JP2008164686A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】摺動シートでの摺動方向およびベルト軸方向における潤滑剤の保持能力を確保しつつ、摺動シートでのベルト軸方向における潤滑剤の保持量のムラを抑制して、ベルトのスリップや、定着される用紙のシワが、長期間にわたって発生しない定着装置を提供する。
【解決手段】摺動シート4の一面には、摺動方向に並べて配列された横凸部41と、この摺動方向に直交する直交方向(加圧ベルト2の軸方向)に並べて配列された縦凸部42とが、格子状に設けられている。上記隣り合う縦凸部42の間の上記直交方向の長さは、上記隣り合う横凸部41の間の上記摺動方向の長さよりも、長い。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えば、複写機、レーザプリンタやファクシミリ等に用いられる定着装置、および、この定着装置を用いた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式によるカラープリンタやカラー複写機に搭載される定着装置としては、表面に弾性および離型性を有する加熱ローラを、その内側からハロゲンヒータ等によって、加熱する構成が一般的である。
しかしながら、この定着装置では、電源を投入してから加熱ローラが定着可能な温度に到達するまでに、1分から数分の時間が必要である。また、この場合、ユーザーからのプリント要求に短時間で対応するために、待機状態からローラを高温で維持する必要があり、その結果、定着装置における消費電力も大きくなっている。
そこで、電源投入から定着可能になるまでの時間を短縮すると同時に、定着装置の待機温度を低くすることにより、消費電力を低減する構成として、昇温特性を向上させた定着装置が提供されている(特開2004−109878号公報:特許文献1参照)。
この定着装置では、定着可能になるまでの時間を短縮するために、加熱ローラヘ投入された熱量が、この加熱ローラに圧接する加圧ローラヘ奪われないように、この加圧ローラに変えて、加圧ローラに比べて熱容量の小さい加圧ベルトを用いている。さらに、加圧ベルトに当接する部材への熱の流出を防ぐために、加圧ベルトを2つのローラに巻きかけるのではなく、加圧パッドで加圧ベルトを加熱ローラに押圧する構成となっている。
以上の構成とすることで、加熱ローラの昇温中に、加圧ベルト側へ流出する熱量を最小限に留めることで、電源投入から定着可能になるまでの時間を短縮すると同時に、定着装置の待機温度を低くして消費電力を低減することを可能としている。
ただし、加圧パッドに加圧ベルトを摺動させて保持する構成となるため、加圧ベルトを滑らかに回転させるには、摺動抵抗が十分に小さいことが重要である。一般的には、加圧ベルトと加圧パッドとの間に、摺動シートを配置し、摺動シートと加圧ベルトとの間に潤滑剤を介在させることで、小さな摺動抵抗を達成している。
加圧ベルトと摺動シートの境界面に存在する潤滑剤が少ない状態では、加熱ローラが加圧ベルトを駆動するための摩擦力より摺動抵抗の方が大きくなるため、スリップが発生して、加圧ベルトが安定して回転できなくなる。
加熱ローラと加圧ベルトとの接触面にて形成され加圧パッドにより荷重を受けている定着ニップにおいては、潤滑剤がこの定着ニップの領域外へ押し出されるが、定着ニップ下流へ押し出された潤滑剤は、加圧ベルト内に付着した状態で、回転し、再度、定着ニップへ供給される。ただし、摺動方向に直交する軸方向の両端部においては、押し出された潤滑剤はそのまま失われてしまう。この失われた潤滑剤を補完する目的で、潤滑剤補給部を加圧ベルト内面に当接してあるが、潤滑剤補給部が保持する潤滑剤の量で、定着装置の寿命が決まってしまう。
そして、定着ニップの領域端部からの潤滑剤の消耗を防ぐために、摺動シートの端部に、撥液加工や防潤加工による漏れ防止機構を設けている。
しかしながら、摺動シートの材料として好適なPTFE等のフッ素系の材料は、シリコンオイル等の潤滑剤に対して濡れ性が低いため、これ以上に濡れ性が低い撥液加工を施すことは困難で、潤滑剤が端部から漏れ出ることを防止する十分な効果は期待できない。また、防潤加工では、防潤部に潤滑剤が消耗されてしまうため、潤滑剤を消耗させないという目的には不適合である。
そこで、軸方向端部から潤滑剤の漏れを防止するために、他の定着装置では、ベルト幅、摺動シート幅および潤滑剤補給部の幅の関係を、ベルト幅、摺動シート幅および潤滑剤補給部の幅に、順に、小さくしている(特開2005−148618号公報:特許文献2参照)。
摺動シート幅を潤滑剤補給部の幅よりも大きくすることで、摺動シート端部への潤滑剤の供給を少なくし、ベルト幅を摺動シート幅よりも大きくすることで、ベルト両端部では、潤滑剤に対して圧がかからず、潤滑剤が移動できなくなって、ベルト端部からの潤滑剤の消耗を防ぐことができる。ただし、ベルト端部付近は、中央部に対して潤滑剤の供給が少ないため、ベルトの摺動性が両端部では中央部に対して悪化し、極端な場合はベルトにシワが発生する原因にもなる。
また、定着ニップから上記摺動方向への潤滑剤の漏れについて、上記摺動方向へ漏れ防止機構が無い場合は、定着装置が長時間停止している場合において、潤滑剤がほとんど押し出されてしまうため、起動時には、潤滑剤が無い状態での摺動になってしまう問題がある。これにより、起動のためだけに大きな出力のモータを選定しなければならなくなるだけでなく、ベルト内面と摺動シートとが、直に摩擦するため、摺動シートの摩耗により寿命が低下してしまう。
そこで、別の定着装置では、摺動シート表面に凹凸を設け、凸形状を格子状に配する事で、潤滑剤の保持能力を高め、定着装置が停止している状態においても、定着ニップの領域内に潤滑剤を留めておくことを可能とした(特開2005−3969号公報:特許文献3参照)。ただし、上記摺動方向と直交するベルト軸方向についての潤滑剤の移動が過度に制限されると、軸方向に潤滑剤の保持量のムラが生じ易くなる。
特開2004−109878号公報 特開2005−148618号公報 特開2005−3969号公報
そこで、この発明の課題は、上記摺動シートでの上記摺動方向および上記ベルト軸方向における潤滑剤の保持能力を確保しつつ、上記摺動シートでの上記ベルト軸方向における潤滑剤の保持量のムラを抑制して、上記ベルトのスリップや、定着される用紙のシワが、長期間にわたって発生しない定着装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の定着装置は、
互いに接触して共に回転する一対の回転体と、
上記一対の回転体のうちの一方の回転体の内部に配置されて、上記一方の回転体の内面を上記一対の回転体のうちの他方の回転体に向けて押圧する押圧部と、
上記一方の回転体と上記押圧部との間に配置されて、回転する上記一方の回転体の内面が潤滑剤を介して摺動する摺動シートと
を備え、
上記摺動シートにおける上記一方の回転体の内面が摺動する一面には、上記一方の回転体の摺動方向に間隔をあけて並べて配列された横凸部と、上記摺動方向に直交する直交方向に間隔をあけて並べて配列された縦凸部とが、格子状に設けられ、
隣り合う上記縦凸部の間の上記直交方向の長さは、隣り合う上記横凸部の間の上記摺動方向の長さよりも、長いことを特徴としている。
この発明の定着装置によれば、上記摺動シートの上記一面には、上記摺動方向に並べて配列された横凸部と上記直交方向に並べて配列された縦凸部とが、格子状に設けられているので、上記横凸部および上記縦凸部によって、上記摺動シートの上記一面にある潤滑剤が、上記摺動方向および上記直交方向から、漏れることを、防止して、上記一方の回転体のスリップを回避し、長時間停止後に上記一方の回転体を駆動する駆動トルクの増加を抑制できる。
また、上記隣り合う縦凸部の間の上記直交方向の長さは、上記隣り合う横凸部の間の上記摺動方向の長さよりも、長いので、上記摺動シートの上記一面上で、潤滑剤が、上記直交方向、つまり、上記一方の回転体の軸方向に、移動しやすくなり、上記一方の回転体の軸方向における上記摺動シートの上記一面の潤滑剤の保持量のムラを抑制して、上記一対の回転体で挟持して搬送される記録材のシワの発生を防止できる。
したがって、上記摺動シートでの上記摺動方向および上記直交方向における潤滑剤の保持能力を確保しつつ、上記摺動シートでの上記直交方向における潤滑剤の保持量のムラを抑制して、上記一方の回転体のスリップや、上記記録材のシワが、長期間にわたって発生しない定着装置を実現できる。
また、一実施形態の定着装置では、上記横凸部は、上記直交方向に沿って延在し、上記縦凸部は、上記摺動方向に沿って延在している。
この実施形態の定着装置によれば、上記横凸部は、上記直交方向に沿って延在し、上記縦凸部は、上記摺動方向に沿って延在しているので、上記隣り合う縦凸部の間の上記直交方向の長さを、上記隣り合う横凸部の間の上記摺動方向の長さよりも、一層確実に長くできて、上記摺動シートでの上記摺動方向および上記直交方向における潤滑剤の保持能力を一層確保しつつ、上記摺動シートでの上記直交方向における潤滑剤の保持量のムラを一層抑制できる。
また、一実施形態の定着装置では、上記摺動シートは、ガラスクロスまたは金属ワイヤメッシュの基材と、この基材に含浸された樹脂とを有する。
この実施形態の定着装置によれば、上記摺動シートは、ガラスクロスまたは金属ワイヤメッシュの基材と、この基材に含浸された樹脂とを有するので、基材の縦糸や横糸の間隔を変えることで、上記縦凸部の間隔と上記横凸部の間隔との比率を容易に変えることができる。
また、一実施形態の定着装置では、上記摺動シートは、上記押圧部に、取り付けられている。
この実施形態の定着装置によれば、上記摺動シートは、上記押圧部に、取り付けられているので、上記摺動シートの取り付けが容易になる。
また、一実施形態の定着装置では、上記隣り合う横凸部の間の上記摺動方向の長さは、0.1mm〜1.0mmである。
この実施形態の定着装置によれば、上記隣り合う横凸部の間の上記摺動方向の長さは、0.1mm〜1.0mmであるので、上記摺動シートの上記一面上で、上記摺動方向に、潤滑剤を十分に保持できる。
また、一実施形態の定着装置では、上記横凸部および上記縦凸部の高さは、100μm〜800μmである。
この実施形態の定着装置によれば、上記横凸部および上記縦凸部の高さは、100μm〜800μmであるので、潤滑剤を十分に保持しつつ、画像欠陥の発生を防止する。
また、一実施形態の定着装置では、上記隣り合う縦凸部の間の上記直交方向の長さは、上記摺動シートの上記直交方向の位置で、異なる。
この実施形態の定着装置によれば、上記隣り合う縦凸部の間の上記直交方向の長さは、上記摺動シートの上記直交方向の位置で、異なるので、上記摺動シート上の上記直交方向において潤滑剤を最適な状態にできる。
また、一実施形態の定着装置では、上記隣り合う縦凸部の間の上記直交方向の長さは、上記摺動シートの上記直交方向の位置で、連続的に異なる。
この実施形態の定着装置によれば、上記隣り合う縦凸部の間の上記直交方向の長さは、上記摺動シートの上記直交方向の位置で、連続的に異なるので、上記摺動シート上の上記直交方向において潤滑剤を最適な状態にできる。
また、この発明の画像形成装置は、上記定着装置を備えたことを特徴としている。
この発明の画像形成装置によれば、上記定着装置を備えているので、長期間安定して品質のよい画像を得ることができる画像形成装置を実現できる。
この発明の定着装置によれば、上記隣り合う縦凸部の間の上記直交方向の長さは、上記隣り合う横凸部の間の上記摺動方向の長さよりも、長いので、上記摺動シートでの上記摺動方向および上記直交方向における潤滑剤の保持能力を確保しつつ、上記摺動シートでの上記直交方向における潤滑剤の保持量のムラを抑制して、上記一方の回転体のスリップや、上記記録材のシワが、長期間にわたって発生しない定着装置を実現できる。
また、この発明の画像形成装置によれば、上記定着装置を備えているので、長期間安定して品質のよい画像を得ることができる画像形成装置を実現できる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、この発明の定着装置の一実施形態である簡略構成図を示している。この定着装置は、互いに外周面が接触して共に回転する(一対の回転体としての)定着ローラ1および加圧ベルト2と、(一方の回転体としての)上記加圧ベルト2の内部に配置されて、上記加圧ベルト2の内面を(他方の回転体としての)上記定着ローラ1に向けて押圧する押圧部3と、上記加圧ベルト2と上記押圧部3との間に配置されて、回転する上記加圧ベルト2の内面が潤滑剤を介して摺動する摺動シート4とを有する。
上記定着ローラ1は、図示しないモータ等の駆動部によって、回転され、上記加圧ベルト2は、上記定着ローラ1との摩擦によって、上記定着ローラ1の回転に従動して回転する。上記定着ローラ1は、その内部に配置された加熱ヒータ11によって、加熱され、上記加圧ベルト2は、上記定着ローラ1から熱を、伝達される。
そして、上記定着ローラ1および上記加圧ベルト2は、互いに接触して記録材Pを搬送しつつこの記録材Pのトナーtを定着させる。具体的に述べると、上記定着ローラ1と上記加圧ベルト2との接触により定着ニップを形成し、この定着ニップによって、上記記録材Pの上記トナーtを溶融して定着しつつ上記記録材Pを搬送する。上記押圧部3の弾性変形による押圧によって、上記記録材Pに上記トナーtを良好に定着する。
上記記録材Pは、例えば、用紙やOHPシートなどのシートである。この記録材Pの一面には、トナーtが付着され、このトナーtは、例えば、樹脂、磁性体または着色料などの加熱溶融性を有する材料からなる。
上記定着ローラ1は、上記記録材Pの一面(画像面)に接触する。上記定着ローラ1は、中空ローラであり、内側から外側に順に、芯層、弾性層および表層を有する。上記定着ローラ1の外径は、例えば、26mmである。上記芯層は、例えば、厚さ2mmのアルミからなる。上記弾性層は、例えば、厚さ200μmのシリコンゴムからなる。上記表層は、例えば、厚さ20μmのPFAチューブからなる。
上記加圧ベルト2は、エンドレスベルトであり、上記加圧ベルト2の外径は、例えば、30mmであり、厚さ70μmのポリイミドからなる。
上記加圧ベルト2の内部には、(図示しない)支持部が設けられ、この支持部に、圧縮バネ7を介して、上記押圧部3が固定されている。
上記押圧部3は、上記圧縮バネ7に取り付けられる基台31と、この基台31に取り付けられるパッド32とを有する。上記パッド32は、例えば、シリコンゴムからなる。
上記摺動シート4は、上記押圧部3に、取り付けられている。上記摺動シート4は、上記基台31に、固定され、上記パッド32を覆っている。上記摺動シート4は、上記押圧部3より上記加圧ベルト2の回転方向の上流側の一端を、上記基台31に固定され、上記押圧部3より上記加圧ベルト2の回転方向の下流側の他端を、自由端とされている。なお、上記摺動シート4を、上記押圧部3に、巻きかけるように取り付けてもよい。
つまり、上記摺動シート4は、上記加圧ベルト2の内面に、接触して、上記加圧ベルト2は、上記摺動シート4を摺動する。
上記加圧ベルト2の内面には、ガイド板5が配置され、このガイド板5は、上記加圧ベルト2の軸方向の両端部で、上記加圧ベルト2を支持している。
上記加圧ベルト2の内面には、潤滑剤供給部6が配置され、上記潤滑剤供給部6は、上記加圧ベルト2の内面に、上記潤滑剤を塗布して、上記加圧ベルト2と上記摺動シート4との間の潤滑性を確保する。上記潤滑剤供給部6は、例えば、オイル塗布フェルトである。
上記潤滑剤は、例えば、シリコンオイルである。上記潤滑剤としてシリコンオイルを用いた場合、このオイル粘度は、定着ニップの温度と上記記録材Pの搬送速度とに応じて調整され、定着ニップの温度が高く、搬送速度が速い場合には、このオイルの粘度は、高めに調整される。例えば、定着ニップの温度が160〜200℃であり、上記記録材Pの搬送速度が50〜200mm/sである場合、オイルの粘度は、20〜1000csとなる。
図2に示すように、上記摺動シート4における上記加圧ベルト2の内面が摺動する一面には、上記加圧ベルト2の摺動方向に間隔をあけて並べて配列された横凸部41と、上記摺動方向に直交する直交方向に間隔をあけて並べて配列された縦凸部42とが、格子状に設けられている。ここで、上記直交方向とは、言い換えると、上記加圧ベルト2の軸方向や、上記摺動シート4の長手方向である。
上記横凸部41は、上記直交方向に沿って延在し、上記縦凸部42は、上記摺動方向に沿って延在している。
隣り合う上記縦凸部42の間の上記直交方向の長さは、隣り合う上記横凸部41の間の上記摺動方向の長さよりも、長い。
つまり、上記横凸部41および上記縦凸部42によって形成される格子は、上記摺動方向に沿った辺が短辺となり、上記直交方向に沿った辺が長辺となる、長方形となる。上記横凸部41および上記縦凸部42の高さは、100μm〜800μmである。
図3の模式図に示すように、上記摺動シート4は、上記横凸部41と上記縦凸部42とで囲まれて形成される凹部45を有し、この凹部45に、上記潤滑剤が保持される。
上記摺動シート4は、ガラスクロスまたは金属ワイヤメッシュの基材と、この基材に含浸された樹脂とを有する。つまり、上記繊維状の基材に、PTFE等のフッ素系の樹脂を含浸し焼成して、凹凸を有する上記摺動シート4を製造する。なお、エンボス加工のように、型で凹凸形状を押し付けることで、上記摺動シート4の一面に凹凸を形成するようにしてもよい。
図4に、上記隣り合う横凸部41の間の上記摺動方向の長さと、起動トルクとの関係を、示す。ここで、横軸は、上記横凸部41のピッチを示し、縦軸は、一定時間停止した後の上記加圧ベルト2を起動する起動トルクを示す。
図4から分かるように、上記隣り合う横凸部41の間の上記摺動方向の長さが、0.1mm〜1.0mm(さらに好ましくは、0.1mm〜0.5mm)であると、起動トルクを小さくできる。
つまり、上記隣り合う横凸部41の間の上記摺動方向の長さが、0.1mm〜1.0mmであると、上記摺動シート4の上記一面上で、上記摺動方向に、潤滑剤を十分に保持できる。
これに対して、上記隣り合う横凸部41の間の上記摺動方向の長さが、1.0mmよりも大きいと、定着ニップの上記揺動方向の幅は、一般的に3mm〜10mm程度なので、定着ニップの領域に、上記横凸部41が数本しかなく、潤滑剤を十分に保持することができない。一方、上記隣り合う横凸部41の間の上記摺動方向の長さが、0.1mmよりも小さいと、上記隣り合う横凸部41の間に形成される空間が小さくなって、潤滑剤を十分に保持できない。
図5に、上記隣り合う縦凸部42の間の上記直交方向の長さと、潤滑剤の保持率との関係を、示す。ここで、横軸は、上記縦凸部42のピッチを示し、縦軸は、オイル保持率を示す。
図5から分かるように、上記隣り合う縦凸部42の間の上記直交方向の長さが、1mmを超えても、オイル保持率は高い。これは、定着ニップの長手方向の幅は、定着ニップの摺動方向の幅に比べて十分大きいからである。定着ニップ内のオイル量を均一に拡散するためには、格子間隔が広い方が有利なので、格子間隔は、摺動方向よりも長手方向を長くするのがよい。
上記構成の定着装置によれば、上記摺動シート4の上記一面には、上記摺動方向に並べて配列された横凸部41と上記直交方向に並べて配列された縦凸部42とが、格子状に設けられているので、上記横凸部41および上記縦凸部42によって、上記摺動シート4の上記一面にある潤滑剤が、上記摺動方向および上記直交方向から、漏れることを、防止して、上記加圧ベルト2のスリップを回避し、長時間停止後に上記加圧ベルト2を駆動する駆動トルクの増加を抑制できる。
また、上記隣り合う縦凸部42の間の上記直交方向の長さは、上記隣り合う横凸部41の間の上記摺動方向の長さよりも、長いので、上記摺動シート4の上記一面上で、潤滑剤が、上記直交方向、つまり上記加圧ベルト2の軸方向に、移動しやすくなり、上記加圧ベルト2の軸方向における上記摺動シート4の上記一面の潤滑剤の保持量のムラを抑制して、上記定着ローラ1および上記加圧ベルト2で挟持して搬送される記録材Pのシワの発生を防止できる。
したがって、上記摺動シート4での上記摺動方向および上記直交方向における潤滑剤の保持能力を確保しつつ、上記摺動シート4での上記直交方向における潤滑剤の保持量のムラを抑制して、上記加圧ベルト2のスリップや、上記記録材Pのシワが、長期間にわたって発生しないウォームアップ時間の短い定着装置を実現できる。
また、上記横凸部41は、上記直交方向に沿って延在し、上記縦凸部42は、上記摺動方向に沿って延在しているので、上記隣り合う縦凸部42の間の上記直交方向の長さを、上記隣り合う横凸部41の間の上記摺動方向の長さよりも、一層確実に長くできて、上記摺動シート4での上記摺動方向および上記直交方向における潤滑剤の保持能力を一層確保しつつ、上記摺動シート4での上記直交方向における潤滑剤の保持量のムラを一層抑制できる。
また、上記摺動シート4は、ガラスクロスまたは金属ワイヤメッシュの基材と、この基材に含浸された樹脂とを有するので、基材の縦糸や横糸の間隔を変えることで、上記縦凸部42の間隔と上記横凸部41の間隔との比率を容易に変えることができる。
また、上記摺動シート4は、上記押圧部3に、取り付けられているので、上記摺動シート4の取り付けが容易になる。
また、上記横凸部41および上記縦凸部42の高さは、100μm〜800μmであるので、潤滑剤を十分に保持しつつ、画像欠陥の発生を防止する。これに対して、上記横凸部41および上記縦凸部42の高さが、800μmよりも大きいと、凹凸が激しすぎて画像欠陥が増大する。一方、上記横凸部41および上記縦凸部42の高さが、100μmよりも小さいと、潤滑剤を十分に保持できない。
なお、上記隣り合う縦凸部42の間の上記直交方向の長さは、上記摺動シート4の上記直交方向の位置で、異なるようにしてもよく、上記摺動シート4上の上記直交方向において潤滑剤を最適な状態にできる。例えば、上記摺動シート4の長手方向の両端部から潤滑剤が漏れることを防止するために、上記縦凸部42を上記揺動シート4の長手方向端部にのみ設けたり、上記摺動シート4の長手方向端部の上記縦凸部42のピッチを、狭くしてもよい。
また、上記隣り合う縦凸部42の間の上記直交方向の長さは、上記摺動シート4の上記直交方向の位置で、連続的に異なるようにしてもよく、上記摺動シート4上の上記直交方向において潤滑剤を最適な状態にできる。例えば、上記摺動シート4の長手方向端部に向かって上記縦凸部42のピッチを狭くすることで、上記摺動シート4の長手方向端部は、十分なオイル保持機能を確保しつつ、上記摺動シート4の長手方向中央部は、オイル量ムラの緩和機能を十分に満足できる。
また、上記横凸部41は、上記直交方向に傾斜して延在し、上記縦凸部42は、上記摺動方向に傾斜して延在するようにしてもよく、上記隣り合う縦凸部42の間の上記直交方向の長さは、上記隣り合う横凸部41の間の上記摺動方向の長さよりも、長ければよい。
(第2の実施形態)
図6は、この発明の画像形成装置の一実施形態である簡略構成図を示している。この画像形成装置は、上記記録材Pに未定着のトナーtを付着して画像を形成する作像装置80と、上記トナーtを溶融して上記記録材Pに定着させる上記第1の実施形態の定着装置81とを備える。
上記作像装置80は、トナー像を形成する感光体60と、この感光体60によって形成されたトナー像を転写される中間転写ベルト63と、この中間転写ベルト63に転写された像を上記記録材Pに転写する二次転写ローラ64とを備える。
上記感光体60は、図示しない帯電部によって、一様に帯電され、この帯電された感光体60は、画像露光を行うための露光部61によって、静電潜像を形成され、この静電潜像は、トナーを有する現像部62によって、現像される。この現像部62は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の四色のトナーを有する。
次に、この画像形成装置の作用を説明する。
上記感光体60上には、図示しない帯電部により、一定の表面電位が形成される。この状態の感光体60表面に、上記露光部61により印字したい画像パターンに応じてレーザ光を照射すると、照射された部分の表面電位が減衰して、上記感光体60上には、静電的な画像が形成される。
上記現像部62の中では、トナーが予め帯電された状態になっており、トナーと上記感光体60表面との静電的な吸引力により、上記感光体60上の静電的な画像に応じて、トナーが付着する。
上記感光体60表面上に付着したトナーは、上記感光体60と上記中間転写ベルト63との間に形成された電界によって、上記中間転写ベルト63上へ転写される。
以上の工程を4色繰り返す事により、上記中間転写ベルト63上には、4色のトナーが重なった画像が形成される。
そして、上記中間転写ベルト63上に形成されたトナー画像は、上記二次転写ローラ64で、電界と圧力を利用して、上記記録材Pへ転写され、最後に、上記定着装置81で、熱と圧力により、上記記録材Pに定着させる。
上記構成の画像形成装置によれば、上記定着装置81を備えているので、長期間安定して品質のよい画像を得ることができる画像形成装置を実現できる。
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記定着ローラ1の代わりに、定着ベルトであってもよい。また、画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、FAXやこれらの複合機など、どれであってもかまわない。
本発明の定着装置の一実施形態を示す縦断面図である。 定着装置の簡略斜視図である。 摺動シートの表面の模式図である。 摺動シートの摺動方向の凸部間隔と起動トルクとの関係を示すグラフ図である。 摺動シートの長手方向の凸部間隔とオイル保持率との関係を示すグラフ図である。 この発明の画像形成装置を示す簡略構成図である。
符号の説明
1 定着ローラ(他方の回転体)
11 加熱ヒータ
2 加圧ベルト(一方の回転体)
3 押圧部
31 基台
32 パッド
4 摺動シート
41 横凸部
42 縦凸部
45 凹部
5 ガイド板
6 潤滑剤供給部
7 圧縮バネ
60 感光体
61 露光部
62 現像部
63 中間転写ベルト
64 二次転写ローラ
80 作像装置
81 定着装置
P 記録材
t トナー

Claims (9)

  1. 互いに接触して共に回転する一対の回転体と、
    上記一対の回転体のうちの一方の回転体の内部に配置されて、上記一方の回転体の内面を上記一対の回転体のうちの他方の回転体に向けて押圧する押圧部と、
    上記一方の回転体と上記押圧部との間に配置されて、回転する上記一方の回転体の内面が潤滑剤を介して摺動する摺動シートと
    を備え、
    上記摺動シートにおける上記一方の回転体の内面が摺動する一面には、上記一方の回転体の摺動方向に間隔をあけて並べて配列された横凸部と、上記摺動方向に直交する直交方向に間隔をあけて並べて配列された縦凸部とが、格子状に設けられ、
    隣り合う上記縦凸部の間の上記直交方向の長さは、隣り合う上記横凸部の間の上記摺動方向の長さよりも、長いことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記横凸部は、上記直交方向に沿って延在し、上記縦凸部は、上記摺動方向に沿って延在していることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記摺動シートは、ガラスクロスまたは金属ワイヤメッシュの基材と、この基材に含浸された樹脂とを有することを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記摺動シートは、上記押圧部に、取り付けられていることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記隣り合う横凸部の間の上記摺動方向の長さは、0.1mm〜1.0mmであることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記横凸部および上記縦凸部の高さは、100μm〜800μmであることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記隣り合う縦凸部の間の上記直交方向の長さは、上記摺動シートの上記直交方向の位置で、異なることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記隣り合う縦凸部の間の上記直交方向の長さは、上記摺動シートの上記直交方向の位置で、連続的に異なることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項1に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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