JP2006267408A - 定着装置、ベルト管状体、および画像形成装置 - Google Patents
定着装置、ベルト管状体、および画像形成装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、該未定着トナー像を該記録用シートに定着する定着装置等に関し、ベルト管状体の、シート部材との接触面積を小さく抑えることと、ベルト管状体による、潤滑剤の保持能力が高いシート部材の削り取りを抑制することとを両立させる。
【解決手段】おもて面における潤滑剤の保持能力がベルト管状体110の内周面111におけるその保持能力よりも高いシート部材131を備え、ベルト管状体110の内周面111に形成された、所定方向に延びた複数の凹凸112は、凹部1121と凸部1122との段差Hが0.05μm以上0.5μm以下であって、互いに隣り合う凸部1122の頂点どうしの間隔Sが100μm以上300μm以下であり、凸部1122の、ベルト管状体110の軸心に沿った断面形状が曲線で形取られた形状である。
【選択図】 図4
【解決手段】おもて面における潤滑剤の保持能力がベルト管状体110の内周面111におけるその保持能力よりも高いシート部材131を備え、ベルト管状体110の内周面111に形成された、所定方向に延びた複数の凹凸112は、凹部1121と凸部1122との段差Hが0.05μm以上0.5μm以下であって、互いに隣り合う凸部1122の頂点どうしの間隔Sが100μm以上300μm以下であり、凸部1122の、ベルト管状体110の軸心に沿った断面形状が曲線で形取られた形状である。
【選択図】 図4
Description
本発明は、未定着トナー像を担持した記録用シートを所定のニップ領域を通過させることで該未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、該未定着トナー像を該記録用シートに定着する定着装置、その定着装置に配備されるベルト管状体、およびその定着装置を備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式の複写機やプリンタあるいはファクシミリなどに用いられる画像形成装置には、用紙等の記録用シートに転写された未定着のトナー像を加熱および加圧することによりそのトナー像を記録用シートに定着する定着装置が備えられている。このような定着装置において、回転体とベルト管状体(例えば、エンドレスベルトなどの定着ベルト)との間に形成されたニップ領域に記録用シートを通過させる、いわゆるベルトニップ方式を採用した定着装置が知られている。
このようなベルトニップ方式を採用した定着装置として、例えば、加熱源を有する回転可能な加熱ロールと、この加熱ロールに圧接され加熱ロールの回転に追従して循環する定着ベルトと、この定着ベルトの内周面側に配設されて、定着ベルトを加熱ロールに向けて押し付けて定着ベルトと加熱ロールとの間にニップ領域を形成する圧力付与部材とを備え、このニップ領域に、未定着のトナー像を担持した記録用シートを通過させることで、その記録用シート上の未定着トナー像を加熱および加圧して定着するように構成したものが知られている(特許文献1参照)。
ところで、上記ベルトニップ方式の定着装置では、定着ベルトを圧力付与部材によって加熱ロールの表面に圧接させるように構成されているため、定着ベルトと圧力付与部材との摺動抵抗が過大であると、定着ベルトを循環させるためのトルクが増大し、加熱ロールの駆動トルクが大きくなり、定着ベルトの摩耗や、加熱ロールを駆動するためのギア等が破損する恐れがある。また、加熱ロールを駆動する駆動モーターの負荷も大きくなり、多くの電力が必要とされる。さらに、定着ベルトと圧力付与部材との間の摺動抵抗があまりにも大きくなると、加熱ロールと定着ベルトとの間でスリップが生じ、このスリップに起因して記録用シートに定着される画像の乱れ(画像のずれ)や、記録用シートの搬送不良による記録用シートのしわが発生するという問題が生じる。
そこで、定着ベルトと圧力付与部材との間の摺動抵抗を低く且つ安定的に維持する技術として、定着ベルトと圧力付与部材との間に、圧力付与部材よりも摩擦抵抗が小さい低摩擦シートを介在させ、さらに、定着ベルトの内周面と低摩擦シートとの間に潤滑剤を供給する提案がなされている。例えば、低摩擦シートとしては、ガラス繊維シートにフッ素樹脂を含浸し焼き付けたものや、さらにその上にフッ素樹脂フィルムを貼り付けたもの、あるいはフッ素樹脂繊維からなる織布や、さらにその上に多孔質フッ素樹脂シートを貼り付けたもの等が提案されている。また、潤滑剤としては、アミノ変性シリコーンオイルやメチルフェニルシリコーンオイルやフッ素オイルなどが提案されている。さらに、定着ベルトとしては、なし地状の凹凸が設けられた内周面を有するもの(例えば、特許文献1参照。)や、ベルト内周面の周方向に筋状の凹凸を設けたもの(例えば、特許文献2参照。)や、平滑な内周面を有するもの(例えば、特許文献3及び4参照。)などが提案されている。
特開2002−160239号公報
特開2004−29757号公報
特開平10−213984号公報
特開2001−228731号公報
ここで、定着ベルトに着目してみると、特許文献1に提案された、なし地状の凹凸が設けられた内周面を有するものでは、低摩擦シートとして、ガラス繊維シートにフッ素樹脂を含浸し焼き付けたものを用いると、摺動抵抗は低くなるものの、低摩擦シートとの間に振動が生じて摺動音が発生したり、定着ベルト両端部からの潤滑剤の漏れが発生する。そこで、潤滑剤の漏れを防止するために、ガラス繊維シートにフッ素樹脂を含浸し焼き付けたものに比べて潤滑剤の保持能力が高い多孔質フッ素樹脂シートを貼り付けたものを低摩擦シートとして用いると、今度は、低摩擦シートが循環する定着ベルトによって削り取られてしまい、短期間に摺動抵抗が上昇してしまう。また、潤滑剤の保持能力が低摩擦シートを用いても、摺動音は発生してしまう。
特許文献2に提案された、ベルト内周面の円周方向に筋状の凹凸を設けた定着ベルトでは、内周面の、周方向に沿って測定した表面粗さRaが0.3μm以上3.0μm以下になり、この定着ベルトでは、低摩擦シートとして、ガラス繊維シートにフッ素樹脂を含浸し焼き付けたものを用いても、低摩擦シートとのこすれによる摺動音はある程度抑えられるが、定着ベルト両端部からの潤滑剤の漏れが発生する。そこで、潤滑剤の漏れを防止するために上述と同じく、低摩擦シートとして、潤滑剤の保持能力が高い多孔質フッ素樹脂シートを貼り付けたものを用いると、やはり、低摩擦シートが循環する定着ベルトによって削り取られてしまい、短期間に摺動抵抗が上昇してしまう。
特許文献3や4に提案された、平滑な内周面を有するものでは、上述したいずれの低摩擦シートを用いても摺動音は発生せず、低摩擦シートとして潤滑剤の保持能力が高い多孔質フッ素樹脂シートを用いても、低摩擦シートが循環する定着ベルトによって削り取られてしまうことはなく、潤滑剤の漏れも生じない。ところが、この平滑な内周面を有する定着ベルトでは、低摩擦シートとの接触面積が大きくなってしまうことから摺動抵抗という点では上述の2つの定着ベルトに比べ劣っている。
以上のことをまとめると、潤滑剤の保持能力が高い低摩擦のシート部材を用いれば、潤滑剤の漏れを防止することができるが、このシート部材との接触面積を小さく抑えるために内周面に凹凸を設けた従来の定着ベルトであるベルト管状体では、そのような潤滑剤の保持能力が高いシート部材が削り取られてしまう。
本発明は上記事情に鑑み、ベルト管状体の、シート部材との接触面積を小さく抑えることと、ベルト管状体による、潤滑剤の保持能力が高いシート部材の削り取りを抑制することとを両立させた定着装置、その定着装置に配備されるベルト管状体、およびその定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を解決する本発明の定着装置は、未定着トナー像を担持した記録用シートを所定のニップ領域を通過させることでその未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、その未定着トナー像をその記録用シートに定着する定着装置において、
回転する回転体と、
上記回転体に外周面が相対的に押し付けられその回転体との間に記録用シートを挟み込むニップ領域を有し、所定方向に延びた複数の凹凸を有し内周面のその凹凸の凹部に潤滑剤を保持しながら、その回転体の回転とともに循環するベルト管状体と、
上記ニップ領域を加熱する加熱手段と、
上記ベルト管状体の内周面側に配備されその内周面側からそのベルト管状体を支持し上記ニップ領域に押付力を作用させる支持体と、
表面が上記ベルト管状体の内周面に接し裏面が上記支持体に接した、上記支持体よりも摩擦抵抗が小さく、おもて面における上記潤滑剤の保持能力が上記ベルト管状体の内周面におけるその保持能力よりも高いシート部材とを備え、
上記複数の凹凸は、凹部と凸部との段差が0.05μm以上0.5μm以下であって、互いに隣り合う凸部の頂点どうしの間隔が100μm以上300μm以下であり、その凸部の、上記ベルト管状体の軸心に沿った断面形状が曲線で形取られた形状であることを特徴とする。
回転する回転体と、
上記回転体に外周面が相対的に押し付けられその回転体との間に記録用シートを挟み込むニップ領域を有し、所定方向に延びた複数の凹凸を有し内周面のその凹凸の凹部に潤滑剤を保持しながら、その回転体の回転とともに循環するベルト管状体と、
上記ニップ領域を加熱する加熱手段と、
上記ベルト管状体の内周面側に配備されその内周面側からそのベルト管状体を支持し上記ニップ領域に押付力を作用させる支持体と、
表面が上記ベルト管状体の内周面に接し裏面が上記支持体に接した、上記支持体よりも摩擦抵抗が小さく、おもて面における上記潤滑剤の保持能力が上記ベルト管状体の内周面におけるその保持能力よりも高いシート部材とを備え、
上記複数の凹凸は、凹部と凸部との段差が0.05μm以上0.5μm以下であって、互いに隣り合う凸部の頂点どうしの間隔が100μm以上300μm以下であり、その凸部の、上記ベルト管状体の軸心に沿った断面形状が曲線で形取られた形状であることを特徴とする。
ここにいう回転体は、ロール状であってもベルト状であってもよい(以下同じ)。また、ここにいうベルト管状体は、上記回転体に向けて押し付けられるものであっても、上記回転体がこのベルト管状体に向けて押し付けられることでその回転体に向けて相対的に押し付けられることになるものであってもよい(以下、同じ)。
本発明の定着装置によれば、潤滑剤の保持能力が高い低摩擦のシート部材を用いているため、ベルト管状体両端部からの潤滑剤の漏れは防止される。しかも、上記ベルト管状体内周面の表面形状を規定したことにより、ベルト管状体の、シート部材との接触面積を小さく抑えることと、ベルト管状体による、潤滑剤の保持能力が高い低摩擦のシート部材の削り取りを抑制することとが両立されている。すなわち、上記段差が0.05μm未満であったり、あるいは上記間隔が300μmを越えたものである、シート部材との接触面積が大きくなりすぎて摺動抵抗が許容することができる範囲を越えて高まってしまう。一方、その段差が0.5μmを越えたり、あるいはその間隔が100μm未満であると、上記凸部の、上記ベルト管状体の軸心に沿った断面形状が尖った形状に近づき、シート部材のおもて面との接触圧が高まりそのおもて面を削り取ってしまいやすくなる。さらに、その凸部の、上記ベルト管状体の軸心に沿った断面形状が曲線で形取られた形状であることから、シート部材を削り取ってしまうことがより抑制される。
また、本発明の定着装置において、上記シート部材は、おもて面が多孔質フッ素樹脂シートあるいはフッ素樹脂繊維からなる織布によって構成されてなるものであることが好ましい。
こうすることで、シート部材による潤滑剤の保持能力がより高められる。
さらに、本発明の定着装置において、上記凹凸は、上記内周面の周方向に対して30度以下の角度の方向に延びたものであり、
上記ベルト管状体は、内周面の、上記凹凸が延びた方向に沿って測定した表面粗さRaが0.1μm未満のものである態様が好ましい。
上記ベルト管状体は、内周面の、上記凹凸が延びた方向に沿って測定した表面粗さRaが0.1μm未満のものである態様が好ましい。
この態様によれば、上記ベルト管状体が循環する際、上記内周面が、上記シート部材に対して、ベルト管状体の循環方向若しくはそれに近い方向に均一な状態で接し、しかも、表面粗さRaが極めて小さいため不規則な凹凸もなく、シート部材との間に振動が生じにくく、摺動音の発生が抑えられる。
ここで、上記ベルト管状体は、少なくとも内周面が、金属あるいは上記加熱手段からの熱を受けても所定の強度を維持する耐熱性樹脂からなるものであってもよい。
上記目的を解決する本発明のベルト管状体は、回転する回転体と、その回転体に外周面が相対的に押し付けられその回転体との間に未定着トナー像を担持した記録用シートを挟み込むニップ領域を有し、所定方向に延びた複数の凹凸を有し内周面のその凹凸の凹部に潤滑剤を保持しながらその回転体の回転とともに循環するベルト管状体と、そのニップ領域を加熱する加熱手段と、そのベルト管状体の内周面側に配備されその内周面側からそのベルト管状体を支持しそのニップ領域に押付力を作用させる支持体と、おもて面がそのベルト管状体の内周面に接し裏面がその支持体に接した、その支持体よりも摩擦抵抗が小さく、おもて面におけるその潤滑剤の保持能力がそのベルト管状体の内周面におけるその保持能力よりも高いシート部材とを備えた定着装置に配備されるベルト管状体において、
上記複数の凹凸は、凹部と凸部との段差が0.05μm以上0.5μm以下であって、互いに隣り合う凸部の頂点どうしの間隔が100μm以上300μm以下であり、その凸部の、上記ベルト管状体の軸心に沿った断面形状が曲線で形取られた形状であることを特徴とする。
上記複数の凹凸は、凹部と凸部との段差が0.05μm以上0.5μm以下であって、互いに隣り合う凸部の頂点どうしの間隔が100μm以上300μm以下であり、その凸部の、上記ベルト管状体の軸心に沿った断面形状が曲線で形取られた形状であることを特徴とする。
上記目的を解決する本発明の画像形成装置は、トナー像が形成されるトナー像担持体に形成されたトナー像を、最終的に記録用シート上に転写し、記録用シートに転写された未定着のトナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、その未定着のトナー像をその記録用シートに定着することによりその記録用シートに画像を形成する画像形成装置において、
回転する回転体と、その回転体に外周面が相対的に押し付けられその回転体との間に未定着トナー像を担持した記録用シートを挟み込むニップ領域を有し、所定方向に延びた複数の凹凸を有し内周面のその凹凸の凹部に潤滑剤を保持しながらその回転体の回転とともに循環するベルト管状体と、そのニップ領域を加熱する加熱手段と、そのベルト管状体の内周面側に配備されその内周面側からそのベルト管状体を支持しそのニップ領域に押付力を作用させる支持体と、おもて面がそのベルト管状体の内周面に接し裏面がその支持体に接した、その支持体よりも摩擦抵抗が小さく、おもて面におけるその潤滑剤の保持能力がそのベルト管状体の内周面におけるその保持能力よりも高いシート部材とを備えた定着装置を具備し、
上記複数の凹凸は、凹部と凸部との段差が0.05μm以上0.5μm以下であって、互いに隣り合う凸部の頂点どうしの間隔が100μm以上300μm以下であり、その凸部の、上記ベルト管状体の軸心に沿った断面形状が曲線で形取られた形状であることを特徴とする。
回転する回転体と、その回転体に外周面が相対的に押し付けられその回転体との間に未定着トナー像を担持した記録用シートを挟み込むニップ領域を有し、所定方向に延びた複数の凹凸を有し内周面のその凹凸の凹部に潤滑剤を保持しながらその回転体の回転とともに循環するベルト管状体と、そのニップ領域を加熱する加熱手段と、そのベルト管状体の内周面側に配備されその内周面側からそのベルト管状体を支持しそのニップ領域に押付力を作用させる支持体と、おもて面がそのベルト管状体の内周面に接し裏面がその支持体に接した、その支持体よりも摩擦抵抗が小さく、おもて面におけるその潤滑剤の保持能力がそのベルト管状体の内周面におけるその保持能力よりも高いシート部材とを備えた定着装置を具備し、
上記複数の凹凸は、凹部と凸部との段差が0.05μm以上0.5μm以下であって、互いに隣り合う凸部の頂点どうしの間隔が100μm以上300μm以下であり、その凸部の、上記ベルト管状体の軸心に沿った断面形状が曲線で形取られた形状であることを特徴とする。
本発明によれば、ベルト管状体の、シート部材との接触面積を小さく抑えることと、ベルト管状体による、潤滑剤の保持能力が高いシート部材の削り取りを抑制することとを両立させた定着装置、その定着装置に配備されるベルト管状体、およびその定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態に相当するフルカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。
図1に示す画像形成装置1には、本発明の定着装置の一実施形態に相当するロール−ベルト型の定着装置100が組み込まれている。また、この画像形成装置1は、感光体ドラム10および中間転写ベルト20も備えている。感光体ドラム10は、時計回りに回転するものである。中間転写ベルト20は、複数の支持ロールに張架されて感光体ドラム10の表面に接触するように配置されている。また、この画像形成装置1では、中間転写ベルト20を挟んで感光体ドラム10と対向する位置に、1次転写ロール40が配設されている。感光体ドラム10と中間転写ベルト20とが接する部分が1次転写位置である。
感光体ドラム10の周囲には、1次転写位置の上流側に現像ロータリー50が配設されている。現像ロータリー50には、ブラック(BK)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各有色トナーを収容した現像器(不図示)が配設されている。また、感光体ドラム10の周囲には、いずれも図示省略したが帯電器、光書き込みユニット、クリーニング装置、および除電装置が配設されている。
中間転写ベルト20の周囲には、1次転写位置の下流側に、2次転写部材としてのバイアスロール60が設けられ、さらに、中間転写ベルト20を挟んでバイアスロール60と対向する位置には、バックアップロール70が設けられている。この画像形成装置1では、バイアスロール60とバックアップロール70とで挟まれた位置が2次転写位置になり、この2次転写位置には、各サイズの用紙をそれぞれ収容した給紙トレイ群80から供給される用紙、あるいは手差し台81に置かれた用紙やOHPシート等が送り込まれる。
図1に示す画像形成装置1には、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色の各画像信号が入力される。これらの画像信号が入力されると、この画像形成装置1では、感光体ドラム10の表面を、帯電器により一様に帯電した後、入力された画像情報のうち、シアンの画像信号に応じたレーザ光を光書き込みユニットから感光体ドラム10に向けて照射することで感光体ドラム10の表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム10の表面に形成された静電潜像を、現像ロータリー50に備えられたシアントナーを収納した現像器により現像し、感光体ドラム10の表面にシアントナー像を形成する。次いで、1次転写位置において感光体ドラム10上のシアントナー像を中間転写ベルトに1次転写する。シアントナー像が中間転写ベルト20に1次転写された後の感光体ドラム10の表面からは、クリーニング装置によって残存トナーが除去され、除電装置によって残存電荷が除去される。
続いて今度は、感光体ドラム10の表面に、同様にしてマゼンタトナー像を形成し、1次転写位置において、このマゼンタトナー像を、中間転写ベルト20に先に1次転写されたシアントナー像と重なるように中間転写ベルト20に1次転写する。
以降、イエロートナー像およびブラックトナー像を順次形成し、1次転写位置において、中間転写ベルト20に先に1次転写されたトナー像と重なるように順次1次転写する。こうすることにより、中間転写ベルト20には、ベルト表面側からシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの順で1つに重なり合ったトナー像が形成される。
続いて、この1つに重なり合ったトナー像を、バイアスロール60とバックアップロール70とで挟まれた2次転写位置において用紙に2次転写する。こうして、トナー像が用紙に転写され、トナー像が転写された用紙は定着装置100に送られる。定着装置100では、未定着トナー像を担持した用紙を所定のニップ領域を通過させることでその未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、未定着トナー像を用紙に定着する。トナー像が定着した用紙は、この画像形成装置1に備えられた排出トレイ90に排出される。
図2は、図1に示す画像形成装置に組み込まれた定着装置の概略構成を示す図である。
この図2では、未定着トナー像Tを担持した記録用紙Pが図中の右側から左側に向けて搬送されてくる図2に示す定着装置100は、本発明のベルト管状体の一実施形態である無端状の定着ベルト110を備えている。この定着装置100には、定着ベルトを張架しない、いわゆるフリーベルトニップ方式が採用されている。
図2に示す定着装置100は、定着ベルト110の他に、加熱源を内蔵した加熱ロール120と、この定着ベルト110の内面側に当接され、加熱ロール120の表面に沿って定着ベルト110を押圧する押圧部材130と、低摩擦シート131とで主要部が構成されており、加熱ロール120と定着ベルト110との間に、未定着トナー像を担持した記録用紙を挟み込むニップ領域Nを有している。
加熱ロール120は、不図示のモータによって図中の矢印R1方向に回転駆動されるものである。この加熱ロール120は、コア121の表面に弾性層122を形成し、その弾性層122の表面を離型層123によって覆ったものである。
コア121の材質としては、機械的強度に優れ、伝熱性が良好である材質ならば特に制限はないが、例えば、アルミ、SUS、鉄、銅等の金属、合金、セラミックス、FRMなどがあげられる。
弾性層122の材質としては、弾性材料として公知の材料のものの中から適宜選択することができるが、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどがあげられるが、表面張力が小さく、弾性に優れる点でシリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴムなどを用いる。この弾性層122の厚みとしては、通常、3mm以下であり、好ましくは0.5〜1.5mmである。弾性層122をコア121の表面に形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、それ自体公知のコーティング法などが採用できる。
離型層123の材質としては、トナーに対し適度な離型性を示すものであれば特に制限はなく、例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フッ素樹脂等があげられる。これらの材質の中でもフッ素樹脂を用いることが好ましい。フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂があげられる。この離型層123の厚みとしては、通常、10〜100μmであり、好ましくは20〜30μmである。離型層123を弾性層122の表面に形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、押出し成型によって形成されたチューブを被覆する方法があげられる。
コア121の内部には、加熱源としてハロゲンランプ124が配置されている。なお、加熱源は、ニップ領域Nを加熱するもの、すなわちニップ領域Nを通過する用紙Pに担持された未定着トナー像Tに熱を加えるものであれば、例えば、加熱ロール120の表面に接してその表面を外部加熱する外部加熱ロールや、定着ベルト110を加熱するヒーターランプであってもよい。また、電磁誘導加熱等によって定着ベルト自体が加熱源を兼ねてもよい。
定着ベルト110は、表面が加熱ロール120に押し付けられ、加熱ロール120の回転に追従して循環するものである。すなわち、定着ベルト110は、加熱ロール120の回転とともに外周面が図中の矢印R2方向へ循環する。この定着ベルト110は、加熱ロール120に対し所定の角度で巻き付けられるように接触しており、定着ベルト110と加熱ロール120の間にニップ領域Nが形成されている。また、この定着ベルト110は、複数の層が厚さ方向に積層された積層構造のものである。ここで一旦、図2から離れて図3を用いて説明する。
図3は、図2に示す定着ベルトの断面を模式的に示した図である。
図3に示す定着ベルト110は、ベース層1101と耐熱弾性体層1102と表面層1103がこの記載順に積層してなるものである。
図3に示すベース層1101は、定着ベルト110の内周面111を構成するものである。定着ベルト110の内周面111には、所定方向に延びた複数の凹凸が形成されているが、この図3では図示省略している。定着ベルト110は、ここでは図示省略したこれらの凹凸の凹部に潤滑剤をある程度保持する。
図3に示すベース層1101は、薄膜金属物からなる層であっても、図2に示すハロゲンランプ114からの熱を受けても所定の強度を維持する耐熱樹脂からなる層であってもよい。この耐熱樹脂としては、ポリイミド系樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などがあげられる。また、内部に粒状、針状、繊維状等のカーボンブラック、グラファイト、アルミナ、シリコーン、カーバイド、ボロンナイトライド等の熱伝導性向上剤を添加したり、必要に応じて導電化剤、帯電防止剤、剥離剤、補強剤等の添加剤を添加してもよい。また耐熱性樹脂の外周面にニッケルや銅などの金属やシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性エラストマーを積層することも可能である。
ベース層1101の厚さは、使用上での必要強度(ベルト破壊/しわ/座屈に対して)の観点から20μm以上必要であり、可とう性や熱容量の観点から200μm以下が好ましく、更にいうと、50μm以上100μm以下がより好ましい。
ベース層1101が薄膜金属物からなる層である場合には、厚さは150μm以下が好ましく、より好ましくは、20μm以上80μm以下である。薄膜金属物からなるベース層1101としては、例えば、ステンレスベルトや、銅ベルトや、電鋳法により形成された無端状ニッケルベルトがあげられる。電鋳法では、導電性を有する母型(電型、鋳型)に電気メッキまたは無電解メッキにより金属を析出させた後、この金属を母型から剥離して製品とする。母型が金属の場合には、剥離のための表面処理を施し、非金属の場合には、メッキを行なうための導電性処理を施す。この電鋳法によれば、母型の形状を忠実かつ正確に複写することができ、精度の高い製品を得ることができる。無端状電鋳ニッケルベルトの幅、内径などは、用途に応じて適宜定めることができ、特に限定されない。
耐熱弾性体層1102は、ベース層1101よりも弾性変形しやすく図2に示すハロゲンランプ121からの熱を受けても所定の強度を維持する層である。この耐熱弾性体層1102に用いられる材料としては、耐熱性の観点から、シリコンゴムやフッ素ゴムを用いることが好ましく、材料硬度と反発弾性を両立できることや成膜性の観点などから、シリコンゴム、それも液状シリコンゴム(Liquid Silicone Rubber:L.S.R)を用いることがより好ましい。耐熱弾性体層1102の厚さは、2mm以下が好ましく、より好ましくは0.5mm以下である。これは、ロールに代えて定着ベルトを用いる目的が省エネルギー化(ウォームアップタイムの短縮)であり、シリコンゴムなどのゴムは熱伝導率が非常に悪く、厚くすることで熱効率が悪くなってしまうためである。
表面層1103は、この定着ベルト110の表面を構成する層であり、フッ素系樹脂やシリコンゴムなどの耐熱ゴムからなる。この表面層1103は、用紙および定着後のトナー像の双方との離型性がベース層1101を構成する材料よりも優れ、図2に示すハロゲンランプ121からの熱を受けても所定の強度を維持する耐熱材料からなる層にすることが好ましい。このような離型性を有する耐熱材料としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂あげられる。表面層1103にフッ素系樹脂を用いる場合には、厚さを2μm以上30μm以下にすることが好ましい。また、表面層1103には、帯電防止性を付与するために、カーボンブラック,グラフアイト,金属粉末等の導電性粉末や導電性を有する有機化合物や、耐摩耗性を向上するための硫酸バリウム、マイカ、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、ケイ酸塩化合物等の無機化合物の粉末を配合させてもよい。
なお、図2に示す定着装置100に配備される定着ベルト110は、耐熱弾性体層1102を省略したものであってもよい。すなわち、耐熱性樹脂からなるベース層1101の表面に、上述のフッ素樹脂を含む溶液をスプレーコーティング、ディップコーティング、フローコーティングなどによりコーティングしたり、あるいは上述のフッ素樹脂からなるチューブで被覆することによって得られたものであってもよく、薄膜金属物からなるベース層1101の表面に、上述のフッ素樹脂を積層することによって得られたものであってもよい。
再び、図2を用いて説明を行う。図2に示す押圧部材130は、弾性部材132と、支持体133と、支持フレーム134とを備えている。
図2に示す低摩擦シート131は、定着ベルト110の内周面に接するおもて面が、弾性部材132よりも摩擦抵抗が小さく、おもて面における潤滑剤の保持能力が、定着ベルト110の内周面におけるその保持能力よりも高いものである。この低摩擦シート131は、弾性部材132を覆うように設けられており、低摩擦シート131の裏面は弾性部材132に接する。低摩擦シート131の、定着ベルト110の循環方向上流側一端131aは支持体133に固着されており、他端131bは自由端になっている。なお、この他端131bは、支持フレーム134に固定されていてもよく、あるいは低摩擦シート131自体を筒状に形成して、押圧部材130の全周を覆った状態で押圧部材130に一部を固定しても良い。
この低摩擦シート131としては、潤滑剤の保持能力を高めるために、おもて面が多孔質フッ素樹脂シートあるいはフッ素樹脂繊維からなる織布によって構成されてなるものを用いることが好ましい。ここにいうフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)を用いることが可能であるが、摺動抵抗の点からPTFEを用いることが好ましい。また、低摩擦シート131の構造としては、フッ素樹脂繊維からなる織布単層から構成された構造であってもよいし、さらにその上に多孔質フッ素樹脂シートを積層した構造であってもよい。また、低摩擦シート131の裏面には、弾性部材132側に潤滑剤の透過を防止する潤滑剤透過防止層を設けることが好ましく、この潤滑剤透過防止層を設けることで潤滑剤の枯渇をより抑制することができる。潤滑剤透過防止層には、耐熱性があり且つ潤滑剤を透過させない耐熱性樹脂フィルムや金属フィルムを用いることができる。
押圧部材130を構成する弾性部材132は、支持体133から加圧ロール110に向けて僅かに突出するように、支持体133に設けられた凹部1331に収容されている。この弾性部材132は、長ソリッドのシート材、異型ソリッド品、異型チューブ品、発泡ゴムシート等を用いることができ、その材質としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタン、天然ゴム、SBR、IR等をあげることができる。なお、弾性部材132として、ゴム材料からなるものに代えて複数のスプリングを用いてもよい。この弾性部材132としては、十分な柔軟性を有することが要求される。具体的に要求される弾性部材132の硬度としては、JIS−A硬度で、およそ10〜70°程度の範囲であり、20〜50°程度の範囲が好ましく、特に30〜50°程度の範囲が好ましい。10°未満であると、ゴムの変形量が大きくなり過ぎて、ニップの位置が安定しなくなり、70°を超えると、硬度が高すぎて十分な柔軟性が確保できない。また、弾性部材132の厚さとしては、特に限定されないが、平均厚さとして2〜6mm程度の範囲が好ましく、3〜5mm程度の範囲がより好ましい。特に、支持体133の凹部1331からの突出部分の厚さとしては、平均で0.3〜1.2mm程度の範囲が好ましく、0.5〜1.0mm程度の範囲がより好ましい。
支持体133には、弾性部材132を収容する凹部1331の他に、凸部1332も設けられている。この支持体133はアルミニウム等の金属材料からなるものである。
支持フレーム134は、不図示のスプリングからの荷重により、押圧部材130全体を加熱ロール120の軸心に向けて付勢するものであり、定着ベルト110は、押圧部材130に支持されて低摩擦シート131を介して加熱ロール120の表面に押し付けられる。この支持フレーム134には、定着ベルト110の循環方向の弛みを規制し、スムーズに回転するように設けられたベルト走行ガイド1341が取り付けられている。
なお、押圧部材130としては、低摩擦シート131を介して定着ベルトを加熱ロールに向けて押圧するものであれば、図2に示す構造のものに限られない。
また、図2に示す定着装置100は、定着べルト120の内周面に潤滑剤を塗布する潤滑剤供給手段140を備えている。この潤滑剤供給手段140は、定着べルト110の内周面に接したフェルト(不図示)を備えている。このフェルトには、潤滑剤が含浸されており、このフェルトが、定着べルト110の内周面に潤滑剤を塗布する。潤滑剤としては、潤滑性が優れている点が重要であるが、この指標としては動粘度があり、さらに、耐熱性、揮発性等も考慮する必要がある。この点より、シリコーンオイルが好ましく、更に濡れ性に優るアミノ変性シリコーンオイルがより好ましい。また、耐熱性についてより優れた性能が必要な場合には、メチルフェニルシリコーンオイルあるいはフッ素オイルなどを使用することが好ましい。
未定着トナー像Tを担持した用紙Pは、定着装置100のニップ領域Nに向けて搬送されてくる。用紙Pが、ニップ領域Nに侵入しニップ領域Nを通過することで、未定着トナー像Tにはハロゲンランプ121からの熱が加えられるとともにニップ領域Nに作用する圧力も加えられ、未定着トナー像Tが用紙Pに定着する。
次に、定着ベルト110の内周面の表面形状について説明する。
図4は、図2に示す定着ベルト110の内周面の表面形状を拡大して示す模式的斜視図である。
この図4では、定着ベルト110の内周面111が上を向くように示されており、この内周面111の上に、図2に示す低摩擦シート131がくる。また、図4においては、図の左右方向が、図2に示す定着ベルト110の軸方向になり、内周面111の周方向は、図中に示された矢印の方向になる。図4には、定着ベルト内周面111の、軸方向に沿った断面形状が示されている。
図4に示す、定着ベルト110の内周面の表面形状は、この表面形状と反転した表面形状をもつ円筒金型に耐熱樹脂をコーティングし焼成固化することなどにより容易に製作される。また内周面が金属からなる定着ベルトの場合は、金属を薄層に鍍金したり、あるいは絞り加工などによって製作した薄肉の金属ベルトを、図4に示す表面形状と反転した表面形状をもつ円筒金型に挿入し、外部から押圧し、転造することによって容易に製作される。
図4には、内周面111の周方向に平行に周回した複数の凹凸112が示されている。これらの凹凸112は、軸方向に互いに隣接して配列されている。図4に示す定着ベルト110は、これらの凹凸112のうちの凹部1121に図2に示す潤滑剤供給手段140によって供給された潤滑剤をある程度保持する。
図4に示すように、これらの凹凸112のうちの凸部1122の、定着ベルト110の軸心に沿った断面形状は円弧形状である。すなわち、その断面形状は、曲線で形取られた形状である。凸部の断面形状が、曲線で形取られた形状であることで、低摩擦シート131のおもて面を削り取ってしまうことが抑制される。なお、凸部の断面形状は、円弧形状に限定されるものではない。
また、凹部1121と凸部1122との段差H(凹部の最も深い箇所と凸部の頂点との高低差)は、0.05μm以上0.5μm以下であればよく、凹部1121の開口における軸方向の長さ、すなわち互いに隣り合う凸部1122の頂点どうしの間隔Sは100μm以上300μm以下であればよい。上記段差Hが0.05μm未満であったり、あるいは、上記間隔Sが300μmを越えたものであると、低摩擦シート131との接触面積が大きくなりすぎて摺動抵抗が許容することができる範囲を越えて高まってしまう。一方、上記段差Hが0.5μmを越えたり、あるいは上記間隔Sが100μm未満であると、凸部1122の、定着ベルトの軸心に沿った断面形状が尖った形状に近づき、低摩擦シート131のおもて面との接触圧が高まりそのおもて面を削り取ってしまいやすくなる。
なお、上記段差Hは0.1μm以上0.2μm以下がより好ましく、上記間隔Sは150μm以上250μm以下がより好ましい。
さらに、図4に示す複数の凹凸112は、内周面111の周方向に平行に周回したものであるが、これら複数の凹凸112の延在方向は、内周面111の周方向、すなわち、内周面111の周方向に対して0度の角度の方向に限られず、例えば、内周面111の周方向に対して45度の角度の方向であってもよいが、摺動音の発生を防止する観点からすると、内周面111の周方向に対して30度以下の角度の方向が好ましく、10度以下の角度の方向がより好ましい。こうすることで、内周面111が、低摩擦シート131に対して、定着ベルト110の循環方向(内周面111の周方向)若しくはそれに近い方向に均一な状態で接し、シート部材との間に振動が生じにくく、摺動音の発生が抑えられる。加えて、内周面111の、凹凸112が延びた方向に沿って測定した表面粗さRaは0.1μm未満のものであることが好ましい。表面粗さRaがこのように極めて小さいと、不規則な凹凸がなくなり、シート部材との間に振動がより生じにくく、摺動音の発生が効果的に抑えられる。
以上説明したように、図2に示す定着装置では、潤滑剤の保持能力が高い低摩擦シート131を用いているため、定着ベルト両端部からの潤滑剤の漏れが防止される。しかも、定着ベルト内周面111の表面形状を上述のように規定したことにより、定着ベルト11の、低摩擦シート131との接触面積を小さく抑えることと、定着ベルト111による、低摩擦シート131の削り取りを抑制することとが両立されている。
(実施例)
以下、本発明の実施の形態についてより具体的に実施例を用いて詳述する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
芯体として、外径30mm、長さ500mm、肉厚2mmのアルミ製円筒体を用い、この円筒体の周面を、周方向に切削加工及びバニッシング仕上げ加工することにより、円筒体周面の円周方向に周回する複数の凹凸を設けた。ここでの機械加工では、芯体周面に、凹部と凸部との段差が0.1μmであって、互いにとなり合う凸部の頂点どうしの間隔が180μmであり、凸部の、芯体の軸心に沿った断面形状が円弧状となる凹凸を設けた。またこのときの芯体周面は見かけ上鏡面状で、凹凸の延在方向に沿って測定した表面粗さ(Ra)は約0.01μmであった。焼成後にベルトが脱型しやすくなる様に芯体両端部周面に幅50mmに亘ってブラスト処理を施した後、更に芯体周面にはシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製を塗布して、280℃で1時間、焼き付け処理した。
(実施例)
以下、本発明の実施の形態についてより具体的に実施例を用いて詳述する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
芯体として、外径30mm、長さ500mm、肉厚2mmのアルミ製円筒体を用い、この円筒体の周面を、周方向に切削加工及びバニッシング仕上げ加工することにより、円筒体周面の円周方向に周回する複数の凹凸を設けた。ここでの機械加工では、芯体周面に、凹部と凸部との段差が0.1μmであって、互いにとなり合う凸部の頂点どうしの間隔が180μmであり、凸部の、芯体の軸心に沿った断面形状が円弧状となる凹凸を設けた。またこのときの芯体周面は見かけ上鏡面状で、凹凸の延在方向に沿って測定した表面粗さ(Ra)は約0.01μmであった。焼成後にベルトが脱型しやすくなる様に芯体両端部周面に幅50mmに亘ってブラスト処理を施した後、更に芯体周面にはシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製を塗布して、280℃で1時間、焼き付け処理した。
次に芯体周面へのポリイミド(PI)前駆体であるN−メチルピロリドン溶液(商品名:Uワニス、宇部興産(株)製、固形分濃度:18%、粘度:約5Pa・s)をフローコーティング法により厚さ約150μmに塗布した後120℃で30分間回転させながら乾燥した。
次にフッ素樹脂溶液(商品名:三井・デュポンフロロケミカル社製710CL)をスプレーコーティングによりコートしたのち、380℃でまで150分で昇温したのち380℃で40分間保持し、PFA塗膜を焼成し、ついで室温に冷却後芯体周面から形成塗膜を取り外し、膜厚80μmのPI樹脂の外周に膜厚30μmのPFA層が形成されたベルト管状体を得た。
このベルト管状体の内面面には、内周面の周方向に周回した複数の凹凸が設けられており、その内周面を測定すると、それらの凹凸の凹部と凸部との段差は0.1μmであって、互いにとなり合う凸部の頂点どうしの間隔は180μmであり、凸部の、ベルト管状体の軸心に沿った断面形状は円弧状であった。また、内周面の、凹凸が延びた方向(周方向)に沿って測定した表面粗さRaは約0.02μmであった。
こうして得られたベルト管状体を軸方向の長さ(幅)255mmに切断し、定着ベルトとして、図2示す定着装置の構成と同じ構成の定着装置に取り付けた。低摩擦シート131には、フッ素樹脂繊維からなる織布(商品名:ジャパンゴアテックス製 380d)の裏面にオイル透過防止用のFEPシートを熱圧着したものを使用した。また、潤滑剤供給手段140のフェルトに、粘度400CSのメチルフェニルシリコーンオイル(信越化学製)2gを含浸させ、定着べルト110の内周面にこのオイルを塗布した。
加熱ロール120の、回転数を165rpm、表面温度を190℃に設定し、ニップ領域Nに用紙を通紙させない状態で加熱ロール120を回転させて空回し試験を実施し、この空回し試験において、加熱ロール120を駆動する駆動モーターの負荷トルク、およびニップ領域での騒音レベルを100時間おきに測定し、定着ベルト両端部からの潤滑剤の漏れを観察した。また、試験終了後の低摩擦シートの摩耗状態も観察した。なお、加熱ロール120の負荷トルクは、駆動モータと加熱ロールの間に設けたトルク変換器(共和電業製 TP10KCD)により測定した。また騒音レベルは、ニップ領域Nら10mm離れたところに集音マイクを設置し、積分平均型精密騒音計(リオン製、NL−14)を用いて測定した。さらに、潤滑剤の漏れ及び低摩擦シートの摩耗状態は拡大マイクロスコープを用いて観察した。結果を表1に示す。
(実施例2)
芯体として、外径30mm、長さ500mmの鉄製の円筒体の周面を、周方向に切削加工することにより、円筒体周面の円周方向に周回する複数の凹凸を設けた。ここでの機械加工では、芯体周面に、凹部と凸部との段差が1μmであって、互いにとなり合う凸部の頂点どうしの間隔が180μmとなる凹凸を設けた。次に、芯体の上に絞り加工により製造した内径30mm、肉厚35μmのステンレスパイプを挿入し、回転状態で外部から押圧し、芯体周面の表面形状を、ステンレスパイプの内周面に転造した。さらにステンレスパイプ表面にホーニング加工による粗面化処理を施した後、三井・デュポンフロロケミカル社製のプライマーを塗布し、乾燥後さらに内径32mmの熱収縮性PFAチューブ(商品名:グンゼ社製 SMT)をかぶせたのち、330℃でまで90分で昇温し、その後、30分間保持し、PFAチューブを収縮させるとともに接着し、膜厚35μmのステンレスの外周に膜厚30μmのPFA層が形成されたベルト管状体を得た。
芯体として、外径30mm、長さ500mmの鉄製の円筒体の周面を、周方向に切削加工することにより、円筒体周面の円周方向に周回する複数の凹凸を設けた。ここでの機械加工では、芯体周面に、凹部と凸部との段差が1μmであって、互いにとなり合う凸部の頂点どうしの間隔が180μmとなる凹凸を設けた。次に、芯体の上に絞り加工により製造した内径30mm、肉厚35μmのステンレスパイプを挿入し、回転状態で外部から押圧し、芯体周面の表面形状を、ステンレスパイプの内周面に転造した。さらにステンレスパイプ表面にホーニング加工による粗面化処理を施した後、三井・デュポンフロロケミカル社製のプライマーを塗布し、乾燥後さらに内径32mmの熱収縮性PFAチューブ(商品名:グンゼ社製 SMT)をかぶせたのち、330℃でまで90分で昇温し、その後、30分間保持し、PFAチューブを収縮させるとともに接着し、膜厚35μmのステンレスの外周に膜厚30μmのPFA層が形成されたベルト管状体を得た。
このベルト管状体の内面面には、内周面の周方向に周回した複数の凹凸が設けられており、その内周面を測定すると、それらの凹凸の凹部と凸部との段差は0.5μmであって、互いにとなり合う凸部の頂点どうしの間隔は180μmであり、凸部の、ベルト管状体の軸心に沿った断面形状は円弧状であった。また、内周面の、凹凸が延びた方向(周方向)に沿って測定した表面粗さRaは約0.05μmであった。
このベルト管状体を定着ベルトとして用いた以外は、実施例1と同様にして空回し試験を実施し、各結果を得た。それらの結果を表1に示す。
(比較例1)
芯体として、外径30mm、長さ500mm、肉厚2mmのアルミ製円筒体を用い、この円筒体の周面を、周方向に切削加工することにより、円筒体周面の円周方向に周回する複数の凹凸を設けた。ここでの機械加工では、芯体周面に、凹部と凸部との段差が5μmであって、互いにとなり合う凸部の頂点どうしの間隔が100μmとなる凹凸を設けた。また、凹凸の延在方向に沿って測定した表面粗さ(Ra)は約0.4μmであった。この芯体を用いて、実施例1と同様してベルト管状体を得た。
(比較例1)
芯体として、外径30mm、長さ500mm、肉厚2mmのアルミ製円筒体を用い、この円筒体の周面を、周方向に切削加工することにより、円筒体周面の円周方向に周回する複数の凹凸を設けた。ここでの機械加工では、芯体周面に、凹部と凸部との段差が5μmであって、互いにとなり合う凸部の頂点どうしの間隔が100μmとなる凹凸を設けた。また、凹凸の延在方向に沿って測定した表面粗さ(Ra)は約0.4μmであった。この芯体を用いて、実施例1と同様してベルト管状体を得た。
このベルト管状体の内面面には、内周面の周方向に周回した複数の凹凸が設けられており、その内周面を測定すると、それらの凹凸の凹部と凸部との段差は5μmであって、互いにとなり合う凸部の頂点どうしの間隔は100μmであり、凸部の、ベルト管状体の軸心に沿った断面形状は円弧状であった。また、内周面の、凹凸が延びた方向(周方向)に沿って測定した表面粗さRaは約0.4μmであった。
このベルト管状体を定着ベルトとして用いた以外は、実施例1と同様にして空回し試験を実施し、各結果を得た。それらの結果を表1に示す。
(比較例2)
芯体として、外径30mm、長さ500mm、肉厚2mmのアルミ製円筒体を用い、この円筒体の周面にブラスト加工を行った。ブラスト加工後の芯体周面の表面粗さ(Ra)は約0.8μmであった。この芯体を用いて、実施例1と同様してベルト管状体を得た。
(比較例2)
芯体として、外径30mm、長さ500mm、肉厚2mmのアルミ製円筒体を用い、この円筒体の周面にブラスト加工を行った。ブラスト加工後の芯体周面の表面粗さ(Ra)は約0.8μmであった。この芯体を用いて、実施例1と同様してベルト管状体を得た。
このベルト管状体の内面面には、なし地状の凹凸が設けられており、その内周面の表面粗さRaは約0.8μmであった。
このベルト管状体を定着ベルトとして用いた以外は、実施例1と同様にして空回し試験を実施し、各結果を得た。それらの結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1及び2では、300時間という長時間にわたって、トルク、および騒音のいずれも初期状態に極めて近い状態を維持することができた。また、300時間経過後の低摩擦シートにはほとんど摩耗等が見られなかった。なお、実施例1においては定着ベルト両端部のニップ圧の高い部分で、僅かにベルト内面に摩耗が認められたが、実施例2では摩耗はまったく発生しなかった。
これに対して、比較例1及び2では初期には実施例との差が見られなかったものの、時間経過に伴って急激にトルクが上昇してしまい、評価は200時間が経過したところで中止した。定着ベルトの両端部からは潤滑剤が漏れ出していた。また200時間後の低摩擦シートのおもて面には激しい摩耗が見られ、特に比較例1では低摩擦シート繊維の切断が発生していた。また騒音も比較例2では初期より特に大きくなった。
さらに詳細に表1に示す結果を検討すると、いずれの実施例および比較例でも、初期にはトルクが低いことから、定着ベルト内周面に凹凸を設けた効果が確認できる。しかし、各比較例では、潤滑剤を保持した低摩擦シートのおもて面が定着ベルトによって時間の経過とともに削り取られていったことにより、低摩擦シートに保持されていた潤滑剤が行き場を失い定着ベルトの両端部から漏れ出してしまうとともに、低摩擦シートが有する摩擦抵抗の小さな層が消滅してしまい、定着ベルトと低摩擦シートとの間の摺動抵抗が時間の経過とともに上昇し、トルクが上昇してしまったと考えられる。これに対して、各実施例では、潤滑剤を保持した低摩擦シートのおもて面が定着ベルトによって削り取られることがなかったため、低摩擦シートが潤滑剤を保持し続け、定着ベルトと低摩擦シートとの間の摺動抵抗が低く抑えられ、トルクの上昇が抑えられたと考えられる。
また、振動音については、各比較例では初期から実施例に比べて大きいが、これは、内周面の、周方向、すなわち定着ベルトの循環方向の表面粗さが大きいことから、循環方向に不規則な凹凸が存在し、この不規則な凹凸が原因で低摩擦シートとの間に振動が生じ、大きな摺動音が発生したと考えられる。これに対して、各実施例では、凹凸が内周面の周方向に周回しているばかりでなく、定着ベルトの循環方向の表面粗さが極めて小さく抑えられていることから、定着ベルトが循環する際、内周面が、低摩擦シートに対して、定着ベルトの循環方向に非常に均一な状態で接し、低摩擦シートとの間に振動が生じにくく、摺動音の発生が抑えられたと考えられる。
以上のことから、本発明の定着装置は、定着ベルトの、低摩擦シートとの接触面積を小さく抑えることと、定着ベルトによる、潤滑剤の保持能力が高い低摩擦シートの削り取りを抑制することとを両立させることができることが確認された。
1:画像形成装置、10:感光体ドラム、20:中間転写ベルト、40:1次転写ロール、50:現像ロータリー、60:バイアスロール、70:バックアップロール、80:給紙トレイ群、81:手差し台、90:排出トレイ、100:定着装置、110:定着ベルト、111:内周面、112:凹凸、1121:凹部、1122:凸部、120:加熱ロール、121:ハロゲンランプ、130:押圧部材、131:低摩擦シート、132:弾性部材、133:支持体、140:潤滑剤供給手段、N:ニップ領域
Claims (6)
- 未定着トナー像を担持した記録用シートを所定のニップ領域を通過させることで該未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、該未定着トナー像を該記録用シートに定着する定着装置において、
回転する回転体と、
前記回転体に外周面が相対的に押し付けられ該回転体との間に記録用シートを挟み込むニップ領域を有し、所定方向に延びた複数の凹凸を有し内周面の該凹凸の凹部に潤滑剤を保持しながら該回転体の回転とともに循環するベルト管状体と、
前記ニップ領域を加熱する加熱手段と、
前記ベルト管状体の内周面側に配備され該内周面側から該ベルト管状体を支持し前記ニップ領域に押付力を作用させる支持体と、
おもて面が前記ベルト管状体の内周面に接し裏面が前記支持体に接した、前記支持体よりも摩擦抵抗が小さく、おもて面における前記潤滑剤の保持能力が前記ベルト管状体の内周面における該保持能力よりも高いシート部材とを備え、
前記複数の凹凸は、凹部と凸部との段差が0.05μm以上0.5μm以下であって、互いに隣り合う凸部の頂点どうしの間隔が100μm以上300μm以下であり、該凸部の、前記ベルト管状体の軸心に沿った断面形状が曲線で形取られた形状であることを特徴とする定着装置。 - 前記シート部材は、おもて面が多孔質フッ素樹脂シートあるいはフッ素樹脂繊維からなる織布によって構成されてなるものであることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記凹凸は、前記内周面の周方向に対して30度以下の角度の方向に延びたものであり、
前記ベルト管状体は、内周面の、前記凹凸が延びた方向に沿って測定した表面粗さRaが0.1μm未満のものであることを特徴とする請求項1記載の定着装置。 - 前記ベルト管状体は、少なくとも内周面が、金属あるいは前記加熱手段からの熱を受けても所定の強度を維持する耐熱性樹脂からなるものであることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 回転する回転体と、該回転体に外周面が相対的に押し付けられ該回転体との間に未定着トナー像を担持した記録用シートを挟み込むニップ領域を有し、所定方向に延びた複数の凹凸を有し内周面の該凹凸の凹部に潤滑剤を保持しながら該回転体の回転とともに循環するベルト管状体と、該ニップ領域を加熱する加熱手段と、該ベルト管状体の内周面側に配備され該内周面側から該ベルト管状体を支持し該ニップ領域に押付力を作用させる支持体と、おもて面が該ベルト管状体の内周面に接し裏面が該支持体に接した、該支持体よりも摩擦抵抗が小さく、おもて面における該潤滑剤の保持能力が該ベルト管状体の内周面における該保持能力よりも高いシート部材とを備えた定着装置に配備されるベルト管状体において、
前記複数の凹凸は、凹部と凸部との段差が0.05μm以上0.5μm以下であって、互いに隣り合う凸部の頂点どうしの間隔が100μm以上300μm以下であり、該凸部の、前記ベルト管状体の軸心に沿った断面形状が曲線で形取られた形状であることを特徴とするベルト管状体。 - トナー像が形成されるトナー像担持体に形成されたトナー像を、最終的に記録用シート上に転写し、記録用シートに転写された未定着のトナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、該未定着のトナー像を該記録用シートに定着することにより該記録用シートに画像を形成する画像形成装置において、
回転する回転体と、該回転体に外周面が相対的に押し付けられ該回転体との間に未定着トナー像を担持した記録用シートを挟み込むニップ領域を有し、所定方向に延びた複数の凹凸を有し内周面の該凹凸の凹部に潤滑剤を保持しながら該回転体の回転とともに循環するベルト管状体と、該ニップ領域を加熱する加熱手段と、該ベルト管状体の内周面側に配備され該内周面側から該ベルト管状体を支持し該ニップ領域に押付力を作用させる支持体と、おもて面が該ベルト管状体の内周面に接し裏面が該支持体に接した、該支持体よりも摩擦抵抗が小さく、おもて面における該潤滑剤の保持能力が該ベルト管状体の内周面における該保持能力よりも高いシート部材とを備えた定着装置を具備し、
前記複数の凹凸は、凹部と凸部との段差が0.05μm以上0.5μm以下であって、互いに隣り合う凸部の頂点どうしの間隔が100μm以上300μm以下であり、該凸部の、前記ベルト管状体の軸心に沿った断面形状が曲線で形取られた形状であることを特徴とする画像形成装置。
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