JP2006154802A - 像加熱装置及びこの装置に用いられるヒータ - Google Patents

像加熱装置及びこの装置に用いられるヒータ Download PDF

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Abstract

【課題】記録材が通過しない領域の過度の昇温を抑えられる像加熱装置及びこの装置に用いられるヒータの提供。
【解決手段】通電により発熱するヒータ3と接触しつつ移動する可撓性部材2と、前記可撓性部材を介して前記ヒータとニップ部Nを形成するバックアップ部材6との間で、画像を担持する記録材Pを挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置である。この像加熱装置において、前記ヒータとして、有機物を含有する原材料を炭素が殆ど酸化しない雰囲気中で熱処理し有機物を炭化させたヒータを用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンター等の画像形成装置に搭載する加熱定着装置として用いれば好適な像加熱装置及びこの装置に用いられるヒータに関する。特に、通電により発熱するヒータと、前記ヒータと接触しつつ移動する可撓性部材と、前記可撓性部材を介して前記ヒータとニップ部を形成するバックアップ部材と、を有し、前記可撓性部材と前記バックアップ部材の間で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置及びこの装置に用いられるヒータに関するものである。
電子写真式のプリンタや複写機に搭載する像加熱装置(定着器)として、セラミックス製の基板上にヒータを有するヒータ、このヒータに接触しつつ移動する可撓性部材、可撓性部材を介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラ、を有するものがある。特許文献1、2にはこのタイプの定着装置が記載されている。未定着トナー像を担持する記録材は定着器のニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上の画像は記録材に加熱定着される。この定着器は、ヒータへの通電を開始し定着可能温度まで昇温するのに要する時間が短いというメリットを有する。したがって、この定着器を搭載するプリンタは、プリント指令の入力後、一枚目の画像を出力するまでの時間(FPOT:first printout time)を短く出来る。またこのタイプの定着器は、プリント指令を待つ待機中の消費電力が少ないというメリットもある。
ところで、可撓性部材を用いた定着器を搭載するプリンタで小サイズの記録材を大サイズの記録材と同じプリント間隔で連続プリントすると、ヒータの記録材が通過しない領域(非通紙領域)が過度に昇温することが知られている。ヒータの非通紙領域が過昇温すると、ヒータを保持するホルダや加圧ローラが熱により損傷する場合がある。
そこで、可撓性部材を介してヒータと加圧ローラで定着ニップ部を形成する定着器を搭載するプリンタは、小サイズの記録材に連続プリントする場合、大サイズの記録材に連続プリントする場合よりもプリント間隔を広げる制御を行っている。これにより、ヒータの非通紙領域の過昇温を抑えている。
しかしながら、プリント間隔を広げる制御は単位時間当りの出力枚数を減らすものであり、単位時間当りの出力枚数を大サイズの記録材の場合と同等或いは若干少ない程度に抑えることが望まれる。
そこで、上述した定着器に用いるヒータとして、温度が上昇するほど抵抗値が下がる特性(NTC:negative temperature coefficient)のものを用いることも考えられている(特許文献3)。ヒータがNTC特性であれば、非通紙領域が過昇温しても非通紙領域の抵抗値は下がるので非通紙領域の過度の昇温を抑えられるという発想である。
特開昭63−313182号公報 特開平4−44075号公報 特開2004−234998号公報 特許第3173800号公報 特開2002−372880号公報
しかしながら、特許文献3に開示されているヒータよりも非通紙領域の昇温を抑えられるヒータが望まれている。
なお、特許文献4には、加熱炉に用いる炭素系発熱体とその製造方法が開示されている。特許文献5には、炭素系発熱体を有する定着装置が開示されている。
しかしながら、特許文献4、5に記載されている加熱装置や定着器は、いずれも空気層を介して加熱対象を加熱する装置である。したがって、これらの特許文献4、5は、一方の面が記録材と接触し他方の面がヒータと接触する可撓性部材を有する像加熱装置、即ちヒータの非通紙領域の過昇温が生ずる像加熱装置は想定していない。
上記課題を解決するための本発明は、通電により発熱するヒータと、前記ヒータと接触しつつ移動する可撓性部材と、前記可撓性部材を介して前記ヒータとニップ部を形成するバックアップ部材と、を有し、前記可撓性部材と前記バックアップ部材の間で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、前記ヒータは、有機物を含有する原材料を炭素が殆ど酸化しない雰囲気中で熱処理し有機物を炭化させたものであることを特徴とする。
また本発明は、通電により発熱するヒータと、前記ヒータと接触しつつ移動する可撓性部材と、前記可撓性部材を介して前記ヒータとニップ部を形成するバックアップ部材と、を有し、前記可撓性部材と前記バックアップ部材の間で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、前記ヒータは炭素を導電物質として利用した炭素系発熱体であり、前記ヒータを空気中で10℃/minの昇温速度で熱重量解析した場合、炭素の重量変化率(%)の時間微分(%/min)のピークが750℃以下にあることを特徴とする。
また本発明は、通電により発熱するヒータと前記ヒータと接触しつつ移動する可撓性部材と前記可撓性部材を介して前記ヒータとニップ部を形成するバックアップ部材とを有する像加熱装置に用いられるヒータであり、前記ヒータは炭素を導電物質として利用した炭素系発熱体であり、前記ヒータを空気中で10℃/minの昇温速度で熱重量解析した場合、炭素の重量変化率(%)の時間微分(%/min)のピークが750℃以下にあることを特徴とする。
本発明によれば、ヒータの非通紙領域の過昇温を抑えることが出来る。
(1)画像形成装置例
図1は本発明の像加熱装置を搭載した画像形成装置の概略構成図である。この画像形成装置は転写式電子写真プロセスを用いたレーザービームプリンタである。
101は像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。例えばアルミニウム等の導電性ドラム基体の外周面に有機光導電体等の感光層を形成した有機感光ドラムである。
102は帯電手段としての帯電ローラである。この帯電ローラ102により感光ドラム面が所定の極性・電位に一様に帯電処理される。本例のプリンタでは負極性の所定の電位に一様に帯電処理される。
103はレーザー露光装置である。このレーザー露光装置103は不図示のイメージスキャナやコンピュータ等の外部機器(ホスト機器)から入力する画像情報に対応して変調したレーザ光Lを出力する。このレーザー光により感光ドラム101の一様帯電処理面を走査露光する。この走査露光により感光ドラム面の露光明部の電荷が減衰または除電されて、感光ドラム面に画像情報に対応した静電潜像が形成される。
104は現像装置である。感光ドラム面に形成された静電潜像はこの現像装置によりトナー像として可視像化される。レーザービームプリンタの場合、一般に、静電潜像の露光明部にトナーを付着させて現像する反転現像方式が用いられる。104aは現像スリーブ、104bは現像ブレード、104cは現像バイアス印加電源、tは1成分磁性トナーである。
107は給紙カセットであり、記録材(転写材)Pを積載収納させてある。給紙スタート信号に基いて給紙ローラ108が駆動されて給紙カセット107内の記録材Pが一枚ずつ分離給送される。その給送された記録材Pはシートパス109→レジストローラ110→トップセンサ111を通って、感光ドラム101と転写ローラ112との当接ニップ部である転写部位Tに所定の制御タイミングにて導入される。すなわち、感光ドラム101上のトナー像の先端部位が転写位置Tに到達したとき、記録材Pの先端部位も到達するタイミングとなるように、レジストローラ110で記録材Pの搬送タイミングが制御される。またトップセンサ111による記録材先端通過検知信号に基いて感光ドラム101に対する画像書き出しタイミングが制御される。
転写部位Tに導入された記録材Pはこの転写部位Tで挟持搬送され、その間、転写ローラ112には転写バイアス印加電源112aよりトナーの帯電極性とは逆極性の所定電位の転写バイアスが印加される。これにより転写部位Tにおいて感光ドラム面側のトナー像が記録材面に順次に静電的に転写されていく。
転写部位Tにおいてトナー像の転写を受けた記録材Pは、感光ドラム面から分離された後シートパス113を通って像加熱装置である定着装置114へ搬送導入され、トナー像の加熱定着処理を受ける。
一方、記録材分離後(記録材に対するトナー像転写後)の感光ドラム面はクリーニング装置105のクリーニングブレード105aで転写残トナーや紙粉等の付着物の除去を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。
また、定着装置114を通った記録材Pはシートパス115を通って、排紙口116からプリンタ上面の排紙トレイ117上に排紙される。
本例のプリンタは、感光ドラム101、帯電ローラ102、現像装置104、クリーニング装置105の4つのプロセス機器について、これらを一括してプリンタ本体に対して着脱・交換自在のプロセスカートリッジ106として構成してある。
(2)定着装置(像加熱装置)114
図2は本実施例における定着装置114の要部の模式的横断面図である。図3は要部の斜視模型図である。この装置は特開平4−44075〜44083号公報、同4−204980〜204984号公報等に開示のテンションレスタイプのフィルム加熱方式の像加熱装置である。
テンションレスタイプのフィルム加熱方式の像加熱装置は、可撓性部材としてエンドレスベルト状もしくは円筒状の耐熱性フィルムを用いている。そしてこのフィルムの周長の少なくとも一部は常にテンションフリー(テンションが加わらない状態)とし、フィルムは加圧部材の回転駆動力で回転駆動するようにした装置である。
1は発熱体支持部材兼フィルムガイド部材としてのステーであり、記録材Pの搬送路面において記録材搬送方向aに交差する方向を長手とする、横断面略半円形樋型の耐熱樹脂製の剛性部材である。本実施例では、ステー1の材質として高耐熱性の液晶ポリマーを用いた。図4の(a)はこのステー1の正面図、(b)は下面図(底面図)である。
3は発熱体(ヒータ)であり、上記ステー1の下面にステー長手に沿って設けた溝部1a内に嵌入させて固定支持させてある。この発熱体3は炭素系発熱体である。炭素系発熱体については次の(3)項で詳述する。
2は可撓性部材としての、耐熱性に優れた円筒状のフィルムであり、発熱体3を支持させたステー1に対して外嵌させてある。このフィルム2の内周長と発熱体3を含むステー1の外周長はフィルム2の方を例えば3mm程度大きくしてあり、従ってフィルム2は周長に余裕を持ってルーズに外嵌している。
フィルム2は熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム2の膜厚は、総厚100μm以下程度としている。フィルム2の具体例としては、耐熱性、離型性、強度、耐久性等のあるPTFE、PFA、FEPの単層を使用できる。あるいは、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等の外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムを使用できる。本実施例では耐熱性フィルム2として、厚み50μmのポリイミドフィルム上に厚み10μmのPTFEをコーティングしたフィルム層厚60μmのものを使用した。フィルム2の内周面側には、摺動性を向上させるためにグリスが塗られている。
上記のステー1、発熱体(ヒータ)3、フィルム2等で加熱アセンブリ4が構成されている。
6はバックアップ部材としての弾性加圧ローラである。本例の加圧ローラ6は、外径13mmの鉄、ステンレス、アルミ等の芯金6a上に、耐熱性弾性層6bとして、長さ240mm、厚さ3mmのシリコ−ン発泡体を被覆したものである。そして、発熱体3と加圧ローラ6の間(正確には発熱体3を保持するステー1と加圧ローラ6の間)には所定の圧力が掛けられており、加熱アセンブリ4側の発熱体(ヒータ)3と加圧ローラ6の間にフィルム2を挟んで所定幅の定着ニップ部Nが形成されている。
駆動機構Mの駆動力が加圧ローラ6の芯金端部に設けたドライブギアGに伝達されることによって、加圧ローラ6は矢印の反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。加圧ローラ6の回転駆動により、定着ニップ部Nにおける該加圧ローラ6とフィルム外面との摩擦力でフィルム2に回転力が作用する。フィルム2はその内面側が定着ニップ部Nにおいて発熱体3の表面に密着して摺動しながらステー1の周りを矢印の方向に加圧ローラ6の回転周速度とほぼ同じ周速度で従動回転する。ステー1は従動回転するフィルム2のガイド部材の役目もしている。
そして、ヒータ3の温度が所定温度に立ち上がり、フィルム2の回転周速度が定常化した状態で、フィルム2と加圧ローラ6の間にトナー像を担持する記録材Pが導入される。そして、記録材Pがフィルム2と一緒に定着ニップ部Nで挟持搬送されることにより発熱体3の熱がフィルム2を介して記録材Pに付与され記録材P上の未定着顕画像(トナー画像)tが記録材P面に加熱定着される。定着ニップ部Nを通った記録材Pはフィルム2の面から分離されて搬送される。
(3)発熱体(ヒータ)3
発熱体3は炭素系発熱体である。図5はその発熱体3の外観斜視図である。本例における発熱体3は、厚さ0.5mm×幅5mm×長さ250mmの直方体の形状になっている。そして、図6のように、発熱体3の長手方向両端部には給電用電極31、32を装着してある。給電用電極31、32の装着方法は特に限定されないが、本実施例における給電電極31、32は、発熱体3の両端部に銀ペースト(ドータイト、藤倉化成製)を塗布し、接続してある。図7は給電用電極31、32を装着した発熱体3を溝部1a内に嵌入させて固定支持させたステ−1の下面図である。発熱体3は記録材搬送方向aに対して直角方向を長手とする様にステ−1に取り付けられている。
5は発熱体3の温度を検出する温度検知素子である。本実施例では、温度検知素子5として発熱体3から分離した当接型のサーミスタを用いている。この当接型サーミスタ5は、例えばチップサーミスタ素子を発熱体裏面側(発熱体のフィルム摺動面側とは反対面側)に向けて所定の加圧力により発熱体裏面に当接する構成をとる。本実施例では、ステ−1の発熱体嵌入溝部1aの底面に設けた貫通穴1bにサーミスタ5を嵌め入れて発熱体3の裏面に直接当接する構成にしている。また、定着装置の長手方向において、サーミスタは画像形成装置に使用可能な最小定型サイズの記録材が通過する領域の発熱体の温度を検知している。
図8は発熱体3に対する給電制御手段としての給電制御回路系のブロック図である。7・8は給電用コネクタであり、ステー1に固定支持させた発熱体3の両端側の給電用電極31・32部分に嵌着され、給電用電極31・32にそれぞれコネクタ7・8側の電気接点が接触状態になる。給電用コネクタ7・8は給電用ケーブルを介して給電部につながっている。
発熱体3は商用電源(AC電源)13からトライアック12を介して電極31・32間に給電されることにより長手方向の有効発熱全長領域が発熱して迅速急峻に昇温する。そして発熱体3の温度がサーミスタ5により検知され、サーミスタ5の出力をアナログ/デジタル変換器(A/D)10を介して給電制御部(CPU)11に取り込む。制御部11はその検知温度情報に基づいてトライアック12を位相制御あるいは波数制御する。このように発熱体3に通電する電力を制御することにより、発熱体3は所望の温度を維持するように温度管理されている。すなわち、サーミスタ5の検知温度が所定の設定温度(定着温度)より低い時は発熱体3が昇温するように、またサーミスタ5の検知温度が所定の設定温度より高い時は発熱体3が降温するように、発熱体3に通電する電力を制御する。これにより定着時の発熱体3の温度を所定の一定温度に保つ。なお、本実施例では位相制御により出力を0〜100%まで5%刻みの21段階で変化させている。出力100%とは、発熱体に商用電源からの電力を全通電したときである。
ここで、紙幅とは記録材Pの平面において記録材搬送方向aに対して直交する方向の記録材寸法である。本実施例のプリンタは記録材の幅方向中央を搬送基準としており、定着装置の発熱体3の長手方向の中央が各種サイズの記録材の搬送基準となる。図8において、Oはその記録材搬送基準線(仮想線)である。Aはこのプリンタで使用可能な定型の最大紙幅の記録材の通紙部(最大通紙領域)であり、発熱体3の長手方向の有効発熱全長領域にほぼ対応している。Bはこのプリンタで使用可能な定型の最小紙幅の記録材の通紙部(最小通紙領域)である。Cは最大紙幅の記録材よりも紙幅が小さい記録材(小サイズ紙)を通紙した時に記録材搬送路面内に生じる非通紙領域である。非通紙領域Cの領域幅は通紙された小サイズ紙の紙幅の大小に応じて異なる。
発熱体3の温度を検出する前記のサーミスタ5は、大小どの紙幅の記録材が通紙されても記録材通紙領域となる最小通紙領域Bに対応する発熱体の領域に当接している。
発熱体3は、炭素を導電物質として利用した炭素系発熱体であり、少なくとも有機物を含有する原材料を、炭素の非酸化雰囲気中(炭素が殆ど酸化しない雰囲気中)にて熱処理し、有機物を炭化させたものである。このような炭素系のヒータを用いる理由は、温度が上がると抵抗値が低下する特性、即ちヒータのNTC(negative temperature coefficient)特性を利用し、ヒータの非通紙領域の過昇温を抑えるためである。
次にNTC特性のヒータを用いれば非通紙領域の過昇温が低減できる理由について図9を用いて説明する。
図9は発熱体のモデル図である。発熱体に流れる電流をIとし、中央部(通紙領域)の抵抗値をR1、端部(非通紙領域の片側)の抵抗値をR2とした場合、中央部の発熱量W1はI・R1であり、端部の発熱量W2はI・R2である。理解し易いように、ニップ部に記録材を通紙していない状態(単位長さ当りの抵抗値が発熱体全体で均一な状態)でR1=2×R2となる位置、つまり非通紙領域の長さ(両端部の長さの和)が通紙領域の長さと等しくなる位置で通紙領域と非通紙領域を区切って考える。
PTC(positive temperature coefficient)発熱体において、小サイズ紙を通紙した場合を考えると、発熱体がフィルムを介して紙と接触するため小サイズ紙の幅分、中央部の熱が奪われる。温度検知素子は中央部の温度を検知しており、中央部の温度が下がらないように通電制御が行われるため、紙に熱を奪われることのない端部は中央部に対して高温となる。この場合、PTC特性により端部の単位長さ当りの抵抗値は中央部の単位長さ当りの抵抗値よりも高くなるので、片側の端部の発熱量W2は中央部の発熱量W1に比べて大きくなる。つまり端部の単位長さあたりの発熱量が中央部よりも増えてしまう。また発熱量が大きくなると温度が上昇するので更に抵抗が高くなり、いっそう発熱量が増えてしまう。
一方、NTC発熱体において、小サイズ紙を通紙した場合では、温度が高いほうが抵抗値が低くなるので、端部の単位長さ当りの抵抗値は中央部の単位長さ当りの抵抗値よりも低くなる。よって片側の端部の発熱量W2は中央部の発熱量W1に比べて小さくなる。つまり端部の単位長さあたりの発熱量が中央部よりも少なくなる。このため、PTC発熱体のときよりも両端部の発熱を抑制できる。
以上の理由によりNTC特性の抵抗発熱体であれば小サイズ紙通紙時の端部の温度を低く抑えることができる。
ところで、上記のように有機物を含有する原材料を炭素の非酸化雰囲気中にて所定温度で熱処理することで、炭素が酸化により分解、消滅するのを抑制し、原材料の炭化を進行させることができる。
しかしながら、単に有機物を含有する原材料を炭化させただけでは、上述したような可撓性部材を用いた定着装置に搭載するヒータとして必ずしも適切なものが製造できるとは限らない。その理由を以下に説明する。
有機物を含有する原材料を炭化させた場合、黒鉛(グラファイト)化した部分と、黒鉛化していない部分(無定形炭素を含む)が出来る。そして、炭素を導電体として用いた炭素系発熱体の抵抗値ρは、黒鉛化した部分の抵抗値ρiと、黒鉛化していない部分(無定形炭素を含む)の抵抗値ρcと、の和(ρ=ρi+ρc)になっている。
黒鉛の単結晶は温度が上がると抵抗値も上がる特性、即ちPTC特性であり、ρiはPTC特性を示す。これに対して、1000℃以下の温度領域では、黒鉛化していない部分は全体的にNTC特性であり、ρcはNTC特性を示す。また、黒鉛の単結晶は抵抗値が低く導電率が高いが、黒鉛化していない部分は黒鉛化した部分より抵抗値が高く導電率も低い。
ところで、炭素系発熱体の抵抗温度特性は、黒鉛化の進行具合、即ち発熱体に占める黒鉛化した部分と黒鉛化していない部分の割合により異なる。黒鉛化の進行具合は有機物を含有する原材料を熱処理する際の温度(熱処理温度)に依存する。熱処理温度を高くすると黒鉛化が進行し、熱処理温度を低くすると黒鉛化が抑えられ無定形炭素が多くなる。
黒鉛化が進行するとρcの影響が相対的に薄れρiが支配的になり、発熱体はPTC特性に近づく。逆に黒鉛化を抑制するとρiの影響が相対的に薄れρcが支配的になり、発熱体はNTC特性に近づく。
したがって、黒鉛化を抑制すればNTC特性の発熱体が製造できるのであるが、抑制し過ぎるのは好ましくない。なぜなら、上述した可撓性部材を用いた定着装置の発熱体3の抵抗値は、一般の家庭用電源に接続して使われることを考えると、3Ω以上、100Ω以下の範囲内にあることが望ましいからである。100Ω以上であると定着に必要な電力が得られにくくなり、3Ω以下であると発熱体3への通電制御機構が複雑になってしまう。黒鉛化を抑制し過ぎた発熱体は抵抗値が非常に高くなり、上述の定着装置に搭載する発熱体として適さない。
よって、黒鉛化を抑制しすぎると実用的な電気導電性を示さないが、適度に黒鉛化が進むことでρcが支配的になりNTC特性を有し、且つ適度な抵抗値の発熱体を得ることが出来る。
上述したような、炭素が殆ど酸化しない雰囲気中で、適切な温度の熱処理により、原材料中の炭素を発熱体として適切な抵抗値、抵抗温度特性を有する構造にコントロールすることができる。このような炭素系発熱体(ヒータ)を加熱源として用いることで、像加熱装置の非通紙部昇温を低減させることが出来る。また、装置の立ち上げ時間を短縮させることが出来る。これに伴い、画像形成装置のスループット、FPOTなどのスペックアップ、耐熱グレードダウン部品使用によるコストダウンを実現出来る。
本実施例では特に炭化させる有機物としては、非酸化雰囲気中、たとえば真空中、または窒素ガスやアルゴンなどの不活性ガス中での熱処理により5%以上の炭化収率を示す有機物質を使用する。
例えば、塩素化塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル−ポリ酢酸ビニル共重合体、ポリアミド等の熱可塑性樹脂がある。或いは、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の熱硬化性樹脂がある。或いは、リグニン、セルロース、トラガントガム、アラビアガム、糖類等の縮合多環芳香族を分子の基本構造内に持つ天然高分子物質がある。その他に、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、コプナ樹脂等の縮合多環芳香族を分子の基本構造内に持つ合成高分子物質が挙げられる。
前記炭素の非酸化雰囲気中(炭素が殆ど酸化しない雰囲気中)とは、真空中(1×10−2Pa以下)、または窒素ガス中、不活性ガス中のことを指す。このような雰囲気中で熱処理することで、熱処理時の酸化が確実に防止でき、炭素系発熱体を安定して作ることが出来る。
ここでいう炭化収率とは、非酸化雰囲気中での熱処理により得られる炭化物質(グラファイトや無定形炭素などの複合体)の重量と、熱処理前の原材料中の有機物質の重量と、の比のことである。したがって、例えば炭化収率が5%とは、熱処理前の有機物質の重量が100gの場合、熱処理後の炭化物質の重量が5gであるということである。ちなみに有機物を酸化雰囲気中で熱処理した場合には、使用する有機物の種類にもよるが、一般に500℃くらいの熱処理温度から酸化が始まる。酸化が生じるため炭素が分解または燃焼してしまい、それ以上熱処理温度を上げても十分な炭化が進まない(炭素以外の成分が十分に分解されない、また黒鉛化が進まない)。よって、ヒータとして利用できる安定した炭化物質が得られない。なお、使用する有機物の種類と量は、発熱体の抵抗温度特性、抵抗値、形状により適宜選択され、一種或いは数種の有機物の混合体で使用することが可能である。
またあらかじめ有機物中に炭素粉末を混合しておいても良い。ここでいう炭素粉末としては、カーボンブラック、黒鉛、コークス等があり、発熱体の抵抗値、形状により一種或いは数種の混合体として使用することが可能である。この場合電子は、あらかじめ混ぜておいた炭素粉末中および熱処理により炭化した有機物中を流れる。原材料の中にあらかじめ炭素粉末を混合する手法は、発熱体の体積抵抗を下げたい場合に有効である。
また、任意の抵抗値の発熱体をつくるには絶縁性物質や半導電性物質を有機物と共に混合した原材料を熱処理することが望ましい。絶縁、半導電物質としては、金属炭化物、金属硼化物、金属珪化物、金属窒化物、金属酸化物、半金属窒化物、半金属酸化物、半金属炭化物が好ましく、発熱体の抵抗値、形状により1種或いは数種を選択すれば良い。
絶縁性物質や半導電性物質を混合した原材料においては、炭素だけでなく炭素を伝わって流れる電子の導電阻害物質となる絶縁、半導電物質も持っているため、所望の抵抗値の発熱体を容易に製造できる。これらの手法を用いることで発熱体の抵抗値やとりうる形状の自由度が広がる。
すなわち、熱処理により炭化させる有機物と、この有機物に少なくとも絶縁性或いは半導電性の物質の一種又は数種を混合する。そして、これを成形後、炭素の非酸化雰囲気中にて熱処理することによって炭素系発熱体3を作れば、抵抗温度特性、抵抗値、および発熱体の形状の設定幅が広がる。したがって、可撓性部材を用いた定着装置に適した発熱体を容易に提供できる。なお、必要に応じて、絶縁性物質や半導電性物質だけでなく、炭素粉末も原材料に混合しても良い。
また、前記絶縁性物質或いは半導電性物質は窒化ホウ素、アルミナ、炭化珪素、炭化ホウ素等が推奨される。このような物質を用いることで発熱体の抵抗値制御が容易にできる。
また、前記炭素系発熱体の熱処理時の熱処理温度(熱処理時の最高到達温度)は、850℃以上、1750℃以下であることが好ましい。上記温度にて熱処理することで、炭素系発熱体の抵抗変化率をゼロ近傍または負にすることが可能となる。また、炭素系発熱体の抵抗値を実用的な抵抗値に調整することが出来、非通紙部昇温の抑制と電力の過不足がない加熱定着装置が提供できる。
黒鉛化は熱処理する有機物および原材料に混入する炭素粉末の種類とその入れ目量でもある程度調整が可能であるが、黒鉛化させる有機物の熱処理の条件に大きく依存し、特に熱処理温度が高いほど黒鉛化の度合いが高くなる。
このように炭素系発熱体は熱処理の条件を変え、黒鉛化を調整するだけで容易に抵抗温度特性を大きく変化させることが出来る特徴を持っている。
なお、炭素系発熱体3aのフィルム摺動面には、必要に応じて、耐熱性の潤滑材層など他の所望の機能層を付加することもできる。
(4)発熱体3の各種具体例
以下に本実施例の具体的な発熱体(以下、ヒータと記す)の例を示す。ヒータ例1〜ヒータ例4は、熱処理前の原材料は同じであるが、熱処理温度が異なっている。
(ヒータ例1)
本例のヒータ(炭素系発熱体)は、塩素化塩化ビニル樹脂、黒鉛粉末、窒化硼素を分散させ混練し、押し出し成型機で棒状に成形後に真空中(0.01Pa以下)で1500℃にて熱処理した。これにより室温環境(20℃)での固有抵抗30.1×10−3Ω・cmの基材を得た。この基材を長さ250mm×幅5mm×厚さ0.5mmの形に加工し、総抵抗値30.1Ωとした。
ところで、ヒータの支持部材(本実施例ではステ−1)に用いられる液晶ポリマーの加重変形温度は300℃付近である。また、ヒータと摺擦するフィルム(可撓性部材)の表層、及びフィルム表層と接触する加圧ローラ表層、の材料として使用されるPFAやPTFE等のフッ素樹脂の融点も300℃付近である。よって、ヒータが約300℃まで昇温すると定着装置が破損してしまう可能性がある。そこで、室温から300℃までの温度範囲におけるヒータの抵抗値の推移を調べた。
図10は、本実施例の4つのヒータ例、及び従来のヒータの抵抗温度特性を示した図である。抵抗温度特性の測定は、図14に示すように抵抗測定用の電極と熱電対をつけたヒータを恒温槽に入れ、ヒータ測定用電極と熱電対のリード線を恒温槽外部に設置したテスターとレコーダーにつないで、ヒータの温まり具合をモニターしながら行った。なお、ヒータの温度が均一かつ一定温度(恒温槽内の温度)となった状態の抵抗値を測定するために、ヒータを入れた恒温槽内を測定温度で10分以上保持した後にヒータの抵抗値を測定した。
ここでヒータの抵抗温度特性を判りやすく比較するため、ヒータの温度X℃における抵抗変化率;D(X℃)を以下の様に定義することにする、
D(X℃)=((R(X℃)−R(20℃))/R(20℃)
ここでR(X℃)は、X℃におけるヒータの抵抗値を意味する。またR(20℃)はヒータの温度が20℃の時のヒータの抵抗値である。
するとヒータ例1の場合は、図10より判るように抵抗変化率D(X℃)は室温から300℃の温度領域で常に負になっている。
ちなみにヒータ例1の300℃における抵抗変化率は、
〔(300℃での抵抗値=21.95Ω)/(室温環境の抵抗値=30.1Ω)−1〕=−0.271
であった。つまり、ヒータ例1は20℃〜300℃の温度範囲でNTC特性になっていることが解る。
(ヒータ例2)
真空中での熱処理温度を1650℃にした以外は実施例1と同様にして、室温環境(20℃)での固有抵抗10×10−3Ω・cmの基材を得た。この基材を長さ250mm×幅5mm×厚さ0.5mmの形に加工し、総抵抗値10Ωとした。また図10中の本ヒータ例2の抵抗温度特性が示すように、本ヒータの抵抗変化率は室温から300℃の温度領域で常に負である。
ちなみに本ヒータ例2の抵抗変化率を求めた所、
〔(300℃での抵抗値=9.15Ω)/(室温環境の抵抗値=10Ω)−1〕≒−0.085
であった。つまり、ヒータ例2は20℃〜300℃の温度範囲でNTC特性になっていることが解る。
(ヒータ例3)
真空中での熱処理温度を1750℃にした以外は、実施例1と同様にして、室温環境(20℃)での固有抵抗7.0×10−3Ω・cmの基材を得た。この基材を長さ250mm×幅5mm×厚さ0.5mmの形に加工し、総抵抗値7.0Ωとした。また図10中の本ヒータ例3の抵抗温度特性が示すように、本発熱体の抵抗変化率は室温から300℃の温度領域でほぼゼロ近傍の値である。
ちなみに本ヒータ例3の抵抗変化率を求めた所、
〔(300℃での抵抗値=6.95Ω)/(室温環境の抵抗値=7.0Ω)−1〕≒−0.007
であった。つまり、ヒータ例3は20℃〜300℃の温度範囲でNTC特性になっていることが解る。
(ヒータ例4)
ヒータ例3は、塩素化塩化ビニル樹脂、黒鉛粉末、窒化硼素を分散させ混練し、押し出し成型機で棒状に成形後に真空中(0.01Pa以下)で2200℃にて熱処理した。これにより室温環境(20℃)での固有抵抗2.5×10−3Ω・cmの基材を得た。
この基材を長さ250mm×幅5mm×厚さ0.5mmの形に加工し、総抵抗値2.5Ωとした。また図10中のヒータ例4の抵抗温度特性が示すように、ヒータ例4の抵抗変化率は室温から300℃の温度領域で常に正である。
ちなみに本ヒータ例の発熱体の抵抗変化率を求めた所、
〔(300℃での抵抗値=2.65Ω)/(室温環境の抵抗値=2.5Ω)−1〕≒+0.06
であった。つまり、ヒータ例4は20℃〜300℃の温度範囲でNTC特性ではなく、若干PTC特性になっていることが解る。しかしながら、図10を参照すれば明らかなように、従来のヒータよりPTC特性は小さい。
次に、ヒータ例1〜4のヒータをそれぞれ前記のフィルム加熱方式の加熱定着装置114に取り付け、加圧ローラ6の非通紙部昇温測定を行った結果を表1に示す。なお非通紙部昇温のテスト方法は、画像形成装置のプロセススピードは120mm/sec一定で、小サイズ紙として封筒(COM10)を10ppm、8ppm、6ppmの3通りの通紙間隔で、それぞれ20枚連続通紙して行った。
(従来例)
本例は、比較例として、加熱源として従来のセラミックヒータを使ったフィルム加熱方式の定着装置の場合である。
図11の(a)は本例で用いたセラミックヒータ30の構成と、給電制御回路系のブロック図である。(b)はこのセラミックヒータ30を加熱源としたフィルム加熱方式の定着装置の定着ニップ部分の拡大横断面模型図である。フィルム加熱方式の定着装置の基本構成は実施例1の定着装置とヒータを除き同じであるので、実施例1の定着装置と共通する構成部材・部分には共通の符号を付して再度の説明を省略約する。
この従来例で用いた従来のセラミックヒータ30は、アルミナセラミック基板30b上にAg/Pd等の抵抗発熱体30aと、電極30c・30dと、ガラス保護層30eをスクリーン印刷により形成した構成である。
ちなみに従来例の抵抗発熱体30aの抵抗値(室温環境下20℃)は25.1Ωであり、300℃における抵抗発熱体30aの抵抗変化率を求めた所、
〔(300℃での抵抗値=29.0Ω)/(室温環境の抵抗値=25.1Ω)−1〕≒+0.155
であった。
本比較における加圧ローラの昇温の測定方法としては、サーモグラフィーを用い非通紙部の温度測定を行い、最高温度値を比較した。
なお本比較で用いた従来例ヒータ30は185℃を維持するように温調するとヒータ例1〜4の180℃温調と定着性が同じであった。よって、上記それぞれその温調温度にして通紙し比較テストを行った。

上記表1から分かるようにヒータの抵抗温度特性により、非通紙部昇温の値に大きな違いが生じている。ヒータ例4のように抵抗温度特性が、NTCでなくても従来例よりPTCの抵抗温度特性値が低くければ効果があることがわかる。またヒータ例1〜ヒータ例4のように抵抗温度特性の値が小さくなるほど(NTCの傾向が大きくなるほど)非通紙部昇温の抑制に対して効果があることが判る。
本発明者らの検討によると、ヒータの温度が20℃以上300℃の範囲で、D(X℃)≦0.15であれば非通領域の過昇温を抑える効果があることがかわった。より好ましくは、ヒータの温度が20℃以上300℃の範囲で、D(X℃)≦0になるようにヒータを製造すればよいことがわかった。
ヒータ例1〜ヒータ例4のように熱処理温度の違うヒータで抵抗温度特性に大きな違いが生ずるのは、以下の理由による。熱処理温度が高い場合(1750℃以上の場合)には炭素系発熱体の黒鉛化が進み、全体の抵抗に対して黒鉛化した部分の抵抗値ρiの与える影響の割合が大きくなるためである。逆に熱処理温度が低い場合(1750℃未満〜850℃以上の場合)では黒鉛化が適度に進行した状態でとどまるため、全体の抵抗に対して黒鉛化していない部分(無定形炭素部分を含む)の抵抗値ρcの与える影響の割合が大きくなるためである。ちなみに熱処理温度が850℃未満では黒鉛化があまり進行せず、実用的な抵抗値にならない。
ところで、黒鉛化した炭素と、黒鉛化していない無定形炭素などとでは、熱的な分解のされやすさが異なる。一般に黒鉛の方が熱的に安定であり無定形炭素の方が分解されやすい。したがって黒鉛化の進行度合いは、例えば熱重量測定(TGA:Thermogravimetric Analysis)のように、ヒータに熱を加えた時のヒータの重量変化(分解のされ方)を測定すれば判別できる。
そこで、上述のヒータ例1〜4を熱重量測定し、各ヒータの黒鉛化の進行度合いを調べてみた。
上述のように無定形炭素はグラファイトよりも空気中で熱分解されやすく、炭素系発熱体の黒鉛化の進行具合によって熱分解のされやすさが変わる。特に、黒鉛化の進行具合は、熱重量測定した場合の重量変化率の極大値、すなわち重量変化の微分曲線におけるピーク位置の違いとして現れる。よって、NTC特性を有する炭素系発熱体は、熱重量測定することにより特定することができる。
図13にヒータ例1〜4を熱重量測定した結果を示す。ここで熱重量測定にはTAインスツルメント社(米国)製の熱重量計Q600を使用した。熱重量計のサンプル昇温速度としては室温環境(20℃)から10℃/minにて、900℃まで昇温させた。また各ヒータ例1〜4を同様に粉砕した後にTGAを実施した。
図13から分かるように、D(300℃)が負であるヒータ例1〜3は、TGAの重量変化の微分曲線(%/min)にて、そのピーク(極大部)における温度値(以下、分解ピーク温度値と称する)が、750℃以下にあることが分かる。またNTCの傾向が大きいほど、分解ピーク温度値が低くなる傾向があることが分かる。これはNTCの傾向が大きいヒータほど、相対的に熱分解されやすい無定形炭素の占める割合が大きいため、熱分解が低温側で生じやすいことを示している。さらにNTC特性ではなかったヒータ例4では、900℃以下にピークがないということがわかる。よって好ましくは、ヒータを空気中で10℃/minの昇温速度で熱重量測定した場合、炭素の重量変化率(%)の時間微分(%/min)のピークが750℃以下となるようなヒータを製造すれば良いことがわかる。このようなヒータを製造する条件の一つが、前述したように有機物を含有する原材料を熱処理する時の温度が850℃以上1750℃以下である。
なお本実施例1におけるヒータ例1〜3の熱重量変化率の時間微分曲線のピークはいずれも一つだけであった。しかし、たとえばヒータ例2を粉砕し、その粉末を熱処理前のヒータ例1に混ぜ、ヒータ例1の条件で焼成すれば、ヒータ例2の粉は、ヒータ例1の焼成条件より高温で既に処理されているため、ヒータ例1の条件ではこれ以上黒鉛化が進まない。そのため、出来上がったヒータでは、ヒータ例1と2の混合体となるので2つのピークが出現する。よって炭素の熱重量変化率の時間微分のピークが二つ以上出現するようなヒータがNTC特性を有するためには、炭素の熱重量変化率の時間微分のピークのうち、最初に現れる分解ピーク温度値が750℃以下であればよい。
上記の非通紙部昇温評価では、封筒(COM10)を10ppmで通紙した場合に、ヒータ例1、ヒータ例2は通紙後の加圧ローラの表層に異常は見受けられなかった。これに対して、従来例、ヒータ例3およびヒータ例4は、非通紙部昇温が加圧ローラの表層のPFAチューブの耐熱温度240℃を超えてしまったため、加圧ローラの表層が溶融し、表層が荒れてしまい離形性の低下が発生してしまった。
これを回避するためには、従来構成ではCOM10の記録材を定着する際には6ppmの定着速度まで落とさなくてはならない。これに対して、ヒータ例3、及びヒータ例4では8ppmの定着速度で良いため、ヒータ例3、及びヒータ例4でも従来例に対して優位性を持っている。
またヒータ例1ではCOM10の記録材を定着する際の定着速度を8ppmと6ppmに、ヒータ例2及びヒータ例3ではCOM10の通紙間隔を6ppmに設定した場合には最高温度が210℃以下におさえられる。このため、加圧ローラの表層の材質をPFAより安価な変性PFAやFEPにすることが出来る。このように昇温の最高温度を抑制することで、より耐熱温度が低く、安いグレードの部材を定着装置の部品として用いることが出来るようになるメリットもある。その効果は300℃における抵抗変化率D(300℃)の値が、従来例の値;0.155より小さい(負側に大きい)ほど、大きいことが判る。
よって、可撓性部材を用いた定着装置に用いる炭素系発熱体としては、以下の式で定義される所定温度X℃における抵抗変化率D(X℃)が0.15以下、好ましくは0以下であることで非通紙領域の過昇温を抑えることが出来る。
D(X℃)=〔((ヒータがX℃の時の抵抗値)−(ヒータが20℃の時の抵抗値))/(ヒータが20℃の時の抵抗値)〕
要するに、発熱体として、グラファイトと無定形炭素を含む炭素系発熱体を利用する。グラファイトの単結晶自体はPTC特性であり、その抵抗値は非常に低いので、発熱体におけるNTC特性と抵抗値の適正化の両立を行うために、グラファイトと無定形炭素が混ざった物でなければならない。グラファイトと無定形炭素の混ざり具合としては、TGAの分解ピーク温度値の一つが少なくとも750℃以下であるのが好ましい。
またこの構成は以下のようにすることで実現できる。すなわち、
1)有機物を含有する原材料を真空中または不活性ガス中で850℃以上1750℃以下の温度で焼成する。
2)
抵抗値調整の必要がある場合、絶縁性、半導電性の物質を導電阻害物質として原材料に混ぜる。
3)必要に応じて炭素粉末を原材料に混ぜる。
そして、可撓性部材を介してヒータとバックアップ部材で定着ニップ部を形成する像加熱装置に上述したようなヒータを採用すれば、非通紙部昇温を抑えられる像加熱装置を提供できる。また、このような像加熱装置を画像形成装置の定着器として搭載すれば、小サイズの記録材をプリントする場合の単位時間当りのプリント枚数の低下を抑えることもできる。
次に、加熱源として炭素系発熱体3を用いて、フィルム加熱方式の定着装置の目標温調温度への立ち上げを早くすることが出来る実施例を示す。本実施例にすることで、より短いFPOTが求められる機種に対して有効な構成となる。
従来のヒータ30(図11)は、アルミナセラミック基板30b上にAg/Pd等の抵抗発熱体30aをスクリーン印刷し、基板30b上に焼成した構成になっている。
ところが、アルミナセラミックは高熱伝導率(熱伝導率λが約20W/m・K)である。このため、発熱体30aの熱が印字面側(フィルム摺動面側)と逆側(非印字面側)の基板30b側や、アルミナセラミック基板30bからその周囲へと伝熱しやすく、かつセラミック基板30b自体を熱するのに熱量を必要とする。そのため、立ち上がりにその分時間を要する。
しかし、本発明では炭素系発熱体3自体がすでに板状の単独部材であるので、発熱体3の背面(非印字面側)に接する部材の材質を、他の部材、すなわち熱伝導率の低い部材にすることが出来る。
実施例1のように発熱体背面(非印字面側)に接する部材として、熱伝導率が低く、かつ耐熱性を有する樹脂系の部材である液晶ポリマー(λ=約1.1W/m・K)のステ−1を用いることでも、印字面と反対側方向への熱伝導が抑えられる。このため従来例の構成に対してより効率よく発熱体やフィルムそして加圧ローラを温めることが可能となり立ち上げ時間の短縮が可能であるが、本実施例では発熱体背面により熱伝導率の低い部材を当てることで更なる立ち上げ時間の短縮を行った。
具体的には本実施例2では、図12に示すように、実施例1のヒータ例1の炭素系発熱体3を用いて、その背面の材質をPPS樹脂基板14(基板の厚さは1.0mm、λ=約0.8W/m・K)にした。
実際に各構成でフィルム加熱方式の定着装置の立ち上げ時間を表2に示す。ちなみに、ここでいう立ち上げ時間とは、各構成のフィルム加熱方式の定着装置のサーミスタ温度が通電開始から目標温調温度まで到達するのに要した時間として定義する。
またここで言う各構成の目標温調温度とは、次のように決めた。すなわちL/L(15℃/10%)環境にてフィルム加熱方式の定着装置を含むレーザービームプリンタを充分(L/L環境中で飽和するまで)冷やし、その状態から入力電力を600Wで統一した。そしてこの状態で定着装置への通電開始を行い、サーミスタ5が温調温度に達した1秒後に紙上に5×5mmのベタ黒パターンの未定着画像を載せたNeenah Bond 64g/m紙を通紙する。以上の作業を5℃刻みで行い、それぞれの温調温度での5×5mmのベタ黒パターン定着性をマクベス濃度計を用いた濃度低下率で調べ、その濃度低下率が10%以下になった温調温度をその構成の目標温調温度とした。
すなわち各構成の立ち上げ時間を比較することで、同等の定着性を示す状態までそれぞれの定着装置を温めるのに要する時間を比較することになる。
以上の結果から、発熱体の背面側に接する部材の材質がPPSや液晶ポリマーなどの樹脂系の材質では立ち上げが速いことが分かる。また樹脂系の部材でも、液晶ポリマーよりもより熱伝導率が低いPPSを用いた方が加熱定着装置の立ち上げが速い事がわかる。
このように本実施例の構成を用いることで、定着装置の立ち上がりを速くでき、プリント信号が来てからより迅速に紙を定着することが出来るようになるため、画像形成装置のFPOTを速くすることも出来る。
無論立ち上がり時間の短縮は、上記表に示した実施例1のヒータ例1以外の炭素系発熱体であるヒータ例2乃至4の構成においても、発熱体の背面に同様な材質を用いる限り達成できる。
かくして、炭素系発熱体3の非印字面側に接する部材の材質は樹脂である構成の加熱定着装置にすることで、加熱定着装置の定着時の所定温度までの立ち上がり時間を大幅に短縮することが出来る。
また、炭素系発熱体3の非印字面側に接する部材を発熱体支持部材兼フィルムガイド部材としてのステー1が兼ねる構成の加熱定着装置にすることができる。これによって、加熱定着装置の定着時の所定温度までの立ち上がり時間を大幅に短縮することが出来るとともに、加熱定着装置の部品点数を減らすことが出来、構造を簡略化できる。
[その他]
1)発熱体3のフィルム摺動面には、必要に応じて、耐熱性の潤滑材層など他の所望の機能層を付加することもできる。
2)可撓性性部材であるフィルム2の駆動方式は実施例の加圧部材駆動方式に限られない。エンドレスの可撓性部材の内周面に駆動ローラを設け、可撓性性部材にテンションを加えながら駆動する装置構成であってもよいし、可撓性性部材をロール巻きの有端ウエブ状にしてこれを繰り出しながら走行移動させる装置構成にすることもできる。
3)加圧部材6はローラ体に限られず、回動ベルト体にすることもできる。
4)温度検知素子5はサーミスタに限られない。接触型または非接触型の各種のものを使用することができる。
5)本発明の像加熱装置は、画像形成装置の定着装置に限られず、その他、画像を仮定着する像加熱装置、画像を担持した記録媒体を再加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置等としても使用できる。
実施例1における画像形成装置の構成説明図である。 実施例1における加熱定着装置の要部の横断面模型図である。 同じく要部の斜視模型図である。 (a)はステーの正面模型図、(b)は底面模型図である。 加熱源としての炭素系発熱体の斜視模型図である。 両端部に給電用電極を装着した炭素系発熱体の斜視模型図である。 炭素系発熱体を固定支持させたステーの底面模型図である。 炭素系発熱体に対する給電制御回路系のブロック図である。 炭素系発熱体のモデル図である。 実施例1の各ヒータ例および従来例ヒータの抵抗温度特性を示した図である。 従来例ヒータの説明図である。 実施例2のヒータ、PPS基板及びステ−の配置を示した断面図である。 実施例1の各ヒータ例の熱重量解析(TGA)の結果を示した図である。 ヒータの抵抗温度特性の測定装置を示した図である。
符号の説明
1・・横長ステー、2・・耐熱性フィルム(可撓性部材)、3・・炭素系発熱体、31,32・・電極、5・・温度検知素子、6・・加圧ローラ、11・・制御部(CPU)、12・・トライアック、13・・AC電源、14PPS基板、101・・有機感光ドラム、102・・帯電ローラ、103・・レーザー露光装置、104・・現像装置、105・・・・・・クリーニン装置、105a・・クリーニングブレード、112・・転写ローラ、114・・定着装置、P・・記録材、t・・トナー

Claims (20)

  1. 通電により発熱するヒータと、前記ヒータと接触しつつ移動する可撓性部材と、前記可撓性部材を介して前記ヒータとニップ部を形成するバックアップ部材と、を有し、前記可撓性部材と前記バックアップ部材の間で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、
    前記ヒータは、有機物を含有する原材料を炭素が殆ど酸化しない雰囲気中で熱処理し有機物を炭化させたものであることを特徴とする像加熱装置。
  2. 熱処理後のヒータはグラファイトと無定形炭素を有することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 熱処理前の原材料は少なくとも絶縁性または半導電性の物質の一種または数種を含有することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  4. 前記原材料を熱処理する時の温度は、850℃以上1750℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  5. 前記ヒータの抵抗変化率D(X℃)を、
    D(X℃)=((ヒータがX℃の時の抵抗値)−(ヒータが20℃の時の抵抗値))/(ヒータが20℃の時の抵抗値)
    とすると、
    前記ヒータの温度が20℃以上300℃以下の範囲で、D(X℃)≦0.15であることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  6. 前記ヒータの抵抗変化率D(X℃)を、
    D(X℃)=((ヒータがX℃の時の抵抗値)−(ヒータが20℃の時の抵抗値))/(ヒータが20℃の時の抵抗値)
    とすると、
    前記ヒータの温度が20℃以上300℃以下の範囲で、D(X℃)≦0であることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  7. 前記ヒータを空気中で10℃/minの昇温速度で熱重量測定した場合、炭素の重量変化率(%)の時間微分(%/min)のピークが750℃以下にあることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  8. 前記像加熱装置は記録材に画像を形成する画像形成装置に搭載されており、前記像加熱装置は更に、前記ヒータの温度を検知する温度検知素子と、前記温度検知素子の検知温度が設定温度を維持するように前記ヒータへの給電を制御する給電制御手段と、を有し、前記像加熱装置の長手方向において、前記温度検知素子は前記画像形成装置に使用可能な最小定型サイズの記録材が通過する領域の前記ヒータの温度を検知することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  9. 通電により発熱するヒータと、前記ヒータと接触しつつ移動する可撓性部材と、前記可撓性部材を介して前記ヒータとニップ部を形成するバックアップ部材と、を有し、前記可撓性部材と前記バックアップ部材の間で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、
    前記ヒータは炭素を導電物質として利用した炭素系発熱体であり、前記ヒータを空気中で10℃/minの昇温速度で熱重量測定した場合、炭素の重量変化率(%)の時間微分(%/min)のピークが750℃以下にあることを特徴とする像加熱装置。
  10. 前記ヒータはグラファイトと無定形炭素を有することを特徴とする請求項9に記載の像加熱装置。
  11. 前記ヒータの抵抗変化率D(X℃)を、
    D(X℃)=((ヒータがX℃の時の抵抗値)−(ヒータが20℃の時の抵抗値))/(ヒータが20℃の時の抵抗値)
    とすると、
    前記ヒータの温度が20℃以上300℃以下の範囲で、D(X℃)≦0.15であることを特徴とする請求項9に記載の像加熱装置。
  12. 前記ヒータの抵抗変化率D(X℃)を、
    D(X℃)=((ヒータがX℃の時の抵抗値)−(ヒータが20℃の時の抵抗値))/(ヒータが20℃の時の抵抗値)
    とすると、
    前記ヒータの温度が20℃以上300℃以下の範囲で、D(X℃)≦0であることを特徴とする請求項9に記載の像加熱装置。
  13. 前記像加熱装置は記録材に画像を形成する画像形成装置に搭載されており、前記像加熱装置は更に、前記ヒータの温度を検知する温度検知素子と、前記温度検知素子の検知温度が設定温度を維持するように前記ヒータへの給電を制御する給電制御手段と、を有し、前記像加熱装置の長手方向において、前記温度検知素子は前記画像形成装置に使用可能な最小定型サイズの記録材が通過する領域の前記ヒータの温度を検知することを特徴とする請求項9に記載の像加熱装置。
  14. 通電により発熱するヒータと前記ヒータと接触しつつ移動する可撓性部材と前記可撓性部材を介して前記ヒータとニップ部を形成するバックアップ部材とを有する像加熱装置に用いられるヒータであり、前記ヒータは炭素を導電物質として利用した炭素系発熱体であり、前記ヒータを空気中で10℃/minの昇温速度で熱重量測定した場合、炭素の重量変化率(%)の時間微分(%/min)のピークが750℃以下にあることを特徴とするヒータ。
  15. 前記ヒータは、有機物を含有する原材料を炭素が殆ど酸化しない雰囲気中で熱処理し有機物を炭化させたものであることを特徴とする請求項14に記載のヒータ。
  16. 熱処理後のヒータはグラファイトと無定形炭素を有することを特徴とする請求項15に記載のヒータ。
  17. 熱処理前の原材料は少なくとも絶縁性または半導電性の物質の一種または数種を含有することを特徴とする請求項15に記載のヒータ。
  18. 前記原材料を熱処理する時の温度は、850℃以上1750℃以下であることを特徴とする請求項15に記載のヒータ。
  19. 前記ヒータの抵抗変化率D(X℃)を、
    D(X℃)=((ヒータがX℃の時の抵抗値)−(ヒータが20℃の時の抵抗値))/(ヒータが20℃の時の抵抗値)
    とすると、
    前記ヒータの温度が20℃以上300℃以下の範囲で、D(X℃)≦0.15であることを特徴とする請求項14に記載のヒータ。
  20. 前記ヒータの抵抗変化率D(X℃)を、
    D(X℃)=((ヒータがX℃の時の抵抗値)−(ヒータが20℃の時の抵抗値))/(ヒータが20℃の時の抵抗値)
    とすると、
    前記ヒータの温度が20℃以上300℃以下の範囲で、D(X℃)≦0であることを特徴とする請求項14に記載のヒータ。
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