単層のシートに代えた以外は、実施例2と同様の構成、設定とした。すなわち、この比較例2でも、熱伝導異方性シートを含まない低摩擦シートを用いた。
このような構成の定着装置100を用いて、加熱ロール110の温度を165℃に制御し、坪量90gsmのA4用紙を35枚/分の速度で、A4用紙の短辺が用紙搬送方向と直角になるように200枚連続での印字定着し、引き続きA3サイズで坪量90gsmの用紙を30枚連続走行したところ、A4を200枚連続後の加熱ロール110の非通紙部の温度は最大で通紙部と45℃の温度差となり、その間、紙しわが5%発生し、用紙のカール量も最大30mmとなり、A3を30枚連続走行した際、A4サイズより外側のA3用紙部に30枚のうち最初から10枚に渡りホットオフセットが発生した。
その後、この条件で通紙したところ、3万枚通紙したところで加熱ロール110の金属製のコア111と弾性層112との間で剥がれが発生し、加熱ロール110の軸受け部の損傷と、潤滑剤の熱劣化により、ベルト摺動トルクの増大が起き、それによる紙しわや画像ズレが発生した。
(比較例3)
図8に示す押圧支持体230の平面部2301を覆う低摩擦シート231を、定着ベルト220の内周面に接するおもて面に弗素樹脂が含浸されたガラス繊維材料でできた厚さ150μmの単層のシートに代えた以外は、実施例3と同様の構成、設定とした。すなわち、この比較例3でも、熱伝導異方性シートを含まない低摩擦シートを用いた。
このような構成の定着装置200を用いて、用紙突入側の押圧支持体230近傍の定着ベルト220の内周面に付けた温度制御素子(不図示)により、定着ベルト220表面の温度を175℃に制御し、坪量90gsmのB5用紙を30枚/分の速度で、B5用紙の短辺が用紙搬送方向と直角になるように200枚連続での印字定着し、引き続きA4サイズでA4用紙の短辺が用紙搬送方向と直角になるように、坪量90gsmの用紙を30枚連続走行したところ、B5を200枚連続後の定着ベルト220の非通紙部の温度は最大で通紙部と65℃の温度差となり、その間、紙しわが30%発生し、用紙のカール量も最大50mmとなり、A3を30枚連続走行した際、A4サイズより外側のA3用紙部に30枚のうち最初から20枚に渡りホットオフセットが発生した。
その後、この条件で通紙したところ、8千枚通紙したところで、加圧ロール290の軸受け部の損傷と、潤滑剤の熱劣化により、ベルト摺動トルクの増大が起き、それによる紙しわや画像ズレが発生し、加圧ロール290の金属製のコア291と弾性層292との間での剥がれが発生した。
以上の結果から、熱伝導異方性シートを有する低摩擦シートを用いることで、非通紙領域における著しい温度上昇を抑制することができることがわかる。
従来のロール−ベルト型の定着装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成装置の一実施形態に相当するフルカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。 図2に示す画像形成装置において実施される画像形成方法を表すフローチャートである。 図2に示す画像形成装置に組み込まれた定着装置の概略構成を示す図である。 図4に示す定着ベルトの断面を模式的に示した図である。 図4に示す低摩擦シートが有する熱伝導層に用いられる熱伝導異方性材料の一例を示す図である。 図4に示す低摩擦シートの断面を模式的に示す図である。 ロールーベルト型であって、無端状の定着ベルトの内側に加熱源を配備した定着装置の概略構成を示す図である。 図8に示す低摩擦シートの断面を模式的に示す図である。 おもて面が多孔質シートからなる低摩擦シートの断面を模式的に示す図である。
符号の説明
1:画像形成装置、10:感光体ドラム、20:中間転写ベルト、40:1次転写ロール、50:現像ロータリー、60:バイアスロール、70:バックアップロール、80:給紙トレイ群、81:手差し台、90:排出トレイ、100:定着装置、110:加熱ロール、114:ハロゲンランプ、120:定着ベルト、130:圧力付与部材、131:低摩擦シート、1310:グラファイト、1311:縮合六員環層面、1315:熱伝導異方性シート、1316,1317:ポリイミド樹脂シート、1316a:凹凸、170:剥離手段、N:ニップ領域、200:定着装置、220:定着ベルト、221:ハロゲンランプ、230:押圧支持体、231:低摩擦シート、2311:ガラス繊維シート、2312:熱伝導異方性、2313:ポリイミド樹脂シート、431:低摩擦シート、4311:多孔質シート4311、4312:熱伝導異方性シート、4313:ポリイミド樹脂シート

Claims (3)

  1. 回転する回転体に向けて相対的に押し付けられ所定の厚みをもった熱伝導層を有する面状部材を備え、該面状部材と該回転体との間に未定着トナー像を担持した記録用シートを通過させることで該未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、該未定着トナー像を該記録用シートに定着させる定着装置であって、
    前記面状部材と前記回転体との間を通過する記録用シートに担持された未定着トナー像に熱を加える加熱手段を備え、
    前記熱伝導層は、厚さ方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率よりもこの熱伝導層が広がる面方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率の方が高い熱伝導異方性材料からなるものであることを特徴とする定着装置。
  2. 回転する回転体と、該回転体に外周面が相対的に押し付けられその回転体との間に記録用シートを挟み込むニップ領域を形成する無端ベルトと、該ニップ領域に挟み込まれた記録用シートに担持された未定着トナー像に熱を加える加熱手段と、該無端ベルトの内周面側に配備され該内周面側から該無端ベルトの外周面を支持し該ニップ領域に相対的な押し付け力を作用させる支持体とを備えた定着装置に配備され、おもて面が該無端ベルトの内周面に接し裏面が該支持体に接した、該支持体よりも摩擦抵抗が小さいシート部材であって、
    厚さ方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率よりもこのシート部材が広がる面方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率の方が高い熱伝導異方性材料からなる熱伝導層を有することを特徴とするシート部材。
  3. トナー像が形成されるトナー像担持体に形成されたトナー像を、最終的に記録用シート上に転写し、該未定着のトナー像を該記録用シートに定着させることにより該記録用シートに画像を形成する画像形成装置であって、
    回転する回転体に向けて相対的に押し付けられ所定の厚みをもった熱伝導層を有する面状部材を備え、該面状部材と該回転体との間に未定着トナー像を担持した記録用シートを通過させることで該未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、該未定着トナー像を該記録用シートに定着させる定着装置を具備し、
    前記定着装置が、
    前記面状部材と前記回転体との間を通過する記録用シートに担持された未定着トナー像に熱を加える加熱手段を有し、
    前記熱伝導層は、厚さ方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率よりもこの熱伝導層が広がる面方向への熱の伝わりやすさを表す熱伝導率の方が高い熱伝導異方性材料からなるものであることを特徴とする画像形成装置。
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