JP2016217290A - ギアポンプ - Google Patents

ギアポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP2016217290A
JP2016217290A JP2015104582A JP2015104582A JP2016217290A JP 2016217290 A JP2016217290 A JP 2016217290A JP 2015104582 A JP2015104582 A JP 2015104582A JP 2015104582 A JP2015104582 A JP 2015104582A JP 2016217290 A JP2016217290 A JP 2016217290A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
low friction
driven gear
sliding surface
drive gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015104582A
Other languages
English (en)
Inventor
祥宏 濱本
Yoshihiro Hamamoto
祥宏 濱本
政治 八田
Seiji Hatta
政治 八田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiho Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiho Kogyo Co Ltd filed Critical Taiho Kogyo Co Ltd
Priority to JP2015104582A priority Critical patent/JP2016217290A/ja
Publication of JP2016217290A publication Critical patent/JP2016217290A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】駆動ギア及び従動ギアとハウジングとのクリアランスを小さく設定しても、駆動ギア及び従動ギアの低摩擦部とハウジングとが接触するのを抑制することができ、これにより低摩擦部の摩耗を抑制することができると共に機械的摩擦損失を低減することができるギアポンプを提供すること。【解決手段】外歯32を有すると共に外部からの動力で回転する駆動ギア30と、外歯32に対して歯合する内歯42を具備すると共にこれにより駆動ギア30の回転に伴って回転する従動ギア40と、駆動ギア30及び従動ギア40を収容するハウジング10と、駆動ギア30の軸方向におけるハウジング10との摺動面34、及び従動ギア40の軸方向におけるハウジング10との摺動面44に、部分的に低摩擦材がコーティングされる、あるいは場所によって厚みが異なるように低摩擦材がコーティングされることで形成される低摩擦部36・46と、を具備するものとする。【選択図】図7

Description

本発明は、外部からの動力で回転する駆動ギアと、駆動ギアに対して歯合する従動ギアと、駆動ギア及び従動ギアを収容するハウジングと、を具備するギアポンプの技術に関する。
従来、外部からの動力で回転する駆動ギアと、駆動ギアに対して歯合する従動ギアと、駆動ギア及び従動ギアを収容するハウジングと、を具備するギアポンプの技術は公知となっている。
このような従来のギアポンプでは、駆動ギア又は従動ギアとハウジングとのクリアランスを所定値(約20μm)以下に設定すると、金属同士が接触して焼き付きが発生する。焼き付きを回避するためには、前記クリアランスを大きく設定する必要がある。
しかし、前記クリアランスが大きいと、このクリアランスを介してオイルポンプの吐出側(高圧側)から吸入側(低圧側)へ漏れる油の量が多くなる。油の漏れ量が多くなると、ポンプ効率が低下するという問題がある。
この問題を解決するために、駆動ギア又は従動ギアやハウジングに被膜を設けることが、従来行われている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1には、インナーローター、アウターローター、及びハウジングから構成されるオイルポンプが記載されている。特許文献1に記載のオイルポンプにおいては、インナーローター、アウターローター、及びハウジングの少なくとも1つの面に被膜が施されている。この被膜によりクリアランスを小さくすることで、油漏れ量を低減している。そして、耐摩耗性と低摩擦性を有する架橋されたフッ素樹脂を被膜の材料として用いることで、焼き付きを抑制している。
しかし、特許文献1のように被膜の材料として架橋されたフッ素樹脂を用いたとしても、被膜は金属と接触することにより、時間の経過と共に摩耗を進行させてしまう。また、被膜の摩耗が進行すると、クリアランスは増大する。このため、クリアランスを小さくすることで得られていた効果(油漏れの低減効果)が、時間の経過と共に減衰してしまう。
特開2014−173513号公報
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、駆動ギア及び従動ギアとハウジングとのクリアランスを小さく設定しても、駆動ギア及び従動ギアの低摩擦部(コーティング)とハウジングとが接触するのを抑制することができ、これにより低摩擦部の摩耗を抑制することができると共に機械的摩擦損失を低減することができ、さらに摩耗の抑制により駆動ギア及び従動ギアとハウジングとの間からの油漏れを抑制することができるギアポンプを提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、第一の歯を有すると共に外部からの動力で回転する駆動ギアと、前記第一の歯に対して歯合する第二の歯を具備すると共にこれにより前記駆動ギアの回転に伴って回転する従動ギアと、前記駆動ギア及び前記従動ギアを収容するハウジングと、前記駆動ギアの軸方向における前記ハウジングとの摺動面、及び前記従動ギアの軸方向における前記ハウジングとの摺動面に、部分的に低摩擦材がコーティングされる、あるいは場所によって厚みが異なるように低摩擦材がコーティングされることで形成される低摩擦部と、を具備するものである。
請求項2においては、前記低摩擦部が、前記駆動ギアの前記摺動面及び前記従動ギアの前記摺動面にライン状に形成されるものである。
請求項3においては、前記低摩擦部が、前記駆動ギアの前記摺動面の端部及び前記従動ギアの前記摺動面の端部に形成されるものである。
請求項4においては、前記低摩擦部が、前記第一の歯の縁及び前記第二の歯の縁に沿って形成されるものである。
請求項5においては、前記駆動ギアが、当該駆動ギアを駆動させる駆動軸を挿通する挿通孔を具備し、前記低摩擦部が、前記挿通孔の縁に沿って形成されるものである。
請求項6においては、前記低摩擦部が、前記駆動ギアの前記摺動面及び前記従動ギアの前記摺動面に環状に形成されるものである。
請求項7においては、前記低摩擦部が、前記駆動ギアの前記摺動面に、前記駆動ギアの径方向と交差するように前記従動ギアとの歯合側から前記従動ギアとの非歯合側へと延びると共に、前記駆動ギアの回転方向に対して前記歯合側が前記非歯合側よりも下流側に位置するスパイラル状に形成され、且つ、前記従動ギアの前記摺動面に、前記従動ギアの径方向と交差するように前記駆動ギアとの歯合側から前記駆動ギアとの非歯合側へと延びると共に、前記従動ギアの回転方向に対して前記歯合側が前記非歯合側よりも下流側に位置するスパイラル状に形成されるものである。
請求項8においては、前記低摩擦部が、前記駆動ギアの前記摺動面に、前記駆動ギアの回転方向に向かうにつれて厚みが薄くなるように傾斜する第一テーパー面と、前記第一テーパー面の前記駆動ギアの回転方向と反対方向側に隣接する第一平坦面と、を具備し、前記従動ギアの前記摺動面に、前記従動ギアの回転方向に向かうにつれて厚みが薄くなるように傾斜する第二テーパー面と、前記第二テーパー面の前記従動ギアの回転方向と反対方向側に隣接する第二平坦面と、を具備するものである。
請求項9においては、前記低摩擦部が、前記駆動ギアの前記摺動面に、前記第一の歯の前記駆動ギアの回転方向側の縁に接する第一の領域を除いて形成され、あるいは前記第一の領域の厚みを他の領域よりも薄くするように形成され、且つ、前記従動ギアの前記摺動面に、前記第二の歯の前記従動ギアの回転方向側の縁に接する第二の領域を除いて形成され、あるいは前記第二の領域の厚みを他の領域よりも薄くするように形成されるものである。
請求項10においては、前記第一の歯が、前記駆動ギアの外周面に形成される外歯であり、前記第二の歯が、前記従動ギアの内周面に形成される内歯であり、前記第一の領域が、前記外歯の径方向外側の縁に接しないように形成され、前記第二の領域が、前記内歯の径方向内側の縁に接しないように形成されるものである。
請求項11においては、前記低摩擦部が、前記駆動ギアの前記摺動面及び前記従動ギアの前記摺動面に点在するように形成されるものである。
請求項12においては、前記点在した低摩擦部のそれぞれが、凸形の円環状に形成されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、駆動ギア及び従動ギアとハウジングとのクリアランスを小さく設定しても、駆動ギア及び従動ギアの低摩擦部(コーティング)とハウジングとが接触するのを抑制することができ、これにより低摩擦部の摩耗を抑制することができると共に機械的摩擦損失を低減することができ、さらに摩耗の抑制により駆動ギア及び従動ギアとハウジングとの間からの油漏れを抑制することができる。
請求項2においては、駆動ギア及び従動ギアとハウジングとの間からの油漏れをより効果的に抑制することができる。
請求項3においては、駆動ギア及び従動ギアとハウジングとの間からの油漏れをより効果的に抑制することができる。
請求項4においては、駆動ギア及び従動ギアとハウジングとの間からの油漏れをより効果的に抑制することができる。
請求項5においては、駆動ギアとハウジングとの間からの油漏れをより効果的に抑制することができる。
請求項6においては、駆動ギア及び従動ギアとハウジングとの間からの油漏れをより効果的に抑制することができる。
請求項7においては、駆動ギア及び従動ギアとハウジングとの間からの油漏れをより効果的に抑制することができる。
請求項8においては、低摩擦部の摩耗をより効果的に抑制することができると共に機械的摩擦損失をより効果的に低減することができる。
請求項9においては、低摩擦部の摩耗をより効果的に抑制することができると共に機械的摩擦損失をより効果的に低減することができる。
請求項10においては、低摩擦部の摩耗をより効果的に抑制することができると共に機械的摩擦損失をより効果的に低減することができる。
請求項11においては、低摩擦部の摩耗をより効果的に抑制することができると共に機械的摩擦損失をより効果的に低減することができる。
請求項12においては、低摩擦部の摩耗をより効果的に抑制することができると共に機械的摩擦損失をより効果的に低減することができる。
本発明の一実施形態に係るギアポンプを示した正面図。 図1に示すA−A線断面図。 ハウジングを示した分解斜視図。 駆動ギアを示した斜視図。 従動ギアを示した斜視図。 図2におけるL部分の拡大断面図。 (a)本発明の第一実施形態に係る駆動ギアの正面図。(b)そのB−B端面図。 (a)本発明の第一実施形態に係る従動ギアの正面図。(b)そのC−C端面図。 (a)本発明の第二実施形態に係る駆動ギアの正面図。(b)そのD−D端面図。 (a)本発明の第三実施形態に係る駆動ギアの正面図。(b)そのE−E端面図。 (a)本発明の第四実施形態に係る従動ギアの正面図。(b)そのF−F端面図。 (a)本発明の第五実施形態に係る従動ギアの正面図。(b)そのG−G端面図。 (a)本発明の第六実施形態に係る駆動ギアの正面図。(b)そのH−H端面図。 (a)本発明の第七実施形態に係る従動ギアの正面図。(b)そのK−K端面図。 (a)本発明の第八実施形態に係る駆動ギアの正面図。(b)そのM−M端面図。 (a)本発明の第九実施形態に係る従動ギアの正面図。(b)そのN−N端面図。 (a)本発明の第十実施形態に係る駆動ギアの正面図。(b)そのP−P端面図。 (a)本発明の第十一実施形態に係る駆動ギアの正面図。(b)そのQ−Q端面図。 (a)本発明の第十二実施形態に係る従動ギアの正面図。(b)そのR−R端面図。 (a)本発明の第十三実施形態に係る従動ギアの正面図。(b)そのS−S端面図。 (a)本発明の第十四実施形態に係る従動ギアの正面図。(b)そのT−T端面図。 (a)本発明の第十五実施形態に係る駆動ギアの正面図。(b)そのU−U端面図。(c)低摩擦部の他の実施形態を示した断面図。(d)低摩擦部の他の実施形態を示した断面図。 (a)本発明の第十六実施形態に係る従動ギアの正面図。(b)そのV−V端面図。(c)低摩擦部の他の実施形態を示した断面図。(d)低摩擦部の他の実施形態を示した断面図。
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
以下では、本発明の一実施形態に係るギアポンプ1について説明する。
図1に示すギアポンプ1は、液体等を圧送するものである。なお、本実施形態に係るギアポンプ1は、エンジンに設けられ、潤滑油を圧送する内接ギアポンプであるものとする。
図1及び図2に示すように、ギアポンプ1は、ハウジング10、駆動軸20、駆動ギア30及び従動ギア40等を具備する。
ハウジング10は、前側面が閉塞すると共に後側面が外部に開口する金属製の箱状部材である。ハウジング10は、本体部12及び蓋体14を具備する。なお、図1においては、説明の便宜上、蓋体14の記載を省略している。
図2及び図3に示すように、本体部12は、正面視略四角形状に形成される箱状の部材である。本体部12には、大径部12a、小径部12b、摺動面12c、吸入ポート12d及び吐出ポート12eが形成される。
大径部12aは、本体部12の前部に形成される穴である。大径部12aは、正面視略円状に形成される。大径部12aは、本体部12の前側面から前後中途部に亘って前後方向に延びるように形成される。
小径部12bは、本体部12の後部に形成される穴である。小径部12bは、正面視略円状に形成される。小径部12bの内径は、大径部12aの内径よりも小さくなるように形成される。小径部12bは、本体部12の前後中途部(大径部12aの後端部)から後側面に亘って前後方向に延びるように形成される。
摺動面12cは、大径部12aと小径部12bとの間に形成される前方向を向いた面(大径部12aと小径部12bとの段差面)である。
吸入ポート12dは、大径部12a内に潤滑油を吸引するための孔である。吸入ポート12dは、本体部12の後側面から摺動面12cに亘って前後方向に延びるように形成される。吸入ポート12dは、摺動面12cの右部に配置される。吸入ポート12dの後端部は、例えば配管(不図示)等を介してオイルパン(不図示)と連通する。
吐出ポート12eは、大径部12aから潤滑油を圧送するための孔である。吐出ポート12eは、本体部12の後側面から摺動面12cに亘って前後方向に延びるように形成される。吐出ポート12eは、摺動面12cの左部に配置される。吐出ポート12eの後端部は、例えばシリンダヘッドのメインオイルホール(不図示)と連通する。
蓋体14は、正面視略四角形状に形成される部材である。蓋体14は、正面視において本体部12の前側面と略同一の形状となるように形成される。蓋体14は、本体部12の前方に配置される。蓋体14には、凹部14a及び摺動面14bが形成される。
凹部14aは、蓋体14の後側面に形成される。凹部14aは、背面視において小径部12bと略同一の形状となるように形成される。凹部14aは、背面視において小径部12bと重なる位置に配置される。
摺動面14bは、蓋体14の後側面に形成される。摺動面14bは、蓋体14の後側面のうち、本体部12の摺動面12cと対向する部分である。
このように構成される蓋体14は、ボルトBによって本体部12に固定される。本体部12に固定された蓋体14は、その後側面に取り付けられるシール部材Sによって本体部12との間がシールされる。
図1及び図2に示すように、駆動軸20は、その軸方向を前後方向に向けて配置される。駆動軸20の外径は、小径部12b及び凹部14aの内径と略同一となるように形成される。駆動軸20は、小径部12bに後方向から挿通される。駆動軸20の前端部は、大径部12aよりも前方に突出し、当該突出する部分が蓋体14の凹部14aに挿入される。これにより、駆動軸20は、ハウジング10に相対的に回転可能に支持される。このような駆動軸20は、例えば、後端部にベベルギア(不図示)が取り付けられ、当該ベベルギアを介してギアポンプ1の外部に設けられるカムシャフト(不図示)等に連結される。駆動軸20は、前記カムシャフト等の回転に伴って回転する。
図2及び図4に示すように、駆動ギア30は、その軸方向を前後方向に向けて配置される金属製の略筒状部材である。駆動ギア30の前後方向幅は、本体部12の大径部12aの前後方向幅と略同一となるように形成される。駆動ギア30は、大径部12aの内側に配置される。駆動ギア30には、外歯32、摺動面34、低摩擦部36及び挿通孔38が形成される。なお、図4においては、説明の便宜上、低摩擦部36が形成される部分を斜線で示している。
外歯32は、駆動ギア30の外周面に形成される。外歯32は、駆動ギア30の軸線を中心とする同心円上に等間隔に配置される七枚の歯を有する。
摺動面34は、駆動ギア30の軸方向一側面及び他側面、すなわち、駆動ギア30の前側面及び後側面である。摺動面34は、ハウジング10の摺動面12c・14bと対向する。
低摩擦部36は、駆動ギア30の摺動面34にそれぞれ形成される。低摩擦部36については後で詳述する。
挿通孔38は、駆動軸20を挿通する孔である。挿通孔38は、駆動ギア30を前後方向に貫通するように形成される。挿通孔38の内径は、駆動軸20の外径と略同一となるように形成される。
このように構成される駆動ギア30において、駆動軸20を介して外部からの動力(前記カムシャフトからの動力)が伝達され、当該伝達された動力によって駆動軸20と一体的に回転する。
図2及び図5に示すように、従動ギア40は、その軸方向を前後方向に向けて配置される金属製の略筒状部材である。従動ギア40の外径は、本体部12の大径部12aの内径と略同一となるように形成される。従動ギア40の前後方向幅は、大径部12aの前後方向幅と略同一となるように形成される。従動ギア40は、大径部12aの内側に配置される。従動ギア40の内側には、駆動ギア30が配置される。従動ギア40の中心は、駆動軸20及び駆動ギア30の中心とは異なる位置に配置される。すなわち、従動ギア40は、駆動軸20及び駆動ギア30に対して偏心した状態で配置される。従動ギア40には、内歯42、摺動面44及び低摩擦部46が形成される。なお、図5においては、説明の便宜上、低摩擦部46が形成される部分を斜線で示している。
内歯42は、従動ギア40の内周面に形成される。内歯42は、従動ギア40の軸線を中心とする同心円上に等間隔に配置されると共に駆動ギア30の外歯32と歯合可能な八枚の歯を有する。すなわち、内歯42は、駆動ギア30の外歯32の歯数よりも一枚多い歯を有する。
摺動面44は、従動ギア40の軸方向一側面及び他側面、すなわち、従動ギア40の前側面及び後側面である。摺動面44は、ハウジング10の摺動面12c・14bと対向する。
低摩擦部46は、従動ギア40の摺動面44にそれぞれ形成される。低摩擦部46については後で詳述する。
このように構成される従動ギア40は、図1及び図2に示すように、その軸心位置をハウジング10の大径部12aに合わせた状態で大径部12aに前方向から嵌め込まれ、ハウジング10に相対的に回転可能に支持される。従動ギア40の内歯42は、駆動ギア30の外歯32に対して歯合する。従動ギア40には、駆動ギア30の外歯32を介して外部からの動力が伝達される。これにより、従動ギア40は、駆動ギア30の回転に伴って回転する。
このような従動ギア40の内側の空間(大径部12aの内側の空間)は、駆動ギア30によって複数の空間に区画される。当該複数の空間は、潤滑油を圧送するためのポンプ室10Aとして形成される。
次に、ギアポンプ1の動作について説明する。
駆動軸20は、前記エンジンの駆動時に前記カムシャフトの回転に伴って回転する。駆動ギア30は、駆動軸20の回転に伴って一体的に回転する。従動ギア40は、駆動ギア30の回転によって駆動ギア30と同一方向に回転する。
これにより、ギアポンプ1は、ポンプ室10Aの容積を変化させながらポンプ室10Aを回転させる。
具体的には、駆動ギア30及び従動ギア40の回転によって、吐出ポート12eの近傍から吸入ポート12dの近傍に移動したポンプ室10Aは、その容積が増加する。すなわち、吸入ポート12dの近傍に移動したポンプ室10Aは、減圧される。当該減圧されたポンプ室10Aは、吸入ポート12dの前端部の開口と前後方向に重複したときにハウジング10の外部空間と連通される。このとき、減圧されたポンプ室10Aには、前記オイルパンから潤滑油が吸入される。
一方、駆動ギア30及び従動ギア40の回転によって、吸入ポート12dの近傍から吐出ポート12eの近傍に移動したポンプ室10Aは、その容積が減少する。すなわち、吐出ポート12eの近傍に移動したポンプ室10Aは、加圧される。当該加圧されたポンプ室10Aは、吐出ポート12eの前端部の開口と前後方向に重複したときにハウジング10の外部空間と連通される。このとき、加圧されたポンプ室10Aの潤滑油は、吐出ポート12eを介して前記メインオイルホールに圧送される。
次に、低摩擦部36・46について詳細に説明する。
図2及び図4から図8に示す低摩擦部36・46は、摺動面34・44の摩擦係数よりもその摩擦係数が低い部分である。低摩擦部36・46はそれぞれ、駆動ギア30の摺動面34(前側面及び後側面)及び従動ギア40の摺動面44(前側面及び後側面)に形成される。前側の低摩擦部36・46は、蓋体14の摺動面14bと対向する。後側の低摩擦部36・46は、本体部12の摺動面12cと対向する。
このような低摩擦部36は、駆動ギア30の前側面及び後側面に、部分的に低摩擦材がコーティングされることで形成される。そして、低摩擦部46は、従動ギア40の前側面及び後側面に、部分的に低摩擦材がコーティングされることで形成される。つまり、駆動ギア30及び従動ギア40の前側面及び後側面には、低摩擦材がコーティングされている部分と、低摩擦材がコーティングされていない部分とが存在する。低摩擦部36・46(低摩擦材がコーティングされている部分)は、ライン状に、すなわち略一定の幅を持って延びるように形成される。
本実施形態においては、低摩擦部36は、摺動面34の端部に形成される。具体的には、低摩擦部36は、低摩擦材が摺動面34の外周端(外歯32の外周端)及び内周端(挿通孔38の縁)に沿ってコーティングされることで形成される(図4及び図7参照)。低摩擦部36は、摺動面34の前記外周端及び前記内周端の全周に亘って途切れなく形成される。
本実施形態においては、低摩擦部46は、摺動面44の端部に形成される。具体的には、低摩擦部46は、低摩擦材が摺動面44の内周端(内歯42の縁)及び外周端に沿ってコーティングされることで形成される(図5及び図8参照)。低摩擦部46は、摺動面44の前記内周端及び前記外周端の全周に亘って途切れなく形成される。
図6に示す低摩擦部36・46の厚みA1は、最も厚いところで数μm〜数百μm程度となるように駆動ギア30の摺動面34及び従動ギア40の摺動面44に形成される。低摩擦部36の厚みA1と低摩擦部46の厚みA1とは、必ずしも同じでなくてもよい。なお、図2及び図4から図8(並びに他の実施形態を示す図9から図22)においては、説明の便宜上、低摩擦部36・46の厚みA1を実際の厚みよりも厚くなるように記載している。
このような低摩擦部36・46を形成する際に用いられる低摩擦材は、バインダー樹脂に固体潤滑剤を分散させることによって製造される。
低摩擦材に用いられる固体潤滑剤としては、例えば、グラファイト、カーボン、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン、窒化ホウ素、二硫化タングステン、フッ素系樹脂、及び軟質金属(例えばSn、Bi等)の中から、一種類以上が適宜選択される。
また、バインダー樹脂としては、例えば、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、これら樹脂のジイソシアネート変性、BPDA変性、スルホン変性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド及びエラストマーの中から一種類以上が適宜選択される。
このように形成された低摩擦部36・46により、駆動ギア30及び従動ギア40の摩耗を抑制することができる。その理由について以下に説明する。
前述したように、吸入ポート12dの近傍に移動したポンプ室10Aは減圧され、吐出ポート12eの近傍に移動したポンプ室10Aは加圧されている(図1参照)。すなわち、図1及び図2に示すギアポンプ1が駆動するときには、大径部12aの吸入ポート12d側と吐出ポート12e側との間で圧力差が発生する。このような圧力差の影響で、駆動ギア30及び従動ギア40は、前後方向に傾いたり前後方向に押されたりする。
仮に、駆動ギア30及び従動ギア40が前後方向に傾いたり前方向に押されて蓋体14の摺動面14bに接触したとしても、駆動ギア30及び従動ギア40の前側の摺動面34・44が摺動面14bに接触することはなく、駆動ギア30及び従動ギア40の前側の低摩擦部36・46が摺動面14bに接触する。
これによれば、ギアポンプ1は、駆動ギア30及び従動ギア40の前側の摺動面34・44と蓋体14の摺動面14bとが(金属面同士が)接触した場合と比較して、従動ギア40の摩耗を抑制することができる。
また、仮に、駆動ギア30及び従動ギア40が前後方向に傾いたり後方向に押されて本体部12の摺動面12cに接触したとしても、駆動ギア30及び従動ギア40の後側の摺動面34・44が摺動面12cに接触することはなく、駆動ギア30及び従動ギア40の後側の低摩擦部36・46が摺動面12cに接触する。
これによれば、ギアポンプ1は、駆動ギア30及び従動ギア40の後側の摺動面34・44と本体部12の摺動面12cとが(金属面同士が)接触した場合と比較して、従動ギア40の摩耗を抑制することができる。
また、図6に示すように、ギアポンプ1は、低摩擦部36・46を形成することで、低摩擦部36・46の厚みA1の分だけ、駆動ギア30及び従動ギア40とハウジング10の摺動面12c(及び摺動面14b)とのクリアランスC1を小さくすることができる。
これによれば、ギアポンプ1は、前記圧力差の影響で駆動ギア30及び従動ギア40が大きく傾くことを抑制することができる。従って、前記圧力差の影響で駆動ギア30及び従動ギア40が傾いた場合でも、駆動ギア30及び従動ギア40の低摩擦部36・46とハウジング10の摺動面12c・14bとが片当たりする(大きく傾いて狭い面積で接触する)ことを抑制できる。このため、ギアポンプ1は、駆動ギア30及び従動ギア40の磨耗を抑制することができる。
なお、ハウジング10と駆動ギア30及び従動ギア40との摺動の様子は、前側の摺動面34・44と後側の摺動面34・44とで略同一であるので、以下では後側の摺動面34・44について説明する。
摺動面34の潤滑油(摺動面34とハウジング10の摺動面12cとの間にある潤滑油)は、駆動ギア30の回転による遠心力のため、径方向外側へと移動しようとする。その際、摺動面34の潤滑油は、駆動ギア30の外周端において、大きなクリアランス(摺動面34とハウジング10の摺動面12cとのクリアランスC2(図6及び図7参照))から小さなクリアランス(クリアランスC1)へと引き込まれることとなる。そのとき、小さなクリアランス(クリアランスC1)に引き込まれた潤滑油には、くさび効果により油膜圧力が発生する。
この油膜圧力により、駆動ギア30とハウジング10(の摺動面12c)とのクリアランスを小さくしても、駆動ギア30とハウジング10とが接触するのを抑制することができる。また、この油膜圧力により、摺動面34の潤滑油が当該摺動面34から径方向外側に排出されるのを抑制することができ、ひいては摺動面34に潤滑油を保持することができる。
さらに、摺動面34の内周端にも低摩擦部36が形成されているため、摺動面34の内周端において潤滑油に油膜圧力を発生させることができる。この油膜圧力により、摺動面34の潤滑油が挿通孔38へと排出されるのを抑制することができ、ひいては摺動面34に潤滑油を保持することができる。
つまり、低摩擦部36が摺動面34に部分的に形成されていることにより、低摩擦部36が形成されている部分に油膜圧力を発生させることができる。この油膜圧力により、駆動ギア30(の低摩擦部36)とハウジング10とが接触するのを抑制することができるため、低摩擦部36が駆動ギア30の摺動面34の全面に、且つ、その厚みを均一とするように形成されたものと比べて、低摩擦部36の摩耗を抑制することができる。また、低摩擦部36の摩耗が抑制されることにより、磨耗粉や剥離粉が異物となって他部品の信頼性を損ねるのを防ぐことができる。
また、摺動面44の潤滑油(摺動面44とハウジング10の摺動面12cとの間にある潤滑油)は、従動ギア40の回転による遠心力のため、径方向外側へと移動しようとする。その際、摺動面44の潤滑油は、従動ギア40の外周端において、大きなクリアランス(摺動面44とハウジング10の摺動面12cとのクリアランスC2(図6及び図7参照))から小さなクリアランス(クリアランスC1)へと引き込まれることとなる。そのとき、小さなクリアランス(クリアランスC1)に引き込まれた潤滑油には、くさび効果により油膜圧力が発生する。
この油膜圧力により、従動ギア40とハウジング10(の摺動面12c)とのクリアランスを小さくしても、従動ギア40とハウジング10とが接触するのを抑制することができる。また、この油膜圧力により、摺動面44の潤滑油が当該摺動面44から径方向外側に排出されるのを抑制することができ、ひいては摺動面44に潤滑油を保持することができる。
さらに、摺動面44の内周端にも低摩擦部46が形成されているため、摺動面44の内周端において潤滑油に油膜圧力を発生させることができる。この油膜圧力により、摺動面44の潤滑油が駆動ギア30の摺動面34を介して挿通孔38へと排出されるのを抑制することができ、ひいては摺動面44に潤滑油を保持することができる。
つまり、低摩擦部46が摺動面44に部分的に形成されていることにより、低摩擦部46が形成されている部分に油膜圧力を発生させることができる。この油膜圧力により、従動ギア40(の低摩擦部46)とハウジング10とが接触するのを抑制することができるため、低摩擦部46が従動ギア40の摺動面44の全面に、且つ、その厚みを均一とするように形成されたものと比べて、低摩擦部46の摩耗を抑制することができる。また、低摩擦部46の摩耗が抑制されることにより、磨耗粉や剥離粉が異物となって他部品の信頼性を損ねるのを防ぐことができる。
さらに、駆動ギア30(の低摩擦部36)及び従動ギア40(の低摩擦部46)とハウジング10とが接触するのを抑制することができることにより、機械的摩擦損失を低減させることができる。
また、このように形成された低摩擦部36・46により、潤滑油の漏れを抑制することができる。その理由について以下に説明する。
図1に示す駆動ギア30の周方向に隣り合う二つのポンプ室10Aの圧力は互いに異なる。このため、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油は、圧力が低い他方のポンプ室10Aに流動しようとする(漏れようとする)。このとき、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油は、低摩擦部46とハウジング10の摺動面12cとのクリアランスC1等を通って他方のポンプ室10Aに流動しようとする。
上述したように、低摩擦部36が形成された駆動ギア30の外周端、及び低摩擦部46が形成された従動ギア40の内周端(内歯42の縁)においては、ハウジング10の摺動面12cとのクリアランスC1を小さく形成しても従動ギア40の摩耗を抑制することができるため、前記クリアランスC1はかなり小さな値に設定することができる。この小さなクリアランスにより、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油が、駆動ギア30の摺動面34の外周端とハウジング10の摺動面12cとのクリアランスC1、及び従動ギア40の摺動面44の内周端とハウジング10の摺動面12cとのクリアランスC1に流入し難くなり、ひいては圧力が低い他方のポンプ室10Aへ流動し難くなる。よって、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油の漏れを抑制することができる。
また、仮に圧力が高い一方のポンプ室10Aから前記クリアランスC1に潤滑油が流入した場合、潤滑油は広い空間から狭い空間へ引き込まれることとなる。このとき、前記クリアランスC1に引き込まれた潤滑油には、くさび効果により油膜圧力が発生する。この油膜圧力により、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油が、駆動ギア30の摺動面34の外周端とハウジング10の摺動面12cとのクリアランスC1、及び従動ギア40の摺動面44の内周端とハウジング10の摺動面12cとのクリアランスC1にこれ以上流入し難くなり、ひいては圧力が低い他方のポンプ室10Aへ流動し難くなる。よって、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油の漏れを抑制することができる。
また、上述の如く、低摩擦部36・46が形成されている部分に発生する油膜圧力により、駆動ギア30(の低摩擦部36)及び従動ギア40(の低摩擦部46)とハウジング10とが接触するのを抑制することができる。このため、時間の経過と共に低摩擦部36・46の摩耗が進行するのが抑制される。これにより、ハウジング10の摺動面12cとのクリアランスC1が時間の経過と共に増大するのを抑制することができ、ひいては、時間の経過と共に潤滑油の漏れ量が増大するのを抑制することができる。
以上の如く、本実施形態に係るギアポンプ1は、外歯32(第一の歯)を有すると共に外部からの動力で回転する駆動ギア30と、前記外歯32に対して歯合する内歯42(第二の歯)を具備すると共にこれにより前記駆動ギア30の回転に伴って回転する従動ギア40と、前記駆動ギア30及び前記従動ギア40を収容するハウジング10と、前記駆動ギア30の軸方向における前記ハウジング10との摺動面34、及び前記従動ギア40の軸方向における前記ハウジング10との摺動面44に、部分的に低摩擦材がコーティングされる、あるいは場所によって厚みが異なるように低摩擦材がコーティングされることで形成される低摩擦部36・46と、を具備するものである。
このように構成することにより、駆動ギア30及び従動ギア40とハウジング10とのクリアランスを小さく設定しても、駆動ギア30及び従動ギア40の低摩擦部36・46とハウジング10とが接触するのを抑制することができ、これにより低摩擦部36・46の摩耗を抑制することができると共に機械的摩擦損失を低減することができ、さらに摩耗の抑制により駆動ギア30及び従動ギア40とハウジング10との間からの油漏れを抑制することができる。
また、本実施形態に係るギアポンプ1は、前記低摩擦部36・46が、前記駆動ギア30の前記摺動面34及び前記従動ギア40の前記摺動面44にライン状に形成されるものである。
このように構成することにより、駆動ギア30及び従動ギア40とハウジング10との間からの油漏れをより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態に係るギアポンプ1は、前記低摩擦部36・46が前記駆動ギア30の前記摺動面34の端部及び前記従動ギア40の前記摺動面44の端部に形成されるものである。
このように構成することにより、駆動ギア30及び従動ギア40とハウジング10との間からの油漏れをより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態に係るギアポンプ1は、前記低摩擦部36・46が前記外歯32の縁及び前記内歯42の縁に沿って形成されるものである。
このように構成することにより、駆動ギア30及び従動ギア40とハウジング10との間からの油漏れをより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態に係るギアポンプ1は、前記駆動ギア30が、当該駆動ギア30を駆動させる駆動軸20を挿通する挿通孔38を具備し、前記低摩擦部36が、前記挿通孔38の縁に沿って形成されるものである。
このように構成することにより、駆動ギア30とハウジング10との間からの油漏れをより効果的に抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本発明に係るギアポンプの種類は、本実施形態のような内接ギアポンプに限定されるものでなく、外接ギアポンプ(外歯車同士が?み合う一対のギアを具備するギアポンプ)であっても良い。
また、本実施形態に係るギアポンプ1は、一つの駆動ギア30及び一つの従動ギア40を具備するものとしたが、本発明に係るギアポンプはこれに限定されるものでなく、複数の駆動ギア30及び複数の従動ギア40を具備していても良い。
また、本実施形態において、低摩擦部36・46は、摺動面34・44に低摩擦材が部分的にコーティングされることで形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態において低摩擦材がコーティングされていないとした部分は、低摩擦材がコーティングされるとした部分よりも薄く低摩擦材がコーティングされていてもよい。つまり、低摩擦部36・46は、低摩擦材が場所によって厚みが異なるようにコーティングされることで形成されていてもよい。
また、本実施形態において、低摩擦部36・46は、駆動ギア30及び従動ギア40の内周端及び外周端に沿って形成されるものとしたが、駆動ギア30及び従動ギア40の内周端に沿って形成される部分だけであってもよく、駆動ギア30及び従動ギア40の外周端に沿って形成される部分だけであってもよい。
また、本実施形態においては、駆動ギア30の摺動面34に形成される低摩擦部の一例として低摩擦部36を、従動ギア40の摺動面44に形成される低摩擦部の一例として低摩擦部46を例示したが、本発明はこれに限るものではない。以下、本発明に係る摺動面34・44に形成される低摩擦部の他の実施形態について説明する。
図9に示す第二実施形態に係る駆動ギア50が、第一実施形態に係る駆動ギア30(図7参照)と異なる点は、低摩擦部36に加えて低摩擦部56を具備する点である。より詳細には、駆動ギア50の低摩擦部36・56は、摺動面34の内周端(挿通孔38の縁に沿って)及び外周端に(外歯32の縁に沿って)形成された部位(低摩擦部36)と、後述する前記内周端と外周端の間に環状に形成された部位(低摩擦部56)とを含む。よって以下では、駆動ギア50の構成のうち第一実施形態に係る駆動ギア30と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
低摩擦部56は、駆動ギア50の外周端に形成された低摩擦部36と駆動ギア50の内周端に形成された低摩擦部36との間に、低摩擦材が環状にコーティングされることで形成される。低摩擦部56は、挿通孔38の縁を囲むように形成される。低摩擦部56は、前記低摩擦部36に対して径方向に間隔をおいて、1以上(本実施形態においては6つ)形成される。低摩擦部56同士も同様に、互いに径方向に間隔をおいて形成される。
ここで、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油は、上述したように圧力が低い他方のポンプ室10Aに流動しよう(漏れよう)とするものと、圧力が低い駆動ギア50の径方向内側の挿通孔38に流動しようとするものがある。
仮に、潤滑油が、圧力が高い一方のポンプ室10Aから漏れて駆動ギア50の径方向内側の挿通孔38へ流動する場合、この潤滑油は、環状に形成される低摩擦部56を横断(低摩擦部56に対して略垂直となる方向へ流動)する。このとき、潤滑油は、大きなクリアランスであるクリアランスC2と小さなクリアランスであるクリアランスC1とを繰り返し経由するように流動する。このため、潤滑油が径方向内側に流動するにつれて、ラビリンス効果により当該潤滑油の圧力損失が大きくなり、ひいては、潤滑油のシール性が向上する。さらに、駆動ギア50の回転による遠心力のため、潤滑油には駆動ギア50の径方向外側への力が働く。なお、ラビリンス効果とは、迷路のように入り組んだ流路構造を作ることにより、そこを漏れ出ようとする流体の圧力損失が大きくなり、これにより漏れ量が減少することでシールの役目を果たすことである。
このため、駆動ギア50は、この圧力損失の増大(シール性の向上)と遠心力により、第一実施形態に係る駆動ギア30に比べて、潤滑油の挿通孔38からの漏れ量を減少させることができる。これにより、ポンプ効率を高めて理論吐出量へと近づけることができる。
また、摺動面34の潤滑油(摺動面34とハウジング10の摺動面12cとの間にある潤滑油)は、駆動ギア50の回転による遠心力のため、径方向外側へと流動する。その際、摺動面34の潤滑油は、広い空間(クリアランスC2)から狭い空間(クリアランスC1、すなわち低摩擦部56とハウジング10の摺動面12cとのクリアランス)へ引き込まれることとなる。このとき、クリアランスC1に引き込まれた潤滑油には、くさび効果により油膜圧力が発生する。よって、駆動ギア50の径方向中途部においても、潤滑油に油膜圧力を発生させることができる。したがって、全体として、油膜圧力を増大させることができる。
このため、駆動ギア50は、第一実施形態に係る駆動ギア30に比べて、駆動ギア50の摩耗をより効果的に抑制することができる。さらに、機械的摩擦損失をより低減させることができる。
図10に示す第三実施形態に係る駆動ギア60が、第二実施形態に係る駆動ギア50(図9参照)と異なる点は、低摩擦部56に代えて低摩擦部66を具備する点である。より詳細には、駆動ギア60の低摩擦部36・66は、摺動面34の内周端(挿通孔38の縁に沿って)及び外周端に(外歯32の縁に沿って)形成された部位(低摩擦部36)と、後述する前記内周端と外周端の間に環状に形成された部位(低摩擦部66)とを含む。よって以下では、駆動ギア60の構成のうち第二実施形態に係る駆動ギア50と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
低摩擦部66が、第二実施形態に係る低摩擦部56と異なる点は、周方向において外歯32が形成されている部分が、当該外歯32の外形形状に合わせて形成されている点である。具体的には、低摩擦部66は、周方向において外歯32が形成されている部分が、径方向外側に膨らむように形成される。また、径方向外側の低摩擦部66の方が、径方向内側の低摩擦部66よりも、その膨らみが大きくなるように形成される。
これによれば、第二実施形態に係る駆動ギア50と同様に、駆動ギア60は、第一実施形態に係る駆動ギア30に比べて、潤滑油の挿通孔38からの漏れ量を減少させることができる。また、駆動ギア60の摩耗をより効果的に抑制することができる。さらに、機械的摩擦損失をより低減させることができる。
図11に示す第四実施形態に係る従動ギア70が、第一実施形態に係る従動ギア40(図8参照)と異なる点は、低摩擦部46に加えて低摩擦部76を具備する点である。より詳細には、従動ギア70の低摩擦部46・76は、摺動面44の内周端に(内歯42の縁に沿って)及び外周端に形成された部位(低摩擦部46)と、後述する前記内周端と外周端の間に環状に形成された部位(低摩擦部76)とを含む。よって以下では、従動ギア70の構成のうち第一実施形態に係る従動ギア40と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
低摩擦部76は、従動ギア70の外周端に形成された低摩擦部46と従動ギア70の内周端に形成された低摩擦部46との間に、低摩擦材が環状にコーティングされることで形成される。低摩擦部76は、従動ギア70の外周端に形成された低摩擦部46と略同心円となるように形成される。低摩擦部76は、前記低摩擦部46に対して径方向に間隔をおいて、1以上(本実施形態においては2つ)形成される。低摩擦部76同士も同様に、互いに径方向に間隔をおいて形成される。
ここで、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油は、上述したように圧力が低い他方のポンプ室10Aに流動しよう(漏れよう)とするものと、従動ギア70の径方向外側に流動しようとするものがある。
仮に、潤滑油が、圧力が高い一方のポンプ室10Aから漏れて従動ギア70の径方向外側へ流動する場合、この潤滑油は、環状に形成される低摩擦部76を横断(低摩擦部76に対して略垂直となる方向へ流動)する。このとき、潤滑油は、大きなクリアランスであるクリアランスC2と小さなクリアランスであるクリアランスC1とを繰り返し経由するように流動する。このため、潤滑油が径方向外側に流動するにつれて、ラビリンス効果により当該潤滑油の圧力損失が大きくなる。
このため、従動ギア70は、この圧力損失により、第一実施形態に係る従動ギア40に比べて、従動ギア70の径方向外側への潤滑油の漏れ量を減少させることができる。
図12に示す第五実施形態に係る従動ギア80が、第四実施形態に係る従動ギア70(図11参照)と異なる点は、低摩擦部76に代えて低摩擦部86を具備する点である。より詳細には、従動ギア80の低摩擦部46・86は、摺動面44の内周端に(内歯42の縁に沿って)及び外周端に形成された部位(低摩擦部46)と、後述する前記内周端と外周端の間に環状に形成された部位(低摩擦部86)とを含む。よって以下では、従動ギア80の構成のうち第四実施形態に係る従動ギア70と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
低摩擦部86が、第四実施形態に係る低摩擦部76と異なる点は、周方向において内歯42が形成されている部分が、当該内歯42の外形形状に合わせて形成されている点である。具体的には、低摩擦部86は、周方向において内歯42が形成されている部分が、径方向内側に膨らむように形成される。
これによれば、第四実施形態に係る従動ギア70と同様に、従動ギア80は、第一実施形態に係る従動ギア40に比べて、従動ギア80の径方向外側への潤滑油の漏れ量を減少させることができる。
以上の如く、第二実施形態から第五実施形態に係るギアポンプ1は、低摩擦部56・66が前記駆動ギア50・60の前記摺動面34に、低摩擦部76・86が、前記従動ギア40の前記摺動面44に環状に形成されるものである。
このように構成することにより、駆動ギア50・60及び従動ギア70・80とハウジング10との間からの油漏れをより効果的に抑制することができる。
図13に示す第六実施形態に係る駆動ギア90が、第一実施形態に係る駆動ギア30(図7参照)と異なる点は、低摩擦部36に加えて低摩擦部96を具備する点と、摺動面34の内周端(挿通孔38の縁)に沿って低摩擦部36がコーティングされていない点である。より詳細には、駆動ギア90の低摩擦部36・96は、摺動面34の外周端に(外歯32の縁に沿って)形成された部位(低摩擦部36)と、後述するスパイラル状に形成された部位(低摩擦部96)とを含む。よって以下では、駆動ギア90の構成のうち第一実施形態に係る駆動ギア30と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
低摩擦部96は、低摩擦材が、駆動ギア90の径方向と交差するように従動ギア40(又は後述する従動ギア100)との歯合側(摺動面34の外周側)から従動ギア40(又は後述する従動ギア100)との非歯合側(摺動面34の内周側)へと延びるスパイラル状にコーティングされて形成される。低摩擦部96は、駆動ギア90の回転方向に対して前記歯合側が前記非歯合側よりも下流側に位置するように形成される。つまり、前記低摩擦部96は、駆動ギア90の回転方向と反対方向(正面視において反時計回り)に向かうにつれて駆動ギア90の回転中心から遠ざかるように延びるように形成される。低摩擦部96は、複数(本実施形態においては14個)形成される。低摩擦部96の径方向内側端部は、挿通孔38の縁に接続される。低摩擦部96の径方向外側端部は、低摩擦部36と接続される。
第一実施形態に係る駆動ギア30と同様に、駆動ギア90において、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油は、駆動ギア90の外周端部に形成された低摩擦部36により、圧力が低い他方のポンプ室10Aへ漏れるのを抑制することができる。
仮に、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油が漏れて摺動面34に流入した場合でも、スパイラル状に形成された低摩擦部96により、ポンプ室10Aへと戻すことができる。その理由について、以下に説明する。
駆動ギア90は、正面視において時計回り(図13(a)に示す白矢印方向)へ回転する。これに伴い、低摩擦部96も、正面視において時計回りへ回転することとなる。低摩擦部96同士の間の潤滑油は、当該低摩擦部96に案内されて径方向外側(図13(a)に示す黒矢印方向)へ流動する。さらに、駆動ギア90の回転による遠心力のため、潤滑油には駆動ギア90の径方向外側への力が働く。したがって、潤滑油は、ポンプ室10Aへと再び戻される。
このため、駆動ギア90は、第一実施形態に係る駆動ギア30に比べて、潤滑油の漏れ量をより減少させることができる。
図14に示す第七実施形態に係る従動ギア100が、第一実施形態に係る従動ギア40(図8参照)と異なる点は、低摩擦部46に加えて低摩擦部106を具備する点である。より詳細には、従動ギア100の低摩擦部46・106は、摺動面44の内周端に(内歯42の縁に沿って)及び外周端に形成された部位(低摩擦部46)と、後述するスパイラル状に形成された部位(低摩擦部106)とを含む。よって以下では、従動ギア100の構成のうち第一実施形態に係る従動ギア40と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
低摩擦部106は、低摩擦材が、従動ギア100の径方向と交差するように駆動ギア30(又は駆動ギア90)との歯合側(摺動面44の内周側)から駆動ギア30(又は駆動ギア90)との非歯合側(摺動面44の外周側)へと延びるスパイラル状にコーティングされて形成される。低摩擦部106は、従動ギア100の回転方向に対して前記歯合側が前記非歯合側よりも下流側に位置するように形成される。つまり、低摩擦部106は、従動ギア100の回転方向(正面視において時計回り)に向かうにつれて従動ギア100の回転中心から遠ざかるように延びるように形成される。低摩擦部106は、複数(本実施形態においては12個)形成される。低摩擦部106の径方向内側端部及び径方向外側端部はそれぞれ、摺動面44の内周端及び外周端に形成された低摩擦部46と接続される。
第一実施形態に係る従動ギア40と同様に、従動ギア100において、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油は、従動ギア100の内周端部に形成された低摩擦部46により、圧力が低い他方のポンプ室10Aへ漏れるのを抑制することができる。
仮に、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油が漏れて摺動面44に流入した場合でも、スパイラル状に形成された低摩擦部106により、ポンプ室10Aへと戻すことができる。その理由について、以下に説明する。
従動ギア100は、正面視において時計回り(図14(a)に示す白矢印方向)へ回転する。これに伴い、低摩擦部106も、正面視において時計回りへ回転することとなる。低摩擦部106同士の間の潤滑油は、当該低摩擦部106に案内されて径方向内側(図14(a)に示す黒矢印方向)へ流動する。したがって、潤滑油は、ポンプ室10Aへと再び戻される。
このため、従動ギア100は、第一実施形態に係る従動ギア40に比べて、潤滑油の漏れ量をより減少させることができる。
以上の如く、第六実施形態及び第七実施形態に係るギアポンプ1は、前記駆動ギア90の前記摺動面34に、前記駆動ギア90の径方向と交差するように前記従動ギア100との歯合側から前記従動ギア100との非歯合側へと延びると共に、前記駆動ギア90の回転方向に対して前記歯合側が前記非歯合側よりも下流側に位置するスパイラル状に形成され、且つ、前記従動ギア100の前記摺動面44に、前記従動ギア100の径方向と交差するように前記駆動ギア90との歯合側から前記駆動ギア90との非歯合側へと延びると共に、前記従動ギア100の回転方向に対して前記歯合側が前記非歯合側よりも下流側に位置するスパイラル状に形成されるものである。
このように構成することにより、駆動ギア90及び従動ギア100とハウジング10との間からの油漏れをより効果的に抑制することができる。
以上、本発明の第六実施形態及び第七実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、第六実施形態において、駆動ギア90は、その外周端に低摩擦部36が形成され、且つ、低摩擦部96がスパイラル状に形成されるものとしたが、低摩擦部36は形成されず低摩擦部96のみ形成されていてもよい。
また、第七実施形態において、従動ギア100は、その内周端及び外周端に低摩擦部46が形成され、且つ、低摩擦部106がスパイラル状に形成されるものとしたが、低摩擦部46は形成されず低摩擦部106のみ形成されていてもよい。
図15に示す第八実施形態に係る駆動ギア110が、第一実施形態に係る駆動ギア30(図7参照)と異なる点は、低摩擦部36に加えて低摩擦部116を具備する点である。よって以下では、駆動ギア110の構成のうち第一実施形態に係る駆動ギア30と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
低摩擦部116は、低摩擦材が放射状にコーティングされて形成される。具体的には、低摩擦部116は、駆動ギア110の回転中心から径方向に沿って径方向外側へ延びる放射状に形成される。低摩擦部116の径方向内側端部及び径方向外側端部は、低摩擦部36と接続される。
これによれば、低摩擦部116において油膜圧力を発生させることができる。よって、駆動ギア110の摩耗を抑制することができる。さらに、機械的摩擦損失を低減させることができる。
図16に示す第九実施形態に係る駆動ギア120が、第一実施形態に係る駆動ギア30(図7参照)と異なる点は、低摩擦部36に代えて低摩擦部126を具備する点である。よって以下では、駆動ギア120の構成のうち第一実施形態に係る駆動ギア30と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
低摩擦部126は、場所によって厚みが異なるように低摩擦材がコーティングされることで形成される。具体的には、低摩擦部126は、テーパー面126aと平坦面126bが周方向に交互に隣接するようにコーティングされることで形成される。
テーパー面126aは、低摩擦材が傾斜するようにコーティングされることで形成されるものである。具体的には、テーパー面126aは、駆動ギア120の回転方向に向かうにつれて厚みが薄くなるように形成される。テーパー面126aは、外歯32の摺動面34の回転方向側に形成される。
平坦面126bは、低摩擦材がテーパー面126aに隣接して平坦にコーティングされることで形成されるものである。平坦面126bは、テーパー面126aの駆動ギア120の回転方向と反対側に隣接する領域を含むように形成される。平坦面126bは、摺動面34のテーパー面126aを除く領域に形成される。
駆動ギア120は、正面視において時計回り(図16(a)に示す白矢印方向)へ回転する。摺動面34の潤滑油は、その粘性により、駆動ギア120と同じ方向に駆動ギア120よりも遅い速度で流動する。つまり、摺動面34の潤滑油は、駆動ギア120に対して相対的には、正面視において反時計回りに流動する。
そうすると、潤滑油は、テーパー面126aに沿って前斜め方向に流動し、次いで平坦面126bに沿って流動する(図16(b)に示す黒矢印参照)。このとき、潤滑油は、大きなクリアランス(ハウジング10の摺動面12cとテーパー面126aとのクリアランス)から小さなクリアランス(ハウジング10の摺動面12cと平坦面126bとのクリアランス)へと引き込まれることとなる。そのとき、小さなクリアランスに引き込まれた潤滑油には、くさび効果により油膜圧力が発生する。よって、ハウジング10の摺動面12cと平坦面126bとの間において、潤滑油に油膜圧力を発生させることができる。
この油膜圧力により、駆動ギア120(の低摩擦部126)とハウジング10とが接触するのを抑制することができる。このため、駆動ギア120は、機械的摩擦損失を低減させることができる。さらに、低摩擦部126の摩耗を抑制することができる。また、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油の漏れを抑制することができる。
図17に示す第十実施形態に係る従動ギア130が、第一実施形態に係る従動ギア40(図8参照)と異なる点は、低摩擦部46に代えて低摩擦部136を具備する点である。よって以下では、従動ギア130の構成のうち第一実施形態に係る従動ギア40と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
低摩擦部136は、場所によって厚みが異なるように低摩擦材がコーティングされることで形成される。具体的には、低摩擦部136は、テーパー面136aと平坦面136bが周方向に交互に隣接するようにコーティングされることで形成される。
テーパー面136aは、低摩擦材が傾斜するようにコーティングされることで形成されるものである。具体的には、テーパー面136aは、従動ギア130の回転方向に向かうにつれて厚みが薄くなるように形成される。テーパー面136aは、内歯42の摺動面44の回転方向側に形成される。
平坦面136bは、低摩擦材がテーパー面136aに隣接して平坦にコーティングされることで形成されるものである。平坦面136bは、テーパー面136aの従動ギア130の回転方向と反対側に隣接する領域を含むように形成される。平坦面136bは、摺動面44のテーパー面96aを除く領域に形成される。
従動ギア130は、駆動ギア30の回転に伴って、正面視において時計回り(図17(a)に示す白矢印方向)へ回転する。摺動面44の潤滑油は、その粘性により、従動ギア130と同じ方向に従動ギア130よりも遅い速度で流動する。つまり、摺動面44の潤滑油は、従動ギア130に対して相対的には、正面視において反時計回りに流動する。
そうすると、潤滑油は、テーパー面136aに沿って前斜め方向に流動し、次いで平坦面136bに沿って流動する(図17(b)に示す黒矢印参照)。このとき、潤滑油は、大きなクリアランス(ハウジング10の摺動面12cとテーパー面136aとのクリアランス)から小さなクリアランス(ハウジング10の摺動面12cと平坦面136bとのクリアランス)へと引き込まれることとなる。そのとき、小さなクリアランスに引き込まれた潤滑油には、くさび効果により油膜圧力が発生する。よって、ハウジング10の摺動面12cと平坦面136bとの間において、潤滑油に油膜圧力を発生させることができる。
この油膜圧力により、従動ギア130(の低摩擦部136)とハウジング10とが接触するのを抑制することができる。このため、従動ギア130は、機械的摩擦損失を低減させることができる。さらに、低摩擦部136の摩耗を抑制することができる。また、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油の漏れを抑制することができる。
以上の如く、第九実施形態に係るギアポンプ1は、低摩擦部126が、前記駆動ギア120の前記摺動面34に、駆動ギア120の回転方向に向かうにつれて厚みが薄くなるように傾斜するテーパー面126a(第一テーパー面)と、前記テーパー面126aの前記駆動ギア120の回転方向と反対方向側に隣接する平坦面126b(第一平端部)と、を具備するものである。
また、第十実施形態に係るギアポンプ1は、低摩擦部136が、前記従動ギア130の前記摺動面44に、従動ギア130の回転方向に向かうにつれて厚みが薄くなるように傾斜するテーパー面136a(第二テーパー面)と、前記テーパー面136aの前記従動ギア130の回転方向と反対方向側に隣接する平坦面136b(第二平端部)と、を具備するものである。
このように構成することにより、低摩擦部136の摩耗をより効果的に抑制することができると共に機械的摩擦損失をより効果的に低減することができる。
図18に示す第十一実施形態に係る駆動ギア140が、第九実施形態に係る駆動ギア120(図16参照)と異なる点は、低摩擦部126に代えて低摩擦部146を具備する点である。よって以下では、駆動ギア140の構成のうち第九実施形態に係る駆動ギア120と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
低摩擦部146は、低摩擦材が外歯32の所定の領域を除いてコーティングされることで形成されるものである。換言すれば、外歯32には、低摩擦材がコーティングされておらず摺動面34が露出した所定の領域に非コーティング部148が形成される。非コーティング部148は、外歯32ごとに形成される。非コーティング部148は、外歯32の回転方向側の外周端に接している。非コーティング部148の径方向内側の端部は、駆動ギア140の最も外径が小さい部分(周方向において外歯32が形成されていない部分)の径と略同一の径を有する円弧状に形成される。非コーティング部148の回転方向と反対側の端部は、外歯32の径方向外側の外周端の中途部(周方向中央部)から径方向内側に延びるように形成される。このようにして、非コーティング部148は、外歯32の回転方向側の半部を占める領域に形成される。
駆動ギア140は、正面視において時計回り(図18(a)に示す白矢印方向)へ回転する。摺動面34の潤滑油は、その粘性により駆動ギア140と同じ方向に、駆動ギア140よりも遅い速度で流動する。つまり、摺動面34の潤滑油は、駆動ギア140に対して相対的には、正面視において反時計回りに流動する。
そうすると、潤滑油は、摺動面34に沿って流動し、次いで摺動面34から低摩擦部146の側壁を昇った後当該低摩擦部146の頂面(前側の面)に沿って流動する(図18(b)に示す黒矢印参照)。このとき、潤滑油は、大きなクリアランスC2(ハウジング10の摺動面12cと摺動面34との間)から小さなクリアランスC1(ハウジング10の摺動面12cと低摩擦部146との間)へと引き込まれることとなる。そのとき、小さなクリアランスC1に引き込まれた潤滑油には、くさび効果により油膜圧力が発生する。よって、ハウジング10の摺動面12cと低摩擦部146との間において、潤滑油に油膜圧力を発生させることができる。
この油膜圧力により、駆動ギア140(の低摩擦部146)とハウジング10とが接触するのを抑制することができる。このため、駆動ギア140は、機械的摩擦損失を低減させることができる。さらに、低摩擦部146の摩耗を抑制することができる。また、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油の漏れを抑制することができる。
以上の如く、第十一実施形態に係るギアポンプ1は、低摩擦部146が、前記駆動ギア140の前記摺動面34に、前記外歯32の前記駆動ギア140の回転方向側の縁に接する非コーティング部148(第一の領域)を除いて形成されるものである。
このように構成することにより、低摩擦部146の摩耗をより効果的に抑制することができると共に機械的摩擦損失をより効果的に低減することができる。
図19に示す第十二実施形態に係る駆動ギア150が、第十一実施形態に係る駆動ギア140(図18参照)と異なる点は、低摩擦部146に代えて低摩擦部156を具備すると共に、非コーティング部148に代えて非コーティング部158を具備する点である。よって以下では、駆動ギア150の構成のうち第十一実施形態に係る駆動ギア140と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
非コーティング部158が、第十一実施形態に係る非コーティング部148と異なる点は、外歯32の径方向外側の外周端に接しないように形成されている点である。
これにより、駆動ギア150は、外歯32の径方向外側の外周端全体に低摩擦部156が形成される。したがって、駆動ギア150は、第十一実施形態に係る駆動ギア140に比べて、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油の漏れを、より効果的に抑制することができる。
以上の如く、第十二実施形態に係るギアポンプ1は、非コーティング部158(第一の領域)が、前記外歯32の径方向外側の縁に接しないように形成されるものである。
このように構成することにより、低摩擦部156の摩耗をより効果的に抑制することができると共に機械的摩擦損失をより効果的に低減することができる。
以上、本発明の第十一実施形態及び第十二実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、第十一実施形態及び第十二実施形態において、非コーティング部148・158は、外歯32ごとに形成されるものとしたが、1以上の外歯32に形成されていればよく、外歯32に1つおきに形成されていてもよい。
また、第十一実施形態及び第十二実施形態において、非コーティング部148・158は、低摩擦材がコーティングされておらず摺動面34が露出するように形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。非コーティング部148・158は、低摩擦部146・156よりも薄く低摩擦材がコーティングされていてもよい。
図20に示す第十三実施形態に係る従動ギア160が、第十実施形態に係る従動ギア130(図17参照)と異なる点は、低摩擦部136に代えて低摩擦部166を具備する点である。よって以下では、従動ギア160の構成のうち第十実施形態に係る従動ギア130と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
低摩擦部166は、低摩擦材が内歯42の所定の領域を除いてコーティングされることで形成されるものである。換言すれば、内歯42には、低摩擦材がコーティングされておらず摺動面44が露出した所定の領域に非コーティング部168が形成される。非コーティング部168は、内歯42ごとに形成される。非コーティング部168は、内歯42の回転方向側の縁に接している。非コーティング部168の径方向外側の端部は、従動ギア160の最も大きい内径(周方向において内歯42が形成されていない部分の内径)と略同一の径を有する円弧状に形成される。非コーティング部168の回転方向と反対側の端部は、内歯42の径方向内側の縁の中途部(周方向中央部)から径方向外側に延びるように形成される。このようにして、非コーティング部168は、内歯42の回転方向側の半部を占める領域に形成される。
従動ギア160は、正面視において時計回り(図20(a)に示す白矢印方向)へ回転する。摺動面44の潤滑油は、その粘性により従動ギア160と同じ方向に、従動ギア160よりも遅い速度で流動する。つまり、摺動面44の潤滑油は、従動ギア160に対して相対的には、正面視において反時計回りに流動する。
そうすると、潤滑油は、摺動面44に沿って流動し、次いで摺動面44から低摩擦部166の側壁を昇った後当該低摩擦部166の頂面(前側の面)に沿って流動する(図20(b)に示す黒矢印参照)。このとき、潤滑油は、大きなクリアランスC2(ハウジング10の摺動面12cと摺動面44との間)から小さなクリアランスC1(ハウジング10の摺動面12cと低摩擦部166との間)へと引き込まれることとなる。そのとき、小さなクリアランスC1に引き込まれた潤滑油には、くさび効果により油膜圧力が発生する。よって、ハウジング10の摺動面12cと低摩擦部166との間において、潤滑油に油膜圧力を発生させることができる。
この油膜圧力により、従動ギア160(の低摩擦部166)とハウジング10とが接触するのを抑制することができる。このため、従動ギア160は、機械的摩擦損失を低減させることができる。さらに、低摩擦部166の摩耗を抑制することができる。また、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油の漏れを抑制することができる。
以上の如く、第十三実施形態に係るギアポンプ1は、低摩擦部166が、前記従動ギア160の前記摺動面44に、前記内歯42の前記従動ギア160の回転方向側の縁に接する非コーティング部168(第二の領域)を除いて形成されるものである。
このように構成することにより、低摩擦部166の摩耗をより効果的に抑制することができると共に機械的摩擦損失をより効果的に低減することができる。
図21に示す第十四実施形態に係る従動ギア170が、第十三実施形態に係る従動ギア160(図20参照)と異なる点は、低摩擦部166に代えて低摩擦部176を具備すると共に、非コーティング部168に代えて非コーティング部178を具備する点である。よって以下では、従動ギア170の構成のうち第十三実施形態に係る従動ギア160と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
非コーティング部178が、第十三実施形態に係る非コーティング部168と異なる点は、内歯42の径方向内側の縁に接しないように形成されている点である。
これにより、従動ギア170は、内歯42の径方向内側の端部全体に低摩擦部176が形成される。したがって、従動ギア170は、第十三実施形態に係る従動ギア160に比べて、圧力が高い一方のポンプ室10Aの潤滑油の漏れを、より効果的に抑制することができる。
以上の如く、第十四実施形態に係るギアポンプ1は、非コーティング部178(第二の領域)が、前記内歯42の径方向内側の縁に接しないように形成されるものである。
このように構成することにより、低摩擦部176の摩耗をより効果的に抑制することができると共に機械的摩擦損失をより効果的に低減することができる。
以上、本発明の第十三実施形態及び第十四実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、第十三実施形態及び第十四実施形態において、非コーティング部168・178は、内歯42ごとに形成されるものとしたが、1以上の内歯42に形成されていればよく、内歯42に1つおきに形成されていてもよい。
また、第十三実施形態及び第十四実施形態において、非コーティング部168・178は、低摩擦材がコーティングされておらず摺動面44が露出するように形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。非コーティング部168・178は、低摩擦部166・176よりも薄く低摩擦材がコーティングされていてもよい。
図22に示す第十五実施形態に係る駆動ギア180が、第一実施形態に係る駆動ギア30(図7参照)と異なる点は、低摩擦部36に代えて低摩擦部186を具備する点である。よって以下では、駆動ギア180の構成のうち第一実施形態に係る駆動ギア30と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
低摩擦部186は、低摩擦材が摺動面34に点在するようにコーティングされることで形成される。点在した低摩擦部186のそれぞれは、凸形の円環状に形成される。点在した低摩擦部186同士は、略均等の間隔をあけて配置される。つまり、点在した低摩擦部186は円状に形成され、それぞれの頂部には、凹部186aが形成される。凹部186aは、前記頂部の略中心部が後方に凹むように形成される。
これによれば、低摩擦部186とハウジング10の摺動面12cとの間において、潤滑油に油膜圧力を発生させることができる。これにより、摺動面34の潤滑油全体にまんべんなく油膜圧力が発生することとなる。この油膜圧力により、駆動ギア180(の低摩擦部186)とハウジング10とが接触するのを抑制することができる。したがって、駆動ギア180は、機械的摩擦損失をより低減させることができる。さらに、低摩擦部186の摩耗をより効果的に抑制することができる。
また、凹部186aが形成されていることにより、この凹部186aに潤滑油を保持することができる。このため、駆動ギア180の摩耗をより効果的に抑制することができる。
図23に示す第十六実施形態に係る従動ギア190が、第一実施形態に係る従動ギア40(図8参照)と異なる点は、低摩擦部46に代えて低摩擦部196を具備する点である。よって以下では、従動ギア190の構成のうち第一実施形態に係る従動ギア40と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
低摩擦部196は、低摩擦材が摺動面44に点在するようにコーティングされることで形成される。点在した低摩擦部196のそれぞれは、円環状に形成される。点在した低摩擦部196同士は、略均等の間隔をあけて配置される。つまり、点在した低摩擦部196は円状に形成され、それぞれの頂部には、凹部196aが形成される。凹部196aは、前記頂部の略中心部が後方に凹むように形成される。
これによれば、低摩擦部196とハウジング10の摺動面12cとの間において、潤滑油に油膜圧力を発生させることができる。これにより、摺動面44の潤滑油全体にまんべんなく油膜圧力が発生することとなる。この油膜圧力により、従動ギア190(の低摩擦部196)とハウジング10とが接触するのを抑制することができる。したがって、従動ギア190は、機械的摩擦損失をより低減させることができる。さらに、低摩擦部196の摩耗をより効果的に抑制することができる。
また、凹部196aが形成されていることにより、この凹部196aに潤滑油を保持することができる。このため、従動ギア190の摩耗をより効果的に抑制することができる。
以上の如く、第十五実施形態及び第十六実施形態に係るギアポンプ1は、低摩擦部186・196が、前記駆動ギア180の前記摺動面34及び前記従動ギア190の前記摺動面44に点在するように形成されるものである。
このように構成することにより、低摩擦部186・196の摩耗をより効果的に抑制することができると共に機械的摩擦損失をより効果的に低減することができる。
また、第十五実施形態及び第十六実施形態に係るギアポンプ1は、前記点在した低摩擦部186・196のそれぞれが、凸形の円環状に形成されるものである。
このように構成することにより、低摩擦部186・196の摩耗をより効果的に抑制することができると共に機械的摩擦損失をより効果的に低減することができる。
以上、本発明の第十五実施形態及び第十六実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、第十五実施形態及び第十六実施形態において、点在した低摩擦部186・196のそれぞれは、凸形の円環状に形成されることで形成されるものとしたが、低摩擦部186・196の形状は限定されるものではない。
また、第十五実施形態及び第十六実施形態において、点在した低摩擦部186・196のそれぞれの頂部には、凹部186a・196aが形成されるものとしたが、凹部186a・196aは形成されていなくてもよい。
また、第十五実施形態及び第十六実施形態において、低摩擦部186・196は、低摩擦材を円環状にコーティングすることで形成されるものとしたが、図22(c)及び図23(c)に示す如く、レーザ照射により摺動面34・44に円環状の部分を形成し、前記円環状の部分に沿って低摩擦材をコーティングすることで低摩擦部186・196を形成してもよい。また、図22(d)及び図23(d)に示す如く、低摩擦部186・196の凹部186a・196aが摺動面34・44と面一となるようにしてもよい。
また、ギアポンプ1は、例えば第二実施形態に係る駆動ギア50及び第四実施形態に係る従動ギア70のように、低摩擦部が類似のパターンで形成されたもの同士を組み合わせてもよく、また、別のパターンのもの同士を組み合わせてもよい。
1 ギアポンプ
10 ハウジング
30 駆動ギア
32 外歯(第一の歯)
34 摺動面
36 低摩擦部
40 従動ギア
42 内歯(第二の歯)
44 摺動面
46 低摩擦部
126a テーパー面(第一テーパー面)
126b 平坦面(第一平坦面)
136a テーパー面(第二テーパー面)
136b 平坦面(第二平坦面)
148 非コーティング部(第一の領域)
168 非コーティング部(第二の領域)

Claims (12)

  1. 第一の歯を有すると共に外部からの動力で回転する駆動ギアと、
    前記第一の歯に対して歯合する第二の歯を具備すると共にこれにより前記駆動ギアの回転に伴って回転する従動ギアと、
    前記駆動ギア及び前記従動ギアを収容するハウジングと、
    前記駆動ギアの軸方向における前記ハウジングとの摺動面、及び前記従動ギアの軸方向における前記ハウジングとの摺動面に、部分的に低摩擦材がコーティングされる、あるいは場所によって厚みが異なるように低摩擦材がコーティングされることで形成される低摩擦部と、
    を具備するギアポンプ。
  2. 前記低摩擦部が、前記駆動ギアの前記摺動面及び前記従動ギアの前記摺動面にライン状に形成される、
    請求項1に記載のギアポンプ。
  3. 前記低摩擦部が、前記駆動ギアの前記摺動面の端部及び前記従動ギアの前記摺動面の端部に形成される、
    請求項1又は請求項2に記載のギアポンプ。
  4. 前記低摩擦部が、前記第一の歯の縁及び前記第二の歯の縁に沿って形成される、
    請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のギアポンプ。
  5. 前記駆動ギアが、当該駆動ギアを駆動させる駆動軸を挿通する挿通孔を具備し、
    前記低摩擦部が、前記挿通孔の縁に沿って形成される、
    請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のギアポンプ。
  6. 前記低摩擦部が、前記駆動ギアの前記摺動面及び前記従動ギアの前記摺動面に環状に形成される、
    請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のギアポンプ。
  7. 前記低摩擦部が、
    前記駆動ギアの前記摺動面に、前記駆動ギアの径方向と交差するように前記従動ギアとの歯合側から前記従動ギアとの非歯合側へと延びると共に、前記駆動ギアの回転方向に対して前記歯合側が前記非歯合側よりも下流側に位置するスパイラル状に形成され、且つ、
    前記従動ギアの前記摺動面に、前記従動ギアの径方向と交差するように前記駆動ギアとの歯合側から前記駆動ギアとの非歯合側へと延びると共に、前記従動ギアの回転方向に対して前記歯合側が前記非歯合側よりも下流側に位置するスパイラル状に形成される、
    請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のギアポンプ。
  8. 前記低摩擦部が、
    前記駆動ギアの前記摺動面に、
    前記駆動ギアの回転方向に向かうにつれて厚みが薄くなるように傾斜する第一テーパー面と、
    前記第一テーパー面の前記駆動ギアの回転方向と反対方向側に隣接する第一平坦面と、
    を具備し、
    前記従動ギアの前記摺動面に、
    前記従動ギアの回転方向に向かうにつれて厚みが薄くなるように傾斜する第二テーパー面と、
    前記第二テーパー面の前記従動ギアの回転方向と反対方向側に隣接する第二平坦面と、
    を具備する、
    請求項1に記載のギアポンプ。
  9. 前記低摩擦部が、
    前記駆動ギアの前記摺動面に、
    前記第一の歯の前記駆動ギアの回転方向側の縁に接する第一の領域を除いて形成され、あるいは前記第一の領域の厚みを他の領域よりも薄くするように形成され、且つ、
    前記従動ギアの前記摺動面に、
    前記第二の歯の前記従動ギアの回転方向側の縁に接する第二の領域を除いて形成され、あるいは前記第二の領域の厚みを他の領域よりも薄くするように形成される、
    請求項1に記載のギアポンプ。
  10. 前記第一の歯が、前記駆動ギアの外周面に形成される外歯であり、
    前記第二の歯が、前記従動ギアの内周面に形成される内歯であり、
    前記第一の領域が、前記外歯の径方向外側の縁に接しないように形成され、
    前記第二の領域が、前記内歯の径方向内側の縁に接しないように形成される、
    請求項9に記載のギアポンプ。
  11. 前記低摩擦部が、前記駆動ギアの前記摺動面及び前記従動ギアの前記摺動面に点在するように形成される、
    請求項1に記載のギアポンプ。
  12. 前記点在した低摩擦部のそれぞれが、凸形の円環状に形成される、
    請求項11に記載のギアポンプ。
JP2015104582A 2015-05-22 2015-05-22 ギアポンプ Pending JP2016217290A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015104582A JP2016217290A (ja) 2015-05-22 2015-05-22 ギアポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015104582A JP2016217290A (ja) 2015-05-22 2015-05-22 ギアポンプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016217290A true JP2016217290A (ja) 2016-12-22

Family

ID=57580520

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015104582A Pending JP2016217290A (ja) 2015-05-22 2015-05-22 ギアポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016217290A (ja)

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10299669A (ja) * 1997-04-25 1998-11-10 Denso Corp 回転式ポンプ及び回転式ポンプを備えたブレーキ装置
JP2005248944A (ja) * 2004-02-06 2005-09-15 Sumitomo Denko Shoketsu Gokin Kk 内接歯車式ポンプ
JP2007263019A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Jtekt Corp 内接ギヤポンプ
JP2008128199A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Matsushita Electric Works Ltd ベーンポンプ
JP2011079064A (ja) * 2009-10-02 2011-04-21 Ntn Corp シート状摺動部材および工作機械の案内構造用摺動部材
JP2011122548A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Jtekt Corp 内接歯車ポンプ
JP2011236864A (ja) * 2010-05-13 2011-11-24 Daihatsu Motor Co Ltd オイルポンプ
JP2012181421A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置
WO2013069144A1 (ja) * 2011-11-10 2013-05-16 トヨタ自動車株式会社 車両用内接歯車式オイルポンプ
JP2014063067A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置
JP2014240614A (ja) * 2013-06-11 2014-12-25 住友電工ファインポリマー株式会社 容積式ポンプ

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10299669A (ja) * 1997-04-25 1998-11-10 Denso Corp 回転式ポンプ及び回転式ポンプを備えたブレーキ装置
JP2005248944A (ja) * 2004-02-06 2005-09-15 Sumitomo Denko Shoketsu Gokin Kk 内接歯車式ポンプ
JP2007263019A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Jtekt Corp 内接ギヤポンプ
JP2008128199A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Matsushita Electric Works Ltd ベーンポンプ
JP2011079064A (ja) * 2009-10-02 2011-04-21 Ntn Corp シート状摺動部材および工作機械の案内構造用摺動部材
JP2011122548A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Jtekt Corp 内接歯車ポンプ
JP2011236864A (ja) * 2010-05-13 2011-11-24 Daihatsu Motor Co Ltd オイルポンプ
JP2012181421A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置
WO2013069144A1 (ja) * 2011-11-10 2013-05-16 トヨタ自動車株式会社 車両用内接歯車式オイルポンプ
JP2014063067A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置
JP2014240614A (ja) * 2013-06-11 2014-12-25 住友電工ファインポリマー株式会社 容積式ポンプ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20210364034A1 (en) Slide component
JP5904961B2 (ja) スクリュー圧縮機
JP2012031849A (ja) スクロール式流体機械
JP2007077805A (ja) ポンプのロータ装置
CN108474380B (zh) 无油螺杆压缩机
KR101921009B1 (ko) 오일프리 스크루 압축기
US10934985B2 (en) Fuel pump
JP2016217289A (ja) ギアポンプ
JP2016217290A (ja) ギアポンプ
JP6236958B2 (ja) ギヤポンプ
US11319811B2 (en) Internal gear pump
JP2016183631A (ja) ギアポンプ
JP2015203359A (ja) 内接ギアポンプ
JP5865960B2 (ja) 圧縮機
JP2010150958A (ja) ベーンポンプ
JP3213356U (ja) 内接歯車ポンプ
JP6447482B2 (ja) 燃料ポンプ
US9765773B2 (en) Pump having an inner and outer rotor
US11480172B2 (en) Gear pump
KR102095596B1 (ko) 내접 기어 펌프
CN114245852A (zh) 单元式的波动齿轮装置
JP2018189017A (ja) 外接ギヤポンプ
JP2019105221A (ja) オイルポンプ装置
JP2007177687A (ja) タンデム型トロコイドポンプ
JP2017089395A (ja) ベーンポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180830

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190305