JP2003317898A - 加熱装置ならびに画像形成装置 - Google Patents

加熱装置ならびに画像形成装置

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JP2003317898A JP2002116924A JP2002116924A JP2003317898A JP 2003317898 A JP2003317898 A JP 2003317898A JP 2002116924 A JP2002116924 A JP 2002116924A JP 2002116924 A JP2002116924 A JP 2002116924A JP 2003317898 A JP2003317898 A JP 2003317898A
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将 塚田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非通紙部昇温による局部的熱的ピークの緩和
引いては熱的損傷の防止、かつ熱の逃げを防止すること
で定着の熱効率を効果的に改善する。 【解決手段】 加熱部材と加熱部材支持体の間に熱伝導
異方性をもつ部材を挟持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加熱部材、加熱装置
および画像形成装置に関し、特に電子写真技術において
加熱定着に使用される加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば電子写真、プリンタ、ファクシミ
リなどの画像形成装置の画像加熱定着装置、すなわち電
子写真、静電記録、磁気記録などの適宜の画像形成プロ
セス手段により加熱定着性のトナー剤を転写材(印刷
紙、エレクトロファックスシート、静電記録シートな
ど)に間接的もしくは直接的に形成担持、すなわち転写
させた目的の画像情報に適応した未定着トナー像を転写
材面に加熱定着させるための装置として、一般的に熱ロ
ーラ方式が多用された。
【0003】熱ローラ方式の加熱装置は、ハロゲンヒー
タなどの内蔵熱源を用いて所定の加熱温度に維持させた
定着ローラとこれに圧接させた加圧ローラとの定着ニッ
プ部に転写材を導入して挟持搬送し、定着ローラから熱
を供給することで未定着画像を加熱定着させるものであ
る。
【0004】この熱ローラ方式を用いた加熱装置の概略
図を図6に示す。内部に発熱体7を備えた定着ローラ8
と、それに圧接する加圧ローラ9により定着ニップ部N
が形成され、この定着ニップ部Nを、未定着画像を担持
した転写材Pが通過することによって定着が行われる。
定着ローラの温度は温度検知素子6によって監視され、
発熱体7の通電を制御することによって定着温度を確保
する。
【0005】しかし熱ローラ方式の加熱装置は、定着ロ
ーラの熱容量が大きいためにニップ部が定着温度に到達
するためのウエイトタイムが長く、また、ウエイトタイ
ムを短縮するために待機中に定着ローラを高温に維持す
ると消費エネルギーが大きくなるという問題がある。
【0006】これらの問題を解決するためにフィルム加
熱方式が考案され、実用化されている(特開昭63−3
13182号公報、特開平2−157878号公報)。
【0007】フィルム加熱方式の加熱装置は、低熱容量
の加熱部材や薄膜の定着フィルムを用いることができる
ために定着ニップ部を定着温度に短時間で到達すること
ができ、かつ待機中も通電加熱を行う必要がなく、ウエ
イトタイムの短縮化、省電力化に利点がある。
【0008】図7は現在実用化されているフィルム加熱
方式の加熱装置の概略図である。1は基板上に通電によ
って発熱する発熱体を具備した加熱部材で、2は該加熱
部材を支持する加熱部材支持体、3は断熱性の定着フィ
ルム、4は定着フィルム3を介して加熱部材1と圧接し
て定着ニップ部Nを形成する加圧ローラである。加熱部
材1の温度は温度検知素子6によって監視され、発熱体
の通電を制御することによって定着温度を確保する。
【0009】トナー剤Tによって形成させる未定着画像
を担持した転写材Pは定着ニップ部Nに導入される。加
圧ローラ4の回転駆動によって転写材Pは挟持搬送され
る。加熱部材1から定着フィルム3を介して転写ニップ
部Nに熱が供給され、トナー剤Tは転写材Pに定着され
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしフィルム加熱式
の加熱装置において、次のような課題がある前述のフィ
ルム加熱方式加熱装置において、加熱部材支持体の熱伝
導率が大きいとき、加熱部材から加熱部材支持体への熱
の逃げが多くなり、定着ニップ部Nひいては転写材を効
率よく加熱することができない。
【0011】その結果、加熱部材の温度上昇のための時
間すなわちウエイトタイムを長く設定する必要があり、
電力消費量が増大する問題が生じる。
【0012】そこで実施例として、加熱部材から加熱部
材支持体への熱の逃げを防止することを目的に、加熱部
材支持体の熱伝導率を低下させたものがある(特願平1
1−122175)。この実施例は、ウエイトタイムの
短縮化や省電力性に優れた加熱装置である。
【0013】しかし、前記実施例の加熱部材支持体の熱
伝導率は低いため、以下のような問題が生じる。
【0014】加熱装置の長手方向に注目する(図8に図
示)。発熱体1−2の長手寸法は、普通紙として定めた
転写材の加熱部材長手方向の定着性が満たされるように
設計される。温度検知素子6は加熱部材の発熱が定着温
度に十分であるかを検知することを目的としているた
め、転写材通紙部に配置される。
【0015】しかし、それよりも幅の小さなサイズ(小
サイズ紙)を通紙したとき、定着ニップ部の通紙部N−
1の熱は転写材Pに奪われるが、非通紙部N−2では熱
は奪われず、加熱部材1、加熱部材支持体2、定着フィ
ルム3、加熱ローラ4に蓄熱され、非通紙部での昇温が
起こる(非通紙部昇温)。さらにその転写材が封筒や厚
紙であるとき、ニップ部の転写材端部では定着フィルム
3と加圧ローラ4との接触が得られず、特に加熱部材支
持体2への熱伝導が極めて高くなり、転写材端部付近で
局部的に蓄熱が進行する。特に連続通紙時ではこの蓄熱
が大きくなって熱的ピークをもち、温度検知素子6によ
って発熱を制御している通紙部に比較して非常に大きく
なる。
【0016】前記従来例では、用いられる加熱支持体を
樹脂、セラミックス、金属、ガラスなどの複合材料を用
いて低熱伝導性となる構成としてきた。このとき熱的ピ
ークはよりシャープな分布となりかつピーク値も高くな
る。
【0017】また、高速化に伴う発熱量アップなど通紙
部と非通紙部の温度差が大きくなる要素を持つ状況でも
熱的ピークのピーク値は高くなる。
【0018】このように通紙部の温度検知素子部と非通
紙部とくに熱的ピークとの温度差が大きくなったとき、
加熱部材支持体、加熱部材に熱的損傷の起因となる可能
性をもつ。
【0019】加熱部材の背面の温度分布を均一化するこ
とを目的とした先願された公報として特開平05−28
9555がある。この公報では加熱部材の背面に100
kcal/mhr℃以上の熱伝導率を有する高熱伝導部
材としてアルミプレートを配置している。この場合、加
熱部材裏面における面方向への熱伝導率が高まるととも
に、加熱部材裏面から加熱部材支持体方向への熱伝導率
も高くなる。
【0020】そこで本発明は、加熱部材と加熱部材支持
体の間に熱伝導異方部材を配置し、加熱部材支持体への
熱伝導を低下させかつ加熱部材面方向の熱伝導率を高め
ることで、非通紙部昇温による加熱部材支持体 の局部
的熱的ピークの緩和、ひいては熱的損傷を防止し、かつ
熱の逃げを抑制して定着の熱効率を効果的に改善する加
熱装置および画像形成装置の提供を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の加熱部材、加熱
装置および画像形成装置は、上記課題を解決するために
以下の構成を取るものである。
【0022】本発明では加熱部材と加熱部材支持体の間
に、加熱部材から加熱部材支持体への熱伝導を小さくか
つ加熱部材と接する面での熱伝導を大きくする構成で熱
伝導異方体部材を配置するものである。加熱部材支持体
と高熱伝導部材あるいは熱伝導異方体部材との接面にお
いて、加熱部材支持体へと逃げる熱量は非常に小さくな
ることで熱効率が良く、かつ熱的ピークの形状はさらに
フラットになることで熱的破損の抑制により効果的であ
る。
【0023】なお、加熱装置を構成する部材に熱伝導異
方性を持たせる先願された公報として、特願平11−1
74905、特願平10−329690がある。前者は
加熱フューザ部材(前記特許内では加熱装置に使われる
部材の意)のエラストマー層に(熱伝導)異方性を持っ
た物質を、発熱部が発した熱をより(加熱)装置横断方
向(発熱体、熱ローラ→加圧ローラ方向)への熱伝導を
助長させる構成としており、後者は熱ローラ方式の熱ロ
ーラに熱伝導異方性を持たせる構成に限定している。
【0024】本発明はフィルム加熱方式における加熱部
材支持体上の加熱部材に接する面に、加熱部材からの熱
流を小さくかつ加熱部材と接する面での熱流を大きくす
る構成で熱伝導異方体部材を配置するものであるので、
上記2つの公報とは異なる。
【0025】
【発明の実施の形態】(実施例)以下、図面に沿って本
発明の実施例について説明する。
【0026】なお、本実施例で用いた加熱装置は前記従
来用いられてきたフィルム加熱方式を用いた加熱装置
(図7)の加熱部材支持体として本発明の加熱部材支持
体を搭載したものである。
【0027】この装置は特開平4−44075〜440
83号公報、同4−204980〜204984号公報
などに開示のいわゆるテンションレスタイプの装置であ
る。
【0028】このテンションレスタイプの装置は定着フ
ィルムとしてエンドレスベルト状もしくは円筒状のもの
を用い、該定着フィルムの周長の少なくとも一部を常に
テンションフリー(張力が加わらない状態)とし、定着
フィルムを加圧ローラなどの加圧部材の回転駆動力で従
動駆動するようにした装置である。
【0029】〈実施例1〉本実施例1に係る加熱装置の
一例の概略構成図を図1に示す。
【0030】1は加熱体基板上に発熱体を具備した加熱
部材、2は加熱部材1の支持とフィルムガイド部材とし
ての働きを兼ねる加熱部材支持体、3は耐熱性で円筒状
の定着フィルム、4は定着フィルム3を介して加熱部材
1に圧接する加圧ローラ、5は加熱部材1と加熱部材支
持体2の間に配置した熱伝導異方部材である。
【0031】加熱部材1は、加熱体基板1−1、該加熱
体基板1−1の片面に形成具備された発熱体1−2、導
電部1−3、電極部1−4、発熱体保護層1−5によっ
て構成される。
【0032】加熱体基板1−1の材料として、耐熱性、
電気絶縁性、低熱容量、高剛性の材料である窒化アルミ
ニウムを用いた。炭化珪素、酸化アルミニウムもしくは
SUS等の金属材料に絶縁層を構成させたものなどでも
よい。加熱体基板2の寸法は、転写材Pの搬送に対し直
交方向を長手方向として、長さ270mm、幅8.75
mm、厚み1mmのものを使用している。
【0033】発熱体1−2として抵抗発熱体である銀パ
ラジウム(Ag・Pb)をスクリーン印刷などによりパ
ターン塗工したが、Ta2Nなど他の抵抗発熱物質でも
構わない。ここでは1本の発熱体の寸法は、加熱体基板
1−1の長さ方向に対し、長さ225mm、幅2mm、
厚み10μmとし、パラレルに2本配置した。
【0034】導電部1−3、電極部1−4は、図2のよ
うな回路を組んで電極部1−4から電力を発熱体1−2
に供給するもので、Agなどの導電材料ペーストをスク
リーン印刷などにより加熱体基板1−1上にパターン塗
工した。
【0035】発熱体保護層1−5は発熱体1−2の上を
被覆するガラス質の保護層で、発熱体1−2を機械的破
壊、化学的侵食から保護し、かつ電気的絶縁を保つため
のものである。
【0036】加熱部材支持体2の材料として断熱性、高
耐熱性、剛性のものが好ましく、本実施例では液晶ポリ
マーをもちいたが、ポリフィニレンサルファイド(PP
S)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ
イミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)などでも
構わない。また、それらの樹脂とセラミックスや金属、
ガラスなどとの複合材料でもよい。
【0037】定着フィルム3はウエイトタイムを短縮す
る目的で熱容量を小さくする。フィルム膜厚を100μ
m以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性
のあるPTFE、PFA、FEPなどの単層フィルムあ
るいはポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PA
I)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、PE
S、ポリフィニレンサルファイド(PPS)などのフィ
ルム基層の外周表面にPTFE、PFA、FEPなどを
コートした複合層フィルムを使用できる。本実施例では
膜圧約40μmのポリイミド円筒状フィルムの外周表面
にPTFEをコートしたものを用いた。
【0038】加圧ローラ4は断熱性・弾性のローラで、
不図示の軸受け手段・不勢手段により所定の押圧力で定
着フィルム3を介して加熱部材1に圧接し、定着ニップ
部Nを形成している。加圧ローラの材質は多用される中
実のシリコーンゴムや、あるいは断熱性のものでもよ
い。
【0039】熱伝導異方部材5は大きな熱伝導異方性を
もつグラファイトで形成する。グラファイトは、炭素原
子の縮合六員環層面がab面で平面状に広がり、この層
面がc軸方向に幾重にも積み重なった、いわゆるグラフ
ァイト型結晶構造を持っている(図3)。炭素原子間の
結合は、ab面で正三角形をなす隣接する3つの炭素原
子と共有結合をしており、c軸方向の炭素原子とはファ
ン・デル・ワールス結合をなす。共有結合はファン・デ
ル・ワールス結合に比べて非常に強い結合であり、その
ため、ab面方向とc軸方向では電気的・熱的物性など
で大きな異方性をもつ。ここで熱伝導はab面方向の方
がc軸方向よりも非常に大きい。
【0040】なお、本実施例1のように利用できうるグ
ラファイト材料の一例が特開平8−23183号公報に
示されている。
【0041】同公報に掲載されるグラファイト材料は以
下のものである。素材としてグラファイト結晶の配向の
そろった高結晶グラファイト、特にロッキング特性(理
学電機社製ロータフレックスRU−200B型X線回折
装置で測定した、グラファイト(0002)線のピー
ク)が20度以下のものであればよく、炭化水素系ガス
を用いCVD法によって炭素原子を基板上に積層させて
からアニーリングして得られたもの、特定の高分子化合
物のフィルムをグラファイト化したものを上げることが
できる。
【0042】ここで特定の高分子化合物として、各種ポ
リオキサジアゾール(POD)、ポリベンゾジアゾール
(PBT)、ポリベンゾビスチアゾール(PBBT)、
ポリベンゾオキサゾール(PBBO)、各種ポリイミド
(PI)、各種ポリアミド(PA)、ポリフェニレンベ
ンゾイミダゾール(PBI)、ポリフェニレンベンゾビ
スイミダゾール(PBBI)、ポリチアゾール(P
T)、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)からなる
群の中から少なくとも一つを使用することができる。
【0043】今回用いたグラファイトは0.1mm厚の
シート材で、松下電器(株)製、商品名パナソニックグ
ラファイトシート(商品登録)、品名PGSグラファイ
トシート、品番EYGX182510である。その面方
向、厚み方向の熱的・電気的性質を金属と比較したもの
を表1に示す。このグラファイトシートは700℃程度
まで酸化することのない、耐熱性の優れたものである。
【0044】本実施例のように用いる熱伝導異方部材の
熱伝導異方性は大きいほど望ましい。表1のように、本
実施例で用いたシート状グラファイトの面方向の熱伝導
度は厚み方向に対して120倍である。
【0045】上記シート状の熱伝導異方部材は、加熱部
材と加熱部材支持体との間に挟持させた。
【0046】熱伝導異方部材の寸法は、幅、長さは加熱
部材支持体の、加熱部材を嵌める溝と同寸とし、厚みは
0.1mmとした。
【0047】上記熱伝導異方部材の物性、寸法はそれを
用いる加熱装置ならびに画像形成装置の設計構想によっ
て規定されるものである。例えば熱伝導の異方性をより
高めたいときは高純度あるいは単結晶グラファイトを用
いること、または厚みを増すことが好ましい。ウエイト
タイムを短縮化するためには熱容量を小さく、あるいは
厚みを薄くすることが好ましい。また、定着ニップや加
熱部材を幅広にしたときはそれに合わせて熱伝導異方部
材の幅も適度に広くすべきである。
【0048】(比較例)従来の加熱装置と本実施例1の
加熱装置の加熱部材支持体温度分布を比較した。
【0049】従来例では加熱部材と加熱部材支持体の間
に、本実施例1では熱伝導異方部材と加熱部材支持体の
間に温度検知素子としての熱電対を多数配置して温度を
測定した。特に非通紙部昇温による熱ピークの位置はあ
らかじめ把握し、温度検知素子を配置している。測定し
た温度分布を図4に、その時の通紙中央部と熱的ピーク
の温度を表2に示す。測定は、転写材としてB5封筒を
用い、非通紙部温度が十分に飽和する所定枚数を連続通
紙したときに行った。図では縦軸に温度(℃)を、横軸
に通紙部中央からの定着ニップ部長手方向の距離(m
m)をとった。ここで91mm付近が転写材端部であ
る。破線が従来品の、実線が本発明品の加熱部材裏面温
度分布である。
【0050】このように、熱的ピークの温度は従来例に
比べて18℃低下した。転写材端部の熱的ピークを効果
的に緩和していることがわかる。また、温度分布曲線が
低温方向にシフトしていることから、加熱部材支持体へ
の熱の逃げが小さくなっていることが分かる。従って定
着のための熱効率も改善されている。
【0051】〈実施例2〉本実施例2では、加熱部材と
熱伝導異方部材の接触面において、少なくとも加熱部材
に具備される発熱体の裏面は非接触とした。
【0052】図5に本実施例2に係る加熱装置の概略図
を示す。
【0053】加熱部材支持体の加熱部材を固定する溝に
ザグリ部2−2を設け、そのザグリ部に沿うように熱伝
導異方部材を敷き、さらにその上から加熱部材支持体を
配置して挟持させた。このとき、熱伝導異方部材と加熱
部材支持体との間の熱的ピークは実施例1と同様に緩和
されている。さらに、加熱部材表面の立ち上がり時間
(所定の温度(室温)から異なる所定の温度(必要とさ
れる定着温度)まで昇温する時間)を測定すると、実施
例1よりも短縮されていた。すなわち、加熱部材から加
熱部材支持体への熱の逃げをさらに抑制する効果を得る
ことができた。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】以上のように、加熱部材と加熱部材支持
体の間に熱伝導異方部材を配置することで、非通紙部昇
温による蓄熱、ひいては熱的破壊を効果的に抑制するこ
とができる。また、加熱部材支持体への熱の逃げを抑制
することで定着のための熱効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例1に係る加熱装置の概略図である。
【図2】本実施例で用いた加熱部材の概略図である。
【図3】グラファイト型結晶構造を示す図である。
【図4】温度分布の比較図である。
【図5】本発明の実施例2に係る加熱部材支持体の概略
図である。
【図6】従来例の熱ローラ方式を用いた加熱装置の概略
図である。
【図7】従来例のフィルム加熱方式を用いた加熱装置の
概略図である。
【図8】加熱装置の長手方向の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 加熱部材 1−1 加熱体基板 1−2 発熱体 1−3 導電部 1−4 電極部 1−5 発熱体保護層 2 加熱部材支持体 2−2 ザグリ部 3 定着フィルム 4 加圧ローラ 5 熱伝導異方部材 6 温度検知素子 7 発熱体 8 定着ローラ 9 加圧ローラ N 定着ニップ部 N−1 小サイズ紙通紙部 N−2 非通紙部 P 転写材 T トナー剤

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱体基板と該加熱体基板上に設けられ
    た発熱体とを有する加熱部材と、該加熱部材を支持する
    加熱部材支持体と、該加熱部材支持体の周囲を回転する
    円筒状のフィルムと、該フィルムを介して該加熱部材と
    圧接する加圧ローラとを有する加熱装置において、 該加熱部材と該加熱部材支持体の間に熱伝導異方部材を
    有することを特徴とする上記の加熱装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の加熱装置において、 熱伝導異方部材の材料としてグラファイトを用いること
    を特徴とする加熱装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の加熱装置において、 熱伝導異方部材のシート状グラファイトの面方向の熱伝
    導度は厚み方向に対して120倍程度であることを特徴
    とする加熱装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の加熱装置において、 熱伝導異方部材と前記加熱部材との間に非接触領域が形
    成されることを特徴とする加熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の加熱装置において、 前記加熱部材の発熱体の背面と熱伝導異方部材は少なく
    とも非接触であるを特徴とする加熱装置。
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