JP2015087432A - 摺動部材、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

摺動部材、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】摺動部材の摩耗が抑制され、高画質の画像が形成される摺動部材、及びその摺動部材を有する定着装置ならびに画像形成装置を提供する。
【解決手段】摺動面Aを有する樹脂層681を備え、摺動面AのMD−1硬度は95以上であり、樹脂層681における摺動面Aと反対側の面BのMD−1硬度は、摺動面AのMD−1硬度より小さい摺動部材68である。
【選択図】図2

Description

本発明は、摺動部材、定着装置及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、記録紙等の記録媒体に形成された未定着トナー像を定着装置によって定着して画像形成を行っている。このような画像形成装置に用いられる定着装置としては、例えば、回転可能な回転部材と、この回転部材に接触して回転する管状体(ベルト部材)と、この管状体の内周面に配置され、管状体を回転部材へ押圧して、回転部材と管状体との間に記録媒体が通過するニップ部を形成する押圧部材と、を備える、いわゆるベルトニップ方式と呼ばれる定着装置がある。
例えば、特許文献1及び2には、管状体の内周面と押圧部材との間に、ガラス繊維基材上にフッ素樹脂を塗布、焼成した摺動部材が設けられ、管状体の内周面と接触する摺動部材の摺動面に、変性シリコーンオイル等の潤滑剤を塗布した定着装置が開示されている。このような定着装置によれば、回転部材と記録媒体との摩擦係数、及び管状体と記録媒体との摩擦係数より、管状体と押圧部材との間の摩擦係数が低減されるため、例えば、回転部材と記録媒体とのスリップ、管状体と記録媒体とのスリップが抑えられ、画像の定着性や高画質の画像の形成が確保される。
例えば、特許文献3〜5には、摺動面の材質をポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とした摺動部材、フッ素樹脂繊維から構成される摺動部材、摺動面の材質をフッ素樹脂繊維とし、摺動面と反対側の面(非摺動面)の材質を耐熱性樹脂繊維とした2層構造の摺動部材等が開示されている。
特開平10−213984号公報 特開2001−249558号公報 特開2008−197317号公報 特開2010−217684号公報 特開2011−107729号公報
本発明の目的は、摺動部材の摩耗が抑制され、高画質の画像が形成される摺動部材、及びその摺動部材を有する定着装置ならびに画像形成装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、摺動面を有する樹脂層を備え、前記摺動面のMD−1硬度は95以上であり、前記樹脂層における前記摺動面と反対側の面のMD−1硬度は、前記摺動面のMD−1硬度より小さい摺動部材である。
請求項2に係る発明は、前記摺動面と反対側の面のMD−1硬度は90以下である請求項1記載の摺動部材である。
請求項3に係る発明は、前記樹脂層は、第1樹脂層と、第2樹脂層とを含む積層構造であり、前記第1樹脂層の外側表面が前記摺動面を成し、前記第2樹脂層の外側表面が、前記樹脂層における前記摺動面と反対側の面を成し、前記第2樹脂層は、シリコーンエラストマー及びフッ素含有エラストマーのうち少なくとも1つを含んで構成される請求項1又は2記載の摺動部材である。
請求項4に係る発明は、前記第1樹脂層は、フッ素樹脂を含んで構成される請求項3記載の摺動部材である。
請求項5に係る発明は、回転可能な回転部材と、前記回転部材に接触しながら回転する管状体と、前記管状体の内部に配置され、前記管状体の内周面から前記管状体を前記回転部材へ押圧して、前記回転部材と前記管状体との間に記録媒体が通過するニップ部を形成する押圧部材と、前記管状体の内周面と前記押圧部材との間に介在する請求項1〜4のいずれか1項に記載の摺動部材と、を備え、前記摺動部材の摺動面が前記管状体の内周面と接触している定着装置である。
請求項6に係る発明は、像保持体と、前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷像現像用現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、を含み、前記定着手段が、請求項5に記載の定着装置である画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、摺動面のMD−1硬度が95以上かつ摺動面と反対側の面のMD−1硬度がそれ以上の摺動部材を用いた場合に比べ、摺動部材に圧を加える押圧部材と摺動部材との密着性の低下が抑制される摺動部材が提供される。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有さない場合と比べて、押圧部材と摺動部材との密着性を維持しつつ、摺動部材の摺動面の変形を抑制することができる摺動部材が提供される。
請求項3に係る発明によれば、シリコーンエラストマー及びフッ素含有エラストマーを含有した摺動部材が提供される。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有さない場合と比べて、摺動面の離型性に優れた摺動部材が提供される。
請求項5に係る発明によれば、摺動面のMD−1硬度が95以上かつ摺動面と反対側の面のMD−1硬度がそれ以上の摺動部材を用いた場合に比べ、摺動部材に圧を加える押圧部材と摺動部材との密着性の低下が抑制される定着装置が提供される。
請求項6に係る発明によれば、摺動面のMD−1硬度が95以上かつ摺動面と反対側の面のMD−1硬度がそれ以上の摺動部材を用いた場合に比べ、摺動部材に圧を加える押圧部材と摺動部材との密着性の低下が抑制される画像形成装置が提供される。
本発明の実施形態に係る定着装置の構成の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る摺動部材の構成の一例を示す模式断面図である。 (A)〜(C)は、押圧パッドの摺動部材接触面を示す押圧パッドの一部模式断面図である。 (A)及び(B)は、本実施形態に係る摺動部材の構成の他の一例を示す模式断面図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る定着装置の構成の一例を示す概略構成図である。図1に示す定着装置60は、回転部材の一例としての定着ロール61と、管状体の一例としての加圧ベルト62と、加圧ベルト62を定着ロール61に押圧する押圧部材の一例としての押圧パッド64と、摺動部材68と、により主要部が構成されている。
図1に示す定着ロール61は、金属製等のコア(円筒状芯金)611の周囲に弾性体層612、および離型層613を積層して構成された円筒状ロールであり、回転自在に支持されている。また、定着ロール61の内部には、記録媒体56上のトナー像Pを加熱定着させるための加熱手段、例えば、ヒータランプ66が設けられている。本実施形態では、回転部材を定着ロール61として説明するが、加圧ロールであってもよい。回転部材を加圧ロールとする場合、記録媒体上の画像を加熱定着させるための加熱手段を必ずしも設ける必要はない。
また、定着ロール61の周辺には、定着後の記録媒体56を剥離するための剥離部材70、ロール表面の温度を制御するための温度センサ69が設けられている。剥離部材70は、定着ロール61の回転方向Cと対向する向き(カウンタ方向)に、定着ロール61と近接する状態で配置される剥離バッフル71と、剥離バッフル71を保持するホルダ72とで構成されている。
図1に示す加圧ベルト62は、加圧ベルト62の内部に配置された押圧パッド64とベルト走行ガイド63とによって回転自在に支持され、定着ロール61からの駆動力を受けることで従動回転される。本実施形態の加圧ベルト62は、原形が円筒形状に形成された継ぎ目がない無端ベルト、継ぎ目(シーム)があるベルト等のベルト部材等が挙げられる。本実施形態では、管状体を加圧ベルト62として説明するが、定着ベルトであってもよい。管状体を定着ベルトとする場合、記録媒体上の画像を加熱定着させるための加熱手段を定着ベルトの内周側又は外周側に配置することが好ましい。
図1に示す押圧パッド64は、加圧ベルト62の内側において金属製等のホルダ65に支持されている。そして、押圧パッド64は加圧ベルト62を介して定着ロール61と対向するように配置され、加圧ベルト62の内周面から加圧ベルト62を定着ロール61へ押圧して、加圧ベルト62と定着ロール61との間に記録媒体56が通過するニップ部Nを形成している。図1に示す押圧パッド64は、第1押圧パッド64aと、第2押圧パッド64bと、を有している。第1押圧パッド64aは、ニップ部Nの記録媒体入口側(以下、記録媒体上流側と呼ぶ場合がある)に配置されている。第1押圧パッド64aにより、例えば幅の広いニップ部Nが確保される。また、第2押圧パッド64bは、ニップ部Nの記録媒体出口側(以下、記録媒体下流側と呼ぶ場合がある)に配置されている。第2押圧パッド64bにより、例えば定着ロール61表面が局所的に押圧されて、記録媒体56にダウンカールが形成される。図1に示す押圧パッド64は、一例であって、必ずしも第1押圧パッド64aと、第2押圧パッド64bとを備える必要はなく、押圧パッド64の加圧ベルト62側の面(摺動部材68と接触する面)が、形成したニップ部Nの形状に対応する形状に加工されていればよい。
ホルダ65には、潤滑剤塗布部材67が配置されている。潤滑剤塗布部材67は、加圧ベルト62の内周面に対して接触するように配置され、潤滑剤塗布部材67から加圧ベルト62の内周面に潤滑剤が供給される。
図1に示す摺動部材68は、押圧パッド64と加圧ベルト62との間に介在され、加圧ベルト62の内周面に接触する摺動面と、摺動部材68における摺動面と反対側の面である非摺動面とを有し、非摺動面は、押圧パッド64に接触している。本実施形態では、ニップ部Nより上流側の摺動部材68の少なくとも一部を不図示の固定部材等によってホルダ65に固定している。
図1に示す定着装置60の動作を説明する。まず、定着ロール61が図示しない駆動モータに連結されて矢印C方向に回転し、この回転に従動して加圧ベルト62も回転する。そして記録媒体56が、不図示の搬送手段によって、定着ロール61と加圧ベルト62とが圧接して形成されたニップ部Nに搬送される。そして、記録媒体56がニップ部Nを通過した際に、ニップ部Nに作用する圧力、定着ロール61から供給される熱等が記録媒体56に加えられ、未定着トナー像Pが記録媒体56上に定着される。定着後の記録媒体56は、ニップ部Nを通過後、剥離部材70により定着ロール61から剥離され、定着装置60から排出される。このような定着処理の際に、回転する加圧ベルト62と押圧パッド64間の摺動部材68、潤滑剤塗布部材67から摺動部材68と加圧ベルト62との間に供給される潤滑剤により、例えば、加圧ベルト62の回転により発生する摺動抵抗等が緩和される。
図2は、本発明の実施形態に係る摺動部材の構成の一例を示す模式断面図である。図2に示す摺動部材68は、第1樹脂層681a及び第2樹脂層681bを有する樹脂層681と、第1樹脂層681aと第2樹脂層681bとの間に設けられる基材682と、を備える。図2に示す摺動部材68は、第1樹脂層681aの外表面Aが、加圧ベルト62と接触する摺動面を成し、第2樹脂層681bの外表面Bが、樹脂層681における摺動面と反対側の面を成し、押圧パッド64と接触する非摺動面となる。
本実施形態では、摺動部材68の摺動面のMD−1硬度(図2では、第1樹脂層681aの外表面AのMD−1硬度)が95以上であり、96以上が好ましく、摺動面と反対側の面のMD−1硬度(図2では、第2樹脂層681bの外表面BのMD−1硬度)は、摺動面のMD−1硬度より小さいものであり、好ましくは90以下であり、より好ましくは85以下である。MD−1硬度とは、高分子計器株式会社製MD−1硬度計を用いて、一般ゴム用のタイプAで測定した値(硬さ)である。なお、高分子計器株式会社製MD−1硬度計では、硬さを0とする試料に、直径0.16mm、高さ0.5mmの円柱形の押針を、片持ち梁形板バネにより22mNの荷重で押し当てたときの、そのバネの変位量を基準変位量とし、その押針をそのバネにより332mNの荷重で押し当てたときに、そのバネの変位量が基準変位量と同量になる物体の硬さを100と定義している。
通常、摺動部材68と加圧ベルト62との間に潤滑剤を供給し易くする等の点から、摺動面に凹凸を形成したり、加圧ベルト62の内周面に凹凸を形成したりして、摺動部材68と加圧ベルト62との間に潤滑剤が侵入する潤滑層を形成することが考えられる。しかし、摺動部材68の摺動面のMD−1硬度が低いと、押圧パッド64からの押圧力によって、摺動面が変形して、摺動部材68と加圧ベルト62の内周面との密着性が増すため、摺動部材68と加圧ベルト62との間に潤滑剤が侵入し難くなる等して、摺動部材68の摩耗が発生すると考えられる。しかし、本実施形態のように、摺動部材68の摺動面のMD−1硬度を95以上とすることにより、摺動部材68の摺動面のMD−1硬度を95未満とした場合と比較して、摺動部材68と加圧ベルト62の内周面との密着性の増加が抑えられると考えられる。その結果、摺動部材68と加圧ベルト62との間に潤滑剤が侵入し易くなり、摺動部材68の摩耗が抑制されると考えられる。
図3(A)〜(C)は、押圧パッドの摺動部材接触面を示す押圧パッドの一部模式断面図である。押圧パッド64の摺動部材接触面は、前述したように、ニップ部Nの形状に対応する形状に加工されるため、図3(A)に示すように、例えば、押圧パッド64の摺動部材接触面Rが平坦となる場合もあるし、図1及び図3(B)に示すように、ニップ部Nの記録媒体入口側の摺動部材接触面R1よりニップ部Nの記録媒体出口側の摺動部材接触面R2の方が高い位置となるような段差(傾斜)を設ける場合もあるし、図3(C)に示すように、ニップ部Nの記録媒体入口側の摺動部材接触面R1よりニップ部Nの記録媒体出口側の摺動部材接触面R2の方が低い位置となるような段差(傾斜)を設ける場合もある。このように、押圧パッド64の摺動部材接触面は様々な形状となる。ここで、摺動部材68の摺動面と反対側の面である非摺動面のMD−1硬度が高いと、摺動部材68と押圧パッド64間の密着性が低下するため、加圧ベルト62と定着ロール61との間に形成されるニップ部の圧力分布にばらつきが生じて、結果的に記録媒体上の画像の画質が低下する虞がある。しかし、本実施形態のように、95以上のMD−1硬度を有する摺動面と反対側の面のMD−1硬度を摺動面のMD−1硬度より小さくすること、好ましくは摺動面と反対側のMD−1硬度を90以下にすることにより、95以上のMD−1硬度を有する摺動面と反対側の面のMD−1硬度を摺動面のMD−1硬度と同じ又は大きくした場合と比較して、摺動部材68と押圧パッド64間の密着性の低下が抑えられると考えられる。
このように、摺動部材68の摺動面のMD−1硬度を95以上とし、摺動面と反対側の面のMD−1硬度を摺動面のMD−1硬度より小さくする、好ましくは90以下とすることにより、摺動部材68の摩耗及び高画質の画像が形成されると考えられる。
第1樹脂層681aとしては、定着温度(例えば150℃〜200℃)に対し十分な耐熱性を有するものが望ましく、例えば、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、シリコーンエラストマー(シリコーン樹脂)、フッ素樹脂、フッ素含有エラストマー等が挙げられる。
第2樹脂層681bとしては、例えば、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、シリコーンエラストマー(シリコーン樹脂)、フッ素樹脂、フッ素含有エラストマー等が挙げられる。
樹脂層表面のMD−1硬度は、例えば、樹脂層を構成する材質等に影響されると考えられる。例えば、摺動面のMD−1硬度より、摺動面と反対側の面のMD−1を小さくする場合には、第1樹脂層681aに、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂等を用い、第2樹脂層681bに、シリコーンエラストマー(シリコーン樹脂)、フッ素含有エラストマー等を用いることが好ましい。第1樹脂層681aは、MD−1硬度、耐熱性、摩耗特性の点等から、フッ素樹脂が好ましい。フッ素樹脂としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)、PFA(パーフルオロアルコキシ樹脂)、又はこれらの変性体(例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂とパーフルオロアルコキシ樹脂とを変性させたもの等)等が挙げられる。
また、フッ素樹脂としては、MD−1硬度、耐摩耗性、耐久性を向上させる点等から、電離性放射線(例えば、電子線、γ線、中性子線、X線、高エネルギーイオン等)を照射して得られる改質ポリテトラフルオロエチレン樹脂を用いることも好ましい。なお、改質ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、例えば、市販のPTFE粉体を、300℃以上で、不活性雰囲気下において、102s−2以上102s−2(1kGy以上10MGy以下)の電離性放射線照射することにより得られる。ここで、不活性雰囲気とは、例えば、希ガスやNガス等の不活性ガスを主とする雰囲気をいう。
また、樹脂層表面のMD−1硬度は、樹脂層の厚みを変えることによっても制御される。具体的には、樹脂層の厚みを厚くすることで、樹脂層表面のMD−1硬度が上昇すると考えられる。第1樹脂層681aの厚みは、使用する樹脂層の材質等にもよるが、例えば、20μm以上60μm以下の範囲が好ましく、第2樹脂層681bの厚みは、使用する樹脂層の材質等にもよるが、例えば、60μm以上160μm以下の範囲が好ましい。また、摺動部材68の厚みは、使用する樹脂層の材質等にもよるが、例えば120μm以上180μm以下の範囲が好ましい。
また、樹脂層表面のMD−1硬度は、樹脂層に架橋性樹脂(架橋フッ素樹脂)や充填フィラー等を含有させることによっても制御される。架橋性樹脂や充填フィラーを含む樹脂層表面のMD−1硬度は、架橋性樹脂や充填フィラーを含まない樹脂層表面のMD−1硬度と比べて、高くなると考えられる。例えば、架橋されていないPTFEパウダーに架橋されたPTFEパウダーや充填フィラーを添加混合し、この混合物を金型に充填して、圧縮成型し、次いで融点以上の温度で加熱焼成することによって得られる樹脂層は、架橋されたPTFEパウダーを添加していない樹脂層より、樹脂層表面のMD−1硬度が高くなる。なお、充填フィラーは、樹脂層のMD−1硬度を高くするものであれば特に制限されるものではないが、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、シリカ、炭化ケイ素、タルク、マイカ、カオリン、酸化鉄、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、黒鉛、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸化鉄、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
架橋性樹脂の含有量は、特に制限されるものではないが、例えば5.0%以上80.0%以下の範囲が好ましく、10%以上50%以下の範囲がより好ましい。架橋性樹脂の含有量が5.0%未満であると、耐摩耗性低下の場合があり、80%を超えると成形不良の発生の場合がある。また、充填フィラーの含有量は、特に制限されるものではないが、例えば1.0%以上50%以下の範囲が好ましく、5.0%以上40%以下の範囲がより好ましい。充填フィラーの含有量が5.0%未満であると、耐摩耗性低下の場合があり、50.0%を超えると亀裂発生の場合がある。
基材682としては、潤滑剤保持の点等から、表面に凹凸を有する基材を用いることが好ましい。このような基材682としては、例えば、多孔質繊維シート等が挙げられる。この多孔質繊維シートは、例えば、繊維自体を多孔質化したものでもよいが、基材強度、表面凹凸の制御の点等から、繊維を織ることによって得られる織布を含むことが好ましい。多孔質繊維シートの材質としては、ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等が挙げられ、強度の点等から、ガラス繊維が好ましい。
摺動部材68の製造方法としては、例えば基材682の一方の面及び反対側の面に熱可塑性樹脂等の接着剤を塗布し、基材682の一方の面に、フッ素樹脂シート等の第1樹脂層681aを配置し、反対側の面に、シリコーンエラストマーシート等の第2樹脂層681bを配置し、この積層物を加熱及び加圧することにより得られる。
図2に示す摺動部材68は、基材682と、基材682の一方の面に配置される第1樹脂層681aと、一方の面と反対側の面に配置される第2樹脂層681bとから構成される3層構造であるが、この3層構造に限定されるものではない。
図4(A)及び(B)は、本実施形態に係る摺動部材の構成の他の一例を示す模式断面図である。本実施形態の摺動部材68は、図4(A)に示すように、第1樹脂層681a及び第2樹脂層681bを有する樹脂層681から構成される2層構造であってもよい。図4(A)に示す摺動部材68は、第1樹脂層681aの外表面Aが、加圧ベルト62と接触する摺動面を成し、第2樹脂層681bの外表面Bが、樹脂層681における摺動面と反対側の面を成し、押圧パッド64と接触する非摺動面となる。また、本実施形態の摺動部材68は、図4(B)に示すように、単一の樹脂層683から構成される単層構造であってもよい。図4(B)に示す摺動部材68では、樹脂層683の一方の面Aが、加圧ベルト62と接触する摺動面を成し、一方の面と反対側の面Bが、押圧パッド64と接触する非摺動面を成す。なお、単層構造であっても、これまで説明した通り、樹脂層683の一方の面A(摺動面)のMD−1硬度は95以上であり、一方の面と反対側の面B(非摺動面)のMD−1硬度は、一方の面のMD−1硬度より低い、好ましくは90以下である。また、図での説明は省略するが、例えば、図2に示す基材682と第1樹脂層681aとの間、基材682と第2樹脂層681bとの間に、第1樹脂層681aや第2樹脂層681bで用いられる樹脂と異なる樹脂から構成される第3樹脂層を配置する等して、4層以上から構成されるものとしてもよい。
図4(A)に示す2層構造の摺動部材68としては、例えば、前述の第1樹脂層681aを用意し、摺動面となる第1樹脂層681aの一方の面と反対側の面に接着剤を塗布し、該反対側の面に、前述の第2樹脂層681bを配置し、この積層物を加熱及び加圧することにより得られる。図4(B)に示す単一の樹脂層683から構成される摺動部材68としては、例えば、前述の第1樹脂層を構成する樹脂パウダーに充填フィラーを添加混合し、この混合物を金型に充填して圧縮成型する際に、金型に磁場を掛けて、樹脂層の反対側の面B側より一方の面A側に多くの充填フィラーを配向させることにより得られる。これにより、樹脂層683の一方の面A(摺動面)のMD−1硬度を95以上、一方の面Aと反対側の面BのMD−1硬度を一方の面AのMD−1硬度より小さい摺動部材68が得られる。
摺動部材68の摺動面の動摩擦係数は、摺動部材68の摩耗を抑制する点等から、例えば、0.8以下の範囲が好ましく、0.6以下の範囲がより好ましい。摺動部材68の摺動面の動摩擦係数が0.8を超えるとモータ過負荷によるギヤ破損の場合がある。
以下に、定着装置60を構成するその他の部材について説明する。
まず、定着ロール61のコア611は、機械的強度、伝熱性の点で、例えば、鉄、アルミニウム(例えば、A−5052材)、SUS、銅等の金属または合金、セラミックス、FRM等が挙げられる。
また、定着ロール61の弾性体層612の材質は、従来公知のものの中から適宜選択されればよいが、例えば、シリコーンエラストマー(以下、シリコーンゴムと呼ぶ場合がある)、フッ素含有エラストマー(以下、フッ素含有ゴムと呼ぶ場合がある)等が挙げられ、表面張力が小さく、高弾性を示す点等から、シリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムとしては、例えば、RTV(室温硬化型)シリコーンゴム、HTV(熱加硫型)シリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)などが挙げられる。
弾性体層612の厚みとしては、例えば、3mm以下であり、好ましくは0.5mm以上1.5mm以下である。弾性体層612をコア611の表面に形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、それ自体公知のコーティング法などが採用され、例えば、ニーダーコーティング、バーコーティング、カーテンコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング等が挙げられる。
また、定着ロール61の離型層613の材質としては、トナー像Pに対し適度な離型性を示すものが望ましく、例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの材質の中でも、離型性の点等から、フッ素樹脂が好ましい。フッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂挙げられ、耐熱性、機械特性の点等から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル(EFA)共重合体が好ましい。
離型層613の厚みとしては、例えば、10μm以上100μm以下であり、好ましくは20μm以上30μm以下である。離型層613をコア611の表面に形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、上述したコーティング法などが挙げられる。また、押出し成型によって形成されたチューブを被覆する方法等でもよい。
本実施形態では、ヒータランプ66を加熱手段として用いているが、加熱手段としては、ニップ部を加熱するものであれば、定着ロール61を内部加熱するタイプに限られず、例えば、定着ロール61を外部加熱するもの等が挙げられる。
加圧ベルト62としては、その形状、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて従来公知のものの中から適宜選択される。加圧ベルト62の構造としては、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。多層構造の加圧ベルト62としては、ベース層と離型層とを有するもの等が挙げられる。
加圧ベルト62のベース層の材質としては、例えば、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、耐磨耗性、耐薬品性の点等から、熱硬化性ポリイミドが好ましい。加圧ベルト62の離型層613の材質としては、例えば、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)等のシリコーンゴム、フッ化ビニリデン系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、フルオロホスファゼン系ゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴム等のフッ素ゴムなどが挙げられる。
押圧パッド64の第1押圧パッド64aは、例えば、シリコーンゴムやフッ素含有ゴム等の弾性体や板バネ等が用いられる。また、押圧パッド64の第2押圧パッド64bは、例えば、PPS、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、または鉄、アルミニウム、SUS等の金属等で形成される。押圧パッド64の構造等については特に制限はなく、例えば、第1押圧パッド64a、第2押圧パッド64b等の複数の部材から構成されてもよいし、また本実施形態の押圧パッド64は、必ずしも第1押圧パッド64aとしてある程度の弾性を有する材料を持ってくる必要がないため、単一の部材(金属等も可)から構成されるものであってもよい。
潤滑剤は、潤滑性、潤滑性の指標となる動粘度、耐熱性、揮発性の点等から、例えば、アミノ変性シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、酸化防止剤入りのアミノ変性シリコーンオイルであるヒンダードアミンオイル等のシリコーンオイル等が好ましく、更に濡れ性の点等から、アミノ変性シリコーンオイルがより好ましい。また、耐熱性により優れた性能を有する点等から、メチルフェニルシリコーンオイルも好ましい。なお、耐熱性の点等から、ヒンダードアミンオイルが好ましい。
シリコーンオイルの動粘度は、常温で50cs以上3000cs以下であることが好ましい。動粘度が50cs未満であると、シリコーンオイルが不必要に蒸発する場合があり、3000csを超えると、摺動部材68と加圧ベルト62との間の摺動抵抗を増加させる場合がある。さらに高温下(例えば、200℃以上)において使用する場合には、耐熱安定性の点等から、パーフルオロポリエーテルオイルを使用することも望ましい。
また、潤滑剤としては、その他に、例えば、グリース(例えば、フッ素オイルを基油としたフッ素グリース(例えばスミテックF950(住鉱潤滑社製)))、ジメチルシリコーンオイル、有機金属塩添加ジメチルシリコーンオイル、ヒンダードアミン添加ジメチルシリコーンオイル、有機金属塩及びヒンダードアミン添加ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、有機金属塩添加アミノ変性シリコーンオイル、ヒンダードアミン添加アミノ変性シリコーンオイル、パーフルオロポリエーテルオイルなどが挙げられる。
<画像形成装置>
図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略構成図である。ここでは、一般にタンデム型と呼ぶ中間転写方式の画像形成装置を例に挙げて説明する。
図5に示す画像形成装置100は、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー像を記録媒体である用紙Kに一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を用紙K上に定着させる定着装置60とを備えている。また、画像形成装置100は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。また、定着装置60は、前述の定着装置である。
画像形成装置100の各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、表面に形成されるトナー像を保持する像保持体の一例として、矢印A方向に回転する感光体ドラム11を備えている。
感光体ドラム11の周囲には、前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段の一例として、感光体ドラム11を帯電させる帯電器12が設けられ、前記帯電器12により帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段の一例として、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)が設けられている。
また、感光体ドラム11の周囲には、前記潜像形成手段により前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段の一例として、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14が設けられ、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。
さらに、感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17が設けられ、帯電器12、レーザ露光器13、現像器14、一次転写ロール16及びドラムクリーナ17の電子写真用デバイスが感光体ドラム11の回転方向に沿って順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂をベース層としてカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の加圧ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は10Ωcm以上1014Ωcm以下となるように形成されており、その厚みは、例えば、0.1mm程度に構成されている。
中間転写ベルト15は、各種ロールによって図5に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは、鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。
そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、バックアップロール25と、前記現像手段により形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段の一例としての、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、を備えて構成されている。
バックアップロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10以上Ω/□1010Ω/□以下となるように形成され、硬度は、例えば、70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触配置されている。
一方、二次転写ロール22は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5以上Ωcm108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。
そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙K上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。
一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
更に、本実施形態の画像形成装置では、用紙Kを搬送する搬送手段として、用紙Kを収容する用紙収容部50、この用紙収容部50に集積された用紙Kを所定のタイミングで取り出して搬送する給紙ロール51、給紙ロール51により繰り出された用紙Kを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へと送り込む搬送ガイド53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Kを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Kを定着装置60に導く定着入口ガイド57を備えている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図5に示す画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、搬送手段では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせて給紙ロール51が回転し、用紙収容部50から所定サイズの用紙Kが供給される。給紙ロール51により供給された用紙Kは、搬送ロール52により搬送され、搬送ガイド53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Kは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Kの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に加圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Kは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって加圧される二次転写部20において、用紙K上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Kは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Kを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙K上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱及び圧力で定着処理を受けることで用紙K上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Kは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙収容部(不図示)に搬送される。
一方、用紙Kへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34及び中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定的に解釈されるものではなく、種々の変形、変更、改良が可能であり、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であることは言うまでもない。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
富士ゼロックス社製の画像形成装置C6550を用い、以下に示す条件で、フルカラーのパターン画像を普通紙(C2紙)に出力した。画像形成装置C6550に搭載した定着装置の具体的構成は以下の通りである。
定着ロールは、外径40mm、肉厚1.8mm、長さ360mmの円筒状アルミ製のコアの外周面に、弾性体層としてHTVシリコーンエラストマー(ゴム硬度35度:JIS−A)を300μmの厚みに被覆し、該弾性体層の表面に離型層としてテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を30μmの厚みにチューブ被覆したものである。コアの内部には、加熱源として600wのハロゲンランプを配設した。定着ロールの表面温度を、該定着ロールの表面に配置した温度センサーと温度コントローラーとを用いて175℃に制御した。加圧ベルトは、周長94mm、肉厚75μm、長さ320mmの熱硬化性ポリイミド樹脂を基材とし、該基材の外周面に、離型層としてのテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を30μmの厚みでコーティングしたものである。
摺動部材は、ガラスクロス基材の一方の面(摺動面側)に架橋PTFE樹脂(架橋されたPTFEパウダーを含有させたPTFE樹脂(商品名;XF−1B(日立電線社製)、架橋PTFE含有率50%))フィルムを被覆し、ガラスクロス基材の一方の面と反対側の面(非摺動面側)にHTVシリコーンエラストマーフィルムを被覆したものである。そして、PTFE樹脂フィルムの外表面が、加圧ベルトの内周面と接触する摺動面となり、HTVシリコーンエラストマーフィルムの外表面が押圧パッドと接触する非摺動面(摺動面と反対側の面)となる。
摺動部材の摺動面及び非摺動面のMD−1硬度を高分子計器株式会社製MD−1型硬度計により測定した結果、摺動部材の摺動面のMD−1硬度は97.8、非摺動面のMD−1硬度は80.1であった。
摺動部材と加圧ベルトとの間に介在させる潤滑剤として、アミン変性シリコーンオイル(X22−9446、信越化学社製)を用いた。
(実施例2)
摺動部材として、ガラスクロス基材の一方の面(摺動面側)に架橋PTFE樹脂(架橋されたPTFEパウダーを含有させたPTFE樹脂(商品名;XF−1A(日立電線社製)、架橋PTFE含有率20%))フィルムを被覆し、ガラスクロス基材の一方の面と反対側の面(非摺動面側)にHTVシリコーンエラストマーを被覆したものを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件とした。摺動部材の摺動面及び非摺動面のMD−1硬度を高分子計器株式会社製MD−1型硬度計により測定した結果、摺動部材の摺動面のMD−1硬度は95.8、非摺動面のMD−1硬度は75.1であった。
(実施例3)
摺動部材として、ガラスクロス基材の一方の面(摺動面側)に架橋PTFE樹脂(架橋されたPTFEパウダーを含有させたPTFE樹脂(商品名;XF−1B(日立電線社製)、架橋PTFE含有率50%))フィルムを被覆し、ガラスクロス基材の一方の面と反対側の面(非摺動面側)にカーボンブラック10%配合HTVシリコーンエラストマーを被覆したものを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件とした。摺動部材の摺動面及び非摺動面のMD−1硬度を高分子計器株式会社製MD−1型硬度計により測定した結果、摺動部材の摺動面のMD−1硬度は97.8、非摺動面のMD−1硬度は91.2であった。
(実施例4)
摺動部材として、ガラスクロス基材の一方の面(摺動面側)に架橋PTFE樹脂(架橋されたPTFEパウダーを含有させたPTFE樹脂(商品名;XF−1B(日立電線社製)、架橋PTFE含有率50%))フィルムを被覆し、ガラスクロス基材の一方の面と反対側の面(非摺動面側)にカーボンブラック5%配合HTVシリコーンエラストマーを被覆したものを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件とした。摺動部材の摺動面及び非摺動面のMD−1硬度を高分子計器株式会社製MD−1型硬度計により測定した結果、摺動部材の摺動面のMD−1硬度は97.8、非摺動面のMD−1硬度は85.8であった。
(実施例5)
摺動部材として、ガラスクロス基材の一方の面(摺動面側)に架橋PTFE樹脂(架橋されたPTFEパウダーを含有させたPTFE樹脂(商品名;XF−1B(日立電線社製)、架橋PTFE含有率50%))フィルムを被覆し、ガラスクロス基材の一方の面と反対側の面(非摺動面側)にフッ素ゴム(ダイエル:ダイキン工業社製)を被覆したものを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件とした。摺動部材の摺動面及び非摺動面のMD−1硬度を高分子計器株式会社製MD−1型硬度計により測定した結果、摺動部材の摺動面のMD−1硬度は97.8、非摺動面のMD−1硬度は84.5であった。
(実施例6)
摺動部材として、ガラスクロス基材の一方の面(摺動面側)に変性フッ素樹脂フィルム(ポリフロン:ダイキン工業社製)を被覆し、ガラスクロス基材の一方の面と反対側の面(非摺動面側)にHTVシリコーンエラストマーフィルムを被覆したものを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件とした。摺動部材の摺動面及び非摺動面のMD−1硬度を高分子計器株式会社製MD−1型硬度計により測定した結果、摺動部材の摺動面のMD−1硬度は96.2、非摺動面のMD−1硬度は80.1であった。
(実施例7)
摺動部材として、ガラスクロス基材の一方の面(摺動面側)にポリイミド樹脂フィルム(ユーピレックス:宇部興産社製)を被覆し、ガラスクロス基材の一方の面と反対側の面(非摺動面側)にHTVシリコーンエラストマーフィルムを被覆したものを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件とした。摺動部材の摺動面及び非摺動面のMD−1硬度を高分子計器株式会社製MD−1型硬度計により測定した結果、摺動部材の摺動面のMD−1硬度は99.8、非摺動面のMD−1硬度は80.1であった。
(実施例8)
摺動部材として、ガラスクロス基材を用いず、架橋PTFE樹脂(架橋されたPTFEパウダーを含有させたPTFE樹脂(商品名;XF−1B(日立電線社製)、架橋PTFE含有率50%))フィルム上にHTVシリコーンエラストマーフィルムを被覆したものを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件とした。架橋PTFE樹脂フィルムの外表面が摺動面となり、HTVシリコーンエラストマーフィルムの外表面が非摺動面となる。摺動部材の摺動面及び非摺動面のMD−1硬度を高分子計器株式会社製MD−1型硬度計により測定した結果、摺動部材の摺動面のMD−1硬度は95.1、非摺動面のMD−1硬度は70.4であった。
(実施例9)
摺動部材として、アラミド繊維基材の一方の面(摺動面側)に架橋PTFE樹脂(架橋されたPTFEパウダーを含有させたPTFE樹脂(商品名;XF−1B(日立電線社製)、架橋PTFE含有率50%))フィルムを被覆し、アラミド繊維基材の一方の面と反対側の面(非摺動面側)にHTVシリコーンエラストマーフィルムを被覆したものを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件とした。摺動部材の摺動面及び非摺動面のMD−1硬度を高分子計器株式会社製MD−1型硬度計により測定した結果、摺動部材の摺動面のMD−1硬度は96.1、非摺動面のMD−1硬度は80.3であった。
(比較例1)
摺動部材として、ガラスクロス基材の一方の面(摺動面側)にPTFE樹脂(ダイキン工業社製、ポリフロンフィルム)フィルムを被覆し、ガラスクロス基材の一方の面と反対側の面(非摺動面側)にポリイミド樹脂フィルムを被覆したものを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件とした。摺動部材の摺動面及び非摺動面のMD−1硬度を高分子計器株式会社製MD−1型硬度計により測定した結果、摺動部材の摺動面のMD−1硬度は96.5、非摺動面のMD−1硬度は99.1であった。
(比較例2)
摺動部材として、ガラスクロス基材の一方の面(摺動面側)、及び一方の面と反対側の面(非摺動面側)にポリイミドフィルム(ユーピレックス:宇部興産社製)を被覆したものを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件とした。摺動部材の摺動面及び非摺動面のMD−1硬度を高分子計器株式会社製MD−1型硬度計により測定した結果、摺動部材の摺動面のMD−1硬度は99.5、非摺動面のMD−1硬度は99.8であった。
(比較例3)
摺動部材として、ガラスクロス基材の一方の面(摺動面側)にFEPフィルムを被覆し、ガラスクロス基材の一方の面と反対側の面(非摺動面側)にHTVシリコーンエラストマーフィルムを被覆したものを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件とした。摺動部材の摺動面及び非摺動面のMD−1硬度を高分子計器株式会社製MD−1型硬度計により測定した結果、摺動部材の摺動面のMD−1硬度は90.4、非摺動面のMD−1硬度は81.5であった。
<駆動トルクの評価>
上記実施例1〜9及び比較例1〜3の定着装置の加圧ベルトにトルク計を設置した上で、各定着装置を稼働させ、普通紙を出力する前と普通紙を200,000枚出力した後の加圧ベルトの駆動トルクを計測した後、以下の条件で評価し、その結果を表1にまとめた。トルクの計測は、ユニットについている定着ロールを回転させる軸にトルク測定器(TORQUE DETECTOR:ONO SOKKI Co.LTD社製)の軸をカップリングを用いて接合し、ユニットを起動させてトルクメータで軸回転トルクを測定した。
◎:出力前と普通紙200,000枚出力後の駆動トルクの差が0.5Nm未満であった。
○:出力前と普通紙200,000枚出力後の駆動トルクの差が0.5Nm以上0.8Nm未満であった。
△:出力前と普通紙200,000枚出力後の駆動トルクの差が0.8Nm以上1.2Nm未満であった。
×:出力前と普通紙200,000枚出力後の駆動トルクの差が1.2Nm以上であった。
<摺動部材の耐摩耗性評価>
実施例1〜9及び比較例1〜3の定着装置を稼働させ、普通紙を200,000枚出力した後の摺動部材の耐摩耗性を以下の条件で評価し、その結果を表1にまとめた。
◎:目視観察で摺動部材の摺動面の摩耗が認められなかった。
○:目視観察で摺動部材の摺動面の摩耗が若干認められた。
△:目視観察で摺動部材の摺動面の一部に基材の露出が認められた。
×:目視観察で摺動部材の摺動面の大部分に基材の露出が認められた。
<パターン画像の画質評価>
実施例1〜9及び比較例1〜3の定着装置を稼働させ、普通紙100枚出力後、普通紙200,000枚出力後のパターン画像の画質を以下の条件で評価し、その結果を表1にまとめた。普通紙100枚出力後のパターン画像を初期画像、普通紙200,000枚出力後のパターン画像を経時画像と呼ぶ。
◎:初期画像及び経時画像共に、目視観察でプロセス方向に筋状のグロスムラが認められず、高画質の画像が形成された。
○:初期画像では、目視観察でプロセス方向に筋状のグロスムラは認められず、経時画像では、目視観察でプロセス方向に筋状のグロスムラが若干認められるが、実用上問題ないレベルの高画質の画像が形成された。
△:初期画像では、目視観察でプロセス方向に筋状のグロスムラが認められないが、経時画像では、目視観察でプロセス方向に筋状のグロスムラが認められ、画質の低下が確認された。
×:初期画像及び経時画像共に、目視観察でプロセス方向に筋状のグロスムラが認められ、初期画像から画質の低下が確認された。
Figure 2015087432
表1から分かるように、摺動部材の摺動面のMD−1硬度が95以上、摺動面と反対側の面である非摺動面のMD−1硬度が摺動面のMD−1硬度より小さい実施例1〜9は、非摺動面のMD−1硬度が摺動面のMD−1硬度より高い比較例1、摺動面及び非摺動面のMD−1硬度が同じである比較例2、及び非摺動面のMD−1硬度が摺動面のMD−1硬度より小さいが、摺動面のMD−1硬度が95未満である比較例3より、駆動トルクの低下が抑えられ、摺動部材の摺動面の摩耗が抑制され、また、高画質の画像が形成された。実施例の中では、摺動部材の摺動面のMD−1硬度が95以上、非摺動面のMD−1硬度が90以下である実施例1,2,4は、非摺動面のMD−1硬度が90を超える実施例3と比較すると、摺動部材の摺動面の摩耗がより抑制され、より高画質の画像が形成された。ガラスクロス基材を用いた実施例1は、ガラスクロス基材以外のアラミド繊維基材を用いた実施例9より、高耐久であり、さらに、基材を用いていない実施例8より、高耐久及び高画質であった。さらに、摺動部材の摺動面側の樹脂として架橋PTFE樹脂を用いた実施例1は、架橋していないフッ素樹脂を用いた実施例6より、高耐久であり、さらに、フッ素樹脂以外のポリイミド樹脂を用いた実施例7より高耐久及び高画質であった。
1Y,1M,1C,1K 画像形成ユニット、10 一次転写部、11 感光体ドラム、12 帯電器、13 レーザ露光器、14 現像器、15 中間転写ベルト、16 一次転写ロール、17 ドラムクリーナ、20 二次転写部、22 二次転写ロール、25 バックアップロール、26 給電ロール、31 駆動ロール、32 支持ロール、33 テンションロール、34 クリーニングバックアップロール、35 中間転写ベルトクリーナ、40 制御部、42 基準センサ、43 画像濃度センサ、50 用紙収容部、51 給紙ロール、52 搬送ロール、53 搬送ガイド、55 搬送ベルト、56 記録媒体、57 定着入口ガイド、60 定着装置、61 定着ロール、62 加圧ベルト、63 ベルト走行ガイド、64 押圧パッド、64a 第1押圧パッド、64b 第2押圧パッド、65 ホルダ、66 ヒータランプ、67 潤滑剤塗布部材、68 摺動部材、69 温度センサ、70 剥離部材、71 剥離バッフル、72 ホルダ、100 画像形成装置、611 コア、612 弾性体層、613 離型層、681 樹脂層、681a 第1樹脂層、681b 第2樹脂層、682 基材、683 樹脂層。

Claims (6)

  1. 摺動面を有する樹脂層を備え、
    前記摺動面のMD−1硬度は95以上であり、
    前記樹脂層における前記摺動面と反対側の面のMD−1硬度は、前記摺動面のMD−1硬度より小さいことを特徴とする摺動部材。
  2. 前記摺動面と反対側の面のMD−1硬度は90以下であることを特徴とする請求項1記載の摺動部材。
  3. 前記樹脂層は、第1樹脂層と、第2樹脂層とを含む積層構造であり、前記第1樹脂層の外側表面が前記摺動面を成し、前記第2樹脂層の外側表面が、前記樹脂層における前記摺動面と反対側の面を成し、前記第2樹脂層は、シリコーンエラストマー及びフッ素含有エラストマーのうち少なくとも1つを含んで構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の摺動部材。
  4. 前記第1樹脂層は、フッ素樹脂を含んで構成されることを特徴とする請求項3記載の摺動部材。
  5. 回転可能な回転部材と、前記回転部材に接触しながら回転する管状体と、前記管状体の内部に配置され、前記管状体の内周面から前記管状体を前記回転部材へ押圧して、前記回転部材と前記管状体との間に記録媒体が通過するニップ部を形成する押圧部材と、前記管状体の内周面と前記押圧部材との間に介在する請求項1〜4のいずれか1項に記載の摺動部材と、を備え、
    前記摺動部材の摺動面が前記管状体の内周面と接触していることを特徴とする定着装置。
  6. 像保持体と、前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷像現像用現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、を含み、
    前記定着手段が、請求項5に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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